JP4084107B2 - 自動改札システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば、鉄道関係の無人駅に設置され、利用者が提示する乗車券からそれに記録されている情報を読取って改札処理を自動的に行なう自動改札装置と、この自動改札装置とは遠隔した管理駅に設置され、かつ、前記自動改札装置と通信回線を介して接続され、前記自動改札装置の状態監視や制御などを行なう監視装置とからなる自動改札システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、たとえば、鉄道関係において、自動改札装置の遠隔制御システムが導入されている。これは、閑散駅に対し駅員がいない場合に、管理駅から自動改札装置などの状態監視や制御などができるようにし、駅の状態はモニタなどで確認できるようにしたシステムである。実現は様々な形態が考えられ、構内カメラから駅務機器まで全てを管理する統合システムから、自動改札装置のみの情報を管理駅に設置された監視装置により表示するものまで、様々である。
現在、駅の無人コーナでは、対象コーナの自動改札装置の状態を監視装置にてモニタしたり、遠隔監視カメラで状況を把握するシステムがある。
【0003】
今後、省力化のために閑散駅に自動改札装置の導入が増えてくると、駅員がその駅にいない無人駅が増えていくと考えられ、その場合、利用者に対しきめ細かい対応ができるようなシステムが必要になる。そのため、現在は自動改札装置にインタホンを用いて、利用者と係員が会話できるシステムがあり、運用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
自動改札装置の遠隔システムにおける問題点は、自動改札装置などの駅務機器がインタホン対応などの遠隔対応仕様になっているものの、本格的に無人駅に展開する場合には下記のような不都合や障害の可能性がある。
第1に、利用者が通常に通過できている場合は問題ないが、自動改札装置のトラブル、もしくは、利用者の操作間違いなどに対応することができず、正しい料金収受ができない場合がある。
【0005】
2番目に、駅には通常の利用者以外に工事関係者、物品配送業者などが自動改札装置を使わず、他の出入口から出入りすることがある。ところが、無人駅に対しては、そのような出入口を作ってしまうと、一般の利用者が不正に使用してしまうおそれがある。
3番目に、駅員の業務として、利用者から周辺の道案内を頼まれる場合がある。その場合には、インタホンのみの対応であったので、言葉のみの対応となり、充分な案内ができないことがある。
【0006】
4番目に、乗車券を取忘れた利用者がいた場合、通常、自動改札装置は専用の集札箱(保管部)に当該乗車券を取込む動作を行なう。取忘れた利用者が申し出た場合、通常駅であれば駅員がいるために、専用の集札箱から該当乗車券を取出し、返却することもできる。ところが、無人駅には駅員がいないことから、利用者はどうすることもできない。
【0007】
5番目に、利用者の不正の1つに拾得定期券を使う場合がある。その場合、たとえば、拾得定期券の正規の持主が女性の場合に男性が使うことはおかしく、また、正規の持主が小児の場合に大人が使うことはおかしい。さらに、昨今普及しているICカード形の定期券の場合、拾得定期券であれば上位システムで登録したら、その定期券は自動改札装置では使用できない仕組みになっている。いずれの場合も、駅員がいる場合は直接事情を聞くことも可能であるが、無人駅であればそれをすることもできない。
【0008】
そこで、本発明は、たとえば、無人駅に設置する自動改札装置に対して、通常の有人駅に設置された自動改札装置と同等の利便性を備え、利用者に対しきめこまかなサービスを提供できる自動改札システムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の自動改札システムは、交通機関の駅に設置され、利用者が提示する乗車券からそれに記録されている情報を読取って改札処理を自動的に行なう自動改札装置と、この自動改札装置とは遠隔した場所に設置され、かつ、前記自動改札装置と通信回線を介して接続され、前記自動改札装置の状態監視などを行なう監視装置とからなる自動改札システムにおいて、前記自動改札装置は、利用者が係員を呼出す際に操作する係員呼出し手段と、利用者の少なくとも上半身画像を撮影する第1の撮影手段と、利用者が発声する音声を入力する第1の音声入力手段と、前記係員呼出し手段の操作に伴う係員呼出し信号、前記第1の撮影手段により撮影された利用者の画像、および、前記第1の音声入力手段により入力された利用者の音声をそれぞれ前記監視装置へ送信する第1の送信手段と、前記監視装置から送信される係員の音声を受信して出力する第1の音声出力手段と、利用者の少なくとも顔画像を撮影する第2の撮影手段と、利用者が照合処理を要求する際に操作する照合要求手段と、この照合要求手段が操作されるのに応答し、前記第2の撮影手段により撮影された利用者の顔画像を前記監視装置へ送信する第2の送信手段とを具備し、前記監視装置は、前記自動改札装置の第1の送信手段により送信される係員呼出し信号、利用者の画像および利用者の音声をそれぞれ受信する第1の受信手段と、この第1の受信手段が係員呼出し信号を受信すると、係員の呼出しがあったことを係員に報知する報知手段と、前記受信手段が利用者の画像を受信すると、その画像を表示する画像表示手段と、前記第1の受信手段が利用者の音声を受信すると、その音声を出力する音声出力手段と、係員が発声する音声を入力する第2の音声入力手段と、この第2の音声入力手段により入力された係員の音声を前記自動改札装置へ送信する第3の送信手段と、前記自動改札装置の第2の送信手段により送信される利用者の顔画像を受信する第2の受信手段と、この第2の受信手段が利用者の顔画像を受信すると、当該利用者の顔画像をあらかじめ辞書情報として登録されている顔画像と照合することにより、当該利用者の通過を許可可能か否かを判定する判定手段と、この判定手段の判定結果を前記自動改札装置へ送信する第4の送信手段とを具備し、前記監視装置は、さらに、前記自動改札装置の第4の送信手段により送信される判定結果を受信する第3の受信手段と、この第3の受信手段が判定結果を受信すると、当該判定結果に基づき利用者の通過を制御する通過制御手段とを具備している。
また、本発明の自動改札システムは、交通機関の駅に設置され、利用者が提示する乗車券からそれに記録されている情報を読取って改札処理を自動的に行なう自動改札装置と、この自動改札装置とは遠隔した場所に設置され、かつ、前記自動改札装置と通信回線を介して接続され、前記自動改札装置の状態監視などを行なう監視装置とからなる自動改札システムにおいて、前記自動改札装置は、利用者が係員を呼出す際に操作する係員呼出し手段と、利用者の少なくとも上半身画像を撮影する第1の撮影手段と、利用者が発声する音声を入力する第1の音声入力手段と、前記係員呼出し手段の操作に伴う係員呼出し信号、前記第1の撮影手段により撮影された利用者の画像、および、前記第1の音声入力手段により入力された利用者の音声をそれぞれ前記監視装置へ送信する第1の送信手段と、前記監視装置から送信される係員の音声を受信して出力する第1の音声出力手段と、利用者の少なくとも顔画像を撮影する第2の撮影手段と、利用者が照合処理を要求する際に操作する照合要求手段と、この照合要求手段が操作されると、前記第2の撮影手段により撮影された当該利用者の顔画像をあらかじめ辞書情報として登録されている顔画像と照合することにより、当該利用者の通過を許可可能か否かを判定する判定手段と、この判定手段の判定結果に基づき利用者の通過を制御する通過制御手段とを具備し、前記監視装置は、前記自動改札装置の第1の送信手段により送信される係員呼出し信号、利用者の画像および利用者の音声をそれぞれ受信する第1の受信手段と、この第1の受信手段が係員呼出し信号を受信すると、係員の呼出しがあったことを係員に報知する報知手段と、前記受信手段が利用者の画像を受信すると、その画像を表示する画像表示手段と、前記第1の受信手段が利用者の音声を受信すると、その音声を出力する音声出力手段と、係員が発声する音声を入力する第2の音声入力手段と、この第2の音声入力手段により入力された係員の音声を 前記自動改札装置へ送信する第2の送信手段とを具備している。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本実施の形態に係る自動改札システムの構成を概略的に示すものである。図1において、複数の自動改札装置1,…は、たとえば、鉄道関係の無人駅Aにそれぞれ設置されている。これら複数の自動改札装置1は、利用者が投入する乗車券からそれに記録されている情報を読取って改札処理を自動的に行ない、かつ、当該利用者が投入した乗車券を取忘れた場合、その乗車券を特定の保管部(専用の集札箱)に取込むとともに、利用者が提示した乗車券があらかじめ登録された特定の乗車券(たとえば、拾得定期券)であるか否かを判定する機能を有するものとする。
【0012】
無人駅Aに設置された複数の自動改札装置1は、LANなどの通信回線2を介して、無人駅Aから遠隔した係員(駅員)のいる管理駅Bに設置された監視装置3にそれぞれ接続されている。監視装置3は、各自動改札装置1の状態監視や制御などを管理駅Bから行なうものである。
【0013】
図2は、無人駅Aに設置される自動改札装置1の構成を概略的に示すものである。自動改札装置1は、装置全体を制御するCPU11、CPU11の処理プログラムや各種データなどを格納する保管手段としてのメモリ12、投入された乗車券を搬送する搬送部13、利用者の通行を制御するドア14および人間検知器15、当該自動改札装置1を利用する利用者の上半身(少なくとも顔画像であればよい)を撮影する撮影手段としてのテレビカメラ16、利用者が管理駅Bの駅員(係員)を呼出す際に操作する係員呼出し手段としての呼出しスイッチ17、各種案内や地図などの画像を表示する画像出力手段としての可変表示部18、監視装置3から送信される係員の音声を出力する音声出力手段としてのスピーカ19、利用者の音声を入力する音声入力手段としてのマイクロフォン20、および、監視装置3と通信を行なう送信および受信手段としての通信インタフェイス部21により構成されている。
なお、スピーカ19およびマイクロフォン20は、監視装置3側の駅員との間で会話を行なうためのインタホン機能を構成している。
【0014】
図3は、管理駅Bに設置される監視装置3の構成を概略的に示すものである。監視装置3は、装置全体を制御するCPU31、CPU31の処理プログラムや各種データなどを格納する保管手段としてのメモリ32、自動改札装置1の状態を監視したり各種画像の表示を行なう画像表示手段(画像出力手段)としての可変表示部33、可変表示部33の画面上に設けられたタッチパネル34、自動改札装置1から送信される利用者の音声を出力する音声出力手段としてのスピーカ35、係員の音声を入力する音声入力手段としてのマイクロフォン36、および、自動改札装置1と通信を行なう送信および受信手段としての通信インタフェイス部37により構成されている。
なお、スピーカ35およびマイクロフォン36は、自動改札装置1側の利用者との間で会話を行なうためのインタホン機能を構成している。
【0015】
図4は、自動改札装置1におけるカメラ16の設置例を概略的に示すものである。まず、自動改札装置1の概略構成について説明しておく。自動改札装置本体41の上面の一端部には、たとえば、有効期間や利用可能区間などの改札情報が磁気エンコード記録された磁気式の乗車券(定期券、普通乗車券、回数券など)やSFカードなどの媒体が投入される投入口42が設けられ、他端部には、投入口42から受入れた乗車券やSFカードを排出する取出口43が設けられている。本体41上の取出口43の前方には、利用者Mや駅員などに対して各種案内や地図などの画像を表示する可変表示部18が設けられている。本体41の通路側の側面の両端部には、それぞれ利用者Mの通行を制御する開閉動作可能なドア14,14が設けられており、通行可否の判定結果に基づき、このドア14,14が開閉制御されるようになっている。
【0016】
そして、本体41上の取出口43の手前には、改札通路内を図示矢印a方向に進行してくる利用者Mの上半身(少なくとも顔画像であればよい)を撮影するカメラ16が設置されている。ここに、カメラ16の、本体41の上方から見た視野E1は図4(a)に示すように設定され、本体41の側方から見た視野E2は図4(b)に示すように設定され、本体41の正面から見た視野E3は図4(c)に示すように設定されている。
【0017】
なお、図4の例は、カメラ16を本体41上の取出口43の手前に設置した場合であるが、これに限らず、たとえば、図5に示すように、本体41上の投入口42の近傍にカメラ16を設置してもよい。
【0018】
図6は、監視装置3における可変表示部33(タッチパネル34)の表示画面の一例を示している。図6において、51は接続されている各自動改札装置1の異常表示部で、接続されている自動改札装置1の台数分、対応する号機番号とともに表示される。この場合、自動改札装置1が正常に稼動している場合には、異常表示部51内は無表示だが、自動改札装置1で異常あるいは係員呼出しが発生すると、対応する号機番号の異常表示部51に異常内容あるいは係員呼出しがあったことが表示される。このとき、図示しない警報部が鳴動し、係員に異常あるいは係員呼出し発生を伝える。そして、自動改札装置1で異常状態あるいは係員呼出しが解除されると、異常表示部51の表示は消去されるようになっている。
【0019】
52は接続されている各自動改札装置1の通路設定状態表示部で、出場モード設定で稼働している場合には「出」、両用モード設定(入場機としても出場機としても、どちらにも使用できるモード)の場合には「両」、入場モード設定で稼動している場合には「入」と表示される。
【0020】
53はカメラ画像表示部で、自動改札装置1において撮影され送信される利用者の画像を表示する。
54は接続されている各自動改札装置1のリセットボタン表示部で、接続されている自動改札装置1の台数分、対応する号機番号とともに表示される。
【0021】
55はメニュー表示部で、たとえば、「監視」、「通路」、「電源」、「設定」、「データ」、「係員処理」の各ボタンから構成される。たとえば、監視ボタンを押下すると、各自動改札装置1の通路設定モードを表示するとともに、異常発生時あるいは係員呼出し時にはその表示を行なう。また、たとえば、係員処理ボタンを押下すると、係員処理モードとなり、通路設定状態表示部52が係員処理メニュー表示部に変化するようになっている。
【0022】
次に、上記のような構成において動作を説明する。
【0023】
通常、自動改札装置1の稼動中には利用者が投入する乗車券の処理を行ない、通行可能であればドア14を開いて通行を許可している。自動改札装置1のカメラ16は、通常は乗車券の投入時、もしくは、利用者の改札通路侵入時から利用者の画像の取込みを開始する。画像の取込み間隔は様々であるが、この例では、たとえば、0.5秒間隔で取込むものとする。
【0024】
取込んだ利用者の画像は、当該乗車券から読取った情報と対応させてメモリ12内に保存するが、正しい乗車券で通過した利用者の場合は取込んだ画像は使用しないので、正しい乗車券と判定した後にメモリ12内から削除しておく。こうすることにより、メモリの有効活用となり、メモリ容量の節約にもなる。
【0025】
次に、利用者の操作間違いとして、たとえば、使用するつもりではない乗車券を投入してしまった場合の動作について、図7に示すフローチャートを参照して説明する。
間違えて乗車券を投入口42に投入した場合(ステップS1)、利用者は呼出しスイッチ17を押下する(ステップS2)。呼出しスイッチ17が押下されると、それに伴い係員呼出し信号が監視装置3へ送信される。監視装置3では、自動改札装置1からの係員呼出し信号を受信すると、図8に示すように、可変表示部33の該当する号機番号の異常表示部51が点灯され、自動改札装置1において呼出しスイッチ17が押下された旨の表示が行なわれる。また、このとき、図示しない警報部が鳴動し、係員に係員呼出し発生を伝える(ステップS3)。
【0026】
ここで、係員(駅員)が、このとき点灯している異常表示部51を押下すると(ステップS4)、その操作が画像送信要求として自動改札装置1へ送信される。自動改札装置1では、監視装置3からの画像送信要求を受信すると、カメラ16で撮影されている利用者の画像が監視装置3へ送信される(ステップS5)。監視装置3では、自動改札装置1から送信される利用者の画像を受信すると、図6に示すように、可変表示部33のカメラ画像表示部53に当該画像を表示する(ステップS6)。
このように、係員が点灯している異常表示部51を押下すると、自動改札装置1のカメラ16で撮影されている利用者の画像が監視装置3の可変表示部33で目視できるようになる。
【0027】
また、このとき、自動改札装置1は、監視装置3との間でマイクロフォン20を用いた会話ができるようインタホン機能を監視装置3に接続するとともに、監視装置3も、自動改札装置1との間でマイクロフォン36を用いた会話ができるようインタホン機能を自動改札装置1に接続する(ステップS5)。これにより、監視装置3側の駅員は、インタホン機能を用いて自動改札装置1側にいる利用者と会話ができるようになる(ステップS7)。
【0028】
さて、自動改札装置1側にいる利用者がインタホン機能を用いて入場を取りやめたいと、監視装置3側の駅員に連絡する(ステップS8)。これを受信した駅員は、監視装置3のメニュー表示部55において、係員処理ボタンを押下して係員処理モードとすることにより、図9に示すように、通路設定状態表示部52が係員処理メニュー表示部に変化する。ここで、駅員は、表示された入場キャンセルボタン56を押下することにより(ステップS9)、入場キャンセル命令が自動改札装置1へ送信される。
【0029】
入場キャンセル命令を受信した自動改札装置1は、改札入場キャンセルモードに設定するとともに(ステップS10)、改札入場キャンセルモードになった旨を監視装置3へ通知する。改札入場キャンセルモードになった旨の通知を受信した監視装置3は、入場キャンセルボタン56を点灯させて改札入場キャンセルモードになった旨を表示する(ステップS11)。
【0030】
ここで、監視装置3側の駅員は、インタホン機能を用いて自動改札装置1側にいる利用者に対しキャンセルのため乗車券を投入するよう促す(ステップS12)。これに基づき、自動改札装置1側の利用者は乗車券を投入する(ステップS13)。このとき、駅員は、カメラ16が撮影した利用者の画像を監視装置3のカメラ画像表示部53で確認することにより、利用者が指示された動作を行なっているかどうかを確認できる。
【0031】
自動改札装置1は、駅員の指示にしたがい利用者が乗車券を投入すると、改札入場キャンセル処理を行ない、当該キャンセル処理が終了すると、改札入場キャンセル処理終了の通知を監視装置3へ送信する。改札入場キャンセル処理終了の通知を受信した監視装置3は、その旨を音声案内あるいは案内文字の表示により駅員に対し報知する(ステップS14)。ここで、駅員は、インタホン機能を用いて自動改札装置1側にいる利用者に対し改札入場キャンセル処理が終了した旨を通知する(ステップS15)。
【0032】
これで自動改札装置1の処理が終了し(ステップS16)、自動改札装置1は通常状態(次の乗車券投入待ち状態)に復帰する(ステップS17)。また、監視装置3は、利用者に対する処理が終了したことを可変表示部33の画面で確認し(ステップS18)、図示しないカメラ画像終了ボタンを押下することにより、カメラ画像表示部53における画像表示を閉じるとともに(ステップS19)、カメラ画像終了信号を自動改札装置1へ送信する。これにより、監視装置3は通常の稼働状態に戻る(ステップS20)。
自動改札装置1は、監視装置3からのカメラ画像終了信号を受信すると、インタホン機能をオフにし(ステップS21)、通常の稼働状態に戻る(ステップS22)。
【0033】
次に、通常の利用者以外の利用者、たとえば、駅売店の集配業者が当該自動改札装置1を通過する場合の動作について説明する。なお、基本的な動作は上述した利用者の操作ミスの場合と同様であるので、以下の説明では簡単に説明する。
【0034】
まず、利用者(集配業者)は、自動改札装置1において呼出しスイッチ17を押下する。呼出しスイッチ17が押下されると、監視装置3の可変表示部33には該当号機の自動改札装置1から呼出しスイッチ17が押下された旨の表示が行なわれる(図8参照)。ここで、駅員が点灯している異常表示部51を押下すると、カメラ画像表示部53に自動改札装置1のカメラ16で撮影されている利用者の画面が表示される(図6参照)。
【0035】
この表示画面で、駅員が利用者の顔などの確認ができれば、可変表示部33のリセットボタン表示部54にて当該自動改札装置1に対応するリセットボタンを押下することにより、当該自動改札装置1をリセットして、利用者を通行させることができる。
【0036】
また、通過できる利用者が登録可能ならば、その利用者の例えば顔情報を画像で登録しておき、自動改札装置1で撮影された利用者の顔画像と照合して、通行してもよい利用者かどうかを自動判定し、通過可能ならば自動改札装置1の音声案内および可変表示部18にて通過可能な旨の案内を出すことができる。
【0037】
すなわち、監視装置3のメモリ32に、あらかじめ通過できる利用者の顔画像を辞書情報として登録(記憶)しておく。また、自動改札装置1に利用者が照合処理を要求する際に操作する照合要求手段としての照合要求スイッチを設けておく。
【0038】
そして、当該自動改札装置1を通過しようとする利用者が照合要求スイッチを押下すると、そのときカメラ16で撮影された当該利用者の顔画像を監視装置3へ送信する。監視装置3は、自動改札装置1からの顔画像とメモリ32にあらかじめ登録されている辞書情報(顔画像)と照合することにより、当該利用者の通過を許可可能か否かを判定し、その判定結果を自動改札装置1へ送信する。
【0039】
自動改札装置1は、監視装置3からの判定結果が通過許可ならば、スピーカ19を用いた音声案内および可変表示部18にて通過許可の案内を出力し、ドア14を開放する。判定結果が通過不許可ならば、スピーカ19を用いた音声案内および可変表示部18にて通過不許可の案内を出力し、ドア14を閉鎖する。
【0040】
なお、辞書情報は監視装置3のメモリ32に登録せず、自動改札装置1のメモリ12に登録しておき、顔画像の照合処理を自動改札装置1で行なうようにしてもよい。このようにすれば照合処理の高速化が可能である。
また、利用者の顔画像の認識だけでなく、たとえば、ID情報(個人識別情報)との併用も可能である。
【0041】
次に、利用者が駅員に対し駅付近の案内をしてもらいたい場合の動作について説明する。なお、この場合も、基本的な動作は前述した利用者の操作ミスの場合と同様であるので、以下の説明では簡単に説明する。
【0042】
まず、利用者は、自動改札装置1において呼出しスイッチ17を押下する。呼出しスイッチ17が押下されると、監視装置3の可変表示部33には該当号機の自動改札装置1から呼出しスイッチ17が押下された旨の表示が行なわれる。ここで、駅員が点灯している異常表示部51を押下すると、カメラ画像表示部53に自動改札装置1のカメラ16で撮影されている利用者の画面が表示される。また、インタホン機能が使用可能な状態に設定される。したがって、駅員は自動改札装置1側にいる利用者と会話ができるようになる。
【0043】
そこで、たとえば、利用者が駅員に道案内などを求めた場合、口頭だけで説明できない場合は、その駅周辺の地図をあらかじめ監視装置3のメモリ32に登録しておくことにより、当該駅周辺の地図を検索して自動改札装置1へ送信する。すると、自動改札装置1は、可変表示部18にその地図画像を表示する。また、その地図画像に基づき駅員がインタホン機能を通じて道案内することができる。さらに、登録してある地図だけでなく、監視装置3にタッチパネル34を用いて絵を書くことができるツールがある場合、その画面を書いてすぐ利用者に送ってみてもらうこともでき、より細かい案内が可能となる。また、この方法は、利用者が耳の不自由な場合にも有効で、案内を画面表示にて全て行なうことも可能である。
なお、画面案内を要求したい場合には、その旨を要求するためのスイッチを自動改札装置1に設けておき、監視装置3にそのスイッチが押下されたことがわかる表示をすることも可能である。
【0044】
次に、利用者が投入して返却された乗車券を取忘れた場合の動作について説明する。
自動改札装置1は、利用者が取忘れた乗車券に対しては、前述したように、利用者が通過した後に専用の集札箱に取込む。その際、自動改札装置1は、カメラ16で撮影した当該利用者の画像(少なくとも顔画像であればよい)とともに、当該取忘れ乗車券から読取った情報を監視装置3に送信する。監視装置3は、自動改札装置1からの取忘れ乗車券の情報とともに、そのときの利用者の画像をメモリ32に保管(記憶)する。
【0045】
乗車券を取忘れた利用者が、後で取忘れ乗車券について申し出る場合、自動改札装置1において呼出しスイッチ17を押下して、インタホン機能により監視装置3側の駅員に申し出る。この申し出を受けた駅員は、監視装置3において、メモリ32から当該利用者の取忘れ時の画像および券情報を検索し、図10に示すように、可変表示部33の通路設定状態表示部52に別集札表示として表示する。ここで、駅員は、通路設定状態表示部52に表示された取忘れ時の利用者の顔と、このときカメラ画像表示部53に表示されている申し出た利用者の顔とを見比べることにより、本人かどうかの見極めをすることができ、その後の案内に役立つ。
なお、自動改札装置1に発券機構が設置されている場合には、仮に利用者に乗車券を発行するなどして、後で取忘れた乗車券を無人駅で回収した後、本人に返却することができる。
【0046】
次に、不正な自動改札装置の利用として、たとえば、拾得定期券を使用された場合の動作について説明する。
定期券には、その券特有のIDコードを記録しておき、自動改札装置1はそのIDコードを読取ることができるものとする。また、監視装置3は、その上位装置(ホスト装置)から、届け出られた紛失定期券のIDコードを受取り、各自動改札装置1に送信する。各自動改札装置1は、監視装置3から送信された紛失定期券のIDコードをメモリ12に登録(記憶)しておく。
【0047】
そして、自動改札装置1は、定期券が投入されると、その情報を読取り、通行可否の判定を行なうとともに、読取った情報内のIDコードがメモリ12に登録されているIDコードと一致するかどうかを判定する。この判定の結果、両IDコードが一致しなければ通常に処理する。もし、両IDコードが一致する場合は、当該定期券はそれを投入した利用者に返却せず、内部の専用の集札箱に取込む。
【0048】
その際、自動改札装置1は、カメラ16で撮影した当該利用者の画像(少なくとも顔画像であればよい)とともに、当該紛失定期券から読取った情報を監視装置3に送信する。監視装置3は、自動改札装置1からの紛失定期券の情報とともに、そのときの利用者の画像をメモリ32に保管(記憶)する。
駅員が、たとえば、後で紛失定期券について調査する場合、監視装置3において、メモリ32から調査したい紛失定期券の画像および券情報を検索し、可変表示部33に表示することにより、使用者を特定する一助になる。
【0049】
以上説明したような構成であれば、自動改札装置にカメラ、マイクロフォン、スピーカ、可変表示部、呼出しスイッチを設けるとともに、監視装置にもマイクロフォン、スピーカ、可変表示部を設けることにより、自動改札装置の異常時、故障時、および、利用者の操作ミスの場合など、さまざまな場合に監視装置で自動改札装置を用いた処理を利用者の挙動を目視しながら指示することができる。
【0050】
また、たとえば、物品の配送業者や工事関係者などが駅構内から構外へ、あるいは、その逆に構外から構内へ入るときに自動改札装置を通過する場合、照合要求スイッチを押下することにより、カメラで撮影した利用者の画像を監視装置へ送って顔照合を行ない、あらかじめ登録された利用者であれば、自動改札装置を通過可能にすることができる。
【0051】
また、自動改札装置側の利用者の要求により、監視装置から自動改札装置に対し任意の画像を送り、自動改札装置に表示することにより、利用者に対するサービスの向上が図れる。
【0052】
また、乗車券を取忘れた利用者の画像と当該乗車券の情報を監視装置へ送って保管しておき、後で利用者の申告があった場合に、その利用者の画像および券情報と現在の申告者の画像とを比較することにより、確実にその利用者か否かを特定することができる。
【0053】
さらに、たとえば、拾得定期券が検出された場合、その拾得定期券を投入した利用者の画像および券情報を監視装置へ送って保管しておき、必要に応じて表示出力できるようにすることにより、後で拾得定期券の使用者を特定するのに極めて有効である。
【0054】
したがって、無人駅に設置する自動改札装置に対して、通常の有人駅に設置された自動改札装置と同等の利便性を備え、さまざまな場合に駅員と利用者との意思疎通を図ることができ、利用者に対しきめこまかなサービスを提供できる。
【0055】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、たとえば、無人駅に設置する自動改札装置に対して、通常の有人駅に設置された自動改札装置と同等の利便性を備え、利用者に対しきめこまかなサービスを提供できる自動改札システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る自動改札システムの構成を概略的に示すブロック図。
【図2】無人駅に設置される自動改札装置の構成を概略的に示すブロック図。
【図3】管理駅に設置される監視装置の構成を概略的に示すブロック図。
【図4】自動改札装置におけるカメラの設置例を概略的に示すもので、(a)は上方から見た図、(b)は側方から見た図、(c)は正面から見た図。
【図5】自動改札装置におけるカメラの他の設置例を概略的に示すもので、(a)は上方から見た図、(b)は側方から見た図、(c)は正面から見た図。
【図6】監視装置における可変表示部の表示画面の一例を示す図。
【図7】使用するつもりではない乗車券を投入してしまった場合の動作について説明すすフローチャート。
【図8】自動改札装置の呼出しスイッチが押下された場合の監視装置における可変表示部の表示画面の一例を示す図。
【図9】係員処理モード設定時の監視装置における可変表示部の表示画面の一例を示す図。
【図10】取忘れ乗車券処理時の監視装置における可変表示部の表示画面の一例を示す図。
【符号の説明】
1…自動改札装置、2…通信回線、3…監視装置、11…CPU、12…メモリ(保管手段)、14…ドア、16…テレビカメラ(撮影手段)、17…呼出しスイッチ(係員呼出し手段)、18…可変表示部(画像出力手段)、19…スピーカ(音声出力手段)、20…マイクロフォン(音声入力手段)、21…通信インタフェイス部(送信および受信手段)、31…CPU、32…メモリ(保管手段)、33…可変表示部(画像表示手段、画像出力手段)、34…タッチパネル、35…スピーカ(音声出力手段)、36…マイクロフォン(音声入力手段)、37…通信インタフェイス部(送信および受信手段)。
Claims (2)
- 交通機関の駅に設置され、利用者が提示する乗車券からそれに記録されている情報を読取って改札処理を自動的に行なう自動改札装置と、この自動改札装置とは遠隔した場所に設置され、かつ、前記自動改札装置と通信回線を介して接続され、前記自動改札装置の状態監視などを行なう監視装置とからなる自動改札システムにおいて、
前記自動改札装置は、
利用者が係員を呼出す際に操作する係員呼出し手段と、
利用者の少なくとも上半身画像を撮影する第1の撮影手段と、
利用者が発声する音声を入力する第1の音声入力手段と、
前記係員呼出し手段の操作に伴う係員呼出し信号、前記第1の撮影手段により撮影された利用者の画像、および、前記第1の音声入力手段により入力された利用者の音声をそれぞれ前記監視装置へ送信する第1の送信手段と、
前記監視装置から送信される係員の音声を受信して出力する第1の音声出力手段と、
利用者の少なくとも顔画像を撮影する第2の撮影手段と、
利用者が照合処理を要求する際に操作する照合要求手段と、
この照合要求手段が操作されるのに応答し、前記第2の撮影手段により撮影された利用者の顔画像を前記監視装置へ送信する第2の送信手段と、
を具備し、
前記監視装置は、
前記自動改札装置の第1の送信手段により送信される係員呼出し信号、利用者の画像および利用者の音声をそれぞれ受信する第1の受信手段と、
この第1の受信手段が係員呼出し信号を受信すると、係員の呼出しがあったことを係員に報知する報知手段と、
前記受信手段が利用者の画像を受信すると、その画像を表示する画像表示手段と、
前記第1の受信手段が利用者の音声を受信すると、その音声を出力する音声出力手段と、
係員が発声する音声を入力する第2の音声入力手段と、
この第2の音声入力手段により入力された係員の音声を前記自動改札装置へ送信する第3の送信手段と、
前記自動改札装置の第2の送信手段により送信される利用者の顔画像を受信する第2の受信手段と、
この第2の受信手段が利用者の顔画像を受信すると、当該利用者の顔画像をあらかじめ辞書情報として登録されている顔画像と照合することにより、当該利用者の通過を許可可能か否かを判定する判定手段と、
この判定手段の判定結果を前記自動改札装置へ送信する第4の送信手段と、
を具備し、
前記監視装置は、さらに、
前記自動改札装置の第4の送信手段により送信される判定結果を受信する第3の受信手段と、
この第3の受信手段が判定結果を受信すると、当該判定結果に基づき利用者の通過を制御する通過制御手段と、
を具備したことを特徴とする自動改札システム。 - 交通機関の駅に設置され、利用者が提示する乗車券からそれに記録されている情報を読取って改札処理を自動的に行なう自動改札装置と、この自動改札装置とは遠隔した場所に設置され、かつ、前記自動改札装置と通信回線を介して接続され、前記自動改札装置の状態監視などを行なう監視装置とからなる自動改札システムにおいて、
前記自動改札装置は、
利用者が係員を呼出す際に操作する係員呼出し手段と、
利用者の少なくとも上半身画像を撮影する第1の撮影手段と、
利用者が発声する音声を入力する第1の音声入力手段と、
前記係員呼出し手段の操作に伴う係員呼出し信号、前記第1の撮影手段により撮影された利用者の画像、および、前記第1の音声入力手段により入力された利用者の音声をそれぞれ前記監視装置へ送信する第1の送信手段と、
前記監視装置から送信される係員の音声を受信して出力する第1の音声出力手段と、
利用者の少なくとも顔画像を撮影する第2の撮影手段と、
利用者が照合処理を要求する際に操作する照合要求手段と、
この照合要求手段が操作されると、前記第2の撮影手段により撮影された当該利用者の顔画像をあらかじめ辞書情報として登録されている顔画像と照合することにより、当該利用者の通過を許可可能か否かを判定する判定手段と、
この判定手段の判定結果に基づき利用者の通過を制御する通過制御手段と、
を具備し、
前記監視装置は、
前記自動改札装置の第1の送信手段により送信される係員呼出し信号、利用者の画像および利用者の音声をそれぞれ受信する第1の受信手段と、
この第1の受信手段が係員呼出し信号を受信すると、係員の呼出しがあったことを係員に報知する報知手段と、
前記受信手段が利用者の画像を受信すると、その画像を表示する画像表示手段と、
前記第1の受信手段が利用者の音声を受信すると、その音声を出力する音声出力手段と、
係員が発声する音声を入力する第2の音声入力手段と、
この第2の音声入力手段により入力された係員の音声を前記自動改札装置へ送信する第2の送信手段と、
を具備したことを特徴とする自動改札システム。
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JP2002193527A JP4084107B2 (ja) | 2002-07-02 | 2002-07-02 | 自動改札システム |
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