JP4084051B2 - 車両用ドアアウトサイドハンドル装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両用ドアアウトサイドハンドル装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
キーレスエントリーシステムを構築するに際し、車体からの露出要素であるアウトサイドハンドル装置内にアンテナを配置した従来例としては、例えば、特表2001-520337号公報に記載されたものが知られている。この従来例において、ハンドル内部にはアンテナが収容され、該アンテナ、あるいはハンドルの導電メッキを施したカバーと車体との間に形成される間隙への手の挿入による静電容量の変化を検知してアンテナを交信状態に遷移させる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、アンテナはフェライト等の強磁性体からなるコアに導電線を巻回して形成されるために脆弱で、かつ、ドアの開閉操作を行う際の手掛けとなるハンドルにはドア開閉操作時、とりわけドア開放操作時には大きな力が加えられるために、ドアの開閉操作時に破断し易いという欠点がある。
【0004】
また、このような問題が生じないものとして、例えば、特開2000-160897号公報に記載されたアウトサイドハンドル装置も提案されているが、この場合、ハンドルケースを金属材料により形成する必要があり、製造コストが高くなるという欠点がある。
【0005】
本発明は、以上の欠点を解消すべくなされたものであって、簡単な構造でアンテナの破損を防止できる車両用ドアアウトサイドハンドル装置の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば上記目的は、
ハンドル1内部に収容される車外との交信用のアンテナ2と、
ハンドル1への接近、あるいは接触を検知して前記アンテナ2を交信状態に遷移させる静電容量センサ3を備えた車両用ドアアウトサイドハンドル装置であって、
前記ハンドル1は、合成樹脂材により車両前後方向に長寸に形成されてドアパネル4から離れた位置までドアパネル4外方に突出して取り付けられるハンドル本体1cを有し、
前記アンテナ2は、ハンドル本体1cの長手方向に沿ってハンドル本体1cの内部に収容され、ハンドル本体1cと協働して挟み込むようにして背面に沿って配置される静電容量センサ3の金属材料からなる板状の検出電極5によりドアパネル4との対向面がほぼ全長に渡って覆われる車両用ドアアウトサイドハンドル装置を提供することにより達成される。
【0007】
車両用ドアアウトサイドハンドル装置は、ドアパネル4の外壁面に固定され、ハンドル本体1cを操作することによってドアの開閉操作を行うもので、車体外部から接近した車両利用者の携帯端末装置装置との間で良好な交信ができるように、アンテナ2は車体外壁に露出するハンドル本体1cの内部に収容される。
【0008】
ハンドル本体1c内部に配置される静電容量センサ3は、静電容量の変化を検出した際にアンテナ2を交信状態に遷移させるスイッチとして機能し、該静電容量センサ3の検出電極5がハンドル本体1cの背面壁、すなわち、ドアパネル4表面に正対する側の壁面側に配置される。
【0009】
したがってこの発明において、ドアを開放操作する際に、ハンドル本体1cのドアパネル4との対向面に大きな力が負荷されても、アンテナ2の当該対向面に剛性の高い金属製の検出電極5が配置されているために、アンテナ2は操作力から保護され、アンテナ2の損傷が防止される。
【0010】
金属製の検出電極5は一般に剛性が期待できるが、例えば薄板状に形成されて剛性が期待できない場合には、長手通しにフランジ6を設けて断面二次モーメントを増加させ、折り曲げに対する抵抗力を増加させることができる。また、検出電極5をドアパネル4対向面側の外郭壁面として構成する場合には、例えば、外郭壁面が曲率面として形成されるなど、適宜の意匠的処理が施されるために、結果、断面二次モーメントが増加し、所定の剛性が確保できる。
【0011】
金属材料により形成される検出端子は、アンテナ2に対して電磁シールド体として機能するために、フランジ6の高さ等を調整してアンテナ2の側壁部の所定領域を覆うように構成することによって、アンテナ2の放射方向を規制することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1、2に本発明の実施の形態を示す。アウトサイドハンドル装置は、車両のドアパネル4に固定されるハンドルベース7にハンドル1を装着して形成される。ハンドル1をハンドルベース7との枢軸7a回りに回転操作することによって、ドア内方に配置される図外のドアロック装置に連結される操作部8が操作され、ドアロック装置が解除される。
【0013】
ハンドルベース7には、キープレートにより操作可能な補助錠9と機械式ボタン式スイッチにより形成されるロックスイッチ10が配置され、補助錠を操作することによりドアロック装置の施解錠が、ロックスイッチ10の押下によりドアロック装置の施錠操作ができる。
【0014】
図2にハンドル装置のハンドル1を示す。ハンドル1は一端部に上記ハンドルベース7への連結部1aを備えて車両前後方向(車長方向)に長寸に形成される合成樹脂製のハンドル本体1cと、カバー1dとからなり、ハンドル本体1cのアーム部1bを除くほぼ全領域には、ドアパネル4方向に向かって開放される凹溝1eが設けらる。この凹溝1e内には、アンテナ2と静電容量センサ3からなるアンテナユニットが収容され、合成樹脂製のカバー1dにより閉塞される。
【0015】
アンテナユニットのアンテナ2は、フェライト等の強磁性体からなるコアに導電線を巻回してハンドル1長手方向に長い棒状に形成され、ハンドル本体1cの中央部に配置される。
【0016】
静電容量センサ3は、ステンレス等の金属材料により形成される検出電極5と、該検出電極5の静電容量の変化を検出する静電容量検出回路をパッケージ内に封止した回路部3aとから構成され、回路部3a、および上記アンテナ2の導電線はケーブル11にまとめられてハンドル1外に引き出される。
【0017】
検出電極5は凹溝1eのほぼ全長に渡って配置され、図2(a)に示すように、ボルト12によりカバー1dとともにハンドル本体1cに共締めされる。この検出電極5は、図2(b)に示すように、アンテナ2をハンドル本体1cと協働して挟み込むようにアンテナ2の背面に沿うように配置され、長手方向の剛性を高めるために、両側縁にはハンドル1表面側に立ち上がるフランジ6を備える。この実施の形態において、フランジ6は、アンテナ2からの電波の放射方向が可及的に広がるように、剛性を高めるために最小限必要な高さに設けられるが、放射方向を規制したい場合には、高さ、位置等を適宜変更できる。
【0018】
したがってこの実施の形態において、ハンドル1に人体が接近したり、あるいはドアを開放するために手をハンドル1に触れると、検出電極5の静電容量の変化が静電容量検出回路により検出され、検出信号がケーブル11を経由して車内に搭載した図外の制御部に入力される。検出信号を受領した制御部は、交信回路を駆動してアンテナ2から交信電波を放出して運転者側の携帯端末装置との間で交信し、携帯端末装置のID等の一致が確認されると、ロック装置の施錠を解除する。また、運転者が車外に出てハンドルベース7に配置されたロックスイッチ10を押下すると、ロック装置は施錠状態に移行する。
【0019】
また、ハンドル1に手をかけてドアを強く引き、ハンドル1、特にカバー1dに強い力が加えられても、フランジ6により剛性を高められているために容易に変形しない静電容量センサ3の検出電極5がアンテナ2の背面を覆って保護しているために、アンテナ2に負荷が与えられることがなく、アンテナ2の損傷が防止される。
【0020】
さらに、図1において、ロックスイッチ10はハンドルベース7側に配置する場合が示されているが、ハンドル1側に配置することも可能であり、この場合、図3に示すように、検出電極5が剛性を有することを利用して、該検出電極5をロックスイッチ10の支持基板として利用することができる。また、図3においてロックスイッチ10は、静電容量型のタッチセンサにより構成されているが、図1のような機械式ボタンにより形成することも可能である。
【0021】
図4に本発明の第2の実施の形態を示す。なお、本実施の形態の説明において、上述した実施の形態と実質的に同一の構成要素は、図中に同一符号を付して説明を省略する。この実施の形態において、ハンドル1は、ハンドル本体1cの凹溝1eを検出電極5により閉塞して形成され、検出電極5がハンドル1の背面壁を構成する。
【0022】
検出電極5の一端部には、基板収容部5aが形成され、該基板収容部5a内に静電容量検出回路を実装した実装基板13が収容され、ポッティング樹脂14等により封止される。実装基板13との結線にはワイヤ等を使用することが可能であるが、検出電極5を良導電体材料により形成する場合には、実装基板13を固定するビス15等を入出力端子として利用できる。
【0023】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、ハンドル内に収容されるアンテナを剛性の高い静電容量センサの検出電極により覆ったので、使用中にアンテナが破損することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を示す全体図である。
【図2】ハンドルを示す図で、(a)は長手方向断面図、(b)は(a)の2B-2B線断面図である。
【図3】図2の変形例を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態を示す図である。
【符号の説明】
1 ハンドル
2 アンテナ
3 静電容量センサ
4 ドアパネル
5 検出電極
6 フランジ

Claims (4)

  1. ハンドル内部に収容される車外との交信用のアンテナと、
    ハンドルへの接近、あるいは接触を検知して前記アンテナを交信状態に遷移させる静電容量センサを備えた車両用ドアアウトサイドハンドル装置であって、
    前記ハンドルは、合成樹脂材により車両前後方向に長寸に形成されてドアパネルから離れた位置までドアパネル外方に突出して取り付けられるハンドル本体を有し、
    前記アンテナは、ハンドル本体の長手方向に沿ってハンドル本体の内部に収容され、ハンドル本体と協働して挟み込むようにして背面に沿って配置される静電容量センサの金属材料からなる板状の検出電極によりドアパネルとの対向面がほぼ全長に渡って覆われる車両用ドアアウトサイドハンドル装置。
  2. 前記検出電極は、長手通しにフランジを備える請求項1記載の車両用ドアアウトサイドハンドル装置。
  3. 前記検出電極が、ハンドル本体のドアパネルとの対向面の外郭を構成する請求項1記載の車両用ドアアウトサイドハンドル装置。
  4. 前記検出電極がアンテナの側壁部所定領域を覆い、アンテナからの電波放射方向を規制する請求項1、2または3記載の車両用ドアアウトサイドハンドル装置。
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