JP4081760B2 - 写真処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、設定されたピント面から感光材料が巻癖等により浮き上がった状態で露光されることにより、プリントのピントずれが生じるのを防止するピント面維持ガイドが露光部に設けられた写真処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のデジタル技術およびこれに付随するデジタル用デバイスの発達に伴い、写真処理装置業界においてもデジタル化の波が打ち寄せている。その一例として、写真フィルムの原画を光学レンズ系を介して感光材料に焼き付けるという従来のアナログ露光方式に取って代わり、写真フィルムの原画をスキャナーで読み込んでデジタルデータ化し、このデジタルデータに基づいて作成される画像をデジタル用デバイスを介して感光材料に焼き付けるというデジタル露光方式が採用されるようになってきている。
【0003】
デジタル露光方式には、光ファイバとPLZT素子(透光性圧電セラミックス素子)との組合せによる方式、DMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)(登録商標)による方式、レーザー光とポリゴンミラーとの組合せによる方式等が提供されているが、何れの方式にあっても、感光材料を一定速度で搬送させながらライン状に露光を行なっていく、いわゆる走査露光方式が大半である。
【0004】
かかる走査露光方式では、感光材料が露光ヘッドに対して所定の間隔に維持されずにピント面から浮き上がると、ピントずれが生じてプリントの画質が低下することから、感光材料をピント面に一致させておく必要がある。従って、走査露光方式を採用する写真処理装置では、図4に示す如く、露光ヘッド20の近傍に、搬送面に沿って配置されるガイドプレート21と、該ガイドプレート21に搬送面を挟んで対向配置されるピント面維持ガイド22とを備え、感光材料Pをガイドプレート21とピント面維持ガイド22との間の隙間を通過させることで、感光材料Pの浮き上がりを防止しつつ、該ピント面維持ガイド22に形成された長尺なスリット22aを介してライン状に露光を行う構成が一般的である(特許文献1参照)。
【0005】
とはいえ、感光材料は、その製造メーカ並びに種類の相違、あるいは製造誤差によって厚さが若干異なるため、ガイドプレート21とピント面維持ガイド22との間のすき間は、何れの感光材料でも通過できるように余裕を以て設定されている。従って、厚さの薄い感光材料を用いて写真処理を行う場合、感光材料がガイドプレート21とピント面維持ガイド22との間のすき間内において不用意にガタ付き、感光材料の露光面(乳剤面)の位置が露光ヘッド20に対して一定に保つことができず、ともすると、微小ながらもピントずれが生じるといった不具合が発生する。
【0006】
そのため、感光材料をガイドプレート21に常時押し付けるように付勢するか、あるいはピント面維持ガイド22に常時押し付けるように付勢するための施策を講じるのが一般的である。但し、良質な画質のプリントを得るためには、感光材料のベース面(乳剤面とは反対側の面)に対してではなく、乳剤面に対してピントを合わせるようにする(即ち、ピント面をピント面維持ガイド22を基準に設定する)のが好ましく、また、被写界深度が浅いPLZT素子方式では、それが必須である(特許文献2参照)。
【0007】
感光材料をピント面維持ガイド22に常時押し付けるように付勢するための施策としては、特許文献2に記載の如く、感光材料のベース面に当接し得る刷毛部材であってもよいが、より確実性を実現するには、ある程度剛性があり、バネ等の弾性部材によりピント面維持ガイド22側に付勢される押さえ部材である方が好ましい。
【0008】
【特許文献1】
特開2003−156803号公報
【特許文献2】
特開2001−159790号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、感光材料をピント面維持ガイド22に常時押し付けるタイプの写真処理装置では、ピント面維持ガイド22と感光材料Pの乳剤面とが摺接状態にあるため、原反の感光材料に付着している紙粉や原反の感光材料を所定寸法に切断する際に生じて該感光材料に付着した紙粉が感光材料の搬送に伴ってピント面維持ガイド22に付着しやすくなっている。そして、この状態を放置しておくと、付着した紙粉により露光のケラレ(紙粉による露光の遮光現象)が起こって、プリント上に露光ムラ(何本かの白すじ)が生じることがある。そのため、ピント面維持ガイド22は、一日で約二回の頻度で清掃を実施するメンテナンス対象品に指定され、且つメンテナンスのために着脱自在に構成される。
【0010】
ところが、ピント面維持ガイド22を感光材料Pの幅方向に沿って抜き差しする方式によると、ピント面維持ガイド22を差し込む際、付勢によりガイドプレート21のガイド面(感光材料Pと対向する面)から突出している押さえ部材の例えば角部分がピント面維持ガイド22のガイド面(感光材料Pと対向する面)に当たり、このガイド面が傷付くおそれがある。この傷は、感光材料の乳剤面に接触して該乳剤面を傷めるおそれがあるから絶対に許容できるものではない。
【0011】
一方、ピント面維持ガイド22を感光材料Pの搬送面と直交する方向に沿って取り付け・取り外しする方式によると、上記問題は解消され得るが、そのためには、露光ヘッド20を退かすか、あるいはピント面維持ガイド22と共にガイドプレート21を手前側に引き出す構成とせざるを得ず、取り付け・取り外し作業の煩雑さが問題となってくる。
【0012】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、着脱作業の容易化を目的としてピント面維持ガイドを感光材料の幅方向に沿って抜き差し自在にする上で、ピント面維持ガイドの差し込み時に発生し得るガイド面の損傷を好適に防止することができる写真処理装置を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る写真処理装置は、感光材料の浮き上がりを防止すべく該感光材料の乳剤面に対向するピント面維持ガイドと、感光材料のベース面に対向するガイド部材とが露光部に設けられた写真処理装置において、ピント面維持ガイドに当接すべく付勢されてピント面維持ガイドに感光材料を押し付ける押さえ部材が設けられると共に、ピント面維持ガイドは、感光材料の幅方向に沿って抜き差し自在であり、しかも、ピント面維持ガイドの差し込み時にピント面維持ガイドと押さえ部材とが干渉するのを防止すべく、押さえ部材を付勢される方向に抗してピント面維持ガイドから離間する方向に変位させておく変位手段が設けられてなることを特徴とする。
【0014】
上記構成からなる写真処理装置によれば、ピント面維持ガイドを感光材料の幅方向に沿って差し込んで取り付けるのであるが、この時点では、押さえ部材には、変位手段による規制が作用しており、押さえ部材は、ピント面維持ガイドと干渉(接触)しない位置まで退避した状態にある。ピント面維持ガイドを取り付ければ、押さえ部材に対する規制は解除される。そして、規制が解除されると、押さえ部材は、付勢により進出して感光材料をピント面維持ガイドに押し付ける作用を発生させ、その結果、感光材料の乳剤面と露光ヘッドとの距離が一定に保たれてピントずれの生じない適正な露光処理が行われる。
【0015】
また、本発明に係る写真処理装置は、前記変位手段を、前記変位手段は、前記ピント面維持ガイドの抜き取り方向に付勢され且つ該付勢によるピント面維持ガイドの抜き取り方向への変位に伴い前記押さえ部材と係合して押さえ部材を退避方向に変位させるカム部材で構成することができる。かかる構成からなる写真処理装置によれば、付勢によりカム部材がピント面維持ガイドの抜き取り方向に変位すると、カム部材との係合により押さえ部材も変位し、押さえ部材は、ピント面維持ガイドと干渉しない位置まで退避した状態となる。
【0016】
そして、その場合、前記カム部材は、前記ピント面維持ガイドの取り付け時にピント面維持ガイドと係合してピント面維持ガイドの差し込み方向へ強制的に変位させられるものである構成がより好ましい。かかる構成からなる写真処理装置によれば、ピント面維持ガイドを取り付ける際、該ピント面維持ガイドがカム部材を付勢に抗して押し戻すことで、押さえ部材に対する規制は解除され、その結果、押さえ部材は、進出して感光材料をピント面維持ガイドに押し付ける作用を発生させる。即ち、ピント面維持ガイドを取り付けた時点で押さえ部材に対する規制が自動的に解除されるようになっている。
【0017】
また、本発明に係る写真処理装置は、感光材料の乳剤面に対向するガイド部材が前記ピント面維持ガイドの上流側及び下流側に近接して設けられる構成を採用することができる。かかる構成からなる写真処理装置によれば、ピント面維持ガイドを差し込む際、該ピント面維持ガイドが両側で近接するガイド部材によって幅規制されながら円滑に差し込まれる。そのため、狭いスペースであっても、差し込み作業はより容易となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本実施形態に係る写真処理装置の露光部について図面を参酌しつつ説明する。尚、写真処理装置の露光部の以外の構成は、周知であるので、説明を割愛する。
【0019】
例えばレーザー光とポリゴンミラーとの組合せによる方式を採用している露光ヘッド1は、露光範囲が主走査方向(感光材料Pの搬送方向と直交する方向)に延びた長尺な形状を有し、ピント面維持ガイド3の上面(搬送面と反対側の面)に対向するように固定されている。この露光ヘッド1の両側(搬送方向の上流側及び下流側)には、それぞれ挟持手段としての搬送ローラ対(上流側搬送ローラ対5及び下流側搬送ローラ対6)が配置されている。
【0020】
それぞれローラ対5,6は、モータ等の駆動源により回転する駆動ローラ5a,6aと、揺動ブラケット7に軸支されて駆動ローラ5a,6aに接離する圧着ローラ5b,6bとからなり、駆動ローラ5a,6aがそれぞれ回転することにより、ローラ対5,6に挟持された感光材料Pが露光ヘッド1の副走査方向(感光材料Pの搬送方向)に搬送される。
【0021】
ガイドプレート(ベース面側のガイド部材)2は、上流側駆動ローラ5aよりもさらに上流側の部位から下流側駆動ローラ6aよりもさらに下流側の部位に亘って延設されており、該ガイドプレート2の外面側に配置された駆動ローラ5a,6aの一部がガイドプレート2の適所に形成された切欠窓を介して内面側(搬送面側)に臨出することにより、該駆動ローラ5a,6aの回転をガイドプレート2の内面側に所在する感光材料Pに伝達可能となっている。
【0022】
また、ガイドプレート2の内面側には、該ガイドプレート2と所定間隔(感光材料Pの厚みと同等あるいはそれよりも若干大きい間隔)を有してガイドプレート(乳剤面側のガイド部材)8が対向配置されている。ガイドプレート8には、適所に切欠窓が形成されており、ガイドプレート8の外面側に配置された圧着ローラ5b,6bの一部がこの切欠窓を介して内面側(搬送面側)に臨出することにより該圧着ローラ5b,6bを駆動ローラ5a,6aに対して接離可能となっている。
【0023】
しかも、駆動ローラ5a,6aは、ガイドプレート2の内面と略面一に配置、即ち外周面がガイドプレート2の内面に接するように配置されているため、感光材料Pは常にガイドプレート2の内面に押し付けられた状態にある。
【0024】
また、ガイドプレート8は、一対の圧着ローラ5b,6b間で搬送方向に所定間隔を有して分断されており、この隙間がピント面維持ガイド3の差し込みスペースとなる。より詳細に言及すれば、一対の圧着ローラ5b,6b間には、ピント面維持ガイド3の幅と同一の隙間が副走査方向に沿って形成され、この隙間内にピント面維持ガイド3を長手方向から差し込むことにより、ピント面維持ガイド3は、露光ヘッド1と対向する位置に取り付けられる。
【0025】
また、ピント面維持ガイド3は、ガイド面に紙粉やホコリが付着しにくくなるよう、導電膜が被膜されている。この導電膜は、膜の密着性が高まるよう、母材の表面にブラスト処理や化成処理を施した上で塗装によりコーティングされる。
【0026】
押さえ部材4は、ガイドプレート2に形成された切欠窓を介してガイドプレート2及びピント面維持ガイド3間に進出し、ピント面維持ガイド3のスリット3a部分においてガイド面に当接する部材である。また、押さえ部材4は、ベース部材9に備えられた圧縮バネ(弾性部材)10によってピント面維持ガイド3のガイド面に付勢されている。そのため、露光ポイントにおける感光材料Pは、押さえ部材4によってピント面維持ガイド3のガイド面に押し付けられ、ピント面維持ガイド3のガイド面と摺接状態で走査露光が行われる。即ち、露光ヘッド1のピント面は、ピント面維持ガイド3のガイド面(即ち、感光材料Pの乳剤面)である。
【0027】
尚、押さえ部材4は、弾性部材10によってピント面維持ガイド3側に常時付勢されるものであるため、間に感光材料Pが所在しない状態ではピント面維持ガイド3のガイド面と当接状態にある(図1では、感光材料Pが図示しないが所在するとして感光材料Pの厚み分だけ離間している)。かかる状態で感光材料Pは上流側から搬送されてくるため、押さえ部材4の当接面のうちの上流側の角部には、感光材料Pの進入を許容する傾斜面が形成され、また、傾斜面に進入した感光材料Pがピント面維持ガイド3と押さえ部材4との間を通過するに際して押さえ部材4を押し戻す力が小さくて済むよう、押さえ部材4は、搬送面に対して斜めに変位するようになっている。
【0028】
また、図2に示す如く、押さえ部材4は、感光材料Pの幅方向(感光材料Pの搬送方向と直交する方向、即ち主走査方向)に沿って複数(本実施形態では、四つであるが、単数であってもよい)設けられているが、本実施形態の特徴は、ピント面維持ガイド3の差し込み時に該ピント面維持ガイド3と押さえ部材4とが干渉するのを防止すべく、押さえ部材4をピント面維持ガイド3及びガイドプレート2間から退避させておくことにある。
【0029】
そのため、露光部には、押さえ部材4と係合して該押さえ部材4を退避方向に変位させるカム部材11が設けられている。具体的には、カム部材11は、押さえ部材4に沿って配置される長尺な部材であり、ベース部材9にスライド自在に取り付けられ、ピント面維持ガイド3の抜き取り方向にスライドすれば、各押さえ部材4に対応して設けられた係合部11aの傾斜面が各押さえ部材4に設けられた係合部4aの傾斜面と当接して押さえ部材4がガイドプレート2のガイド面と面一かそれよりも沈み込むようになっている。尚、カム部材11は、ベース部材9に備えられた圧縮バネ(弾性部材)12によってピント面維持ガイド3の抜き取り方向に付勢されているため、押さえ部材4は退避状態が常態である。
【0030】
ベース部材9は、該ピント面維持ガイド3のガイド面とガイドプレート2のガイド面とが一定の間隔となるよう、ピント面維持ガイド3を取り付けるための載置部9a,9aを備えている。一方の載置部9a(ピント面維持ガイド3の抜き取り方向側の載置部9a)は、ピント面維持ガイド3の基端部(抜き取り方向側の端部)を係止することができる。また、他方の載置部9a(ピント面維持ガイド3の差し込み方向側の載置部9a)の近傍に位置するカム部材11の端部(ピント面維持ガイド3の差し込み方向側の端部)は、ピント面維持ガイド3の先端部(差し込み方向側の端部)を係止することができる。
【0031】
本実施形態に係る写真処理装置の露光部は以上の構成からなり、次に、ピント面維持ガイド3の着脱方法について図2を参酌しつつ説明する。
【0032】
まず、図2(イ)に示す如く、ピント面維持ガイド3が取り付けられていない状態では、カム部材11は弾性部材12による付勢によりピント面維持ガイド3の抜き取り方向に変位しており、そのため、押さえ部材4は、カム部材11の係合部11aによってガイドプレート2のガイド面から突出しない退避状態にある。
【0033】
しかるに、ピント面維持ガイド3は、押さえ部材4と干渉することなく、また、両側で配置されるガイドプレート8,8によって幅規制されつつ、円滑に差し込みが可能となる。尚、ピント面維持ガイド3は、宙に浮かしたまま差し込むのが望ましいが、長尺であり、ある程度重量があるため、その先端をガイドプレート2のガイド面上をスライドさせつつ差し込むようにしても構わない。
【0034】
ピント面維持ガイド3を奥まで差し込むと、その先端部をカム部材11に設けられた係止部に引っ掛け、そこからピント面維持ガイド3を若干押し込んで、カム部材11を弾性部材12による付勢に抗して押し戻した上で、ピント面維持ガイド3の基端部をベース部材9に設けられた係止部に引っ掛ける。さすれば、ピント面維持ガイド3は、ベース部材9の載置部9a,9aに着座した状態で取り付けられ、しかも、押さえ部材4に対するカム部材11による規制は解除されているため、押さえ部材4は、ピント面維持ガイド3及びガイドプレート2間に進出して、ピント面維持ガイド3のガイド面に当接した状態となる。
【0035】
従って、本実施形態によれば、ピント面維持ガイド3を差し込む際、押さえ部材4が退避しており、ピント面維持ガイド3と干渉することがないため、ピント面維持ガイド3のガイド面に押さえ部材4が当たってガイド面が損傷を受けるといった不具合を無くすことができ、また、ピント面維持ガイド3を取り付けた時点で押さえ部材4に対する規制が自動的に解除され、押さえ部材4が正規の位置に復帰する(進出する)ようになっているため、差し込み作業が簡単である。
【0036】
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0037】
例えば、上記実施形態においては、感光材料Pの種々の幅サイズに対応すべく、押さえ部材4が感光材料Pの幅方向に沿って複数に分割されているが、押さえ部材の数は単数、複数を問わない。
【0038】
また、押さえ部材4が単数であれ複数であれ、押さえ部材4を退避方向に変位させておく変位手段は、上記実施形態の如く、カム機構に限定されない。例えば、押さえ部材4をアクチュエータによって進退させるようにしてもよい。この場合、ピント面維持ガイド3が抜き取られることを検出してアクチュエータが押さえ部材4を退避方向に変位させる制御方法が考えられる。
【0039】
また、上記実施形態においては、ピント面維持ガイド3を差し込む過程においてピント面維持ガイド3がガイドプレート2のガイド面と接触し得るため、押さえ部材4をピント面維持ガイド3及びガイドプレート2間から退避させておく必要があるが、図3に示す如く、ピント面維持ガイド3がガイドプレート2のガイド面と接触し得ず、ピント面維持ガイド3を差し込む過程において両者が離間した状態を維持できる構成であれば、押さえ部材4がガイド面と面一かそれよりも沈み込むように退避する必要性はなく、押さえ部材4がガイド面から突出する退避状態であっても干渉は生じないので構わない。
【0040】
また、上記実施形態においては、レーザ露光方式であったが、上述の如く、光ファイバとPLZT素子(透光性圧電セラミックス素子)との組合せによる方式、DMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)(登録商標)による方式、あるいはその他の公知のデジタル露光方式であってもよい。特に、被写界深度が浅いPLZT方式にとっては、本発明が極めて有用である。
【0041】
【発明の効果】
以上の如く、本発明に係る写真処理装置は、ピント面維持ガイドを差し込む際、押さえ部材が退避しており、ピント面維持ガイドと干渉することがないため、ピント面維持ガイドのガイド面に押さえ部材が当たってガイド面が損傷を受けるといった不具合を無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態に係る写真処理装置の露光部の一部断面要部側面図を示す。
【図2】 同実施形態に係る写真処理装置の露光部の一部断面要部正面図であって、(イ)は、ピント面維持ガイドを抜き取った状態、(ロ)は、ピント面維持ガイドを取り付けた状態、を示す。
【図3】 他実施形態に係る写真処理装置の露光部の一部断面要部側面図を示す。
【図4】 従来の写真処理装置の露光部の一部断面要部側面図を示す。
【符号の説明】
1…露光ヘッド、2…ガイドプレート(感光材料のベース面側のガイド部材)、3…ピント面維持ガイド、3a…スリット、4…押さえ部材、4a…係合部、5…上流側搬送ローラ対、5a…駆動ローラ、5b…圧着ローラ、6…下流側搬送ローラ対、6a…駆動ローラ、6b…圧着ローラ、7…揺動ブラケット、8…ガイドプレート(感光材料の乳剤面側のガイド部材)、9…ベース部材、9a…載置部、10…弾性部材、11…カム部材、11a…係合部、12…弾性部材、P…感光材料

Claims (4)

  1. 感光材料の浮き上がりを防止すべく該感光材料の乳剤面に対向するピント面維持ガイドと、感光材料のベース面に対向するガイド部材とが露光部に設けられた写真処理装置において、
    ピント面維持ガイドに当接すべく付勢されてピント面維持ガイドに感光材料を押し付ける押さえ部材が設けられると共に、
    ピント面維持ガイドは、感光材料の幅方向に沿って抜き差し自在であり
    しかも、ピント面維持ガイドの差し込み時にピント面維持ガイドと押さえ部材とが干渉するのを防止すべく、押さえ部材を付勢される方向に抗してピント面維持ガイドから離間する方向に変位させておく変位手段が設けられてなることを特徴とする写真処理装置。
  2. 前記変位手段は、前記ピント面維持ガイドの抜き取り方向に付勢され且つ該付勢によるピント面維持ガイドの抜き取り方向への変位に伴い前記押さえ部材と係合して押さえ部材を付勢される方向に抗してピント面維持ガイドから離間する方向に変位させるカム部材で構成される請求項1記載の写真処理装置。
  3. 前記カム部材は、前記ピント面維持ガイドの取り付け時にピント面維持ガイドと係合してピント面維持ガイドの差し込み方向へ強制的に変位させられるものである請求項2記載の写真処理装置。
  4. 感光材料の乳剤面に対向するガイド部材が前記ピント面維持ガイドの上流側及び下流側に近接して設けられる請求項1乃至3の何れかに記載の写真処理装置。
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