JP4080879B2 - テープディスペンサー物品 - Google Patents

Description

【０００１】
発明の分野
本発明は、ブリーフケース、あるいはシャツなどの衣服のポケットに便利に収まる大きさの、平坦に巻かれた感圧粘着テープのパッケージに関する。さらに詳細には、本発明は、テープコアに回旋状に巻かれた感圧粘着テープのパッケージに関する。
【０００２】
発明の背景
従来、感圧粘着剤コーティングテープは円形のコアに巻かれていた。直径は様々であるが、コアは常に円形のものである。同様な製品が「テープロール」と称される理由はここにあるのかもしれない。ダクトテープ、包装用テープ、マスキングテープはすべて、大径コアに巻かれるのが一般的である。例えば、一般的なテープロールの場合、幅が約２インチで、直径が約３．２５〜４インチである。
【０００３】
しかし、この形状でパッケージされたテープは、ブリーフケース、ツールボックス、または衣服などに入れて持ち運びにくいという欠点を有する。更に、引出しの中に保管したり、あるいは持ち歩いたりすると、テープ端にホコリやその他のごみが付着する。更に、テープのわん状変形が起こることがある。テープの「わん状変形」とは、コア上でテープの巻きが横へずれることである。これは、端部へのごみの付着および端部のひずみを大きくし、これが原因で粘着が不良あるいは不完全になる場合がある。
【０００４】
多くの場合、すぐに取り出せるようにポケットに入れておけたり、狭い開口部の中に収まるぐらい小さな「テープロール」があれば便利であろう。米国特許第３，００６，４６４号は、このような構成について記載しているが、この特許におけるテープロールはその上に巻いた長尺テープのシャットル状ロールである。米国特許第５，２６９，４２１号は、シャツのポケットにも便利に収まる大きさの、比較的薄くて剛直で短い二重コアを使用した平坦な形状を記載している。
【０００５】
発明の概要
本発明によれば、テープに表面接触する格子状表面を有する平坦な曲線形のテープコアを備え、テープコアが、テープコアからの高さを有するサイド部分を備えて構成される、テープディスペンサー物品が提供される。
簡潔に言うと、本発明の一つの態様では、サイド部分を有する曲線テープコアを有するテープディスペンサー物品が提供される。このテープコアは、本発明の関連技術として、テクスチャ表面を有していてもよい。このようなテクスチャ表面では、剥離層を追加せずに、一般的にテープ端と呼ばれるテープコア表面に直接接触するテープを簡単にはがすことができる。
【０００６】
別の実施形態では、このコアは、有効テープ表面積がオープンセルのサイズと数で決まる格子状ハニカムになっている。有効表面積は、テクスチャ表面に似た剥離特性を提供する。
【０００７】
サイド部分は構造的安定性を与えるのみならず、（１）テープの粘着側端に接触する必要なしに、回旋状に巻かれたテープを供給するテープディスペンサーを保持するための便利な手段を提供し、（２）（特に衣服のポケットに入れて携帯したり、机の引出しに保管したり、あるいはブリーフケースに入れて持ち歩く場合などに）テープ端部へのごみ付着を大幅に低減し、（３）従来のテープロールでみられたテープコアのわん状変形に伴う問題点を排除するのが有利である。更に、サイド部分は、テープディスペンサーのハンドリングに便利な手段を提供する一方、比較的薄い形状を維持する。これは特に有利である。
【０００８】
別の実施形態では、テープディスペンサー物品と、比較的平坦な楕円形コアに回旋状に巻かれて複数の重ね合わった層を形成する所定長の感圧粘着テープとを含む低背型テープパックが提供される。本発明は、感圧粘着封筒用テープ、特に手で引き裂ける（ｈａｎｄ−ｔｅａｒａｂｌｅ）テープに適していることが見出されている。一般的に、この感圧粘着テープの幅は、比較的平坦な楕円コアとほぼ同じである。
【０００９】
好適な実施形態の説明
まず図１を参照すると、先行技術による感圧粘着剤コーティングテープのテープディスペンサーが示されている。このテープディスペンサー１０は、切断手段１２と、２つのサイドレール１３と、テープアセンブリ１４とを含む小型の携帯式装置である。
【００１０】
図１〜３を参照すると、先行技術によるテープアセンブリ１４が、コア１６と、回旋状に巻かれたテープ１５と、１組のアクスルハブ１７とから構成されている。アクスルハブ１７は、テープディスペンサー１０のサイドレール１３の内側部分に配置された嵌め合わせスロットまたは凹部（図示せず）に嵌め込まれる。嵌め合わせスロット（図示せず）は、アクスルハブ１７を嵌め合わせスロットまたは凹部（図示せず）に配置したときにコア１６がアクスルハブ１７により規定される軸を中心として自由回転できるよう配置される。
【００１１】
特に図２を参照すると、先行技術に係わる問題点の一つが示されている。これは、テープ１５がコア１６からずれてわん状変形し、コアからずれた距離１８によって示される距離まで一般的にわん状変形して、テープアセンブリ１４がサイドレール１３の中へ挿入できなくなる可能性を示している。コアからずれた距離１８が小さい場合でも、コア１６とサイドレール１３との間の嵌め合いの結果、コアが嵌め合いスロット（図示せず）の中に挿入できる状態であってもアクスルハブ１７で規定される軸を中心としたコア１６の回転が阻害あるいは制限される。
【００１２】
図４を参照すると、本発明によるテープディスペンサー物品２０（「物品」）が示されている。テープディスペンサー２０は、１組のサイド部分２１とテープコア２２とを含み、テープコア２２の幅は、テープディスペンサー物品２０にどのようなテープを巻くかによって決まる。テープコア２２は、テープディスペンサー物品２０の長さと幅によって規定される軸の周囲の上下の曲線表面から構成される。テープコア２２は、テープコア２２のすべての部分が曲線になるよう構成されるが、好適な実施形態では、上下の曲線表面は、テープディスペンサー物品２０の長さと幅によって規定される軸について対称である。
【００１３】
図４に示すように、テープコア２０は、複数のオープンな格子状領域２３から構成される。セル２３は上から下まで開放されており、サイド部分２１の内面に隣接する領域が充填セル２４となっている。あるいは、テープコア２２の全セルが開放されていてもよく、部分的に開放されていてもよく、完全にふさがっていてもよく、あるいはそれらの組合せであってもよい。
【００１４】
テープコア２２の上下表面は、図に示すように格子状であってもよい。この開放構造の一つの目的は、ロールテープに代わる軽量の比較的平坦な代替物を提供することである。この開放構造のもう一つの目的は、表面エネルギーを低減するための機械的手段を提供して、それによってテープ（図示せず）とテープコア２２の表面との間の粘着表面の接触を調整することである。この表面エネルギーの低減は、テープ巻き端におけるこの表面からテープを剥がしやすくするための効果的な手段を提供する。
【００１５】
図５を参照すると、テープディスペンサー物品３０の代替実施形態が示されている。ここでは、テープコア３２の上下表面にきめを設けて、テープ（図示せず）とテープコア３２の表面との間の粘着表面の接触を調整するための代替的手段を提供している。同様に、図５にはサイド部分３１も示されている。
【００１６】
図６と図７とを参照すると、１組のサイドシールド２１と回旋状に巻いたテープの複数層４１とを有するテープディスペンサー物品２０を含む低背型テープパック４０が示されている。図７に示す図６の断面を特に参照すると、開いたセル２３が、サイド部分２１の内側面に並置された閉じたセル２４との関係において示されている。同様に、テープ４１の各層およびサイド部分２１とのテープ４１の隣接位置も示されている。
【００１７】
当業界で認められているように、テープディスペンサー物品は、様々な材料から作製できる。好ましくは、テープディスペンサー物品は、プラスチック一体成形品である。但し、このテープディスペンサー物品は２つ以上の部品から構成されていてもよい。有用なプラスチックとしては、ポリスチレン、ポリプロピレン、ＡＢＳ（アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン−コポリマ）、およびディスペンサー成形の当業者が一般的に使用するその他のプラスチックなどが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【００１８】
図４と５を参照した上記説明のように、有効表面積は機械的手段により調整される。つまり、表面積は、表面にきめを付けたり、あるいは格子状表面を提供することによって低減される。あるいは、成形後に剥離剤をコーティングしたり、成形前に樹脂に剥離剤を与えることでテープコア表面の表面エネルギーを調整することが可能である。これらの手段は、一般的には、剥離表面、またはテープとテープコア表面との間の粘着性のある接触を低減する低エネルギー表面を提供するための化学的解決法を意味するものと解されるだろう。
【００１９】
本発明のテープディスペンサー物品は、コアの長さと、そして一般的にコア上に巻かれるテープの幅に依存するコアの幅とによって規定される。高さは、コアに巻くテープの厚みと長さに依存する。一般的に、コアの幅は１／２インチから約３または４インチの範囲である。テープ幅は、潜在的なエンドユーザーのハンドスパンによって、３インチ〜４インチより狭くしたり広くしたりしてもよい。テープディスペンサー物品コアの一般的な長さは、２インチ〜８インチの範囲である。但し、このような長さの説明が本発明の範囲を限定するものであると解してはならない。
【００２０】
サイド部分の高さは、上述の通り、使用するテープの厚みと、コアに巻くテープの量とに依存する。一般的に、この高さは、サイド部分の中線において測定した場合、１／４インチ〜１／２インチの範囲である。サイド部分の高さは、少なくとも、回旋状に巻いたテープの複数の層の初期厚みと同じ厚みであるのが好ましい。「初期厚み」は、テープディスペンサーからテープを供給したり剥がしたりする前のテープの厚みのことである。
【００２１】
例として、このテープディスペンサー物品のテープコアは、最高点（通常は中間点）での高さが１／４インチの範囲内、サイド部分は最高点での高さ点（テープコアと同じ点で測定）が１／２インチの範囲内としてもよい。特定の高さ、長さ、および幅の説明は単に例示目的に示したものであり、本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【００２２】
テープディスペンサー物品の全体的な形状が曲線であるのが好ましい。但し、より平坦な形状も本発明の範囲内である。理論による拘束を受けない場合、このテープディスペンサー物品の曲線形状は、製造過程においてテープコアへのテープの巻きを改善する可能性があると考えられる。更に、サイド部分を一つのみ有するテープコアを作製することも可能である。
【００２３】
図８を参照すると、図のようにサイド部分に帰す構造安定性の改善のため、この低背型テープパックは、マスキングテープなど、書込み可能なテープ上に筆記するのに十分に安定した強固な表面を提供できる。
【００２４】
このサイドシールドは構造的安定性を与えるだけでなく、（１）テープの粘着側端に触れる必要なく、回旋状に巻かれたテープを供給するテープディスペンサーを保持するための便利な手段を提供し、（２）テープ端へのゴミ付着を大幅に低減し（特に衣服のポケットに入れて携帯したり、机の引出しに保管したり、あるいはブリーフケースに入れて持ち歩いたりする場合）、（３）従来のテープロールにみられたテープコアわん形変形に係わる問題を排除する。
【００２５】
感圧粘着テープは、包装用テープ、絶縁テープ、マスキングテープ、手で引き裂ける（ｈａｎｄ−ｔｅａｒａｂｌｅ）テープ、ラベリングテープ、ダクトテープなどを含む、任意のタイプの感圧粘着テープを含むが、これらに限定されないことを理解されたい。
【００２６】
上述の、また添付図面に示した実施形態には、本発明の範囲と精神から逸脱することなく数多くの変形や変更をその細目に加えることができるが、これらの図面の説明が例示的なものであって、限定的な意味に解釈してはならない。
【図面の簡単な説明】
【図１】 先行技術による感圧テープのテープディスペンサーの斜視図である。
【図２】 図１に示すテープディスペンサーのテープコアの平面図である。
【図３】 図２に示すテープコアの側面図である。
【図４】 本発明による格子状ハニカム構造を有する曲線テープコアの斜視図である。
【図５】 本発明による感圧テープパッケージの別の実施形態の斜視図である。
【図６】 本発明の低背型テープパックの斜視図である。
【図７】 図６の線７−７に沿った本発明の低背型テープパックの断面である。
【図８】 ユーザーが書込みをしている本発明のパッケージを示す。

Claims (4)

1. テープに表面接触する格子状表面を有する平坦な曲線形のテープコアを備え、該テープコアが、該テープコアからの高さを有するサイド部分を備えて構成される、テープディスペンサー物品。
2. 回旋状に巻かれた感圧粘着テープの複数の層をさらに備える、請求項１に記載のテープディスペンサー物品。
3. 前記サイド部分の前記高さが、前記回旋状に巻かれた感圧粘着テープの複数の層の初期厚みと少なくとも同じ高さである、請求項２に記載のテープディスペンサー物品。
4. 前記格子状表面が、複数の開放された格子状領域を形成する、請求項１に記載のテープディスペンサー物品。

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