JP4080830B2 - 同期発電装置及び冷凍車 - Google Patents

同期発電装置及び冷凍車 Download PDF

Info

Publication number
JP4080830B2
JP4080830B2 JP2002287277A JP2002287277A JP4080830B2 JP 4080830 B2 JP4080830 B2 JP 4080830B2 JP 2002287277 A JP2002287277 A JP 2002287277A JP 2002287277 A JP2002287277 A JP 2002287277A JP 4080830 B2 JP4080830 B2 JP 4080830B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage
capacitor
field winding
load
diode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002287277A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004129341A (ja
Inventor
出 祐 一 井
間 淳 之 蛭
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Carrier Corp
Original Assignee
Toshiba Carrier Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Carrier Corp filed Critical Toshiba Carrier Corp
Priority to JP2002287277A priority Critical patent/JP4080830B2/ja
Publication of JP2004129341A publication Critical patent/JP2004129341A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4080830B2 publication Critical patent/JP4080830B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
直流によって励磁される界磁巻線を有し、機械動力を受けて交流に変換する同期発電装置及びこの同期発電装置を冷凍・冷蔵室の駆動源とする冷凍車に関する。
【0002】
【従来の技術】
冷凍車における冷凍・冷蔵室の駆動源として同期発電機を用いる場合、発電機から受電する負荷の遮断時(以下、負荷の遮断を、単に負荷遮断ともいう)に励磁コイルに供給する電流を遮断する。しかし、励磁コイルを流れる電流を即時にゼロにすることはできないため、同期発電機の出力電圧が急激に上昇してオーバシュートする。
【0003】
このオーバシュート量を低く抑えるために、同期発電機の出力電圧の上昇分が設定値に到達したとき、励磁コイルに抵抗を直列接続して、励磁コイルの電流を急速に減衰させる電圧調整器を備えた同期発電装置が提案されている(特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−251899号公報(第3〜4頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の同期発電装置においては、抵抗に電力を消費させて励磁電流を減少させているため、減衰を早めるには抵抗値を大きくする必要がある。しかしながら、抵抗値を大きくしてゆくと、抵抗における発熱量が大きくなって許容温度範囲を超えることがある。したがって、抵抗の温度を許容範囲に抑えるためにはその抵抗値に上限があり、これに応じて励磁電流の降下速度及びオーバシュート量の低減には限界があった。
【0006】
また、負荷遮断時にのみ抵抗を挿入するには、何等かのスイッチング素子を抵抗と並列に接続しておき、負荷遮断時にのみこのスイッチング素子をオフ状態にする必要がある。かかるスイッチング素子としてバイポーラトランジスタ(Bipolar Transistor)やFET(Field Effect Transistor)等が使用される。ところが、これらのスイッチング素子をオン状態からオフ状態に切り換えるとき、抵抗の両端に発生する高電圧がオフ状態のスイッチング素子の両端に逆方向に加わるため、スイッチング素子が破壊されたり、耐久性が損なわれたりすることがあった。
【0007】
本発明は上記の事情を考慮してなされたもので、その目的は、励磁電流の降下速度を大きくして発電電圧のオーバシュート量を小さく抑えることのできる同期発電装置を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、負荷遮断時に励磁電流を還流させる要素に直列接続されるスイッチング素子に対する印加電圧を低く抑えて耐久性を維持することのできる同期発電装置を提供することにある。
【0009】
本発明のもう一つ他の目的は、冷凍・冷蔵室を運転する電力源として同期発電装置を用いる場合でも、負荷遮断に伴う電圧変動を低く抑えると共に、耐久性を維持することのできる冷凍車を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、
直流によって励磁される界磁巻線を有し、機械動力を受けて交流に変換して負荷に供給する同期発電装置において、
界磁巻線に直列に接続され、スイッチング動作により界磁電圧を調整する手段と、
負荷の遮断を検出する手段と、
負荷の遮断が検出されたとき、界磁巻線に対する電圧供給経路を遮断すると共に、界磁巻線にキャパシタを直列接続して界磁巻線に流れる電流の還流路を形成する手段と、
を備えたことを特徴とするものである。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の同期発電装置において、界磁巻線に流れる電流の還流路を形成する手段は、キャパシタに直列に接続され、キャパシタが界磁巻線と同じ極性で印加されることを阻止するダイオードと、キャパシタに並列接続され、負荷の遮断が検出されたときオフ状態にされる半導体スイッチング素子と、キャパシタに並列接続された放電用の抵抗と、を含むことを特徴とする。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の同期発電装置において、界磁巻線に流れる電流によって充電される極性で、予めキャパシタを所定の電圧に充電する手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の同期発電装置において、負荷の遮断を検出する手段は、発電電圧を検出する電圧検出手段と、この電圧検出手段による電圧検出値が所定値を超えたとき負荷の遮断と判定する比較手段と、を含むことを特徴とする。
【0014】
請求項5に係る発明は、
冷凍・冷蔵室を備える冷凍車において、
機械動力を受けるようにエンジンに結合された請求項1ないし4のいずれか1項に記載の同期発電装置と、
同期発電装置から出力される交流を整流して直流に変換する整流器と、
変換された直流を可変周波数の交流に変換するインバータ装置と、
インバータ装置の出力によって圧縮機を可変速駆動する冷凍サイクルと、
を備えたことを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る同期発電装置の第1の実施形態の構成を、部分的にブロックで示した回路図である。同図において、同期発電機1は界磁巻線2を付帯して図示省略の機械動力によって回転駆動される。同期発電機1は3相交流の出力端子を有し、これに負荷8が接続されている。また、3相交流の出力経路の2つの相、例えば、U相及びW相にそれぞれダイオード3及び4のアノードが接続され、それらのカソードは共通に接続されると共に、FET5のドレインに接続されている。FET5のソースには界磁巻線2の一端Jが接続されている。界磁巻線2の他端Kは、励磁遮断リレー7の接点7aを介して、同期発電機1の星形巻線の中性点Nに接続されている。なお、FET5にはこれを保護するダイオード6が逆並列に接続されている。
【0016】
また、同期発電機1の星形巻線の中性点Nには蓄電池11の負極が接続され、この蓄電池11の正極には、初期励磁リレー12の接点12a及び逆流防止用のダイオード13を介して、抵抗14の一端が接続され、この抵抗14の他端は界磁巻線2の一端Jに接続されている。
【0017】
さらに、界磁巻線2の一端Jには逆流防止用のダイオード22のカソードが接続され、このダイオード22のアノードにキャパシタ21の一端が接続されている。キャパシタ21の他端は、逆流防止用のダイオード23のカソードが接続され、このダイオード23のアノードは界磁巻線2の他端Kに接続されている。また、キャパシタ21の一端にFET24のソースが接続され、FET24のドレインは界磁巻線2の他端Kに接続されている。また、キャパシタ21と並列に放電抵抗26が接続されている。なお、FET24にはこれを保護するダイオード25が逆並列に接続されている。
【0018】
一方、同期発電機1から負荷8に電力を供給する経路の3相交流電圧を検出する電圧検出器31と、所望の電圧に制御するための指令信号を出力する電圧指令信号発生器32とが設けられ、これらの出力端子がそれぞれ演算増幅器33の入力端子に接続されている。演算増幅器33は入力された2つの信号に対して制御演算を実行して同期発電機1の電圧が一定になるように界磁電圧を操作するオンデューティ信号を出力するもので、その出力端子にはオンデューティ信号に比例したオン幅を持つPWM(Pulse Width Modulation)信号を出力するパルス幅変調器34の入力端子が接続され、その出力端子はANDゲート35の一方の入力端子に接続されている。また、同期発電機1の出力定格電圧に対して一定値だけ大きい信号を出力する基準信号発生器36が設けられ、その出力端子が比較器37の一方の入力端子に接続されている。そして、比較器37の他方の入力端子には電圧検出器31の出力端子が接続されている。比較器37の出力端子は、インバータ38を介して、FET24のゲートに接続されると共に、ANDゲート35の他方の入力端子に接続されている。ANDゲート35の出力端子はFET5のゲートに接続されている。
【0019】
上記のように構成された同期発電装置の第1の実施形態の動作について以下に説明する。先ず、同期発電機1を機械動力で駆動し、初期励磁リレー12を励磁して接点12aをオン状態にすると、蓄電池11から、ダイオード13及び抵抗14を介して、界磁巻線2に一定の界磁電流が供給される。励磁遮断リレー7は通常時に接点7aをオン状態に保持し、緊急停止時等に接点7aをオフ状態にして界磁巻線2に流れる電流を遮断する機能を有している。したがって、同期発電機1を所定の回転数に保ち、接点12aをオン状態にすることによって同期発電機1から定格の3相交流電圧が発電される。この時点で初期励磁リレー12を非励磁状態にして接点12aをオフ状態にしたとしても、FET5は後述するようにオン、オフ状態を繰り返しているため、ダイオード3及び4を介して、正の脈流電圧、すなわち、疑似直流電圧が供給されて同期発電機1は3相交流電圧を発電し続ける。
【0020】
一方、電圧検出器31は同期発電機1の端子電圧を検出し、演算増幅器33は電圧検出器31の電圧検出値と電圧指令信号発生器32から出力される指令信号とに基づいて制御演算を行い、負荷変動がある場合でも同期発電機1の出力電圧が一定となるように界磁電圧を操作するオンデューティ信号を出力する。パルス幅変調器34はオンデューティ信号に比例したオン幅を持つPWM信号を出力してANDゲート35の一方入力として加える。このとき、インバータ38の出力は「H」レベルに保持されているため、パルス幅変調器34からのPWM信号はFET5のゲートにそのまま加えられ、FET5はPWM信号に従ってスイッチング動作する。これによって、ダイオード3及び4を介して得られる疑似直流電圧をチヨッパ操作し、界磁巻線2に印加される平均電圧を調節する。
【0021】
このとき、界磁巻線2に直列接続されているキャパシタ21は、これに直列接続されたダイオード22によって励磁電圧の印加が阻止されると共に、放電抵抗26によって電荷は放電された状態にあり、しかも、FET24はオン状態に保持されているため、キャパシタ21は同期発電機1の中性点電位に保たれる。
【0022】
次に、負荷遮断を含む負荷変動が発生して定格電圧よりも基準信号発生器36の基準値だけ上昇すると、比較器37がその上昇を検出して「H」レベルの信号を発生する。これによってインバータ38の出力は「L」レベルに変化し、FET5及びFET24は共にオフ状態にされる。これによって、界磁巻線2に流れていた電流は、界磁巻線2→ダイオード23→キャパシタ21→ダイオード22→界磁巻線2の経路で還流してキャパシタ21は図示した極性で充電される。キャパシタ21には放電抵抗26が並列接続されているため、その両端電圧の上昇分はある程度抑えられる。この結果、キャパシタ21の容量を適切に選定することによって、界磁巻線2から流れ込む電流は急速に減衰させられる。また、FET24がオン状態からオフ状態に変化したとき、ダイオード23に発生する順方向電圧とキャパシタ21の両端電圧との和の電圧がFET24の両端に印加される。この電圧は抵抗を接続した従来の装置と比較して格段に低く抑えられる。
【0023】
図2は本発明に係る同期発電装置の第2の実施形態の構成を、部分的にブロックで示した回路図であり、図中、図1と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。この実施形態は、FET5をオフ状態にしたときに流れる電流によって充電される極性に、キャパシタ21を予め充電するために、FET5のドレイン側と、キャパシタ21及びダイオード23の相互接続点との間に、充電抵抗27を接続した点が図1に示した第1の実施形態と構成を異にし、これ以外は全て図1と同一に構成されている。この第2の実施形態によれば、キャパシタ21の充電電圧が電流を抑制するように作用するため、第1の実施形態と比較して、界磁巻線2から流れ込む電流をさらに速く減衰させることができる。
【0024】
図3ないし図8は従来装置の動作をシミュレーションして得られた電流及び電圧の時間的な変化と、第1及び第2の各実施形態の動作をシミュレーションして得られた電流及び電圧の時間的な変化とをそれぞれ表す線図であり、図3に示したシミュレーション結果Aはキャパシタ21の代わりに200Ωの抵抗を用いた場合、図4に示したシミュレーション結果Bはキャパシタ21の代わりに500Ωの抵抗を用いた場合のもので、図5に示したシミュレーション結果Cは本発明の第1の実施形態においてキャパシタ21として20μFのものを用いた場合のものである。図6ないし8に示したシミュレーション結果D〜Fは本発明の第2の実施形態において、キャパシタ21として20μF、20μF、10μFのものを用い、予充電電圧をそれぞれ100V、200V、100Vに保持した場合のものである。各図中、特性曲線Xは界磁巻線2に流れる電流の減衰状態を、特性曲線YはFET24の両端に印加される電圧が変化する状態をそれぞれ表し、特性曲線Zは同期発電機1の星形巻線の中性点Nを基準とするキャパシタ21の正(+)側の電圧の変化を表したものである。
次に示す表1は、シミュレーション結果A〜Fに対応する初期電圧値、励磁電流減衰時間及びFET24の両端間電圧を表したものである。
【0025】
【表1】
Figure 0004080830
従来装置に対応するシミュレーション結果Aにおいては減衰時間が長くなり過ぎてしまう。そこで、抵抗値を大きくしたシミュレーション結果BではFET24に印加される最大電圧が大きくなり過ぎる。これに対して、本実施形態に対応するシミュレーション結果C,D,Eは減衰時間が短く、最大電圧も低く抑えられている。シミュレーション結果Fはシミュレーション結果C,D,Eに比べて最大電圧値が若干大きくなるが、高耐圧のFETを用いることで対応は可能である。また、本実施形態に係るシミュレーション結果Cと、シミュレーション結果D,E,Fとを比較すると、キャパシタ21の初期電圧値が高い場合ほど減衰時間が短くなっている。なお、初期電圧を高くした場合にはFET24の両端電圧が高くなることの対処が必要である。
【0026】
一方、キャパシタ21の容量を小さくすれば界磁巻線2の電流の減衰は速くなるが、FET24の両端電圧が高くなる。このため、キャパシタ21の容量と初期充電電圧値を、励磁電流の減衰時間とFET24の両端に発生する最大電圧のバランスを勘案して決定する必要がある。
【0027】
かくして、本発明に係る同期発電装置の第1の実施形態によれば、励磁電流の降下速度を大きくして発電電圧のオーバシュート量を小さく抑えることができる。また、負荷遮断時に励磁電流を還流させる要素に並列接続されるスイッチング素子に対する印加電圧を低く抑えて耐久性を維持することができる。
【0028】
さらに、本発明に係る同期発電装置の第2の実施形態によれば、励磁電流の降下速度がさらに大きくされ、発電電圧のオーバシュート量がより小さく抑えられる。
【0029】
図9は上述した同期発電装置を適用する冷凍車の一実施形態の概略構成図である。この冷凍車はキャブ51にコンテナ52が結合されている。キャブ51の運転席(図示を省略)の外底部にエンジン53及び発電機54が装着され、このエンジン53の出力軸に発電機54(図1中の同期発電機1及び界磁巻線2に対応)の回転軸が結合されている。そして、運転席の前面に、少なくとも温度設定が可能な操作部55が設けられている。また、発電機54の温度を検出するための発電機温度センサ74が設けられている。コンテナ52の前方の一部は、冷凍室と冷蔵室とが並設されてなる冷凍・冷蔵室56として区画され、その後部が一般積載室57になっている。
【0030】
また、コンテナ52の外側の底部には自動電圧調整器、整流器、インバータ装置及び制御回路等を格納する電源ボックス58が装着され、その前部に圧縮機66が装着されている。さらに、コンテナ52の外側の前方上部には冷凍サイクルを構成する凝縮器67が装着され、冷凍・冷蔵室56の天井部位に蒸発器69が取り付けられている。また、冷凍・冷蔵室56の温度を検出するための庫内温度センサ71が設けられている。
【0031】
図10は図9に示した実施形態中、冷凍サイクルを制御する制御装置の全体の構成を示すブロック系統図であり、図中、図9と同一の符号を付したものはそれぞれ同一の要素を示している。ここで、キースイッチ59をオン操作することによって、エンジン53が始動されるものとする。このエンジン53には前述した発電機54が結合されている。発電機54の出力電圧を一定に制御するために、その界磁電流を制御する自動電圧調整器40(図1中の構成要素中、同期発電機1、界磁巻線2及び負荷8を除去した全ての要素に対応)が設けられている。発電機54の出力端に、スイッチ61を介して、整流器62が接続され、この整流器62から出力される脈流が平滑コンデンサ63によって平滑され、インバータ装置64の直流入力端子に加えられる。
【0032】
インバータ装置64は、例えば、IGBT等のスイッチング素子がブリッジ接続され、これらを所定の順序に従ってオン、オフ制御することにより、出力端子から3相交流電圧が出力され、密閉形の圧縮機66を駆動する圧縮機駆動電動機65に供給される。この圧縮機66は凝縮器67、膨張弁68及び蒸発器69と共に周知の冷凍サイクルを構成している。これによって、図9に示した冷凍・冷蔵室56の冷却が行われる。
【0033】
一方、庫内温度センサ71と、操作部55に設けられ、冷凍・冷蔵室56の温度を設定する温度設定器72とが目標周波数決定手段73に接続されている。目標周波数決定手段73はこれら庫内温度センサ71による検出温度と温度設定器72の設定温度との差に基づいて圧縮機駆動電動機65に供給する電力の周波数を演算するものである。また、発電機温度センサ74は発電機54の温度を検出するもので、温度領域検出手段75に接続されている。この温度領域検出手段75は発電機の温度が所定の温度範囲にあるか否かを検出するものである。出力周波数決定手段76は目標周波数決定手段73からの目標周波数を温度領域検出手段75の出力信号に応じて修正を加え、インバータ出力周波数としてインバータ制御回路77に加えるものである。このインバータ制御回路77はインバータ出力周波数に応じて3相PWM電圧を生成するためのオン、オフ信号を生成してインバータ装置64を構成するスイッチング素子を制御するものである。
【0034】
図10に示したインバータ装置64、インバータ制御回路77の構成及び動作、並びに冷凍サイクルの動作については周知であるためそれらの説明を省略し、全体的な動作について以下に説明する。先ず、キースイッチ59がオン操作され、エンジン53の始動に応じて発電機54の発電が開始されると共に、自動電圧調整器40による発電電圧制御が行われる。ここで、スイッチ61をオン操作すると発電機54から出力された交流が整流器62で整流され、平滑コンデンサ63によって平滑されてインバータ装置64に加えられる。
【0035】
一方、庫内温度センサ71によって検出された庫内温度Taと温度設定器72による設定値Tsとが目標周波数決定手段73に加えられる。目標周波数決定手段73はこれらの温度差Ta−Tsに基づき目標周波数Fsを決定して出力する。また、温度領域検出手段75は発電機温度センサ74によって検出される発電機温度Tgが予め定めた温度範囲のどこにあるかを検出し、検出結果を出力周波数決定手段76に加える。出力周波数決定手段76は温度領域検出手段75の検出結果に応じて、目標周波数決定手段73で決定された目標周波数Fsをそのまま出力したり、修正を加えて出力したり、停止の指令(0Hz)を出力したりする。
【0036】
次に、自動電圧調整器40の動作のうち、特に冷凍車に関係する動作について図1をも参照して説明する。通常時は、同期発電機1の電圧を電圧検出器31によって検出し、検出値が目標とする一定電圧となるように制御される。この制御は前述したように界磁巻線2と直列に接続されたFET5をPWM制御することによってなされる。すなわち、検出電圧が電圧指令信号発生器32に設定された目標電圧よりも低ければPWMのオン幅を大きくし、反対に目標電圧よりも高ければPWMのオン幅を小さくする。ここで、同期発電機1の入力軸はプーリーを介して連結されている。冷凍車のエンジン回転数が高ければ同期発電機1の回転数が高くなり、界磁巻線2に流れる電流を一定とした場合、エンジン回転数が上昇すれば同期発電機1の出力電圧も上昇する。このため、前述の界磁巻線2の電流を制御してエンジン53の回転数変化があった場合でも発電機出力が一定となるように動作させる。
【0037】
一方、負荷となる冷凍車の冷凍サイクルに組み込まれている圧縮機66において、冷凍負荷が重い場合には負荷側の消費電力が増大するため、同期発電機1の出力電圧が低下する。これに対して、冷凍負荷が軽い場合には同期発電機1の出力電圧が上昇する。この負荷側の状態によっても同期発電機1の出力電圧は変動するが、これもエンジン回転数の変化の場合と同様に、界磁巻線2と直列に接続されたFET5をPWM制御することによって一定に保たれる。
【0038】
また、冷凍車の運転中に、運転手等が冷凍機の運転を停止した場合、冷凍サイクルの圧縮機66は運転から停止へと瞬時に移行する。このとき、同期発電機1からすると、圧縮機66の停止直前まで接続されていた負荷が瞬時に切断された状態となる。このため、負荷側の電力消費がなくなって、同期発電機1の出力電圧は急上昇する。また、この際、冷凍車がかなりの高速で運転されたり、急な坂を登坂している等の条件でエンジン回転数が増大している状況にあった場合、励磁電流を制御するFET5のPWM制御が追いつかず、同期発電機1の出力が大きく上昇することになる。
【0039】
この電圧の異常上昇は比較器37によって検出され、インバータ38の出力を「L」レベルにすることによりANDゲート35の出力を「L」レベルにして、FET5をオフ状態にし、同時に、FET24をオフ状態にしてキャパシタ21を接続する。このとき、界磁巻線2からの電流がキャパシタ21に流れ込み、この電流が急速に減衰させられる。
【0040】
以上の説明によって明らかなように、本発明の冷凍車の一実施形態によれば、冷凍・冷蔵室を運転する電力源として同期発電装置を用いる場合でも、負荷遮断に伴う電圧変動を低く抑えると共に、耐久性を高めることができる。
【0041】
なお、上記の実施形態では発電機の出力電圧が定格電圧よりも一定値だけ上昇したことを検出して負荷遮断と判定したが、演算増幅器33から出力されるオンデューティが所定値以下になることを加味して負荷遮断と判定するようにしても良い。
【0042】
【発明の効果】
以上の説明によって明らかなように、本発明によれば、励磁電流の降下速度を大きくして発電電圧のオーバシュート量を小さく抑えることのできる同期発電装置を提供することができる。また、負荷遮断時に励磁電流を還流させる要素に並列接続されるスイッチング素子に対する印加電圧を低く抑えて耐久性を維持することのできる同期発電装置を提供することができる。
【0043】
さらに、もう一つの発明によれば、冷凍・冷蔵室を運転する電力源として同期発電装置を用いる場合でも、負荷遮断に伴う電圧変動を低く抑えると共に、耐久性を維持することのできる冷凍車が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る同期発電装置の第1の実施形態の構成を、部分的にブロックで示した回路図。
【図2】本発明に係る同期発電装置の第2の実施形態の構成を、部分的にブロックで示した回路図。
【図3】従来装置の動作をシミュレーションして得られた電流及び電圧の時間的な変化を示す線図。
【図4】従来装置の動作をシミュレーションして得られた電流及び電圧の時間的な変化を示す線図。
【図5】本発明に係る同期発電装置の第1の実施形態の動作をシミュレーションして得られた電流及び電圧の時間的な変化を示す線図。
【図6】本発明に係る同期発電装置の第2の実施形態の動作をシミュレーションして得られた電流及び電圧の時間的な変化を示す線図。
【図7】本発明に係る同期発電装置の第2の実施形態の動作をシミュレーションして得られた電流及び電圧の時間的な変化を示す線図。
【図8】本発明に係る同期発電装置の第2の実施形態の動作をシミュレーションして得られた電流及び電圧の時間的な変化を示す線図。
【図9】図1又は図2に示した同期発電装置を適用する冷凍車の一実施形態の概略構成図。
【図10】図9に示した実施形態中、冷凍サイクルを制御する制御装置の全体の構成を示すブロック系統図。
【符号の説明】
1 同期発電機
2 界磁巻線
5,24 FET
11 蓄電池
14 抵抗
21 キャパシタ
22,23 ダイオード
26 放電抵抗
31 電圧検出器
32 電圧指令信号発生器
33 演算増幅器
34 パルス幅変調器
36 基準信号発生器
37 比較器
40 自動電圧調整器
51 キャブ
52 コンテナ
53 エンジン
54 発電機
56 冷凍・冷蔵室
62 整流器
64 インバータ装置
66 圧縮機
67 凝縮器
69 蒸発器

Claims (3)

  1. 直流によって励磁される界磁巻線を有し、機械動力を受けて交流に変換して負荷に供給する同期発電装置において、
    前記界磁巻線に直列に接続され、スイッチング動作により界磁電圧を調整する第1の半導体スイッチング素子と、
    前記負荷の遮断を検出する手段と、
    負荷の遮断が検出されたとき、前記界磁巻線に対する電圧供給経路を遮断すると共に、前記界磁巻線にキャパシタを直列接続して前記界磁巻線に流れる電流の還流路を形成する手段とを備え、
    前記界磁巻線に流れる電流の還流路を形成する手段は、
    前記界磁巻線と、逆流防止用の第1のダイオードと、前記キャパシタと、逆流防止用の第2のダイオードとを順次直列に接続して形成される還流路と、
    前記キャパシタと並列接続されるように前記第1のダイオードと前記キャパシタとの間に一端が接続され、前記キャパシタと前記2のダイオードとの間に他端が接続された放電用の抵抗と、
    前記第1のダイオードと前記キャパシタに並列接続されるように前記界磁巻線と前記第1のダイオードとの間に一端が接続され、前記キャパシタの一端に他端が接続されるとともに前記負荷の遮断を検出する手段により負荷の遮断が検出されたときにオフ状態となる半導体スイッチング素子と、
    とからなり、
    前記同期発電機から供給される擬似直流電圧により予め前記キャパシタを所定の電圧に充電するために、前記擬似直流電圧を前記キャパシタ及び前記第1のダイオードとの間に充電用の抵抗を介して供給することを特徴とする同期発電装置。
  2. 前記負荷の遮断を検出する手段は、発電電圧を検出する電圧検出手段と、この電圧検出手段による電圧検出値が所定値を超えたとき負荷の遮断と判定する比較手段と、を含むことを特徴とする請求項に記載の同期発電装置。
  3. 冷凍・冷蔵室を備える冷凍車において、
    機械動力を受けるようにエンジンに結合された請求項1または2のいずれか1項に記載の同期発電装置と、
    前記同期発電装置から出力される交流を整流して直流に変換する整流器と、
    変換された直流を可変周波数の交流に変換するインバータ装置と、
    前記インバータ装置の出力によって圧縮機を可変速駆動する冷凍サイクルと、
    を備えたことを特徴とする冷凍車。
JP2002287277A 2002-09-30 2002-09-30 同期発電装置及び冷凍車 Expired - Fee Related JP4080830B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002287277A JP4080830B2 (ja) 2002-09-30 2002-09-30 同期発電装置及び冷凍車

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002287277A JP4080830B2 (ja) 2002-09-30 2002-09-30 同期発電装置及び冷凍車

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004129341A JP2004129341A (ja) 2004-04-22
JP4080830B2 true JP4080830B2 (ja) 2008-04-23

Family

ID=32280128

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002287277A Expired - Fee Related JP4080830B2 (ja) 2002-09-30 2002-09-30 同期発電装置及び冷凍車

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4080830B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8008895B2 (en) * 2004-10-28 2011-08-30 Alstom Technology Ltd. Static exciter system for a generator and method of operation
JP4570982B2 (ja) * 2005-02-25 2010-10-27 日立オートモティブシステムズ株式会社 発電制御装置及び発電装置
ES2399781T3 (es) * 2009-07-30 2013-04-03 Alstom Technology Ltd Excitador estático de una bobina de campo y método para hacerlo funcionar
JP6503591B2 (ja) 2016-12-28 2019-04-24 本田技研工業株式会社 電源制御システム、及び電源制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004129341A (ja) 2004-04-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10749217B2 (en) Power source device
US7106030B2 (en) Field excitation for an alternator
JP6071300B2 (ja) 輸送用冷凍システム
US6924618B2 (en) Inverter controller for driving motor, and air conditioner
US7525206B2 (en) Power source device for working machine
KR100978171B1 (ko) 인버터 압축기의 운전 방법 및 압축기 구동 장치
JP6779382B2 (ja) 制御装置、輸送用冷凍システム、制御方法及び充電率算出方法
KR20160045908A (ko) 전력변환장치 및 공기조화장치
US20040232876A1 (en) Inverter control device for driving a motor and an air conditioner
EP1643631A1 (en) Power supply circuit for an air conditioner
JP2003235252A (ja) 電源回路
JP4080830B2 (ja) 同期発電装置及び冷凍車
JP3345928B2 (ja) 発電機の発電制御装置
JP4199380B2 (ja) 冷凍車用冷凍装置
JP3774298B2 (ja) 電動機制御装置及び冷凍サイクル装置
JP2002323280A (ja) 冷凍車
JPWO2006120819A1 (ja) ヒートポンプ
KR20030074920A (ko) 유도 전동기의 회전 속도 검출 방법
JP2002325466A (ja) 電圧制御装置,電圧制御システム及び冷凍車
CA3001773C (en) Power supply apparatus
JP2006109624A (ja) ブラシレスdcモータの駆動装置
JP3971653B2 (ja) 車両用冷凍装置
KR20020082130A (ko) 냉동차
JP4822886B2 (ja) 電源装置およびガスヒートポンプ式空気調和装置
JP2002318048A (ja) 冷凍車

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050117

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070305

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070323

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070522

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080201

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080207

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110215

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110215

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees