JP4080805B2 - スクロール流体機械 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体の圧縮、膨張、及び圧送を行うスクロール流体機械、特に、前段圧縮部により圧縮された流体を、冷却して、更に後段圧縮部により圧縮するとともに前記後段圧縮部側から圧縮流体の漏洩を防止するシ−ル部材を配設した多段式流体圧縮部を備えたスクロール流体機械のシール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、スクロール流体機械では、通常圧縮による高熱を発生するために旋回スクロール及び固体スクロールを冷却風もしくは冷却流体により冷却し、流体の圧縮によって発生する高熱を冷却している。そして、圧縮比を通常より大きくするにはスクロールラップの巻数を増大することによって可能である。しかしながら、圧縮比を通常より大きくすると単に構造が大きくなるだけではなく、流体の圧縮により発生する通常より高い熱によって、軸受やシール部材の寿命の低下が問題となる。
【0003】
よって、通常より冷却装置の冷熱量を多くして旋回スクロール及び固体スクロールを冷却する必要があるために、冷却装置の構造を大きくすることが必要になる。そして、スクロール流体機構は旋回スクロール端板の外周側から流体を取り込み、中心側へ向かって流体を取り込んだ圧縮空間を縮小させて流体圧縮を行い、中心側の吐出口から吐出するので、その中心部分を効率良く冷却するには高度な技術を必要とする。
【0004】
かかる理由から、スクロール流体機構に冷却器を近接配置するとともに、スクロール流体機械の圧縮部を2段に分けて、前段から圧縮流体を前記冷却器に通して冷却して後段に導入して再度圧縮を行う多段圧縮式スクロール流体機械が要求される。該多段圧縮式スクロール流体機械は前段までの圧縮でスクロール流体機構が耐える温度に抑えて、冷却後に前段の圧縮流体吐出温度まで後段で圧縮することにより通常より高温となることなしに所望の圧縮比をえることができる。
【0005】
前述した多段圧縮式スクロール流体機械として、スクロール流体機械の圧縮部を2段に分けて、前段から圧縮流体を前記冷却器に通して冷却して後段に導入して再度圧縮を行うスクロール流体機械は、特開昭54−59608号公報によって、知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる従来技術によると、以下に述べるような問題点がある。これを図10乃至図12を用いて説明する。前段圧縮部の最終圧縮室の近傍にある吐出口2eと後段圧縮部の取り組み空間と連通する吸込口2fは図示しない冷却器を介して配管で連結され、中間経路を形成している。
【0007】
今、前段圧縮部の圧縮空間S3が前段圧縮部の吐出口2eと連通した後は、図10に示すように、後段圧縮部の圧縮空間S6とT6は前段圧縮部の圧縮空間S5と連通状態となる。旋回スクロールラップ10bの旋回駆動によって圧縮空間S6としての取り組まれた圧縮流体は圧縮空間S8のように圧縮され、また、圧縮空間T6として取り組まれた圧縮流体は圧縮空間T8のように圧縮される。よって、圧縮空間S6またはT6より、圧縮空間S8またはT8のほうが高圧となっている。
【0008】
さて、図10のA−A断面図(図11(a))、B−B断面図(図11(b))、C−C断面図(図12)にみるように、旋回スクロールラップ10bの頂部の溝41及び固定スクロールラップ9cの頂部の溝40には、チップシール53が挿入されているが、このチップシール53は溝40、41の幅より狭く形成されているので、圧縮空間が流体を圧縮している状態においてはチップシール53、53は圧縮流体の圧力を下面に受け、相手方鏡面に押圧されるとともに、高圧側から低圧側の溝壁面に押圧されている。
【0009】
よって、圧縮空間T6からは、図11(a)に示すように通路30及び31が連通形成され、圧力の低い空間T6へ漏洩可能である。
また、圧縮空間S8からは、図11(b)に示すように通路32及び51が連通形成され、圧力の低い空間S6へ漏洩可能である。
また、チップシールは高圧側から低圧側の溝壁面に押圧されているといえども、チップシール面とチップシール溝面とは互いの平面性によって完全密着できずに図10のC−C断面図(図12(a))にみるように、チップシール14及び53との間の空隙80に矢印76のような高圧流体の漏洩が可能である。
【0010】
また、旋回スクロールラップ溝の底面とチップシール53との間には空隙が存在し、該空隙による通路41b(図11(b)、図12(b))を高圧の圧縮流体が低圧側に漏洩可能である。すなわち、旋回スクロールラップ10bの端部10dには、溝41の端部41aとチップシール53の端部53aとの間に隙間が存在し、該隙間から矢印78のような圧縮流体の漏洩が可能であり、また、その途中においても通路51から矢印77のような圧縮流体の漏洩が可能である。
よって、図10及び図12(a)に示すように、チップシール14及び53との間の空隙80に矢印29、76のような高圧流体が後段圧縮部から前段圧縮部側に漏洩し、それらが前段圧縮部に取り込まれて再圧縮され、そのためにより高熱が発生したり、圧縮負荷が高まり圧縮動力が必要となるという問題がある。
【0011】
本発明は上記課題解決のためになされたもので、本発明は、前段圧縮部への後段圧縮部からの高圧圧縮流体の漏洩を防止する多段圧縮式スクロール流体機械のシール構造を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するために、前段圧縮部により圧縮された流体を更に後段圧縮部により圧縮する多段式流体圧縮部を備えたスクロール流体機械において、
最終段圧縮部の圧縮流体の吐出口近傍から初段圧縮部の流体取込端側に向けて渦巻状のスクロールラップを配設し、隣接して配設される前記スクロールラップ間に渦巻状ラップ溝を形成し、該ラップ溝の前記最終段圧縮部と前記初段圧縮部との間に、前記前段圧縮部側の終端に設けた吐出口と該吐出口からの圧縮流体を前記後段圧縮部側へ吸入する吸込口とが設けられたランド部を設け、
相手側スクロール端板と対面する前記ランド部のランド面に、前記後段圧縮部側から前記前段圧縮部の前記吐出口開口側への圧縮流体の漏洩を防止するシ−ル部材を配設したことを特徴とする。
【0013】
この場合、本発明は、相手方スクロール端板と接触して摺動するチップシールを頂部に配置したスクロールラップを最終段圧縮部の圧縮流体の吐出口近傍から渦巻状に初段圧縮部の流体取込端側に向けて配設し、隣接して配設される前記スクロールラップの間にラップ溝を形成し、該ラップ溝の前記最終段圧縮部と前記初段圧縮部との間に、前記前段圧縮部側の終端に設けた吐出口と該吐出口からの圧縮流体を前記後段圧縮部側へ吸入する吸込口とが設けられたランド部を設けている。よって、このランド部は固定スクロールラップ溝に設けても、また旋回スクロールラップ溝に設けてもよい。
【0014】
また、スクロールラップ頂部には相手方スクロール端板と接触して摺動するチップシールが配置されているので、相手側スクロール端板と対面する前記ランド部のランド面と相手方スクロール端板との間にはチップシール分だけ空隙が生じて前記ランド面に開設した前記吐出口開口と前記吸込口開口との間は連通する。よって、例えば、図11に示すように通路30、31または通路32、51を通る圧縮流体、また図12に記載するような圧縮流体のように、図10に示す空間S6またはT6に漏洩する圧縮流体による矢印29のような圧縮流体が存在したとしても、本発明によると、前記ランド部のランド面に開設した前記吐出口開口と前記吸込口開口との間に、前記相手方スクロール端板面と押圧接触するシ−ル部材を配設しているので、前記後段圧縮部側からの前記前段圧縮部の前記吐出口開口側への圧縮流体の漏洩を防止することができる。
【0015】
そして、前記シール部材は、前記ラップ溝の両側壁を形成するスクロールラップの頂部に渦巻状に配設されるチップシールと、
前記吐出口開口と前記吸込口開口との間に配設される中間シール部材とで構成することができる。
【0016】
すなわち、例えば、図2に示すように後段圧縮部側シール部材(チップシール)26、前段圧縮部側シール部材(チップシール)14、及び中間シール部材25で構成することができる。
【0017】
また、前記中間シール部材は、前記後段圧縮部を環状に区画する環状シール部材で構成することも本発明の有効な手段である。
【0018】
かかる技術手段によると、例えば、図6に示すように、中間シール部材を環状に構成しているので、1本の環状シール部材、または、すくなくとも前記吐出口開口及び前記吸込口開口より十分離間した位置で接触部を有した環状シール部材として構成することができ、前記吐出口開口及び前記吸込口開口との間に、他のチップシールとの接触部がないので、その接触部から圧縮流体が漏洩することがなく、前記ランド面の前記吐出口開口と前記吸込口開口との間に、中間シール部材を配置し、該中間シール部材によりその両端部と両サイドのチップシールとを接触させることはなく前記後段圧縮部側からの前記前段圧縮部の前記吐出口開口側への圧縮流体の漏洩を防止することができる。
【0019】
また、前記シール部材は、前記前段圧縮部側の流体取込側から前記後段圧縮部の最終吐出口側に向かって渦巻状に配設されるとともに、その途中で前記ランド面の前記吐出口開口と前記吸込口開口との間を区画するように配設される第1シール部材と、
前記ランド面の前記吐出口開口近傍において前記吸込口開口とは反対側の前記第1シール部材の面に端部が当接し、前記吐出口開口近傍から前記後段圧縮部を囲んで前記吐出口開口の近傍に至り、前記吐出口開口とは反対の前記第1シール部材の面に当接する第2シール部材とで構成することも本発明の有効な手段である。
【0020】
また、前記初段圧縮部の流体取込側から前記最終段圧縮部の圧縮流体吐出口側に向かって渦巻状に配設された前記スクロールラップの頂部に形成されたチップシール溝と、
前記ランド部において前記吐出口開口及び前記吸込口開口を挟んで配設される前記チップシール溝と連設する中間溝を有し、
該溝及び前記チップシール溝には複数のチップシールで構成される前記シール部材が嵌合配置され、
該シール部材は、前記最終段圧縮部の圧縮流体吐出口側から前記中間溝を通って前記初段圧縮部側に向かう第1チップシールと、
前記第1チップシールと並んで前記最終段圧縮部の圧縮流体吐出口側から前記チップシール溝に配置され、前記ランド部の前記吸込口開口近傍で前記第1チップシールと別れて前記吐出口開口近傍で前記第1チップシールと接触する第2チップシールと、
前記吸込口近傍で前記第2チップシールと並んで前記チップシール溝に配置され、前記吐出口開口近傍で前記中間溝からの第1チップシールと並んで前記初段圧縮部側に向かう第3チップシールとで構成することも本発明の有効な手段である。
【0021】
かかる技術手段によると、前記吐出口開口と前記吸込口開口との間は1本のチップシールにより圧縮流体の漏洩が防止されるので、両サイドのチップシールとの端部接触によることがないので、シール性が向上する。
【0022】
特に3本のチップシールを用いる前記技術手段によると、図8に示すように、前記吐出口開口近傍で前記第1チップシール67と接触する第2チップシール69の外周側に第3チップシール68が配置されるので、前記第1チップシール67と第2チップシール69との接触部分は、さらに第3チップシール68によってカバーされ、圧縮流体の漏洩がさらに防止される。
【0023】
また、前記初段圧縮部の流体取込側から前記最終段圧縮部の圧縮流体吐出口側に向かって渦巻状に配設された前記スクロールラップの頂部に形成されたチップシール溝と、
前記ランド部において前記吐出口開口及び前記吸入口開口を挟んで配設される前記チップシール溝と連設する中間溝を有し、
前記チップシール溝と前記中間溝とを連通する1個のチップシールにより前記シール部材を構成することも本発明の有効な手段である。
かかる技術手段によると、1個のチップシールにより圧縮流体の漏洩を防止することができるので、部品点数が削減する。
【0024】
また、特にランド部において前記中間溝に対応するチップシール部分を前記中間溝に挿入することによって、該中間溝を基準として組み立てることができるので、一方のチップシール端部がチップシール溝端を越えて挿入した場合に、それをずらして再度挿入しなおすことがなく、中間溝を基準としてそれに対応する部分を中間溝に挿入すれば、あとはその部分から順次チップシールの端部に向かってチップシールを溝に挿入するだけで、組み立てることができ、組み立てが容易となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施の形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施の形態に記載される構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載が無い限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0026】
図1は、本発明の実施の形態に係るスクロール流体機械の断面図、図2は、固定スクロールハウジングの斜視図、図3は、旋回スクロールの斜視図、図4は、旋回スクロールによって流体を取り込んだ場合の流体圧縮状況を説明する説明図、図5は、図4から180゜旋回スクロールラップが回動した場合の流体圧縮状況を説明する説明図、図6は、本発明にかかるシール構造の第2実施の形態を示す説明図、図7は、本発明にかかるシール構造の第3実施の形態を示す説明図、図8は、本発明にかかるシール構造の第4実施の形態を示す説明図、図9は、本発明にかかるシール構造の第5実施の形態を示す説明図である。
【0027】
図1において、多段式スクロール流体機構本体1は、ハウジングカバー4を取り付けた固定スクロールハウジング2と、該固定スクロールハウジング2が取り付けられる駆動軸ハウジング3とで構成される。
そして、後述する固定スクロールハウジングの前段圧縮部の吐出口に取る付けられた吐出配管6と、後段圧縮部の吸込口に取り付けられた吸い込み配管7との間に冷却室24が配設され、該冷却室24、吐出配管6、及び吸い込み配管7を配管によって接続して中間経路を構成している。
【0028】
尚、この中間経路は、図2に示す前段吐出口2e、後段吸込口2fと、これらの間に介在する冷却室24内を通る配管の総合容積を有し、その総合容積は前段圧縮部の最終圧縮室容積のN(整数)倍に設定する。そして、N回の前段圧縮部の最終圧縮室からの吐出があって後に、後段圧縮部の初段取り込みは前段圧縮部の最終圧縮室容積と等しい容積分取り込まれるように構成される。
【0029】
しかしながら、初期運転時には、スクロール流体機械は停止状態にあり、固定スクロールラップと旋回スクロールラップとにより形成される流体圧縮空間の後段圧縮部の最終圧縮室には、後段圧縮部の吐出口2d(図1)の外部圧力と同等かそれより低い圧力で流体が存在し、また、後段圧縮部の初期取り込み空間にあった流体は前記中間経路と連通しているので、前段圧縮部の取り込み圧力まで低下する場合がある。
【0030】
この状態で、初期運転を開始すると、後段圧縮部の残留流体が外部圧力より高くなるまで圧縮される。すなわち、後段圧縮部の最終圧縮室の圧力がそれより手前の圧縮室の圧縮流体と合体して外部圧力より高くなると外部に吐出されるが、それでもまだ外部圧力より低いと、前記中間経路からの流体を取り込み、それと吐出口側の流体と合体して圧縮される。
【0031】
そして、初期運転の終了頃には、N回の前段圧縮部の最終圧縮室からの吐出があって後に、後段圧縮部の初段取り込みは前段圧縮部の最終圧縮室容積と等しい容積分取り込まれるような運転状態となる。
さて、固定スクロールハウジング2は図2に示すように、円形トレイ状に形成され、その外周面の周方向3カ所に後述する駆動軸ハウジング3と結合面2mで結合する取付部2i、2j、2kが設けられ、凹部には鏡面2cが設けられ、該鏡面2cは取付部2iの内部に設けられた吸込口2aと連通している。
【0032】
結合面2mには、駆動軸ハウジング3と結合する部分を外れた、それより内側には溝が設けられ該溝にはフッソ系樹脂等の自己潤滑性を有するダストシール12が配設されている。
【0033】
鏡面2cには、図1に示す吐出配管6に連結する前段吐出口2e(図4、図5)、及び吸い込み配管7に連結する後段吸込口2f(図4、図5)が設けられ、これらの孔が形成されたランド部9aから反時計方向に前段圧縮部を形成する固定スクロールラップ9bが、また、時計方向に後段圧縮部を形成する固定スクロールラップ9cが螺旋状に植設されている。そして、これらのラップ上方先端には溝が設けられ、該溝にはフッソ系樹脂等の自己潤滑性を有するチップシール14が嵌入されている。
【0034】
また、ランド部9aには側面側に配置されているチップシール14、14間には、フッソ系樹脂等の自己潤滑性を有する中間シール部材25が配置されている。該中間シール部材25は高圧圧縮流体が漏洩して後段圧縮部側から前段圧縮部側に補足され、それが再度後段圧縮部側に圧送されるのを防止するものである。
【0035】
固定スクロールハウジング2の鏡面2cの裏側には、図1に示すように冷却フィン2bが植設され、該冷却フィン2bの頂部にはハウジングカバー4が取付られ、冷却通路2nを形成している。よって、図1の紙面を貫く方向に流れる冷却風によって、固定スクロールを冷却可能に構成されている。また、配管5が取付られ、吸込口2aに流体を取り込み可能に構成されている。
【0036】
旋回スクロール11は鏡面10cを有し、該鏡面10cが図1に示すように固定スクロールハウジング2の結合面に設けられたダストシール12と接触して対面配置され、鏡面10cには外側に植設された前段圧縮部を構成する旋回スクロールラップ10aと、中心側に植設された後段圧縮部を構成する旋回スクロールラップ10bを有している。そして、これらのラップ上方先端には溝が設けられ、該溝にはフッソ系樹脂等の自己潤滑性を有するチップシール13が嵌入されている。
【0037】
そして、これらの旋回スクロールラップ10a、10bは固定スクロールラップ9b、9cと壁面が互いに対面配置される。
また、鏡面10cの裏側には、図1に示すように冷却フィン11aが植設され、該冷却フィン11aの頂部には補助カバー15が取付られ、冷却通路11nを形成している。よって、図1の紙面を貫く方向に流れる冷却風によって、旋回スクロールを冷却可能に構成されている。
【0038】
該補助カバー15は、中心側に後述する回転駆動軸16の先端偏芯部16aが回転可能に嵌合するベアリング軸受18が配置され、また、外周側には周方向に3等分した箇所に、旋回スクロールの自転防止用のクランク部材を受ける軸受ベアリング19が配置されている。
【0039】
このクランク部材は、板部材21の一方の面に前記軸受ベアリング19と嵌合する軸22と他方の面に、軸22とは偏芯した軸位置を有する軸23とで構成され、該軸23は駆動軸ハウジング3に設けた軸受ベアリング20と嵌合して位置決めされるように構成されている。よって、回転駆動軸16の先端偏芯部16aの偏芯回転によって、旋回スクロール11は固定スクロールに対して公転運動可能に構成される。
【0040】
駆動軸ハウジング3は、図1の紙面を貫く方向に開口部を有し、流れる冷却風によって、旋回スクロールの冷却フィン11a部分を冷却可能に構成されている。そして、中央部の軸受ベアリング17によって、図示しない駆動モータの回転軸と連結する回転駆動軸16を回転可能に保持している。
【0041】
このように構成されたスクロール本体1は、図1に示すように、回転駆動軸16回転により、偏芯軸部16aが軸芯16bを中心に回転することにより旋回スクロール11が公転し、図4に示すように、固定スクロールハウジング9の吸込口2aから吸入した圧縮流体は、旋回スクロールラップ10aにより取り込まれ、このラップと固定スクロールラップ9bとによって形成される密閉空間S1及びT1により取り込まれる。
【0042】
これらの取り組み空間は180゜ずれているが同時に略等しい容積分取り込まれる。
この密閉空間は図4及び図5に示すように、図4でS1として取り込まれた密閉空間は、順次S1→S2→S3→S4と圧縮し、S5から前段吐出口2e→中間経路→後段吸込口2f→S6→S7→S8→S9と圧縮し、また、図4でT1として取り込まれた密閉空間は順次T1→T2→T3と圧縮し、T4から前段吐出口2e→中間経路→後段吸込口2f→T5→T6→T7→T8→T9と圧縮されて中央部に送られ、S9とT9は合流して吐出口2dを出て配管8から排出される。
【0043】
尚、図4に示すように、密閉空間S8とT9は等しい容積を有するので、同じ圧力の流体が吐出される。
この流体圧縮過程において、図2に示すように、ランド部9aには側面側に配置されているチップシール14、14間には、フッソ系樹脂等の自己潤滑性を有する中間シール部材25が配置されている。よって、矢印29にような後段圧縮部側からの漏洩した高圧圧縮流体が存在しても中間シール部材25により阻止され、漏洩した高圧圧縮流体が前段圧縮部側に補足され、それが再度後段圧縮部側に圧送されるのを防止することができる。
【0044】
図6はシール構造の第2実施の形態を示す。第1実施の形態に示すチップシール14の代わりに、チップシールを前段圧縮部側のチップシール63と、後段圧縮部側のチップシール65Aとに分け、中間シール64よって、前段圧縮部の吐出口2eと後段圧縮部の吸込口2fとを区分するとともに、後段圧縮部を環状に囲んで構成した。矢印で示すような前段圧縮部側への高圧流体の漏洩を防止することができる。
図7はシール構造の第3実施の形態を示す。本実施の形態は、チップシールを前段圧縮部から後段圧縮部まで連設されたチップシール65Bと、後段圧縮部の外側を囲むチップシール66を備え、チップシール65Bによって、前段圧縮部の吐出口2eと後段圧縮部の吸込口2fとを区分して配置したものである。矢印で示すような前段圧縮部側への高圧流体の漏洩を防止することができる。
【0045】
図8はシール構造の第4実施の形態を示す。本実施の形態は、チップシールを67、68、及び69と3本用いたものであり、即ち、前段圧縮部から後段圧縮部まで連設されたチップシール67と、該チップシール67とともに後段圧縮部の吐出口からランド部9aの後段圧縮部の吸込口2fまで配置され、その後は、チップシール68とともに後段圧縮部の外側を囲み前段圧縮部の吐出口2eまで配置されるチップシール69と、該チップシール69とともに前段圧縮部の吐出口2eまで後段圧縮部の外側を囲み、その後はチップシール67とともに、前段圧縮部のラップに嵌合配置されるチップシール68とによって構成した。矢印で示すような前段圧縮部側への高圧流体の漏洩を防止することができる。
【0046】
図9はシール構造の第5実施の形態を示す。本実施の形態は、1個のチップシールを70で前段圧縮部から後段圧縮部までのラップ頂部の溝に連設したものである。該チップシール70はランド部9aに空所71を設け、全ての断面面積を略等しくして歪みを防止している。1個のチップシールとして構成しているので、矢印で示すような前段圧縮部側への高圧流体の漏洩をよく防止することができる。
【0047】
従って、本実施形態によれば、前記ランド部のランド面に開設した前記吐出口開口と前記吸込口開口との間に、前記相手方スクロール端板面と押圧接触するシ−ル部材を配設しているので、前記後段圧縮部側からの前記前段圧縮部の前記吐出口開口側への圧縮流体の漏洩を防止することができる。
【0048】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るスクロール流体機械の断面図である。
【図2】固定スクロールハウジングの斜視図である。
【図3】旋回スクロールの斜視図である。
【図4】旋回スクロールラップによって流体を取り込んだ場合の流体圧縮状況を説明する説明図である。
【図5】図4から180゜旋回スクロールラップが回動した場合の流体圧縮状況を説明する説明図である。
【図6】本発明にかかるシール構造の第2実施の形態を示す説明図である。
【図7】本発明にかかるシール構造の第3実施の形態を示す説明図である。
【図8】本発明にかかるシール構造の第4実施の形態を示す説明図である。
【図9】本発明にかかるシール構造の第5実施の形態を示す説明図である。
【図10】従来技術にかかる後段圧縮部の圧縮流体取り込み動作を説明する説明図である。
【図11】図10のA−A断面図、B−B断面図である。
【図12】図10のC−C断面図、D−D断面図である。
【符号の説明】
1 スクロール流体機械本体、
2 固定スクロールハウジング、
2e 吐出口、
2f 吸込口、
3 駆動軸ハウジング、
9a ランド部、
11 旋回スクロール
24 冷却室
25 中間シール部材(シール部材)
27、28 固定スクロールラップ溝

Claims (6)

  1. 前段圧縮部により圧縮された流体を更に後段圧縮部により圧縮する多段式流体圧縮部を備えたスクロール流体機械において、
    最終段圧縮部の圧縮流体の吐出口近傍から初段圧縮部の流体取込端側に向けて渦巻状のスクロールラップを配設し、隣接して配設される前記スクロールラップ間に渦巻状ラップ溝を形成し、該ラップ溝の前記最終段圧縮部と前記初段圧縮部との間に、前記前段圧縮部側の終端に設けた吐出口と該吐出口からの圧縮流体を前記後段圧縮部側へ吸入する吸込口とが設けられたランド部を設け、
    相手側スクロール端板と対面する前記ランド部のランド面に、前記後段圧縮部側から前記前段圧縮部の前記吐出口開口側への圧縮流体の漏洩を防止するシ−ル部材を配設したことを特徴とする多段式流体圧縮部を備えたスクロール流体機械。
  2. 前記シール部材は、前記ラップ溝の両側壁を形成するスクロールラップの頂部に渦巻状に配設されるチップシールと、
    前記吐出口開口と前記吸込口開口との間に配設される中間シール部材とで構成されることを特徴とする請求項1記載の多段式流体圧縮部を備えたスクロール流体機械。
  3. 前記中間シール部材は、前記後段圧縮部を環状に区画する環状シール部材であることを特徴とする請求項2記載の多段式流体圧縮部を備えたスクロール流体機械。
  4. 前記シール部材は、前記前段圧縮部側の流体取込側から前記後段圧縮部の最終吐出口側に向かって渦巻状に配設されるとともに、その途中で前記ランド面の前記吐出口開口と前記吸込口開口との間を区画するように配設される第1シール部材と、
    前記ランド面の前記吐出口開口近傍において前記吸込口開口とは反対側の前記第1シール部材の面に端部が当接し、前記吐出口開口近傍から前記後段圧縮部を囲んで前記吐出口開口の近傍に至り、前記吐出口開口とは反対の前記第1シール部材の面に当接する第2シール部材とで構成することを特徴とする請求項1記載の多段式流体圧縮部を備えたスクロール流体機械。
  5. 前記初段圧縮部の流体取込側から前記最終段圧縮部の圧縮流体吐出口側に向かって渦巻状に配設された前記スクロールラップの頂部に形成されたチップシール溝と、
    前記ランド部において前記吐出口開口及び前記吸込口開口を挟んで配設される前記チップシール溝と連設する中間溝を有し、
    該中間溝及び前記チップシール溝には複数のチップシールで構成される前記シール部材が嵌合配置され、
    該シール部材は、前記最終段圧縮部の圧縮流体吐出口側から前記中間溝を通って前記初段圧縮部側に向かう第1チップシールと、
    前記第1チップシールと並んで前記最終段圧縮部の圧縮流体吐出口側から前記チップシール溝に配置され、前記ランド部の前記吸込口開口近傍で前記第1チップシールと別れて前記吐出口開口近傍で前記第1チップシールと接触する第2チップシールと、
    前記吸込口近傍から前記第2チップシールと並んで前記チップシール溝に配置され、前記後段圧縮部を環状に区画するとともに、前記吐出口開口近傍で前記中間溝からの第1チップシールと並んで前記初段圧縮部側に向かう第3チップシールとで構成したことを特徴とする請求項1記載の多段式流体圧縮部を備えたスクロール流体機械。
  6. 前記初段圧縮部の流体取込側から前記最終段圧縮部の圧縮流体吐出口側に向かって渦巻状に配設された前記スクロールラップの頂部に形成されたチップシール溝と、
    前記ランド部において前記吐出口開口及び前記吸込口開口を挟んで配設される前記チップシール溝と連設する中間溝を有し、
    前記チップシール溝と前記中間溝と連通して嵌合配置する1個のチップシールにより前記シール部材を構成したことを特徴とする請求項1記載の多段式流体圧縮部を備えたスクロール流体機械。
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