JP4080769B2 - 中古車の売買仲介システム - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動通信網を介してインターネットに接続される車載通信モジュールを搭載した車両の売買を仲介する中古車の売買仲介システムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年、インターネットの普及により、インターネットに接続されたパーソナルコンピュータなどから、車両の型式、年式、登録年月日、次回車検日、走行距離などを入力することにより、現在使用している車両の下取り価格の見積もりをするサービスがある。また、オンラインによる中古車流通においては、中古車流通業者が取得した中古車をインターネットなどのサイトに登録、公開して、中古車の購入を希望するユーザがこのサイトにアクセスすることにより、中古車の売買を促進するビジネスが行われている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、自分が所有している車両の査定価格をインターネットのサイトで調べる場合、自分が所有している車両の型式、年式、登録年月日、次回車検日、走行距離などのデータを予め記憶しておいて、インターネットに接続されたパーソナルコンピュータなどからこれらのデータを入力する必要がある。このため、入力作業が面倒であるととともに、誤入力も生じて正確な価格査定ができないという問題を生じた。
【０００４】
また、オンラインによる中古車流通においては、中古車流通業者は下取りした中古車の所有者になる必要があるため、売買が成立するまでの間は所有する中古車は中古車流通業者の在庫となる。このため、中古車を保管するための場所を十分に確保する必要が生じるとともに、売買が成立するまでは購入した中古車の代金が未収金となる。このため、必要以上の資金を確保する必要があるとともに、これに対する金利も莫大になるという問題も生じた。
【０００５】
そこで、本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、仲介業者が中古車を所有することなく、リアルタイムで中古車の売買の仲介ができる売買仲介システムを提供することを目的とする。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
本発明の中古車の売買仲介システムは、移動通信網を介してインターネットに接続される車載通信モジュールからなる移動端末と、中古車の下取り価格のデータベースおよび中古車のデータベースを備えてインターネットに接続されるウエッブサーバと、インターネットに接続可能なクライアントとからなり、クライアントが希望する車両情報を入力すると、ウエッブサーバでは最新の車両情報が格納されている中古車データベースから入力情報に合致する中古車を検索して当該車両情報を前記クライアントに通知するとともに、該中古車の検索結果に基づく当該クライアントからの該中古車の購入希望がある旨の情報を車載通信モジュールに送信され、車載通信モジュールでは購入希望の通知に基づいて当該車載通信モジュールに接続された売買申し込みの送信スイッチを操作することにより売買の申し込みを送信され、ウエッブサーバでは売買の申し込みに基づいて車載通信モジュールに車両の状態を診断するための診断信号が送信され、車載通信モジュールでは診断信号に基づいて当該車載通信モジュール内のメモリに記憶されている車検情報と、逐次更新されるように記憶されている走行距離情報およびメンテナンス情報とを含む最新の車両情報がウエッブサーバに送信され、ウエッブサーバでは車載通信モジュールから送信された車両情報からなる診断結果が受信されると、当該ウエッブサーバは購入希望のクライアントに当該診断結果が送信されてクライアントのモニター画面にその最新の車両情報が表示されるようになされている。
【００１２】
これにより、中古車の購入を希望したクライアントとなるユーザーは、当該車両の現在の走行距離情報、メンテナンス情報および車検情報をリアルタイムで知ることができるようになる。この結果、仲介業者が中古車を所有することなく、リアルタイムで中古車の売買の仲介ができる売買仲介システムを提供することが可能となる。
【００１３】
【発明の実施の形態】
ついで、本発明の一実施の形態を図１〜図３に基づいて説明する。なお、図１は本発明の中古車の価格査定システムおよび売買仲介システムの構成を模式的に示す図である。図２は本発明の通信モジュールの構成を示す機能ブロック図である。図３は図２の通信モジュールと車両のデバイスとから構成される通信装置の構成例を示す図である。
【００１４】
１．価格査定システムおよび売買仲介システム
本発明の中古車の価格査定システムおよび売買仲介システムの構成は、図１に示すように、車載通信モジュール１０（図２参照）を搭載して移動端末となる車両１０Ａと、移動通信網４０を構成する基地局４２と、移動端末の加入者データを管理する網内データベースを備える移動通信網４０と、この移動通信網４０にゲートウェイを介して接続されるインターネット５０と、中古車の下取り価格のデータベース５２と中古車のデータベース５３とを備えてインターネット５０に接続されるウエッブサーバ５１と、これらのサービスを利用する多数のユーザのクライアント５４とからなる。
【００１５】
ここで、車載通信モジュール１０を搭載する車両１０Ａと、移動通信網４０と、インターネット５０と、中古車の下取り価格のデータベース５２を備えたウエッブサーバ５１とで中古車の価格査定システムが構成される。一方、中古車の売買仲介システムは、車載通信モジュール１０を搭載する車両１０Ａと、移動通信網４０と、インターネット５０と、中古車の下取り価格のデータベース５２と中古車のデータベース５３とを備えたウエッブサーバ５１と、クライアント５４とで構成される。
【００１６】
なお、中古車１０Ａに搭載された車載通信モジュール１０は、図２に示すように、既存の移動通信網の移動端末として動作する通信モジュールとされ、アンテナＡが接続されるアンテナ端子Ｔ１を備えている。アンテナ端子Ｔ１に同軸ケーブルを介して接続されているアンテナＡは、車両のルーフ等に取り付けられる。アンテナ端子Ｔ１にはＲＦ回路１１が接続されており、ＲＦ回路１１には送受信回路や変復調回路が備えられている。
【００１７】
このＲＦ回路１１の変復調回路には音声コーデック回路１２およびチャネルコーデック回路１３が接続されており、音声コーデック回路１２は変復調回路で復調された受話信号あるいは音声信号を復号すると共に、入力された送話信号を音声圧縮符号化している。すなわち、音声コーデック回路１２は、送話用の音声を高能率圧縮符号化すると共に受話用の音声あるいは再生用の音声に復号化しており、例えばＣＥＬＰ（Code Excited LPC ）系のコーデックとされている。音声コーデック回路１２は音声入出力端子Ｔ２に接続されており、音声入出力端子Ｔ２から出力される音声はスピーカ２４ｂ（図３参照）に印加され、音声入出力端子Ｔ２に入力される音声はマイク２４ａ（図３参照）から入力される。
【００１８】
また、ＲＦ回路１１にはデータのコーデック処理を行うチャネルコーデック回路１３が接続されている。このチャネルコーデック回路１３は、データの圧縮／伸長処理やスクランブル／デスクランブル処理を行っており、例えば受信した信号がデータであった場合は、ＲＦ回路１１からチャネルコーデック回路１３に供給されたデータのデスクランブル処理および伸長処理を行って、再生されたデータが外部インタフェース回路１４を介して出力される。また、外部インタフェース回路１４を介してチャネルコーデック回路１３に入力されたデータには、圧縮処理およびスクランブル処理が施されてＲＦ回路１１を介して出力され、アンテナＡから送信される。
【００１９】
外部インタフェース回路１４は、外部機器とのデータの授受を行うインタフェースであり入出力端子Ｔ３に接続されている。外部インタフェース回路１４はＰＣＭＣＩＡ（Personal Computer Memory Card International Association）が制定したＰＣカードのインターフェース規格とされたり、ＥＩＡ（米国電子工業会）が制定したパソコンや携帯情報端末、周辺機器で採用されているＲＳ−２３２Ｃといわれるシリアル・インターフェース規格とされている。この入出力端子Ｔ３には、車内ＬＡＮ（Local Area Network）の後述するネットワークコントローラ２０が接続されており、ネットワークコントローラ２０には車両を電子制御する車両制御システム３０が接続されている。この車内ＬＡＮは、例えばＣＳＭＡ／ＣＤ（Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection）型ＬＡＮ（IEEE802.3）であるイーサネットで構築されている。
【００２０】
中央処理装置（Central Processing Unit：ＣＰＵ）１５は、電話機能プログラムを実行することにより通信モジュール１０の各部の動作を制御するシステム制御部であり、動作時の経過時間を示したり、特定の時間間隔でタイマ割込を発生するタイマを備えている。また、ＣＰＵ１５は外部インタフェース回路１４を介して車両制御システムから受け取った車両の速度情報あるいはパーキング情報から、車両の走行状態を検知する処理を行っている。ＲＯＭ１６はＣＰＵ１５が実行する送信処理や受信処理の各種電話機能プログラムや設定された相手先へ自動発信する自動発信処理等のプログラムが格納されているＲＯＭ（Read Only Memory）である。
【００２１】
ＲＡＭ１７は自動発信する相手先の電話番号や、取り込んだ自機の位置情報や、車両のコンディション情報の格納エリアや、ユーザ設定データ格納エリア、および、ＣＰＵ１５のワークエリア等が設定されるＲＡＭ（Random Access Memory）である。なお、各機能ブロックはバス１８を介してデータや命令の授受を行っている。このように構成された通信モジュール１０は、車内から見えないように車両のダッシュボート内やオーディオ装置等の他の装置内に組み込まれて設置される。
【００２２】
このように車内に組み込まれた通信モジュール１０と車両のデバイスとから構成される通信装置の構成例を図３に示す。図２に示す構成の通信モジュール１０は、ネットワークコントローラ２０に接続される。この場合、通信モジュール１０の入出力端子Ｔ３とネットワークコントローラ２０とが接続されるようになる。このネットワークコントローラ２０はイーサネットのネットワークコントローラであり、そのデータ伝送速度は１０Mbpsとされている。そして、ネットワークコントローラ２０にはＬＡＮケーブルを介して車両制御システム３０が接続されている。なお、データ伝送速度は１０Mbpsに限ることなく、１００Mbpsあるいはそれ以上になるようにしても良い。
【００２３】
また、ネットワークコントローラ２０には通信モジュール１０で受信した表示情報を表示する表示器２１、および、通信モジュール１０に発信させたり、格納した音声データ（音声情報や受話信号）を再生させたりする等の動作を行わすことのできるスイッチ類２２や、ＧＰＳ衛星からのＧＰＳ信号を受信するＧＰＳ（Global Positioning Systems）アンテナ２３が接続されている。さらに、通信モジュール１０を手に保持することなく送受信するためのハンズフリー部２４が、通信モジュール１０に接続されている。ハンズフリー部２４には、ユーザからの送話音声を入力するためのマイク２４ａと、ユーザに受話音声を伝えるためのスピーカ２４ｂが備えられている。なお、通信モジュール１０には、車両に積まれたバッテリーから給電されない場合に、単独で通信モジュール１０を動作させることのできる内蔵バッテリーＢが接続されている。
【００２４】
車両制御システム３０は、ＣＰＵを備える車両制御部３１と、車両の各部のコンディション情報を得るための各種センサー３２、車両の各種ライト／ランプやワイパー等のオン／オフを行うためのスイッチ類３３、車両速度、走行距離、燃料の残量等を表示するインストルメントパネル等に設けられる表示器３４と、シフトロック用等のソレノイドやワイパー等のモータ３５とから構成されている。これにより、通信モジュール１０は、ネットワークコントローラ２０を介して車両制御システム３０から車両のコンディション情報を得ることができるようになっている。
【００２５】
これにより、例えば、車載通信モジュール１０に接続されたスイッチ類２２の内の価格査定の送信スイッチ（図示せず）を操作することにより、車載通信モジュール１０から基地局４２，移動通信網４０およびインターネット５０を介してウエッブサーバ５１に中古車価格の査定の依頼が発信される。これに応じて、ウエッブサーバ５１は移動端末となる車両１０Ａの下取り価格を中古車の車両価格データベース５２から検索して、検索結果をインターネット５０、移動通信網４０および基地局４２を介して車載通信モジュール１０に通知することとなる。
【００２６】
ここで、移動通信網４０は、複数の交換機等から構成されるコアネットワークに相当する移動通信網であり、ＨＬＲ（Home Lacation Register）４１が設けられている。このＨＬＲ４１には、移動通信網４０における全移動端末の位置情報や加入者データなどを管理する網内データベースが格納されている。そして、車両１０Ａに組み込まれた通信モジュール１０は、既存の移動通信網４０における通信端末として動作することができる。移動通信網４０は多数のセルを有しているが、１つのセルには基地局（ＢＳ）４２が設けられている。
【００２７】
基地局４２は、このセルに在圏している移動端末（車載通信モジュール）１０の通信制御を行っている。例えば、このセルにおける基地局４２は移動端末１０の通信制御を行っている。以下の説明では、移動端末となる車両１０Ａには通信モジュール１０が組み込まれているものとし、通信モジュール１０は携帯電話機であるものとする。そして、移動通信網４０はゲートウェイを介してインターネット５０に接続可能とされている。
【００２８】
なお、移動端末（車載通信モジュール）１０は、自機に記憶されている自機が在圏しているセルのセル番号と報知されているセル番号とを照合し、不一致になった時に移動端末１０は網内に位置登録信号を送出する。これを受信した当該セルの基地局４２は、位置登録信号を移動通信制御局に送る。移動通信制御局は、位置登録信号をルーチング可能な位置情報に変換してＨＬＲ４１に格納する。すなわち、１つのセルに属している移動端末１０と他の移動端末におけるＨＬＲ４１に格納されている位置情報欄には、１つのセルのセル番号が格納されていることになる。ここで、移動端末１０が１つのセルから他のセルに移動すると、移動端末１０は他のセルに位置登録し直されるようになる。
【００２９】
一方、ウエッブサーバ５１はインターネット５０に接続可能とされており、中古車価格のデータベース５２と中古車のデータベース５３とを備えている。そして、中古車価格のデータベース５２は、メーカー名、車種、型式、排気量、塗色、燃料、走行距離および車検の残り等の車両情報に基づいて所定の重み付けがなされて予め算出され、所定時間が経過する毎に自動更新されるデータベースであって、中古車価格の情報が格納されている。また、中古車のデータベース５３は、所有者・使用者、車種・型式、登録年月日、色・燃料などの車両の車検情報、走行距離情報およびメンテナンス情報が格納されており、ユーザーが登録する毎に逐次更新されるデータベースである。
【００３０】
そして、クライアント５４は、中古車の購入を希望するユーザが所有するパソコンなどから構成され、このパソコン５４はインターネット５０に接続可能とされている。ここで、中古車の購入を希望するユーザーがクライアントとなるパソコン５４をインターネット５０に接続し、ウエッブサーバ５１にアクセスして中古車のデータベース５３を検索した結果、希望する中古車を見つけ出して購入希望を要求すると、ウエッブサーバ５１は、購入希望の情報をインターネット５０、移動通信網４０および基地局４２を介して当該購入希望に合致する中古車１０Ａの車載通信モジュール１０に通知するようにしている。
【００３１】
これにより、車載通信モジュール１０のユーザ（車両１０Ａの所有者）がウエッブサーバ５１からの購入希望の通知を車載通信モジュール１０に接続された表示器２１にて確認するこができるようになる。そして、車載通信モジュール１０に接続されたスイッチ類２２の内の売買の申し込みスイッチを操作すると、ウエッブサーバ５１はインターネット５０、移動通信網４０および基地局４２を介して、車載通信モジュール１０にリモート診断を通知するようになる。このリモート診断の通知に基づいて、車載通信モジュール１０は、ネットワークコントローラ２０を介して車両制御システム３０から車両のコンディション情報を取得し、取得した診断結果を基地局４２、移動通信網４０およびインターネット５０を介してウエッブサーバ５１に送信するようにしている。
【００３２】
２．価格査定の動作および売買仲介の動作
ついで、以上に説明した価格査定システムおよび売買仲介システムの動作について図４ないし図６に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、図４は中古車の価格査定の処理動作を示すフローチャートであり、図５は中古車登録の処理動作を示すフローチャートである。また、図６は中古車の売買仲介システムの処理動作を示すフローチャートである。
【００３３】
（１）価格査定の動作
まず、価格査定の動作を図４のフローチャートに基づいて説明する。車載通信モジュール１０を搭載する車両の所有者が、車載通信モジュール１０に接続されたスイッチ類の内の価格査定スイッチを操作する（Ｓ１００）ことにより、当該車載通信モジュール１０から基地局４２、移動通信網４０およびインターネット５０を介してウエッブサーバ５１に中古車価格の査定の依頼が発信される。ここで、車載通信モジュール１０のＲＡＭ１７（図２参照）には、当該車両の所有者・使用者、車種・型式、登録年月日、色・燃料などの車検情報、外部インタフェース１４を介して逐次取得した走行距離情報およびメンテナンス情報などが記憶されている。このため、中古車価格査定を依頼した際には、これらの情報も一緒に発信（Ｓ１０２）されることとなる。
【００３４】
すると、ウエッブサーバ５１は中古車価格査定の依頼を受信（Ｓ１０４）した後、この車載通信モジュール１０を搭載する車両１０Ａの下取り価格を中古車の車両価格データベース５２から検索（Ｓ１０６）して、最も適合する検索結果（車両の下取り価格）を送信（Ｓ１０８）する。すると、ウエッブサーバ５１はこの結果をインターネット５０、移動通信網４０および基地局４２を介して車載通信モジュール１０に通知する。これにより、車載通信モジュール１０に接続された表示器２１にその査定価格が表示される（Ｓ１１０）ようになる。
【００３５】
この結果、ユーザが使用している車両の査定価格を該車両に搭載されている通信モジュール１０を介してリアルタイムで行うことが可能となり、ユーザが所有している車両の型式、年式、登録年月日、次回車検日、走行距離などを入力することなく、自動的に価格の査定を行うことができるようになる。この場合、中古車の車両価格データベース５２には、車種毎の価格表が予め記憶されているが、この価格表は所定の時間が経過する毎に、所定の計算式に基づいて逐次更新されるようになされている。
【００３６】
（２）中古車情報登録の動作
ついで、中古車情報登録の動作を図５のフローチャートに基づいて説明する。この車両を所有するユーザーが車載通信モジュール１０に接続された表示器２１に表示された査定価格に納得して、車載通信モジュール１０に接続されたスイッチ類２２の内、車両情報登録スイッチを操作（Ｓ２００）すると、当該車載通信モジュール１０から基地局４２、移動通信網４０およびインターネット５０を介してウエッブサーバ５１に車両情報登録の依頼が発信される。これにより、ウエッブサーバ５１は、車載通信モジュール１０から発信された車両の車検情報（所有者・使用者、車種・型式、登録年月日、色・燃料など）、走行距離情報およびメンテナンス情報などの中古車情報を受信（Ｓ２０４）し、この受信した情報を中古車データベース６２に記憶（Ｓ２０６）させることとなる。
【００３７】
（３）売買仲介の動作
ついで、売買仲介の動作を図６のフローチャートに基づいて説明する。ここで、インターネットに接続されたクライアント５４がウエッブサーバ５１にアクセスして中古車検索を行ったとする。このとき、クライアント５４のモニター画面上に表示された検索画面上で、クライアント５４のユーザが希望する車種・型式、登録年月日、色・燃料などの車両情報を入力すると、クライアント５４はこの希望の車両情報を送信する（Ｓ３００）こととなる。これにより、ウエッブサーバ５１が車両情報を受信（Ｓ３０２）すると、車種・型式、登録年月日、色・燃料など最適の車両情報を中古車データベース５３から検索（Ｓ３０４）することとなる。この検索結果をクライアント３０８に送信（Ｓ３０６）すると、クライアント５４は検索結果を受信（Ｓ３０８）して、クライアント５４のモニター画面上に検索結果となる車種・型式、登録年月日、色・燃料などの車両情報が表示されることとなる。
【００３８】
このとき、クライアント５４のユーザが検索した車両情報に基づいて、この車両の購入希望をウエッブサーバ５１に送信（Ｓ３１０）すると、ウエッブサーバ５１はこの購入希望の信号を受信（Ｓ３１２）することとなる。この購入希望の信号の受信に基づいて、ウエッブサーバ５１はインターネット５０、移動通信網４０および基地局４２を介して車載通信モジュール１０に購入希望者がいる旨の信号を送信（Ｓ３１４）することとなる。これにより、車載通信モジュール１０は購入希望者がいる旨の信号を受信（Ｓ３１６）する。これにより、車載通信モジュール１０に接続された表示器２１に購入希望者がいる旨の表示がなされ、車載通信モジュール１０を搭載する車両１０Ａの所有者に購入希望者がいることが通知されることとなる。
【００３９】
ここで、車載通信モジュール１０を搭載する車両１０Ａの所有者が、車載通信モジュール１０に接続されたスイッチ類２２の内、売買申し込みのスイッチを操作すると、売買の申し込みである旨の信号を基地局４２、移動通信網４０およびインターネット５０を介してウエッブサーバ５１に送信（Ｓ３１８）されることとなる。これにより、ウエッブサーバ５１は売買の申し込みである旨の信号を受信（Ｓ３２０）することとなる。すると、ウエッブサーバ５１はインターネット５０、移動通信網４０および基地局４２を介して車載通信モジュール１０に現在の車両の状態を診断するための診断信号を送信（Ｓ３２２）することとなる。
【００４０】
通信モジュール１０が診断信号を受信（Ｓ３２４）すると、通信モジュール１０は、ネットワークコントローラ２０を介して車両制御システム３０から車両の現在のコンディション情報（登録時ではなく、現在の走行距離、メンテナンス情報など）を得る。すると、通信モジュール１０は、診断結果を基地局４２、移動通信網４０およびインターネット５０を介してウエッブサーバ５１に送信（Ｓ３２６）することとなる。すると、ウエッブサーバ５１は診断結果を受信（Ｓ３２８）した後、この診断結果を、その車両の購入を希望したユーザであるクライアント５４に送信する。これにより、クライアント５４は診断結果を受信（Ｓ３３０）して、クライアント５４のモニター画面に診断結果を表示させることとなる。これにより、車両の購入を希望したクライアント５４のユーザーは、購入を希望した車両の現在のコンディション情報を得ることができるようになる。
【００４１】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の中古車の価格査定システムにおいては、ユーザが使用している車両の査定価格を該車両に搭載されている通信モジュール１０を介してリアルタイムで行うことが可能となり、ユーザが所有している車両の型式、年式、登録年月日、次回車検日、走行距離などを入力することなく、自動的に価格の査定を行うことができる中古車の価格査定システムを提供することが可能となる。
【００４２】
また、本発明の中古車の売買仲介システムにおいては、中古車の購入を希望するユーザーがクライアントとなるパソコン５４をインターネット５０に接続し、ウエッブサーバ５１にアクセスして中古車のデータベース５３を検索する。その結果、希望する中古車を見つけ出して購入希望を要求すると、ウエッブサーバ５１は、購入希望の情報をインターネット５０、移動通信網４０および基地局４２を介して当該購入希望に合致する中古車１０Ａの車載通信モジュール１０に通知するようにしている。
【００４３】
これにより、車載通信モジュール１０のユーザ（車両１０Ａの所有者）がウエッブサーバ５１からの購入希望の通知を車載通信モジュール１０に接続された表示器２１にて確認するこができるようになる。そして、車載通信モジュール１０に接続された売買の申し込みスイッチを操作すると、ウエッブサーバ５１はインターネット５０、移動通信網４０および基地局４２を介して、車載通信モジュール１０にリモート診断を通知するようになる。
【００４４】
このリモート診断の通知に基づいて、車載通信モジュール１０は、ネットワークコントローラ２０を介して車両制御システム３０から車両のコンディション情報を取得し、取得した診断結果を基地局４２、移動通信網４０およびインターネット５０を介してウエッブサーバ５１に送信するようにしている。これにより、クライアント５４は診断結果を受信して、クライアント５４のモニター画面に診断結果を表示させることとなる。この結果、中古車の購入を依頼したクライアントとなるユーザーは、当該車両の現在の走行距離情報、メンテナンス情報および車検情報をリアルタイムで知ることができるようになる。これにより、仲介業者が中古車を所有することなく、リアルタイムで中古車の売買の仲介ができる売買仲介システムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の中古車の価格査定システムおよび売買仲介システムの構成を模式的に示す図である。
【図２】 本発明の通信モジュールの構成を示す機能ブロック図である。
【図３】 図２の通信モジュールと車両のデバイスとから構成される通信装置の構成例を示す図である。
【図４】 中古車の価格査定の処理動作を示すフローチャートである。
【図５】 中古車登録の処理動作を示すフローチャートである。
【図６】 中古車の売買仲介の処理動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
１０…車載通信モジュール、１０Ａ…車両、１１…回路、１２…音声コーデック回路、１３…チャネルコーデック回路、１４…外部インタフェース回路、１８…バス、２０…ネットワークコントローラ、２１…表示器、２２…スイッチ類、２３…アンテナ、２４…ハンズフリー部、２４ａ…マイク、２４ｂ…スピーカ、３０…車両制御システム、３１…車両制御部、３２…各種センサー、３３…スイッチ類、３４…表示器、３５…モータ、４０…移動通信網、４２…基地局（ＢＳ）、５０…インターネット、５１…ウエッブサーバ、５２…車両価格データベース、５３…中古車データベース、５４…クライアント

Claims (1)

1. 車載通信モジュールを搭載した車両の売買を仲介する中古車の売買仲介システムであって、
   移動通信網を介してインターネットに接続される前記車載通信モジュールからなる移動端末と、
   中古車の下取り価格のデータベースおよび中古車のデータベースを備えて前記インターネットに接続されるウエッブサーバと、
   前記インターネットに接続可能なクライアントとからなり、
   前記クライアントが希望する車両情報を入力すると、前記ウエッブサーバでは最新の車両情報が格納されている中古車データベースから入力情報に合致する中古車を検索して当該車両情報が前記クライアントに通知されるとともに、該中古車の検索結果に基づく当該クライアントからの該中古車の購入希望がある旨の情報が前記車載通信モジュールに送信され、
   前記車載通信モジュールでは前記購入希望の通知に基づいて当該車載通信モジュールに接続された売買申し込みの送信スイッチが操作されることにより売買の申し込みが送信され、
   前記ウエッブサーバでは前記売買の申し込みに基づいて前記車載通信モジュールに車両の状態を診断するための診断信号が送信され、
   前記車載通信モジュールでは前記診断信号に基づいて当該車載通信モジュール内のメモリに記憶されている車検情報と、逐次更新されるように記憶されている走行距離情報およびメンテナンス情報とを含む最新の車両情報が前記ウエッブサーバに送信され、
   前記ウエッブサーバが前記車載通信モジュールから送信された前記車両情報からなる診断結果を受信すると、当該ウエッブサーバでは購入希望の前記クライアントに当該診断結果が送信されて前記クライアントのモニター画面にその最新の車両情報が表示されるようになされていることを特徴とする中古車の売買仲介システム。

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