JP4080752B2 - 伸縮継手 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高温低圧の流体が流れる大口径の配管、例えばガスタービンの排気管における伸縮継手に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガスタービンの排気管のように大口径の配管では、高温低圧(約600〜650℃、3.0kpa)の流体が流れるため、温度変化によって配管が伸縮する。このような熱膨張に対応するために、ベロータイプの伸縮継手を使用していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
高温の環境下においては、配管全体の伸び量が非常に大きくなる。ところが、ベロータイプの伸縮継手では変位吸収量が小さいので、伸縮継手の使用箇所が多くなってしまう。
【0004】
そのため、サポートやスライドガイドの使用数が多くなり、その取り付け作業が増える。また、伸縮継手を接続するためのフランジが多くなり、ダイヤインチ(接続口径量)が増大して、溶接量も増える。このように、ベロータイプの伸縮継手では、配管工事費が高くなるだけでなく、メンテナンスにおいても点検箇所が増えるので、さらにコストがかかってしまう。
【0005】
ここで、伸縮量の多い伸縮継手としては、例えば特許第2743485号公報に記載されているようなスライドタイプのものがある。これを使用すると、変位吸収量が大きいので、使用箇所を減らすことができる。
【0006】
スライドタイプの伸縮継手を大口径の配管に適用する場合、大径管と外管とのシール用隙間を確保しなければならない。そのため、上記公報の伸縮継手では、間隔保持用ウエッジを大径管と外管との間に差し込むことにより、隙間を確保して、大径管ががたつかないように拘束している。
【0007】
高温の環境下で上記の伸縮継手を使用するとき、熱膨張により管の軸方向に伸びるだけでなく、周方向にも伸びる。しかし、大径管はウエッジにより拘束されているので、外周の一部が変形するおそれがあり、シール部材との間に隙間が生じることがある。また、振動等によって大径管が半径方向にぶれると、ウエッジの拘束により大径管に応力がかかり、変形、割れ等の損傷が生じるおそれがある。
【0008】
本発明は、上記に鑑み、配管における使用箇所を低減できるように、伸縮量を増大させることができるとともに、半径方向のぶれにも対応可能な構造の伸縮継手の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明による課題解決手段は、第1管および第2管が同軸的に配され、該第2管の端部が前記第1管より大径とされて、第1管が第2管に挿入され、前記第1管と第2管との間にシール部材が介装されて、前記第1管が第2管に対して軸方向に移動可能とされ、前記第1管の端縁に、湾曲面を有する抜け止め用のストップ部材が設けられ、該ストップ部材と前記第2管の端部との間に、半径方向へのぶれを許容する隙間が形成されたものである。
【0010】
具体的には、第1管よりも流れ方向下流側にある第2管の上流側端部に、外管が取り付けられ、第1管が外管に挿入され、第1管の外面と外管の内面との間にシール部材が介装される。これにより、第1管が外管に対して軸方向に移動可能とされる。すなわち、外管は、第2管の一部とみなせる。
【0011】
そして、第1管の下流側端縁に、ストップ部材が設けられ、外管との間に隙間を有する。この隙間は第1管と外管との隙間より小とされる。これにより、熱膨張あるいは振動等によって第1管が半径方向にぶれるようなことが生じても、ストップ部材が外管に接触するまで第1管は移動することができる。第1管は、拘束されていないので移動することにより、他の部材に無理な力がかかることはなく、他の部材を損傷させない。
【0012】
このストップ部材は、湾曲面を有するように、例えば断面円形に形成される。ストップ部材と外管とは点接触あるいは線接触となり、外管を傷付けることはない。ここで、ストップ部材は断面円筒状のリングとすれば、第1管の端縁に容易に取り付けることができる。あるいは、第1管の端部を曲げて、ストップ部材を一体化したものであっても差し支えない。
【0013】
なお、ストップ部材は上流側の管に設けるのがよく、下流側の管に設ける場合に比べて流れの抵抗となりにくい。また、ストップ部材は、外面側に大きくはみ出し、内面側にはみ出さないように第1管の端縁に設けるとよい。これによっても、流体の流れを妨げにくくできる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態の伸縮継手は、高温低圧の流体経路、例えばガスタービンの排気管に使用されるものである。この大口径の配管には、約600〜650℃、3.0kpaの排気ガスが流れる。そのため、伸縮継手は、図1、2に示すように、大きな熱膨張に対応可能なようにスライドタイプとされ、同軸的に配された第1管1、第2管2および外管3の3つの鋼管から構成される。各管1、2、3にはフランジ4、5、6が溶接により取り付けられ、流れ方向上流側に第1管1、下流側に第2管2が位置して、それぞれ他の管にフランジ接続される。
【0015】
外管3は、両管1、2より大径とされ、第2管2の上流側端部にリング状のスペーサ7を介して密閉状態に取り付けられ、第1管1が外管3に挿入されている。これにより、第1管1と第2管2とは軸方向(流れ方向)に相対的に移動自在とされ、伸縮可能なようになっている。
【0016】
第1管1の外面と外管3の内面との間には、所定の隙間があり、シール部材8が介装される。シール部材8には、耐熱性、断熱性、柔軟性を有するセラミック繊維、カーボン繊維等のロープ状のグランドパッキンが用いられ、何層にも巻き付けられている。外管3の内面に、第1管1に対向するようにリング状のシールストッパ9が溶接により取り付けられ、外管3のフランジ6に、シール部材8を締め付けるためのパッキン押さえ10が外周の複数箇所においてボルトにより取り付けられている。パッキン押さえ10により、隙間の外側からシール部材8がシールストッパ9に押し付けられる。
【0017】
そして、第1管1の下流側端縁1aの全周にわたって、抜け止め用のストップ部材11が設けられている。ストップ部材11は、円筒状のパイプをリングにしたものであり、第1管1の内面側にあまり突出しないように外面側に寄せて、第1管1の端縁1aに溶接により取り付けられる。ストップ部材11は、第1管1の内面側への突出量が小さいので、流体の流れを乱すことはない。
【0018】
ストップ部材11は、外管3との間に隙間Aを有している。この隙間Aは、第1管1と外管3との隙間よりも小であり、またシールストッパ9と第1管1との隙間Bより小とされる。これにより、第1管1が熱膨張、振動等によってぶれて、半径方向に移動したとき、ストップ部材11が外管3に接触するが、シールストッパ9に接触することはない。しかも、ストップ部材11の外周面が湾曲しているので、ストップ部材11が外管3に接触して、その内面に沿って摺動しても、外管3を傷付けることはない。
【0019】
ここで、隙間Aが隙間Bより大であると、第1管1は先にシールストッパ9に接触してしまい、第1管1が摺動したときシールストッパ9に負荷がかかって、シールストッパ9が外れるおそれがある。そのため、上記のような構造とすることにより、シール部材8がずれることなく、シール性能を維持することができる。
【0020】
なお、図中、12は第1管1および第2管2が移動し過ぎないように規制するガイド部材であり、伸びたときに第1管1のストップ部材1がシールストッパ9に接触することを防止する。
【0021】
上記の伸縮継手を組み立てるときには、外管3に対してストップ部材11が取り付けられた第1管1を挿入しておいてから、第1管1のフランジ4を取り付けたり、外管3を第2管2に取り付けるようにする。
【0022】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正および変更を加え得ることは勿論である。上記実施形態では、外管と第2管とを別体にしているが、両者を一体化してもよい。すなわち、第1管を挿入可能なように、第2管の端部を拡径した形状とする。
【0023】
また、ストップ部材として、リング状に形成した1つの部材とする代わりに、球体にして、複数個を等間隔に第1管の端縁に取り付けてもよい。別部材とする代わりに、第1管の端部を半円状あるいは円状に曲げ加工したものでもよい。
【0024】
【発明の効果】
以上の説明から明らかな通り、本発明によると、1つの伸縮継手の伸縮量が大きくなるので、配管における伸縮継手の使用箇所を少なくすることができる。これに伴って、サポートやスプリングハンガ等の使用数が減り、取り付け作業および作業時間を低減でき、大幅なコストダウンを図れる。
【0025】
また、外管に対して第1管は拘束されていないので、熱膨張、振動等によって生じる半径方向のぶれに対して、その移動を許容でき、第1管は他の部材を損傷することなく伸縮することができる。そのため、熱膨張が大きくなる高温の流体が流れる配管に適した伸縮継手を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の伸縮継手の一部破断側面図
【図2】 伸縮継手の要部拡大断面図
【符号の説明】
1 第1管
2 第2管
3 外管
8 シール部材
9 シールストッパ
10 パッキン押さえ
11 ストップ部材

Claims (3)

  1. 第1管および第2管が同軸的に配され、該第2管の端部が前記第1管より大径とされて、第1管が第2管に挿入され、前記第1管と第2管との間にシール部材が介装されて、前記第1管が第2管に対して軸方向に移動可能とされ、前記第1管の端縁に、湾曲面を有する抜け止め用のストップ部材が設けられ、該ストップ部材と前記第2管の端部との間に、半径方向へのぶれを許容する隙間が形成され、該隙間は、前記第1管の半径方向へのぶれに対して、前記ストップ部材が前記第1管よりも先に前記第2管に接触するように設定されたことを特徴とする伸縮継手。
  2. 第2管に、シール部材が押し付けられるシールストッパが第1管に対向するように取り付けられ、前記ストップ部材と前記第2管との隙間が前記シールストッパと前記第1管との隙間より小とされたことを特徴とする請求項1記載の伸縮継手。
  3. ストップ部材は、円筒状のリングとされ、第1管の端縁に外面寄りに取り付けられたことを特徴とする請求項1または2記載の伸縮継手。
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