JP4080072B2 - 塗装方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車車体や自動車部品の中塗り工程または上塗り工程等々に用いて好ましい塗装方法に関し、特に被塗物に付着したダスト(塵埃)の除去に優れた塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車車体の塗装ラインでは、塗装台車に搭載された自動車車体がフロアコンベアによって塗装ブース内へ搬送され、ブース内に設置された塗装ロボットなどの自動化塗装機を用いて上塗り塗料や中塗り塗料が塗布される。このとき、ダストが付着したまま車体を塗装すると「ゴミブツ」と呼ばれる塗装欠陥になることから、塗装ゾーンの前にダスト除去ゾーンを設け、ここにワイピング装置やエアーブロー装置を設置することで、ボディに付着したダストを除去するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、静電気が帯電した被塗物にはダストが付着し易く、また一旦被塗物に静電気が帯電するとエアーブロー装置などを用いてもダストを除去し難いという問題があった。
【0004】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、被塗物に付着したダストの除去性能に優れた塗装方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の塗装方法は、被塗物を高湿環境に晒したのちダストを除去し、その後に塗装を行う塗装方法であって、前記高湿環境における湿度の上限が、前記高湿環境における温度及び前記塗装時の温度の関係に基づいて制御されることを特徴とする。
被塗物を高湿環境に晒すことで被塗物の静電気の帯電量を減少させることができ、これにより、被塗物へ付着したダストは除去され、また浮遊するダストが被塗物に付着することが防止される。また、加湿ゾーンにて加湿された被塗物が塗装ゾーンへ搬入される際に、当該塗装ゾーンの温度が低すぎると被塗物に結露が生じるおそれがあるが、本発明では、塗装ゾーンの温度に対する飽和水蒸気量に応じて加湿ゾーンにおける相対湿度の上限を制限するので、塗装ゾーンにて結露が生じるのを防止することができる。
【0020】
本発明の塗装方法は、中塗り塗装工程、上塗り塗装工程の他、ダストが問題とされる塗装工程の全てに適用することができる。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、被塗物へ付着したダストは除去され、また浮遊するダストが被塗物に付着することが防止されるので、ゴミブツなどの塗装欠陥の発生率が低下し、塗装品質が向上する。
【0022】
これに加えて、本発明によれば、さらにダストの除去率およびダストの付着防止率が高まり、ゴミブツ不具合がさらに減少することになる。
【0024】
また本発明によれば、上述した効果を奏する加湿ゾーンの湿度管理を自動コントロールすることができ、品質の維持率の向上と管理工数の削減が期待できる。
【0025】
さらに本発明によれば、塗装ブース搬入時に生じるおそれがある被塗物の結露を未然に防止することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の塗装ブースの実施形態を示す平面図、図2は図1に示す塗装ブースの要部側面図、図3は相対湿度とダスト量との関係を示すグラフである。
【0027】
まず本実施形態の塗装ブース1は、その床面にフロアコンベアCが敷設されており、図2に示すように被塗物である自動車車体Bは塗装台車B1に搭載された状態で塗装ブース1内を搬送される。図1および図2において左側が塗装ブース1の入口であり、図示は省略するが右側のセッティングゾーン1Eに連続して塗装乾燥炉が設けられている。
【0028】
この塗装ブース1は、たとえば上塗り塗装工程に用いられる塗装ブースであって、入口側から加湿ゾーン1A、ダスト除去ゾーン1B、塗装ゾーン1C、バックアップゾーン1Dおよびセッティングゾーン1Eとしてそれぞれ設定されている。
【0029】
ダスト除去ゾーン1Bは、上塗り塗装の前準備をするための工程であり、本実施形態では、車体Bに付着したダストを除去するために、ワイピング装置16とエアーブロー装置17とが設けられ、これにより車体外板Bの清浄化が図られる。ワイピング装置16は、ブラシ状とされたワイパーが回転駆動するように配置され、車体Bの水平面と垂直面とをそれぞれワイピングする。また、エアーブロー装置17は、エアー源からの圧縮エアーをノズルから車体Bに吹き付けることで、車体Bに付着したダストを吹き飛ばす。なお、このダスト除去ゾーンでは、塗装ロボット18に対する各車体Bの塗装仕様のデータ入力などが実施されることもある。
【0030】
塗装ゾーン1Cは、塗装ロボット4では塗布し難い部位、たとえばドアの内板部やエンジンルーム内などを作業者Hが手吹き塗装する手吹きゾーンと、複数基設けられた塗装ロボット18を用いて各車体Bに塗料を塗布する自動塗装ゾーンとから構成され、各塗装ロボット18は各車体Bの塗装仕様に応じた教示軌跡にて動作することで上塗り塗料が適宜塗布される。
【0031】
バックアップゾーン1Dは、定期的な塗装品質のチェック工程、塗装ロボット18の故障時の手吹き塗装工程、あるいは特殊仕様の車体Bに対する手吹き塗装工程の補助ゾーンとして用いられる。ただし、稼働時間の大半は使用されないゾーンである。
【0032】
塗装ブース1と図外の塗装乾燥炉との間に位置するセッティングゾーン1Eは、塗装ゾーン1Cで塗布されたウェット塗膜の状態を調整する工程であり、通常ウェット塗膜中に含まれる溶剤の一部を蒸発させ、所定品質の乾燥塗膜を得るためのゾーンである。ただし、ウェット塗膜が形成された車体Bを一定時間だけ単に通過させるゾーンであり、何ら特別な処理は行われない。
【0033】
特に本実施形態の塗装ブース1では、入口に加湿ゾーン1Aが設けられている。この加湿ゾーン1Aは、室内が高湿度に維持された部屋であって、湿度の上限値を調節する(湿度を下げる)場合以外は、通常強制的な換気は行わず自然換気とする。
【0034】
加湿ゾーン1Aを所定の高湿環境に維持するために、本実施形態では、微粒化された純水を室内へ噴霧する加湿器11と、この加湿器11に純水を供給する純水配管12と、純水の供給および停止を行う電磁弁13と、加湿ゾーン1Aの湿度を検出する湿度センサ14と、この湿度センサ14にて検出された実際の湿度が予め決められた基準湿度範囲内に入るように電磁弁13に開閉指令信号を出力するコントローラ15とが設けられている。
【0035】
この加湿器11は、純水配管12から供給された純水を微粒化してノズルから噴霧するタイプのもので、これ以外にも超音波振動により純水を微粒化する加湿器等々を用いることもできる。また、図2に示す例では、加湿ゾーン1Aに2機の加湿器11を設けているが、これは加湿ゾーン1Aの容積と加湿器11の加湿能力とを勘案して設定すればよい。
【0036】
本実施形態では、加湿ゾーン1Aの室内は、相対湿度が65%以上、より好ましくは80%以上とする。このため、コントローラ15にこの基準湿度範囲(相対湿度が65%以上)を予め入力しておき、湿度センサ14で検出された加湿ゾーン1Aの実際の相対湿度が65%未満であれば、コントローラ15から電磁弁13に指令信号を出力し、当該電磁弁13を開いて加湿器11に純水を供給し、加湿ゾーン1Aの湿度を高める。また、湿度センサ14にて検出された加湿ゾーン1Aの実際の湿度が65%以上である場合は、たとえばコントローラ15から電磁弁13へ指令信号を出力し、当該電磁弁13を閉じ、加湿器11への純水の供給を停止する。これにより、加湿ゾーン11の湿度はそれ以上増加しないことになる。
【0037】
次に作用を説明する。
まず、加湿器11を作動して加湿ゾーン1Aの相対湿度が65%以上となるように、コントローラ15から電磁弁13へ指令信号を出力して当該電磁弁13を開き加湿器11へ純水を供給する。これにより、加湿ゾーン1Aの室内に加湿器11から微粒化された水が噴霧され、湿度が徐々に上昇することになる。
【0038】
相対湿度と車体Bに付着するダスト量との関係を調べてみると図3に示すような結果となった。すなわち、一般的な塗装工場内の相対湿度である40%前後では約90個/100リットル存在したダストは、相対湿度を65%まで上げると約半分のダスト量となり、さらに相対湿度を80%まで上げると、相対湿度40%に比べて4分の1以下まで減少する。これは、車体Bへのダストの付着の主な原因は車体Bが帯電した静電気によるものであると考えられ、静電気は湿度の上昇とともにその帯電量が減少するため、ダストの付着力も減少することが原因であると考えられる。
【0039】
加湿ゾーン1Aの相対湿度が65%以上になると、塗装台車B1に搭載された車体BをフロアコンベアCで搬送し、加湿ゾーン1A内を通過させる。これにより、車体Bに帯電した静電気量が減少することになる。こうして静電気の帯電量が減少した車体Bは、次のダスト除去ゾーン1Bに搬送され、ワイピング装置16およびエアーブロー装置17にて車体Bに付着したダストが強制的に払拭および吹き飛ばされる。
【0040】
本実施形態では、ダスト除去ゾーン1Bに到達した際に、車体Bの静電気の帯電量は充分に減少しているので、ワイピングおよびエアーブローによってダストを効率よく除去することができる。これにより、次の塗装ゾーン1Cでは、ダストがきわめて少ない清浄な車体Bに塗料が塗布されることになるので、いわゆるゴミブツなどの塗装欠陥の発生率が減少し、塗装品質が向上する。
【0041】
ちなみに、塗装ゾーン1Cの温調は、一般的には、冬季において温度20℃前後、湿度70%前後に制御され、夏期において温度30℃以下、湿度70%〜80%に制御されるが、本実施形態の加湿ゾーン1Aの温度は室温(成り行き)で良い。ただし、加湿ゾーン1Aをあまりに高湿環境とし、塗装ゾーン1Cの温度が低すぎると車体Bに結露が生じるおそれがあるので、加湿ゾーン1Aにおける湿度の上限値は、塗装ゾーンの温度を考慮しつつ結露しない範囲で設定および制御することが望ましい。
【0042】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0043】
上述した実施形態では、本発明の塗装ブースおよび塗装方法を上塗りブースおよび上塗り塗装方法に適用した例を示したが、本発明はこれ以外にもたとえば中塗りブースや中塗り塗装方法その他の塗装ブースや塗装方法にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塗装ブースの実施形態を示す平面図である。
【図2】図1に示す塗装ブースの要部側面図である。
【図3】相対湿度とダスト量との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1…塗装ブース
1A…加湿ゾーン
11…加湿器(加湿手段)
12…純水配管
13…電磁弁
14…湿度センサ
15…コントローラ(制御手段)
1B…ダスト除去ゾーン
16…ワイピング装置
17…エアーブロー装置
1C…塗装ゾーン
18…塗装ロボット
1D…バックアップゾーン
1E…セッティングゾーン
B…車体(被塗物)
C…フロアコンベア
Claims (1)
- 加湿ゾーン、ダスト除去ゾーン、及び、塗装ゾーンを含む塗装ブース内を搬送しながら自動車車体に塗装を行う塗装方法において、
前記自動車車体を前記加湿ゾーンで高湿環境に晒したのち、前記ダスト除去ゾーンでダストを除去し、その後に前記塗装ゾーンで塗装を行う塗装方法であって、
前記加湿ゾーンの相対湿度の上限が、前記加湿ゾーンの温度及び前記塗装ゾーンの温度に基づいて制御されることを特徴とする塗装方法。
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1998
- 1998-09-22 JP JP26788198A patent/JP4080072B2/ja not_active Expired - Fee Related
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