JP4080052B2 - 帯電防止剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハンドリング性の改良された帯電防止剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
陰イオン界面活性剤の中で、特にアルカンスルホン酸ナトリウムは熱可塑性樹脂、特にポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート等のガラス転移点が高い硬質樹脂の帯電防止剤として広く応用されている。しかし、アルカンスルホン酸ナトリウムは、その結晶性が弱いことに起因して柔らかく、また吸湿が早いためそれを含有する帯電防止剤組成物は極めて悪いハンドリング性を有し、粉末フィーダなど自動計量器詰まりあるいは混合樹脂ペレットの融着などそれに起因する問題が多く発生している。
【0003】
そこで、アルカンスルホン酸ナトリウムに由来するハンドリング性を改善するためにさまざまな改善が試みられてきた。
例えば、ロートフォーマー設備等でアルカンスルホン酸ナトリウムを含有する帯電防止剤組成物を半球状に加工した場合、ハンドリング性に改善が見られるものの、吸湿性は依然高いため経時と共に軟化し融着トラブルが発生し好ましくない。
また融着トラブルを防ぐために多量の微粉末、例えばステアリン酸カルシウム等の金属石鹸類やシリカ粉末を混合することによってハンドリング性を向上させているものも見られるが、やはり吸湿性の改善効果が認められないばかりか、粉塵飛散が多くなり、作業環境を悪くしてしまう。
【0004】
従って、本発明の課題はこの樹脂工業分野で広く使われている陰イオン界面活性剤、特にアルカンスルホン酸ナトリウムを含有する帯電防止剤組成物のハンドリング性の改善を行い、融着やフィーダ詰まりなどさまざまなトラブルを解決することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはかかるトラブルを防ぐ目的で、陰イオン界面活性剤に脂肪族高級アルコールを配合することにより帯電防止剤組成物が硬い固体となり、かつ吸湿性も低減できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち本発明は、(a) 陰イオン界面活性剤と、(b) 脂肪族高級アルコールとを含有し、(a) 成分と(b) 成分との配合割合が重量比で(a)/(b)=80/20〜50/50である帯電防止剤組成物を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の(a) 成分である陰イオン界面活性剤の具体例としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、長鎖脂肪酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩等が挙げられるが、耐熱性の観点から下記一般式(I)で表されるアルカンスルホン酸塩が好ましい。
【0007】
R1-SO3M (I)
(式中、R1は炭素数10〜18のアルキル基を示し、M はアルカリ金属を示す。)
一般式(I)で表されるアルカンスルホン酸塩中、R1及びM は上記の基を示すが、R1としては炭素数10〜16のアルキル基が好ましく、M としてはナトリウムが好ましい。
【0008】
本発明の(b) 成分である脂肪族高級アルコールは、高融点の観点から下記一般式(II)で表されるものが好ましい。
【0009】
R2-OH (II)
(式中、R2は炭素数16〜36のアルキル基を示す。)
一般式(II)で表される脂肪族高級アルコール中、R2は上記の基を示すが、炭素数18〜22のアルキル基が好ましい。
【0010】
一般式(II)で表される脂肪族高級アルコールの具体例としては、1−ヘキサデカノール、1−オクタデカノール、1−イコサノール、1−ドコサノール、1−テトラコサノール、1−オクタコサノール、1−ドトリアコンタノール、1−ヘキサトリアコンタノール、2−テトラデシル−テトラデカン−1−オール、2−ヘキサデシル−ヘキサデカン−1−オール、2−オクタデシル−オクタデカン−1−オール等が挙げられ、1−オクタデカノール、1−イコサノール、1−ドコサノールが好ましい。
脂肪族高級アルコールのアルキル分布は、高融点の観点から、シャープであることが好ましい。
【0011】
本発明の組成物中の(a) 成分と(b) 成分の配合割合は重量比で (a)/(b) =80/20〜50/50、好ましくは70/30〜60/40である。 (a)/(b) が80/20を越えると、得られる帯電防止剤組成物が柔らかくなり改良効果が認められず、50/50未満であると帯電防止効果が低下する。
さらに本発明の組成物中の(a) 成分の含有量が80〜50重量%、(b) 成分の含有量が20〜50重量%であることが、十分な帯電防止効果を示し、ハンドリング性の改善の点から好ましい。
【0012】
本発明の組成物は、(a) 成分と(b) 成分とを配合し、加熱溶解させた後、ロートフォーマ造粒、噴霧冷却、粉砕などを行うことによって使用に供することができるもので、特に造粒設備を限定するものではない。
【0013】
本発明の組成物には更に吸湿性を低下させる目的で表面コート剤を配合することができる。表面コート剤としては、流動パラフィン、鉱物油、エチレン−αオレフィンコオリゴマーなどの炭化水素系合成油、ジオクチルフタレートなどの可塑剤類、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどの液状非イオン界面活性剤等が挙げられる。
本発明の組成物にはさらに酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、顔料、帯電防止剤、造核剤などの添加剤を配合することができる。
【0014】
本発明の組成物は各種の樹脂に配合してその帯電性を防止することができるが、本発明の組成物を配合できる樹脂としては熱可塑性樹脂が挙げられ、特にハイインパクトポリスチレン(HI−PS)及びゼネラルパーパスポリスチレン(GP−PS)等のポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート並びにポリカーボネート等のガラス転移点が高い硬質樹脂が好ましい。
【0015】
【実施例】
以下、実施例を示すが、例中の部及び%は特記しない限り重量基準である。
【0016】
実施例1〜3及び比較例1〜5
表1に示す各配合成分を100 Lの配合釜に仕込み、130 ℃に加熱し、液化したのち約1時間混合の後、ロートフォーマ造粒設備で3〜4mmφの粒径に造粒し、造粒物を得た。この造粒物について下記方法で各種評価を行なった。結果を表1に示す。
【0017】
<評価方法>
(1) 硬度
造粒物を手で押し、その硬度とべたつきについて下記基準で評価した。
○:硬い、べたつきなし
△:やや柔らかい、べたつきあり
×:柔らかい、べたつきあり
(2) ブロッキング性
造粒物を、内寸10cm×10cmの箱に5cmの高さで入れ、10kgの荷重を乗せて、 25℃にて72時間放置後に状態を観察した。
【0018】
○:軽い力でほぐれる
△:力を入れるとほぐれる
×:融着強く、ほぐれない。ブロッキング状態
(3) 吸湿性
造粒物を25℃、60%RH中に24時間放置し、放置後の水分をKF法にて測定した。
【0019】
(4) 帯電防止効果
HI−PS 100部に対し、造粒物を1.5 部ブレンドし、220 ℃にした二軸押出機によりペレットに加工し、その後240 ℃の射出成形機にてテストピースを作成した。テストピースは、25℃×50%RH中に放置し、成形1日後にYHP社のハイレジスタンスメータにて表面固有抵抗値を測定した。
【0020】
【表1】
【0021】
注)
*1:メルソラートH-95(バイエルAG社製商品名)(アルキル基の炭素数10〜18)
*2:b-1:ステアリルアルコール
b-2:カルコール220-80(花王(株)製商品名)(アルキル基の炭素数18〜22)
b-3:オイタノールG32N(ヘンケル白水(株)製)(アルキル基の炭素数32)
【0022】
【発明の効果】
本発明の帯電防止剤組成物によれば、吸湿による軟化融着トラブルがなく、作業性が改善され、微粉末による環境汚染問題もない。
Claims (2)
- (a) 下記一般式(I)で表されるアルカンスルホン酸塩から選ばれる陰イオン界面活性剤と、(b) 下記一般式( II )で表される化合物から選ばれる脂肪族高級アルコールとを含有し、(a) 成分と(b) 成分との配合割合が重量比で(a)/(b)=80/20〜50/50である帯電防止剤組成物。
R 1 -SO 3 M (I)
(式中、 R 1 は炭素数 10 〜 18 のアルキル基を示し、 M はアルカリ金属を示す。)
R 2 -OH ( II )
(式中、 R 2 は炭素数 16 〜 36 のアルキル基を示す。) - (a) 成分の含有量が80〜50重量%、(b) 成分の含有量が20〜50重量%である請求項1記載の帯電防止剤組成物。
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