JP4079398B2 - プローブの位置決め及びトラッキング機構とその方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プローブの位置決め及びトラッキング機構、及びプローブの位置決め及びトラッキング方法に関し、特に、SPM(走査型プローブ顕微鏡)の原理を用いた高密度・大容量メモリ装置における、プローブの位置決め及びトラッキングの技術分野に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、導体の電子構造を直接観察できる走査型トンネル顕微鏡(以後、STMと略す)が開発され[G.Binnig et al.Phys.Rev.Lett,49,57(1982)]、単結晶、多結晶を問わず実空間像の高い分解能の測定ができるようになった。
以来、先端の尖ったプローブを走査することにより様々な情報を得る走査型プローブ顕微鏡(SPM)や、さらに基板に電気的、化学的あるいは物理的作用を及ぼす事を目的としたSPMを応用した微細加工技術の研究開発が行われている。さらに、このようなSPM技術はメモリ技術にも応用されつつある。例えば、特開昭63−161552号公報、特開昭63−161553号公報等には、記録層として電圧電流のスイッチング特性に対してメモリ効果を持つ材料、例えばπ電子径有機化合物やカルコゲン化合物類の薄膜層を用いて、記録・再生をSPMで行う方法が開示されている。この方法を用いて記録のビットサイズを直径10nmとすれば、1012bit/cm2の記録密度を持つ情報処理装置が実現できる。
【0003】
さて、一般に媒体上に記録された情報を読み出す場合には、媒体上の情報列に沿って情報読み出し用のプローブを相対移動させる必要がある。そのためには、何らかの方法で情報列の位置を知り、その位置にプローブを移動させることが必要となる。
まず、情報列の位置を検出する方法として媒体上に物理的なトラックを形成し、そのトラックにプローブを沿わせる方法が知られている。
特開平1−107341号公報には記録媒体表面にトラックとしてV字型の溝を形成し、プローブ電極が常にこの溝の中央に位置するように制御する方法が開示されている。
また特開平1−133239号公報には記録媒体の下にトラックを導電体層で形成して、トラックにトラッキング信号を印加し、プローブから検出されるトラッキング信号に基づいてフィードバック制御を行う方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平1−107341号公報や特開平1−133239号公報に開示されているような媒体上に物理トラックを作成する方法は、物理トラックを設ける工程が必要になり記録媒体の作成工程が複雑になることや、物理的な加工を行うために、記録媒体や、その基板の材質に対する制限等の点で問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記従来のものにおける課題を解決し、記録媒体に物理的な加工を行うことなく、数〜数十nmオーダーで、記録再生と共通の原理、機構を用いて、再現性の高い位置制御が可能な記録再生装置におけるプローブの位置決め及びトラッキング機構とその方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を達成するため、記録再生装置におけるプローブの位置決め及びトラッキング機構とその方法を、つぎのように構成したことを特徴とするものである。
すなわち、本発明のプローブの位置決め及びトラッキング機構は、記録媒体に対してプローブで相対走査して該記録媒体上に情報を記録し、または該記録媒体から情報を再生する記録再生装置におけるプローブの位置決め及びトラッキング機構であって、
前記記録媒体に対して相対動作し、複数本の位置検出プローブを備えた位置検出プローブアレイと、
前記位置検出プローブアレイと前記記録媒体との前記記録媒体表面に平行な面内における相対角度を変化させることにより、前記複数本の位置検出プローブに対応する前記記録媒体上に形成された位置決めマーカー群を構成する複数の位置決めマーカーあるいはトラッキングマーカー群を構成する複数のトラッキングマーカーの間隔に対する、該複数本の位置検出プローブの見かけの間隔を変化させる角度制御手段と、
前記複数の位置決めマーカー上における前記見かけの間隔の変化したプローブの位置に応じた制御信号を出力する制御信号出力手段と、
前記制御信号に基づいて前記記録媒体と前記位置検出プローブアレイの相対位置を制御する制御手段と、
を有し、プローブの位置決め及びトラッキングを行うことを特徴としている。また、本発明のプローブの位置決め及びトラッキング機構は、前記位置決めマーカー群あるいはトラッキングマーカー群が、記録ビットによって作成されるように構成されていることを特徴としている。
また、本発明のプローブの位置決め及びトラッキング機構は、前記複数の位置決めマーカーあるいは前記複数のトラッキングマーカーが、互いに平行な線状の形状に作成されるように構成されていることを特徴としている。
また、本発明のプローブの位置決め及びトラッキング機構は、前記複数の位置決めマーカーあるいは前記複数のトラッキングマーカーの線状の形状を、記録ビットを連続的に並べて作成することを特徴としている。
また、本発明のプローブの位置決め及びトラッキング機構は、前記複数の位置決めマーカーあるいは前記複数のトラッキングマーカーが、互いに平行な線内において、断続的な形状に作成されるように構成されていることを特徴としている。また、本発明のプローブの位置決め及びトラッキング機構は、前記複数の位置決めマーカーあるいは前記複数のトラッキングマーカーの断続的な形状を、前記記録ビットを断続的に並べて作成することを特徴としている。
また、本発明のプローブの位置決め及びトラッキング機構は、前記位置決めマーカー群あるいはトラッキングマーカー群が、前記位置検出プローブアレイによって作成されるように構成されていることを特徴としている。
また、本発明のプローブの位置決め及びトラッキング機構は、前記位置決めマーカー群あるいはトラッキングマーカー群を、複数組作成するように構成されていることを特徴としている。
また、本発明のプローブの位置決め及びトラッキング機構は、前記位置決めマーカー群と前記トラッキングマーカー群とを兼ねるマーカー群を作成するように構成されていることを特徴としている。
また、本発明のプローブの位置決め及びトラッキング機構は、前記位置決めマーカー群とトラッキングマーカー群を別々に作成するように構成されていることを特徴としている。
また、本発明のプローブの位置決め及びトラッキング機構は、1つの位置決めマーカー群を構成する位置決めマーカーの数を、1つのトラッキングマーカー群を構成するトラッキングマーカーの個数より多く作成するように構成されていることを特徴としている。
また、本発明のプローブの位置決め及びトラッキング機構は、前記位置検出プローブアレイが第1のプローブアレイと第2のプローブアレイとによる複数のプローブアレイで構成 され、これら第1のプローブアレイと第2のプローブアレイを直交する向きに配置し、直交する向きに配置された複数の位置決めマーカー群を作成するように構成されていることを特徴としている。
また、本発明のプローブの位置決め及びトラッキング機構は、前記制御信号出力手段が、前記位置検出プローブアレイの各位置検出プローブからの出力を比較し、比較結果に応じた符合と絶対値を持つ信号を出力する比較演算手段であることを特徴としている。
また、本発明のプローブの位置決め及びトラッキング機構は、制御信号出力手段が、前記複数本の位置検出プローブからの出力を検出し、該出力の有無に応じた信号を出力する信号検出手段と、
前記信号検出手段の出力を、前記位置検出プローブの位置決め目標からの位置に応じて演算する演算手段とを有することを特徴としている。
また、本発明のプローブの位置決め及びトラッキング機構は、前記演算手段が、前記信号検出手段からの出力信号に対して、前記位置検出プローブの位置決め目標からの位置に応じた符号をつけて、加算することを特徴としている。
また、本発明のプローブの位置決め及びトラッキング機構は、前記演算手段が、前記信号検出手段からの出力信号に対して、前記位置検出プローブの位置決め目標からの位置に応じた係数をかけた上で、加算することを特徴としている。
【0007】
また、本発明のプローブの位置決め及びトラッキング方法は、記録媒体に対してプローブで相対走査して該記録媒体上に情報を記録し、または該記録媒体から情報を再生する記録再生装置におけるプローブの位置決め及びトラッキング方法であって、
前記記録媒体と相対動作し、複数本の位置検出プローブを備えた位置検出プローブアレイを有し、
前記位置検出プローブアレイと前記記録媒体との前記記録媒体表面に平行な面内における相対角度を変化させることにより、前記複数本の位置検出プローブに対応する前記記録媒体上に形成された位置決めマーカー群を構成する複数の位置決めマーカーあるいはトラッキングマーカー群を構成する複数のトラッキングマーカーの間隔に対する、前記複数本の位置検出プローブの見かけの間隔を変化させ、
前記複数の位置決めマーカー上における該見かけの間隔の変化したプローブの位置に応じた制御信号を出力し、該制御信号に基づいて前記記録媒体と前記位置検出プローブアレイの相対位置を制御して、プローブの位置決め及びトラッキングを行うことを特徴としている。
また、本発明のプローブの位置決め及びトラッキング方法は、前記位置検出プローブアレイと前記記録媒体との前記記録媒体表面に平行な面内における相対角度は、前記位置決めマーカー群をあるいはトラッキングマーカー群を、前記位置検出プローブアレイを用いて生成した後に、変化させることを特徴としている。
また、本発明のプローブの位置決め及びトラッキング方法は、前記プローブの位置決め及びトラッキングを行うに際して、位置決め時にトラッキング時よりも多くの位置検出プローブを用いて位置決めを行なうことを特徴としている。
また、本発明のプローブの位置決め及びトラッキング方法は、トラッキング時に使用しない位置検出プローブを記録再生プローブとして使用することを特徴としている。
また、本発明のプローブの位置決め及びトラッキング方法は、前記位置決めマーカー群あるいはトラッキングマーカー群を、記録ビットで作成することを特徴としている。
また、本発明のプローブの位置決め及びトラッキング方法は、前記複数の位置決めマーカーあるいは前記複数のトラッキングマーカーを、互いに平行な線状の形状に作成することを特徴としている。
また、本発明のプローブの位置決め及びトラッキング方法は、前記複数の位置決めマーカーあるいは前記複数のトラッキングマーカーの線状の形状を、記録ビットを連続的に並べて作成することを特徴としている。
また、本発明のプローブの位置決め及びトラッキング方法は、前記複数の位置決めマーカーあるいは前記複数のトラッキングマーカーを、互いに平行な線内において、断続的な形状に作成することを特徴としている。
また、本発明のプローブの位置決め及びトラッキング方法は、前記複数の位置決めマーカーあるいは前記複数のトラッキングマーカーの断続的な形状を、前記記録ビットを断続的に並べて作成することを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明によれば、複数本の位置検出プローブを有するプローブアレイで、記録媒体上に複数の位置決めマーカーを生成し、記録媒体表面と平行な面内において、プローブアレイと記録媒体との角度を変化させる事で位置決めマーカーから見たプローブの見かけの間隔を変化させ、どのプローブがマーカー上にあるかを検出することにより、高精度の位置決めが可能である。さらに、位置決めマーカー検出信号の有無のみにより、位置決めを行うため、ノイズに強い位置決め制御系の構築が可能である。
また、位置決めに用いるプローブの数を増やすことにより、より広範囲の位置決めが可能である。さらに、記録媒体上をプローブアレイで走査しながら、前記位置決め動作を行うことにより、本方式をトラッキング手段として使用することが可能なため、単純な構成で両機能を実現できる。
また、記録媒体に対して、物理的な加工を施さず、記録再生原理そのものによって、位置決め及びトラッキングが行われるため、記録再生機構と位置決め及びトラッキング機構とを容易に一体化できる。さらに、記録媒体の材質に対する制限も小さくなる。
また、位置決め動作には、記録再生時のトラッキング動作より多くの位置検出プローブを使用し、記録再生時にはトラッキング動作に使用しない位置検出プローブを記録再生プローブとして使用することにより、位置決め動作に求められる広い位置決め範囲を保ちながら、プローブの利用効率の高い記録再生装置を構成することが可能となる。
【0009】
図に基づいて、本発明の実施の形態について説明する。
図5において、導電性を有する基板501上の記録層502からなる記録媒体503に対し、先端に設けられている探針504が接触するように、複数のプローブ505が配置されている。各プローブ505において、探針504は、たわむ様に弾性変形を生じる弾性体506により支持されている。
ここで、弾性体506の弾性変形の弾性定数が約0.1[N/m]、弾性変形量が約1μmであるとすると、記録媒体に対する探針の接触力は約10-7[N]程度となる。
制御コンピュータ514により制御された位置制御回路513からの位置制御信号を受け、記録媒体503に取り付けられたxyz駆動ステージ508が駆動され、プローブ505と記録媒体503とは記録媒体503に平行な面内において相対的に2次元方向に移動する。記録媒体503に対し、プローブの505のxyz方向位置を調節し、探針504先端が記録媒体503上の所望の位置になるようプローブ505が位置合せされる。
【0010】
上記の記録再生装置において記録媒体503に対しプローブ505を走査する際、プローブ505上の探針504先端は記録媒体503に対し、常に接触した状態を保つ。
このような接触走査方式は、探針504先端を記録媒体503に対し接触させたまま走査する場合に、記録媒体503の表面に凹凸があっても、弾性体506の弾性変形によりこれを吸収するため、探針504先端と記録媒体503表面の接触力はほぼ一定に保たれ、探針504先端や記録媒体503表面が破壊することを避けられる。この方式は個々のプローブをz方向に位置合せするピエゾ素子等の手段が不必要であるため、構成が複雑にならず、特に複数のプローブを有する装置に適している。
また、記録媒体503に対する個々のプローブ505のz方向位置のフィードバック制御が不必要であるため、記録媒体503に対するプローブ505の高速走査が可能となる。
【0011】
制御コンピュータ514により制御された角度制御回路515からの角度制御信号を受け、プローブ505に取り付けられたθ駆動ステージ507が駆動され、プローブ505と記録媒体503とのなす角度は、記録媒体503の表面と平行な面内において相対的に変化する。
制御コンピュータ514により制御された記録制御回路511から発生された記録信号が、記録系に切り替えられた切り替えスイッチ509を通し、各探針504から記録媒体503に印加される。このようにして、記録層502の探針504先端が接触する部分に局所的に記録が行われる。
【0012】
上述の装置における記録層501としては、電圧印加により流れる電流値が変化するような材料を用いる。具体例としては、第1に、特開昭63−161552号公報、特開昭63−161553号公報に開示されているようなポリイミドやSOAZ(ビス−n−オクチルスクアリリウムアズレン)等電気メモリー効果を有するLB膜(=Langmuir−Blodgette法により作成された有機単分子膜の累積膜)が挙げられる。この材料は、探針−LB膜−基板間にしきい値以上の電圧(5〜10[V]程度)を印加するとLB膜の導電性が変化(OFF状態→ON状態)し、再生用のバイアス電圧(0.01〜2[V]程度)を印加した際に流れる電流が増大するものである。
第2の具体例として、GeTe、GaSb、SnTe等の非晶質薄膜材料が挙げられる。この材料は、探針−非晶質薄膜材料−基板間に電圧を印加し、流れる電流により発生する熱で非晶質→結晶質への相転移を起こさせるものである。これにより材料の導電性が変化し、再生用のバイアス電圧を印加した際に流れる電流が増大するものである。
第3の具体例として、ZnやW、Si、GaAs等の酸化性金属・半導体材料が挙げられる。この材料は、探針−酸化性金属・半導体材料間に電圧を印加すると、流れる電流により、材料表面に吸着している水や大気中の酸素と反応し、表面に酸化膜が形成される。このため材料表面の接触抵抗が変化し、バイアス電圧を印加した際に流れる電流が減少する。
【0013】
さて、上述のように記録が行われたビットの再生は次のように行う。スイッチ509により、各プローブ505からの信号配線を再生系に切り替えた後、バイアス電圧印加手段510により、探針504と基板501との間にバイアス電圧を印加し、間に流れる電流を再生制御回路512において検出する。記録媒体503上の記録ビットの部分は記録がなされていない部分に比べ電流が多く(または、少なく)流れるため、再生制御回路512において、この電流の違いを検出し、再生信号とし、制御コンピュータ514に出力する。なお、本文中においては説明のため、電流が多く流れることを電流が流れる、電流が少なく流れることを電流が流れない、と記述する。
【0014】
以下、図面を参照しながら本発明の構成と動作について説明する。
まず、間隔dで並んだ5本のプローブ101,102,103,104,105を有するプローブアレイ107を用いて、間隔dで並んだ5列の位置決めマーカー106を形成する。本発明においては各プローブにおける探針の先端同士の間隔をプローブ間隔とする。
この後、図1に示すようにプローブアレイ107と位置決めマーカー106の相対角度をθ変化させる。これによって、先に形成した位置決めマーカー106の間隔に対する、プローブの見かけの間隔が変化する。図1は、見かけのプローブ間隔をΔdだけ狭くした場合の例である。もちろん、見かけのプローブ間隔をΔdだけ広くしてもかまわない。
【0015】
ここで、プローブと記録媒体との間に、バイアス電圧を印加すると、プローブが位置決めマーカー106上にある場合には、プローブと記録媒体との間に電流が流れる。この電流をモニタすることにより、どのプローブが位置決めマーカー上にあるかを判別することができる。
ここで、プローブ103が位置決めマーカーの直上に位置するように位置決めを行った場合の例を図1、図3、図4を用いて説明する。
図3に示すように、プローブが目標通りの位置にある場合には、プローブ102,103,104に電流が流れる。電流の流れるプローブの配置は目標のプローブ103に対して対称である。しかし、位置決めマーカーに対して誤差が生じた場合、電流の流れるプローブの配置は目標のプローブ103に対して対称でなくなる。例えば、図4の例では、プローブ103,104,105に電流が流れる。ここで、誤差の向きに応じた極性と電流の流れるプローブの本数に応じた大きさを持つ信号を、演算手段を用いて出力する。これを用いて位置決めを行う。
【0016】
以上、プローブが5本の場合について説明したがプローブの本数はこれに限定されるものではない。また、プローブアレイと記録媒体との相対回転角θ、プローブ間隔、位置決めマーカーの幅等の関係により、電流が流れるプローブの本数は3本でなくても構わない。Δdを位置決めマーカーの幅に対して小さくとり、同時に電流が流れるプローブの本数を増やす事により、より高精度な位置決めが可能である。さらに、位置決め精度はプローブ間隔とビット間隔の差、すなわち前記Δdに依存するが、位置決めできる範囲は、Δdが一定の場合、プローブの本数をnとすると、およそΔd×nとなる。すなわち、位置決めに使用するプローブ本数を多くすれば、目標とする位置を選べる範囲が大きくなる、あるいは、より大きな位置ずれに対応した位置決めを行うことができる。
また、電流の流れるプローブを検出するのではなく、電流の流れないプローブを検出して、位置決めを行うことも可能である。
【0017】
さらに、本方式を、記録再生時のトラッキング手段として用いることも可能である。例えば、図1において、図中矢印の方向に走査を行いながら、プローブ101,102,104,105を用いて、これまで述べた方法で位置決めを行い、同時に、プローブ103を用いて任意の情報の記録再生を行うことで、トラッキング機構を構成することができる。
本発明を適用する記録再生装置は前記構成の装置に限られるものではない。磁気記録再生装置、光磁気記録再生装置等、近接場光記録再生装置等、他の記録再生装置にも適用可能である。
【0018】
【実施例】
以下に、本発明の実施例について説明する。
[実施例1]
図1、図2を用いて、前記構成の記録再生装置に対し、本発明の位置決め機構を適用した実施例1について以下に詳細な説明を行う。
まず、上記装置に対して、100μm間隔で一体成形された5本のプローブからなるプローブアレイ107を取り付けた。プローブ102の探針先端からプローブ101の探針先端を見る向きをyの正方向とし、記録媒体503の表面に垂直にプローブアレイ107から記録媒体503を見て、反時計周りをθの正の回転方向とし、yの正方向をθの負方向にπ/2rad回転した向きをxの正方向とする。
【0019】
次に、プローブアレイ107で、長さ110μmにわたり、図1中xの正方向に、直線状に走査を行う。走査中、各プローブを用いて、7nm間隔で電圧パルスを印加する。電圧は5.5V、印加時間は0.3μsecである。生成された個々の記録ビットの直径は約10nmである。以上の手順により、図1中x方向に、長さ110μmにわたり、5本の位置決めマーカー106が生成される。
次に、プローブアレイ107を元の位置に戻し、記録媒体503に対して、記録媒体503の表面と平行な平面内において、プローブ101の探針先端を中心として、θの正方向に0.009rad回転させた。これにより、隣り合うプローブの図1中y方向の間隔は見かけ上、4nm小さくなる。この状態で、5本のプローブを使用して位置決めを行う事により、本実施例における位置決め機構は、図1中y方向について約25nmのレンジを持つ。
【0020】
次に、プローブ103が位置決めマーカーの直上に位置するように位置合わせ及びトラッキング動作を行う。
ここで、図2を用いて本実施例で用いた位置決め機構について説明する。5本のプローブから出力された位置決めマーカーの電流信号はI/V変換回路201によって電圧信号に変換され、増幅回路202によってそれぞれ増幅された後、信号検出回路203で、プローブに電流が流れているか検出される。信号検出回路203は、それぞれに対応するプローブに電流が流れた場合は1、流れていない場合は0の2値の信号を加算回路204へ出力する。加算回路204では入力された信号のうち、位置決め目標のプローブ103よりプローブ101側にあるプローブ、すなわちプローブ101,102の信号を正負反転し、プローブ104,105の信号と共に足し込み出力する。プローブ103の信号は足し込まない。加算回路204の出力信号はPIDフィルタ205を通り、積分回路206で過去の履歴と足し合わされ、増幅回路207で増幅され、図5におけるxyz駆動ステージ508を制御する。
【0021】
5本のプローブに1.5Vのバイアス電圧を印加し、それぞれのプローブに流れる電流をモニタした結果、プローブ101,102に電流が流れていることが検出された。次に、図2に示す回路を接続した後、それぞれのプローブに流れる電流をモニタしたところ、プローブ102,103,104に電流が流れていることが検出された。以上より、位置決め動作が確認される。
さらに、このままの状態で、プローブアレイで図1中xの正方向に長さ100μmにわたり、直線状に走査を行う。走査中、それぞれのプローブに流れる電流をモニタする。プローブ101,102,104,105には電流が断続的に流れたが、プローブ103には常に電流が流れていた。以上より、トラッキング動作が確認される。
【0022】
[実施例2]
図6、図7を用いて、前記構成の記録再生装置に対し、本発明の位置決め機構を適用した実施例2について以下に詳細な説明を行う。
上記装置に対して、200μm間隔で一体成形された5本のプローブを有するプローブアレイを2組用意する。まず、第1のプローブアレイ107を取り付ける。次に、図6に示すように、第2のプローブアレイ608を第1のプローブアレイ107と直交するように取り付ける。図6中、プローブ102の探針先端からプローブ101の探針先端を見る向きをyの正方向とし、記録媒体503の表面に垂直にプローブアレイ608から記録媒体503を見て、反時計周りをθの正の回転方向とし、yの正方向をθの負方向にπ/2rad回転した向きをxの正方向とする。さらに、1本の記録再生プローブ606を取り付ける。以上11本のプローブは一体となって移動するが、2組のプローブアレイ107、608は、それぞれ独立に、プローブ101及びプローブ601の探針先端を中心として、記録媒体と平行な平面内において回転できる。ここで、それぞれのプローブアレイを記録媒体503に対して、記録媒体503の表面と平行な平面内において、プローブ101及びプローブ601それぞれの探針先端を中心として、θの正方向に0.009rad回転させる。ここで、全プローブの短針先端を記録媒体に接触させる。
【0023】
次に、第1のプローブアレイ107を用いて、位置決めマーカー106を作成する。全プローブで、長さ10μmにわたり、図6中xの正方向に、直線状に走査を行う。走査中、プローブアレイ107の5本のプローブを用いて、7nm間隔で電圧パルスを印加する。電圧は5.5V、印加時間は0.3μsecである。生成された個々の記録ビットの直径は約10nmである。以上の手順により、図6中x方向に、長さ10μmにわたり、5本の位置決めマーカーが生成される。さらに、プローブアレイをxの負方向に5μm、yの負方向に5μm移動させる。
次に、第2のプローブアレイ608を用いて、位置決めマーカー106を作成する。全プローブで、長さ10μmにわたり、図6中yの正方向に、直線状に走査を行う。走査中、プローブアレイ608の5本のプローブを用いて、7nm間隔で電圧パルスを印加する。電圧は5.5V、印加時間は0.3μsecである。生成された個々の記録ビットの直径は約10nmである。以上の手順により、図6中y方向に、長さ10μmにわたり、5本の位置決めマーカーが生成される。
【0024】
次に、全プローブを図6中yの負方向に5μm移動させてから、2組のプローブアレイの角度をそれぞれ元に戻す。これにより、先に生成した、位置決めマーカーの間隔に対する、隣り合うプローブ同士の見かけの間隔は、4nm広くなる。この状態で、5本のプローブを有するプローブアレイを2組用いて、位置決めを行う事により、本実施例における位置決め機構は、図6中xy方向について約25nm□のレンジを持つ。
ここで、プローブ103、603が位置決めマーカーの直上に位置するように位置合わせ動作を行う。
【0025】
ここで、図7を用いて本実施例で用いた位置合わせ機構について説明する。2組のプローブアレイ107、608のそれぞれ5本のプローブから出力された位置決めマーカーの電流信号はI/V変換回路201によって電圧信号に変換され、増幅回路202によってそれぞれ増幅された後、信号検出回路203で、プローブに電流が流れているか検出される。信号検出回路203は、それぞれに対応するプローブに電流が流れた場合は1、流れていない場合は0の2値の信号を加算回路204へ出力する。加算回路204では入力された信号のうち、例えば、プローブ103が位置決めマーカーの直上に位置するように、位置決めを行う場合、プローブ103よりプローブ101側にあるプローブ、すなわちプローブ101,102の信号を正負反転し、プローブ104,105の信号と共に足し込み出力する。プローブ103の信号は足し込まない。プローブアレイ608についても同様である。加算回路204の出力信号はPIDフィルタ205を通り、積分回路206で過去の履歴と足し合わされ、増幅回路207で増幅され、図5におけるxyz駆動ステージ508を制御する。
図7に示す回路を接続し、2組のプローブアレイ107、608の10本のプローブに1.5Vのバイアス電圧を印加する。その後、それぞれのプローブに流れる電流をモニタした結果、プローブ102、103、104、602、603、604に電流が流れていることが検出された。以上より、目標位置に位置決めが行われたことが確認できる。
【0026】
ここで、記録再生プローブ606に電圧パルスを印加して、記録ビット607を生成する。電圧は5.5V、印加時間は0.3μsecである。生成される記録ビット607の直径は約10nmである。ここで、記録再生プローブ606に1.5Vのバイアス電圧を印加し、プローブ606に電流が流れていることを確認した。
次に、全プローブのバイアス電圧を切ってから、図7に示す回路を接続したまま、プローブ全体を図6中xの正の方向に10nm、yの正の方向に10nm移動させる。ここで、プローブ606に1.5Vのバイアス電圧を印加したところ、電流は流れなかった。以上より、プローブ606の短針先端が、先に生成した記録ビット607上から外れた事が確認できる。
次に、プローブ606のバイアス電圧を切った後、2組の位置検出プローブアレイ107、608の全プローブに、1.5Vのバイアス電圧を印加し、プローブ103,603がそれぞれの位置決めビット群の直上に位置するように位置決めを行う。次に、プローブ606に1.5Vのバイアス電圧を印加したところ、プローブ606に電流が流れていた。以上より、プローブ606の短針先端が、先に生成した記録ビット607上に位置決めされた事が確認できる。
【0027】
[実施例3]
以下、図8を参照しながら、前記構成の記録再生装置に対し、本発明の位置決め及びトラッキング機構を適用した実施例3について詳細な説明を行う。
まず、上記装置に対して、100μm間隔で一体成形された50本のプローブからなるプローブアレイ851を取り付ける。これら50本のプローブのうち、23番目から27番目の計6本のプローブを位置決めとトラッキングのために使用し、残りの44本を位置決めと記録再生のために使用する。この状態で、プローブ102の探針先端からプローブ101の探針先端を見る向きをyの正方向とし、記録媒体503の表面に垂直にプローブアレイ851から記録媒体503を見て、反時計周りをθの正の回転方向とし、yの正方向をθの負方向にπ/2rad回転した向きをxの正方向とする。
【0028】
次に、プローブアレイ851で、図8中yの正方向に、長さ5μmにわたり、直線状に走査を行う。走査中、全プローブを用いて、7nm間隔で電圧パルスを印加する。電圧は5.5V、印加時間は0.3μsecである。生成された個々のビットの直径は約10nmである。以上の動作により、図8中yの方向に長さ5μmにわたり、幅10nmの位置決めマーカーが100μm間隔で50本生成される。
この状態から、さらに、プローブアレイ851で、図8中yの正方向に、長さ50μmにわたり、直線状に走査を行う。走査中、23番目から28番目までの6本のプローブそれぞれにつき、2048回電圧パルスを印加する。電圧は5.5V、印加時間は0.3μsecである。生成された個々のビットの直径は約10nmである。以上の動作により、図8中yの方向に長さ50μmにわたり、2048個のビットから構成されるトラッキングマーカーが100μm間隔で6本生成される。
【0029】
次に、プローブアレイ851を元の位置に戻し、図8中xの正方向に1μm移動させてから、同様に位置決めマーカー及びトラッキングマーカーの生成を行う。これを9回繰り返し、位置決めマーカー及びトラッキングマーカー群を有する計10組のトラックが生成される。
次に、プローブアレイ851を図8中xの負方向に9μm、yの負方向に53μm移動させてから、記録媒体503に対して、記録媒体503と平行な平面内において、プローブ101の探針先端を中心として、θの正方向に0.00004rad回転させる。これにより、2本のプローブの図10中x方向の見かけの間隔は4nm大きくなる。この状態で、50本のプローブを用いて、位置決めを行う事により、本実施例における位置決め機構は、図8中x方向について約200nmのレンジを持つ。また、図10中y方向の見かけのプローブ間隔は0.00008nm小さくなるが、これはビット106の直径10nmに対して十分に小さいため、無視できる。
【0030】
現在の状態では、プローブアレイ851の50本のプローブの内、プローブ801の短針先端が位置決めマーカーの直上にある。ここで、プローブ825とプローブ826の短針先端を結んだ直線の中央がこの2本のプローブの位置決めマーカーの中央にある状態、すなわち、この2本のプローブ両方がそれぞれの位置決めマーカー上にある状態になるように位置決めを行う。
ここで、図9を用いて本実施例で用いた位置決め機構について説明する。50本のプローブから出力された位置決めマーカーの電流信号はI/V変換回路201によって電圧信号に変換され、増幅回路202によってそれぞれ増幅された後、信号検出回路203で、プローブに電流が流れているか検出される。信号検出回路203は、それぞれに対応するプローブに電流が流れた場合は1、流れていない場合は0の2値の信号を加算回路204へ出力する。加算回路204では入力された信号に対して、図11に示す係数をかけてから、全プローブの信号検出回路からの出力を足し込み出力する。重み付け加算回路901の出力信号はPIDフィルタ205を通り、積分回路206で過去の履歴と足し合わされ、増幅回路207で増幅され、図5におけるxyz駆動ステージ508を制御する。
【0031】
図9に示す回路を接続し、各プローブに1.5Vのバイアス電圧を印加する。各プローブに流れる電流をモニタしたところプローブ25とプローブ26に電流が流れていた。これにより、位置決めが行われた事が確認できる。
次にバイアス電圧を印加したまま、プローブアレイ851を図8中y方向に走査する。プローブ1からプローブ22及びプローブ29からプローブ50までの44本のプローブに電流が検出されなくなった時点で、走査を止め、これら44本のプローブに印加したバイアス電圧を切る。図10に示すように回路をつなぎ替え、トラッキングを行いながらデータビットを記録する。
【0032】
ここで、図10を用いて本実施例で用いたトラッキング機構について説明する。プローブ23からプローブ28までの6本のプローブから出力されたトラッキングマーカーの電流信号はI/V変換回路201によって電圧信号に変換され、増幅回路202によってそれぞれ増幅された後、信号検出回路203で、プローブに電流が流れているか検出される。信号検出回路203は、それぞれに対応するプローブに電流が流れた場合は1、流れていない場合は0の2値の信号を加算回路204へ出力する。加算回路204では入力された信号に対して、図12に示す係数をかけてから、全プローブの信号検出回路からの出力を足し込み出力する。重み付け加算回路901の出力信号はPIDフィルタ205を通り、積分回路206で過去の履歴と足し合わされ、増幅回路207で増幅され、図5におけるxyz駆動ステージ508を制御する。
【0033】
長さ100μmにわたり、図8中yの正方向に走査を行う。走査中、トラッキングに使用しない44本のプローブを用いて、あらかじめ用意したデータに合わせて、各プローブ最大2048回電圧パルスを印加する。電圧は5.5V、印加時間は0.3μsecである。生成されたデータビットの直径は約10nm、ビット間隔は約50nmである。以上の記録動作を先に生成した、10組のトラックすべてに関して行う。
次に、トラッキングを行いながらデータビットの再生動作を行う。プローブアレイ851を元の位置に戻してから、プローブアレイ851の全プローブに1.5Vのバイアス電圧を印加し、上記トラッキング機構を用いてトラッキングを行いながら走査を行う。走査中、記録に用いた44本プローブからの再生信号をモニタすることで、記録した情報を得た。各トラックについて50回の再生動作を行ったところ、再生エラーは認められなかった。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数本の位置検出プローブを有するプローブアレイで、記録媒体上に複数の位置決めマーカーを生成し、記録媒体表面と平行な面内において、プローブアレイと記録媒体との角度を変化させる事で位置決めマーカーから見たプローブの見かけの間隔を変化させ、どのプローブがマーカー上にあるかを検出することにより、高精度の位置決めが可能となる。さらに、位置決めマーカー検出信号の有無のみにより、位置決めを行うため、ノイズに強い位置決め制御系の構築が可能となる。
また、本発明によれば、位置決めに用いるプローブの数を増やすことにより、より広範囲の位置決めが可能となる。さらに、記録媒体上をプローブアレイで走査しながら、前記位置決め動作を行うことにより、本方式をトラッキング手段として使用することが可能なため、単純な構成で両機能を実現することができる。
また、本発明によれば、記録媒体に対して、物理的な加工を施さず、記録再生原理そのものによって、位置決め及びトラッキングが行われるため、記録再生機構と位置決め及びトラッキング機構と容易に一体化することができる。さらに、記録媒体の材質に対する制限も少なくなる。
また、本発明によれば、位置決め動作には、記録再生時のトラッキング動作より多くの位置検出プローブを使用し、記録再生時にはトラッキング動作に使用しない位置検出プローブを記録再生プローブとして使用することにより、位置決め動作に求められる広い位置決め範囲を保ちながら、プローブの利用効率の高い記録再生装置を構成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1を説明する図。
【図2】本発明の実施例1の位置決め及びトラッキング機構を説明する図。
【図3】本発明の位置決め及びトラッキング機構の原理を説明する図。
【図4】本発明の位置決め及びトラッキング機構の原理を説明する図。
【図5】本発明を適用する記録再生装置の全体構成を説明する図。
【図6】本発明の実施例2を説明する図。
【図7】本発明の実施例2の位置決め機構を説明する図。
【図8】本発明の実施例3を説明する図。
【図9】本発明の実施例3の位置決め機構を説明する図。
【図10】本発明の実施例3のトラッキング機構を説明する図。
【図11】本発明の実施例3の重み付け加算回路における位置あわせ時の係数を表す図。
【図12】本発明の実施例3の重み付け加算回路におけるトラッキング時の係数を表す図。
【符号の説明】
101:プローブ
102:プローブ
103:プローブ
104:プローブ
105:プローブ
106:位置決めマーカー
107:プローブアレイ
201:I/V変換回路
202:増幅回路
203:信号検出回路
204:加算回路
205:PIDフィルタ
206:積分回路
207:増幅回路
501:基板
502:記録層
503:記録媒体
504:探針
505:プローブ
506:弾性体
507:θ駆動ステージ
508:xyz駆動ステージ
509:切り替えスイッチ
510:バイアス印加手段
511:記録制御回路
512:再生制御回路
513:位置制御回路
514:制御コンピュータ
515:角度制御回路
601:プローブ
602:プローブ
603:プローブ
604:プローブ
605:プローブ
606:プローブ
607:記録ビット
608:プローブアレイ
801:プローブ
802:プローブ
803:プローブ
824:プローブ
825:プローブ
826:プローブ
850プローブ
851:プローブアレイ
852:トラッキングマーカー
901:重み付け加算回路
Claims (25)
- 記録媒体に対してプローブで相対走査して該記録媒体上に情報を記録し、または該記録媒体から情報を再生する記録再生装置におけるプローブの位置決め及びトラッキング機構であって、
前記記録媒体に対して相対動作し、複数本の位置検出プローブを備えた位置検出プローブアレイと、
前記位置検出プローブアレイと前記記録媒体との前記記録媒体表面に平行な面内における相対角度を変化させることにより、前記複数本の位置検出プローブに対応する前記記録媒体上に形成された位置決めマーカー群を構成する複数の位置決めマーカーあるいはトラッキングマーカー群を構成する複数のトラッキングマーカーの間隔に対する、該複数本の位置検出プローブの見かけの間隔を変化させる角度制御手段と、
前記複数の位置決めマーカー上における前記見かけの間隔の変化したプローブの位置に応じた制御信号を出力する制御信号出力手段と、
前記制御信号に基づいて前記記録媒体と前記位置検出プローブアレイの相対位置を制御する制御手段と、
を有し、プローブの位置決め及びトラッキングを行うことを特徴とするプローブの位置決め及びトラッキング機構。 - 前記位置決めマーカー群あるいはトラッキングマーカー群が、記録ビットによって作成されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の位置決め及びトラッキング機構。
- 前記複数の位置決めマーカーあるいは前記複数のトラッキングマーカーが、互いに平行な線状の形状に作成されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のプローブの位置決め及びトラッキング機構。
- 前記複数の位置決めマーカーあるいは前記複数のトラッキングマーカーの線状の形状を、記録ビットを連続的に並べて作成することを特徴とする請求項2に記載のプローブの位置決め及びトラッキング機構。
- 前記複数の位置決めマーカーあるいは前記複数のトラッキングマーカーが、互いに平行な線内において、断続的な形状に作成されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のプローブの位置決め及びトラッキング機構。
- 前記複数の位置決めマーカーあるいは前記複数のトラッキングマーカーの断続的な形状を、前記記録ビットを断続的に並べて作成することを特徴とする請求項5に記載のプローブの位置決め及びトラッキング機構。
- 前記位置決めマーカー群あるいはトラッキングマーカー群が、前記位置検出プローブアレイによって作成されるように構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の位置決め及びトラッキング機構。
- 前記位置決めマーカー群あるいはトラッキングマーカー群を、複数組作成するように構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の位置決め及びトラッキング機構。
- 前記位置決めマーカー群と前記トラッキングマーカー群とを兼ねるマーカー群を作成するように構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の位置決め及びトラッキング機構。
- 前記位置決めマーカー群とトラッキングマーカー群を別々に作成するように構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の位置決め及びトラッキング機構。
- 1つの位置決めマーカー群を構成する位置決めマーカーの数を、1つのトラッキングマーカー群を構成するトラッキングマーカーの個数より多く作成するように構成されていることを特徴とする請求項10に記載の位置決め及びトラッキング機構。
- 前記位置検出プローブアレイが第1のプローブアレイと第2のプローブアレイとによる複数のプローブアレイで構成され、これら第1のプローブアレイと第2のプローブアレイを直交する向きに配置し、直交する向きに配置された複数の位置決めマーカー群を作成するように構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の位置決め及びトラッキング機構。
- 前記制御信号出力手段が、前記位置検出プローブアレイの各位置検出プローブからの出力を比較し、比較結果に応じた符合と絶対値を持つ信号を出力する比較演算手段であることを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の位置決め及びトラッキング機構。
- 制御信号出力手段が、前記複数本の位置検出プローブからの出力を検出し、該出力の有無に応じた信号を出力する信号検出手段と、
前記信号検出手段の出力を、前記位置検出プローブの位置決め目標からの位置に応じて演算する演算手段とを有することを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の位置決め及びトラッキング機構。 - 前記演算手段が、前記信号検出手段からの出力信号に対して、前記位置検出プローブの位置決め目標からの位置に応じた符号をつけて、加算することを特徴とする請求項14に記載の位置決め及びトラッキング機構。
- 前記演算手段が、前記信号検出手段からの出力信号に対して、前記位置検出プローブの位置決め目標からの位置に応じた係数をかけた上で、加算することを特徴とする請求項14に記載の位置決め及びトラッキング機構。
- 記録媒体に対してプローブで相対走査して該記録媒体上に情報を記録し、または該記録媒体から情報を再生する記録再生装置におけるプローブの位置決め及びトラッキング方法であって、
前記記録媒体と相対動作し、複数本の位置検出プローブを備えた位置検出プローブアレイを有し、
前記位置検出プローブアレイと前記記録媒体との前記記録媒体表面に平行な面内における相対角度を変化させることにより、前記複数本の位置検出プローブに対応する前記記録媒体上に形成された位置決めマーカー群を構成する複数の位置決めマーカーあるいはトラッキングマーカー群を構成する複数のトラッキングマーカーの間隔に対する、前記複数本の位置検出プローブの見かけの間隔を変化させ、
前記複数の位置決めマーカー上における該見かけの間隔の変化したプローブの位置に応じた制御信号を出力し、該制御信号に基づいて前記記録媒体と前記位置検出プローブアレイの相対位置を制御して、プローブの位置決め及びトラッキングを行うことを特徴とするプローブの位置決め及びトラッキング方法。 - 前記位置検出プローブアレイと前記記録媒体との前記記録媒体表面に平行な面内における相対角度は、前記位置決めマーカー群をあるいはトラッキングマーカー群を、前記位置検出プローブアレイを用いて生成した後に、変化させることを特徴とする請求項17に記載のプローブの位置決め及びトラッキング方法。
- 前記プローブの位置決め及びトラッキングを行うに際して、位置決め時にトラッキング時よりも多くの位置検出プローブを用いて位置決めを行なうことを特徴とする請求項17または請求項18に記載のプローブの位置決め及びトラッキング方法。
- トラッキング時に使用しない位置検出プローブを記録再生プローブとして使用することを特徴とする請求項19に記載のプローブの位置決め及びトラッキング方法。
- 前記位置決めマーカー群あるいはトラッキングマーカー群を、記録ビットで作成することを特徴とする請求項17に記載の位置決め及びトラッキング方法。
- 前記複数の位置決めマーカーあるいは前記複数のトラッキングマーカーを、互いに平行な線状の形状に作成することを特徴とする請求項17に記載のプローブの位置決め及びトラッキング方法。
- 前記複数の位置決めマーカーあるいは前記複数のトラッキングマーカーの線状の形状を、記録ビットを連続的に並べて作成することを特徴とする請求項22に記載のプローブの位置決め及びトラッキング方法。
- 前記複数の位置決めマーカーあるいは前記複数のトラッキングマーカーを、互いに平行な線内において、断続的な形状に作成することを特徴とする請求項17に記載のプローブの位置決め及びトラッキング方法。
- 前記複数の位置決めマーカーあるいは前記複数のトラッキングマーカーの断続的な形状を、前記記録ビットを断続的に並べて作成することを特徴とする請求項24に記載のプローブの位置決め及びトラッキング方法。
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