JP4078956B2 - 燃料供給装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関に燃料を供給する燃料供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃機関に燃料を供給する燃料供給装置として、特開平9−280123号公報に記載されるように、液体燃料を超臨界状態とし、その超臨界状態の燃料を内燃機関の燃焼室内に供給するものが知られている。この燃料供給装置は、液体燃料を超臨界状態とすることで、燃料の微細化を図り燃焼性を改善しようとするものである。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−280123号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような燃料供給装置では、燃料の改質が十分行えないという問題点がある。すなわち、液体燃料を超臨界状態にすることにより、燃料の一部が高沸点成分から低沸点成分へ改質されるが、短時間に高収率で低沸点成分に改質することは困難である。このため、例えば内燃機関の冷間始動時などに、燃料の燃焼性が不十分となり、十分にエミッションを低減することができない。
【0005】
そこで本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、燃料の燃焼性の向上が図れる燃料供給装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明に係る燃料供給装置は、内燃機関に燃料を供給する燃料供給装置であって、燃料を加圧及び加熱により超臨界状態とする超臨界状態生成手段と、超臨界状態となった燃料と非超臨界状態の燃料とを分離する分離手段とを備え、超臨界状態となった燃料を内燃機関に供給することを特徴とする。また本発明に係る燃料供給装置において、分離手段は超臨界状態生成手段として超臨界状態を生成する超臨界状態室の内部に配置されていることが好ましい。
【0012】
この発明によれば、超臨界状態生成手段より燃料の全てが超臨界状態にならない場合でも、非超臨界状態の燃料を分離できるため、超臨界状態の燃料のみを内燃機関に供給することができる。このため、超臨界状態の燃料を内燃機関に供給でき、燃料の燃焼性向上が図れる。従って、冷間始動時におけるエミッションの低減及び高負荷駆動時におけるノッキングの抑制が図れる。
【0017】
また本発明に係る燃料供給装置において、超臨界状態生成手段と内燃機関との間に設けられ超臨界状態となった燃料を貯留する貯留手段とを備え、貯留手段に貯留される燃料を内燃機関に供給可能としたことを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、超臨界状態となった燃料を貯留することにより、内燃機関の冷間始動時にその貯留された燃料を供給することができる。このため、燃料の燃焼性の向上が図れ、内燃機関の始動性の向上及びエミッション低減が図れる。
【0019】
また本発明に係る燃料供給装置において、超臨界状態生成手段により超臨界状態とされる燃料の温度を計測する温度計測手段と、超臨界状態生成手段により超臨界状態とされる燃料の圧力を計測する圧力計測手段と、燃料の温度が所定の温度範囲内でなく又は燃料の圧力が所定の圧力範囲内でないときに装置異常を報知する報知手段とを備えたことを特徴とする。
【0020】
また本発明に係る燃料供給装置において、超臨界状態生成手段により加圧及び加熱された燃料の粘性を計測する粘性計測手段と、粘性計測手段により計測された粘性値が所定の粘性値以上であるときに装置異常を報知する報知手段とを備えたことを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、超臨界状態の燃料を内燃機関に供給することにより燃料の燃焼性の向上が図れるとともに、超臨界状態とされる燃料の温度及び圧力を計測し又は燃料の粘性を計測することにより、燃料が正常に超臨界状態となっているか否かを判別することができる。従って、装置の異常検出が可能となる。
また本発明に係る燃料供給装置において、超臨界状態となった燃料の改質を行う改質触媒を備え、分離手段は改質触媒により改質された燃料を分離することが好ましい。
この場合、この発明によれば、超臨界状態となった燃料を改質触媒に接触させることにより、燃料を迅速かつ高収率で高沸点成分(重質成分)から低沸点成分(軽質成分)に転化して燃料を改質することが可能となる。このため、超臨界状態となり改質された燃料を内燃機関に供給することができ、燃料の燃焼性の向上が図れる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づき、本発明の実施形態について説明する。尚、各図において同一要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
(第一実施形態)
図1に第一実施形態に係る燃料供給装置の構成概要図を示す。本図に示すように、燃料供給装置1は、エンジン2に燃料を供給する装置であって、燃料タンク3に貯留される燃料を燃料供給路4を通じてエンジン2に供給するものである。
【0023】
燃料供給路の途中には、ポンプ5が設けられている。ポンプ5は、燃料を加圧する加圧手段として機能するものであり、ECU(Electronic Control Unit)6に作動制御されている。ポンプ5の作動により、燃料タンク3から液体状の燃料が吸い上げられ、所定の圧力に加圧される。
【0024】
ポンプ5の下流側には、超臨界状態室7が設けられている。超臨界状態室7は、燃料を超臨界状態とするための空間領域であり、耐圧耐熱構造となっている。超臨界状態室7には、ヒータ8が設けられている。ヒータ8は、超臨界状態室7を所定の温度に加熱する加熱手段として機能するものであり、ECU6に作動制御されている。
【0025】
ヒータ8としては、超臨界状態室7を所定の温度に加熱できるものであれば何れのものでもよく、例えば電気ヒータなどが用いられる。また、ヒータ8としては、エンジン2の排気熱を利用するものであってもよい。このヒータ8及びポンプ5は、エンジン2に供給される燃料を加圧及び加熱して超臨界状態とする超臨界状態生成手段として機能する。
【0026】
ここで「超臨界状態」とは、燃料を臨界圧力以上の圧力下で臨界温度以上の温度まで昇温することにより得られる状態を意味する。超臨界状態まで液体状の燃料を昇圧昇温させることにより、燃料は気体に相変化するが、超臨界状態での気体は極めて高い密度を有するため液体に近い物性を示す。
【0027】
すなわち、燃料は、超臨界状態となることにより、気体と液体の中間の物性を示す流体となり、種々の特異な性質を示す。例えば、液体状の燃料を超臨界状態にすることにより、インジェクタ10によりエンジン2内に噴射する際、通常の液体時に比べはるかに微細な粒子が均一に形成される。
【0028】
超臨界状態室7内には、改質触媒9が配設されている。改質触媒9は、超臨界状態となった燃料の改質を促進するものであり、例えばハニカム体に白金、ロジウムを付着させたものが用いられる。
【0029】
超臨界状態室7の下流側には、インジェクタ10が設けられている。インジェクタ10は、超臨界状態となった燃料をエンジン2に噴射する噴射手段として機能するものである。このインジェクタ10の作動制御は、ECU6により行われる。
【0030】
次に本実施形態に係る燃料供給装置の動作について説明する。
【0031】
図1において、ECU6からポンプ5に作動信号が出力され、ポンプ5が駆動する。このポンプ5の駆動により、燃料タンク3から液体状の燃料が吸い上げられ燃料供給路4の上流側に向けて流通する。そして、燃料は、超臨界状態室7に圧送される。このとき、燃料は、ポンプ5の駆動によって所定の圧力に加圧される。その際、燃料の圧力が3〜5MPaになるように加圧することが望ましい。
【0032】
一方、ECU6からヒータ8に作動信号が出力され、ヒータ8が発熱する。これにより、超臨界状態室7が所定の温度に加熱される。その際、超臨界状態室7内の燃料の温度が250〜350゜Cとなるように加熱することが望ましい。
【0033】
このようなポンプ5の加圧及びヒータ8の加熱により、燃料が超臨界状態となる。そして、燃料は超臨界状態室7内で改質触媒9に接触する。これにより、燃料は、迅速かつ高収率で高沸点成分(重質成分)から低沸点成分(軽質成分)に転化して改質される。
【0034】
そして、超臨界状態となり改質された燃料は、超臨界状態室7からインジェクタ10に向けて流通する。そして、ECU6からインジェクタ10に作動信号が出力され、インジェクタ10から改質された燃料がエンジン2に噴射される。
【0035】
エンジン2に噴射された燃料は改質された低沸点成分を多く含むものであるので、燃料の燃焼性が向上する。また、燃焼に寄与しない高沸点成分の未蒸発の燃料が吸気管や燃焼室の壁面に付着することを防止できる。
【0036】
また、冷間始動時においては、改質された沸点45゜C以下の低沸点成分の燃料をエンジン2に供給することにより、−20゜Cまで理論空燃比で始動可能となる。その際、始動から暖機運転中までエンジン2から排出されるHCを80%以上低減できる。
【0037】
また、加速時などの高負荷運転時においては、炭素数4以下に改質された燃料をエンジン2に供給することにより、燃料のオクタン価が向上する。これにより、ノッキングが抑制され、エンジンの信頼性が向上する。また、エンジン出力及び燃費の向上が図れる。
【0038】
更に、オクタン価の低い燃料を使用した場合でも、高圧縮比エンジンを駆動できるので、パーシャル運転域での燃費向上が図れ、低価格燃料使用による走行燃料費の低減が図れる。
【0039】
以上のように、本実施形態に係る燃料供給装置1によれば、超臨界状態となった燃料を改質触媒9に接触させることにより、燃料を迅速かつ高収率で高沸点成分(重質成分)から低沸点成分(軽質成分)に転化して燃料を改質することができる。このため、超臨界状態となり改質された燃料をエンジン2に供給でき、燃料の燃焼性を向上させることができる。従って、冷間始動時におけるエミッションの低減が図れ、高負荷運転時におけるノッキングを抑制できる。
(第二実施形態)
次に第二実施形態に係る燃料供給装置について説明する。
【0040】
図2は、本実施形態に係る燃料供給装置の構成概要図である。本図に示すように、本実施形態に係る燃料供給装置1aは、超臨界状態となり改質された燃料をエンジン2に供給する第一供給路4aと、非超臨界状態である燃料をエンジン2に供給する第二供給路4bとの二つの燃料供給路を備えたものである。
【0041】
第一供給路4aには、上流側からポンプ5a、超臨界状態室7、インジェクタ10が順次設けられている。第二供給路4bには、上流側からポンプ5b、デリバリパイプ11、インジェクタ12が設けられている。ポンプ5aは、上述したポンプ5と同様な加圧機能を有するものであり、燃料を3〜5MPaに加圧できるものが用いられる。
【0042】
ポンプ5bは、ポンプ5aより低圧タイプのものが用いられ、例えば燃料を0.3〜0.5MPaに加圧するものが用いられる。ポンプ5bにより加圧された燃料は、デリバリパイプ11を通じてインジェクタ12に送られエンジン2に噴射される。例えば、インジェクタ12は筒内噴射用として用いられ、インジェクタ10はポート噴射用として用いられる。
【0043】
このような燃料供給装置1aによれば、第一供給路4aを通じて、ポンプ5aにより燃料を加圧しヒータ8により燃料を加熱して超臨界状態としつつ、改質触媒9により燃料の改質を促進し、改質された燃料をエンジン2に供給することができる。一方、第二供給路4bを通じて非超臨界状態である通常の燃料をエンジン2に供給することができる。
【0044】
そして、エンジン2の駆動状態に応じて第一供給路4a及び第二供給路4bの一方を選択し、第一供給路4a又は第二供給路4bを通じて燃料をエンジン2に供給することにより、必要に応じて改質された燃料をエンジン2に供給することが可能となる。
【0045】
例えば、エンジン2の冷間始動時や高負荷運転時に第一供給路4aを通じて超臨界状態で改質された燃料を供給することにより、燃料の燃焼性を向上でき、エミッションを低減し、ノッキングを抑制できる。一方、エンジン2の冷間始動時及び高負荷運転時以外の時に第二供給路4bを通じて非超臨界状態の通常の燃料を供給することにより、超臨界状態を生成するためのポンプ5aやヒータ8の作動を停止させることができ、駆動損失の低減が図れ、燃費の向上が図れる。
(第三実施形態)
次に第三実施形態に係る燃料供給装置について説明する。
【0046】
図3は、本実施形態に係る燃料供給装置の構成概要図である。本図に示すように、本実施形態に係る燃料供給装置1bは、図1の燃料供給装置1とほぼ同様な構成を有するものであり、超臨界状態室7内において改質触媒9に代え、燃料分離器20を設置したものである。
【0047】
燃料分離器20は、超臨界状態の燃料の通過を許容し非超臨界状態の燃料の通過を防止して超臨界状態の燃料と非超臨界状態の燃料とを分離する分離手段である。この燃料分離器20としては、例えば小さな孔を複数形成した板状体、多孔質体、金属繊維やセラミック繊維を網状にして積層したもの、細いスリットを形成した板体又はこれらの複合体などが用いられる。
【0048】
燃料分離器20は、例えば超臨界状態室7の出口近傍に一体に設けられる。図3では超臨界状態室7内に設置されているが、この超臨界状態室7外に設置してもよい。この場合は温度圧力が低下しないようにする必要がある。
【0049】
次に本実施形態に係る燃料供給装置1bの動作について説明する。
【0050】
図3において、ECU6からポンプ5に作動信号が出力され、ポンプ5が駆動する。このポンプ5の駆動により、燃料タンク3から液体状の燃料が吸い上げられ燃料供給路4の上流側に向けて流通する。そして、燃料は、超臨界状態室7に圧送される。このとき、燃料は、ポンプ5の駆動によって所定の圧力に加圧される。その際、燃料の圧力が3〜5MPaになるように加圧することが望ましい。
【0051】
一方、ECU6からヒータ8に作動信号が出力され、ヒータ8が発熱する。これにより、超臨界状態室7が所定の温度に加熱される。その際、超臨界状態室7内の燃料の温度が200゜Cとなるように加熱することが望ましく、200±10゜Cに温度維持することが望ましい。
【0052】
このように加熱することにより、燃料の低沸点成分のみを超臨界状態とすることができる。例えば、燃料タンク3に貯留される燃料がプロパン、ペンタン、ヘキサン、ベンゼン、トルエンを含むものである場合、臨界温度が低く低沸点成分であるプロパン、ペンタンのみを超臨界状態とすることが可能となる。
【0053】
そして、ポンプ5の加圧及びヒータ8の加熱により、燃料の低沸点成分のみが超臨界状態となる。一方、燃料のうち高沸点成分は超臨界状態とならず非臨界状態のままとなる。
【0054】
ここで、超臨界状態の液体は、粘性度が通常の気体程度であり通常の液体に対し非常に小さい。また、超臨界状態の液体は、拡散係数が通常の気体と通常の液体との中間程度の特性を有する。このため、超臨界状態の燃料成分は、通常の液体状態の場合に比べ、狭い通路を通過しやすい性質となる。
【0055】
これにより、超臨界状態の燃料である低沸点成分は燃料分離器20を通過し、インジェクタ10に向けて流通していく。一方、非超臨界状態の燃料である高沸点成分は燃料分離器20を通過できず、インジェクタ10側へ向けて流通することが防止される。
【0056】
そして、超臨界状態の低沸点成分の燃料は、インジェクタ10からエンジン2に噴射される。エンジン2に噴射された燃料は低沸点成分を多く含むものであるので、燃料の燃焼性が向上する。また、燃焼に寄与しない高沸点成分の未蒸発の燃料が吸気管や燃焼室の壁面に付着することを防止できる。
【0057】
また、冷間始動時においては、改質された沸点45゜C以下の低沸点成分の燃料をエンジン2に供給することにより、−20゜Cまで理論空燃比で始動可能となる。その際、始動から暖機運転中までエンジン2から排出されるHCを80%以上低減できる。
【0058】
また、加速時などの高負荷運転時においては、炭素数4以下に改質された燃料をエンジン2に供給することにより、燃料のオクタン価が向上する。これにより、ノッキングが抑制され、エンジンの信頼性が向上する。また、エンジン出力及び燃費の向上が図れる。
【0059】
更に、オクタン価の低い燃料を使用した場合でも、高圧縮比エンジンを駆動できるので、パーシャル運転域での燃費向上が図れ、低価格燃料使用による走行燃料費の低減が図れる。
【0060】
以上のように、本実施形態に係る燃料供給装置1bによれば、超臨界状態となった燃料を非臨界状態の燃料と分離することにより、低沸点成分(軽質成分)の燃料のみをエンジン2に供給でき、燃料の燃焼性を向上させることができる。従って、冷間始動時におけるエミッションの低減が図れ、高負荷運転時におけるノッキングを抑制できる。
【0061】
なお、上述した実施形態に係る燃料供給装置1bでは、一つの燃料供給路4により燃料の供給を行う場合について説明したが、図4に示すように、第一供給路4a、第二供給路4bを通じ、いずれか一方を選択して燃料供給するものであってもよい。
【0062】
この場合、第二実施形態係る燃料供給装置1aと同様に、第一供給路4a又は第二供給路4bを通じ、必要に応じて低沸点成分の燃料をエンジン2に供給することが可能となる。例えば、エンジン2の冷間始動時や高負荷運転時に第一供給路4aを通じて低沸点成分の燃料を供給することにより、燃料の燃焼性を向上でき、エミッションを低減し、ノッキングを抑制できる。一方、エンジン2の冷間始動時及び高負荷運転時以外の時に第二供給路4bを通じて非超臨界状態の通常の燃料を供給することにより、超臨界状態を生成するためのポンプ5aやヒータ8の作動を停止させることができ、駆動損失の低減が図れ、燃費の向上が図れる。
(第四実施形態)
次に第四実施形態に係る燃料供給装置について説明する。
【0063】
図5は、本実施形態に係る燃料供給装置の構成概要図である。本図に示すように、本実施形態に係る燃料供給装置1dは、図1の燃料供給装置1とほぼ同様な構成を有するものであり、超臨界状態室7内において改質触媒9に加え、燃料分離器20を設置したものである。改質触媒9は、第一実施形態で説明したものと同様なものが用いられる。また、燃料分離器20は、第三実施形態で説明したものと同様なものが用いられる。
【0064】
このような燃料供給装置1dによれば、図5において、ポンプ5の駆動により、燃料タンク3から液体状の燃料が吸い上げられ燃料供給路4の上流側に向けて流通する。そして、燃料は、超臨界状態室7に圧送される。このとき、燃料は、ポンプ5の駆動によって所定の圧力に加圧される。その際、燃料の圧力が3〜5MPaになるように加圧することが望ましい。
【0065】
一方、ヒータ8の発熱により、超臨界状態室7が所定の温度に加熱される。その際、超臨界状態室7内の燃料の温度が250〜350゜Cとなるように加熱することが望ましい。このようなポンプ5の加圧及びヒータ8の加熱により、燃料が超臨界状態となる。そして、燃料は超臨界状態室7内で改質触媒9に接触する。これにより、燃料は、迅速かつ高収率で高沸点成分(重質成分)から低沸点成分(軽質成分)に転化して改質される。
【0066】
そして、超臨界状態となり改質された燃料は、燃料分離器20を通過して超臨界状態室7からインジェクタ10に向けて流通する。一方、超臨界状態室7にて、超臨界状態にならなかった非超臨界状態の燃料は、燃料分離器20を通過できず、インジェクタ10側へ向けて流通することが防止される。
【0067】
そして、超臨界状態の低沸点成分の燃料は、インジェクタ10からエンジン2に噴射される。エンジン2に噴射された燃料は低沸点成分を多く含むものであるので、燃料の燃焼性が向上する。また、燃焼に寄与しない高沸点成分の未蒸発の燃料が吸気管や燃焼室の壁面に付着することを防止できる。
【0068】
また、冷間始動時においては、改質された沸点45゜C以下の低沸点成分の燃料をエンジン2に供給することにより、−20゜Cまで理論空燃比で始動可能となる。その際、始動から暖機運転中までエンジン2から排出されるHCを80%以上低減できる。
【0069】
また、加速時などの高負荷運転時においては、炭素数4以下に改質された燃料をエンジン2に供給することにより、燃料のオクタン価が向上する。これにより、ノッキングが抑制され、エンジンの信頼性が向上する。また、エンジン出力及び燃費の向上が図れる。
【0070】
更に、オクタン価の低い燃料を使用した場合でも、高圧縮比エンジンを駆動できるので、パーシャル運転域での燃費向上が図れ、低価格燃料使用による走行燃料費の低減が図れる。
【0071】
以上のように、本実施形態に係る燃料供給装置1dによれば、超臨界状態となった燃料を改質触媒9に接触させることにより、燃料を迅速かつ高収率で高沸点成分(重質成分)から低沸点成分(軽質成分)に転化して燃料を改質することができる。また、燃料分離器20により超臨界状態とならなかった燃料がエンジン2に供給されることを防止できる。このため、改質された低沸点成分の燃料を高濃度でエンジン2に供給でき、燃料の燃焼性を向上させることができる。従って、冷間始動時におけるエミッションの低減が図れ、高負荷運転時におけるノッキングを抑制できる。
【0072】
なお、上述した実施形態に係る燃料供給装置1dでは、一つの燃料供給路4により燃料の供給を行う場合について説明したが、図6に示すように、第一供給路4a、第二供給路4bを通じ、いずれか一方を選択して燃料供給するものであってもよい。
【0073】
この場合、第二実施形態係る燃料供給装置1aと同様に、第一供給路4a又は第二供給路4bを通じ、必要に応じて低沸点成分の燃料をエンジン2に供給することが可能となる。例えば、エンジン2の冷間始動時や高負荷運転時に第一供給路4aを通じて低沸点成分の燃料を供給することにより、燃料の燃焼性を向上でき、エミッションを低減し、ノッキングを抑制できる。一方、エンジン2の冷間始動時及び高負荷運転時以外の時に第二供給路4bを通じて非超臨界状態の通常の燃料を供給することにより、超臨界状態を生成するためのポンプ5aやヒータ8の作動を停止させることができ、駆動損失の低減が図れ、燃費の向上が図れる。
(第五実施形態)
次に第五実施形態に係る燃料供給装置について説明する。
【0074】
図7は、本実施形態に係る燃料供給装置の構成概要図である。本図に示すように、本実施形態に係る燃料供給装置1fは、図3の燃料供給装置1bとほぼ同様な構成を有するものであるが、超臨界状態にならなかった燃料を燃料供給路4の上流側に戻すリターン路30を設けた点で異なっている。
【0075】
リターン路30は、超臨界状態室7の燃料分離器20の上流側と燃料供給路4のポンプ5の上流側を連通している。このため、リターン路30により、燃料分離器20を通過できない非超臨界状態の燃料を超臨界状態生成手段として機能するポンプ5の上流側へ戻すことができる。
【0076】
リターン路30の途中には、ポンプ5側から超臨界状態室7側への流れを防止するチェック弁31が設けられている。また、リターン路30の途中には、ポンプ5側へ戻される燃料を冷却する冷却器32が設けられている。また、燃料供給路4のポンプ5の下流側には、超臨界状態室7側からポンプ5側への流れを防止するチェック弁33が設けられている。ポンプ5、チェック弁31、チェック弁33の圧力関係は、ポンプ5>チェック弁31≧チェック弁33とされる。
【0077】
次に本実施形態に係る燃料供給装置1fの動作について説明する。
【0078】
図7において、ポンプ5の駆動により燃料タンク3から液体状の燃料が吸い上げられ燃料供給路4の上流側に向けて流通する。そして、燃料は、超臨界状態室7に圧送される。このとき、燃料は、ポンプ5の駆動によって所定の圧力に加圧される。その際、燃料の圧力が3〜5MPaになるように加圧することが望ましい。
【0079】
一方、ヒータ8の発熱により、超臨界状態室7が所定の温度に加熱される。その際、超臨界状態室7内の燃料の温度が200゜Cとなるように加熱することが望ましく、200±10゜Cに温度維持することが望ましい。このように加熱することにより、燃料の低沸点成分のみを超臨界状態とすることができる。例えば、燃料タンク3に貯留される燃料がプロパン、ペンタン、ヘキサン、ベンゼン、トルエンを含むものである場合、臨界温度が低く低沸点成分であるプロパン、ペンタンのみを超臨界状態とすることが可能となる。
【0080】
そして、ポンプ5の加圧及びヒータ8の加熱により、燃料の低沸点成分のみが超臨界状態となる。一方、燃料のうち高沸点成分は超臨界状態とならず非臨界状態のままとなる。
【0081】
超臨界状態となった低沸点成分の燃料は、燃料分離器20を通過し、インジェクタ10に向けて流通していく。そして、超臨界状態の低沸点成分の燃料は、インジェクタ10からエンジン2に噴射される。エンジン2に噴射された燃料は低沸点成分を多く含むものであるので、燃料の燃焼性が向上する。また、燃焼に寄与しない高沸点成分の未蒸発の燃料が吸気管や燃焼室の壁面に付着することを防止できる。
【0082】
また、冷間始動時においては、改質された沸点45゜C以下の低沸点成分の燃料をエンジン2に供給することにより、−20゜Cまで理論空燃比で始動可能となる。その際、始動から暖機運転中までエンジン2から排出されるHCを80%以上低減できる。また、加速時などの高負荷運転時においては、炭素数4以下に改質された燃料をエンジン2に供給することにより、燃料のオクタン価が向上する。これにより、ノッキングが抑制され、エンジンの信頼性が向上する。また、エンジン出力及び燃費の向上が図れる。更に、オクタン価の低い燃料を使用した場合でも、高圧縮比エンジンを駆動できるので、パーシャル運転域での燃費向上が図れ、低価格燃料使用による走行燃料費の低減が図れる。
【0083】
一方、超臨界状態室7にて超臨界状態にならなかった非超臨界状態の燃料は、燃料分離器20を通過できず、インジェクタ10側へ向けて流通することが防止される。この非超臨界状態の燃料は、リターン路30を通じて燃料タンク3側へ戻される。その際、冷却器32により冷却され、高温状態から常温状態又は常温に近い温度状態となる。
【0084】
以上のように、本実施形態に係る燃料供給装置1fによれば、燃料の燃焼性の向上という効果に加え、超臨界状態とならなかった燃料を燃料タンク3側へ戻せるため、超臨界状態とならなかった燃料が超臨界状態室7内に溜まることを防止できる。このため、連続的に超臨界状態の燃料を生成し、そのような燃料のエンジン2への連続供給が円滑に行える。
【0085】
また、リターン路30により戻される燃料を冷却器32で冷却することにより、ベパーロックや蒸発燃料の発生を抑制できる。
(第六実施形態)
次に第六実施形態に係る燃料供給装置について説明する。
【0086】
図8は、本実施形態に係る燃料供給装置の構成概要図である。本図に示すように、本実施形態に係る燃料供給装置1gは、図7の燃料供給装置1fとほぼ同様な構成を有するものであるが、燃料タンク3から超臨界状態室7を介さずエンジン2に燃料を供給するバイパス供給路40が設けられている点で異なっている。
【0087】
図8に示すように、ポンプ5の下流側とデリバリパイプ11との間にバイパス供給路40が設けられている。バイパス供給路40の途中には、開閉自在な電磁弁41が設けられている。電磁弁41は、ECU6の作動信号を受けて開閉制御されている。また、デリバリパイプ11には、燃料の圧力を検出する燃圧センサ13が取り付けられている。燃圧センサ13の検出信号は、ECU6に入力される。
【0088】
また、燃料供給路4における超臨界状態室7とデリバリパイプ11との間には、デリバリパイプ11側から超臨界状態室7への逆流を防止するチェック弁42が設けられている。
【0089】
このような燃料供給装置1gによれば、冷間始動時には、ポンプ5の加圧及びヒータ8の加熱により超臨界状態室7にて燃料を超臨界状態とし、燃料供給路4を通じて低沸点成分の燃料をエンジン2に供給する。
【0090】
その際、エンジン2の吸入空気量、スロットル開度、燃圧の状態などに基づき、燃料噴射量の不足が予想されるときには、電磁弁41を開いて、バイパス供給路40を通じて燃料をエンジン2に供給する。これにより、燃料供給不足を防止することができる。
【0091】
一方、暖機後には、電磁弁41を開いて、バイパス供給路40を通じて燃料をエンジン2に供給する。その際、ヒータ8の通電を停止する。これにより、駆動損失の低減が図れ、燃費向上が図れる。
【0092】
なお、図8では、バイパス供給路40をポンプ5の下流側とデリバリパイプ11との間に設けているが、ポンプ5の上流側とデリバリパイプ11との間に設けてもよい。
【0093】
また、本実施形態では、図7の燃料供給装置1fにバイパス供給路40を増設したものについて説明したが、図1、3、5の燃料供給装置に対しバイパス供給路40を増設したものであってもよい。これらの場合も、本実施形態に係る燃料供給装置1gと同様に燃料供給不足の防止などの作用効果が得られる。
(第七実施形態)
次に第七実施形態に係る燃料供給装置について説明する。
【0094】
図9は、本実施形態に係る燃料供給装置の構成概要図である。本図に示すように、本実施形態に係る燃料供給装置1hは、図8の燃料供給装置1gとほぼ同様な構成を有するものであるが、燃料供給路4の途中に超臨界状態室7で生成された低沸点成分の燃料を貯留する貯留タンク50を設けた点で異なっている。
【0095】
図9に示すように、燃料供給路4における超臨界状態室7とデリバリパイプ11の間には貯留タンク50が設けられている。貯留タンク50は、蓄圧容器により構成され、電磁弁51の開くことに燃料の収容及び排出が可能となっている。
【0096】
また、燃料供給路4における超臨界状態室7とデリバリパイプ11の間には、貯留タンク50から超臨界状態室7への逆流を防止するチェック弁52が設けられている。
【0097】
このような燃料供給装置1hによれば、電磁弁51を開くことにより、超臨界状態室7にて生成した低沸点成分の燃料を貯留タンク50に収容することができる。そして、電磁弁51を閉じることにより、貯留タンク50に低沸点成分の燃料を貯留しておくことができる。
【0098】
そして、冷間始動時において、電磁弁51を開くことにより、揮発性のよい低沸点成分の燃料を貯留タンク50からエンジン2に直ちに供給することができる。これにより、エンジン始動性の向上、ドライビリィティの向上及びエミッションの低減を図ることができる。
【0099】
貯留タンク50への低沸点成分の燃料の収容は、冷間始動時における超臨界状態の燃料生成時に行ってもよいし、暖機後における超臨界状態の燃料生成時に行ってもよい。
【0100】
なお、本実施形態では、図8の燃料供給装置1gに貯留タンク50を設けた場合について説明したが、図1〜7の燃料供給装置に貯留タンク50を設けた場合でもよい。これらの場合も、本実施形態に係る燃料供給装置1hと同様に、冷間始動時において、揮発性のよい低沸点成分の燃料を貯留タンク50からエンジン2に直ちに供給することによって、エンジン始動性の向上、ドライビリィティの向上及びエミッションの低減が図れる。
(第八実施形態)
次に第八実施形態に係る燃料供給装置について説明する。
【0101】
図10は、本実施形態に係る燃料供給装置の構成概要図である。本図に示すように、本実施形態に係る燃料供給装置1iは、図3の燃料供給装置1bとほぼ同様な構成を有するものであるが、燃料の超臨界状態の生成が正常に行われているか否かを検出する検出手段を設けた点で異なっている。
【0102】
図10に示すように、超臨界状態室7には温度センサ61が設けられている。温度センサ61は、超臨界状態とされる燃料の温度を計測する温度計測手段である。また、超臨界状態室7の下流位置には、圧力センサ62が設けられている。圧力センサ62は、超臨界状態とされる燃料の圧力を計測する圧力計測手段である。
【0103】
次に本実施形態に係る燃料供給装置における異常検出について説明する。
【0104】
図11は、本実施形態に係る燃料供給装置における異常検出処理のフローチャートである。本図のS10に示すように、燃料の温度が読み込まれる。この燃料の温度の読み込みは、温度センサ61の検出信号に基づいて行われる。そして、燃料の温度が所定の温度範囲内であるか否かが判断される(S12)。
【0105】
所定の温度範囲は、予めECU6に設定され、例えば200±100゜Cに設定される。S12にて所定の温度範囲内でないと判断されたときには、S14に移行し、異常報知処理が行われる。異常報知処理は、燃料が正常に超臨界状態になっていないことを報知する処理であり、例えば異常表示や異常音の発生などにより行われる。
【0106】
一方、S12にて所定の温度範囲内であると判断されたときには、S16に移行し、燃料の圧力が読み込まれる。この燃料の圧力の読み込みは、圧力センサ62の検出信号に基づいて行われる。そして、燃料の圧力が所定の圧力範囲内であるか否かが判断される(S18)。
【0107】
所定の温度範囲は、予めECU6に設定され、例えば1〜7MPaに設定される。S18にて所定の温度範囲内でないと判断されたときには、S14に移行し、異常報知処理が行われる。一方、S18にて所定の圧力範囲内であると判断されたときには、制御処理を終了する。
【0108】
以上のように、本実施形態に係る燃料供給装置1iによれば、超臨界状態とされる燃料の温度及び圧力を計測することにより、燃料が正常に超臨界状態となっているか否かを判別することができる。従って、装置の異常検出が行える。
【0109】
なお、本実施形態では、図3の燃料供給装置1bに温度センサ61及び圧力センサ62を設けて燃料の超臨界状態の生成が正常に行われているか否かを検出するものについて説明したが、図1、2、4〜9の燃料供給装置に温度センサ61及び圧力センサ62を設け、同様にして燃料の超臨界状態の生成が正常に行われているか否かを検出するものであってもよい。更に、超臨界状態室7内に改質触媒9や燃料分離器20を設置しない燃料供給装置に温度センサ61及び圧力センサ62を設けて適用してもよい。
【0110】
また、図12に示すように、超臨界状態室7には粘度センサ63を設け、超臨界状態とされる燃料の粘度を計測し、その粘度の状態に応じて燃料の超臨界状態の生成が正常に行われているか否かを検出するものであってもよい。この場合、粘度センサ63としては、燃料の粘度を計測できるものであればよく、例えば細管粘度計、回転粘度計、落体粘度計、振動粘度計などが用いられる。燃料の粘度が予め設定される粘度以上であるときには異常として報知処理を行う。このような燃料供給装置であっても、上述した燃料供給装置1iと同様に、燃料が正常に超臨界状態となっているか否かを判別することができ、装置の異常検出が行える。
(第九実施形態)
次に第九実施形態に係る燃料供給装置について説明する。
【0111】
図13は、本実施形態に係る燃料供給装置の構成概要図である。本図に示すように、燃料供給路4には、上流側から電磁弁71、チェック弁72が順次設けられている。デリバリパイプ11と電磁弁71の上流側との間には、リターン路73が設けられている。リターン路73には電磁弁74が設けられている。電磁弁72の下流位置には、分岐路80を介して容器81が接続されている。分岐路80には、電磁弁82、ポンプ83が設けられている。
【0112】
容器81は、低沸点成分の燃料を収容可能とした容器であり、燃料供給装置1kに対し着脱自在とするカートリッジタイプのものが用いられる。このため、容器81を取り外して低沸点成分の燃料を補充することが可能である。
【0113】
なお、電磁弁71、74、82及びポンプ83などは図示しないECUにより作動制御されている。
【0114】
次に本実施形態に係る燃料供給装置1kの動作について説明する。
【0115】
図13において、冷間始動時では、電磁弁71を閉じ、電磁弁82及び74を開いた状態でポンプ83を駆動させる。これにより、容器81に収容される低沸点成分の燃料が分岐路80を通じてデリバリパイプ11に向けて圧送される。このため、低沸点成分の燃料を直ちにエンジン2に供給することができる。従って、エンジン始動性の向上、ドライビリィティの向上及びエミッションの低減を図ることができる。
【0116】
一方、冷間始動時以外の時には、電磁弁82、74を閉じ、電磁弁71を開いた状態で燃料タンク3内の燃料ポンプ90を作動させることにより通常の燃料を燃料供給路4を通じてエンジン2に供給することができる。
【0117】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、燃料の燃焼性の向上が図れる燃料供給装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態に係る燃料供給装置の構成概要図である。
【図2】第二実施形態に係る燃料供給装置の構成概要図である。
【図3】第三実施形態に係る燃料供給装置の構成概要図である。
【図4】第三実施形態に係る燃料供給装置の変形例の説明図である。
【図5】第四実施形態に係る燃料供給装置の構成概要図である。
【図6】第四実施形態に係る燃料供給装置の変形例の説明図である。
【図7】第五実施形態に係る燃料供給装置の構成概要図である。
【図8】第六実施形態に係る燃料供給装置の構成概要図である。
【図9】第七実施形態に係る燃料供給装置の構成概要図である。
【図10】第八実施形態に係る燃料供給装置の構成概要図である。
【図11】図10の燃料供給装置における異常検出処理のフローチャートである。
【図12】第八実施形態に係る燃料供給装置の変形例の説明図である。
【図13】第九実施形態に係る燃料供給装置の構成概要図である。
【符号の説明】
1…燃料供給装置、2…エンジン、3…燃料タンク、4…燃料供給路、5…ポンプ、6…ECU、7…超臨界状態室、8…ヒータ、9…改質触媒。
Claims (6)
- 内燃機関に燃料を供給する燃料供給装置において、
前記燃料を加圧及び加熱により超臨界状態とする超臨界状態生成手段と、
超臨界状態となった燃料と非超臨界状態の燃料とを分離する分離手段とを備え、
前記超臨界状態となった燃料を前記内燃機関に供給すること、
を特徴とする燃料供給装置。 - 前記分離手段は、前記超臨界状態生成手段として超臨界状態を生成する超臨界状態室の内部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料供給装置。
- 前記超臨界状態生成手段と前記内燃機関との間に設けられ、超臨界状態となった燃料を貯留する貯留手段を備え、
前記貯留手段に貯留される燃料を前記内燃機関に供給可能としたこと、
を特徴とする請求項1又は2に記載の燃料供給装置。 - 前記超臨界状態生成手段により超臨界状態とされる燃料の温度を計測する温度計測手段と、
前記超臨界状態生成手段により超臨界状態とされる燃料の圧力を計測する圧力計測手段と、
前記燃料の温度が所定の温度範囲内でなく又は前記燃料の圧力が所定の圧力範囲内でないときに、装置異常を報知する報知手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1又は2の記載の燃料供給装置。 - 前記超臨界状態生成手段により加圧及び加熱された燃料の粘性を計測する粘性計測手段と、
前記粘性計測手段により計測された粘性値が所定の粘性値以上であるときに、装置異常を報知する報知手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料供給装置。 - 超臨界状態となった燃料の改質を行う改質触媒を備え、
前記分離手段は、前記改質触媒により改質された燃料を分離すること、
を特徴とする請求項1に記載の燃料供給装置。
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