JP4078216B2 - 流量調整弁及びその調整方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造装置などで微小流量の制御流体を吐出可能な流量調整弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造装置などで微小流量の制御流体を吐出可能な流量調整弁は、従来から様々なものが提案されており、例えば、図5の断面図に示すように、差動ネジを使用して弁開度を微妙に調整する流量調整弁100がある。
【0003】
流量調整弁100は、ダイアフラム弁体101がディスク102を介してスライドステム103に押し下げられて弁座104に当接し、スライドステム103が上昇することにより、スプリング105の反力で上方に移動して弁座104から離間するようにしたものである。スライドステム103は、差動ネジによるネジ送りによって昇降するよう構成されている。スライドステム103は、内周に雌ネジが形成され、スピンドル106の外周に形成された雄ネジと螺合しており、スライドステム103とスピンドル106とのネジ部によって内ネジ121が構成されている。また、スピンドル106は、アウタースリーブ107にナット108で固定され、アウタースリーブ107の外周に形成された雄ネジが、ベース管109の内周に形成された雌ネジと螺合して、外ネジ122を構成している。アウタースリーブ107の上端部には、ハンドル110が固定ネジ111で固定されている。
【0004】
こうした構成により、ハンドル110を所定方向に回転させれば、アウタースリーブ107が外ネジ122により回転して下降し、一方、下降するスピンドル106に螺合するスライドステム103が、回転止めされ、スピンドル106との内ネジ121によって相対的に上昇する。こうして、スライドステム103が、内ネジ121と外ネジ122とのピッチ差によって下降し、或いは、ハンドル110の逆回転によって上昇し、スライドステム103に押し付けられたダイアフラム弁体101の開度を微妙に調整できる(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
こうした流量調整弁100は、半導体製造装置の薬液供給ラインなどに組み込まれる。薬液供給ラインは、複数の薬液を制御するために複数備えられ、各ライン毎に流量調整弁100や流量調整用開閉弁などの流体制御機器を配設されている。この場合に、例えば、流量調整弁100と流量調整用開閉弁とを流路ブロックに並設してユニット化することにより、接続継手を排除するなどして、薬液供給ラインの短縮を図っている(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
【特許文献1】
実用新案登録第2541613号公報(第2〜4頁、第1図。)
【特許文献2】
特開2001−263507号公報(第3〜5頁、第2図。)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図5に示す流量調整弁100は、スライドステム103のストロークがディスク102の移動量によって決定され、ディスク102の移動量が、弁座104の高さ、ダイアフラム弁体101の薄膜部の肉厚、ディスク102の厚さなどの寸法公差の影響を直接受けるため、各部材の寸法公差を考慮してスライドステム103に余分なネジを形成しなければならなかった。
【0008】
具体的には、外ネジ122のピッチが0.55mm、内ネジ121のピッチが0.50mm、ディスク102の移動量に影響を与える各部材の寸法公差の積算値が0.50mmであるときには、外ネジ122と内ネジ121のピッチ差が0.05mmと細かい分、ハンドル110を多く回転させて、スライドステム103を昇降させる必要があり、そのネジを確保するために、スライドステム103の全長を寸法公差を考慮しない場合より5.00mmも長くしなければならなかった。それに伴って、流量調整弁100の全高も、5.00mm程度高くなってしまっていた。
【0009】
これは、例えば、装置サイズのコンパクト化が進む半導体製造装置に流量調整弁100を組み込んだときに、流量調整弁100が突出して邪魔になるため、好ましくない。特に、例えば、流量調整用開閉弁の上部に差動ネジを設け、流量調整用開閉弁と流量調整弁とを一体化することにより、装置サイズのコンパクト化を図ろうとしたときに、単に流量調整弁100の差動ネジの構造を流量調整用開閉弁に適用したのみでは、全高が高くなり、上記問題が顕著になる。
【0010】
そこで、本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、全高の低い流量調整弁を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る流量調整弁は、上記課題を解決するために、次のような構成を有している。
(1)弁座に当接又は離間する弁体を保持するピストンの移動量を調整する弁開度調整ロッドの位置を、差動ネジの内ネジと外ネジのネジ送りによって調整し、ピストンの弁座側に操作エアを供給したときに、ピストンをピストン付勢部材の付勢力に抗して、前記弁体が弁座と離間する開弁方向に移動させて弁体を弁座から離間させる流量調整弁を用いた流量調整弁の調整方法であって、ピストンをピストン付勢部材の付勢力で閉弁方向に移動させて閉弁し、弁開度調整ロッドに螺合し、そのネジ部で差動ネジの内ネジを設けるストローク調整ロッドを、所定方向に回転させて弁体の開弁方向に移動させ、弁開度調整ロッドがピストンに突き当てられた位置を初期位置として設定し、ストローク調整ロッドを所定方向と反対方向に規定の回転数回転させることを特徴とする。
【0012】
(2)(1)に記載の発明において、初期位置を設定するときには、操作エアをピストンの弁座側に供給するとともに、一次側に微圧エアを供給して、その微圧エアの二次側への漏れを検知しながら行い、初期位置に設定したストローク調整ロッドを所定方向と反対方向に回転するときには、操作エアの供給を停止することを特徴とする。
【0013】
(3)(1)又は(2)に記載の発明において、ピストンの弁座側に操作エアを供給した状態で、ストローク調整ロッドに固定されるとともにシリンダと螺合するネジ部で外ネジを設ける操作部材を回転させることにより流量調整を行い、さらに、操作部材に対してロック部材を開弁方向に連結して、操作部材をロックすることを特徴とする。
【0014】
(4)弁体を弁座から離間させる弁開度を微妙に調整することにより、制御流体を流量調整する流量調整弁において、(1)〜(3)に記載の発明により、弁開度を調整したことを特徴とする。
【0015】
(5)(4)に記載の発明において、シリンダに螺合するネジ部で外ネジを設け、ストローク調整ロッドに固設される操作部材と、操作部材に対して外ネジのガタ方向に連結し、操作部材をロックするロック部材を有することを特徴とする。
【0016】
(6)(4)又は(5)に記載の発明において、弁開度調整ロッドとピストンとの間に配設され、弁開度調整ロッドを開弁方向に付勢するロッド付勢部材を有することを特徴とする。
【0017】
従って、上記構成を有する発明によれば、ピストンをピストン付勢部材で閉弁方向に付勢し、ストローク調整ロッドを所定方向に回転して開弁方向に移動させることにより、内ネジのネジ送りで弁開度調整ロッドを相対的に閉弁方向に移動させてピストンに突き当て、その状態を初期位置として設定した後に、ストローク調整ロッドを所定方向と反対方向に規定の回転数回転させることによって閉弁方向に移動させ、ストローク調整ロッドのストロークを設定している。そのため、ストローク調整ロッドのストロークは、他の部材の寸法公差の影響を排除されている。
【0018】
ここで、規定の回転数は、弁開度調整ロッドを任意のストロークに設定するために必要な回転数をいう。弁開度調整ロッドのストロークは、ストローク調整ロッドのストロークを差動ネジの外ネジのピッチで除算した値に、差動ネジの外ネジのピッチから差動ネジの内ネジのピッチを差し引いた値をかけ合わせることにより求められ、差動ネジの外ネジと内ネジのピッチは一定であることから、ストローク調整ロッドのストロークを設定すれば、弁開度調整ロッドのストロークが一義的に設定されるからである。そのため、弁開度調整ロッドのストロークも、ストローク調整ロッドと同様に、他の部材の寸法公差の影響を排除され、弁開度調整ロッドは、差動ネジの回転量に対応して微妙に調整されうる状態になっている。
【0019】
その結果、ユーザーサイドでは、差動ネジの回転量に対応する流量特性を常に得ることができ、弁開度調整を正確且つ簡単に行うことができる。これは、複数の薬液供給ラインを備える半導体製造装置において、各薬液供給ラインの一部に流量調整弁を採用したときに、他の流量調整弁における差動ネジの回転数に惑わされることなく、各流量調整弁の弁開度を調整できる点で有効である。
【0020】
このように、本発明は、弁開度調整ロッドのストロークを設定するときに、他の部材(例えば、弁座の高さや弁体の肉厚など)の寸法公差の影響を排除し、差動ネジの回転量に応じて弁開度調整ロッドを位置調整可能にするため、弁開度調整ロッドに余分なネジを形成する必要がなく、全高を低くすることができる。
【0021】
このとき、ピストンの弁座側に操作エアを供給して弁開度調整ロッド及びストローク調整ロッドを開弁方向に加圧するとともに、一次側に供給した微圧エアの二次側への漏れを検知しながら弁開度調整ロッド及びストローク調整ロッドの初期位置を設定し、その後、ピストンの弁座側への操作エアの供給を停止して弁開度調整ロッド及びストローク調整ロッドのストロークを設定するようにすれば、制御流体の流量がゼロになるピストンの位置を正確に設定することができる。
【0022】
弁開度調整ロッドのストローク調整を完了した流量調整弁は、操作部材をシリンダに螺合してストローク調整ロッドに固定する。流量調整弁は、製品使用時にロック部材で操作部材をロックする訳だが、製品組立時にピストンの弁座側に操作エアを供給・停止して弁開度調整ロッドのストロークを調整された場合には、差動ネジの外ネジに開弁方向のガタが生じている。この点、流量調整時にピストンの弁座側に操作エアを供給し、ロック部材を操作部材に対して外ネジのガタ方向に、すなわち開弁方向に連結するようにすれば、ロック部材の取付時に弁開度調整ロッドを任意の位置からずらすことがなく、流量特性を変動させない。
【0023】
もっとも、流量調整弁の用途によっては、ピストンの弁座側に操作エアを供給せずに、流量調整を行いたい場合も考えられる。この場合には、差動ネジのガタ方向が定まらず、ピストンの弁座側に操作エアを供給して流量調整したときと異なる流量特性を有する恐れがある。
【0024】
そこで、弁開度調整ロッドとピストンとの間にロッド付勢部材を配設し、弁開度調整ロッドを開弁方向に、すなわち、ピストンの弁座側に供給される操作エアの加圧方向と同一方向に常時付勢しておく。これにより、差動ネジは、製品組立時や停止時などでも、弁開度調整ロッドを介してピストンの弁座側に供給する操作エアの加圧方向に常時付勢され、流量調整弁は、流量調整時における差動ネジのバッククラッシュを防止して、差動ネジの回転量に対応した流量特性を常に得ることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る流量調整弁の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、流量調整弁1の断面図である。
流量調整弁1は、ノーマルクローズタイプのエアオペレイト式開閉弁であって、弁開度を差動ネジのネジ送りによって調整するようにしたものである。流量調整弁1は、ボディ2と、シリンダチューブ3及びカバー4からなるシリンダ5とが一体に構成され、シリンダ5から差動ネジが突出している。
【0026】
シリンダ5のピストン室51は、ピストン52が摺動可能に装填され、上室51Aと下室51Bとに気密に区画されており、上室51Aにはカバー4に穿設された呼吸孔41が開設され、下室51Bにはシリンダチューブ3に穿設されたパイロットポート31が開設されている。パイロットポート31には、操作エアを供給する制御系が接続されている。また、上室51Aには、スプリング(「ピストン付勢部材」に相当するもの。)53が縮設され、ピストン52を常時閉弁方向に押し下げている。ピストン52は、縮径部52aを有し、その下端部にダイアフラム弁体54が固設されている。ダイアフラム弁体54は、周縁部がボディ2とシリンダ5との間に狭持され、ボディ2とシリンダ5との間に形成された弁体収納室55を気密に区画している。
【0027】
ボディ2には、入力ポート21と出力ポート22とが弁体収納室55に連通するように形成されるとともに、入力ポート21と出力ポート22とを連通させる弁座23が形成されており、その弁座23にダイアフラム弁体54が当接又は離間することによって、入力ポート21と出力ポート22の連通状態を切り換えるようになっている。
【0028】
一方、カバー4には、案内管42が突設され、その案内管42は、外周に雄ネジが形成され、内周が摺動面になっている。案内管42は、内周に雌ネジが形成された袋状のハンドル(「操作部材」に相当するもの。)61が被せられ、そのハンドル61が、カバー4の貫通孔44から突き出したストローク調整ロッド62に止めネジ63で一体化されて、特許請求の範囲にいう差動ネジを構成している。ここで、カバー4の案内管42とハンドル61とが螺合するネジ部を差動ネジの外ネジ71とする。また、ストローク調整ロッド62は、案内管42の内周に摺接するように中央部分から大径に形成されて段差62aを有し、その大径部分の内周に雌ネジが形成されて、外周に雄ネジが形成された弁開度調整ロッド64を挿入されている。ここで、ストローク調整ロッド62と弁開度調整ロッド64とが螺合するネジ部を差動ネジの内ネジ72とする。尚、ハンドル61には、設定したネジ位置を狂わせないために、ロックナット(「ロック部材」に相当するもの。)65が取り付けられている。
【0029】
弁開度調整ロッド64は、大径部分がカバー4の案内管42に摺接して軸ブレを防止されており、廻止ピン66が取り付けられている。廻止ピン66は、カバー4の側面に上下方向に長く形成されたスリット43に摺動可能に挿通され、弁開度調整ロッド64の回転を制限している。また、弁開度調整ロッド64は、カバー4の案内管42からシリンダ室51の上室51Aへと突き出し、ピストン52に接離可能に設けられている。
【0030】
そのため、流量調整弁1における組み立ては、次の手順で行われる。図2及び図3は、流量調整弁1の組立説明図である。
【0031】
まず、カバー4、ハンドル61、ストローク調整ロッド62、弁開度調整ロッド64がない状態で、シリンダチューブ3をボディ2に固定する。このとき、シリンダチューブ3には、ダイアフラム弁体54と一体化されたピストン52が装填されており、ダイアフラム弁体54の周縁部をボディ2とシリンダチューブ3との間で狭持する。
【0032】
その後、図2に示すように、弁開度調整ロッド64をストローク調整ロッド62に挿入し、ストローク調整ロッド62がカバー4の貫通孔44から突き出るように、弁開度調整ロッド64とストローク調整ロッド62をカバー4の案内管42に挿通してから、廻止ピン66をカバー4のスリット43から弁開度調整ロッド64に取り付ける。そして、ピストン52にスプリング53を装着し、カバー4をシリンダチューブ3にネジ固定することによって、ストローク調整ロッド62、弁開度調整ロッド64、ピストン52の位置関係を作り上げる。このとき、ピストン52は、スプリング53の付勢力によって押し下げられ、ダイアフラム弁体54をボディ2の弁座23に当接させている。
【0033】
次いで、パイロットポート31に操作エアを供給するとともに、入力ポート21に微圧エアを供給し、その微圧エアの出力ポート22への漏れを検知しながら、カバー4の貫通孔44から突き出したストローク調整ロッド62を図中矢印方向K1に回転させることによって上昇させる。このとき、弁開度調整ロッド64は、廻止ピン66で回転止めされているため、内ネジ72のネジ送りによって下降する。下降する弁開度調整ロッド64は、操作エアによるピストン52の推力に抗して、やがてピストン52に突き当てられ、ピストン52及びダイアフラム弁体54を介して弁座23に係止される。一方、ストローク調整ロッド62は、段差62aがカバー4の案内管42に係止される。この時点で微圧エアの漏れがゼロになり、このストローク調整ロッド62及び弁開度調整ロッド64の位置を初期位置として設定する。
【0034】
そして、図3に示すように、パイロットポート31への操作エアを停止してから、ストローク調整ロッド62を図中矢印方向K2に規定の回転数回転させる。これにより、ストローク調整ロッド62だけが下降し、ストローク調整ロッド62のストロークStが設定される。
【0035】
それから、図1に示すように、カバー4の案内管42にロックナット65を装着して、ハンドル61をカバー4の案内管42に被せて螺合し、止めネジ63でハンドル61をストローク調整ロッド62に固定する。そして、案内管42の雄ネジに対してロックナット65を螺合し、ハンドル61に連結する。
【0036】
こうして組み立てられた流量調整弁1は、図示しない接続継手を介して他の流体制御機器に接続され、半導体製造装置の薬液供給ラインの一部を構成し、使用用途に応じて流量調整される。具体的には、パイロットポート31に操作エアを供給した状態でロックナット65を解除し、ハンドル61を所定方向K1(又はK2)に回転すると、ストローク調整ロッド62が外ネジ71のネジ送りによって上昇(下降)する一方、ストローク調整ロッド62に螺合する弁開度調整ロッド64が内ネジ72のネジ送りによって相対的に下降(上昇)し、その結果、弁開度調整ロッド64は、外ネジ71と内ネジ72のピッチ差(P1−P2)分だけ上昇(下降)して、ダイアフラム弁体54の弁開度が微妙に調整される。そして、ロックナット65をハンドル61に連結し、ハンドル61の回転を阻止する。
【0037】
弁開度を調整された流量調整弁1は、パイロットポート31に操作エアを供給されないときには、ピストン52がスプリング53の付勢力で押し下げられてダイアフラム弁体54を弁座23に当接させるため、薬液が入力ポート21から出力ポート22に供給されない。一方、パイロットポート31に操作エアを供給されると、ピストン52がスプリング53の付勢力に抗して弁開度調整ロッド64に係止されるまで上昇し、ダイアフラム弁体54を弁座23から離間させる。これにより、入力ポート21に供給した薬液が微小流量に調整され、出力ポート22から適量で吐出される。
【0038】
従って、本実施の形態の流量調整弁1によれば、ピストン52をスプリング53で閉弁方向に付勢し、ストローク調整ロッド62を所定方向(図2の図中矢印方向K1)に回転して上昇させることにより、内ネジ72のネジ送りで弁開度調整ロッド64を相対的に下降させてピストン52に突き当て、その状態を初期位置として設定した後に、ストローク調整ロッド62を所定方向と反対方向(図3の図中矢印方向K2)に規定の回転数回転させることによって下降させ、ストローク調整ロッド62のストロークStを設定している。そのため、ストローク調整ロッド62のストロークStは、他の部材の寸法公差の影響を排除されている。
【0039】
ここで、規定の回転数は、弁開度調整ロッドを任意のストロークに設定するために必要な回転数をいう。弁開度調整ロッド64のストロークは、ストローク調整ロッド62のストロークStを外ネジ71のピッチP1で除算した値(St/P1)に、外ネジ71のピッチP1から内ネジ72のピッチP2を差し引いた値(P1−P2)をかけ合わせることにより求められ(St/P1*(P1−P2))、外ネジ71と内ネジ72のピッチP1,P2は一定であることから、ストローク調整ロッド62のストロークStを設定すれば、弁開度調整ロッド64のストロークが一義的に設定されるからである。そのため、弁開度調整ロッド64のストロークも、ストローク調整ロッド62と同様に、他の部材の寸法公差の影響を排除され、弁開度調整ロッド64は、ハンドル61の回転量に対応して微妙に位置調節されうる状態になっている。
【0040】
尚、本実施の形態では、規定の回転数は、流量調整弁1の口径に必要な最低ストローク量だけ弁開度調整ロッド64を昇降させることができる回転数としている。流量調整領域を広く確保するためである。
【0041】
その結果、ユーザーサイドでは、ハンドル61の回転量に応じた流量特性を常に得ることができ、弁開度調整を正確且つ簡単に行うことができる。具体的には、外ネジ71のピッチP1が0.75mm、内ネジ72のピッチP2が0.70mmであって、弁開度調整ロッド64を0.2mm上昇させたい場合には、ユーザーサイドでは、常にハンドル61を所定方向と反対方向(図1の図中矢印方向K2)に4回転だけ回転させればよい。これは、複数の薬液供給ラインを備える半導体製造装置において、各薬液供給ラインの一部に流量調整弁1を採用したときに、他の流量調整弁1における差動ネジの回転数に惑わされることなく、各流量調整弁1の弁開度を調整できる点で有効である。
【0042】
このように、流量調整弁1は、弁開度調整ロッド64のストロークを設定するときに、他の部材(例えば、弁座23の高さやダイアフラム弁体54の外縁部の肉厚など)の寸法公差の影響を排除し、ハンドル61の回転量に応じて弁開度調整ロッド64を位置調整可能にするため、弁開度調整ロッド64に余分なネジを形成する必要がなく、全高を低くすることができる。
【0043】
このとき、上述したように、パイロットポート31に操作エアを供給して弁開度調整ロッド64及びストローク調整ロッド62を開弁方向に加圧するとともに、入力ポート21に供給した微圧エアの出力ポート22への漏れを検知しながら弁開度調整ロッド64及びストローク調整ロッド62の初期位置を設定し、その後、パイロットポート31への操作エアの供給を停止して弁開度調整ロッド64及びストローク調整ロッド62のストロークを設定するため、制御流体である薬液の流量がゼロになるピストン52の位置を正確に設定することができる。
【0044】
弁開度調整ロッド64のストローク調整を完了した流量調整弁1は、ハンドル61をシリンダ5のカバー4に螺合してストローク調整ロッド62に止めネジ63で固定する。流量調整弁1は、製品使用時には、ロックナット65でハンドル61をロックする訳だが、製品組立時にパイロットポート31に操作エアを供給・停止して弁開度調整ロッド64のストロークを調整される関係上、差動ネジの外ネジ71に開弁方向のガタが生じている。この点、流量調整時にパイロットポート31に操作エアを供給し、ロックナット65をハンドル61に対して外ネジ71のガタ方向に、すなわち開弁方向に連結するようにすれば、ロックナット65の取付時に弁開度調整ロッド64を任意の位置からずらすことがなく、流量特性を変動させない。
【0045】
もっとも、流量調整弁1の用途によっては、パイロットポート31に操作エアを供給せずに、流量調整を行いたい場合も考えられる。この場合には、差動ネジのガタ方向が定まらず、パイロットポート31に操作エアを供給して流量調整したときと異なる流量特性を有する恐れがある。
【0046】
そこで、図4に示す流量調整弁80のように、弁開度調整ロッド64とピストン52との間にロッド用スプリング(「ロッド付勢部材」に相当するもの。)81を縮設し、弁開度調整ロッド64を開弁方向に、すなわち、パイロットポート31に供給する操作エアの加圧方向と同一方向に常時付勢しておく。これにより、差動ネジは、製品組立時や停止時などでも、弁開度調整ロッド64を介してパイロットポート31に供給する操作エアの加圧方向に常時押し上げられ、流量調整弁80は、流量調整時における差動ネジのバッククラッシュを防止して、ハンドル61の回転量に対応した流量特性を常に得ることができる。
【0047】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、色々な応用が可能である。
【0048】
(1)例えば、上記実施の形態では、ストローク調整ロッド62の段差62aをカバー4の案内42に係止させることによりストローク調整ロッド62の初期位置を設定している。それに対して、ストッパなどでストローク調整ロッド62を係止して初期位置に設定するようにしてもよい。
【0049】
(2)例えば、上記実施の形態では、流量調整弁1の組立時に、パイロットポート1に操作エアを供給して、ストローク調整ロッド62及び弁開度調整ロッド64を初期位置に設定した後、パイロットポート31への操作エアの供給を停止してストローク調整ロッド62のストロークStを設定した。それに対して、パイロットポート31に操作エアを供給せずに、簡易に流量調整弁1を組み立てるようにしてもよい。
【0050】
(3)例えば、上記実施の形態では、製品組立時に、ストローク調整ロッド62を所定方向と反対方向(図3の図中矢印方向K2)に回転させたときに、弁開度調整ロッド64のみが下降し、弁開度調整ロッド64は上昇しない事態を想定している。それに対して、ストローク調整ロッド62と弁開度調整ロッド64との摩擦が大きい場合には、ストローク調整ロッド62の下降に伴って、弁開度調整ロッド64が上昇する事態も想定されうる。この場合には、ストローク調整ロッド62を規定の回転数回転させておき、ハンドル61をストローク調整ロッド62に固定するときに、ストローク調整ロッド62を下方に押し下げて弁開度調整ロッド64をピストン52に突き当て、上記摩擦の影響を排除すればよい。
【0051】
(4)例えば、上記実施の形態では、流量調整弁1をガス供給ユニットに組み付けるときに、ボディ2の入力ポート21と出力ポート22に図示しない接続継手を介して他の流体制御機器と接続するようにしている。それに対して、ボディ2に変えて流路ブロックを使用することにより接続部材を省き、設置面積の狭小化を図るようにしてもよい。
【0052】
(5)例えば、上記実施の形態では、流量調整弁1は、開閉弁として説明したが、パイロットポート31から供給される操作エアに応じて開度調整する制御弁としてもよい。
【0053】
(6)例えば、上記実施の形態では、流量調整弁1を半導体製造装置の薬液供給ラインに組み付けた。それに対して、制御流体を微小量に制御するものであれば、半導体製造装置以外の装置にも適用することができる。また、制御流体は、薬液に限らず、作用ガスなどであってもよい。
【0054】
【発明の効果】
本発明の流量調整弁の調整方法によれば、弁座に当接又は離間する弁体を保持するピストンの移動量を調整する弁開度調整ロッドの位置を、差動ネジの内ネジと外ネジのネジ送りによって調整し、ピストンの弁座側に操作エアを供給したときに、ピストンをピストン付勢部材の付勢力に抗して、弁体が弁座と離間する開弁方向に移動させて弁体を弁座から離間させる流量調整弁を用いた流量調整弁の調整方法であって、ピストンをピストン付勢部材の付勢力で弁体が弁座と当接する閉弁方向に移動させて閉弁し、弁開度調整ロッドに螺合し、そのネジ部で差動ネジの内ネジを設けるストローク調整ロッドを、所定方向に回転させて弁体の開弁方向に移動させ、弁開度調整ロッドがピストンに突き当てられた位置を初期位置として設定し、ストローク調整ロッドを所定方向と反対方向に規定の回転数回転させるので、弁開度調整ロッドに余分なネジを形成する必要がなく、全高を低くすることができる。
【0055】
また、本発明の流量調整弁では、弁体を弁座から離間させる弁開度を微妙に調整することにより、制御流体を流量調整する流量調整弁において、上述した本発明の流量調整弁の調整方法により弁開度を調整するので、弁開度調整ロッドに余分なネジを形成する必要がなく、全高を低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係り、流量調整弁の断面図である。
【図2】同じく、流量調整弁の組立説明図である。
【図3】同じく、流量調整弁の組立説明図である。
【図4】同じく、流量調整弁の変更例を示す図である。
【図5】従来の流量調整弁の断面図である。
【符号の説明】
1,80 流量調整弁
3 シリンダ
23 弁座
52 ピストン
53 スプリング
61 ハンドル
62 ストローク調整ロッド
64 弁開度調整ロッド
65 ロックナット
66 廻止ピン
71 外ネジ
72 内ネジ
81 ロッド用スプリング

Claims (3)

  1. 弁座に当接又は離間する弁体を保持するピストンの移動量を調整する弁開度調整ロッドの位置を、差動ネジの内ネジと外ネジのネジ送りによって調整し、前記ピストンの弁座側に操作エアを供給したときに、前記ピストンをピストン付勢部材の付勢力に抗して、前記弁体が前記弁座と離間する開弁方向に移動させて前記弁体を前記弁座から離間させる流量調整弁を用いた流量調整弁の調整方法であって、
    前記ピストンを前記ピストン付勢部材の付勢力で閉弁方向に移動させて閉弁し、
    前記弁開度調整ロッドに螺合し、そのネジ部で前記差動ネジの前記内ネジを設けるストローク調整ロッドを、所定方向に回転させて前記開弁方向に移動させ、
    前記弁開度調整ロッドが前記ピストンに突き当てられた位置を初期位置として設定し、
    前記ストローク調整ロッドを前記所定方向と反対方向に規定の回転数回転させることを特徴とする流量調整弁の調整方法。
  2. 請求項1に記載する流量調整弁の調整方法において、
    前記初期位置を設定するときには、前記操作エアを前記ピストンの弁座側に供給するとともに、一次側に微圧エアを供給して、その微圧エアの二次側への漏れを検知しながら行い、
    前記初期位置に設定した前記ストローク調整ロッドを所定方向と反対方向に回転するときには、前記操作エアの供給を停止することを特徴とする流量調整弁の調整方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載する流量調整弁の調整方法において、
    前記ピストンの弁座側に操作エアを供給した状態で、前記ストローク調整ロッドに固定されるとともに前記シリンダと螺合するネジ部で前記外ネジを設ける操作部材を回転させることにより流量調整を行い、さらに、前記操作部材に対してロック部材を前記開弁方向に連結して、前記操作部材をロックすることを特徴とする流量調整弁の調整方法。
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