JP4078093B2 - 撮像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、物理的な画素数よりも高い解像度による撮像が可能な撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
撮像装置や表示装置では、画素(感光部)が1次元もしくは2次元状に配列されている。近年、撮像すべきまたは表示すべき情報量が増大しているので、これらの装置には、一層の高解像度化が要求されている。
【0003】
撮像装置や表示装置の高解像度化を実現するため、製造プロセスのファインピッチ化が必要である。ファインピッチ化により単位面積当りの物理的な画素数が向上される。しかしながら、高解像度化には、画素数を増加することに加え、モアレ信号等の偽信号を低減することが重要である。
【0004】
本発明者は、先に高解像度化が可能な撮像装置を提案した(特願昭56−209381号、特願昭58−107098号および特願昭59−14292号(特公平1−35550号))。
【0005】
これらの提案は、固体撮像素子基板を、例えば水平配列方向に水平画素ピッチPHの1/2相当である振幅で、相対的に振動させて空間サンプリング点を移動させるものである。
【0006】
例えば2フィールドで1フレーム(画面)を形成する場合において、各フィールド間のブランキング期間に、素子基板を水平方向に水平画素ピッチPHの1/2相当である振幅で相対的に移動させる。各位置で光電変換された信号電荷は、各フィールド間のブランキング期間に読み出される。読み出された信号電荷は、入射した際の実際の空間サンプリング点に合うように信号処理され、表示装置に表示される。
【0007】
このことは、撮像素子自身が有する水平画素方向の空間サンプリング点を物理的な画素数の約2倍とすることができるので、実効的な水平解像度を2倍に向上させることができる。なお、撮像装置では、個々のフィールド相互間のブランキング期間は、各フィールド期間の設定によって任意に調整できるので、相対移動に対して大きな制約を受けない。
【0008】
また、本発明者は、素子基板を相対的に移動させる振動波形として、矩形だけでなく、台形、三角波、正弦波状を用いても同様の高解像度化が実現できることを確認している。さらに、矩形波に、矩形、台形、三角波、正弦波状等の振動を加えた波形を用いて、素子基板を相対的に移動させることにより、より偽信号の少ない高解像度画像を得ている。
【0009】
図8(a)に、固体撮像素子の受光面(感光部)の平面図を示す。なお、図8(a)に示した撮像素子は、例えばインターライン転送型のCCDである。図8(b)に、図8(a)に示した固体撮像素子の感光部(受光面)を振動させる時間関係、固体撮像素子の感光部から信号電荷を読み出すタイミング関係を示す。
【0010】
図8(a)を参照して、固体撮像素子が設けられている素子基板を水平(矢印PH)方向に振動させる例を説明する。
【0011】
第1の振動は、X3を振動中心にして、X2とX4の間、すなわち振幅が水平画素ピッチPHの1/2相当で1フレームを1周期とする矩形波状振動である。この振動に、高調波である第2の振動が重畳されている。
【0012】
図8(b)に示される通り、AフィールドではX1とX3の間、BフィールドではX3とX5の間で、撮像素子の感光部中心が振動される。
【0013】
AフィールドとBフィールドとの切り替え点t1およびt3で感光部で蓄積された信号電荷を読み出し部に転送させるためのフィールドシフトパルスが発生される。すなわち、期間t2と期間t4で蓄積された信号電荷が読み出される。
【0014】
この結果、画素の開口部2の中心は、Aフィールド内の期間t2では、X1からX3の位置に振動(揺ら)され、実効的に画素開口部が拡大される。一方、Bフィールド内の期間t4は、X3からX5の位置に振動(揺ら)されるので、Aフィールド同様、実効的に画素の開口率が拡大される。なお、期間t1またはt3の期間が、t2またはt4の期間に比べ十分短ければ、Aフィールドではt2の期間で画素の開口部2がX3からX5に拡大されて静止している、と同等と考えてよい。
【0015】
このように、素子基板を水平(矢印PH)方向に振動させることで、水平画素方向配列での空間サンプリング点を、実際の画素の数に比較して2倍できる。また、画素開口部の実効的な開口率が拡大される。画素開口部を拡大することは、画素が1次元または2次元状に配列された撮像装置で現れる折り返し歪みによるモアレ等の偽信号を低減するために有益である。
【0016】
ところで、1フレームを構成するフィールド数を増やし、個々のフィールドに同期して固体撮像素子基板を相対的に移動させることにより、空間サンプリング点を増やすことで、実効的な解像度が向上できることは上述した通りであるが、撮像素子の限界解像度は、標本化定理の述べるところのナイキスト周波数で決められる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、1フレーム当たりのフィールド数を増して実効的な空間サンプリング点を増大させたとしても、各フィールドのナイキスト周波数は、撮像素子の画素数で決まる。このため、各フィールドの画像信号は、依然として大きな折り返し歪みを持つこととなる。従って、フィールド数を増やすことにより標本化定理上の限界解像度は向上できるが、折り返し歪み出力に起因して生じる画像劣化を除去しない限り実質的な限界解像度を向上できない問題がある。
【0018】
このの目的は、物理的な画素数よりも高い解像度による撮像または表示が可能な撮像装置および表示装置を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
この発明は、複数の感光部が1次元又は2次元状に配列された撮像素子と、像点と前記感光部との相対位置を各フィールド毎に移動させる位置制御部とを備えた撮像装置において、前記感光部の実効的開口率は、空間周波数のうちのゼロとナイキスト周波数とでの折り返し歪み成分が実質的に極小となるよう設定されていることを特徴とする撮像装置である。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態(動作原理)は、撮像装置および表示装置のいずれにも適用可能である。従って、実施の形態に関し、主要な部分については撮像装置を例に説明する。当然、必要に応じて、撮像装置と表示装置との間の差異を説明する。
【0023】
図1は、撮像素子としてインターライン転送型CCDを用い、本発明の実施の形態を、一例として撮像装置に適用する例を説明する概略平面図である。
【0024】
図1に示す撮像装置は、図示しない撮像光学系と、撮像光学系を介して配置されるCCD撮像素子と、例えば圧電素子により、撮像素子を像点に対して相対的に移動させる位置制御部と、撮像素子を制御する制御回路部とを有する。
【0025】
撮像素子は、1フレームが4フィールドであるインターライン転送型CCDである。CCDと像点とは、後段に詳細に説明するが、各フィールド毎に相対的に移動される。
【0026】
CCDと像点とが各フィールド毎に移動されることは、撮像素子の限界解像度を向上させるために、空間サンプリング点を増大させることに他ならない。なお、CCDの個々の画素の開口率および相対的な位置の移動は、個々のフィールドの切り換え点に合わせて設定されている。これにより、各フィールドでの折り返し歪みが低減される。
【0027】
図1に示す撮像装置は、一例を示すと、2次元(マトリクス)状に配列された感光部Pij(i=1,2,・・・,M,j=1,2,・・・,N)を含むインターライン転送型CCD、垂直読み出し用CCD(レジスタ)Ci(i=1,2,・・・,M)および水平読み出し用レジスタHを有する。
【0028】
なお、以下に説明する実施の形態では、CCDの感光部の数を、例えばNが500、Mが800としている。
【0029】
また、説明を簡単にするために、実施の形態では、モノクロ画像向けインターライン転送型CCDを例に説明するが、当然、カラー画像向けインターライン転送型CCDを用いることで、カラー画像を撮像できる。
【0030】
制御回路部は、垂直読み出し用CCDレジスタCiと水平読み出しレジスタH用からの出力を順次記憶するフレームメモリを含む外部記憶装置Mと、外部記憶装置Mに(一時的に)記憶された出力画像信号を図示しない外部制御部から供給される制御信号に基づいて図示しない画像記憶装置もしくはHDD(ハードディスク装置)等に順次出力する出力部Oを有する。
【0031】
図2は、本発明の実施の形態の一例を説明するもので、図1に示したインターライン転送型CCDの個々の画素を、位置制御部により振動させる時間関係および固体撮像素子の各感光部から信号電荷を読み出すフィールドシフトパルスのタイミング関係を示している。なお、図2(a)は、対象とする画素構成を示し、図2(b)は、CCDの個々の画素を1フレーム期間で移動するための駆動信号の波形を示す。
【0032】
ここでは、水平方向の高解像度化について説明する。
【0033】
図2(a)において、1画素長はPxで、画素内に長さaの開口部a1が形成され、この開口部a1が感光部に相当する。なお、基板上に形成された全画素は、位置制御部による制御により、同一に動作される。すなわち、4フィールドである1フレームにおいて、各フィールド相互間のブランキング期間b1,b2,b3,b4およびb5に、CCDを保持した図示しない基板が、水平(Px)方向に移動される。
【0034】
画素中心座標をxとすると、Aフィールドでは、x=−3Px/8に開口中心がある。同様に、Bフィールドでは、x=Px/8に、Cフィールドでは、x=3Px/8に、Dフィールドでは、x=−Px/8に、それぞれ、開口部中心が位置される。以下、各フィールド相互間のブランキング期間に、各感光部に蓄積された信号電荷が読み出され、読み出し部に転送される。
【0035】
この読み出しおよび転送が全画素に、同時に行われるので、全画素の開口部は、図2(a)に示されるように、Aフィールドではa1に、Bフィールドではa3に、Cフィールドではa4に、Dフィールドではa2に、それぞれ形成される。
【0036】
4フィールドで1画面(フレーム)を形成させるように、上述した動作を繰り返すことで、1画素中に、開口部a1,a2,a3およびa4のそれぞれにより定義される画素サンプリング点が形成される。これにより、物理的な画素数に対して約4倍の高解像度画像が得られる。
【0037】
ところで、上述した実施の形態においては、隣り合うフィールドの開口部は、図2(b)に示すように、AフィールドとBフィールドでの開口部a1とa3,CフィールドとDフィールドでの開口部a4とa2は、画素長Pxを1周期とした空間位相で、水平方向に180°ずれている。
【0038】
前述したように、各フィールドでは、画素長Pxの中に1個ある開口部で画像が撮像される。従って、各開口部位置で定義される折り返し歪みが含まれる。
【0039】
しかしながら、隣り合ったフィールドの開口部の位置を、空間位相において、180°ずらすことにより、互いの折り返し歪みを十分にキャンセルさせることができる。
【0040】
これにより、1フレーム期間の半分の期間で折り返し歪みをキャンセルできる。このことは、図8を参照して前に説明したように、周知の画素サンプリング点を2倍化した場合と比べて、キャンセルされる期間を1/2にできる。
【0041】
従って、特に被写体側で時間的な変化により発生する折り返し歪みを抑圧することができる。
【0042】
また上述した実施の形態において特徴的なことは、各画素の開口率αx(α=a/Px)が0.5である点である。後述するが、開口率を0.5とすることにより、各フィールドの折り返し歪みを、十分に低減できる。
【0043】
上述した実施の形態では、1フレームを4フィールドとした例を説明したが、6フィールドや8フィールド等の偶数フィールドであればフィールドの数に支配されないことはいうまでもない。このことは、時間的に十分に近接しているフィールド相互間で(隣接したフィールドに関し)、空間位相を180°シフトすることにより折り返し歪みをキャンセルすることが効果的であることから説明できる。
【0044】
図3および図4により、図2に説明した撮像装置の解像度特性と折り返し歪み特性について詳細に説明する。なお、解像度特性を説明するために、MTFを用いる。図3および図4において、MTFは、撮像装置では、濃度が正弦状に変化した白黒バーパターンを撮像した場合の出力の変調度特性を示す。
【0045】
図3は、画素開口率αxを変化させた場合のMTF特性を示している。なお、u*は、本発明の実施の形態であり、撮像素子基板を移動する高解像度化動作を伴わない場合のナイキスト周波数で規格した空間周波数を示している、従って、u*=1は高解像度化を伴わない場合のナイキスト周波数(第1ナイキスト周波数)を、u*=4は、1画素の中に4個の画素サンプリング点を形成した本実施形態の撮像素子基板でのナイキスト周波数(第2ナイキスト周波数)を示す。
【0046】
ナイキスト周波数のうちの空間周波数成分を持つ画像は、標本化定理を用いることで再現できるが、ナイキスト周波数より高い(ナイキスト周波数を越えた)周波数成分は、ナイキスト周波数のうちの低周波数側に折り返される。折り返し出力は、細かい画像を撮像した場合のモアレ現象や、コントラストが急峻に変化するパターンエッジに見られる偽信号となり、折り返し歪みと呼ばれる。
【0047】
また、各フィールドを個別に見ると、それぞれのナイキスト周波数は、u*=1である。MTFの大きさは、ナイキスト周波数で大きくなっている。すなわち、各フィールドでは、大きな折り返し歪みを持つ画像が撮像されることが解る。
【0048】
このため、本発明の実施の形態では、上述したように、隣接したフィールドで空間的に180°位相が異なる画素開口を設けることによって、隣接フィールドで、折り返し歪みをキャンセルさせている。
【0049】
上述したこの発明の実施の形態では、4フィールドで1フレームとしたことに合わせて開口率αxをαx=0.5としたことにより、空間周波数のうちのゼロとナイキスト周波数とにおける折り返し歪みを、実質的にゼロ(所定のレベル)に抑制することができる。これにより、広い空間周波数に亘って折り返し歪みが少なく解像度が高い画像を得ることができる。
【0050】
図4は、本発明の撮像装置における折り返し歪み特性を示し、図3に説明した開口数αxを、αx=0.5とした場合のMTFの変化を説明する概略図である。
【0051】
図4において、M0はナイキスト周波数以内のMTFを示す。この領域の画像は、原信号を忠実に再生または表示できる。M1,M2,M3は、それぞれ、折り返し歪みの空間周波数依存性を示す。
【0052】
M1は、 4< u* < 8 の折り返し歪みを、
M2は、 8< u* < 12の折り返し歪みを、
M3は、 12< u* < 16の折り返し歪みの特性を、それぞれ、示している。
【0053】
これらから明らかなように、全ての高周波数領域での折り返し歪みは、u*=0とu*=4で、出力はゼロとなる。これは、さらに高周波領域においても同様である。
【0054】
u*=0付近は人間の視力が高く、折り返し歪みが見えやすい。しかしながら、この折り返し歪みを下げるために、回路利得を下げると、信号自身の出力が低下して解像度が低下する。また、ナイキスト周波数付近で発生する折り返し歪みは、限界解像度付近の画像判別の妨げとなるため、解像度を低下させる。
【0055】
これに対し、上述した本発明の実施の形態によれば、折り返し歪みが少なく、解像度の高い画像が得られる。
【0056】
以上説明したように、この発明の実施の形態を撮像装置に適用することで、4フィールドで1フレームを構成し、且つ隣り合ったフィールドの開口部の位置を空間位相において180°ずらすことにより、空間サンプリング点を、物理的な画素数の4倍に向上させることができる。また、上記の構成により、互いの折り返し歪みを、隣接フィールド間で十分にキャンセルさせることができる。なお、4フィールドで1フレームとすることと合わせて、各画素の開口率αx(α=a/Px)を0.5に設定することにより、空間周波数がゼロ(u*=0)およびナイキスト周波数(u*=4)でのMTFを、実質的にゼロとすることができた。
【0057】
次に、図5を用いて、本発明のその他の実施形態を説明する。
【0058】
前に説明した図2に示した実施の形態においては、開口率αxがαx=0.5の場合のみ、u*=0とu*=4の折り返し歪みをゼロにできる。しかしながら、画素密度が高い撮像装置では、製造上、開口率αxをαx=0.5に設定できないことは、容易に想像できる。この問題に対し、例えば、マイクロレンズアレイ等を用いて実効開口率を向上させることも考えられる。
【0059】
図5に示す実施の形態は、各フィールド期間において、素子基板に対して、三角波振動を加えて、実効的な開口率を制御するものである。この方法によれば、折り返し歪みが少なく、解像度の高い画像を得ることができる。なお、開口形状(開口長:a)と三角波振動振幅2Lwとを、図6を用いて以下に一例を説明するように変化させることで、折り返し歪みの大きさが小さく、しかも解像度の高い画像を得ることのできる条件を満足することができる。すなわち、より画素サンプリング点を増やし、画像の解像度を容易に高めることができる。
【0060】
図6に、空間周波数のうちのゼロとナイキスト周波数での折り返し歪みをゼロにできる条件を示す。
【0061】
βx(=a/Lw)は、振動振幅率を示す。Nは、2,4,6,・・・,の偶数である。N=2は、図8を参照して前に説明した従来の高解像度撮像装置の場合で、1画素に2個の開口を形成させた場合に相当する。
【0062】
図6から明らかなように、2つの条件h1およびr1において、空間周波数のうちのゼロとナイキスト周波数の2点で、折り返し歪み出力をゼロにできる。
【0063】
条件h1は、αxが1以外であっても、振動振幅を電気的に変化させて、βxを0.5から1.0まで制御するとよいことを示している。αx=1の場合でもβxを0.25から0.5までの範囲とした場合、本発明で求めようとしている折り返し歪み抑圧条件が満足される。これは、CCDと像の相対関係を制御することにより、開口数を擬似的に1以上としながら、さらに折り返し歪みの少ない画像を得ることが可能であることを示している。
【0064】
なお、図6において、h1およびr1は、画素サンプリング点が4個ある場合に対応するので、図2を用いて前に説明したこの発明の実施の形態に対応される。
【0065】
h3およびr3とh4およびr4は、N=6もしくはN=8とした折り返し歪みが小さく、解像度が高い条件である。
【0066】
従って、任意のNでの条件h1,h2,h3,h4,・・・,は、
βx=1/N ・・・(1)
1/N ≦ αx ≦ 2/N ・・・(2)
により求めることができる。
【0067】
また、条件r1,r2,r3,r4,・・・,は、
αx=2/N ・・・(3)
1/(2N) ≦ βx ≦1/N・・・(4)
により求めることができる。
【0068】
なお、上述した実施の形態では、振動波形に三角波を用いた例を説明したが、同様な効果は、振動波形を矩形波あるいは正弦波としても得られる。また、振動数が同一であるならば、例えば三角波を用いることは、開口数を制御できる点で、有益である。
【0069】
上記した実施形態は、いずれも素子基板を水平に移動させる例を説明したが、直交する垂直方向にも(素子基板を)移動させて水平方向および垂直方向の2方向で、実効的な解像度を向上させることもできる。
【0070】
また、素子基板の位置(振動)を、位置制御部による制御により移動(振動)させる場合を例に説明したが、この他にも撮像素子の前側に例えば屈折体を挿入して撮像光学系からの像点を移動させる等によって像点と素子基板との相対位置を移動させてもかまわない。
【0071】
上記した実施形態の撮像装置は、いずれも撮像素子としてインターライン転送型CCDを例に説明したが、点順次読み出し方式のMOS型CCDを用いることもできる。この場合は、各感光部における転送タイミング(受光タイミング)が異なることから、メカニカルシャッタ等を設けて、強制的に、転送タイミングにブランキング期間を設け、タイミングに同期して撮像素子の相対位置を変更することが望ましい。
【0072】
また、この発明は、動画を連続して撮像する場合の他に、電子スチルカメラ等の静止画撮影にも適用することができる。
【0073】
図7は、上述した本発明を表示装置に適用する例の一例を示している。
【0074】
図7(a)に示すように、例えばプロジェクション型のディスプレイである表示装置を考える。図7(a)に示す表示装置は、例えば光源d2と、光源d2の前面に配置される光透過型の液晶表示パネルd1と、例えば液晶表示パネルd1から出射された画像光が結像される像点を、個々の発光点(液晶表示パネルd1の任意の画素)に対して相対的に移動させるよう角度が変更可能な屈折体を含む位置制御部d5と、前面に投射レンズ系d3を介して配置されるスクリーンd4とを含む。
【0075】
液晶表示パネルd1としては、例えば応答速度の高いことで知られる強誘電性液晶を用いたアクティブマトリクス型液晶表示パネルが利用可能である。当然、表示パネルとしては、光透過型のパネルの他に反射型も利用可能であり、例えば高速動作が可能なDMD(Digital Mirror Display、例えばIEEE / ISSCC SLIDE SUPPLEMENTの98および99ページに開示されているような画素に設けたミラーの角度を変える)等も利用可能である。また、他にもELパネル等の自己発光型の表示パネルを用いることもできる。
【0076】
上述した表示装置は、前に説明した撮像装置と同様に、4フィールドで1フレームが定義されている。各フレームの個々のフィールド毎に、位置制御部d5により、像点が水平方向に移動される。すなわち、4フィールド相互間のそれぞれのブランキング期間に、例えば液晶表示パネルd1が水平方向に移動される。なお、液晶表示パネルd1を移動させる代わりに、投影光学系の位置を制御してもよい。
【0077】
なお、画像光出力部に、例えば液晶表示パネルすなわち光透過型の表示素子を用いる場合には、ブランキング期間に対応する期間に、隣接画像が不所望に混入することを防止することが望ましい。例えば光源d2からの光を遮断したり、各表示画素に黒画像を表示させる等の手法ができる。また、画像出力部が、例えば自己発光型であれば、各表示画素を黒表示とすることで、上述の隣接画像の混入を抑止することは容易である。
【0078】
画素中心座標をxとすると、Aフィールドではx=−3Px/8に開口中心がある。同様に、Bフィールドではx=Px/8に、Cフィールドではx=3Px/8に、Dフィールドではx=−Px/8に、それぞれ開口部中心が位置する。
【0079】
この動作を繰り返すことによって、物理的な1画素の中に、4つの像点を形成することができる。従って、物理的な画素数に対して約4倍の解像度の画像が得られる。
【0080】
しかも、図7示した実施の形態によれば、隣り合うフィールドの像点は、空間位相で水平方向に180°ずれている。従って、隣接フィールドの折り返し歪みが互いにキャンセルされ、折り返し歪みが少なく解像度の高い画像を得ることができる。
【0081】
また、図7に示した実施の形態では、スクリーンd4上の開口率は、0.5である。スクリーン上の開口率とは、スクリーン面積を解像度でわり算した値を一画素の表示面積とした場合、一画素の表示面積と、この一画素に実際に投影される一画素の面積との比率を言う。従って、空間周波数がゼロ(u*=0)およびナイキスト周波数(u*=4)でのMTFを実質的にゼロとすることができ、折り返し歪みが少なく解像度の高い画像を得ることができる。
【0082】
なお、スクリーンd4上で像点(スクリーンに結像された画像)を移動させる方法としては、液晶表示パネルd1をスクリーンd4に対して相対的に移動させてもよいことはいうまでない。
【0083】
以上説明したように、本発明は、画素が1次元もしくは2次元状に配列された撮像装置または表示装置に適用可能で、画素の信号電荷の読み出し動作あるいは信号書き込み動作が、同一の時期に基板上に形成されている全画素でフィールド間ブランキング期間に行われる。なお、撮像装置では、画素は、入射光を信号電荷に変換、蓄積する感光部と、その信号電荷を読み出す読み出し部より、画素の信号電荷が読み出される。また、表示装置では、画素は、電気信号により光強度が変調される発光部と、その発光部へ電気信号が書き込まれる。
【0084】
例えば、4フィールド以上のフィールド数で、1画素(フレーム)を形成する画像装置において、折り返し歪みが少なく解像度の高い画像が得られる。
【0085】
撮像素子あるいは表示装置を、フィールド間ブランキング期間に所定距離だけ移動させ、空間周波数のうちのゼロと画素ピッチで決められるナイキスト周波数での折り返し歪み成分をゼロにさせることにより、折り返し歪みの少ない高解像度画像を撮像し、または表示できる。
【0086】
また、個々のフィールド内で、撮像素子または基板もしくはスクリーンを所定量移動させて、撮像素子の感光部または発光部により定義される開口部の形状を変化させることで、高い精度で、折り返し歪みが少なく解像度の高い画像を得ることができる。
【0087】
本発明を適用した撮像装置および表示装置では、基板上に形成されている画素数を増加することなく解像度を高めることができるので、画素数を増加して解像度を高める従来の装置と比べ、画素数を増加したことに起因して感度または輝度が低下することがない。すなわち、ダイナミックレンジは減少しない。
【0088】
なお、上述した本発明の実施の形態は、以下の画像処理方法としても利用可能である。例えば、複数の感光部を有する撮像装置を有する画像処理部と、前記画像処理部の上記個々の感光部とそれぞれの感光部に個々に関連づけられる像点の組において、相互の相対位置を変位させる位置制御部を用い、上記感光部により提供される物理的な画素数よりも高い解像度の撮像を可能とする画像処理方法において、
前記画像処理部の上記個々の感光部とそれぞれの感光部に個々に関連づけられる像点の組において、相互の相対位置を変位させる、ことが可能である。
【0089】
この場合、個々の表示画素は、少なくとも1次元および2次元のいずれかに配列され、個々の表示画素は、4フィールド以上で偶数個のフィールドからなる任意個数のフィールドを含み、それぞれのフィールドは、隣接するフィールド相互において、表示画素位置の空間的位相が180°ずれて形成されていればよい。また、感光部の実効的開口率は、空間周波数のうちのゼロとナイキスト周波数とでの折り返し歪み成分が実質的に極小となるよう設定される。
【0090】
さらに、前記個々の感光部は、少なくとも1次元および2次元のいずれかに配列されている、個々の感光部は、4フィールド以上で偶数個のフィールドからなる任意個数のフィールドを含み、それぞれのフィールドは、隣接するフィールド相互において上記感光部位置の空間的位相が180°ずれて形成されていればよい。
【0091】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の撮像装置においては、折り返し歪みの少ない高解像度画像を提供することができる。本装置では、空間周波数のうちのゼロとナイキスト周波数での折り返し歪みを、ゼロにできるため、広い空間周波数領域において、低折り返し歪み・高解像度画像を提供することができる。
【0092】
また、画像サンプリング点を、画像装置基板上に形成された画素の数を増やすことなく増加できるので、従来のように画素密度を高めて高解像度化する方法に比較して画素密度を上げることにより発生する他の画像特性を低下することなく、折り返し歪みが小さく解像度の高い画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用可能な撮像素子として利用可能なインターライン転送型CCDの画素の配列の一例を説明する概略図。
【図2】図1に示したインターライン転送型CCDの画素の配列の一例および同インターライン転送型CCDに本発明の一実施例を適用する例を説明する概略図。
【図3】図2を用いて説明した本発明の一実施例において、開口率αxを変化した場合のMTF特性を説明する概略図。
【図4】図3に説明した開口数αxを0.5とした場合のMTFの変化を説明する概略図。
【図5】図2に示したインターライン転送型CCDと同等のインターライン転送型CCD画素の配列の一例および同インターライン転送型CCDに本発明の一実施例を適用する例を説明する概略図。
【図6】空間周波数のうちのゼロとナイキスト周波数での折り返し歪みをゼロにできる条件を示す概略図。
【図7】図2ないし図6を用いて説明した本発明の一実施例を表示装置に適用する場合を説明する概略図。
【図8】周知の固体撮像素子の感光部の一例および同撮像素子を用いて画像を撮像する周知の撮像方法を説明する概略図。
【符号の説明】
1・・・画素、
2,a1〜a4,c1〜c4・・・開口部、
b1〜b4・・・フィールド間ブランキング期間、
M0・・・ナイキスト周波数以内のMTF、
M1,M2,M3・・・折り返し歪み特性、
h1〜h4,r1〜r4・・・
開口率制御に三角波振動を用いた場合の折り
返し歪み・高解像度条件、
d1・・・液晶表示パネル、
d2・・・光源、
d3・・・レンズ系、
d4・・・スクリーン、
d5・・・位置制御部、
w1〜w4・・・表示装置基板への書き込み信号。
Claims (4)
- 複数の感光部が1次元又は2次元状に配列された撮像素子と、像点と前記感光部との相対位置を各フィールド毎に移動させる位置制御部とを備えた撮像装置において、
前記感光部の実効的開口率は、空間周波数のうちのゼロとナイキスト周波数とでの折り返し歪み成分が実質的に極小となるよう設定されていることを特徴とする撮像装置。 - 1フレームが4以上のフィールドで構成されることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
- 前記実効開口率は前記感光部の物理的な開口率によって決定されることを特徴とする請求項1記載の撮像装置
- 前記位置制御部は前記感光部の位置を各フィールド内で振動させ、前記実効開口率は前記感光部の物理的な開口率と、前記各フィールド内の振動とによって決定されることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
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