JP2004266709A - 撮像装置 - Google Patents

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弘之 宮原
Fumio Nihei
文雄 仁平
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Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

【課題】水平転送CCDにおける電荷の転送速度を高めることなく高画素化を図ることができ、また様々な信号方式の画像を出力可能な撮像装置において、撮像の光軸中心と固体撮像素子上の画像の中心とを精度よく一致させるようにした撮像装置を提供する。
【解決手段】固体撮像素子10を固体撮像素子移動枠61で保持して、ガイドバー65を介して固体撮像素子固定枠60に組み込み、突起61aにて固体撮像素子移動枠61を固体撮像素子固定枠60に圧接して精度よく固定位置を確定することができるようにする。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は動画像と静止画像とを、あるいは複数の方式の動画像を撮像可能なカメラでの使用に好適な撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ビデオカメラの中には、電子スチルカメラの機能を搭載したものがある。このようなビデオカメラでは、例えばマトリクス状に配列された水平方向に960画素、垂直方向に640画素の固体撮像素子を備え、動画像を出力する際には、NTSC525ライン分の信号を用いてNTSCテレビジョン信号を出力する一方、静止画像を出力する際には、全てのラインの信号を出力することで1枚の静止画像を得ている。
【0003】
最近では、ビデオカメラで撮像した静止画像の更なる高解像度化が望まれており、高解像度の静止画像を得るためには、固体撮像素子の画素数を増加させる必要がある。
例えば、上述の水平方向に960画素、垂直方向に640画素配列される固体撮像素子を用いた場合、約60万画素相当の静止画像を得ることができる。しかし、約60万画素相当の静止画像の場合、家庭用プリンタを用いて画像を大きく印刷すると、画素粒子が目立ち、充分な画質の印刷を行うことができない。
【0004】
また、動画像信号としは、NTSCテレビジョン方式以外にも多くの信号方式があり、固体撮像素子の画素数を水平方向及び垂直方向に増加させれば、他の信号方式の動画像信号も出力可能である。例えば、光電変換素子1が水平方向に1280画素、垂直方向に720画素配列される固体撮像素子を考えた場合、720本の有効走査線をフレーム周波数30Hzで順次走査する、いわゆる720p/30フレームシステムの動画像信号を出力可能である。しかしながら、このような動画像信号を出力するためには、水平方向及び垂直方向に固体撮像素子の画素数を増加させる必要があった。
【0005】
以上のような理由から、画素数の多い固体撮像素子が必要となるが、画素数を増大させた場合、1HD期間により多くの画素を水平転送する必要があるため、水平転送CCDにおける電荷の転送速度を高めることになる。例えば、1HD期間に水平転送すべき画素数が1280×2=2560画素である場合を想定すると、1HD期間は63.5μsであるため、水平転送速度は、1280×2/63.5μs=40.31MHzとなる。しかし、このように水平転送CCDにおける電荷の転送速度を高めると消費電力が増大し、更に、固体撮像素子の発熱によりS/Nが劣化するという問題があった。
【0006】
このような問題を解決するために、水平転送CCDに転送される電荷の中で、水平転送CCDの出力部から遠い側に、転送される一部の電荷を遮断可能とする遮断部を設けることにより、水平転送CCDにおける電荷の転送速度を高めることなく高画素化を図ることができ、また様々な信号方式の画像を出力可能な撮像装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−27332公報(第2図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述の特許文献1では、水平転送CCDの出力部から遠い側に遮断部を設けることにより、動画撮像モードでは、動画像に必要な数だけの水平画素を読み出して水平転送速度の高速化を防ぐ構成となっている。また、静止画撮像モードでは、リアルタイム処理である必要はないため、設けられた固体撮像素子の全画素を、動画撮像モードと同一の速度で読み出すことにより高解像度化に対応している。
【0009】
ところで、この構成は固体撮像素子における画素数を増加させた場合においても、水平転送速度の高速化を防ぐことができるものであるが、動画撮像モードと静止画撮像モードとでは、読み出す領域が異なるため画像の中心位置が異なっている。すなわち、固体撮像素子の中心(静止画撮像モード領域の中心)と撮像の光軸中心とを一致させた場合、動画撮像モードでは撮像の光軸中心が画像の中心と異なってしまい、撮像レンズをズームにした場合撮像する画像の中心が移動してしまうという新たな問題が発生した。
上述の特許文献1には、レンズの光軸中心が各撮影モードのレンズの光軸中心位置となるよう固体撮像素子を移動させるという記載はあるが、精度よく撮像の光軸中心と画像の中心とを一致させる構成を示した記載はない。
【0010】
本発明は、以上の点に鑑みなされたもので、水平転送CCDにおける電荷の転送速度を高めることなく高画素化を図ることができ、また様々な信号方式の画像を出力可能な撮像装置において、固体撮像素子保持枠を設けて固体撮像素子固定枠に固定して、固体撮像素子保持枠を移動することにより撮像の光軸中心と固体撮像素子上の画像の中心とを精度よく一致させるようにした撮像装置を提供することを目的とする。
また、固体撮像素子の入来光側に光学的な光軸変更手段を設置することにより、撮像の光軸中心と固体撮像素子上の画像の中心とを精度よく一致させるようにした撮像装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、以下の1)及び2)に記載の手段よりなる。
すなわち、
1)水平方向に画素a個及び垂直方向に画素b個がマトリクス状に配列されてなる固体撮像素子と、
前記固体撮像素子を一体に保持する固体撮像素子保持手段と、
前記固体撮像素子保持手段を撮像装置に対して第1又は第2の位置に固定する固体撮像素子固定手段と、
第1、第2の撮像モードのうち前記第2の撮像モードを選択したときは、前記固体撮像素子固定手段に対する前記固体撮像素子保持手段を前記第1の位置から前記第2の位置に変更固定し、前記第2の撮像モードを選択した後に前記第1の撮像モードを選択したときには、前記第2の位置に固定されている前記固体撮像素子固定手段を前記第1の位置に復帰固定する固体撮像素子位置変更手段と、
を備え、
前記第1の撮像モードでは、a×bのマトリクス状に配列される第1の画像領域より得た画像信号を出力し、かつ前記第1の画像領域の中心座標(a/2,b/2)と前記固体撮像素子に入射する光学系を介した撮像光の光軸とが一致しており、
前記第2の撮像モードでは、c(c<a)×bのマトリクス状に配列される第2の画像領域より得た画像信号を出力し、かつ前記第2の撮像モードの中心座標(c/2,b/2)と前記撮像光の光軸とが一致するように、前記固体撮像素子位置変更手段によって、前記固体撮像素子保持手段の固定位置を前記第1の位置から前記第2の位置に変更固定することを特徴とする撮像装置。
2)水平方向に画素a個及び垂直方向に画素b個がマトリクス状に配列されてなる固体撮像素子と、
第1、第2の撮像モードのうち前記第2の撮像モードを選択したときは、前記固体撮像素子に対する前記撮像光の光軸を前記第1の位置から前記第2の位置に光学的に変更固定し、前記第2の撮像モードを選択した後に前記第1の撮像モードを選択したときには、前記第2の位置に固定されている前記撮像光の光軸を前記第1の位置に光学的に復帰固定する光軸変更手段と、
を備え、
前記第1の撮像モードでは、a×bのマトリクス状に配列される第1の画像領域より得た画像信号を出力し、かつ前記第1の画像領域の中心座標(a/2,b/2)と前記固体撮像素子に入射する光学系を介した撮像光の光軸とが一致しており、
前記第2の撮像モードでは、c(c<a)×bのマトリクス状に配列される第2の画像領域より得た画像信号を出力し、かつ前記第2の撮像モードの中心座標(c/2,b/2)と前記撮像光の光軸とが一致するように、前記光軸変更手段によって、前記固体撮像素子に対する前記撮像光の光軸の固定位置を前記第1の位置から前記第2の位置に変更固定することを特徴とする撮像装置。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の撮像装置の発明の実施の形態につき、好ましい実施例により説明する。
まず、第1の実施例について説明する。図1(a)は、固体撮像素子の一部を示す図であり、1は入来する光を電気信号に変換して出力する光電変換素子、2は光電変換素子1から出力される電荷を垂直方向に転送する垂直転送CCD(以下、VCCDと記す)、3はVCCD2から転送された電荷を水平方向に転送する水平転送CCD(以下、HCCDと記す)である。なお、ここでは、テレビジョン信号の1フィードル期間(以下、1VD期間と記す)に1フレーム分の信号を出力可能な、いわゆるプログレッシブスキャン方式の固体撮像素子を用いている。
【0013】
同図(b)は、実施例1に適用される撮像装置を説明するための図であり、10は固体撮像素子、11は固体撮像素子11に対して各種信号を出力するタイミングジェネレータ(以下、TGと記す)、12は撮像モードに応じてTG11、固体撮像素子10、画像処理部13を制御する制御部、13は制御部12の制御に基づき固体撮像素子10の出力部3outから出力される信号を処理して出力する画像処理部である。また、本明細書における1VD期間あるいは1HD期間とは、夫々NTSC方式のテレビジョン信号における1フィールド期間あるいは水平走査線信号の1水平走査期間を示しているものとする。
【0014】
図2は、固体撮像素子10における撮像領域を説明するための図であり、固体撮像素子10における光電変換素子、VCCD、HCCDの構成については、夫々図1(a)で示した通りである。但し、固体撮像素子10では、光電変換素子1が水平方向に1280画素、垂直方向に960画素マトリクス状に配列されている。また、本実施例に適用される撮像装置では、NTSC信号を出力する第1の動画撮像モードと、HDTV信号を出力する第2の動画撮像モードと、静止画像を出力する静止画撮像モードとがある。第1の動画撮像モードでは領域Cからの電荷がNTSC信号の生成のために利用され、第2の動画撮像モードでは領域B,C,D,Hからの電荷がHDTV信号の生成のために利用され、静止画撮像モードでは、図2に示す全ての領域(領域A乃至I)からの電荷が静止画像の生成のために利用される。
【0015】
また、領域A,B,D,Eは、第1の動画撮像モードでの撮像時にNTSC信号の生成のために利用されない電荷を出力する領域であり、領域Fは、第1の動画撮像モードでの撮像時に領域G,H,Iからの電荷の転送を遮断する領域である。従って、HCCD3における出力部3outから遠い側、即ち、出力部3outから離れたHCCD3の端部であるHCCD3の転送方向の上流側への電荷の転送が遮断される。そして、X1は第1の動画撮像モード時におけるレンズの光軸中心であり、X2は第2の動画撮像モード時および静止画撮像モード時におけるレンズの光軸中心である。
【0016】
以下、本実施例に適用される撮像装置の動作を第1の動画撮像モード、第2の動画撮像モード、静止画撮像モードの順に説明する。まず、第1の動画撮像モードでは、図1(b)で示す制御部12がTG11を制御し、TG11は固体撮像素子10に駆動パルスを出力する。この駆動パルスには、光電変換素子1からの電荷の読み出しパルス、VCCD2の垂直転送パルス、HCCD3の水平転送パルス等が含まれる。また、制御部12は、後述するようにレンズの光軸中心が図2で示すX1の位置となるよう固体撮像素子10を移動させると共に、領域DがVCCD2の電荷を遮断する遮断部として機能するよう固体撮像素子10を制御する。
【0017】
TG11が、固体撮像素子10に読み出しパルスを出力すると、全ての領域の光電変換素子1に蓄えられていた電荷が隣接するVCCD2に転送され、その後、TG11からの垂直転送パルスのタイミングで、蓄えられた電荷がHCCD3方向にシフトされる。その際、領域A,Bの光電変換素子1から出力された電荷は、NTSC信号の生成のために必要のない電荷であるため、TG11は、領域A,Bからの全ての電荷がHCCD3に転送されるまでの期間は、非常に高速な垂直転送パルスを出力する。一方、HCCD3には、水平転送パルスが供給され、この水平転送パルスは、1HD期間に1920画素分の電荷を転送できる速度に設定されている。
【0018】
そして、領域Cの下端の光電変換素子1から出力された電荷がHCCD3に転送される直前になると、垂直転送パルスは、NTSCテレビジョン信号の1HD期間の1/2の期間に1段ずつ、蓄えられた電荷がHCCD3方向にシフトする速度に設定される。つまり、1HD期間に2段ずつ電荷をシフトする速度に設定されるため、領域Cからの電荷は、480ライン/2=240HD期間かけて全ての電荷がHCCD3に転送される。
【0019】
そして、領域Cからの電荷がHCCD3に転送される期間中、HCCD3には、1HD期間に1920画素分の電荷を転送できる速度の水平転送パルスが供給されているため、1HD期間に1920画素分の電荷が出力される。そして、領域Cからの電荷のHCCD3への転送が完了すると、TG11は再度高速な垂直転送パルスを出力し、残る領域D,Eからの電荷が全て高速でHCCD3に転送される。なお、これらの期間中、領域G,H,Iからの電荷は、全て領域Fの遮断部で遮断されるため、HCCD3に転送されることはない。
【0020】
図3は、この時の動作をより詳細に説明するための図であり、同図(a)は1VD期間、同図(b)は1VD期間の固体撮像素子10の出力、同図(c)は1HD期間、同図(d)は1HD期間の固体撮像素子10の出力を夫々示している。
【0021】
前述の如く、読み出しパルスが生成された後、領域A,Bの電荷が全てHCCD3に転送されるまでの期間は、VCCD2の垂直転送パルスは非常に高速であるため、図示の如く、領域Aからの電荷は短い期間に出力される。また、領域Cからの電荷が全てHCCD3に転送された後も垂直転送パルスは非常に高速であるため、領域D,Eからの電荷も短い期間に出力される。
【0022】
これに対し、領域Cからの電荷は、1HD期間に2段分ずつHCCD3に転送されるため、240HD期間かけて480段分の電荷がHCCD3に転送され、HCCD3は、この期間に水平方向960画素を1ライン分として480ライン分の電荷を出力する。また、図示の如く、領域Cからの電荷を出力する際の1HD期間では、HCCD3は水平方向960画素を1ライン分とした2ライン分の電荷を出力している。
【0023】
なお、同図(b)の領域A,B及びD,Eの電荷出力期間に固体撮像素子10から出力される電荷については、領域Cからの電荷と同様に、画像処理部13に出力されるが、画像処理部13は制御部12からの制御信号に基づき、領域Cにおける電荷のみを利用してNTSCテレビジョン信号を生成出力する。
【0024】
以上説明したように、第1の動画撮像モードでは、領域F,G,H,Iからの電荷はHCCD3に転送されずに、HCCD3は、実質的に領域A,B,C,D,Eからの電荷のみを水平転送することになるため、水平方向960画素の固体撮像素子におけるVCCDと同一の周波数の水平転送パルスでHCCD3における電荷を転送することができる。つまり、水平転送速度は、1HD期間を63.5μsとすると、960画素×2/63.5μs=30.24MHzとなり、OB(光学的黒レベル:暗電流補正)信号の転送を考慮した場合でも、これより若干高い周波数にて水平転送を行うことができる。
【0025】
なお、以上の動画撮像モードで撮像した第1の動画像信号は、480本の有効走査線をフレーム周波数60Hzで順次走査する、いわゆる480p方式のテレビジョン信号として出力することも、また、480本の有効走査線をフィールド周波数60Hzで飛び越し走査する、いわゆる480i方式のテレビジョン信号として出力することも可能である。
【0026】
また、以上の第1の動画撮像モードでは、固体撮像素子10を利用した手ぶれ補正処理を行うことも可能である。つまり、手ぶれ方向及びその量に関する情報を制御部12に供給し、これに基づき、TG11の出力する垂直転送パルスのタイミングを変化させることにより、領域Bを垂直方向に移動させて手ぶれを補正することが可能となる。
【0027】
また、図2に示した撮像領域の左側に手ぶれ補正用の光電変換素子が配列される場合、あるいは、領域Cを少し右側にシフトした位置に設けた場合には、固体撮像素子10を用いて、水平方向にも手ぶれ補正の処理を行うことができることは言うまでもない。
【0028】
また、図2で示した固体撮像素子10を使用した場合、720本の有効走査線をフレーム周波数30Hzで順次走査する、いわゆる720p/30フレームシステムの高精細度動画像信号を出力する高精細動画モードを搭載することも可能であり、以下、この高精細動画撮像モードである第2の動画撮像モードについて説明する。
【0029】
なお、第2の動画撮像モードでは、図2における水平方向1280画素を1ラインとした720ライン分あるいはこれより若干多いライン分の電荷を2HD期間に出力する。従って、領域Fは後述する静止画撮像モードと同様に、VCCD2の電荷を遮断することはない。
【0030】
また、レンズの光軸中心についても静止画撮像モードと同様にX2の位置に設定され、TG11は、制御部12の制御に基づき、固体撮像素子10に電荷の読み出しパルス、VCCD2の垂直転送パルス、HCCD3の水平転送パルスを出力する。
【0031】
制御部12から読み出しパルスが出力されると、全ての領域の光電変換素子1に蓄えられていた電荷が隣接するVCCD2に転送され、その後、TG11からの垂直転送パルスのタイミングで、蓄えられた電荷がHCCD3方向にシフトされる。
【0032】
なお、固体撮像素子10の画面中央に近い720ライン分の電荷をHCCD3に転送する際には、テレビジョン信号の2HD期間に3段ずつ電荷を転送する速度に垂直転送パルスが設定される。つまり、2HD期間に3段ずつ電荷をシフトするため、480HD期間かけて720段分、つまり、480HD期間かけて720ライン分の電荷がHCCD3に転送される。
【0033】
また、720ラインの上下の合計240ラインについては、垂直転送パルスが非常に高速に設定されており、テレビジョン信号の2VD期間から720ライン分の転送に必要な480HD期間を差し引いた残りの期間にこれら240ライン分の電荷が転送されることになる。
【0034】
そして、HCCD3には、第2動画撮像モード及び静止画撮像モードと同一の水平転送パルスが供給されている。従って、HCCD3は、テレビジョン信号の1HD期間に1920画素、2HD期間に3840画素、つまり、水平方向1280画素を1ライン分とした3ライン分の電荷を転送する。なお、このように各撮像モードで水平転送パルスを同一の周波数とすることで、HCCD3の出力信号が供給される画像処理部13の構成を簡略化させることができる。
【0035】
図4は、第2動画撮像モードでの動作をより詳細に説明するための図であり、同図(a)はVD期間、同図(b)は2VD期間の固体撮像素子10の出力、同図(c)は2HD期間、同図(d)は2HD期間の固体撮像素子10の出力を夫々示している。
【0036】
以上のように、第2の動画像撮像モードでは、第1の動画撮像モードに比して1秒間あたりのフレーム枚数は半分であるものの、1フレームあたりの画素数が2倍である高精細の動画像信号を出力することが可能であり、このような動画像信号を出力する際も、HCCD3における水平転送パルスの周波数は、30.24MHz以上とすれば良い。
【0037】
なお、固体撮像素子10の出力する画像信号に対して図示しないメモリ等を用いて垂直方向の手ぶれ補正処置をする場合には、720ラインより若干多くのラインを出力する必要がある。このような場合には、例えば画面中央に近い730ライン分については、テレビジョン信号の2HD期間に3段ずつHCCD3に電荷を転送し、テレビジョン信号の2VD期間における残りの期間で上下の230ライン分の電荷を転送すれば良い。
【0038】
次に、静止画撮像モードについて説明する。静止画撮像モードでは、前述の如く、図2で示した全ての領域からの電荷が静止画像の生成のために利用される。従って、制御部は、領域FがVCCD2の電荷の遮断を行わず、他の領域の光電変換素子と同様に機能するよう固体撮像素子10を制御する。また、制御部12は、レンズの光軸中心が図2で示すX2の位置となるよう固体撮像素子10を移動させる。そして、TG11は、制御部12の制御に基づき、固体撮像素子10に電荷の読み出しパルス、VCCD2の垂直転送パルス、HCCD3の水平転送パルスを出力する。
【0039】
なお、静止画撮像モードでは、読み出しパルスは、固体撮像素子10に1度だけ出力され、そのタイミングで全ての領域の光電変換素子1に蓄えられていた電荷が隣接するVCCD2に転送される。また、VCCD2に供給される垂直転送パルスは、2HD期間に3段ずつ電荷をシフトする速度に固定されているため、640HD期間かけて960段分の電荷がHCCD3に転送されることになる。
【0040】
一方、HCCD3には、動画撮像モードの際と同一の水平転送パルスが供給されている。従って、HCCD3は、1HD期間に1920画素、2HD期間に3840画素、つまり、水平方向1280画素を1ライン分とした3ライン分の電荷を転送する。
【0041】
図5は、静止画撮像モードでの動作をより詳細に説明するための図であり、同図(a)はVD期間、同図(b)は固体撮像素子10が静止画像を出力するのに必要な時間、同図(c)は2HD期間、同図(d)は2HD期間の固体撮像素子10の出力を夫々示している。
【0042】
前述の如く、固体撮像素子10は、640HD期間かけて全ての電荷を出力することになるため、テレビジョン信号の複数のVD期間にわたって1枚の静止画像を出力することになる。そして、2HD期間では、3ライン分の電荷を出力する。以上のような動作にて、水平方向1280画素、垂直方向960画素よりなる約120万画素相当の静止画像を得ることができる。
【0043】
次に、図6を用いて、固体撮像素子10を機構的に移動させる構成について説明する。固体撮像素子10の移動に際しては、精度よく且つ元の位置戻した時の再現性が高くなければならない。そこで、固体撮像素子固定枠60の内部を固体撮像素子移動枠61が移動する構成とした。固体撮像素子10は、入来光の方向から順に、固体撮像素子移動枠61、フィルタ66、シール67、固体撮像素子10、固体撮像素子固定板68により固定され、ガイドバー65を介して固体撮像素子固定枠60に組みつけられている。
【0044】
固体撮像素子移動枠61は、ガイドバー65により、矢印方向に移動可能としている。固体撮像素子移動枠61には、突起61aが設けられており固体撮像素子固定枠60に設けられた穴60aから切り換えレバー62側に突き出ている。切り換えレバー62は、切り換えレバー固定部60bを軸として回転するように、また夫々の位置にて切り換えレバー62を圧接するようにバネ63を介して固体撮像素子固定枠60にとり付けられている。
【0045】
固体撮像素子移動枠61は、移動方向に対して垂直方向の2面で固体撮像素子固定枠60に当接する。その当接した位置が、それぞれの図2で示すレンズの光軸中心X1あるいはX2の位置となるように設定している。こうすることで、切り換えレバー62は突起61aをいずれかの方向に押しつける動作をするだけであり、固定位置の確定は、固体撮像素子移動枠61と固体撮像素子固定枠60との当接面によって決定される構成とすることができる。
【0046】
図7を用いて、固体撮像素子固定枠60に対する固体撮像素子移動枠61の固定位置の説明をする。同図(a)は、図2で示すレンズの光軸中心X1に相当したもので、切り換えレバー62で突起61aを図面左方向に圧接することにより固体撮像素子移動枠61を固定している。同図(b)は、図2で示すレンズの光軸中心X2に相当したもので、切り換えレバー62を(a)とは逆の方向に倒して突起61aを図面右方向に圧接することにより固体撮像素子移動枠61を固定している。
【0047】
また、圧接面を固体撮像素子移動枠圧接面61b、固体撮像素子固定枠圧接面60cのように曲面で構成することにより、固体撮像素子移動枠61の固定位置の精度を、移動方向に対し垂直方向にも高めることができる。
【0048】なお、固体撮像素子移動枠61の移動については、モータ及びギアあるいはソレノイド等を用いた構成としてもよい。切り換えレバー62、モータ及びギアあるいはソレノイド等で行う固体撮像素子10の光軸中心の移動手段と固体撮像素子10の領域の切り換えとを同時に連動して行うようにしてもよい。
【0049】
次に、実施例2について図8を用いて説明する。同図(a)は、撮影レンズ80と固体撮像素子10との間に可変頂角プリズム81を設置して、光軸中心の移動手段を光学的に行う構成としており、制御部12により各撮影モードに応じたプリズム厚82を与え頂角を変化させることにより入来光の光軸中心移動させるよにしたものである。
【0050】
同図(b)は、撮影レンズ80と固体撮像素子10との間にシフトレンズ83を設置して、制御部12により各撮影モードに応じた位置にシフトレンズ83を移動84させることにより入来光の光軸中心移動させるよにしたものである。
また、光学的な手振れ補正機能を搭載している撮像装置においては、撮像装置の振れを検出して、シフトレンズを手振れが抑制される方向に移動制御することにより手振れ補正を行っている。このような撮像装置においては、手振れ補正用のシフトレンズを共通して用い、各撮影モードに応じたオフセット量を与えるようにしてもよい。
【0051】
次に、実施例3について図9を用いて説明する。先に説明した各実施例で用いた固体撮像素子10よりも水平方向に画素数を増加させた固体撮像素子を用いることを特徴としており、動画撮像モードと、第1の静止画撮像モードと、第2の静止画撮像モードとを備えるものとする。なお、前述の高精細動画撮像モードを加えても良い。
【0052】
動画撮像モードは、先の実施例での動作と同様であり、第1の静止画撮像モードは、先の実施の形態での静止画撮像モードでの動作と同様である。つまり、動画撮像モードでは、X1が光軸中心、領域F及びJが遮断部とされて、領域Cからの電荷がテレビジョン信号の生成のために利用され、第1の静止画撮像モードでは、X2が光軸中心、領域Jが遮断部とされて、領域A乃至Iからの電荷が静止画像の生成のために利用される。
【0053】
そして、第2の静止画像モードでは、X3が光軸中心とされて、全ての領域(領域A乃至K)からの電荷が静止画像の生成のために利用される。従って、先の実施例1と同様に、HCCD3の水平転送パルスの周波数を高めることなく、動画撮像を行うことができる。また、第1の静止画撮像モードで撮像した場合には、水平方向に1710画素が配列される固体撮像素子を使用しているにも拘らず、先の実施の形態で示した固体撮像素子と同一の時間で静止画像を出力することができる。また、第2の静止画撮像モードで撮像した場合には、固体撮像素子の有する全ての光電変換素子を用いて、約160万画素相当の静止画像を得ることができる。
【0054】
なお、以上の説明では、各静止画撮像モードでの撮像の際に、固体撮像素子が全ての光電変換素子からの電荷を用いて静止画像を生成した例を示したが、これに限るものではない。例えば、撮像領域における周辺部等、良好な信号特性が得られにくい領域に関しては、この領域を使用せずに、このような領域を除いた領域のみの光電変換素子からの電荷を用いて静止画像を生成しても良いことは言うまでもない。
【0055】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、水平転送CCDにおける電荷の転送速度を高めることなく高画素化を図ることができ、また様々な信号方式の画像を出力可能な撮像装置において、固体撮像素子保持枠を設けて固体撮像素子固定枠に固定して、固体撮像素子保持枠を移動することにより撮像の光軸中心と固体撮像素子上の画像の中心とを精度よく一致させるようにした撮像装置を提供することができる。
また、固体撮像素子の入来光側に光学的な光軸変更手段を設置することにより、撮像の光軸中心と固体撮像素子上の画像の中心とを精度よく一致させるようにした撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に適用される撮像装置における固体撮像素子の動作の概略を示したものである。
【図2】本発明の実施例1に適用される固体撮像素子の領域分割の一例を示したものである。
【図3】第1の動画像撮像モードでの動作を説明するための図である。
【図4】第2の動画像撮像モードでの動作を説明するための図である。
【図5】静止画像撮像モードでの動作を説明するための図である。
【図6】本発明の実施例1に適用される固体撮像素子の移動の構成を示した概略機構図である。
【図7】本発明の実施例1に適用される固体撮像素子の移動の状態を示した概略機構図である。
【図8】本発明の実施例2に適用される撮像装置における光軸の変更を示した一例である。
【図9】本発明の実施例3に適用される固体撮像素子の領域分割の一例を示したものである。
【符号の説明】
1…光電変換素子
2…垂直転送CCD
3…水平転送CCD
10…固体撮像素子
11…タイミングジェネレータ
12…制御部
13…画像処理部
60…固体撮像素子固定枠
60a…固体撮像素子固定枠穴
60b…切り換えレバー固定部
60c…固体撮像素子固定枠圧接面
61…固体撮像素子移動枠
61a…突起
61b…固体撮像素子移動枠圧接面
62…切り換えレバー
63…バネ
64…切り換えレバー蓋
65…ガイドバー
66…フィルタ
67…シール
68…固体撮像素子固定板
80…撮影レンズ
81…可変頂角プリズム
83…シフトレンズ

Claims (2)

  1. 水平方向に画素a個及び垂直方向に画素b個がマトリクス状に配列されてなる固体撮像素子と、
    前記固体撮像素子を一体に保持する固体撮像素子保持手段と、
    前記固体撮像素子保持手段を撮像装置に対して第1又は第2の位置に固定する固体撮像素子固定手段と、
    第1、第2の撮像モードのうち前記第2の撮像モードを選択したときは、前記固体撮像素子固定手段に対する前記固体撮像素子保持手段を前記第1の位置から前記第2の位置に変更固定し、前記第2の撮像モードを選択した後に前記第1の撮像モードを選択したときには、前記第2の位置に固定されている前記固体撮像素子固定手段を前記第1の位置に復帰固定する固体撮像素子位置変更手段と、
    を備え、
    前記第1の撮像モードでは、a×bのマトリクス状に配列される第1の画像領域より得た画像信号を出力し、かつ前記第1の画像領域の中心座標(a/2,b/2)と前記固体撮像素子に入射する光学系を介した撮像光の光軸とが一致しており、
    前記第2の撮像モードでは、c(c<a)×bのマトリクス状に配列される第2の画像領域より得た画像信号を出力し、かつ前記第2の撮像モードの中心座標(c/2,b/2)と前記撮像光の光軸とが一致するように、前記固体撮像素子位置変更手段によって、前記固体撮像素子保持手段の固定位置を前記第1の位置から前記第2の位置に変更固定することを特徴とする撮像装置。
  2. 水平方向に画素a個及び垂直方向に画素b個がマトリクス状に配列されてなる固体撮像素子と、
    第1、第2の撮像モードのうち前記第2の撮像モードを選択したときは、前記固体撮像素子に対する前記撮像光の光軸を前記第1の位置から前記第2の位置に光学的に変更固定し、前記第2の撮像モードを選択した後に前記第1の撮像モードを選択したときには、前記第2の位置に固定されている前記撮像光の光軸を前記第1の位置に光学的に復帰固定する光軸変更手段と、
    を備え、
    前記第1の撮像モードでは、a×bのマトリクス状に配列される第1の画像領域より得た画像信号を出力し、かつ前記第1の画像領域の中心座標(a/2,b/2)と前記固体撮像素子に入射する光学系を介した撮像光の光軸とが一致しており、
    前記第2の撮像モードでは、c(c<a)×bのマトリクス状に配列される第2の画像領域より得た画像信号を出力し、かつ前記第2の撮像モードの中心座標(c/2,b/2)と前記撮像光の光軸とが一致するように、前記光軸変更手段によって、前記固体撮像素子に対する前記撮像光の光軸の固定位置を前記第1の位置から前記第2の位置に変更固定することを特徴とする撮像装置。
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