JP4077469B2 - 操作装置および操作システム - Google Patents

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Description

本発明は、記録媒体(HDD、CD、MD等)に記録された楽曲データを再生する携帯端末装置や、各種電子機器を遠隔操作するためのリモコン装置に用いられる操作装置および操作システムに関し、特に片手で装置を把持して簡単に操作することができる操作装置および操作システムに関する。
記録媒体(HDD、CD、MD等)に記録された楽曲データを再生する携帯端末装置や、各種電子機器を遠隔操作するためのリモコン装置は、装置の多機能化に伴って様々な操作を行う必要から、装置に設けられたボタンでは対応することができず、ディスプレイを用いたオンスクリーン操作が採用されている。オンスクリーン操作では、ディスプレイに表示された操作画面に配列されている複数の指示キーをup/downキー、十字キー、ジョクシャトル等の操作手段を操作して選択するのが一般的であるが、高齢者や不慣れな使用者には、up/downキー、十字キー、ジョクシャトル等の操作をスムーズに行うことが難しい。
そこで、up/downキー、十字キー、ジョクシャトル等の操作手段を用いることなく、加速度センサから得られる信号より、装置の傾斜角度を検出し、装置の傾斜角度に基づいて操作画面上の指示キーを時々刻々移動させて表示し、操作画面の中央付近に表示されている指示キーを選択するようにした技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、従来技術では、装置を前後左右方向に傾斜させ、操作画面上の指示キーを上下左右に移動させ、所望の指示キーが中央に移動した際に装置を水平に保つことで所望の指示キーを選択するように構成されているため、装置を水平に戻すタイミングを間違うと、所望の指示キーの手前の指示キーが選択されてしまったり、所望の指示キーが通り越して移動してしまったりして、装置を傾ける操作になれていないと所望の指示キーにカーソルを停止させることが困難であるという問題点があった。
特開2003−162371号公報
本発明は斯かる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、装置を傾斜させることで隣接する指示キーにカーソルを確実に移動させることができ、装置を傾ける操作になれていない場合でも、所望の指示キーにカーソルを確実に停止させることができる操作装置および操作システムを提供する点にある。
本発明は上記課題を解決すべく、以下に掲げる構成とした。
本発明の操作装置は、異なる操作が割り当てられた複数の指示キーが配列されているキー配列画面を用い、複数の前記指示キーのいずれかをカーソルによって選択することで操作を行う操作装置であって、装置の傾きを検出して姿勢信号を出力する傾斜角検出手段と、該傾斜角検出手段からの前記姿勢信号に基づいて前記指示キーの配列方向の傾きを抽出し、抽出した傾きが予め定められた第1の閾値よりも小さい第2の閾値未満から前記第1の閾値以上になったときに、抽出した傾き方向に隣接する前記指示キーに前記カーソルを1つ移動させ、前記カーソルを移動させた前記指示キーからは、抽出した傾きが一旦前記第の閾値未満になるまで、前記カーソルを移動させないカーソル制御手段とを具備することを特徴とする。
さらに、本発明の操作装置は、前記傾斜角検出手段からの前記姿勢信号に基づいて主面部と平行で互いに直交するX軸およびY軸の回転角をX軸回転角およびY軸回転角としてそれぞれ算出すると共に、算出した前記X軸回転角および前記Y軸回転角を合成することでどの向きにどの程度傾けられたかを示す姿勢ベクトルを算出する回転角算出手段を具備し、前記カーソル制御手段は、前記回転角算出手段によって算出された前記姿勢ベクトルから前記指示キーの配列方向の傾きを抽出することを特徴とする。
さらに、本発明の操作装置は、前記指示キーの配列方向が2方向である場合には、前記該傾斜角検出手段からの前記姿勢信号に基づいて前記指示キーの配列方向である2方向の傾きをそれぞれ抽出し、抽出した2方向の傾きのいずれもが前記第1の閾値未満から以上になったときには、抽出した2方向に前記カーソルをそれぞれ1つ移動させることを特徴とする。
また、本発明の操作システムは、本体装置と、当該本体装置を操作するリモコン装置とからなり、異なる操作が割り当てられた複数の指示キーが配列されているキー配列画面を用い、複数の前記指示キーのいずれかをカーソルによって選択することで操作を行う操作システムであって、前記リモコン装置は、前記リモコン装置の傾きを検出して姿勢信号を出力する傾斜角検出手段と、前記カーソルが位置する前記指示キーに割り当てられた操作の実行を指示する操作キーと、前記傾斜角検出手段から出力された前記姿勢信号と前記操作キーの押下信号とを送信する送信手段とを具備し、前記本体装置は、前記姿勢信号と前記押下信号とを受信する受信手段と、前記キー配列画面を表示する表示手段と、前記受信手段によって受信された前記姿勢信号に基づいて前記指示キーの配列方向の傾きを抽出し、抽出した傾きが予め定められた第1の閾値よりも小さい第2の閾値未満から前記第1の閾値以上になったときに、抽出した傾き方向に隣接する前記指示キーに前記カーソルを1つ移動させ、前記カーソルを移動させた前記指示キーからは、抽出した傾きが一旦前記第の閾値未満になるまで、前記カーソルを移動させないカーソル制御手段と、前記受信手段によって受信された前記操作キーの押下信号に基づいて前記カーソルが位置する前記指示キーに割り当てられた操作を実行する中央制御手段とを具備することを特徴とする。
本発明の操作装置および操作システムは、異なる操作が割り当てられた複数の指示キーが配列されているキー配列画面において、カーソルによって複数の指示キーのいずれかを選択するに際し、傾斜角検出手段によって装置の傾きを検出して姿勢信号を出力し、姿勢信号に基づいて指示キーの配列方向の傾きを抽出し、抽出した傾きが予め定められた第1の閾値未満から以上になったときに、抽出した傾き方向に隣接する指示キーにカーソルを1つ移動させるように構成することにより、隣接する指示キーに移動したカーソルは、装置をホームポジションまで戻さないと、さらなる移動が行われないため、装置を傾斜させることで隣接する指示キーにカーソルを確実に移動させることができ、装置を傾ける操作になれていない場合でも、隣接する指示キーにカーソルを移動させる動作を複数回行うことで、所望の指示キーにカーソルを確実に停止させることができるという効果を奏する。
さらに、本発明の操作装置および操作システムは、回転角算出手段によって姿勢信号に基づいて主面部と平行で互いに直交するX軸およびY軸の回転角をX軸回転角およびY軸回転角としてそれぞれ算出すると共に、算出したX軸回転角およびY軸回転角を合成することでどの向きに傾けられたかを示す姿勢ベクトルを算出し、算出された姿勢ベクトルから指示キーの配列方向の傾きを抽出するように構成することにより、カーソル移動方向の傾きを簡単に決定することができるという効果を奏する。
さらに、本発明の操作装置および操作システムは、指示キーの配列方向が2方向である場合には、姿勢信号に基づいて指示キーの配列方向である2方向の傾きをそれぞれ抽出し、抽出した2方向の傾きのいずれもが第1の閾値未満から以上になったときには、抽出した2方向にカーソルをそれぞれ1つ移動させるように構成することにより、指示キーの配列方向とは異なる向きに隣接する指示キーに一回の動作でカーソルを移動させることができるという効果を奏する。
さらに、本発明の操作装置および操作システムは、抽出した傾きが第1の閾値よりも小さい第2の閾値未満から第1の閾値以上になったときに、抽出した傾き方向に隣接する指示キーにカーソルを1つ移動させるように構成することにより、操作装置1が閾値T0程度傾けられた状態で振動した場合にも、カーソルが意図せず進んで行ってしまうことを防止することができるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る操作装置の実施の形態の外観構成を示す斜視図であり、図2は、図1に示す操作装置の構成を示すブロック図であり、図3は、図1に示す操作装置の使用状態を説明するための説明図であり、図4は、図2に示す傾斜角検出部の出力例を示す図であり、図5は、図2に示す座標変換部における姿勢ベクトルの算出方法を説明する説明図であり、図6は、図2に示す閾値情報記憶部に記憶されている閾値情報例を示す図であり、図7は、図2に示す画面記憶部に記憶されている第1のキー配列画面例を示す図であり、図8は、図2に示す画面記憶部に記憶されている第2のキー配列画面例を示す図であり、図9は、図2に示す画面記憶部に記憶されている第3のキー配列画面例を示す図である。
本実施の形態の操作装置1は、記録媒体であるHDDに記録された楽曲データを再生するHDDプレーヤ等の携帯端末装置であり、図1を参照すると、全体が略矩形をなす筐体2の主面部に表示部3が設けられていると共に、筐体2の右側面部に操作キー4が設けられ、筐体2内には、図2を参照すると、傾斜角検出部6と、AD変換部7と、座標変換部8と、閾値情報記憶部9と、画面記憶部11と、表示制御部12と、カーソル制御部13と、中央制御部14と、データベース15と、音声出力部16とを備えている。
表示部3は、液晶ディスプレイ(LCD)等の表示手段であり、再生する楽曲データのタイトル名、アーティスト名等の書誌データや再生時間等の各種案内情報や、操作の選択、音量の調整、楽曲データの検索、楽曲データの再生指示等の各種指示キーや、楽曲データを検索するための楽曲マップがレイアウトされた各種操作画面が表示される。なお、本実施の形態では、表示部3に案内情報と指示キーと楽曲マップとを同一画面で表示するように構成したが、操作装置1の主面部に液晶ディスプレイ(LCD)等の他の表示手段を設け、案内情報と指示キーと楽曲マップとのいずれかを別個の表示手段に表示させるようにしても良い。
操作キー4は、電源の投入および切断を指示する電源キー、ユーザが選択した機能(指示キー)の実行を指示する実行キー、ユーザが選択した楽曲データの再生を指示する実行キーとして機能するものであり、操作キー4は、筐体2の右側面部の上部側、すなわち、図3に示すように、表示部3が設けられている主面部を上側にして操作装置1を右手で把持した状態で、親指で操作できる位置に配置されている。
傾斜角検出部6は、例えば、静電容量型、ピエゾ抵抗型、熱分布検知型等の加速度センサを用いた傾斜センサであり、図1を参照すると、主面部、すなわち表示部3の表示面と平行で互いに直交するX軸およびY軸と、主面部と垂直なZ軸の傾きに応じた姿勢信号をAD変換部7に出力する。なお、本実施の形態では、X軸は、表示部3の上下方向に、Y軸は、表示部3の左右方向にそれぞれ設定されている。
傾斜角検出部6として、固定されたビーム(梁)と可動するビーム(梁)とをそれぞれコンデンサの電極板と見立てて、ビーム間の距離の変動を静電容量値としてX軸、Y軸、Z軸(図1に示すように主面部と垂直な軸をZ軸とする)の傾斜を検出する静電容量型3軸加速度センサを用いた場合には、図4に示すように、X軸、Y軸、Z軸の傾斜角に応じた出力電圧が姿勢信号として得られる。
AD変換部7は、傾斜角検出部6から出力される姿勢信号をデジタル信号に変換して座標変換部8に出力し、座標変換部8は、入力された姿勢信号に基づいてX軸およびY軸をそれぞれ中心とする操作装置1のそれぞれの回転角θ、θをそれぞれ算出する。回転角θは、Y軸およびZ軸の傾斜角から、回転角θは、X軸およびZ軸の傾斜角からそれぞれ求めることができる。以下、X軸を中心とする操作装置1の回転をピッチ方向の回転と称し、Y軸を中心とする操作装置1の回転をロール方向の回転と称する。また、筐体2の主面部が重力方向に直交する場合の回転角θ、θを0度とし、表示部3の上方を下側に移動させるピッチ方向の回転をプラスとし、表示部3の下方を下側に移動させるピッチ方向の回転をマイナスとし、表示部3の右方を下側に移動させるロール方向の回転をプラスとし、表示部の左方を下側に移動させるロール方向の回転をマイナスとする。また、座標変換部8は、算出した回転角θ、θを合成することで、図5に示すように、操作装置1がどの向きに傾けられたかを示す角度θと、操作装置1の傾斜角の大きさを示す長さrとで表される姿勢ベクトルRを算出してカーソル制御部13に出力する。
閾値情報記憶部9は、図6を参照すると、AD変換部7で算出される姿勢ベクトルRの長さr、すなわち操作装置1の傾斜角度の閾値T0を閾値情報として記憶している記憶手段である。
画面記憶部11は、各種案内情報が表示される案内情報表示領域や、異なる操作が割り当てられた複数の指示キーや、楽曲データを検索するための楽曲マップがレイアウトされた複数の操作画面を記憶している記憶手段であり、楽曲データの再生に関連する操作を行う画面、音量の調整を行う画面、楽曲データの検索を行う画面等が記憶されている。なお、複数の指示キーがレイアウトされた画面としては、図7に示すように、複数の指示キーKm(m=1〜10)がX軸方向に配列された、例えば音量調整を行う画面等の第1のキー配列画面31と、図8に示すように、複数の指示キーKm(m=1〜5)がY軸方向に配列された、例えばメニュー選択を行う画面等の第2のキー配列画面32と、図9に示すように、複数の指示キーKm(m=1〜25)がX軸およびY軸方向に配列された、例えば文字入力を行う画面等の第3のキー配列画面33とが画面記憶部11に記憶されているものとする。なお、画面記憶部11に記憶されている各種画面の大きさは、表示部3の表示領域と同一である必要はなく、画面記憶部11に記憶されている各種画面の方が表示部3の表示領域よりも大きい場合には、表示部3に部分的に表示され、スクロールによって表示エリアが移動される。
表示制御部12は、中央制御部14の制御に基づいて画面記憶部11に記憶されている各種操作画面のいずれかを読み出して表示部3に表示すると共に、表示部3に第1のキー配列画面31、第2のキー配列画面32および第3のキー配列画面33を表示した場合には、指示キーKmが配列されている方向、すなわちカーソルの移動方向を示すキー配列情報をカーソル制御部13に通知する。また、表示制御部12は、表示部3に表示した操作画面に案内情報表示領域がレイアウトされている場合には、中央制御部14からの指示に基づいて、再生する楽曲データのタイトル名、アーティスト名等の書誌データをデータベース15から読み出して案内情報表示領域に表示する。
カーソル制御部13は、第1のキー配列画面31、第2のキー配列画面32および第3のキー配列画面33に配列された複数の指示キーKmのいずれかを選択するカーソルの移動を制御する手段である。カーソル制御部13は、表示制御部12からのキー配列情報に基づいて、座標変換部8から入力される姿勢ベクトルRからカーソル移動方向の成分を抽出し、閾値情報記憶部9に記憶されている閾値情報と比較することでカーソルの移動を制御する。また、カーソル制御部13は、操作キー4が押下されると、第1のキー配列画面31、第2のキー配列画面32および第3のキー配列画面33においては、カーソルが位置する指示キーKmに割り当てられた操作を中央制御部14に通知する。なお、カーソルとは、情報、領域、指示キー等の選択対象を選択した場合に、選択した選択対象の色を変えたり、反転処理をしたり、アンダーラインを表示したりして選択されていることを示すものであり、カーソルが移動されることにより、カーソルが位置する選択対象が選択される。
中央制御部14は、カーソル制御部13から通知される操作を、表示制御部12および音声出力部16を制御することで実行する。また、中央制御部14は、電源切断状態で操作キー4が押下されると電源の投入制御を、電源投入状態で操作キー4が所定時間以上押下されると電源の切断制御を行う。なお、電源の切断制御は、操作画面のいずれかに電源切断操作が割り当てられた指示キーを設け、当該指示キーにカーソルを移動させた状態で操作キー4を押下することで実行されるようにしても良い。
データベース15は、HDD等の記録手段であり、図示しない楽曲データ入力端子から入力された楽曲データが記録されていると共に、各楽曲データのタイトル名、アーティスト名等の書誌データが記録されている。
音声出力部16は、中央制御部14からの指示に基づいて、データベース15に記録されている楽曲データを再生するオーディオプレーヤであり、図示しない音声出力端子からオーディオ信号を図示しないヘッドフォン等の音声出力装置に出力する。
次に、複数の指示キーが配列されているキー配列画面におけるカーソル移動動作について図10を参照して詳細に説明する。
図10は、本発明に係る操作装置の実施の形態におけるキー配列画面での楽曲選択カーソルの移動動作を説明するためのフローチャートである。
表示制御部12は、中央制御部14の制御に基づいて、第1のキー配列画面31、第2のキー配列画面32もしくし第3のキー配列画面33のいずれかを画面記憶部11から読み出して表示部3に表示すると(ステップA1)、表示部3に表示した第1のキー配列画面31、第2のキー配列画面32もしくは第3のキー配列画面33のキー配列情報をカーソル制御部13に通知する(ステップA2)。
次に、座標変換部8は、傾斜角検出部6から出力され、AD変換部7によってデジタル信号に変換された姿勢情報の姿勢信号に基づいてX軸、Y軸の回転角θ、θをそれぞれ算出し(ステップA3)、算出した回転角θ、θを合成することで、操作装置1がどの向きに傾けられたかを示す角度θと、操作装置1の傾斜角の大きさを示す長さrとで表される姿勢ベクトルRを算出する(ステップA4)。
次に、カーソル制御部13は、表示制御部12からのキー配列情報に基づいて、座標変換部8から入力される姿勢ベクトルRからカーソル移動方向の成分を抽出する(ステップA5)。図7に示すキー配列画面31の場合には、指示キーKmがX軸に沿って配列されているため、表示制御部12は、X軸方向を示すキー配列情報をカーソル制御部13に出力し、カーソル制御部13は、図6に示すように、X軸方向における姿勢ベクトルRの成分Rxを抽出する。また、図8に示すキー配列画面32の場合には、指示キーKmがY軸に沿って配列されているため、表示制御部12は、Y軸方向を示すキー配列情報をカーソル制御部13に出力し、カーソル制御部13は、図6に示すように、Y軸方向における姿勢ベクトルRの成分Ryを抽出する。さらにまた、図9に示すキー配列画面33の場合には、指示キーKmがX軸およびY軸に沿って配列されているため、表示制御部12は、X軸方向およびY軸方向を示すキー配列情報をカーソル制御部13に出力し、カーソル制御部13は、図6に示すように、X軸方向における姿勢ベクトルRの成分Rxと、Y軸方向における姿勢ベクトルRの成分Ryとを抽出する。
次に、カーソル制御部13は、カーソル移動方向における姿勢ベクトルRの成分が閾値情報記憶部9に記憶されている閾値T0未満か否かを判断する(ステップA6)。ステップA3〜ステップA6により、図6(a)に示すように、カーソル移動方向における姿勢ベクトルRの成分が閾値T0未満になった状態、すなわち操作装置1がカーソル移動方向において水平に近い状態に保たれて傾斜角度が閾値T0未満の状態(以下、ホームポジションと称す)であるか否かが判断されることになる。
ステップA6でカーソル移動方向における姿勢ベクトルRの成分が閾値情報記憶部9に記憶されている閾値T0未満でない場合、すなわち操作装置1がホームポジションに保たれていない場合には、カーソル制御部13は、操作キー4が押下されたか否かを判断し(ステップA7)、操作キー4が押下されない場合には、ステップA3に戻り、操作キー4が押下された場合には、カーソルによって選択された指示キーKmに割り当てられた操作を中央制御部14に通知し、中央制御部14は、カーソル制御部13から通知される操作を、表示制御部12および音声出力部16を制御することで実行し(ステップA8)、カーソルの移動動作を終了する。
ステップA6でカーソル移動方向における姿勢ベクトルRの成分が閾値情報記憶部9に記憶されている閾値T0未満である場合、すなわち操作装置1がホームポジションに保たれている場合には、座標変換部8は、傾斜角検出部6から出力され、AD変換部7によってデジタル信号に変換された姿勢情報の姿勢信号に基づいてX軸、Y軸の回転角θ、θをそれぞれ算出し(ステップA9)、算出した回転角θ、θを合成することで、操作装置1がどの向きに傾けられたかを示す角度θと、操作装置1の傾斜角の大きさを示す長さrとで表される姿勢ベクトルRを算出する(ステップA10)。
次に、カーソル制御部13は、表示制御部12からのキー配列情報に基づいて、座標変換部8から入力される姿勢ベクトルRからカーソル移動方向の成分を抽出し(ステップA11)、カーソル移動方向における姿勢ベクトルRの成分が閾値情報記憶部9に記憶されている閾値T0以上か否かを判断する(ステップA12)。ステップA9〜ステップA12により、図6(b)に示すように、カーソル移動方向における姿勢ベクトルRの成分が閾値T0以上になった状態、操作装置1がカーソル移動方向に傾けられ傾斜角度が閾値T0以上になった状態であるか否かが判断されることになる。
ステップA12でカーソル移動方向における姿勢ベクトルRの成分が閾値情報記憶部9に記憶されている閾値T0以上でない場合、すなわち操作装置1がホームポジションに保たれている場合には、カーソル制御部13は、操作キー4が押下されたか否かを判断し(ステップA13)、操作キー4が押下されない場合には、ステップA9に戻り、操作キー4が押下された場合には、カーソルによって選択された指示キーKmに割り当てられた操作を中央制御部14に通知し、中央制御部14は、カーソル制御部13から通知される操作を、表示制御部12および音声出力部16を制御することで実行し(ステップA14)、カーソルの移動動作を終了する。
ステップA12でカーソル移動方向における姿勢ベクトルRの成分が閾値情報記憶部9に記憶されている閾値T0以上である場合、すなわち操作装置1がカーソル移動方向に所定量以上傾けられた状態になった場合には、カーソル制御部13は、カーソル移動方向における姿勢ベクトルRの成分の方向にカーソルを1つ移動させ(ステップA15)、ステップA3に戻る。
これにより、図7に示すように指示キーK7にカーソルが位置しているキー配列画面31において、操作装置1をホームポジションからカーソルを移動させたい方向(X軸方向のいずれか)に閾値T0以上傾けることにより、カーソルが左右に隣接する指示キーK6もしくは指示キーK8のいずれかに1つだけ移動されることになる。指示キーK6もしくは指示キーK8にカーソルが移動後は、操作装置1を一旦ホームポジションに戻さなければ、カーソルのさらなる移動が行われないため、指示キーK7から左右に隣接する指示キーK6もしくは指示キーK8にカーソルを確実に移動させることが可能になる。
また、図8に示すように指示キーK3にカーソルが位置しているキー配列画面32において、操作装置1をホームポジションからカーソルを移動させたい方向(Y軸方向のいずれか)に閾値T0以上傾けることにより、カーソルが上下に隣接する指示キーK2もしくは指示キーK4のいずれかに1つだけ移動されることになる。指示キーK2もしくは指示キーK4にカーソルが移動後は、操作装置1を一旦ホームポジションに戻さなければ、カーソルのさらなる移動が行われないため、指示キーK3から上下に隣接する指示キーK2もしくは指示キーK4にカーソルを確実に移動させることが可能になる。
さらにまた、図9に示すように指示キーK18にカーソルが位置しているキー配列画面33において、操作装置1をホームポジションからカーソルを移動させたい方向(X軸方向いずれか、Y軸方向のいずれか)に閾値T0以上傾けることにより、カーソルが左右に隣接する指示キーK17もしくは指示キーK19、上下に隣接する指示キーK13もしくは指示キーK13のいずれかに1つだけ移動されることになる。なお、このようにカーソル移動方向が2つある場合には、互いに独立して制御され、例えば、図6(a)に示すように、X軸方向における姿勢ベクトルRの成分Rxと、Y軸方向における姿勢ベクトルRの成分Ryとのいずれもが閾値T0未満である状態から、図6(b)に示すように、X軸方向における姿勢ベクトルRの成分Rxと、Y軸方向における姿勢ベクトルRの成分Ryとのいずれもが閾値T0以上になった場合には、X軸方向における姿勢ベクトルRの成分Rxの方向とY軸方向における姿勢ベクトルRの成分Ryの方向とに1つずつカーソルが移動される。従って、操作装置1をホームポジションからカーソルを移動させたい斜め方向に、X軸方向およびY軸方向の傾斜角度のいずれもが閾値T0以上になるように傾けるという1回の動作により、指示キーK18から斜めに隣接する指示キーK12、指示キーK14、指示キーK22もしくは指示キーK24に一回の動作でカーソルを移動させることができる。指示キーK18に上下左右斜めに隣接する指示キーKmにカーソルが移動後は、操作装置1を一旦ホームポジションに戻さなければ、カーソルのさらなる移動が行われないため、指示キーK18に上下左右斜めに隣接する指示キーKmにカーソルを確実に移動させることが可能になる。
次に、複数の指示キーが配列されているキー配列画面におけるカーソル移動を2つの閾値を用いて制御する他の実施の形態について図11を参照して詳細に説明する。
図11は、図2に示す閾値情報記憶部に記憶されている閾値情報の他の例を示す図である。
2つの閾値を用いてカーソル移動を制御する他の実施の形態では、図11を参照すると、閾値情報記憶部9にAD変換部7で算出される姿勢ベクトルRの長さr、すなわち操作装置1の傾斜角度の閾値T0と、閾値T1(閾値T0>閾値T1)とを記憶させておき、上述のステップA6で、カーソル制御部13は、カーソル移動方向における姿勢ベクトルRの成分が閾値情報記憶部9に記憶されている閾値T1未満か否かを判断するように構成する。
これにより、カーソルの隣接する指示キーKmへの移動は、図11(a)に示すように、操作装置1が閾値T1未満に保持されている状態がホームポジションとなり、図11(b)に示すように、ホームポジションから操作装置1をカーソル移動方向に閾値T0以上傾けた際にカーソルの移動が行われる。従って、操作装置1をカーソル移動方向に閾値T0程度傾けた状態での振動によって、操作装置1がホームポジションと閾値T0以上傾けた状態との間を何度も推移して、カーソルが意図せず進んで行ってしまうことを防止することができる。
次に、本発明の他の実施の形態である操作システムについて図12を参照して詳細に説明する。
図12は、本発明に係る操作システムの実施の形態の構成を示すブロック図である。
他の実施の形態である操作システム20は、図12を参照すると、DVDプレーヤ、テレビジョン装置等の本体装置21と、本体装置21を操作するリモコン装置22とからなり、本体装置21は、表示部3と、座標変換部8と、閾値情報記憶部9と、画面記憶部11と、表示制御部12と、カーソル制御部13と、中央制御部14と、受信部23とを備え、リモコン装置22は、操作キー4と、傾斜角検出部6と、AD変換部7と、送信部24とを備えている。なお、本体装置21の表示部3は、本体装置21に接続されたディスプレイ等の表示手段を用いるようにしても良い。
リモコン装置22の送信部24は、傾斜角検出部6から出力され、AD変換部7によってデジタル信号に変換された姿勢信号および操作キー4の押下信号を赤外線等の操作信号に変調して本体装置に送信し、本体装置21の受信部23は、リモコン装置22から受信した操作信号を復調し、姿勢信号を座標変換部8に、操作キー4の押下信号をカーソル制御部13にそれぞれ入力する。これにより、上述した操作装置1の構成を本体装置21とリモコン装置22とに割り振っても操作装置1と同様の動作を行うことができる。
なお、本実施の形態では、第1のキー配列画面31、第2のキー配列画面32および第3のキー配列画面33においてキー配列画面においてX軸および/又はY軸方向に配列されている例を説明したが、指示キーKmの配列方向には、制限なく、例えば斜めに配列するようにしても良い。
以上説明したように、本実施の形態によれば、異なる操作が割り当てられた複数の指示キーKmが配列されているキー配列画面において、カーソルによって複数の指示キーKmのいずれかを選択するに際し、傾斜角検出部6によって装置の傾きを検出して姿勢信号を出力し、カーソル制御部13は、姿勢信号に基づいて指示キーKmの配列方向の傾きを抽出し、抽出した傾きが予め定められた第1の閾値未満から以上になったときに、抽出した傾き方向に隣接する指示キーKmにカーソルを1つ移動させるように構成することにより、隣接する指示キーKmに移動したカーソルは、操作装置1をホームポジションまで戻さないと、さらなる移動が行われないため、操作装置1を傾斜させることで隣接する指示キーKmにカーソルを確実に移動させることができ、操作装置1を傾ける操作になれていない場合でも、隣接する指示キーKmにカーソルを移動させる動作を複数回行うことで、所望の指示キーKmにカーソルを確実に停止させることができるという効果を奏する。
さらに、本実施の形態によれば、座標変換部8によって姿勢信号に基づいて主面部と平行で互いに直交するX軸およびY軸の回転角をX軸回転角およびY軸回転角としてそれぞれ算出すると共に、算出したX軸回転角およびY軸回転角を合成することでどの向きに傾けられたかを示す姿勢ベクトルRを算出し、カーソル制御部13は、算出された姿勢ベクトルRから指示キーKmの配列方向の傾きを抽出するように構成することにより、カーソル移動方向の傾きを簡単に決定することができるという効果を奏する。
さらに、本実施の形態によれば、指示キーKmの配列方向が2方向である場合には、カーソル制御部13は、姿勢信号に基づいて指示キーKmの配列方向である2方向の傾きをそれぞれ抽出し、抽出した2方向の傾きのいずれもが第1の閾値未満から以上になったときには、抽出した2方向にカーソルをそれぞれ1つ移動させるように構成することにより、指示キーKmの配列方向とは異なる向きに隣接する指示キーKmに一回の動作でカーソルを移動させることができるという効果を奏する。
さらに、本実施の形態によれば、カーソル制御部13は、抽出した傾きが第1の閾値よりも小さい第2の閾値未満から第1の閾値以上になったときに、抽出した傾き方向に隣接する指示キーKmにカーソルを1つ移動させるように構成することにより、操作装置1が閾値T0程度傾けられた状態で振動した場合にも、カーソルが意図せず進んで行ってしまうことを防止することができるという効果を奏する。
なお、本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。なお、各図において、同一構成要素には同一符号を付している。
本発明に係る操作装置の実施の形態の外観構成を示す斜視図である。 図1に示す操作装置の構成を示すブロック図である。 図1に示す操作装置の使用状態を説明するための説明図である。 図2に示す傾斜角検出部の出力例を示す図である。 図2に示す座標変換部における姿勢ベクトルの算出方法を説明する説明図である。 図2に示す閾値情報記憶部に記憶されている閾値情報例を示す図である。 図2に示す画面記憶部に記憶されている第1のキー配列画面例を示す図である。 図2に示す画面記憶部に記憶されている第2のキー配列画面例を示す図である。 図2に示す画面記憶部に記憶されている第3のキー配列画面例を示す図である。 本発明に係る操作装置の実施の形態におけるキー配列画面での楽曲選択カーソルの移動動作を説明するためのフローチャートである。 図2に示す閾値情報記憶部に記憶されている閾値情報の他の例を示す図である。 本発明に係る操作システムの実施の形態の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 操作装置
2 筐体
3 表示部
4 操作キー
6 傾斜角検出部
7 AD変換部
8 座標変換部(回転角算出手段)
9 閾値情報記憶部
11 画面記憶部
12 表示制御部
13 カーソル制御部
14 中央制御部
15 データベース
16 音声出力部
20 操作システム
21 本体装置
22 リモコン装置
23 受信部
24 送信部
31、32、33 キー配列画面

Claims (4)

  1. 異なる操作が割り当てられた複数の指示キーが配列されているキー配列画面を用い、複数の前記指示キーのいずれかをカーソルによって選択することで操作を行う操作装置であって、
    装置の傾きを検出して姿勢信号を出力する傾斜角検出手段と、
    該傾斜角検出手段からの前記姿勢信号に基づいて前記指示キーの配列方向の傾きを抽出し、抽出した傾きが予め定められた第1の閾値よりも小さい第2の閾値未満から前記第1の閾値以上になったときに、抽出した傾き方向に隣接する前記指示キーに前記カーソルを1つ移動させ、前記カーソルを移動させた前記指示キーからは、抽出した傾きが一旦前記第の閾値未満になるまで、前記カーソルを移動させないカーソル制御手段とを具備することを特徴とする操作装置。
  2. 前記傾斜角検出手段からの前記姿勢信号に基づいて主面部と平行で互いに直交するX軸およびY軸の回転角をX軸回転角およびY軸回転角としてそれぞれ算出すると共に、算出した前記X軸回転角および前記Y軸回転角を合成することでどの向きにどの程度傾けられたかを示す姿勢ベクトルを算出する回転角算出手段を具備し、
    前記カーソル制御手段は、前記回転角算出手段によって算出された前記姿勢ベクトルから前記指示キーの配列方向の傾きを抽出することを特徴とする請求項1記載の操作装置。
  3. 前記指示キーの配列方向が2方向である場合には、
    前記該傾斜角検出手段からの前記姿勢信号に基づいて前記指示キーの配列方向である2方向の傾きをそれぞれ抽出し、抽出した2方向の傾きのいずれもが前記第1の閾値未満から以上になったときには、抽出した2方向に前記カーソルをそれぞれ1つ移動させることを特徴とする請求項1又は2記載の操作装置。
  4. 本体装置と、当該本体装置を操作するリモコン装置とからなり、異なる操作が割り当てられた複数の指示キーが配列されているキー配列画面を用い、複数の前記指示キーのいずれかをカーソルによって選択することで操作を行う操作システムであって、
    前記リモコン装置は、前記リモコン装置の傾きを検出して姿勢信号を出力する傾斜角検出手段と、
    前記カーソルが位置する前記指示キーに割り当てられた操作の実行を指示する操作キーと、
    前記傾斜角検出手段から出力された前記姿勢信号と前記操作キーの押下信号とを送信する送信手段とを具備し、
    前記本体装置は、前記姿勢信号と前記押下信号とを受信する受信手段と、
    前記キー配列画面を表示する表示手段と、
    前記受信手段によって受信された前記姿勢信号に基づいて前記指示キーの配列方向の傾きを抽出し、抽出した傾きが予め定められた第1の閾値よりも小さい第2の閾値未満から前記第1の閾値以上になったときに、抽出した傾き方向に隣接する前記指示キーに前記カーソルを1つ移動させ、前記カーソルを移動させた前記指示キーからは、抽出した傾きが一旦前記第2の閾値未満になるまで、前記カーソルを移動させないカーソル制御手段と、
    前記受信手段によって受信された前記操作キーの押下信号に基づいて前記カーソルが位置する前記指示キーに割り当てられた操作を実行する中央制御手段とを具備することを特徴とする操作システム。
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