以下に本発明の実施形態を説明する。以下では、理解を容易にするため、携帯型端末機を利用して本発明が実現される実施形態を説明するが、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素を均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
本発明に係る項目選択装置が実現されうる携帯型端末機として、たとえば、携帯型の電話機やゲーム機、カメラや電子辞書などの電子機器、その他の様々なタッチパネルを備えた携帯型端末機が挙げられる。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態に係る項目選択装置が実現される典型的な携帯型端末機の概要構成を示す模式図である。以下、本図を参照して説明する。
携帯型端末機100は、無線通信部103と、通信コントローラ104と、サウンドアンプ105と、スピーカ106と、操作キー107と、画像表示部108と、タッチパネル120と、制御部150と、を備える。
また、制御部150は、CPU(Central Processing Unit)151と、画像処理部152と、音声処理部153と、ROM(Read Only Memory)154と、RAM(Random Access Memory)155と、LCDコントローラ156と、タッチパネルコントローラ157と、を備える。
CPU 151は、携帯型端末機100の各構成要素と接続されており、携帯型端末機100全体の動作を制御する。また、CPU 151は、携帯型端末機100の各構成要素と制御信号やデータのやりとりを行う。
画像処理部152は、たとえば、ROM 154から読み出された画像データや、CPU 151で処理された画像データを加工処理した後、これらをRAM 155に記憶させる。なお、画像処理部152から画像データ等を、直接画像表示部108に出力することも可能である。
音声処理部153は、たとえば、ROM 154から読み出された音声データや、CPU 151で処理された楽曲データを加工処理した後、これらをRAM 155に記憶させる。なお、音声処理部153から音声データ等を、直接サウンドアンプ105に出力することも可能である。
ROM 154は、たとえば、携帯型端末機100で項目選択を行うのに必要な制御プログラムやデータ等を記憶しており、これらをCPU 151、RAM 155などに出力する。
RAM 155は、画像処理部152で加工された表示用の画像データや、CPU 151がプログラムに従った各種処理を実行するためのワークデータ等を記憶しており、これらをCPU 151や画像表示部108などに出力する。
LCDコントローラ156は、画像表示部108を制御し、所定の表示用画像を表示させる。たとえば、LCDコントローラ156は、RAM 155に記憶された画像データを所定の同期タイミングで表示信号に変換し、画像表示部108に出力する。またLCDコントローラ156は、画像表示部108に所定の選択ボタン等を表示させる。
タッチパネルコントローラ157は、タッチペンやユーザの指によるタッチパネル120への接触(タッチ操作)を検知・検出する。たとえば、画像表示部108に所定の選択ボタン等が表示されている状態で、タッチパネル120上の接触や解放(離れること)の検知、およびそれらの位置を検出する。
無線通信部103は、他の携帯型端末機の無線通信部との間で、無線通信を行うユニットであり、携帯型端末機100に内蔵されたアンテナ(図示せず)を介して所定のデータを送受信する。なお、無線通信部103は、所定のアクセスポイントとの間で、無線通信を行うこともできる。また、無線通信部103には、固有のMAC(Media Access Control)アドレスが付与されている。
通信コントローラ104は、無線通信部103を制御し、所定のプロトコルに従って、制御部150と他の携帯型端末機の制御部との間で行われる無線通信の仲立ちをする。また、携帯型端末機100を、近傍の無線アクセスポイント等を介してインターネットに接続する場合には、無線LAN(Local Area Network)に準拠したプロトコルに従って、制御部150と無線アクセスポイント等との間で行われる無線通信の仲立ちをする。
サウンドアンプ105は、制御部150で生成された音声信号を増幅し、スピーカ106に供給する。また、スピーカ106は、たとえば、ステレオスピーカ等からなり、サウンドアンプ105で増幅された音声信号に従って、所定の効果音や楽曲音等を出力する。
図2は、本発明の項目選択装置等の機能を果たす典型的な携帯型端末機100の外観を示す外観図である。以下、本図を参照して本実施形態に係る携帯型端末機100について説明する。
携帯型端末機100は、操作キー107と、画像表示部108と、タッチパネル120と、を備える。
操作キー107は、携帯型端末機100に適宜配置されたキースイッチ等からなり、ユーザの操作にしたがって、所定の指示入力を受け付ける。
画像表示部108は、LCD等からなり、図1に示したLCDコントローラ156の制御によって、所定の選択ボタン等を適宜表示する。また、画像表示部108は、ユーザ等がタッチパネル120に接触することで選択指示を入力するのに必要な選択ボタン(アイコン)等を表示する。
加速度センサ110は、携帯型端末機100に内蔵されており、携帯型端末機100の3軸方向の動きを測定することが可能となっている。すなわち、ユーザが把持している携帯型端末機100を移動させたり、回転させたり、水平から傾けたりする動作を測定する。この測定結果は、制御部150へ供給され、画像処理部152が測定結果に応じた画像データを生成する処理などに使用される。なお、このような加速度センサの代わりに、角加速度センサや傾きセンサ等により、携帯型端末機100の動きを測定してもよい。
タッチパネル120は、画像表示部108の前面に重ねて配置され、タッチペンやユーザの指による入力を受け付ける。タッチパネル120は、たとえば、感圧式のタッチセンサパネルからなり、タッチペン等の圧力を検知し、接触等のタッチ操作およびその位置(タッチ位置)等を検出する。なお、タッチパネル120は、たとえば、静電容量の変化からユーザの指等の接触を検知・検出するものであってもよい。
図3は、本発明の項目選択装置に係る概要構成を示す模式図である。本発明の項目選択装置300は、典型的には上述した携帯型端末機100によって実現される。以下、本図を参照して概要構成を説明する。
項目選択装置300は、表示部301と、接触検知部302と、変動検知部303と、変化部304と、出力部305と、を備える。
表示部301は、項目を画面に表示する。具体的には、ユーザが選択することのできる項目として、LCDからなる画像表示部108に、所定の選択ボタン等を表示する。
すなわち、このような表示部301は、画像表示部108がLCDコントローラ156と連動することによって実現され、変化部304による表示の態様の変化を受け付け、画面に表示し、表示した画面をユーザへ出力する。
接触検知部302は、ユーザによる画面への接触を検知する。具体的には、ユーザが、表示部301によって画像表示部108に表示された項目のうち、選択したい項目に対して指やタッチペン等で触れた際、画像表示部108上に重ねて配置されたタッチパネル120がその接触による圧力または静電容量の変化を受け付け、タッチパネルコントローラ157が接触や接触の解放の有無を検出する。
すなわち、このような接触検知部302は、タッチパネル120がタッチパネルコントローラ157と連動することによって実現され、ユーザからの接触を受け付け、検知した接触を変化部304および出力部305へ出力する。
変動検知部303は、項目選択装置300の位置もしくは向きの変動を検知する。具体的には、例えばユーザが携帯型端末機100を手で持って操作している場合に、その携帯型端末機100の位置を動かしたり、向きを回転させたりすることによる変動を、携帯型端末機100に内蔵された加速度センサ110が検知する。
すなわち、このような変動検知部303は、加速度センサ110等の機能によって実現され、ユーザからの項目選択装置300の変動を受け付け、検知した変動を変化部304へ出力する。
変化部304は、接触検知部302により接触が検知され、かつ、変動検知部303により変動が検知されたとき、画面内の接触されている位置に表示されている項目の表示の態様を、検知された変動に基づいて変化させる。具体的には、例えばユーザが携帯型端末機100のタッチパネル120に対して指やタッチペンで接触しており、その状態で携帯型端末機100の位置や向きを動かした場合に、画像表示部108に表示される項目の位置、大きさ、または、形状といった態様の画像データが、画像処理部152によって加工処理され、変化される。
すなわち、このような変化部304は、画像処理部152等の機能によって実現され、接触検知部302と変動検知部303からの検知情報を受け付け、表示の態様を変化させ、変化させた態様を表示部301へ出力する。
出力部305は、接触検知部302により接触が検知されると、画面内の接触されている位置に表示されている項目を注目項目とし、接触検知部302により接触が終了したことが検知されると、注目項目を選択結果として出力する。具体的には、ユーザが画像表示部108に表示された項目のうち、選択したい項目に対して、指やタッチペンで接触すると、その接触された項目が注目項目とされ、さらにユーザが指やタッチペンを画面から離すことによって接触が解除されると、注目項目(接触していた項目)が、選択結果として携帯型端末機100のRAM 155等へ出力される。
すなわち、このような出力部305は、RAM 155等の機能によって実現され、接触検知部302からの検知情報を受け付け、注目項目を選択結果として、項目選択装置300へ出力する。
図4は、本発明の項目選択装置300に係る表示画面の構成例を示した図である。表示部301は、典型的には本図に示すような表示画面500を、携帯型端末機100の画像表示部108に、表示する。
本図の表示画面500には、「1」〜「9」の数字が描かれた9個の項目501が、3×3の正方形状に配置されて表示されている。「1」〜「9」のそれぞれの項目501は、それぞれが独立した選択項目となっており、ユーザは、例えば項目「1」を選択したいと思ったときは項目「1」を、あるいは項目「6」を選択したいと思ったときは項目「6」を、表示画面500の中から選択する。
ここで、表示画面500内に表示される項目501の数は、9個に限定されるものではなく、1個でも10個でも、あるいは他の数であってもよい。また、項目501には数字が描かれることに制限されるものではなく、アルファベットや図形等、様々なものが描かれていてもよい。さらに、項目501は表示画面500内に3×3の正方形状に配置されることに限られず、長方形状に配置されていてもよいし、その他いかなる形状に配置されていてもよい。
図5は、ユーザによる表示画面500への接触の様子を示した図である。本図では、図4と同様に、携帯型端末機100の画像表示部108に、「1」〜「9」の9個の項目501が3×3の正方形状に配置されて表示画面500内に表示されている。本図は、このように配置された「1」〜「9」の9個の項目501のうち、1個の項目501をユーザが選択する様子を説明するためのものである。
ここでは具体的に、ユーザが項目「5」を選択しようとして、表示画面500内の中央に配置された項目「5」に指502(ここでは右手の指とする)で接触している。すなわち、ユーザが、自身の指502を表示画面500に向けて差し出し、そしてその指502を、表示画面500中央に配置されている項目「5」の位置へ接触させている。このような接触があると、接触検知部302によって、携帯型端末機100のタッチパネル120への圧力や静電容量の変化をタッチパネルコントローラ157が検出することで、接触が検知される。
図5では、このときさらに、接触された項目「5」(本図では指502によって隠されている)の周囲の枠が、太く強調されている。これは、ユーザは選択しようとしている項目「5」が、出力部305によって、注目項目503とされている様子を示している。すなわち、ユーザによって接触されている項目「5」は、選択結果として出力される候補であることがユーザにとって分かりやすいものであるようにするため、表示画面500内の他の項目501に比べて、強調表示されている。
ここで注目項目503は、本図のように表示画面500内の他の項目501に比べて、強調表示されていてもよいし、必ずしもそうでなくてもよい。また、強調表示の形態は、本図のように項目501の枠が太く表示されることに限られず、色を変えてもよいし、光を点滅させてもよいし、その他にも種々の形態が考えられる。
このようにしてユーザが指502で接触することで選択され、注目項目503とされた項目「5」は、ユーザが表示画面500から指502を離すと、選択結果として出力される。すなわち、接触検知部302によって表示画面500への接触の解除が検知されると、注目項目503として選択されていた項目501を、出力部305が出力する。まとめると、ユーザが項目501を選択したいと思った場合には、選択したい項目501が表示されている表示画面500内の位置へ、指502を接触させ、そして指502を離すことにより、目的の項目501が選択結果として出力されることになる。
一方で、このような選択方法において、ユーザは、項目501を選択するために一旦自身の指502を表示画面500へ接触させてしまうと、自身の指502によって隠されてしまい、現在接触している項目501が何であるのかを確認しにくい状況が生まれる。そこで本実施形態では、このような状況を避けるため、以下に説明するような処理を行うことによって、ユーザが現在接触している項目501を容易に確認することができるようにする。
図6は、項目選択装置300の位置が変動された場合に、項目501の表示の位置が変化する様子を示した図である。まず、図6(a)は、項目選択装置300の位置が変動される様子を示している。ここで、図6(a)の最初の状態は、図5と同じ状態、すなわち、携帯型端末機100の画像表示部108に、「1」〜「9」の9個の項目501が3×3の正方形状に配置されて表示画面500内に表示されており、ユーザが指502(ここでは右手の指とする)で表示画面500内の項目「5」を触っている状態、であるとする。
図6(a)では、この状態で、携帯型端末機100を、ユーザから携帯型端末機100へ向かって、右方向へ動かした様子を示している。そして図6(b)には、その後、注目項目503である項目「5」の位置が、ユーザから向かって左方向へ移動する様子が示されている。すなわち、変化部304が、表示画面500内の接触されている位置に表示されている項目501の位置、すなわち注目項目503の位置を、変動検知部303によって検知された携帯型端末機100の位置の変動に基づいて、変化させる。
すなわち、図6(a)の状況では、ユーザが右手の指502で表示画面500に触れているので、触っている項目「5」は、ユーザが触っている間、指502が視界を遮っており、触っている項目501が何の項目501であるのか、ユーザが確認しづらかった。このような状況で、ユーザが携帯型端末機100の位置を変動させると、触っている項目「5」の位置が元の位置、すなわち指502が触っている位置から移動する。そのことによって、指502に視界を遮られることなく、ユーザが現在触っている項目501が項目「5」であるということを、容易に確認することができるようになる。
一方、本実施形態では、携帯型端末機100の位置の変動だけではなく、向きの変動に対しても、変動検知部303が変動を検知し、それに基づいて変化部304が注目項目503の位置を変化させる。以下、図7を用いて説明する。
図7は、項目選択装置300の向きが変動された場合に、項目501の表示の位置が変化する様子を示した図である。まず、図7(a)は、項目選択装置300の向きが変動される様子を示している。ここで、図7(a)の最初の状態も、図6(a)の最初の状態と同じく、図5と同じ状態、すなわち、携帯型端末機100の画像表示部108に、「1」〜「9」の9個の項目501が3×3の正方形状に配置されて表示画面500内に表示されており、ユーザが右手の指502で表示画面500内の項目「5」を触っている状態、であるとする。
図7(a)では、この状態で、携帯型端末機100を、携帯型端末機100の向きを回転させた様子が示されている。ここで具体的には、携帯型端末機100の2つの端のうち、ユーザから向かって左の端504がユーザに近づき、向かって右の端505がユーザから遠ざかるような向きに、携帯型端末機100の向きを変動させている。そのため本図では、左の端504がユーザに近づいて大きくなるように、また右の端505がユーザから遠ざかって小さくなるように、それぞれ実際の縮尺に比べて誇張して描かれている。
そして図7(b)には、その後、注目項目503である項目「5」の位置が、ユーザから向かって左方向へ移動する様子が示されている。すなわち、変化部304が、表示画面500内の接触されている位置に表示されている項目501の位置、すなわち注目項目503の位置を、変動検知部303によって検知された携帯型端末機100の向きの変動に基づいて、変化させる。
すなわち、図6における携帯型端末機100の位置の変動時と同様に、図7においても、図7(a)の状況では、ユーザが右手の指502で触っている項目「5」は、ユーザが触っている間、指502が視界を遮っていたが、ユーザが携帯型端末機100の向きを変動させると、触っている項目「5」の位置が元の位置、すなわち指502が触っている位置から移動する。そのことによって、指502に視界を遮られることなく、ユーザが現在触っている項目501が項目「5」であるということを、容易に確認することができるようになる。
ここで、上述した図6および図7において、注目項目503はユーザから向かって左方向に移動した。本実施形態では、移動する方向はこれに限られるものではなく、ユーザから向かって右方向や上方向、下方向、あるいは斜め方向等、どの方向に移動させることにしてもよいが、典型的には、加速度センサ110が感知した加速度の方向に応じて、ユーザが視認しやすい方向へ注目項目503を移動させるのが自然である。
すなわち、例えば図7の例のように、ユーザから向かって左の端504が手前へ、そして右の端505が奥へ移動するような向きへ、携帯型端末機100の向きを回転させた場合には、注目項目503(項目「5」)が表示画面500内を向かって左方向に移動すると、ユーザに近づくことになり、結果としてユーザが注目項目503を視認しやすくなる。このような構成によって、ユーザがあたかも注目項目503を向かって左手前から斜めに表示画面500を覗き込んでいるような、すなわち図7ではユーザが右手の指502で表示画面500を触っているので、右手前よりも視線が確保しやすい左手前からの視線によって確認するような、状態を模擬することもでき、より自然な確認方法を提供することができると考える。
また、図7とは異なる向きに携帯型端末機100を回転させたときも、注目項目503が、ユーザに近づく方向へ移動することが典型的である。具体的に、ユーザに対して、携帯型端末機100の向かって右の端505が近づき、左の端504が遠ざかる向きの変動時には、注目項目503の位置は右へ移動し、また、上の端が近づき、下の端が遠ざかる向きの変動時には、注目項目503の位置は上へ移動し、さらに、下の端が近づき、上の端が遠ざかる向きの変動時には、注目領域503の位置は下へ移動する、などが挙げられる。
一般的な言い方をすると、本実施形態における変化部304は、携帯型端末機100の表示画面500の対向する2つの端のうち、一方の端がユーザに近づき、他方の端がユーザから遠ざかるような向きの変動を、変動検知部303が検知した場合に、表示画面500内の接触されている位置に表示されている項目501の位置、すなわち注目項目503の位置を、当該一方の端に近づくように変化させる。ここで典型的な状況として、図7とは対照的に、ユーザが左手の指502で表示画面500に触れている場合について説明する。
図8は、ユーザが左手の指で表示画面500に接触していた状況において、項目選択装置300の向きが変動された場合に、項目501の表示の位置が変化する様子を示した図である。図8(a)は、図7(a)と同様に携帯型端末機100の画像表示部108に、「1」〜「9」の9個の項目501が3×3の正方形状に配置されて表示画面500内に表示されている。ここで、図7(a)ではユーザが右手の指502で項目「5」を触っていたのに対し、図8(a)では、ユーザは左手の指502で項目「5」を選択している。
図8(a)では、この状態で、携帯型端末機100を、携帯型端末機100の向きを、図7(a)とは逆向きに回転させている。具体的には、携帯型端末機100の2つの端のうち、ユーザから向かって右の端505がユーザに近づき、向かって左の端504がユーザから遠ざかるような向きに、携帯型端末機100の向きを変動させている。
このとき本実施形態では、図8(b)に示されているように、注目項目503である項目「5」の位置が、ユーザから向かって右方向へ移動する。すなわち、ユーザに近づいた携帯型端末機100の端(この場合は右の端505)の方向へ、注目項目503が移動する。このような構成によって、注目項目503の位置がユーザに近づくことになり、さらにあたかもユーザが向かって右手前から斜めに表示画面500を覗き込んでいるような状態になるので、ユーザが注目項目503を視認しやすい状態を提供することができる。
ここで本実施形態では、変化部304が、変動検知部303によって検知された項目選択装置300の位置もしくは向きの変動の量が大きければ、表示画面500内の接触されている位置に表示されている項目501、すなわち注目項目503を表示する態様を変化させる量を大きくすることも可能である。すなわちこの場合は、携帯型端末機100の位置もしくは向きの変動を、内蔵されている加速度センサ110が検知した場合に、加速度センサ110はその変動の量も測定して、その量を画像処理部152へ供給し、画像処理部152がその変動の量に応じた量だけ変化した表示画面500を生成する。
図9は、項目選択装置300の位置が大きく変動された場合に、項目501の表示の位置が大きく変化する様子を示した図である。まず、図9(a)は、図6(a)と同様に、ユーザが指502で表示画面500内の項目「5」を触っている状態で、項目選択装置300の位置が変動される様子を示しているが、ここでは、その変動の量が図6(a)のときと比べて大きくなっている。
そして図9(b)には、図6(b)と同様に、その後、注目項目503である項目「5」の位置が、ユーザから向かって左方向へ移動する様子が示されているが、ここでの項目「5」の移動する量は、図8(a)における携帯型端末機100の位置の大きな変動の量を反映して、大きく左方向へ移動している。
このような構成によって、ユーザは、注目項目503の位置を移動させる量を大きくしたいときは、携帯型端末機100を変動させる量を大きくすればよいし、また逆に、注目項目503の位置を移動させる量が小さくても適切に視認できるのであれば、携帯型端末機100を変動させる量を小さくすればよい。すなわち、ユーザは、注目項目503の位置変化の量を適切に調整しながら、現在選択しようとしている注目項目503が何であるかを視認することができる。
図10は、本発明の実施形態1の項目選択装置300に係る処理の流れを示すフローチャートである。ここまで説明してきた本実施形態における項目選択装置300において実現される処理の流れまとめて、以下に説明する。
まず、例えば、携帯型端末機100の電源が投入され、CPU 151がRAM 155等からプログラムを読み込むと、項目選択装置300による項目選択処理が開始される。
項目選択処理が開始されると、まず項目選択装置300は、ユーザが選択可能な項目501を表示画面500に表示する(ステップS1001)。すなわち、表示部301が、例えば上述した図4のような表示画面500内に、選択可能な項目501を表示する。
次に項目選択装置300は、表示画面500への接触の検知の有無を判定する(ステップS1002)。すなわち、接触検知部302が、例えば携帯型端末機100のタッチパネル120に、ユーザによる指502やタッチペンによる接触を検知し、その有無を判定する。
接触の検知がないと判定された場合(ステップS1002;NO)、項目選択装置300の処理はステップS1001へと戻る。すなわち、表示画面500への接触が検知されない限り、項目選択装置300は、ユーザが選択可能な項目501を表示画面500に表示し続けることになる。
接触の検知があったと判定された場合(ステップS1002;YES)、次に項目選択装置300は、表示画面500内の接触された項目501を注目項目503とする(ステップS1003)。すなわち、ユーザは選択しようとしている項目501に対して接触動作を行っているため、接触された項目501は、後述する選択結果として出力される項目501の候補として、出力部305により注目項目503とされる。
さらに項目選択装置300は、項目選択装置300の位置もしくは向きの変動が検知されたかどうかを判定する(ステップS1004)。すなわち、変動検知部303が、例えばユーザが、手に持って操作している携帯型端末機100全体の位置を動かしたり、向きを回転させたりすることによる変動を検知し、変動があったかどうかを判定する。
例えば図6(a)でのような携帯型端末機100の位置の変動の、もしくは図7(a)でのような携帯型端末機100の向きの変動の、有無を判定する。すなわち、それまで静止していた携帯型端末機100が、ユーザが携帯型端末機100を持っている手を動かすことなどによって位置や向きを動かされることで、携帯型端末機100全体に加速度が生じ、それを内蔵された加速度センサ110が検出して、それを判定に用いる。
ここで、位置もしくは向きの変動の有無の判定には、ある所定の閾値を設けて、加速度センサ110において検出された加速度が所定の閾値を超えていた場合に、変動があったと判定することにしてもよい。このとき、所定の閾値を小さい値に設定すれば、小さな変動に対しても感度よく反応することができるようになり、一方で大きい値に設定すれば、多少の位置の変動によっては変動があったと判定されなくなり、ユーザの手振れや意に反する変動に対して不必要に反応することを抑えることができる。本実施形態においては、いずれかの設定に限定するものではない。
変動の検知があると判定された場合(ステップS1004;YES)、項目501の表示の態様を変化させる処理へ移行する。一方で、変動の検知があると判定されなかった場合は(ステップS1004;NO)、項目501の表示の態様を変化させる処理へは移行せず、後述する表示画面500への接触の終了の検知の有無を判定する処理(ステップS1009)へと移行する。
ここで変動の検知があると判定された場合(ステップS1004;YES)、まず、検知された項目選択装置300の変動の方向に基づいて、項目501の態様を変化させる方向を決定する(ステップS1005)。すなわち典型的には、携帯型端末機100の表示画面500の対向する2つの端のうち、一方の端がユーザに近づき、他方の端がユーザから遠ざかるような向きの変動を、変動検知部303が検知した場合に、表示画面500内の項目501(ここでは注目項目503)の位置を、当該一方の端に近づくような方向を求める。
さらに、検知された項目選択装置300の変動の大きさに基づいて、項目501の態様を変化させる量を決定する(ステップS1006)。すなわち典型的には、ステップS1004において検知された携帯型端末機100の変動の量が大きければ、項目501の態様を変化させる量も大きくし、反対に検知された携帯型端末機100の変動の量が小さければ、項目501の態様を変化させる量も小さくする。
その後、項目選択装置300は、決定された方向と大きさに基づいて、表示画面500に表示されている項目501の表示の態様を変化させ(ステップS1007)、そして所定の同期タイミングを待って、態様の変化した項目501を、表示画面500に表示する(ステップS1008)。
ここまでの処理を終えると、次に項目選択装置300は、表示画面500への接触の終了の検知の有無を判定する処理(ステップS1009)へと移行する。すなわち、接触検知部302が、例えば携帯型端末機100のタッチパネル120へ接触していたユーザの指502やタッチペンが、離れたかどうか、すなわち接触の終了を検知し、その有無を判定する。
ここで、接触の終了の検知がないと判定された場合(ステップS1009;NO)、項目選択装置300の処理は、ステップS1004へ戻る。すなわち、項目選択装置300の位置もしくは向きの変動が検知されたかどうかを、再び判定する。さらに変動の検知があると判定された場合は、ステップS1005〜S1008までの処理、すなわち項目501の表示の態様を変化させる処理を、再び行う。すなわち、携帯型端末機100の位置もしくは向きの変動が検知され続ける限り、項目選択装置300は、検知された変動に基づいて項目501の表示の態様を変化させる処理を繰り返し続けることになる。
一方で、接触の終了の検知があったと判定された場合(ステップS1009;YES)、その後、項目選択装置300は、出力結果として注目項目503を出力し(ステップS1010)、処理を終了する。すなわち、ユーザによって接触されていた注目項目503を、出力部305が、出力結果として、例えば携帯型端末機100のRAM 155等に記憶させ、ここまで説明してきた項目選択処理を終了する。
このような構成により、実施形態1では、ユーザが項目選択装置300の位置もしくは向きを変動させると、現在ユーザが接触している注目項目503の位置が、変化する。近年のタッチパネル式の操作入力を備えた、スマートフォン等の電子機器では特に、機器が小型であることもあり、表示画面500に表示されている項目501の大きさが、ユーザの指502の大きさと同じくらいの大きさであることが多いため、表示画面500に接触している指502によって、項目501への視界を遮られる状況が起こりやすい。
そのため、本実施形態のように、注目項目503の位置が移動することで、ユーザは表示画面500に指502やタッチペンを接触したままの状態で、現在指している項目501が何であるかを、容易に確認できるようになる。
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2について説明する。本実施形態では、項目選択装置300は、実施形態1の機能に加えて、表示画面500に表示されている項目501の表示の態様を変化させた後、時間の経過とともに項目501の表示の態様を戻すように変化させる。
すなわち例えば、項目選択装置300の位置もしくは向きの変動を検知し、それに基づいて項目501の表示の位置が移動した後、そのままずっと元の位置に戻らないままであると、例えばユーザが項目501の表示の位置を別の方向へ移動させ直したいと思った場合、一旦移動した位置を基準としてさらに移動させるよりは、初期の位置から移動させた方が自然な場合が多いと考えられる。また、一旦項目501の表示の位置が移動した後、ある程度時間が経った状態では、ユーザは現在接触している項目501が何であるかをすでに確認し終わっていると考えられるので、この場合も、項目501の位置を移動させたままに維持させるよりは、元の位置に戻った方が自然だと考えられる。
そのため、本実施形態では、変化部304によって1度表示の態様が変化した項目501に対して、その後さらに項目選択装置300の位置もしくは向きの変動が検知されない限り、同じく変化部304によりさらに、表示の態様を元に戻す処理を行う。すなわち、本実施形態では、変化部304が、変動検知部303による変動が検知されない間、変化された表示の態様を、時間の経過とともに初期の表示の態様に戻すように変化させる。
例えば、実施形態1において説明した図6(b)および図7(b)では、注目項目503である項目「5」の位置が、ユーザから向かって左へ移動された状態であったので、本実施形態ではこの状態からさらに、項目「5」は右へ向かって移動し、元の位置、すなわち3×3に配置された9個の項目501の中央の位置へ、戻ることになる。
ここで項目「5」は、瞬時に元の位置へ戻ってもよいし、次第に元の位置へ戻ってもよい。次第に元に戻る場合、ある一定の速度で戻ってもよい。また、項目「5」と元の位置との間に仮想的なバネが存在し、さらに摩擦力が働く空間を仮定して、バネの力と摩擦力による運動をシミュレーションしたことによる速度で、すなわち減衰振動をシミュレーションしたことによる速度で、戻ることとしてもよい。その他、種々の戻り方が考えられる。
図11は、本発明の実施形態2の項目選択装置300に係る処理の流れを示すフローチャートである。以下、本図を参照して、上述した本実施形態の機能を実現させるための処理の流れを説明する。
本図の流れは、基本的には実施形態1のフローチャート(図10)の流れを踏襲しており、ステップS1001〜S1010までの個々の処理は実施形態1のものと同じであるが、ステップS1004において項目選択装置300の位置もしくは向きの変動を検知がないと判定された場合において、本実施形態に特有の処理(本図の点線で囲われた部分)が入る。
具体的に、項目選択装置300の位置もしくは向きの変動を検知がないと判定された場合(ステップS1004;NO)、本実施形態での項目選択装置300はまず、項目501の表示の態様が、変化しているかを判定する(ステップS1101)。ここで、項目501の表示の態様が変化していると判定された場合(ステップS1101;YES)、時間の経過とともに、変化部304が、項目501の表示の態様を戻すように変化させ(ステップS1102)、その態様が戻るように変化した項目501を、表示部301が、表示画面500に表示する(ステップS1103)。ここで、元に戻す処理は、ステップS1007において態様が変化してから所定の時間が経過後に行うようにすることが典型的である。
一方で、ステップS1101において、変化していないと判定された場合は(ステップS1101;NO)、すなわち項目501の表示の態様が初期の態様のままである場合は、変化を戻す必要がないため、ステップS1102〜S1103の処理は行わない。その後、処理はステップS1009の処理へ移行する。
ここで、項目選択装置300の処理が、本フローチャートの最初の処理であるステップS1001から開始されて、表示画面500への接触を検知(ステップS1002;YES)し、接触された項目501を注目項目503とした(ステップS1003)状況では、そのまま項目選択装置300の変動を検知しなければ(ステップS1004;NO)、上記ステップS1101では必ず、項目501の表示の態様が変化していない(ステップS1101;NO)と判定されることになる。その後、表示画面への接触が終了せず(ステップS1009;NO)、さらに項目選択装置300の変動が検知されない(ステップS1004;NO)限り、項目選択装置300の処理は、ステップS1101でNO、ステップS1009でNO、ステップS1004でNO、の判定処理を繰り返し続けることになる。
この状態で、一度、項目選択装置300の変動を検知(ステップS1004;YES)した場合には、実施形態1と同様に、項目選択装置300の処理は項目501の表示の態様を変化させる処理(ステップS1005〜S1008)を通る。その後、さらにその状態で表示画面500への接触を終了せず(ステップS1009;NO)、そしてさらに項目選択装置300の変動が検知されない(ステップS1004;NO)、という処理を通ると、はじめてステップS1101において項目501の表示の態様が変化している(ステップS1101;YES)と判定されて、項目501の表示の態様を戻すように変化させ、表示する処理(ステップS1102〜S1103)を行うことになる。
すなわち、上記ステップS1101においてYESと判定(項目501の表示の態様が変化していると判定)されるためには、項目選択装置300の処理は、少なくとも1回、ステップS1005〜S1008の項目501の表示の態様を変化させる処理を通っていることが必要となる。言い換えると、ユーザが、表示画面500へ接触し、一度項目選択装置300の位置もしくは向きを変動させ、項目501の表示の態様を変化させた後、そのまま接触を維持しつつ、項目選択装置300をさらには変動させない、という状態になってはじめて、本実施形態における項目501の表示の態様を戻す処理が実行されることになる。
このような構成により、実施形態2では、表示画面500への接触の終了が検知(ステップS1009)されない限り、項目選択装置300の位置もしくは向きの変動を検知(ステップS1004)し続け、変動があればそれに基づいて項目501の表示の態様を変化させ、変動がなければ項目501の表示の態様を(変化していれば)元に戻す処理を、繰り返すことになる。
その結果、例えばユーザは、一旦表示の位置が移動した項目501に対して、表示の位置を元に戻して改めて別の位置へ移動させようとした場合に、わざわざ自分で項目501の表示の位置を戻さなくても時間の経過とともに自動的に戻るため、項目選択装置300の操作性の向上につながる。
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3について説明する。実施形態1および2では、項目選択装置300の位置もしくは向きの変動に基づいて、注目項目503の位置が変化した。本実施形態では、注目項目503の大きさが変化する。
図12は、実施形態3に係る項目501の変化の様子、すなわち項目選択装置300の位置が変動された場合に、項目501の表示の大きさが変化する様子を示した図である。ここで図12(a)は、図6(a)と同様の図であり、項目選択装置300の位置が、ユーザから向かって右方向へ変動される様子を示している。すなわち、ユーザは、表示画面500内に表示された9個の項目501のうち、項目「5」を選択しようとして、表示画面500内の項目「5」に右手の指502で触れている状態で、携帯型端末機100の位置を、ユーザから向かって右方向へ動かしている。
そして図12(b)は、項目選択装置300の位置が変動された場合に、注目項目503の表示の大きさが大きくなっている様子を示した図である。実施形態1では、注目項目503の位置が変化したのに対して、本実施形態では、注目項目503のサイズが、大きなサイズに変更される。すなわち、本実施形態では、変化部304が、表示画面500内の接触されている位置に表示されている項目501の大きさを、変動検知部303によって検知された変動に基づいて変化させる。
それによって、図12(a)においては、ユーザの右手の指502によって隠されてしまっており視認できない状態にあった注目項目503が、図12(b)においては、注目項目503が項目「5」であると、ユーザが認識できるようになる。
さらに本実施形態においては、上述したように注目項目503の表示の大きさのみが変化することに限られず、注目項目503の表示のサイズが大きくなるとともに、表示の位置についても、ともに変化してもよい。
図13は、項目選択装置300の位置が変動された場合に、項目501の表示の位置と大きさが、ともに変化する様子を示した図である。ここで図13(a)は、図6(a)および図12(a)と同様の図であり、項目選択装置300の位置が、ユーザから向かって右方向へ変動される様子を示している。すなわち、ユーザは、表示画面500内に表示された9個の項目501のうち、項目「5」を選択しようとして、表示画面500内の項目「5」に右手の指502で触れている状態で、携帯型端末機100の位置を、ユーザから向かって右方向へ動かしている。
そして図13(b)は、項目選択装置300の位置が変動された場合に、注目項目503の表示の大きさが大きくなるとともに、位置についても、ユーザから向かって左方向へ変化している様子を示した図である。注目項目503のサイズと位置がともに変化することによって、図13(a)においては、ユーザの右手の指502によって隠されてしまっており視認できない状態にあった注目項目503が、図13(b)においては、注目項目503が項目「5」であると、さらに分かりやすくユーザが認識できるようになる
ここで本実施形態において、注目項目503の大きさおよび位置は、項目選択装置300の位置の変動に基づいて変化したが、実施形態1と同様に、項目選択装置300の向きの変動に基づいて変化してもよい。
また本実施形態において、注目項目503の大きさおよび位置の変化する量は、実施形態1と同様に、項目選択装置300の位置もしくは向きの変動の量が大きい場合に、大きくすることとしてもよい。
さらに本実施形態において、注目項目503の大きさは、項目選択装置300の位置もしくは向きの変動が検知されない間、実施形態2のように、時間の経過とともに初期の大きさに戻すように変化させてもよい。
このような構成により、実施形態3では、ユーザが項目選択装置300の位置もしくは向きを変動させると、現在ユーザが接触している注目項目503の大きさが、大きくなる。
その結果、ユーザは表示画面500に指502やタッチペンを接触したままの状態で、現在指している項目501が何であるかを、拡大された表示によって、さらに容易に確認できるようになる。
(実施形態4)
次に、本発明の実施形態4について説明する。実施形態1〜3では、項目選択装置300の位置もしくは向きの変動に基づいて、注目項目503のみの態様が変化した。本実施形態では、注目項目503のみでなく、他の複数の項目501の態様も、同時に同様に変化する。
図14は、実施形態4に係る項目501の変化の様子、すなわち項目選択装置300の向きが変動された場合に、複数の項目501の表示の位置が変化する様子を示した図である。ここで図14(a)は、図7(a)と同様の図であり、携帯型端末機100の2つの端のうち、ユーザから向かって左の端504がユーザに近づき、向かって右の端505がユーザから遠ざかるような向きに、携帯型端末機100の向きを変動させている図である。すなわち、ユーザは、表示画面500内に表示された9個の項目501のうち、項目「5」を選択しようとして、表示画面500内の項目「5」に右手の指502で触れている状態で、携帯型端末機100の向きを、向かって左の端504がユーザへ近づき、右の端505がユーザから遠ざかるように変動させている。
そして図14(b)は、項目選択装置300の向きが変動された場合に、複数の項目501の表示の位置が変化する様子を示した図である。実施形態1では、注目項目503のみの位置が変化したのに対して、本実施形態では、表示画面500内に表示されている9個の項目501のすべてが、同じようにユーザから向かって左方向へ移動する。すなわち、本実施形態では、表示部301によって表示画面500に複数の項目501が表示されている状態において、変化部304が、接触されている位置に表示されている項目501、すなわち注目項目503、以外の項目501についても、注目項目503と同様に、表示の態様を変化させる。
ここで図14において、表示画面500内の複数の項目501の位置は、項目選択装置300の向きの変動に基づいて変化したが、本実施形態では実施形態1と同様に、項目選択装置300の位置の変動に基づいて変化してもよい。
このような構成により本実施形態では、ユーザは現在指している指502によって隠されてしまっている項目501が、何の項目501であるかを、表示されている複数の項目501同士の位置関係がそのまま維持された状態のまま、確認することができるようになる。
さらに、本実施形態においては、複数の項目501の位置の変化する方向は、実施形態1と同様に、項目選択装置300の変動の方向に応じて、位置の変化する方向を決めることが典型的である。すなわち、本実施形態における変化部304は、携帯型端末機100の表示画面500の対向する2つの端のうち、一方の端がユーザに近づき、他方の端がユーザから遠ざかるような向きの変動を、変動検知部303が検知した場合に、表示画面500内の複数の項目501の位置を、当該一方の端に近づくように変化させてもよい。
具体的に、図14(b)では、携帯型端末機100の向かって左の端504がユーザへ近づくように回転しているので、表示されている複数の項目501はすべて、左の端504へ近づくように位置が平行移動されている。表示されている複数の項目501がすべてユーザへ近づくように平行移動することによって、ユーザが表示されている項目501を確認しやすくなるだけでなく、あたかも表示画面500の表面から奥まった位置に配置されている複数の項目501を、ユーザが斜めから覗き込んでいるように見せることが可能になる。
すなわち、まるで元々すべての項目501は、表示画面500の表面から奥まった位置に配置されており、正面からではユーザの指502が視線を遮って見えないが、斜めの位置から覗き込むと見えるようになる、という状況に見せることが可能となる。図14の例では、ユーザが右手の指502で表示画面500を触っているので、すべての項目501の位置が左の端504へ近づくように平行移動することで、ユーザから見て右手前よりも視線が確保しやすい左手前からの視線によって確認するような状況を模擬することが可能となる。
この「斜めから覗き込む」という効果をより高めるために、本実施形態では、複数の項目501の位置の変化する量は、他の実施形態と同様に、項目選択装置300の変動の量が大きい場合に、大きくすることにするのが典型的である。
なぜならば、携帯型端末機100の向きを大きく回転させればさせるほど、あたかも奥まった位置に配置されている項目501を、より斜めの位置からの視線によって見ているように模擬して表示することが可能となるからである。
また、本実施形態において、項目501の位置は、項目選択装置300の位置もしくは向きの変動が検知されない間、実施形態2のように、時間の経過とともに初期の位置に戻すように変化させてもよい。
このような構成により、実施形態4では、ユーザが項目選択装置300の位置および向きを変動させると、現在ユーザが接触している注目項目503だけでなく、表示画面500に表示されている他の項目501についても、注目項目503と同様に位置が変化する。
その結果、ユーザは表示画面500に指502やタッチペンを接触したままの状態で、現在指している注目項目503が何であるかを、表示画面500内の他の項目501との位置関係を維持したままの状態で確認することができ、さらに、あたかも奥まった位置に配置されている項目501を斜めの位置からの視線によって見ているように、ユーザに認識させることができるようになる。
(実施形態5)
次に、本発明の実施形態5について説明する。実施形態1〜4では、項目選択装置300の位置もしくは向きの変動に基づいて、項目501の位置もしくは大きさが変化した。本実施形態では、項目501の形状についても、項目選択装置300の変動に基づいて変化する。
図15は、実施形態5に係る項目501の変化の様子、すなわち項目選択装置300の向きが変動された場合に、複数の項目501の表示の位置と形状が、ともに変化する様子を示した図である。ここで図15(a)は、図7(a)および図14(a)と同様の図であり、携帯型端末機100の2つの端のうち、ユーザから向かって左の端504がユーザに近づき、向かって右の端505がユーザから遠ざかるような向きに、携帯型端末機100の向きを変動させている図である。すなわち、ユーザは、表示画面500内に表示された9個の項目501のうち、項目「5」を選択しようとして、表示画面500内の項目「5」に右手の指502で触れている状態で、携帯型端末機100の向きを、向かって左の端504がユーザへ近づき、右の端505がユーザから遠ざかるように変動させている。
そして図15(b)は、項目選択装置300の向きが変動された場合に、複数の項目501の表示の位置と形状が、ともに変化する様子を示した図である。実施形態4では、表示画面500内の9個の項目501について、表示されている位置がユーザから向かって左へ変化したが、本図では、位置とともに表示の形状も変化している。すなわち、本実施形態では、変化部304が、表示画面500内に表示されている項目501の、位置そして形状を、変動検知部303によって検知された変動に基づいて変化させる。
具体的に、図15(b)では、表示画面500内のすべての項目501が、ユーザへ向かって正面を向いているように形状が変化している。すなわち、本図では、携帯型端末機100の向きが変動し、ユーザは向かって左手前からの斜めの視線によって表示画面500を見ている状態である。本実施形態では、遠近法を考慮して項目501の形状を変形させることで、左手前から斜めに表示画面500を見ているユーザにとっては、あたかも項目501を正面から見ているように表示している。
すなわち、ユーザは向かって左手前から斜めの視線によって表示画面500を見ているので、表示画面500内の向かって左側の位置はユーザに近く、向かって右側の位置はユーザから遠くなっている。そのため、項目501は、向かって左側ほど小さく、向かって右側ほど大きくなるように形状を変形させる。
ここで、項目501を「ユーザに正面を向くように」変形させるために、本実施形態では、複数の項目501の位置および形状の変化する量は、他の実施形態と同様に、項目選択装置300の変動の量が大きい場合に、大きくするようにするのが典型的である。
なぜなら、項目選択装置300の向きを回転させる量が大きければ、その分ユーザは大きな斜めの角度から表示画面500を見ることになり、遠近法を考慮すれば、項目501をユーザに正対させて表示させるには、より大きく変形させなければならないからである。そうすることで、項目501を常にユーザに正面を向けて表示させることができるようになる。
また本実施形態において、項目501の位置は、項目選択装置300の変動が検知されない間、実施形態2のように、時間の経過とともに初期の位置に戻すように変化させてもよい。
このような構成により、実施形態5では、ユーザが項目選択装置300の向きを変動させると、表示画面500内に表示されているすべての項目501について、位置および形状が変化する。
その結果、ユーザが項目選択装置300の向きを変動させても、表示画面500内に表示されているすべての項目501が、常にユーザに正面を向くように表示することができ、ユーザは項目501をさらに容易に確認することができるようになる。