JP4077098B2 - 微分スペクトルセンサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、波長可変干渉フィルタを利用して測定対象物体の分光スペクトルの変化、即ち微分スペクトルを簡単に検出する微分スペクトルセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、測定対象物体の分光スペクトルを解析して特徴を抽出する装置としては、例えばリモートセンシングに代表されるような大型で複雑な装置が使用されている。
【0003】
また波長可変干渉フィルタを利用したスペクトル画像分析装置では、波長可変干渉フィルタの基板間隔を変えることで、複数の透過ピークスペクトルの分布を変化させ、透過ピークスペクトルの分布変化で得られた2つの画像の差分を演算することで微分スペクトル画像を生成し、カラー表示している(特開平8−285688号)。
【0004】
即ち、このスペクトル画像分析装置は、1画素に対応してR,G,Bの各フィルタを備えた3つの受光セルを配置したCCD等のカラー撮像手段を使用し、波長可変干渉フィルタ及び撮影レンズ系により結像された物体像につき、波長可変干渉フィルタの基板間隔を2段階に変化させて得たR,G,B画像データをメモリに記憶し、2つの画像の差を演算してR,G,Bの微分スペクトル画像を生成し、カラー表示している。 このような微分スペクトル画像を生成する装置によれば、生成された微分スペクトル画像を解析することで、物体のもつ波長スペクトルのどこに特徴的なスペクトル変化があるのかを求めることができる。更に微分スペクトル画像のカラー表示によれば、スペクトルのどの帯域に特徴があるのかを容易に読みとることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のリモートセンシング等における分光解析にあっては、イメージセンサで撮像したカラー画像や赤外線画像をメモリに格納した後に分光スペクトル解析を行っており、画像が冗長な情報量を持っているため、分光解析のソフト処理が複雑で処理に時間がかかる。
【0006】
また波長可変干渉フィルタを用いたスペクトル画像分析装置にあっても、波長可変干渉フィルタの基板間隔を切替えることによる異なる透過ピークスペクトルの分布変化で得た画像をメモリに記憶した後に、画素単位の差分計算で微分スペクトル画像を求めており、ソフト的な画像解析の処理負担が大きく、リアルタイムで画像処理を行おうとすると高性能で大型の装置を必要とする問題があった。
【0007】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、センサ自体で測定対象物体の微分スペクトル情報が直接得られるようにした微分スペクトルセンサを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明を達成するため、本発明の微分スペクトルセンサは、微小間隔を隔てて配置した対向面に反射幕を形成した一対の光学基板の基板間隔を、外部信号により交流的に変化させて光線の透過特性を変化させる波長可変干渉フィルタと、波長可変干渉フィルタの後部に配置され、波長可変干渉フィルタを透過した光の受光光量に比例した受光信号を出力する光電変換素子と、光電変換素子の受光信号を微分する微分回路とで構成され、波長可変干渉フィルタが有する複数の透過ピークスペクトルの一つが、対象物体の分光スペクトルの中の第1特徴部分及び第2特徴部分に位置するように一対の光学基板の基板間隔を交流的に変化させ、微分回路から、対象物体の分光スペクトルの中の第1特徴部分及び第2特徴部分による光量変化を示す微分情報を直接出力する。
【0009】
このため本発明の微分スペクトルセンサは、センサ自体が分光スペクトルの中の特徴部分の抽出と、特徴部分での光量変化を示す微分情報を検出できるため、分光解析の妨げとなる情報を低減して有為な情報を残し、画像処理装置等によるセンサ検出信号の分光解析に必要な情報量を激減させ、センサ検出信号に基づく分光解析の処理負担を大幅に減らことができる。
【0010】
また本発明の別の形態にあっては、微分スペクトル画像を直接得るためのイメージセンサを実現するため、波長可変干渉フィルタ、結像レンズ、撮像素子で構成する。この場合、撮像素子は、結像レンズの結像位置に配置され、受光光量に比例した受光信号を出力する複数の光電変換素子を受光画素として二次元配置すると共に受光画素からの受光信号を微分する微分回路を備える。このイメージセンサの構成により、波長可変干渉フィルタが有する複数の透過ピークスペクトルの一つが、対象物体の分光スペクトルの中の第1特徴波長及び第2特徴波長に位置するように一対の光学基板の基板間隔を交流的に変化させ、微分回路を設けた撮像素子から、対象物体の分光スペクトルの中の第1特徴波長及び第2特徴波長を示す微分スペクトル画像の撮像信号を直接出力する。
【0011】
また、この光電変換素子を使用した微分スペクトルセンサについては、その微分回路の低域遮断周波数を、波長可変干渉フィルタの基板間隔を変化する駆動周波数よりも低い周波数に設定する。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の微分スペクトルセンサの実施形態であり、測定対象物からの光線を集光して波長スペクトルの微分成分を検出するスポット型の微分スペクトルセンサである。
【0013】
図1において、スポット型微分スペクトルセンサ1は、ケース2の開口部に続いて波長可変干渉フィルタ3を設け、続いて集光レンズ4を配置し、集光レンズ4の焦点となる集光位置にセンサチップ5を配置している。センサチップ5には図2に示すセンサチップ回路が実装されている。ここで集光レンズ4は必ずしも必要なく、集光レンズ4を設けない構造であってもよい。
【0014】
図2は、図1のスポット型微分スペクトルセンサ1に設けたセンサチップ5の実施形態である。図2のセンサチップにあっては、検出素子として赤外線帯域に検出感度を有する誘電ボロメータ16を使用している。誘電ボロメータ16は赤外線検出容量として機能し、したがって図示のように可変容量で表わすことができる。
【0015】
この赤外線検出容量としての誘電ボロメータ16は、強誘電体材料例えば(Ba1-x Srx )TiO3 の薄膜を使用し、赤外線を受けたときの温度による誘電率の変化を利用して赤外線パワーを電気信号に変換する。もちろん誘電ボロメータ16に使用する材料としては、赤外線を吸収したことによる温度変化に伴って誘電率も変化する材料であれば、適宜の強誘電体材料を使用できる。
【0016】
誘電ボロメータ16は、抵抗体15を介して電源電圧+Vcの印加を受け、これによって誘電ボロメータ16は電界印加状態で検出動作を行う。このように誘電ボロメータ16に電源電圧+Vcを抵抗体15を介して加えることによる電界印加によって、電界印加なしの場合に比べると赤外線に対する検出感度を数十倍と高めることができる。
【0017】
また電界印加型の誘電ボロメータ16にあっては、抵抗型ボロメータに比べても赤外線に対する検出感度を数倍とすることができる。この誘電ボロメータ16は赤外線の受光量の増加に応じた温度上昇に対し、強誘電体膜を形成する強誘電体材料(Ba1-x Srx )TiO3 のx=0.17とすると、温度増加に対し誘電率を略直線的に増加させる光電変換素子として動作する。
【0018】
誘電ボロメータ16に続いては微分回路17が設けられる。微分回路17は抵抗18とコンデンサ19を用いたRC微分回路を使用しており、抵抗18の値をR、コンデンサ19の容量をCとすると、その低域遮断周波数f1 は
f1 =1/2πRC
となる。
【0019】
ここで誘電ボロメータ16に集光される測定対象物体からの光線の波長スペクトルは、図3のパルス駆動電圧源14からの駆動周波数f0 により図5(B)のように波長λ1,λ2の間でピークスペクトルが切り替えられ、例えば図6(B)のような駆動周波数f0 に同期した受光パワーの変化となる。
【0020】
したがって、この波長可変干渉フィルタ3の駆動周波数f0 に対し微分回路17の低域遮断周波数f1が
f0 >f1
となるように、抵抗18,コンデンサ19の値R,Cを定める。
【0021】
更に微分回路17に続いて帯域通過フィルタ10を設け、誘電ボロメータ16の検出信号に含まれる高周波ノイズを除去するようにしてもよい。もちろん、高周波ノイズが問題にならなければ帯域通過フィルタ10は設ける必要がない。
【0022】
図3は、図1のスポット型微分スペクトルセンサ1に設けた波長可変干渉フィルタ3の構造である。波長可変干渉フィルタ3はファブリ・ペロー型干渉フィルタとして知られており、一対のガラス基板11a,11bの対向面に例えば200〜300オングストローム程度の厚みを有するAu等の反射膜となる透光性の金属膜12a,12bを蒸着しており、このガラス基板11a,11bを、間に圧電素子13を介して配置し、その間に微小間隔Xを設定している。
【0023】
圧電素子13はパルス駆動電圧源14による2段階の直流電圧V1,V2(但し、V1<V2)の印加を受けて、基板間隔XをX1,X2の2段階に交流的に変化させている。
【0024】
この波長可変干渉フィルタ3は、ガラス基板12b側からの入射光に対し、透光性を持つ金属膜12b,12a間で多重反射によって生ずる干渉作用に起因して図4のような複数の透過ピークスペクトルが分布して光を透過する。図4の透過ピークスペクトルにおいて、例えば実線の透過ピークスペクトルがパルス駆動電圧源14から電圧V1を印加して基板間隔をX1とした場合であり、また破線の透過ピークスペクトルの分布がパルス駆動電圧源14のパルス電圧をV2として基板間隔をX2とした場合である。
【0025】
このような交流的に変化する複数の透過ピークスペクトルの分布を作り出す図3の波長可変干渉フィルタ3を、図1のようにスポット型微分スペクトルセンサ1に配置した場合、赤外線帯域の特定の波長を測定対象の目標監視波長とし、この目標監視波長に図4の実線の透過ピークスペクトルのいずれかが位置するように、基板間隔X1即ちパルス駆動電圧源14のパルス電圧における低い方のパルス電圧V1を決める。
【0026】
このように目標監視波長に対しパルス電圧V1の基板間隔X1でピークスペクトルをセットしたならば、目標監視波長から例えば図4の破線のようにシフトした位置に透過ピークスペクトルが存在するように、パルス駆動電圧源14の高い方のパルス電圧V2によって基板間隔X2を決める。
【0027】
再び図1を参照するに、ケース2に設けられた波長可変干渉フィルタ3からは、外部にフィルタ駆動用リード6a,6bが引き出されている。またセンサチップ5からは電源供給リード7aと出力リード7bが引き出されている。
【0028】
次に図1のスポット型微分スペクトルセンサの動作を説明する。図1のスポット型微分スペクトルセンサ1は、例えば火災によって発生する炎から放射される赤外線を検出する炎検出器等に使用される。図5(A)は測定対象物から光線を受光した際のスペクトルである。
【0029】
この測定対象のスペクトルに対し、図3のようにパルス駆動電圧源14からのパルス電圧V1,V2の繰返しにより波長可変干渉フィルタ3の基板間隔をX1,X2で変化させたときの複数の透過ピークスペクトルの1つが、図5(B)のように測定対象物のスペクトルの特徴部分に位置するように、パルス駆動電圧V1,V2を決めている。
【0030】
このため低い方のパルス電圧V1による基板間隔X1の設定では波長λ1、例えば3.8 μmに実線のピークスペクトルが生じ、パルス電圧V2による基板間隔X2で波長λ2、例えば4.3 μmに破線のピークスペクトルが生ずる。
【0031】
図6(A)は、図1の波長可変干渉フィルタ3の基板間隔の切替えであり、パルス駆動電圧源14からのパルス電圧V1,V2により所定の駆動周波数f0 で定まる繰返し周期で基板間隔をX1とX2に変化させている。このとき図5(A)のように測定スペクトルをもつ光線を受光したとすると、図5(B)の干渉フィルタのピークスペクトルの切替えにより、図6(B)のような波長λ1のピークスペクトルによる受光パワーと波長λ2のピークスペクトルによる受光パワーが交互に得られ、センサチップ5に集光される。
【0032】
このため、センサチップ5に設けている図2の誘電ボロメータ16に図6(B)のような受光パワー(受光量)が加わり、図6(C)のように受光パワーの立ち上がり変化と立ち下がり変化に対応した微分波形となるセンサ出力が微分回路17を介して検出信号(微分信号)Voとして出力される。このセンサ出力となる検出信号Voは、図5(A)の測定スペクトルの波長λ1,λ2における変化量を表わす特徴波長での微分スペクトルである。
【0033】
したがって、図6(C)のようなセンサ出力が得られたときに例えば炎検知を警報することができる。もちろん図5(A)のような特徴のあるスペクトルが得られていない場合には、波長可変干渉フィルタ3の波長λ1,λ2の各ピークスペクトルの透過で得られた受光パワーは略同レベルにあり、センサ出力としての微分波形は得られない。
【0034】
また測定スペクトル帯域全域に亘るようなノイズスペクトルを受けても測定波長λ1,λ2のそれぞれにおける受光パワーは略同じであり、その結果、微分出力となるセンサ出力にノイズスペクトルの影響は現われることはなく、高いSNを確保することができる。
【0035】
このように波長可変干渉フィルタ3の基板間隔を交流的に変化させるようにしたことで、従来の焦電型センサでは必要となるチョッパを不要にできることから、機械的駆動部品による信頼性の低下を防ぐことができる。また、目標とする特徴スペクトルをもつ対象物体が存在する場合のみ検出信号を出力することができる。
【0036】
図7は、本発明の微分スペクトルセンサの他の実施形態であり、二次元画像として微分スペクトル画像を得ることのできるイメージ型微分スペクトルセンサとしたことを特徴とする。
【0037】
図7において、イメージ型微分スペクトルセンサ20は、波長可変干渉フィルタ3に続いて結像レンズ21を設け、結像レンズ21の結像位置に撮像素子22を配置している。結像レンズ21は測定対象物23を撮像素子22に反転した倒立像24として結像する倒立光学系を例にとっている。
【0038】
波長可変干渉フィルタ3は図3の構造を持ち、パルス駆動電圧源14によって駆動周波数f0 となる電圧V1,V2(但しV1<V2)の印加により基板間隔をX1,X2で切り替えて、図4の実線と破線のような透過ピークスペクトルの分布を切り替えている。
【0039】
図8は、図7のイメージ型微分スペクトルセンサ20に設けた撮像素子22の実施形態である。撮像素子22は赤外線二次元イメージセンサを構成しており、外部からのタイミング信号やアドレス信号等を含む制御信号を受ける制御信号入力端子26、外部制御信号に応じて撮像素子22の動作を制御する信号を出力する制御回路28、画素セル32がマトリクス状に二次元配置されたセンサアレイ31、制御回路28からのクロックCLK1に基づいて行パルスSxを出力してセンサアレイ31の中の行の選択を行う行セレクタ29、制御回路28からのクロックCLK2に基づいた列パルスSyの出力によりセンサアレイ31の中の列の選択を行う列セレクタ30、センサアレイの列に対応して設けられ、選択された画素セル32からの画素信号を増幅するオペアンプ33、センサアレイ31の列に対応して設けられオペアンプ33からの信号に含まれる高周波ノイズを除去する帯域通過フィルタ34、更に制御回路28からの制御信号SCにより制御されて帯域通過フィルタ34からの画素使用の有無を選択的に出力端子27に与えるマルチプレクサ40を備える。
【0040】
この撮像素子22における制御回路28は、行セレクタ29、列セレクタ30及びマルチプレクサ40を制御し、列セレクタ30からは図9(A)の列パルスSyがセンサアレイ31に出力され、同時に行セレクタ29からは図9(B)の行パルスSxがセンサアレイ31に出力される。即ち、図9(A)の列パルスSyは周期Tyで列パルスを出力しており、この列パルス周期Tyの間に図9(B)の行パルスSxが行方向の画素セル32の数分だけ出力され、以下これを繰り返す。
【0041】
図10は、図8のセンサアレイ31に設けている画素セル32の1つを取り出して示したセル回路図である。図10において、画素セル32には光電変換素子として、図2と同様、誘電ボロメータ16が設けられ、誘電ボロメータ16は赤外線受光量に応じて誘電率が変化する可変容量として動作する。
【0042】
また誘電ボロメータ16は抵抗体15を介して電源電圧+Vcの印加で電界印加型となっており、十分な赤外線に対する検出感度を有する。また誘電ボロメータ16の検出信号は赤外線受光量に依存した温度に比例した直線変化であることから、誘電ボロメータ16に続いて微分回路17を設けている。
【0043】
微分回路17は、抵抗18とコンデンサ19を備えたRC微分回路であり、その低域遮断周波数f1 は波長可変干渉フィルタ3の駆動周波数f0 より低い周波数に設定されている。微分回路17に続いては、行パルスSxでオン・オフされるトランジスタ35と、列パルスSyでオン・オフされるトランジスタ36が直列接続されている。
【0044】
尚、図8の撮像素子22にあっては、センサアレイ31の外部に帯域通過フィルタ34を設けていることから、画素セル32単位に独立に帯域通過フィルタを設ける必要はない。
【0045】
また上記の実施形態は、赤外線スペクトルに感度を持つ誘電ボロメータ等の赤外線センサを検出素子として用いた場合を例にとるものであったが、本発明はこれに限定されず、可視光域や紫外線域に感度を持ち、受光量に比例した受光信号を出力する適宜の光電変換素子を使用できる。
【0046】
更に波長可変干渉フィルタ3による測定のための目標波長として、炎から放出される赤外線の波長設定を例にとっているが、測定対象物からの光線のスペクトルの特徴に応じて適宜の波長を目標監視波長とするピークスペクトルの波長設定(基板間隔の設定)で、適宜の測定対象物体に対応したセンサ機能が実現できる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明してきたように本発明によれば、センサ自体が分光スペクトルの中の特徴部分の抽出と特徴部分での光量変化を示す微分情報を直接検出できるため、分光スペクトルの解析の妨げとなる情報を大幅に低減して有効な情報のみを残し、外部的な分光解析と微分解析を不要にして装置の処理負担を大幅に減らし、簡単に測定対象物体の微分スペクトルを検出することができる。
【0048】
特に微分スペクトル画像を出力するイメージセンサ型とした場合には、センサから直接、分光スペクトルの中の特徴波長についての微分スペクトル画像信号が得られ、通常のモニタを使用することで直接微分スペクトル画像の監視表示ができ、画像処理装置でセンサからの微分スペクトル画像を読み込むことで、測定対象物体の特徴解析及び判断を簡単且つ迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】単一のセンサチップを用いた本発明の実施形態の説明図
【図2】図1のセンサチップの回路図
【図3】図1の波長可変干渉フィルタの構造図
【図4】図3の波長可変干渉フィルタの基板間隔を2段階に変化させたときの複数のピー
クスペクトル分布の説明図
【図5】図1の実施形態における測定波長スペクトルと波長可変干渉フィルタによる特徴ピークスペクトルの切替え説明図
【図6】図1の実施形態における波長可変干渉フィルタの基板間隔切替え、センサ受光パワー及びセンサ検出信号の説明図
【図7】撮像素子を用いた本発明の実施形態の説明図
【図8】図7の撮像素子の説明図
【図9】図8の撮像素子における列パルスと行パルスのタイムチャート
【図10】図8の画素セルの回路図
【符号の説明】
1:スポット型微分スペクトルセンサ
2:ケース
3:波長可変干渉フィルタ
4:集光レンズ
5:センサチップ
6a,6b:フィルタ駆動用リード
7a:電源供給リード
7b:出力リード
11a,11b:ガラス基板
12a,12b:金属膜
13:圧電素子
14:パルス駆動電圧源
15,18:抵抗
16:誘電ボロメータ
17:微分回路
19:コンデンサ
20:イメージ型微分スペクトルセンサ
21:結像レンズ
22:撮像素子
23:対象物体
24:倒立像
26:制御信号入力端子
27:画像信号出力端子
28:制御回路
29:行セレクタ
30:列セレクタ
31:センサアレイ
32:画素セル
33:オペアンプ
34:帯域通過フィルタ
40:マルチプレクサ
Claims (3)
- 微小間隔を隔てて配置した対向面に反射膜を形成した一対の光学基板の基板間隔を、外部信号により交流的に変化させて光線の透過特性を変化させる波長可変干渉フィルタと、
前記波長可変干渉フィルタの後部に配置され、前記波長可変干渉フィルタを透過した光の受光光量に比例した受光信号を出力する光電変換素子と、
前記光電変換素子の受光信号を微分する微分回路と、
でセンサを構成し、前記波長可変干渉フィルタが有する複数の透過ピークスペクトルの一つが、対象物体の分光スペクトルの中の第1特徴部分及び第2特徴部分に位置するように前記一対の光学基板の基板間隔を交流的に変化させ、前記微分回路から、前記対象物体の分光スペクトルの中の第1特徴部分及び第2特徴部分による光量変化を示す微分情報を直接出力することを特徴とする微分スペクトルセンサ。 - 微小間隔を隔てて配置した対向面に反射膜を形成した一対の光学基板の基板間隔を、外部信号により交流的に変化させて光線の透過特性を変化させる波長可変干渉フィルタと、
前記波長可変干渉フィルタを透過した対象物体からの光線を結像する結像レンズと、
前記結像レンズの結像位置に配置され、受光光量に比例した受光信号を出力する複数の光電変換素子を受光画素として二次元配置すると共に前記受光画素からの受光信号を微分する微分回路を設けた撮像素子と、
でイメージセンサを構成し、前記波長可変干渉フィルタが有する複数の透過ピークスペクトルの一つが、対象物体の分光スペクトルの中の第1特徴波長及び第2特徴波長に位置するように前記一対の光学基板の基板間隔を交流的に変化させ、前記微分回路を設けた撮像素子から、前記対象物体の分光スペクトルの中の第1特徴波長及び第2特徴波長を示す微分スペクトル画像の撮像信号を直接出力することを特徴とする微分スペクトルセンサ。 - 請求項1又は2記載の微分スペクトルセンサに於いて、前記微分回路は、前記波長可変干渉フィルタの基板間隔を変化する駆動周波数より低い低域遮断周波数を有することを特徴とする微分スペクトルセンサ。
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