JP4076803B2 - 移動検出装置および搬送装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、物体の移動を検出する移動検出装置および搬送装置に関するものであり、より詳細には、例えばプリンタまたは複写機における紙送り速度を被接触で検出する移動検出装置および搬送装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の光学式の移動検出装置の一例について、図11ないし13に基づいて説明する。
【0003】
移動検出装置31は、図11に示すように、測距センサ32・33と演算処理回路部34とを含んでいる。
【0004】
測距センサ32・33は、光学式のセンサであり、シートPに光を照射し、その反射光を計測してシートPへの距離を計測することができる。演算処理回路部34は、測距センサ32・33を制御して、シートPの移動速度を算出するものである。
【0005】
測距センサ32は、図12に示すように、発光部35、レンズ36・37および受光部38を含んでいる。
【0006】
発光部35は光を出射するものであり、例えばレーザ光を光源として用いることができる。
【0007】
受光部38は、例えばPSD(Position Sensitive Detector:位置高感度検出器)を用いる。PSDは、受光面上に集光されたスポット光の位置に対応して図示しない出力1と出力2との比を変化させるようになっており、移動検出装置31とシートPとの距離に応じて出力1・出力2の値が変わることを利用して、距離を計測することができる。
【0008】
演算処理回路部34からの制御信号に応じて発光部35が発光し、発光部35からの光をレンズ36にて集光してシートPへと垂直に照射する。そして、物体Pからの反射光をレンズ37にて集光して受光部38へと導き、受光部38は受光した光量に応じた検出信号を演算処理回路部34へと出力する。
【0009】
なお、測距センサ33は、測距センサ32と同様の構成であるので、ここでは説明を省略する。
【0010】
上記構成の移動検出装置31に対して、図11に示すように、シートPが矢印Vの方向に移動すると、演算処理回路部34は、測距センサ32・33からの出力を得ることができる。これは、移動検出装置31とシートPとの距離が、シートPの凸凹に応じて、シートPの移動とともに変化するためである。
【0011】
このとき演算処理回路部34において得られる出力波形の一例を図13に示す。図13(a)は測距センサ32からの出力波形を示し、図13(b)は測距センサ33からの出力波形を示す。図13(a)(b)から分かるように、測距センサ33における出力波形は、測距センサ32における出力波形から遅れ時間Δtだけ遅れることになる。
【0012】
この遅れ時間Δtと、測距センサ32と33との距離Δxとを用いて、例えばシートPの移動速度を得ることができる。また、この移動速度から、シートPの移動量を求めることもできる。
【0013】
これに対して、例えば日本国の公開特許公報「特開平6−34647号(公開日:1994年2月10日)」には、上述の移動検出装置31とは異なる構成の移動検出装置(速度計測装置)が開示されている。
【0014】
すなわち、上記公報記載の速度計測装置は、上述の測距センサ32と同様の構成の距離検出器である、第1ないし第3の距離検出器を備えている。
【0015】
そして、第1の距離検出器と第2の距離検出器との出力の差、および第2の距離検出器と第3の距離検出器との出力の差を用いて相関演算を行い、これによってより精密に移動速度を検出するようになっている。
【0016】
また、例えば日本国の公開特許公報「特開平8−292263号(公開日:1996年11月5日)」には、レーザドップラー速度測定装置が開示されている。
【0017】
このレーザドップラー速度測定装置は、複数本のレーザ光を被測定物に照射し、被測定物の速度に応じてドップラーシフトする散乱光の周波数偏移を検出することにより、被測定物の移動速度を測定する。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の構成は、部品点数が多く、形状が大型であって、製造コストが高いという問題がある。
【0019】
すなわち、図11ないし13に基づいて説明した従来の移動検出装置31は、発光部35、レンズ36・37および受光部38を有する測距センサ32・33を必要とし、センサを2組備えるので、部品点数が多くなる。このため、形状的にも大型となり、製造コストが高くなる。
【0020】
また、移動検出装置31は、シートPの凸凹に応じて得られる測距センサ32・33からの出力信号を例えば比較するなどして遅れ時間Δtを判別する構成である。このため、測距センサ32と33との距離にわたるシートPの凹凸が微小であり、比較的滑らかな表面を有する場合には、出力信号の変化も微小となるため、遅れ時間Δtの判別が困難になる。
【0021】
また、移動検出装置31は、所定の距離を隔てて配置された測距センサ32・33からの出力信号を比較するので、シートPの凹凸が測距センサ32と33との距離よりもゆるやかな凹凸である場合には、そもそも出力信号からこの凹凸を検出することは困難となる。したがって、移動速度を検出することができない虞れがある。
【0022】
また、上記特開平6−34647号公報および特開平8−292263号公報に記載の構成についても、より多くのセンサを必要とするなど、装置が大型となり、高価となるという問題がある。
【0023】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、部品点数を減らし、小型化するとともに製造コストを低減した移動検出装置および搬送装置を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る移動検出装置は、上記課題を解決するために、被測定物に光を照射する照射手段を備え、上記被測定物の被照射位置にて反射された反射光を検出して上記被測定物の移動を検出する移動検出装置において、上記照射手段を制御して、上記被照射位置を所望の速度で変化させる照射制御手段と、上記反射光の検出レベルが一定となったときに、上記所望の速度を上記被測定物の移動速度であると判定する速度判定手段とを備えていることを特徴としている。
【0025】
上記構成においては、照射制御手段が照射手段を制御して被測定物の被照射位置を所望の速度で変化させる一方、速度判定手段は、反射光の検出レベルが一定となったときに、被照射位置の移動速度を被測定物の移動速度であると判定する。すなわち、反射光の検出レベルが一定となったときには、被測定物における被照射位置が一定の位置となり、このため一定の反射レベルが得られるのである。
【0026】
したがって、一組の照射手段と、検出するための照射制御手段、速度判定手段とによって、被測定物の移動速度を判定することができる。よって、部品点数が少なく、形状的にも小型で製造コストが低い移動検出装置を実現できる。
【0027】
なお、上記構成において、被測定物の被照射位置を変化させる際には、照射制御手段は、例えば予め定めた所定の速度で被照射位置を変化させてもよい。この場合には、被測定物の速度が予め定めた所定の速度であるか否かを判定できる。また、例えば予め定めた所定の手順で被照射位置の移動速度を順次変化させてもよいし、または例えば前回検出した被測定物の移動速度に応じて被照射位置の移動速度を順次変化させてもよい。この場合には、被照射位置の移動速度を変化させる範囲内において、被測定物の移動速度を判定できる。すなわち、上記構成によれば、被照射位置の移動速度に応じて、被測定物の移動速度を判定できる。この判定される被測定物の移動速度は、被照射位置を移動させる方向における移動速度となる。
【0028】
また、被測定物の表面における凸凹の状態が鏡面でない限り、比較的滑らかな表面を有する被測定物であっても、その移動速度を測定できる。
【0029】
すなわち、上記構成において、照射制御手段が照射手段を制御して被測定物の被照射位置を変化させる際には、照射制御手段は、被測定物上の任意の距離にわたって被照射位置を変化させることができる。したがって、本発明によれば、任意の距離にわたった凹凸を有する被測定物の移動速度を検出できる。例えば、被測定物の凹凸形状に応じて、被測定物上において被照射位置を変化させる距離を適切なものとすれば、凹凸に応じた出力信号の変化を十分なものとして、精度よく被測定物の移動速度の検出を行うことができる。
【0030】
なお、上記構成において、反射光の検出レベルが一定となるとは、例えば反射光を検出する装置の測定精度の範囲内で一定となることのみを意味するものではなく、移動速度を検出する際に所望する精度に応じて定められる時間範囲や検出レベルの変化範囲を用いて、例えば所定の時間範囲内において反射光の検出レベルが所定の変化範囲内となることをも含む。
【0031】
また、上記構成において、被照射位置を所望の速度で変化させる構成はどのようなものであってもよく、例えば被測定物に光を照射する照射手段を移動させることによって被照射位置を変化させる構成であってもよい。この場合の所望の速度とは、例えば被測定物上における被照射位置の移動速度ではなく、照射手段を移動させる速度に対応する。
【0032】
本発明に係る移動検出装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、上記照射手段は発光部とミラーとを含み、上記発光部からの光を上記ミラーを介して上記被測定物に照射する一方、上記照射制御手段は、上記ミラーを所定の方向へ移動させることによって、上記被照射位置を変化させることを特徴としている。
【0033】
照射手段が発光部とミラーとを含む構成において、ミラーを所定の方向へ移動させることによって被照射位置を変化させるので、簡単な構成で本発明に係る移動検出装置を実現できる。
【0034】
なお、上記構成において、ミラーを移動させる所定の方向を、発光部からミラーに照射される光の光軸方向とする構成も好ましい。
【0035】
本発明に係る移動検出装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、上記照射制御手段は、上記ミラーを所定の方向へ移動させる速度を所定の範囲内において変化させることを特徴としている。
【0036】
ミラーを所定の方向へ移動させる速度を所定の範囲内において変化させるので、被照射位置の移動速度をその所定の範囲内において変化させて、その所定の範囲内における被測定物の移動速度を判定できる。
【0037】
本発明に係る移動検出装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、上記ミラーは、上記所定の方向から45度傾斜していることを特徴としている。
【0038】
ミラーは所定の方向から45度傾斜しているので、例えば所定の方向をミラーに照射される光の光軸方向とし、さらに所定の方向と被測定物の移動方向とが平行である場合には、発光部から出射される光の強度を弱めずに被測定物に垂直に入射できる。
【0039】
このため、被測定物からの正反射の反射光として比較的強い強度の光を得ることができ、比較的S/N(signal-to-noise ratio:信号対雑音比)の良い信号を得ることができる。
【0040】
本発明に係る移動検出装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、上記照射手段は、凸レンズおよび凹レンズを含み、上記照射制御手段は、上記ミラーとともに、上記凸レンズおよび凹レンズを上記所定の方向へ移動させることを特徴としている。
【0041】
したがって、例えば発光部から出射されミラーにて反射された光を、凹レンズおよび凸レンズを介して被測定物に照射できる。また、例えば被測定物にて反射された光を凸レンズおよび凹レンズを介してミラーへと導き、反射光を検出するための手段へと入射させることができる。
【0042】
すなわち、被測定物への入射光または被測定物からの反射光、またはその双方を、上述のレンズを用いて集光して精度を高めて、S/Nの良い信号を得ることができる。
【0043】
本発明に係る移動検出装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、上記照射手段は発光部とミラーとを含み、上記発光部からの光を上記ミラーを介して上記被測定物に照射する一方、上記照射制御手段は、上記ミラーを所定の回転軸を中心として回転させることによって、上記被照射位置を変化させることを特徴としている。
【0044】
したがって、照射手段が発光部とミラーとを含む構成において、ミラーを回転させることによって被照射位置を変化させるので、さらに簡単な構成で本発明に係る移動検出装置を実現できる。すなわち、例えばミラーを所定の方向に移動させる構成と比較して、部品点数が少なく、形状的にも小型で製造コストが低い移動検出装置を簡単に実現できる。また、例えばミラーを所定の方向に移動させる構成と比較して、被照射位置をより高速に変化させることができる。
【0045】
なお、上記構成において、ミラーを回転させる所定の回転軸は、例えば発光部からミラーに照射される光の光軸と垂直である構成も好ましい。
【0046】
本発明に係る移動検出装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、上記照射制御手段は、上記ミラーを回転させる速度を所定の範囲内において変化させることを特徴としている。
【0047】
ミラーを回転させる速度を所定の範囲内において変化させるので、被照射位置の移動速度をその所定の範囲内において変化させて、その所定の範囲内における被測定物の移動速度を判定できる。
【0048】
本発明に係る移動検出装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、上記照射手段は、シリンドリカルレンズを含んでいることを特徴としている。
【0049】
ここで、シリンドリカルレンズとは、円柱状の屈折面をもつレンズであって、円柱レンズとも呼ばれる。
【0050】
したがって、例えばミラーと被測定物との間にシリンドリカルレンズを備えるとともに、そのシリンドリカルレンズの円柱状の屈折面を適切に設定して、ミラーから被測定物に対して光を垂直に入射させることができる。すなわち、被測定物の位置や、被測定物上の被照射位置によらずに、照射する光の入射角を90度にできるので、十分な反射光量を得て、被測定物の移動速度を精度よく求めることができる。
【0051】
本発明に係る移動検出装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、上記ミラーは、上記発光部からの光の光軸から45度傾斜した位置を中心として回転して、上記被測定物に光を照射することを特徴としている。
【0052】
ここで、発光部からの光とは、発光部から出射され、ミラーに対して入射される光を意味する。
【0053】
また、光軸とは、光の放射角度特性において例えば最も強度が大きい線のような、入射に支配的な光線を代表する直線に相当する。
【0054】
上記構成において、ミラーは、発光部からの光の光軸から45度傾斜した位置を中心として回転する一方、例えばその中心となる位置においては、被測定物に対して垂直に光を照射して、発光部からの光の強度を無駄に減らすことなく、被測定物に光を照射できる。また、被測定物からの反射光の強度を無駄に減らすことなく、反射光を検出できる。
【0055】
したがって、被測定物からの反射光の強度を減少させず、S/Nの良い信号を得ることができる。
【0056】
本発明に係る移動検出装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、上記ミラーは、上記被測定物に照射する光の光路と上記被照射位置にて反射された上記反射光の光路とを異ならせるとともに、上記照射する光の光路と上記反射光の光路とを含む平面の法線を上記被測定物の移動方向に平行にさせるように上記被測定物に光を照射することを特徴としている。
【0057】
すなわち、例えば反射光を検出するための受光レンズと受光素子とを、受光レンズの光軸とミラーの回転中心から被測定物に下ろした垂線とを含む平面の法線が被測定物の移動方向に平行となるように配置している。
【0058】
上記構成によれば、被測定物に光を照射する光路と、被測定物において反射された反射光の光路とを異ならせるので、例えば照射する光路と反射光の光路とを共用する場合に用いるビームスプリッタを不要にできる。また、ビームスプリッタを不要にして、反射光の強度を減少させずに、効率よく反射光を検出できる。
【0059】
また、被測定物から反射した光の内、例えば受光レンズに入射した光を受光素子へ導ける。
【0060】
本発明に係る移動検出装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、上記被測定物における上記被照射位置の大きさは、直径50μm以下であることを特徴としている。
【0061】
すなわち、被測定物に照射される光のスポット径が、直径50μm以下であるので、被測定物の表面の凸凹状態をうまく検知し、S/Nの良い信号を得ることができる。
【0062】
本発明に係る移動検出装置は、上記課題を解決するために、上記構成において、上記照射手段の発光部は半導体レーザを含むことを特徴としている。
【0063】
上記構成によれば、発光素子に半導体レーザを用いて、照射する光または反射される光をレンズで効率よく集光できる。また、照射する光の強度を強めることにより反射光の強度を強めて、被測定物からの反射光であっても、凹凸を検出するために十分な強度を得ることができる。
【0064】
本発明に係る搬送装置は、上記課題を解決するために、上述のいずれかの移動検出装置と、上記被測定物を搬送する搬送手段とを備え、上記搬送手段は、判定された上記被測定物の移動速度に応じて、上記被測定物を搬送する速度を変化させることを特徴としている。
【0065】
したがって、判定された被測定物の移動速度に応じて、被測定物を搬送する速度を所望の速度に変化させてフィードバックすることによって、例えば被測定物を搬送する速度を一定に保つことができる。
【0066】
本発明に係る搬送装置は、上記課題を解決するために、上述のいずれかの移動検出装置と、上記被測定物を搬送する搬送手段と、上記被測定物に所定のタイミングで処理を行う処理手段とを備え、上記搬送手段は、判定された上記被測定物の移動速度または上記所定のタイミングに応じて、上記被測定物を搬送する速度を変化させることを特徴としている。
【0067】
したがって、判定された被測定物の移動速度に応じて、被測定物を搬送する速度を所望の速度に変化させてフィードバックすることによって、例えば被測定物を搬送する速度を一定に保つことができる。
【0068】
また、所定のタイミングに応じて被測定物を搬送する速度を所望の速度に変化させて、例えば被測定物に対する処理が被測定物の所望の位置に対して行われるようにできる。
【0069】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明の一実施の形態について図1ないし図7に基づいて説明すると以下の通りである。
【0070】
本実施形態の搬送装置1は、図2に示すように、移動検出装置2、ローラ制御部(搬送手段)3およびローラ(搬送手段)R1・R2を備えている。
【0071】
本実施形態の移動検出装置2は、シート(被測定物)Pの移動速度を検出するためのものである。移動検出装置2は、検出した移動速度に関するデータをローラ制御部3へと出力する。
【0072】
ローラ制御部3は、ローラR1・R2の回転を制御してシートPの搬送速度を調整するためのものである。ローラ制御部3は、移動検出装置2において検出した移動速度に応じてローラR1・R2の回転を制御して、シートPの搬送速度を調整する。ローラ制御部3は、例えばシートPの搬送速度を一定に保つように調整する。
【0073】
上記搬送装置1は、例えば画像形成装置としてのプリンタに備えられ、印刷するためのシートPを搬送するための搬送装置であってもよい。
【0074】
移動検出装置2の詳細な構成について、図1に基づいて説明する。
【0075】
移動検出装置2は、発光部(照射手段)4、コリメートレンズ5、集光レンズ6、凹レンズ7、ミラー(照射手段)8、ビームスプリッタ9、受光レンズ10、受光部(速度判定手段)11および制御部(照射制御手段、速度判定手段)12を備えている。
【0076】
発光部4は、例えば半導体レーザからなる図示しない発光素子を含んでいる。発光部4は、備えられる発光素子を用いて、所定の波長の光を出射する。
【0077】
コリメートレンズ5、集光レンズ6、凹レンズ7、ビームスプリッタ9、および受光レンズ10の各レンズは、光を屈折させることにより例えば集光させて、検出の精度を増加させるためのものである。
【0078】
ミラー8は、入射される光を反射して光路を変換するためのものであり、図示しない移動軸に沿って、矢印D方向に移動可能となっている。この移動軸は、発光部4から凹レンズ7を介してミラー8に入射される光の光軸と平行となっている。
【0079】
ビームスプリッタ9は、入射される光を透過または反射させる部材であって、本実施形態においては、シートPへの光の入射光路とシートPからの反射光路とを、ある程度共用するために設けられている。
【0080】
受光部11は、入射される光を受光して検出し、検出量に応じた信号を制御部12へと出力する。受光部11としては、例えばPSD(Position Sensitive Detector:位置高感度検出器)を用いることができる。PSDは、受光面上に集光されたスポット光の位置に対応して図示しない出力1と出力2との比を変化させるようになっており、移動検出装置2とシートPとの距離に応じて出力1・出力2の値が変わることを利用して、距離を計測することができる。
【0081】
制御部12には、受光部11から信号が入力される。また制御部12は、ミラー8の移動速度を変化させる。これによって、シートP上の被照射位置Sを所望の速度で変化させるようになっている。
【0082】
上記構成において、移動検出装置2は、シートPの移動速度を次のように算出する。
【0083】
まず、発光部4から光が照射され、コリメートレンズ5によってコリメートし、ビームスプリッタ9、集光レンズ6を介して、凹レンズ7にて平行ビームとしてミラー8に入射される。
【0084】
ミラー8は、上述の図示しない移動軸に沿って、矢印D方向に移動可能となっている。この矢印Dは、シートPの移動方向を示す矢印Vと平行になっている。ミラー8の移動の詳細については、後で説明する。
【0085】
また、ミラー8は、図示しない移動軸に対して45度の角度で傾いており、発光部4から出射された光を、シートPに垂直に入射させるようになっている。
【0086】
なお、シートP上の被照射位置Sの大きさは、例えばシートP上において直径50μm以下となっている。
【0087】
一方、ミラー8を介して光が照射されたシートPは、シートPの凹凸に応じて、照射された光の一部を反射する。この反射光は、再びミラー8に入射され、凹レンズ7、集光レンズ6を介してビームスプリッタ9によって反射されて、受光レンズ10を介して受光部11へと入射される。
【0088】
受光部11は、受光量に応じた信号を制御部12へと出力する。
【0089】
このようにして得られた出力信号の一例を図3に示す。図3に示す出力信号の振幅(検出レベル)は、シートPの表面の凹凸の状態に応じて得られるものである。すなわち、シートPの移動速度Vとミラー8を矢印D方向に移動させる速度とが異なる場合には、シートP上において被照射位置Sが移動して、シートPの凹凸に応じて反射光の出力が変動する。
【0090】
一方、制御部12においては、以下のようにミラー8の移動速度を変化させて、受光部11から入力される出力信号の変化を計測する。
【0091】
すなわち、例えば図4(a)に示すように、時間間隔ΔTごとに、ミラー8の移動速度をΔVだけ順次増加させる。ここで、図4(a)には示していないが、本実施形態においては、例えばミラー8の移動速度を0から10ΔVまでの所定の範囲で変化させるようになっている。
【0092】
なお、このミラー8の移動速度は、図1に示す矢印V方向への速度である。また、図示しない移動軸にわたってミラー8の移動が終わり、矢印V方向にもはや移動できなくなった場合には、ミラー8は、矢印Vとは反対の方向に所定の速度で移動され、その後に制御部12の制御によって再び矢印V方向へと移動する。この矢印Vとは反対の方向への移動は、図4においては簡単のため省略した。
【0093】
そして、図4(a)のようにミラー8の移動速度を変化させた場合の、受光部11から入力される出力信号の振幅(検出レベル)を図4(b)に示す。
【0094】
図4(b)に示すように、時間範囲4ΔTないし5ΔTにおいては、出力信号の検出レベルは一定となっている。
【0095】
ここで、検出レベルが一定になるとは、例えば、所定の時間間隔において検出レベルの変動範囲が所定の変化範囲内であることを意味する。この時間間隔および変化範囲は、測定しようとするシートPの移動速度における所望の検出精度に応じて決めることができる。
【0096】
したがって、制御部12は、この場合のシートPの移動速度は、時間範囲4ΔTないし5ΔTにおけるミラー8の移動速度5ΔVに相当すると判定する。
【0097】
すなわち、以上のように、シートPの移動速度Vとミラー8を矢印D方向に移動させる速度とが一致する場合には、シートP上において被照射位置Sは一定の位置となり、シートPの同一場所からの反射光が受光部11にて検出される。このため、制御部12への出力信号の検出レベルは一定となる。
【0098】
したがって、上述のようにミラー8の移動速度を変化させて、被照射位置Sを所望の速度で変化させれば、シートPの移動速度Vとミラー8を矢印D方向に移動させる速度とが一致した場合に、受光部11からの出力信号の検出レベルが一定になる。よって、この信号状態を検出して、シートPの移動速度を測定できる。
【0099】
以上のように、本実施形態に係る移動検出装置2は、制御部12がミラー8を移動させて、シートPの被照射位置Sを所望の速度で変化させる一方、制御部12が受光部11からの出力信号の検出レベルは一定となるかを判定する構成である。また、一定となった場合に、ミラー8の移動速度をシートPの移動速度と判定する構成である。したがって、発光部4と受光部11とを一つずつしか備えない構成であっても、シートPの移動速度を検出できる。
【0100】
言い換えると、移動検出装置2は、発光部4の発光素子より発せられた光をコリメートレンズ5によりコリメートし、集光レンズ6で集光し、凹レンズ7で平行ビームにした後に、所定の方向に移動するシートPに対してミラー8によって光軸を傾斜させて照射し、シートP上の被照射位置Sに所定のスポット径を有する光スポットを形成する。
【0101】
この光スポットはミラー8の移動およびシートPの移動によって、シートP上をスキャンする。そして、スキャン中の各位置から反射した光は、ミラー8によって光軸を元に戻した後、凹レンズ7・集光レンズ6を通過し、ビームスプリッタ9で光軸が所定の角度だけ変化され、受光レンズ10によって集光されて受光部11に入射される。
【0102】
このときシートPの移動速度と光スポットのスキャンスピードとが異なるとシートP上で光スポットが移動するので、受光部11においてはシートPの表面状態に関係した振幅のある信号が得られる。
【0103】
一方、シートPの移動速度と光スポットのスキャンスピードとが一致すると、シートPの同一場所からの反射光が受光部11に入射されるので、受光部11において得られる出力は一定となる。したがって、移動検出装置2によれば、この一定となる信号状態を検出して、シートPの移動速度を測定できる。
【0104】
また、本実施形態の搬送装置1は、移動検出装置2を備えており、移動検出装置2によって検出されたシートPの移動速度に応じて、シートPの搬送速度を変化させる構成なので、例えばシートPの移動速度を一定に保つことができる。
【0105】
なお、上述の実施の形態においては、発光部4に半導体レーザからなる発光素子が備えられる構成について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、その他の発光源を用いる構成であってもよい。ただし、半導体レーザの発光素子であれば、レンズで効率よく集光でき、また十分な強度を得ることができるので、受光部11において信号検出に必要な光量をシートPからの反射光から得ることができる。
【0106】
また、被照射位置の大きさとして、シートPにおいて50μm以下である構成について説明したが、本発明は50μm以下の構成に限るものではない。しかしながら、被照射位置の大きさが大きくなり過ぎると、シートPの表面状態、すなわちシートPの表面の凸凹を平均化した信号を得ることになるので、信号のS/N(signal-to-noise ratio:信号対雑音比)が悪くなり、移動速度の検出が困難となる。このため、上述の実施の形態のように、50μm以下であれば好ましい。
【0107】
また、上記構成に加えて、図5に示すように、例えばシートPとミラー8との間に凹レンズ13および凸レンズ14を備え、この凹レンズ13および凸レンズ14がミラー8とともに矢印D方向へ移動される構成であってもよい。
【0108】
この構成によれば、シートPから反射される光を、凸レンズ14、凹レンズ13を介して受光部11へと導くので、S/Nの良い信号を得ることができる。
【0109】
また、上記実施形態においては、ミラー8が図示しない移動軸に対して45度の角度で傾いている構成について説明したが、本発明はこの構成に限るものではない。すなわち、例えば図6に示すように、ミラー(照射手段)8aが図示しない移動軸および移動軸に平行な移動方向を示す矢印Dに対して45度でない角度で傾いている場合であってもよい。しかしながら、上記実施形態のように、ミラー8の傾きが45度である場合には、受光部11にて受光できる光強度が最も強くなるので好ましい。
【0110】
また、ミラー8の移動速度をどのように変化させていくかという手順については、どのようなものであってもよく、例えば上述した図4(a)に示す構成に限るものではない。例えば、受光部11にて得られる光信号強度に応じて、ミラー8の移動速度を制御する構成であってもよい。
【0111】
また、本発明に係る搬送装置は、図2に示す構成に限るものではない。例えば、図2の搬送装置1の構成に加えて処理装置(処理手段)15を備えた、図7に示す搬送装置1aのような構成であってもよい。なお、図7においては、ローラ制御部3については示していない。
【0112】
すなわち、本発明に係る搬送装置は、シートPに所定のタイミングで処理を行う処理手段としての処理装置15を備え、搬送手段としてのローラ制御部3とローラR1・R2とが、検出されたシートPの移動速度および上記所定のタイミングに応じてシートPの搬送速度を変化させる構成であってもよい。
【0113】
すなわち、上記搬送装置1aは、例えば画像形成装置としてのプリンタに備えられ、印刷するためのシートPを搬送するとともに、処理装置15においてシートPに印刷を行うものであってもよい。
【0114】
上記構成によれば、処理のタイミングに応じてシートPの搬送速度を変化させるので、シートPに対する処理をシートPの所望の位置に対して行うことができる。
【0115】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について図8ないし図10に基づいて説明すると以下の通りである。
【0116】
なお、以下では、上述の実施の形態1と同様の部材については同じ符号によって参照し、説明は省略する。
【0117】
本実施の形態の搬送装置は、図2に示す移動検出装置2の代わりに以下に説明する移動検出装置2aを備えている構成である。
【0118】
本実施の形態の移動検出装置2aは、図8に示すように、所定の回転軸を中心として回転するミラー(照射手段)8bと、ミラー8bの回転の制御などを行う制御部(照射制御手段、速度判定手段)12aとを備えた構成である。
【0119】
ミラー8bは、発光部4から出射され、コリメートレンズ5、ビームスプリッタ9、集光レンズ6、凹レンズ7を順次介してミラー8bへと入射される光を反射して、シートPに入射させるためのものである。この際、ミラー8bは、所定の回転軸を中心に、図に示す矢印Rのように時計周りまたは半時計回りに回転して、シートP上の被照射位置Sを所望の速度で移動させるようになっている。
【0120】
また、ミラー8bは、凹レンズ7を介して入射される光の光軸から45度傾いた角度を中心として、時計周りまたは半時計回りに所定の角度にわたって回転移動する。これによって、例えばその中心となる位置において、シートPに対して垂直に光を照射するので、シートPからの反射光の強度を減少させず、S/Nの良い信号を得ることができる。
【0121】
制御部12aには、受光部11において受光した光量に応じた信号が受光部11から入力される。また制御部12aは、ミラー8bの回転速度を変化させる。これによって、シートP上の被照射位置Sを所望の速度で変化させるようになっている。
【0122】
すなわち、例えばミラー8bの回転速度を適切に定めて、被照射位置Sが図4(a)にて示す所望の速度で移動するようにできる。ここで、被照射位置Sの移動速度は、例えば、ミラー8bとシートPとの距離と、ミラー8bの回転速度とに応じて求めることができる。この制御および検出については、上述の実施の形態と同様であるので説明を省略する。また、本実施形態においては、制御部12aによって、ミラー8bの回転速度が所定の範囲内において変化させられる。これによって、上述の実施の形態と同様に、例えば図4(b)に示すような出力信号の振幅(検出レベル)を得ることができる。
【0123】
したがって、制御部12aは、この場合のシートPの移動速度は、時間範囲4ΔTないし5ΔTにおけるミラー8bによる被照射位置Sの移動速度5ΔVに相当すると判定する。
【0124】
したがって、上述のようにミラー8bの回転速度を変化させて、シートP上の被照射位置Sを所望の速度で変化させれば、シートPの移動速度Vとミラー8bによる被照射位置Sの移動速度とが一致した場合に、受光部11からの出力信号の検出レベルが一定になる。よって、この信号状態を検出して、シートPの移動速度を測定できる。
【0125】
以上のように、本実施形態に係る移動検出装置2aは、制御部12aがミラー8bを回転移動させて、シートPの被照射位置Sを所望の速度で変化させる一方、制御部12aが受光部11からの出力信号の検出レベルは一定となるかを判定する構成である。また、一定となった場合に、ミラー8bの回転による被照射位置Sの移動速度をシートPの移動速度と判定する構成である。したがって、発光部4と受光部11とを一つずつしか備えない構成であっても、シートPの移動速度を検出できる。
【0126】
この構成によれば、ミラー8bを回転させることによるシートP上の被照射位置Sの移動速度を、上述の実施の形態におけるミラー8を移動させることによるシートP上の被照射位置Sの移動速度よりも高速にできる。また、ミラー8bを回転させることによるシートP上の被照射位置Sの移動速度の切換えについても、上述の実施の形態よりも高速にできる。したがって、例えばシートP上の被照射位置Sの移動速度の切換えを高速に行って、シートPの移動速度をより早く測定することができる。
【0127】
また、上述のしたミラー8の移動の場合には、ミラー8が移動軸方向にもはや移動できなくなると、逆の方向へ移動させる必要があるが、本実施形態のミラー8bの場合にはその必要はない。図8に示す構成において、ミラー8bは、矢印Rで示す方向のうち例えば反時計周りのみに回転する構成であってもよい。この場合には、ミラー8bにおいて上述の光軸から45度傾いた位置が中心となるように、例えば所望のタイミングで発光部4から光を照射させ、残りのタイミングでは照射しないようにすれば、逆の方向への移動(時計周りの回転)を不要にしつつ、同様の効果が得られる。また、ミラー8bの形状は図8に示す形状に限るものではなく、例えば多角形のポリゴンミラーを用いる構成であってもよい。
【0128】
また、上記構成に加えて、図9に示すように、シリンドリカルレンズ16を含み、ミラー8bからの光がシリンドリカルレンズ16を介してシートPに照射される構成であってもよい。この構成によれば、ミラー8bからの光を適切な円柱状の屈折面を有するシリンドリカルレンズ16によって屈折させて、シートPに垂直に入射させることができる。したがって、反射光の強度を強めて、測定の精度を向上できる。
【0129】
ここで、図8に示す構成において、ミラー8bが回転してシートP上の被照射位置Sを移動させる場合には、シートPへの入射角が被照射位置Sに応じて変化してしまうことになる。このため、シートPの移動速度と、被照射位置Sの移動速度とが等しい場合であっても、反射光の光量が変化して、受光部11からの出力信号の検出レベルが一定とならない虞れもある。
【0130】
そこで、図9に示すように、シリンドリカルレンズ16を用いて、シートPへの入射角度を90度とすれば、シートPの移動速度と、被照射位置Sの移動速度とが等しい場合に、受光部11からの出力信号の検出レベルを確実に一定にでき、シートPの移動速度を精度よく検出できる。
【0131】
また、上記構成において、S/Nの良い信号を得るため、以下で説明する図10に示す構成によって、シートPからの反射光を受光する構成であってもよい。
【0132】
すなわち、図10(a)(b)に示すように、シートPからの反射光を受光する受光レンズ10aおよび受光部11aを、発光部4およびその他のレンズなどが配置される平面とは異なる位置に配置する構成であってもよい。
【0133】
この場合、ミラー8bは、シートPに光を照射する光路と、シートPにおいて反射された反射光の光路とを異ならせるとともに、シートPに光を照射する光路と反射光の光路とを含む平面の法線を、シートPの移動方向に平行にするように、シートPに光を照射する。
【0134】
すなわち、受光レンズ10aおよび受光部11aは、ミラー8bからシートPへの垂線と受光レンズ10aの光軸とが平面をなし、この平面の法線がシートPの移動方向Vと平行になるように配置されている。
【0135】
また、発光部4およびその他のレンズなどが配置される平面と、ミラー8bからシートPへ入射する光線と受光レンズ10aの光軸とからなる平面とが、互いに直交する配置となっている。このため、この構成においては、ビームスプリッタ9は不要である。
【0136】
上記構成によれば、受光レンズ10aおよび受光部11aを、発光部4およびその他のレンズなどが配置される平面とは異なる位置に配置する構成のうち、最も効率よくシートPからの反射光を受光できる。
【0137】
また、ビームスプリッタ9を不要としているので、ビームスプリッタにおける光量ロスをなくせる。したがって、精度よく検出を行うことができる。
【0138】
また、本発明は、上述の実施の形態の構成に限るものではなく、例えばミラー8bは、発光部4からの光の光軸から45度傾斜した位置において、シートPに対して垂直に光を照射する構成であってもよい。
【0139】
この構成によれば、シートPの位置によらず光の入射角を90度として一定の反射光量を得て、シートPの移動速度を精度よく求めることができる。
【0140】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0141】
上述の具体的な実施形態または実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、本発明はそのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、変更した形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0142】
【発明の効果】
本発明に係る移動検出装置は、以上のように、照射手段を制御して、被照射位置を所望の速度で変化させる照射制御手段と、反射光の検出レベルが一定となったときに、上記所望の速度を被測定物の移動速度であると判定する速度判定手段とを備えている構成である。
【0143】
それゆえ、一組の照射手段と、検出するための照射制御手段、速度判定手段とによって、被測定物の移動速度を判定することができるので、部品点数が少なく、形状的にも小型で製造コストが低い移動検出装置を実現できるという効果を奏する。
【0144】
本発明に係る移動検出装置は、以上のように、上記構成において、上記照射手段は発光部とミラーとを含み、上記発光部からの光を上記ミラーを介して上記被測定物に照射する一方、上記照射制御手段は、上記ミラーを所定の方向へ移動させることによって、上記被照射位置を変化させる構成である。
【0145】
それゆえ、ミラーを所定の方向へ移動させることによって被照射位置を変化させるので、簡単な構成で本発明に係る移動検出装置を実現できるという効果を奏する。
【0146】
本発明に係る移動検出装置は、以上のように、上記構成において、上記照射制御手段は、上記ミラーを所定の方向へ移動させる速度を所定の範囲内において変化させる構成である。
【0147】
それゆえ、その所定の範囲内における被測定物の移動速度を判定できるという効果を奏する。
【0148】
本発明に係る移動検出装置は、以上のように、上記構成において、上記ミラーは、上記所定の方向から45度傾斜している構成である。
【0149】
それゆえ、発光部から出射される光の強度を弱めずに被測定物に垂直に入射でき、被測定物からの正反射の反射光として比較的強い強度の光を得て、比較的S/N(signal-to-noise ratio:信号対雑音比)の良い信号を得ることができるという効果を奏する。
【0150】
本発明に係る移動検出装置は、以上のように、上記構成において、上記照射手段は、凸レンズおよび凹レンズを含み、上記照射制御手段は、上記ミラーとともに、上記凸レンズおよび凹レンズを上記所定の方向へ移動させる構成である。
【0151】
それゆえ、被測定物への入射光または被測定物からの反射光、またはその双方を、上述のレンズを用いて集光して精度を高めて、S/Nの良い信号を得ることができるという効果を奏する。
【0152】
本発明に係る移動検出装置は、以上のように、上記構成において、上記照射手段は発光部とミラーとを含み、上記発光部からの光を上記ミラーを介して上記被測定物に照射する一方、上記照射制御手段は、上記ミラーを所定の回転軸を中心として回転させることによって、上記被照射位置を変化させる構成である。
【0153】
それゆえ、ミラーを回転させることによって被照射位置を変化させるので、さらに簡単な構成で本発明に係る移動検出装置を実現できるという効果を奏する。
【0154】
本発明に係る移動検出装置は、以上のように、上記構成において、上記照射制御手段は、上記ミラーを回転させる速度を所定の範囲内において変化させる構成である。
【0155】
それゆえ、その所定の範囲内における被測定物の移動速度を判定できるという効果を奏する。
【0156】
本発明に係る移動検出装置は、以上のように、上記構成において、上記照射手段は、シリンドリカルレンズを含んでいる構成である。
【0157】
それゆえ、例えばミラーから被測定物に対して光を垂直に入射させて、十分な反射光量を得て、被測定物の移動速度を精度よく求めることができるという効果を奏する。
【0158】
本発明に係る移動検出装置は、以上のように、上記構成において、上記ミラーは、上記発光部からの光の光軸から45度傾斜した位置を中心として回転して、上記被測定物に光を照射する構成である。
【0159】
それゆえ、例えばその中心となる位置においては、被測定物に対して垂直に光を照射して、発光部からの光の強度を無駄に減らすことなく、被測定物に光を照射できるので、被測定物からの反射光の強度を減少させず、S/Nの良い信号を得ることができるという効果を奏する。
【0160】
本発明に係る移動検出装置は、以上のように、上記構成において、上記ミラーは、上記被測定物に照射する光の光路と上記被照射位置にて反射された上記反射光の光路とを異ならせるとともに、上記照射する光の光路と上記反射光の光路とを含む平面の法線を上記被測定物の移動方向に平行にさせるように上記被測定物に光を照射する構成である。
【0161】
それゆえ、例えば照射する光路と反射光の光路とを共用する場合に用いるビームスプリッタを不要にでき、反射光の強度を減少させずに、効率よく反射光を検出できるという効果を奏する。
【0162】
本発明に係る移動検出装置は、以上のように、上記構成において、上記被測定物における上記被照射位置の大きさは、直径50μm以下である構成である。
【0163】
それゆえ、被測定物の表面の凸凹状態をうまく検知し、S/Nの良い信号を得ることができるという効果を奏する。
【0164】
本発明に係る移動検出装置は、以上のように、上記構成において、上記照射手段の発光部は半導体レーザを含む構成である。
【0165】
それゆえ、照射する光の強度を強めることにより反射光の強度を強めて、被測定物からの反射光であっても、凹凸を検出するために十分な強度を得ることができるという効果を奏する。
【0166】
本発明に係る搬送装置は、以上のように、上述のいずれかの移動検出装置と、被測定物を搬送する搬送手段とを備え、上記搬送手段は、判定された上記被測定物の移動速度に応じて、上記被測定物を搬送する速度を変化させる構成である。
【0167】
それゆえ、判定された被測定物の移動速度に応じて、被測定物を搬送する速度を所望の速度に変化させてフィードバックすることによって、例えば被測定物を搬送する速度を一定に保つことができるという効果を奏する。
【0168】
本発明に係る搬送装置は、以上のように、上述のいずれかの移動検出装置と、被測定物を搬送する搬送手段と、上記被測定物に所定のタイミングで処理を行う処理手段とを備え、上記搬送手段は、判定された上記被測定物の移動速度または上記所定のタイミングに応じて、上記被測定物を搬送する速度を変化させる構成である。
【0169】
それゆえ、判定された被測定物の移動速度に応じて、被測定物を搬送する速度を所望の速度に変化させてフィードバックすることによって、例えば被測定物を搬送する速度を一定に保つことができるという効果を奏する。
【0170】
また、所定のタイミングに応じて被測定物を搬送する速度を所望の速度に変化させて、例えば被測定物に対する処理が被測定物の所望の位置に対して行われるようにできるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の移動検出装置の一実施の形態を示す概略の断面図である。
【図2】上記移動検出装置を備えた本発明の搬送装置の一実施の形態を示す概略の断面図である。
【図3】上記移動検出装置の出力波形の一例を示すグラフである。
【図4】(a)は上記移動検出装置において被照射位置の移動速度を調整した一例を示すグラフであり、(b)は(a)に示す動作を行った際の上記移動検出装置の出力波形の一例を示すグラフである。
【図5】上記移動検出装置の一変形例を示す概略の断面図である。
【図6】上記移動検出装置の他の変形例を示す概略の断面図である。
【図7】上記搬送装置の一変形例を示す概略の断面図である。
【図8】本発明の移動検出装置の他の実施の形態を示す概略の断面図である。
【図9】上記移動検出装置の変形例を示す概略の断面図である。
【図10】(a)は上記移動検出装置の他の変形例を示す概略の断面図であり、(b)は(a)に示す移動検出装置を側面から見た概略の断面図である。
【図11】従来の光学式移動検出装置の一例を示す概略の断面図である。
【図12】上記移動検出装置の測距センサの概略構成を示す断面図である。
【図13】(a)は上記移動検出装置の一方の測距センサから得られる出力波形を示すグラフであり、(b)は上記移動検出装置の他方の測距センサから得られる出力波形を示すグラフである。
【符号の説明】
1、1a 搬送装置
2、2a 移動検出装置
3 ローラ制御部(搬送手段)
4 発光部(照射手段)
8、8a、8b ミラー(照射手段)
11 受光部(速度判定手段)
12 制御部(照射制御手段、速度判定手段)
13 凹レンズ
14 凸レンズ
15 処理装置(処理手段)
16 シリンドリカルレンズ
P シート(被測定物)
R1、R2 ローラ(搬送手段)
S 被照射位置
V 移動速度

Claims (12)

  1. 被測定物に光を照射する照射手段を備え、上記被測定物の被照射位置にて反射された反射光を検出して上記被測定物の移動を検出する移動検出装置において、
    上記照射手段を制御して、上記被照射位置を所望の速度で変化させる照射制御手段と、
    上記反射光の検出レベルが一定となったときに、上記所望の速度を上記被測定物の移動速度であると判定する速度判定手段とを備え
    上記照射手段は、上記被測定物の移動方向に平行な方向に沿って上記光を照射する発光部と、
    上記発光部から照射された光の光軸方向に移動可能に設けられ、上記光を反射して上記被測定物に入射させるミラーとを有し、
    上記照射制御手段は、上記光軸方向に上記ミラーを移動させ、上記ミラーの移動速度を変化させて上記被照射位置を所望の速度で変化させることを特徴とする移動検出装置。
  2. 上記照射制御手段は、上記ミラーを所定の方向へ移動させる速度を所定の範囲内において変化させることを特徴とする請求項1に記載の移動検出装置。
  3. 上記ミラーは、上記所定の方向から45度傾斜していることを特徴とする請求項1または2に記載の移動検出装置。
  4. 上記照射手段は、凸レンズおよび凹レンズを含み、
    上記照射制御手段は、上記ミラーとともに、上記凸レンズおよび凹レンズを上記所定の方向へ移動させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の移動検出装置。
  5. 被測定物に光を照射する照射手段を備え、上記被測定物の被照射位置にて反射された反射光を検出して上記被測定物の移動を検出する移動検出装置において、
    上記照射手段を制御して、上記被照射位置を所望の速度で変化させる照射制御手段と、
    上記反射光の検出レベルが一定となったときに、上記所望の速度を上記被測定物の移動速度であると判定する速度判定手段とを備え、
    上記照射手段は、上記被測定物の移動方向に平行な方向に沿って上記光を照射する発光部と、
    上記発光部から照射された光の光軸方向に直交する回転軸を中心として回転可能に設けられ、上記光を反射して上記被測定物に入射させるミラーと、
    上記ミラーと上記被測定物との間に設けられたシリンドリカルレンズとを有し、
    上記照射制御手段は、上記回転軸を中心として上記ミラーを回転させ、上記ミラーの回転速度を変化させて上記被照射位置を所望の速度で変化させることを特徴とする移動検出装置。
  6. 上記照射制御手段は、上記ミラーを回転させる速度を所定の範囲内において変化させることを特徴とする請求項5に記載の移動検出装置。
  7. 上記ミラーは、上記発光部からの光の光軸から45度傾斜した位置を中心として回転して、上記被測定物に光を照射することを特徴とする請求項5または6に記載の移動検出装置。
  8. 上記ミラーは、上記被測定物に照射する光の光路と上記被照射位置にて反射された上記反射光の光路とを異ならせるとともに、上記照射する光の光路と上記反射光の光路とを含む平面の法線を上記被測定物の移動方向に平行にさせるように上記被測定物に光を照射することを特徴とする請求項5ないし7のいずれか1項に記載の移動検出装置。
  9. 上記被測定物における上記被照射位置の大きさは、直径50μm以下であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の移動検出装置。
  10. 上記照射手段の発光部は半導体レーザを含むことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の移動検出装置。
  11. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の移動検出装置と、上記被測定物を搬送する搬送手段とを備え、
    上記搬送手段は、判定された上記被測定物の移動速度に応じて、上記被測定物を搬送する速度を変化させることを特徴とする搬送装置。
  12. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の移動検出装置と、上記被測定物を搬送する搬送手段と、上記被測定物に所定のタイミングで処理を行う処理手段とを備え、
    上記搬送手段は、判定された上記被測定物の移動速度または上記所定のタイミングに応じて、上記被測定物を搬送する速度を変化させることを特徴とする搬送装置。
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