JP4075387B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関の排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧縮着火式の内燃機関から排出される排気ガス中の窒素酸化物(NOX)を浄化するためのNOX触媒を機関排気通路に備えた排気浄化装置が、特開2000−186537号公報に開示されている。当該公報に記載のNOX触媒は、周囲に過剰な酸素が存在するとNOXを吸収し且つ周囲の酸素濃度が低下すると吸収しているNOXを放出して周囲の還元剤によって還元浄化することができる。通常、圧縮着火式の内燃機関から排出される排気ガス中には過剰な酸素が含まれているので、NOX触媒は排気ガス中のNOXを吸収し続けることになる。
【0003】
ところが、NOX触媒が吸収しえるNOXの量には限りがあるので、NOX触媒が吸収しているNOXの量がその上限値に達する前に、NOX触媒に吸収されているNOXを還元浄化しなければ、NOX触媒はもはやNOXを吸収しえず、NOXがNOX触媒下流へと流出してしまう。そこで、上記公報では、NOX触媒が吸収しているNOXの量がその上限値に達する前に、燃焼式ヒータからリッチ空燃比の排気ガスをNOX触媒に供給し、NOX触媒が吸収しているNOXを排気ガス中の還元剤によって還元浄化するようにしている。
【0004】
ところで、燃料中には硫黄成分が含まれているので、内燃機関では硫黄酸化物(SOX)が生成される。そして、NOX触媒は排気ガス中のSOXをも吸収してしまう。この場合、NOX触媒が最大限に吸収可能なNOXの量が少なくなってしまう。そこで、上記公報では、NOX触媒に吸収されているSOXをNOX触媒から放出するために、燃焼式ヒータからリッチ空燃比のガスをNOX触媒に供給するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、燃焼式ヒータから排出されるリッチ空燃比のガス中には、可溶性有機成分(SOF)が含まれている。このSOFはNOX触媒表面、特に、NOX触媒の貴金属触媒表面に付着し、NOX触媒の触媒機能を低下させてしまう。すなわち、上述したように、NOX触媒からSOXを放出するために、燃焼式ヒータからリッチ空燃比のガスがNOX触媒に供給されると、NOX触媒にSOFが付着し、触媒機能が低下する。この場合、徐々に、NOX触媒からSOXを放出させづらくなってしまうので、SOXを放出させるために燃焼式ヒータからNOX触媒にリッチ空燃比のガスを供給すべき時間が長くなってしまう。結果として、燃焼式ヒータの燃費が悪化する。そこで本発明の目的は、NOX触媒に付着したSOFを除去することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本願の発明では、内燃機関から排出される排気ガス中のNOXを浄化するためのNOX触媒を機関排気通路内に具備し、NOX触媒は周囲の雰囲気がリーン雰囲気であるときにはSOXを保持し、NOX触媒からSOXを離脱させるべきときには、NOX触媒の温度をSOX離脱温度まで上昇させると共にNOX触媒周囲の雰囲気をリッチ雰囲気にするSOX離脱処理を実行することによってNOX触媒からSOXを離脱させるようにし、さらに、SOX離脱処理の実行中にNOX触媒周囲の雰囲気が一時的にリーン雰囲気とされるようにした排気浄化装置において、NO X 触媒に流入する排気ガスの量を調節するための流量調節弁をNO X 触媒上流の機関排気通路内とNO X 触媒下流の機関排気通路内とにさらに具備すると共に、燃焼式ヒータをさらに具備し、SO X 離脱処理の実行時には、内燃機関の運転および燃焼式ヒータの運転を制御してNO X 触媒の温度を上昇させ、該NO X 触媒の温度がSO X 離脱温度にまで上昇したときに、上流側の流量調整弁の開度を小さくしてNO X 触媒に流入する排気ガスの量を低減すると共に下流側の流量調節弁の開度を燃焼式ヒータの運転にとって最適な開度として燃焼式ヒータからリッチ空燃比のガスをNO X 触媒に供給することによってNO X 触媒周囲の雰囲気がリッチ雰囲気とされ、一方、該燃焼式ヒータからNO X 触媒に一時的にリーン空燃比のガスを供給することによってNO X 触媒周囲の雰囲気が一時的にリーン雰囲気とされる。これによれば、NOX触媒周囲には多量の酸素が存在することとなる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の排気浄化装置を説明する。図1は本発明の排気浄化装置を備えた内燃機関を示している。以下で説明する実施形態において、内燃機関は圧縮着火式の内燃機関であるが、本発明は火花点火式の内燃機関にも適用可能である。図1において、1は機関本体、2は吸気通路、3は排気通路である。吸気通路3内にはスロットル弁4が配置される。スロットル弁4にはステップモータ5が接続される。
【0016】
排気通路3は並列した2つの排気枝通路、すなわち、第1の排気枝通路3aと第2の排気枝通路3bに分岐する。第1の排気枝通路3aには、第1のNOX触媒6aが配置される。第1NOX触媒6a上流の排気枝通路3aにはその温度を検出するための第1の温度センサ7aが取り付けられる。さらに、第1NOX触媒6a上流の第1排気枝通路3aには、排気ガスの空燃比を検出するための第1の空燃比センサ8aが取り付けられる。
【0017】
一方、第2の排気枝通路3bには、第2のNOX触媒6bが配置される。第2NOX触媒6b上流の排気枝通路3bにはその温度を検出するための第2の温度センサ7bが取り付けられる。さらに、第2NOX触媒6b上流の第2排気枝通路3bには、排気ガスの空燃比を検出するための第2の空燃比センサ8bが取り付けられる。
【0018】
なお、第1排気枝通路3aと第2排気枝通路3bとはNOX触媒6a、6b下流にて合流する。
【0019】
排気通路3から排気枝通路3a、3bが分岐する排気通路分岐領域、すなわち、NOX触媒6a、6b上流には、各排気枝通路3a、3bに流入する排気ガスの量を調節するための流量調節弁(以下、上流側流量調節弁と称す)9が配置される。上流側流量調節弁9にはステップモータ10が接続される。上流側流量調節弁9の開度が第2NOX触媒6bにとって小さくされ、上流側流量調節弁9が図1(A)に示されている動作位置に位置決めされると、第2NOX触媒6bに流入する排気ガスの量は少なくなり、排気ガスはほとんど全て第1排気枝通路3aを介して第1NOX触媒6aに流入する。一方、上流側流量調節弁9の開度が第1NOX触媒6aにとって小さくされ、上流側流量調節弁9が図1(B)に示されている動作位置に位置決めされると、第1NOX触媒6aに流入する排気ガスの量は少なくなり、排気ガスはほとんど全て第2排気枝通路3bを介して第2NOX触媒6bに流入する。
【0020】
さらに、排気枝通路3a、3bが合流する排気枝通路合流領域、すなわち、NOX触媒6a、6b下流には、各排気枝通路3a、3bに流入する排気ガスの量を調節するための流量調節弁(以下、下流側流量調節弁と称す)11が配置される。下流側流量調節弁11にはステップモータ12が接続される。下流側流量調節弁11の開度が第2NOX触媒6bにとって小さくされ、下流側流量調節弁11が図1(A)に示されている動作位置に位置決めされると、第2NOX触媒6bに流入する排気ガスの量が少なくなる。一方、下流側流量調節弁11の開度が第1NOX触媒6aにとって小さくされ、下流側流量調節弁11が図1(B)に示されている動作位置に位置決めされると、第1NOX触媒6aに流入する排気ガスの量が少なくなる。
【0021】
また、下流側流量調節弁11は一方の排気枝通路から流出する排気ガスが他方の排気枝通路に流入することを防止する。すなわち、下流側流量調節弁11が図1(A)に示されている動作位置に位置決めされているときには、第1排気枝通路3aから流出した排気ガスが第2排気枝通路3bに流入することが防止される。一方、下流側流量調節弁11が図1(B)に示されている動作位置に位置決めされているときには、第2排気枝通路3bから流出した排気ガスが第1排気枝通路3aに流入することが防止される。
【0022】
なお、下流側流量調節弁11は上流側流量調節弁9の動作位置に対応して位置決めされる。例えば、上流側流量調節弁9が図1(A)に示されている動作位置に位置決めされたときには、下流側流量調節弁11は、図1(A)に示されている動作位置に位置決めされる。一方、上流側流量調節弁9が図1(B)に示されている動作位置に位置決めされたときには、下流側流量調節弁11は、図1(B)に示されている動作位置に位置決めされる。
【0023】
排気通路分岐領域には、燃焼ガス通路13を介して燃焼式ヒータ14が接続される。燃焼式ヒータ14にはヒータ吸気通路15を介して空気が吸入される。ヒータ吸気通路15には、燃焼式ヒータ14に吸入される空気の量を制御するための吸気量制御弁16が配置される。また、燃焼式ヒータ14には燃料通路17を介して燃料タンク18が接続される。燃料タンク18は燃料通路17を介して機関本体1にも接続される。燃料通路17には吐出量可変な燃料ポンプ19が配置される。
【0024】
燃焼式ヒータ14はグロープラグのような着火装置を具備し、この着火装置に燃料タンク18から燃料を供給し、この燃料を燃焼することによって高温のガスを排出することができる。NOX触媒6a、6bは燃焼式ヒータ14から排出される高温のガスによって加熱される。なお、燃焼式ヒータ14への空気の吸入は、例えば、吸気ファンによって行われる。ここで、燃焼式ヒータ14に吸入される空気の量と着火装置に供給する燃料の量とを調節することによって、燃焼式ヒータ14から排出されるガスの量とその空燃比とを調節することができる。
【0025】
排気通路分岐領域上流の排気通路3からスロットル弁4下流の吸気通路2まで排気再循環(EGR)通路20が延びる。EGR通路20にはEGR制御弁21が配置される。EGR制御弁21にはステップモータ22が接続される。EGR制御弁21が開弁せしめられると、排気ガスが排気通路3からEGR通路20を介して吸気通路2に導入される。吸気通路2に導入される排気ガスの量はEGR制御弁21の開度を調節することによって制御される。
【0026】
なお、第1温度センサ7a、第2温度センサ7b、第1空燃比センサ8a、および、第2空燃比センサ8bは電子制御装置(図示せず)に接続され、これらの出力信号が電子制御装置に送信される。一方、スロットル弁駆動用のステップモータ5、上流側流量調節弁駆動用のステップモータ10、下流側流量調節弁駆動用のステップモータ12、燃料ポンプ19、および、EGR制御弁駆動用のステップモータ22は電子制御装置に接続され、これらの動作が電子制御装置によって制御される。
【0027】
第1NOX触媒6aは、周囲に過剰な酸素が存在するとき、すなわち、周囲の雰囲気がリーン雰囲気であるときにはNOXを吸収・吸着することによって保持し且つ周囲の酸素濃度が低下したとき、例えば、周囲の雰囲気がリッチ雰囲気になったときには保持しているNOXを解放するNOX保持剤と、NOXを炭化水素によって還元浄化することができる貴金属触媒とを具備する。第2NOX触媒6bの構成は第1NOX触媒6aの構成と同じである。
【0028】
圧縮着火式内燃機関は、通常、リーン空燃比にて運転せしめられるので、内燃機関から排出される排気ガス中には過剰な酸素が含まれている。また、圧縮着火式内燃機関ではNOXが生成されるので、排気ガス中にはNOXも含まれている。したがって、内燃機関が通常運転せしめられている間、NOX触媒6a、6bには過剰な酸素が含まれている排気ガスが流入するので、NOX触媒6a、6bは流入する排気ガス中のNOXを次々と吸収・吸着し続ける。
【0029】
ところが、NOX触媒6a、6bが吸収・吸着によって保持可能なNOXの量には上限がある。したがって、流量調節弁9、11が図1(A)に示されている動作位置に位置決めされ続けていると、第1NOX触媒6aが保持しているNOXの量(以下、NOX保持量と称す)がその上限値に達する。この場合、第1NOX触媒6aはもはやNOXを吸収・吸着することができず、NOXがNOX触媒6a、6b下流へ流出してしまう。
【0030】
そこで、本実施形態では、第1NOX触媒6aのNOX保持量がその上限値に達したとき、或いは、その上限値に達する直前に、上流側流量調節弁9の動作位置を図1(B)に示されている動作位置に切り換えて、第1NOX触媒6aに流入する排気ガスの量をほぼ零にまで低減し、且つ、下流側流量調節弁11の動作位置を図1(B)に示されている動作位置よりも僅かに図1(A)に示されている動作位置に近い位置に切り換えて、第1排気枝通路3aを僅かばかり開放した状態で、燃焼式ヒータ14からリッチ空燃比のガス(以下、ヒータガスと称す)を第1NOX触媒6aに供給するNOX浄化処理が実行される。ここでリッチ空燃比のガスとは、その酸素濃度が内燃機関から通常排出される排気ガス中の酸素濃度よりも低く且つ比較的多量の炭化水素(HC)が含まれているガスである。
【0031】
このようにリッチ空燃比のヒータガスが第1NOX触媒6aに供給されると、第1NOX触媒6a周囲の雰囲気がリッチ雰囲気となるので、第1NOX触媒6aは保持しているNOXを解放し、斯くして解放されたNOXをヒータガス中のHCを還元剤として利用して還元浄化する。これにより、第1NOX触媒6aは再びNOXを吸収・吸着によって保持することができるようになる。すなわち、第1NOX触媒6aのNOX保持能力が回復せしめられる。なお、第1NOX触媒6aに対してNOX浄化処理が実行されている間、内燃機関から排出される排気ガスは第2NOX触媒6bに流入し、排気ガス中のNOXは第2NOX触媒6bに吸収・吸着によって保持される。
【0032】
なお、本実施形態では、第1NOX触媒6aに対するNOX浄化処理が完了すると、下流側流量調節弁11の動作位置が図1(B)に示されている動作位置に切り換えられて、第2排気枝通路3bから流出する排気ガスが第1排気枝通路3aに流入しないようにする。そして、第2NOX触媒6bのNOX保持量がその上限値に達するまでは、流量調節弁9、11の動作位置は図1(B)に示されている動作位置に維持される。そして、第2NOX触媒6bのNOX保持量がその上限値に達したとき、或いは、その上限値に達する直前に、上流側流量調節弁9の動作位置を図1(A)に示されている動作位置に切り換えて、第2NOX触媒6bに流入する排気ガスの量をほぼ零にまで低減し、且つ、下流側流量調節弁11の動作位置を図1(A)に示されている動作位置よりも僅かに図1(B)に近い位置に切り換えて、第2排気枝通路3bを僅かばかり開放した状態で、燃焼式ヒータ14からリッチ空燃比のヒータガスを第2NOX触媒6bに供給し、第2NOX触媒6bのNOX保持能力を回復せしめる。
【0033】
以後、第1NOX触媒6aに対するNOX浄化処理と第2NOX触媒6bに対するNOX浄化処理とが繰り返される。
【0034】
ところで、機関本体1に供給される燃料中には硫黄成分(S)も含まれているので、内燃機関では硫黄酸化物(SOX)が生成され、排気ガス中にはこのSOXも含まれている。NOX触媒6a、6bはこうしたSOXをも吸収・吸着によって保持してしまう。この場合、NOX触媒6a、6bのNOX保持能力が低下し、これらNOX触媒に対するNOX浄化処理の実行頻度が多くなってしまう。NOX触媒6a、6bに保持されたSOXは、NOX触媒6a、6bの温度がSOX離脱温度(例えば、600℃)にまで上昇し且つ周囲の雰囲気がリッチ雰囲気となると、NOX触媒6a、6bから離脱する。
【0035】
そこで本実施形態では、各NOX触媒6a、6bのNOX保持能力(すなわち、触媒機能)がSOXによって低下せしめられていると判断されたときに、NOX保持能力が低下したNOX触媒からSOXを離脱させるSOX離脱処理が実行される。
【0036】
具体的には、第1NOX触媒6aのNOX保持能力がSOXによって低下せしめられていると判断されたときに、NOX浄化処理が実行されるときと同様に、各流量調節弁9、11の動作位置が切り換えられた状態で、燃焼式ヒータ14から高温でリッチ空燃比のヒータガスが第1NOX触媒6aに供給され、これによって第1NOX触媒6aの温度がSOX離脱温度にまで上昇せしめられると共に、第1NOX触媒6a周囲の雰囲気がリッチ雰囲気とされる。斯くして、第1NOX触媒6aからSOXが離脱せしめられる。
【0037】
もちろん、第2NOX触媒6bのNOX保持能力がSOXによって低下せしめられていると判断されたときにも、NOX浄化処理が実行されるときと同様に、各流量調節弁9、11の動作位置が切り換えられた状態で、高温でリッチ空燃比のヒータガスが第2NOX触媒6bに供給される。
【0038】
なお、本実施形態では、各NOX触媒6a、6bに対するNOX浄化処理の実行間隔が所定の間隔よりも短くなったと判断された場合、または、燃料中のSOX濃度と燃焼式ヒータ14における燃料消費量からNOX触媒6a、6bに保持されているSOXの量を推定し、この推定量が所定の量を超えたと判断された場合に、NOX触媒6a、6bの触媒機能がSOXによって低下せしめられていると判断される。
【0039】
また、本実施形態では、NOX浄化処理またはSOX離脱処理が実行される毎に、両流量調節弁9、11の動作位置が図1(A)に示されている位置と図1(B)に示されている位置との間で切り換えられるが、これら両流量調節弁9、11の動作位置が、以下のように切り換えられるようにしてもよい。
【0040】
すなわち、NOX浄化処理またはSOX離脱処理が実行されないときには、両流量調節弁9、11の動作位置が、図1(A)に示されている位置と図1(B)に示されている位置との中間の位置に位置決めされ、いずれか一方のNOX触媒6a、6bに関してNOX浄化処理またはSOX離脱処理が実行されるべきときには、当該NOX触媒6a、6bに関して上述した実施形態に従って両流量調節弁9、11の動作位置が位置決めされ、これら処理が終了したときに、再び、両流量調節弁9、11の動作位置が元の中間の位置に位置決めされるようにしてもよい。
【0041】
これによれば、NOX浄化処理またはSOX離脱処理が実行されないときにおいて、排気ガスは両NOX触媒6a、6bに均等に流入するので、各NOX触媒6a、6bにて保持しなければならないNOXの量がほぼ半分ずつとなる。このため、各NOX触媒6a、6bの容量が小さくとも、排気ガス中のNOXはこれらNOX触媒6a、6bによって良好に保持される。したがって、これによれば、排気エミッションが高く維持されつつ、NOX触媒の車両への搭載性が向上される。
【0042】
ところで、NOX浄化処理の実行時およびSOX離脱処理の実行時に燃焼式ヒータ14からNOX触媒に供給されるリッチ空燃比のガス(ヒータガス)中には、いわゆる可溶性有機成分(SOF)が比較的多く含まれている。このSOFがNOX触媒6a、6b表面、特に貴金属触媒表面に付着すると、その触媒機能が低下する。
【0043】
ここでNOX浄化処理の実行期間はSOX離脱処理の実行期間に比べて非常に短いので、NOX浄化処理の実行中にNOX触媒6a、6bに付着するSOFの量は比較的少ない。したがって、NOX浄化処理の実行中にSOFがNOX触媒に付着したとしても、NOX触媒のNOX浄化能力はさほど低下しない。
【0044】
ところが、SOX離脱処理の実行期間は非常に長いので、SOX離脱処理の実行中にNOX触媒の触媒能力がSOFの付着によって低下せしめられ、したがって、NOX触媒6a、6bからのSOXの離脱速度が遅くなり、場合によっては、NOX触媒6a、6bからのSOXの離脱がほとんど行われなくなってしまう。
【0045】
そこで、第1の実施形態では、SOX離脱処理の実行中において、予め定められた条件が成立したと判断されたときに、燃焼式ヒータ14からNOX触媒に供給されるヒータガスの空燃比が一時的にリーン空燃比とされる。これによれば、NOX触媒6a、6bには酸素濃度の高いヒータガスが供給されるので、NOX触媒6a、6b周囲の雰囲気が一時的にリーン雰囲気となり、しかも、このときのNOX触媒6a、6bの温度が高温であるので、NOX触媒に付着しているSOFはその周囲の酸素によって一気に酸化除去される。
【0046】
なお、第1実施形態では、SOX離脱処理の実行中においてNOX触媒6a、6b周囲の雰囲気がリッチ雰囲気とされている期間が予め定められた期間を超えたときに、予め定められた条件が成立したと判断される。また、第1実施形態では、SOX離脱処理の実行中において、NOX触媒6a、6b周囲の雰囲気を一時的にリーン雰囲気とする期間は、当該NOX触媒6a、6bの温度が高くなり過ぎることを防止し、且つ、燃焼式ヒータ14からリッチ空燃比のヒータガスを再びNOX触媒6a、6bに供給したときに当該NOX触媒6a、6b周囲の雰囲気が即座にリッチ雰囲気となるように、決定される。こうした観点からは、例えば、燃焼式ヒータ14からリッチ空燃比のヒータガスが供給されている期間が、例えば、30秒を超えたときに、予め定められた条件が成立したと判断され、燃焼式ヒータ14から、例えば、2秒間に亘ってリーン空燃比のヒータガスが供給される。
【0047】
図2に第1実施形態のSOX離脱処理を実行するフローチャートを示した。図2に示したフローチャートでは、始めに、ステップ10において、リッチフラグF1がセットされている(F1=1)か否かが判別される。リッチフラグF1はSOX離脱処理が実行されるべきであると判断されたときにセットされ、NOX触媒6a、6bから十分な量のSOXが離脱せしめられたと判断されたときにリセットされるフラグである。
【0048】
ステップ10において、F1=0であると判別されたときには、ルーチンは終了する。一方、ステップ10において、F1=1であると判別されたときには、ルーチンはステップ11に進んで、SOX離脱処理が施されるべきNOX触媒6a、6bにとって流量調節弁9、11の開度が小さくされ、次いでステップ12において、燃焼式ヒータ14からリッチ空燃比のヒータガスが供給される。
【0049】
次いで、ステップ13において、リーンフラグF2がセットされている(F2=1)か否かが判別される。リーンフラグF2はNOX触媒6a、6bにリーン空燃比のヒータガスを供給すべきであると判断されたときにセットされ、NOX触媒6a、6bから十分な量のSOFが酸化除去されたと判断されたときにリセットされるフラグである。
【0050】
ステップ13において、F2=0であると判別されたときには、ルーチンは終了する。一方、ステップ13において、F2=1であると判別されたときには、ルーチンはステップ14に進んで、燃焼式ヒータ14からリーン空燃比のヒータガスが供給され、次いでステップ15において、フラグF2がリセットされる。
【0051】
また、図3に示したように、各NOX触媒6a、6bから流出するガス中のSOXの量または濃度を検出するためのSOX検出センサ23a、23bがNOX触媒下流の各排気枝通路3a、3bに取り付けられている第2の実施形態においては、SOX離脱処理が施されているNOX触媒6a、6bから流出するガス中のSOXの量または濃度が対応するSOX検出センサ23a、23bによって検出され、ここで検出されたSOXの量または濃度が予め定められた量または濃度(例えば、20ppm)を超えたときに、予め定められた条件が成立したと判断される。
【0052】
また、第3実施形態のSOX離脱処理では、図1に示した構成の内燃機関の排気浄化装置において、予め定められた条件が上述したようにして成立したと判断されたときに、燃焼式ヒータ14の作動が停止されると共に、SOX離脱処理が施されているNOX触媒6a、6bにとって流量調節弁9、11の開度が一時的に大きくされる。これによれば、NOX触媒6a、6bに内燃機関から排出された排気ガスが供給され、このときの排気ガスの酸素濃度は高いので、NOX触媒6a、6b周囲の雰囲気が一時的にリーン雰囲気となり、しかも、このときのNOX触媒6a、6bの温度が高温であるので、NOX触媒に付着しているSOFはその周囲の酸素によって一気に酸化除去される。
【0053】
図4に第3実施形態のSOX離脱処理を実行するフローチャートを示した。図4に示したフローチャートでは、始めに、ステップ20において、リッチフラグF1がセットされている(F1=1)か否かが判別される。ここでのリッチフラグF1は図2に示したリッチフラグF1と同じフラグである。
【0054】
ステップ20において、F1=0であると判別されたときには、ルーチンは終了する。一方、ステップ20において、F1=1であると判別されたときには、ルーチンはステップ21に進んで、SOX離脱処理が施されるべきNOX触媒6a、6bにとって流量調節弁9、11の開度が小さくされ、次いでステップ22において、燃焼式ヒータ14からリッチ空燃比のヒータガスが供給される。
【0055】
次いで、ステップ23において、リーンフラグF2がセットされている(F2=1)か否かが判別される。ここでのリーンフラグF2も図2に示したリーンフラグF2と同じフラグである。ステップ23において、F2=0であると判別されたときには、ルーチンは終了する。一方、ステップ23において、F2=1であると判別されたときには、ルーチンはステップ24に進んで、燃焼式ヒータ14からのリッチ空燃比のヒータガスの供給が停止され、次いでステップ25において、流量調節弁9、11の開度が大きくされ、次いでステップ26において、フラグF2がリセットされる。
【0056】
上述した実施形態は、図5に示されている構成の排気浄化装置にも適用可能である。図5に示されている第4の実施形態の排気浄化装置では、各排気枝通路3a、3bに上流側流量調節弁9a、9bと下流側流量調節弁11a、11bが配置されている。これら流量調節弁9a、9b、11a、11bにはそれぞれ対応するステップモータ10a、10b、12a、12bが接続される。また、燃焼ガス通路13は2つのガス枝通路13a、13bに分岐している。これらガス枝通路13a、13bは切換弁24を介して燃焼ガス通路13に接続される。切換弁24によって燃焼式ヒータ14から排出されるガスが第1NOX触媒6aに供給されるか、或いは、第2NOX触媒6bに供給されるかが切り換えられる。
【0057】
また、第5の実施形態のSOX離脱処理では、NOX触媒6a、6bからSOXを離脱させるべきであると判断されたときに、内燃機関の運転および燃焼式ヒータ14の運転を制御し、すなわち、内燃機関から排出される排気ガスの特性および燃焼式ヒータ14から排出されるヒータガスの特性を制御してNOX触媒6a、6bの温度を上昇させる。そして、SOXを離脱させるべきほうのNOX触媒6a、6bの温度がSOX離脱温度にまで上昇したときに、上流側流量調節弁9の開度を当該NOX触媒6a、6bにとって小さくして、当該NOX触媒6a、6bに流入する排気ガスの量を低減すると共に、下流側流量調節弁11の開度を燃焼式ヒータ14の運転にとって最適な開度とした上で、燃焼式ヒータ14からリッチ空燃比のガスが当該NOX触媒6a、6bに供給される。一方、予め定められた条件が上述したように成立したと判断されたときには、燃焼式ヒータ14から当該NOX触媒6a、6bにリーン空燃比のヒータガスが一時的に供給される。
【0058】
また、上述した実施形態において、SOX離脱処理の実行時における各流量調節弁9、11の開度は、内燃機関の運転パラメータ、例えば、機関回転数、内燃機関の燃焼室内に吸入される空気の量(以下、単に吸気量と称す)、内燃機関の燃焼室内に噴射される燃料の量(以下、単に燃料噴射量と称す)、および、内燃機関の燃焼室から排出される排気ガスの空燃比(以下、単に排気空燃比と称す)に応じて決定される。すなわち、これら運転パラメータに関して各流量調節弁9、11の開度を実験により予め求めてマップの形で電子制御装置内に記憶させておき、このマップを利用して各流量調節弁9、11の開度が制御される。
【0059】
また、上述した実施形態は、NOX触媒6a、6b上流にのみ流量調節弁9が配置されている排気浄化装置にも適用可能であり、NOX触媒6a、6b下流にのみ流量調節弁11が配置されている排気浄化装置にも適用可能である。
【0060】
次に、第6の実施形態の排気浄化装置について説明する。第6実施形態の排気浄化装置を図6に示した。第6実施形態の排気浄化装置では、燃焼式ヒータの代わりに、各NOX触媒6a、6b上流の排気枝通路3a、3bに燃料添加装置25a、25bが取り付けられている。これら燃料添加装置25a、25bは対応する燃料通路17を介して燃料タンク(図1参照)18に接続される。これら燃料添加装置25a、25bは対応するNOX触媒6a、6bに燃料を添加することができる。なお、これら燃料添加装置25a、25bは電子制御装置に接続されており、その作動は電子制御装置によって制御される。
【0061】
本実施形態のNOX浄化処理では、一方のNOX触媒6a、6bのNOX保持量がその上限値に達したとき、或いは、その上限値に達する直前に、当該NOX触媒6a、6bに流入する排気ガスの量がほぼ零にまで低減するように上流側流量調節弁9の動作位置を切り換え、且つ、当該NOX触媒6a、6b下流の排気枝通路3a、3bが僅かばかり開放された状態となるように下流側流量調節弁11の動作位置を切り換えた上で、対応する燃料添加装置25a、25bから当該NOX触媒6a、6bに燃料を噴射する。
【0062】
このように燃料添加装置25a、25bから対応するNOX触媒6a、6bに燃料が添加されると、NOX触媒6a、6b周囲の雰囲気がリッチ雰囲気となるので、NOX触媒6a、6bは保持しているNOXを解放し、斯くして解放されたNOXを燃料添加装置25a、25bから供給された燃料(HC)を還元剤として利用して還元浄化する。
【0063】
一方、本実施形態のSOX離脱処理では、一方のNOX触媒6a、6bのNOX保持能力がSOXによって低下せしめられていると推定されたときに、NOX浄化処理が実行されるときと同様に、各流量調節弁9、11の動作位置が切り換えられた状態で、燃料添加装置25a、25bから対応するNOX触媒6a、6bに燃料が供給され、これによって当該NOX触媒6a、6bの温度がSOX離脱温度にまで上昇せしめられると共に、当該NOX触媒6a、6b周囲の雰囲気がリッチ雰囲気とされる。
【0064】
そして、SOX離脱処理の実行中において、予め定められた条件が上述したように成立したと判断されたときには、燃料添加装置25a、25bから当該NOX触媒6a、6bに添加される燃料の量を一時的にほぼ零にまで減量することによって当該NOX触媒6a、6b周囲の雰囲気が一時的にリーン雰囲気とされる。また、本実施形態では、このとき、NOX触媒6a、6b周囲の雰囲気のリーン度合いをより大きくするために、上流側流量調節弁9の開度が当該NOX触媒6a、6bにとって一時的に大きくされ、当該NOX触媒6a、6bに内燃機関から排出された排気ガスが供給される。
【0065】
ここで、SOX離脱処理において燃料添加装置25a、25bから単位時間当たりにNOX触媒6a、6bに添加される燃料の量は、NOX浄化処理において燃料添加装置25a、25bから単位時間当たりにNOX触媒6a、6bに添加される燃料の量よりも多い。
【0066】
なお、本実施形態のSOX離脱処理において、燃料添加装置25a、25bから添加される燃料の量、予め定められた条件が成立したと判断されたときに一時的に減量せしめられる燃料の量、および、このように一時的に燃料の量を減量する期間は、内燃機関の運転パラメータ、例えば、機関回転数、吸気量、燃料噴射量、および、排気空燃比に応じて決定される。
【0067】
また、本実施形態は図3に示したようにSOX検出センサ23a、23bを備える排気浄化装置にも適用可能である。さらに、本実施形態は図5に示したように各排気枝通路3a、3bに上流側流量調節弁9a、9bと下流側流量調節弁11a、11bが配置されている実施形態にも適用可能である。さらに、本実施形態のSOX離脱処理において、NOX触媒6a、6bからSOXを離脱させるべきであると判断されたときに、燃料添加装置25a、25bから燃料を添加せずに且つ流量調節弁9、11の動作位置を維持したまま、内燃機関の運転を制御し、すなわち、内燃機関から排出される排気ガスの特性を制御して当該NOX触媒6a、6bの温度をSOX離脱温度にまで上昇させ、その後、流量調節弁9、11の動作位置を上述したように切り換え且つ燃料添加装置25a、25bから燃料を当該NOX触媒6a、6bに添加するようにしてもよい。
【0068】
もちろん、本実施形態においても、SOX離脱処理の実行時における各流量調節弁9、11の開度は、内燃機関の運転パラメータ、例えば、機関回転数、吸気量、燃料噴射量、および、排気空燃比に応じて決定される。
【0069】
また、本実施形態は、NOX触媒6a、6b上流にのみ流量調節弁9が配置されている排気浄化装置にも適用可能であり、NOX触媒6a、6b下流にのみ流量調節弁11が配置されている排気浄化装置にも適用可能である。
【0070】
図7に第6実施形態のSOX離脱処理を実行するフローチャートを示した。図7に示したフローチャートでは、始めに、ステップ30において、リッチフラグF1がセットされている(F1=1)か否かが判別される。ここでのリッチフラグF1は図2に示したリッチフラグF1と同じフラグである。
【0071】
ステップ30において、F1=0であると判別されたときには、ルーチンは終了する。一方、ステップ30において、F1=1であると判別されたときには、ルーチンはステップ31に進んで、SOX離脱処理が施されるべきNOX触媒6a、6bにとって流量調節弁9、11の開度が小さくされ、次いでステップ32において、燃料添加装置25a、25bから燃料が添加される。
【0072】
次いで、ステップ33において、リーンフラグF2がセットされている(F2=1)か否かが判別される。ここでのリーンフラグF2も図2に示したリーンフラグF2と同じフラグである。ステップ33において、F2=0であると判別されたときには、ルーチンは終了する。一方、ステップ33において、F2=1であると判別されたときには、ルーチンはステップ34に進んで、燃料添加装置25a、25bからの燃料の添加が停止され、次いでステップ35において、流量調節弁9、11の開度が大きくされ、次いでステップ36において、フラグF2がリセットされる。
【0073】
なお、本発明は、図8に示したパティキュレートフィルタを具備する排気浄化装置にも適用可能である。最後に、図8に示したパティキュレートフィルタ(以下、単にフィルタと称す)30について説明する。図8(A)はフィルタ30の端面図であり、図8(B)はフィルタ30の縦断面図である。図8(A)および図8(B)に示したように、フィルタ30はハニカム構造をなしており、互いに平行をなして延びる複数個の排気流通路50,51を具備する。これら排気流通路の略半数がその下流端開口を栓52で閉鎖することによって排気流入通路50とされ、残りの半数がその上流端開口を栓53で閉鎖することによって排気流出通路51とされている。これら排気ガス流入通路50および排気ガス流出通路51は薄肉の隔壁54を介して交互に配置される。云い換えると、排気ガス流入通路50および排気ガス流出通路51は各排気ガス流入通路50が四つの排気ガス流出通路51により包囲され、各排気ガス流出通路51が四つの排気ガス流入通路50により包囲されるように配置される。
【0074】
フィルタ30は、例えば、コージェライトのような多孔質材料から形成される。したがって、排気ガス流入通路50内に流入した排気ガスは、図8(B)において矢印で示したように、隔壁54の細孔を通って、隣接する排気ガス流出通路51内に流入する。
【0075】
フィルタ30内には、隔壁54の両壁面上、および、隔壁の細孔を画成する壁面上に全面に亘って、例えば、アルミナからなる担体の層が形成され、この担体層上に、貴金属触媒と、活性酸素生成剤とが担持されている。
【0076】
貴金属触媒としては、白金(Pt)が用いられる。一方、活性酸素生成剤としては、カリウム(K)、ナトリウム(Na)、リチウム(Li)、セシウム(Cs)、ルビジウム(Rb)のようなアルカリ金属、バリウム(Ba)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)のようなアルカリ土類金属、ランタン(La)、イットリウム(Y)、セリウム(Ce)のような希土類、鉄(Fe)のような遷移金属、およびスズ(Sn)のような炭素族元素から選ばれた少なくとも一つが用いられる。
【0077】
活性酸素生成剤は、周囲に過剰な酸素が存在すると酸素を吸収・吸着によって保持し且つ周囲の酸素濃度が低下すると保持している酸素を活性酸素の形で解放することによって活性酸素を生成する。次に、活性酸素生成剤の活性酸素生成作用について、担体上に白金およびカリウムを担持させた場合を例にとって説明するが、他の貴金属、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類、遷移金属を用いても同様な活性酸素生成作用が行われる。
【0078】
吸気通路2および内燃機関の燃焼室内に供給された空気と燃料との比を排気ガスの空燃比と称すると、圧縮着火式内燃機関から排出される排気ガスの空燃比はリーンである。したがって、フィルタ30に流入する排気ガスは多量の過剰空気を含んでいる。また、圧縮着火式内燃機関の燃焼室内ではNOが発生する。したがって、排気ガス中にはNOが含まれている。また、燃料中には硫黄成分Sが含まれており、この硫黄成分Sは燃焼室内で酸素と反応してSO2となる。したがって、排気ガス中にはSO2が含まれている。このため過剰酸素、NOおよびSO2を含んだ排気ガスがフィルタ30の排気ガス流入通路50内に流入することになる。
【0079】
図9(A)および(B)は排気ガス流入通路50の周壁面上に形成された担体層の表面の拡大図を模式的に表わしている。なお、図8(A)および(B)において、60は白金の粒子を示し、61はカリウムを含んでいる活性酸素生成剤を示している。
【0080】
排気ガスがフィルタ30の排気ガス流入通路50内に流入すると、図9(A)に示したように、排気ガス中の酸素(O2)がO2 -またはO2-の形で白金の表面に付着する。一方、排気ガス中のNOは白金の表面上でO2 -またはO2-と反応し、NO2となる(2NO+O2→2NO2)。斯くして生成されたNO2の一部は白金上で酸化されつつ活性酸素生成剤61内に吸収(場合によっては吸着)によって保持され、図9(A)に示したように、カリウムと結合しながら硝酸イオン(NO3 -)の形で活性酸素生成剤61内に拡散し、硝酸カリウム(KNO3)を生成する。すなわち、排気ガス中の酸素が硝酸カリウム(KNO3)の形で活性酸素生成剤61内に吸収によって保持される。
【0081】
排気ガス中のSO2もNOと同様なメカニズムで活性酸素生成剤61内に吸収(場合によっては吸着)によって保持される。すなわち、排気ガス中のSO2は白金の表面でO2 -またはO2-と反応してSO3となる。斯くして生成されたSO3の一部は白金上でさらに酸化されつつ活性酸素生成剤61内に吸収によって保持され、カリウムと結合しながら硫酸イオン(SO4 2-)の形で活性酸素生成剤61内に拡散し、硫酸カリウム(K2SO4)を生成する。すなわち、排気ガス中の酸素が硫酸カリウム(K2SO4)の形で活性酸素生成剤61内に吸収によって保持される。
【0082】
ここで、燃焼室内においては主にカーボン(C)からなる微粒子が生成される。したがって、排気ガス中にはこれら微粒子が含まれている。排気ガス中に含まれているこれら微粒子は排気ガスがフィルタ30の排気ガス流入通路50内を流れているとき、或いは、隔壁54の細孔内を通過するときに、図9(B)において62で示したように担体層の表面、例えば、活性酸素生成剤61の表面上に接触し、付着する。
【0083】
このように微粒子62が活性酸素生成剤61の表面上に付着すると、微粒子62と活性酸素生成剤61との接触面では酸素濃度が低下する。すなわち、活性酸素生成剤61の周囲の酸素濃度が低下する。酸素濃度が低下すると酸素濃度の高い活性酸素生成剤61内との間で濃度差が生じ、斯くして、活性酸素生成剤61内の酸素が微粒子62と活性酸素生成剤61との接触面に向けて移動しようとする。その結果、活性酸素生成剤61内に形成されている硝酸カリウム(KNO3)がカリウム(K)と酸素(O)とNOとに分解され、酸素(O)が微粒子62と活性酸素生成剤61との接触面に向かい、その一方で、NOが活性酸素生成剤61から外部に放出される。斯くして活性酸素生成剤61が活性酸素を生成する。外部に放出されたNOは下流側の白金上において酸化され、再び活性酸素生成剤61に保持される。
【0084】
また、このとき活性酸素生成剤61内に形成されている硫酸カリウム(K2SO4)もカリウム(K)と酸素(O)とSO2とに分解され、酸素(O)が微粒子62と活性酸素生成剤61との接触面に向かい、その一方で、SO2が活性酸素生成剤61から外部に放出される。斯くして活性酸素生成剤61が活性酸素を生成する。外部に放出されたSO2は下流側の白金上において酸化され、再び活性酸素生成剤61に保持される。ただし、硫酸カリウムは安定で分解しづらいので硫酸カリウムは硝酸カリウムよりも酸素を放出しづらい。
【0085】
ここで、活性酸素生成剤61によって生成される活性酸素はそこに付着した微粒子を酸化除去するために消費される。すなわち、フィルタ30に捕集された微粒子は活性酸素生成剤61によって生成される活性酸素によって酸化除去される。
【0086】
従来、フィルタに捕集されている微粒子を除去する場合、フィルタの温度を比較的高い温度にまで上昇させることによって微粒子を燃焼し、これにより微粒子を除去していた。
【0087】
一方、本発明において微粒子を除去するために利用される酸素は、硝酸カリウムや硫酸カリウムのような化合物から分解された活性酸素であって、不対電子を有することから、極めて高い反応性を有する。したがって、この活性酸素によれば、フィルタの温度が比較的低くても、微粒子を酸化除去することができる。
【0088】
このように、従来のフィルタでは、火炎を伴う燃焼によって微粒子を除去していたのに対し、本発明のフィルタでは、輝炎を発することのない酸化によって微粒子を除去している。したがって、本発明のフィルタによれば、そこに捕集された微粒子は連続的に酸化除去され、すなわち、活性酸素(O)が微粒子62に接触すると、微粒子62は短時間(数秒〜数十分)のうちに輝炎を発することなく酸化せしめられ、微粒子62は完全に消滅する。したがって、微粒子62がフィルタ30上に堆積することはほとんどない。
【0089】
なお、活性酸素生成剤61は周囲に過剰な酸素が存在するとNOXを硝酸イオンの形で保持することによって結果的に酸素を保持する。すなわち、活性酸素生成剤61は周囲に過剰な酸素が存在するとNOXを吸収・吸着によって保持する。一方、活性酸素生成剤61は周囲の酸素濃度が低下すると硝酸イオンの形で保持されているNOXを解放することによって活性酸素を生成する。すなわち、活性酸素生成剤61は周囲の酸素濃度が低下するとNOXを解放する。したがって、本発明の活性酸素生成剤61はNOX保持剤としても機能する。
【0090】
ここで、活性酸素生成剤61周りの酸素濃度が低下する場合とは、上述したように、周囲の雰囲気はリーン雰囲気であるが活性酸素生成剤61に微粒子が付着した場合の他に、フィルタ30に流入するガスの空燃比がリッチとなって周囲の雰囲気がリッチ雰囲気となった場合がある。
【0091】
周囲の雰囲気はリッチ雰囲気であるが活性酸素生成剤61に微粒子が付着することで活性酸素生成剤61周りの酸素濃度が低下した場合に解放されたNOXは、上述したように、再び活性酸素生成剤61に吸収によって保持される。一方、フィルタ30に流入する排気ガスの空燃比がリッチとなって周囲の雰囲気がリッチ雰囲気となった場合に解放されたNOXは、白金の作用によって排気ガス中の炭化水素で還元浄化される。云い方を換えれば、燃焼式ヒータ14からリッチ空燃比のガスをフィルタ30に供給すれば、活性酸素生成剤61に保持されているNOXを還元浄化することができる。したがって、本発明のフィルタ30は、活性酸素生成剤61と白金とからなるNOX触媒を具備する。
【0092】
【発明の効果】
本発明によれば、SOX離脱処理の実行中にNOX触媒周囲の雰囲気が一時的にリーン雰囲気とされ、これによって、NOX触媒周囲には多量の酸素が存在することとなる。このため、NOX触媒表面に付着した可溶性有機物質(SOF)が酸化除去される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の排気浄化装置を備えた内燃機関を示す図である。
【図2】第1実施形態のSOX離脱処理を実行するフローチャートである。
【図3】第2実施形態の排気浄化装置を示す図である。
【図4】第3実施形態のSOX離脱処理を実行するフローチャートである。
【図5】第4実施形態の排気浄化装置を示す図である。
【図6】第6実施形態の排気浄化装置を示す図である。
【図7】第6実施形態のSOX離脱処理を実行するフローチャートである。
【図8】パティキュレートフィルタを示す図である。
【図9】活性酸素生成剤の活性酸素生成作用を説明するための図である。
【符号の説明】
1…機関本体
2…吸気通路
3…排気通路
3a、3b…排気枝通路
6a、6b…NOX触媒
9、9a、9b、11、11a、11b…流量調節弁
14…燃焼式ヒータ
18…燃料タンク
23a、23b…SOX検出センサ
25a、25b…燃料添加装置
30…パティキュレートフィルタ

Claims (1)

  1. 内燃機関から排出される排気ガス中のNOxを浄化するためのNOx触媒を機関排気通路内に具備し、NOx触媒は周囲の雰囲気がリーン雰囲気であるときにはSOxを保持し、NOx触媒からSOxを離脱させるべきときには、NOx触媒の温度をSOx離脱温度まで上昇させると共にNOx触媒周囲の雰囲気をリッチ雰囲気にするSOx離脱処理を実行することによってNOx触媒からSOxを離脱させるようにし、さらに、SOx離脱処理の実行中にNOx触媒周囲の雰囲気が一時的にリーン雰囲気とされるようにした排気浄化装置において、NOx触媒に流入する排気ガスの量を調節するための流量調節弁をNOx触媒上流の機関排気通路内とNOx触媒下流の機関排気通路内とにさらに具備すると共に、燃焼式ヒータをさらに具備し、SOx離脱処理の実行時には、内燃機関の運転および燃焼式ヒータの運転を制御してNOx触媒の温度を上昇させ、該NOx触媒の温度がSOx離脱温度にまで上昇したときに、上流側の流量調整弁の開度を小さくしてNOx触媒に流入する排気ガスの量を低減すると共に下流側の流量調節弁の開度を燃焼式ヒータの運転にとって最適な開度として燃焼式ヒータからリッチ空燃比のガスをNOx触媒に供給することによってNOx触媒周囲の雰囲気がリッチ雰囲気とされ、一方、該燃焼式ヒータからNOx触媒に一時的にリーン空燃比のガスを供給することによってNOx触媒周囲の雰囲気が一時的にリーン雰囲気とされることを特徴とする排気浄化装置。
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