JP4075312B2 - エンジンの燃焼制御方法とその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン出力軸の回転変動から、各気筒内の燃料の着火時期等の燃焼状態を検出して、各気筒毎のインジェクタの燃料の噴射の制御パラメータを補正して、各気筒間の燃焼のバラツキを減少するエンジンの燃焼制御方法とその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の多気筒のディーゼルエンジンの燃料噴射においては、高圧燃料ポンプから供給された高圧の燃料をコモンレールに貯留し、このコモンレールから各気筒のインジェクタへ燃料を供給して燃料噴射するコモンレール式燃料噴射システムが知られている。
【0003】
このコモンレールから各インジェクタの噴孔に至る燃料経路には高圧の燃料の通過及び遮断を制御するための電磁弁が備えられており、エンジンのコントローラにより、エンジンの運転状態に応じて、最適な条件で燃料噴射ができるように、コモンレールの圧力と各インジェクタ用の電磁弁の制御が行われている。
【0004】
しかしながら、燃料噴射の圧力と噴射の時期(タイミング)や噴射時間を同じ条件に設定しても、インジェクタの燃料噴射特性にバラツキがあるために、また、経年変化により燃料噴射特性が変化するために、インジェクタ毎に燃料噴射量が異なってしまい、各気筒間における燃焼状態にバラツキを生じるので、エンジンの出力トルクが変動し、振動や騒音が発生するという問題がある。このエンジンの振動と騒音は、特にエンジンのアイドル運転時や低負荷運転時に大きくなり、この問題の解決が重要課題となっている。
【0005】
この問題の対処法の一つとして、各インジェクタを同一の目標燃料噴射量に基づいて噴射量を制御する場合に、燃料の実噴射量の多少に応じて各気筒におけるクランク軸の回転速度が増減することに着目して、この回転速度の変動から各気筒の燃焼状態を検出して燃焼のバラツキをなくす制御を行う燃焼制御方法が提案されている。
【0006】
つまり、ピストンが上死点に至るまで吸気弁及び排気弁が共に閉じた状態にあるとすると、ピストンが上死点に達する前の圧縮行程中に燃焼が開始する場合には、燃焼室内の燃料の着火・燃焼による発生熱によってピストンの上昇を抑える方向のトルクが発生するので、クランク軸の回転速度は減少する。反対に、ピストンが上死点に達した後の膨張行程中に燃焼が開始する場合には、燃料が着火・燃焼して燃焼室内で発生した熱を受けた燃焼ガスによってピストンの下降を後押しするトルクが発生するので、クランク軸の回転速度は増加する。
【0007】
従って、燃焼室内で燃料が燃焼すると、エンジンの出力軸にトルクが発生し、このトルクがクランク軸の回転速度を増減するように作用するので、回転速度はクランク軸の回転角度に応じて時々刻々変動し、平均回転速度の上下に変動を繰り返している。
【0008】
また、モータリング等の燃料噴射しない運転状態におけるエンジン出力軸の回転速度変動と、実際に燃料を燃焼室に噴射した燃焼時の回転速度変動との偏差は、燃焼室内に発生する熱に起因すると考えられるので、この偏差で判断すると、燃焼時の回転速度変動の性状を捕らえることが容易となり、この偏差に着目して、燃料噴射時期及び燃料噴射量の補正を行うことができる。
【0009】
この知見を得て、本発明の出願人は、特願平11−96960号公報(特開2000−291466号公報)において、熱発生率に相当するエンジン出力軸の回転速度を検出することにより、各気筒の燃料噴射量のバラツキによる燃焼のバラツキを把握し、また、燃料の着火時期のバラツキに起因する燃焼バラツキも把握して、燃焼のタイミングも考慮して燃焼バラツキをより一層正確に捉えて解消するエンジンの燃料噴射制御装置を提案している。
【0010】
更に、本発明の発明者の1人は、特願平11−257089号において、回転センサで検出した、エンジンのクランク軸の上死点前の所定の回転角度の範囲における燃料着火前の実回転変動データを、上死点を境に反転させて上死点後基準回転変動波形データとし、この基準のデータと上死点後の計測データとの偏差に基づいてエンジンの燃焼状態を算出するエンジンの燃焼状態検出方法を提案している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のエンジンの燃焼状態検出方法を使用したエンジンの燃焼制御装置においては、実際に、車載した状態ではモータリング運転状態におけるクランク軸の回転速度のデータを得ることは困難であるため、予め、モータリング状態におけるクランク軸の回転速度に関する基準データを用意してコントローラに記憶させておく必要がある。
【0012】
つまり、この燃焼状態検出方法では、ピストンが上死点通過後(以下「上死点後」という)に着火する場合には、ピストンが上死点通過前(以下「上死点前」という)の測定データを反転して上死点後の基準データにするので、この部分の基準データに関しては予め記憶しておく必要がないが、上死点前に着火する場合には、測定データがモータリング運転状態における基準データと異なってくるので、この反転の方法で基準データを作ることができなくなる。
【0013】
そのため、上死点前に燃料が着火する場合には、実際の測定データと同じ運転状態の上死点前基準回転変動波形データを計測する等して、予め用意しなければならないという問題が生じる。
【0014】
しかも、このクランク軸の回転変動の波形は、エンジンの回転速度や負荷状態等に応じて変化するため、この基準データの記憶には多量のメモリが必要になるという問題が生じる。
【0015】
更に、上死点前後において燃料の着火が行われる場合には、燃料の着火が上死点前と上死点後とのどちらかで行われているかによって、燃焼状態検出方法が異なってくるが、上記の燃焼状態判別方法では、測定データと予め用意した基準データとに基づいて、燃料の着火が上死点前と上死点後とのどちらかで行われているかを自動判別することまで考慮されて折らず、そのため、上死点前に着火が発生する場合には、上記の燃焼状態判別方法を適用できないという問題がある。
【0016】
本発明は、上述の知見を得て、従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、クランク軸の回転変動波形を回転センサで検出し、この検出した測定データから数式モデルを作成し、この数式モデルから基準データを作成することによって、この測定データと基準データとから、各気筒における燃料の着火時期がピストンの上死点通過の前後のいずれかにあるかを判別して、燃料の着火時期を推定し、更に、予め作成された燃料着火時期マップに基づいて算出される基準噴射発令時期との差を求めて、各気筒における噴射発令時期を補正して、各気筒内の燃焼のバラツキを減少させるエンジンの燃焼制御方法とその装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
以上のような目的を達成するためのエンジンの燃焼制御方法は、以下のように構成される。
【0018】
1)エンジンのクランク軸の回転変動波形を回転センサで検出して測定データを得る回転変動検出ステップと、回転変動波形データにおける該検出された測定データから基準データを算出する基準作成ステップと、該エンジンの各気筒の上死点近傍において前記測定データと前記基準データとを比較して各気筒毎の燃焼状態を推定する推定ステップと、該推定した各気筒の燃焼状態を基に該当する気筒の燃焼状態を制御する制御パラメータを補正する補正ステップと、該補正された制御パラメータにより各気筒の燃焼状態を制御する制御ステップとを有してなるエンジンの燃焼制御方法において、前記基準作成ステップが、各気筒におけるクランク角の上死点前と上死点近傍の測定データを基に、前記基準データを算出する数式モデルを作成する数式モデル作成ステップを含むと共に、前記推定ステップにおいて、前記エンジンの燃焼状態として燃料着火時期を推定するものであって、前記測定データと前記基準データとの差である偏差データが所定の閾値を超える時期を検出して回転変動開始時期とし、この回転変動開始時期から予め作成された燃料着火時期マップに基づいて燃料着火時期を推定すると共に、前記補正ステップにおいて、前記推定された燃料着火時期と燃料噴射発令時期とを比較して該燃料噴射発令時期を補正し、更に、前記推定ステップにおいて、燃料着火時期が上死点前であるか、上死点以後であるかを推定し、前記偏差データが所定の閾値を超える時期である回転変動開始時期を検出する際に、推定した前記燃料着火時期が上死点前で有る場合には前記偏差データから算出する変動値を前記所定の閾値として採用し、推定した前記燃料着火時期が上死点以後で有る場合には予め設定した固定値を前記所定の閾値として採用するように構成される。
【0019】
この「上死点近傍」とはピストンが上死点を通過する前後の時期をいい、以下で使用する「上死点前」とはピストンが上死点を通過する前の時期をいい、「上死点後」とはピストンが上死点を通過する後の時期をいう。
【0020】
この構成によれば、制御しようとしている運転状態で、燃焼状態の検出に使用する基準データを、数式モデル(数学理論モデル)を用いることにより、その運転状態で計測されるエンジンのクランク軸の回転変動の測定データから作成できる。この基準データは、その運転状態で、仮に燃料を着火しないあるいは燃料を噴射しない場合(モータリング運転状態)に発生すると考えられる回転変動波形データに相当するデータである。
【0021】
数式モデルを介在させることにより、各気筒における燃料の着火が上死点前後のどの間に発生するかには拘らず、この基準データを推測できるので、モータリング運転状態における回転変動波形の基準データを予め用意しなくても良いので、この基準データの収集の手間が省けると共に、この基準データのための記憶メモリも不要になる。
この構成によれば、測定データとこの測定データから数式モデルを介して得られた基準データとの比較により、燃料着火時期を精度良く推定でき、また、この推定した燃料着火時期から各気筒の燃料噴射発令時期を補正できるので、各気筒における燃焼状態を、エンジンの運転状態から得られる目標とする最適な燃焼状態に近づけることができる。
また、この構成によれば、燃料着火時期が上死点前であるか、上死点以後であるかを推定し、回転変動開始時期を検出する際の所定の閾値をそれぞれの状態に適した値にすることができるので、この回転変動開始時期から得られる燃料着火時期を精度良く推定できるので、各気筒における燃焼状態のバラツキをより効率的に減少できる。
【0022】
2)上記のエンジンの燃焼制御方法の前記数式モデル作成ステップにおいて、前記数式モデルを作成する際に使用するデータを、通常の運転において着火が発生しない上死点前の所定のクランク角度範囲内における前記測定データからサンプリングしたデータと、上死点近傍における代表値とで構成する。
【0023】
この通常の運転とは、故障などが生じない正常の運転状態における運転のことをいい、この着火が発生しない上死点前の所定のクランク角度範囲内は、正常な運転状態における燃料噴射発令時期の設定時期と各インジェクタ特性のバラツキ範囲とから予め予測できるので、この予測に基づいて設定される。
【0024】
この構成によれば、燃料の着火が予想される上死点近傍以外では、測定データは、モータリング運転状態の回転変動波形データと略同じであるので、この測定データからのサンプリング値を採用し、燃料の着火が予想される上死点近傍では、測定データは、モータリング運転状態の回転変動波形データから大きく外れる恐れがあるので、測定データそのものを使用せずに、測定データから計算される代表値を使用するので、精度良く、基準データを求めることができる。
【0025】
3)上記のエンジンの燃焼制御方法の前記数式モデル作成ステップにおいて、前記代表値を上死点近傍における前記測定データの最低値と上死点における測定データとの平均値とする。
【0026】
この構成によれば、代表値を簡単に用意することができ、数式モデルの決定が簡便にできる。
【0027】
4)上記のエンジンの燃焼制御方法の前記数式モデル作成ステップにおいて、前記数式モデルが、θをクランク角度、Yを回転速度、m=1,2,3,・・・Mとして、Y=F(θ)=A+B×exp(Σm m ×cos(mθ))で表される。
【0028】
この構成によれば、エンジンの出力軸であるクランク軸の回転速度の変動波形データを少ないパラメータで効率よく近似できる。そのため、演算時間やメモリーの節約をできる。
【0033】
そして、上記のエンジンの燃焼制御方法を実現するためのエンジンの燃焼制御装置は、以下のように構成される。
【0034】
1)エンジンのクランク軸の回転変動波形を回転センサで検出して測定データを得る回転変動検出手段と、回転変動波形データにおける該検出された測定データから基準データを算出する基準データ作成手段と、該エンジンの各気筒の上死点近傍において前記測定データと前記基準データとを比較して各気筒毎の燃焼状態を推定する燃焼状態推定手段と、該推定した各気筒の燃焼状態を基に該当する気筒の燃焼状態を制御する制御パラメータを補正する制御パラメータ補正手段と、該補正された制御パラメータにより各気筒の燃焼状態を制御する燃焼制御手段とを有してなるエンジンの燃焼制御装置であって、前記基準データ作成手段が、各気筒におけるクランク角の上死点前と上死点近傍の測定データを基に、前記基準データを算出する数式モデルを作成する数式モデル作成手段を含むと共に、前記燃焼状態推定手段は、前記エンジンの燃焼状態として燃料着火時期を推定するものであって、前記測定データと前記基準データとの差である偏差データが所定の閾値を超える時期を検出して回転変動開始時期とし、この回転変動開始時期から予め作成された燃料着火時期マップに基づいて燃料着火時期を推定すると共に、前記制御パラメータ補正手段において、前記推定された燃料着火時期と燃料噴射発令時期とを比較して該燃料噴射発令時期を補正し、更に、前記燃焼状態推定手段は、燃料着火時期が上死点前であるか、上死点以後であるかを推定し、前記偏差データが所定の閾値を超える時期である回転変動開始時期を検出する際に、推定した前記燃料着火時期が上死点前で有る場合には前記偏差データから算出する変動値を前記所定の閾値として採用し、推定した前記燃料着火時期が上死点以後で有る場合には予め設定した固定値を前記所定の閾値として採用するように構成される。
【0035】
2)上記のエンジンの燃焼制御装置において、前記数式モデル作成手段が、前記数式モデルを作成する際に使用するデータを、通常の運転において着火が発生しない上死点前の所定のクランク角度範囲内における前記測定データからサンプリングしたデータと、上死点近傍における代表値とで構成する。
【0036】
3)上記のエンジンの燃焼制御装置の前記数式モデル作成手段において、前記代表値を上死点近傍における前記測定データの最低値と上死点における測定データとの平均値とする。
【0037】
4)上記のエンジンの燃焼制御装置の前記数式モデル作成手段において、前記数式モデルが、θをクランク角度、Yを回転速度、m=1,2,3,・・・Mとして、Y=F(θ)=A+B×exp(Σm m ×cos(mθ))で表されるように構成する。
【0040】
なお、上記の数式モデルとしては、Y=F(θ)とは別の、Y=F’(θ)=A+Σm m ×cos(mθ)のフーリエ関数の数式モデル等でも実施可能である。但し、Y=F(θ)の場合には、m=1で十分に正確な基準データを作成できるが、Y=F’(θ)の場合にはm≧2が必要となる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本発明に係る実施の形態のエンジンの燃焼制御方法及びその装置について、推定する燃焼状態を燃料着火時期とし、補正される制御パラメータと燃料噴射発令時期として説明する。
【0042】
〔装置の構成〕
このエンジンの燃焼制御装置1は、図1に示すように、回転変動検出手段10と、基準データ作成手段20と、燃焼状態推定手段30と、制御パラメータ補正手段40と、燃焼制御手段50とを有して構成される。
【0043】
この回転変動検出手段10は、エンジンのクランク軸の回転状態を回転センサで、クランク軸が一定角度回転する毎に発生するクランク角センサの出力パルスの時間間隔をカウンタによって求め、時々刻々のクランク軸の回転速度を検出し、この回転速度の変動を示す回転変動波形の時系列の測定データを得るものである。
【0044】
この回転センサは、エンジンの出力軸であるクランク軸の回転変動波形データを検出するが、高分解能を有する光学式や磁気式のロータリエンコーダを使用することができる。この光学式のロータリエンコーダは、クランク軸の回転と共に回転する回転円板に多数のスリットを設け、このスリットを通過する発光素子からの光を受光素子で受けて回転を検出する。
【0045】
また、基準データ作成手段20は、検出された測定データから基準データを算出するものであり、エンジンの各気筒におけるクランク角の上死点前と上死点近傍の測定データを基にサンプリング値や代表値を選出する手段21や、基準データを算出する数式モデルを作成する数式モデル作成手段22や、数式モデルから基準データを算出する手段23等を含んで構成される。
【0046】
そして、燃焼状態推定手段30は、エンジンの各気筒の上死点近傍において測定データと基準データとを比較して各気筒毎の燃焼状態を推定するものであり、燃料着火時期が上死点前後のいずれかにあるかを判断する手段31や、回転変動開始時期を検出する手段32や、燃料着火時期を推定する手段33等を含んで構成される。
【0047】
また、制御パラメータ補正手段40は、推定した各気筒の燃焼状態を基に該当する気筒の燃焼状態を制御する制御パラメータを補正する手段であり、ここでは推定された燃料着火時期と、制御の指令を出している燃料噴射発令時期との比較に基づいて補正量を計算する手段41や、制御パラメータを補正する手段42等を含んでおり、個々では、制御パラメータの一つである燃料噴射発令時期を補正している。
【0048】
そして、燃焼制御手段50は、燃焼状態を制御するための燃料噴射弁制御手段51やコモンレール圧を調整する手段や吸気量をする手段やEGR量を調整する手段等の種々の制御手段を有して構成される。
【0049】
これらの各手段は、エンジンを制御するエンジンコントロールユニット(ECU)と呼ばれる制御装置の制御プログラムの一部として構成される。また、ここで使用される回転センサからの測定データもエンジンコントロールで使用している回転センサの測定データが利用される。
【0050】
〔エンジンの燃焼制御方法〕
上記の構成のエンジンの燃料制御装置を使用して、エンジンの燃焼制御を行う。以下に、このエンジンの燃焼制御の概略について説明するが、この燃焼制御は、図2に示すような、フローに従って行われる。
【0051】
先ず、ステップS1で、燃料の噴射制御を行う運転状態において、クランク軸の回転変動波形データの測定データRmiを得て、次のステップS2で、この測定データRmiから数式モデルを介在させて、基準データRsiを作成する。
【0052】
そして、ステップS3で、この基準データRsiと測定データRmiとから、燃料着火時期を推定し、ステップS4で制御パラメータを補正し、ステップS5でこの補正した制御パラメータにより燃焼を制御する。
【0053】
以下、各ステップに関して説明する。
【0054】
〔回転変動検出ステップS1〕
回転変動検出ステップS1では、燃料の噴射制御を行う運転状態において、エンジンの出力軸であるクランク軸の回転を回転センサで検出し、この検出データからクランク軸の回転変動波形データの測定データRmnを得る。
【0055】
〔基準作成ステップS2〕
次に、基準作成ステップS2では、図3に示すサブフローに従って、燃料の噴射制御を行う運転状態において、クランク角度でTDC(上死点)からマイナス約90度くらい前の範囲(Za)内のエンジンの出力軸の回転変動波形データの測定データRmiとピストンが上死点(TDC)を通過する時期Ttdc (上死点位置情報)とから、ピストンが上死点を通過する前後のクランク角度表示で約±90度くらいの範囲内の基準データRsnを、数学理論モデルに基づいて求める。
【0056】
なお、この基準データRsnは、同じ運転状態において、モータリング運転のような、燃料を着火しないあるいは燃料を噴射しない状態、即ち、燃料の燃焼による発熱が無い状態の回転変動波形データに対応する比較用のデータである。
【0057】
そして、この基準作成ステップS2が実行されると、図3に示すように、ステップS21で、測定データRmiから基準データRsnを算出するために使用するサンプリング値RdkをK個(図5では5点)サンプリングする。
【0058】
このサンプリング値Rdkは、クランク角度でTDC(上死点)からマイナス約90度くらい前の範囲(Za)内で、燃料の着火が発生する可能性のあるTDC近傍(Zb)を除いて、K点採用される。このサンプリングはクランク角度θに関して等間隔の方がデータ処理が楽になるので好ましいが必ずしも等間隔でなくてもよい。
【0059】
次に、ステップS22で、燃料の着火が発生する可能性のあるTDC近傍(Zb)における代表値Rdtdc を算定する。この算定は、図5に示すように、測定データRmiから最小値Rmmin とTDCにおける実測値Rmtdc を検出して、両者の平均からTDCにおける代表値Rdtdc (=(Rmmin +Rmtdc )/2)を算出する。ちなみに、燃料の着火がTDCの後で行われる場合には、図6や図7に示すように、代表値Rdtdc (≒Rmmin ≒Rmtdc ≒0)は略ゼロとなる。
【0060】
そして、次に、ステップS23でサンプリング値Rdkと代表値Rdtdc から、基準データRsnの関数F(θn)、即ち、サンプリング値Rdkと代表値Rdtdc を近似表現する非線型数学モデルで作った回帰曲線或いは代数曲線である(1)式のパラメータA,B,am を求める。
【0061】
つまり、数式モデルF(θ)を、θを上死点をゼロ度とするクランク角度、Yを回転速度として、(1)式で表す。そして、この関数のパラメータA,B,am を未知数として、サンプリング値Rdk、Tdkと、代表値データRdtdc 、Ttdc を代入して、(2)式及び(3)式のK+1個の連立方程式を作成し、これを最小二乗法等により解いてパラメータA,B,am の各数値を求める。
【0062】
Y=F(θ)=A+B×exp(Σm m ×cos(mθ))
m=1,2,3,・・・M (1)
Rdk=A+B×exp(Σm m ×cos(m×Tdk))
k=1,2,3,・・・K (K+1≧M+2) (2)
Rdtdc =A+B×exp(Σm m ×cos(m×Ttdc )) (3)
ステップS24では、このパラメータ、A,B,am の数値を使って、(4)式により、上死点以前の基準データRsiを算出する。
【0063】
Rsi=A+B×exp(Σm m ×cos(m×Tsi))
i=1,2,3,・・・I (4)
そして、TDCより後の範囲(Zc)の基準データRsjも算出する。この算出は(1)式の代数式より算出することができるが、TDCより前(θのマイナス側)の範囲(Za)の基準データRsiをTDC軸に対して反転してTDCより後(θのプラス側)の範囲(Zc)の基準データRsjを算出することもできる。
【0064】
このTDCより前の範囲(Za)の基準データRsiとTDCより後の範囲(Zc)の基準データRsjとを合わせて、基準データRsnとする。
【0065】
この図3のフローによって算定された基準データRsnと測定データRmn等を図5〜図7に示す。
【0066】
〔推定ステップS3〕
次に、図2の推定ステップS3について説明するが、このステップS3は,燃料の着火時期がTtdc の前後にあるかの判定するステップS3Aと、上死点前に燃料が着火する場合の着火時期を推定するステップS3Bと、上死点後に燃料が着火する場合の着火時期を推定するステップS3Cとからなる。
〔燃料の着火時期判定ステップS3A〕
この燃料の着火時期TfがTtdc (ピストンがTDCを通過する時期)の前後のどちらにあるかを判定するステップS3Aは、図4に示すようなフロー及びアルゴリズムに従って行われ、測定データRmnとその偏差データΔRdnに基づいて、上死点Ttdc 前後のどの時期に実際の着火時期があるかを自動的に判別する。
【0067】
先ず、最初にステップS31において、測定データRmnの最小値Rmmin とその発生時期Tmin を求める。
【0068】
そして、ステップS32において、発生時期Tmin +Δt’がTtdc より小さいか(前か)を判定し、小さければ、Ttdc より前に着火していると判定し、ステップS51に行く。このΔt’は噴射の発令から着火までの時間遅れに関する調整項であり、例えばクランク角で3度である。
【0069】
また、ステップS32において、発生時期Tmin +Δt’がTtdc より大きければ、更に詳細に調べるために、ステップS33に行く。
【0070】
このステップS33では、図5〜図7に示すような測定データRmnと基準データRsnから、図8〜図12に示すような偏差データΔRdn(=Rmn−Rsn)を作成する。この偏差データΔRdnの図8、図10、図12は、それぞれ図5、図6、図7に対応する。
【0071】
次に、ステップS34では、図8〜図12に示すような偏差データΔRdnから、現在の噴射発令時期Toより所定の時間ΔT前の範囲(Zd)の間における最大偏差値ΔRdBと、現在の噴射発令時期Toより後(Ze)の最小値ΔRdCを求める。
【0072】
そして、ステップS35で、最小値ΔRdCの絶対値|ΔRdC|と最大偏差値ΔRdBとを比較し、絶対値|ΔRdC|が大きければ、最小値ΔRdCの発生時期Tcを主体に判定するとしてステップS36に行き、絶対値|ΔRdC|が小さければ、最大偏差値ΔRdBを主体に判定するとしてステップS41に行く。
【0073】
ステップS36では、更に、最小値ΔRdCの発生時期Tcの直前において、偏差データΔRdnがΔRdC2=ΔRdC/2の値となる第1参照時期Tc2を求める。
【0074】
そして、ステップS37で、最小値ΔRdCの発生時期Tcと第1参照時期Tc2の両方が、噴射発令時期ToとTtdc の間にあるか否かを判定する。間にあれば、Ttdc より前に着火していると判定し、ステップS51に行く。間に無ければ、ステップS42に行く。
【0075】
ステップS41では、最大偏差値ΔRdBの発生位置Tbが噴射発令時期ToとTtdc の間で且つ、後ろから第1番目の第1極小値ΔRdDがあるか否か(第1極小値ΔRdDがシステムの分解能よりも大きくて検出されるか否か)を判定する。無ければ、Ttdc より後に着火していると判定し、ステップS52に行く。あれば、ステップS42に行く。
【0076】
ステップS42では、第1極小値ΔRdDが発生する時期Teの直前の偏差データΔRdnがΔRdD2=ΔRdD/2の値となる第2参照時期TD2を求める。そして、ステップS43で第2参照時期TD2が最小噴射発令時期ToとTtdc の間にあるか否かを判定する。有れば、Ttdc より前に着火していると判定し、ステップS51に行く。無ければ、Ttdc より後に着火していると判定し、ステップS52に行く。
【0077】
以上のフローに従うと、Ttdc より前に着火していると判定する場合は、次の3つの場合であり、それ以外は、Ttdc より後で着火していると判定する。
【0078】
先ず第1の場合は、最小値Rmmin の発生時期Tmin がTtdc −Δt’より小さい図5に示すような場合である。
【0079】
また、第2の場合は、現在の噴射発令時期Toより後(Ze)の最小値ΔRdCの絶対値が現在の噴射発令時期Toより所定の時間ΔT前の範囲(Zd)の間における最大偏差値ΔRdBよりも大きく、且つ、最小値ΔRdCの発生時期Tcの直前において、偏差データΔRdnがΔRdC2=ΔRdC/2の値となる第1参照時期TC2と、最小値ΔRdCの発生時期Tcとの両方が、噴射発令時期ToとTtdc の間にある場合である。
【0080】
また、第3の場合は、噴射発令時期ToとTtdc の間で且つ、後ろから第1番目の第1極小値ΔRdDに対して、第1極小値ΔRdDが発生する直前の偏差データΔRdnがΔRdD2=ΔRdD/2の値となる第2参照時期TD2が最小噴射発令時期ToとTtdc の間にある場合である。
【0081】
〔燃料の着火時期の推定〕
次に、上死点前後のどの間に燃料の着火があるかが推定できたので、それぞれに適したアルゴリズムによって、偏差データΔRdnが所定の版定置ΔRCを超える回転変化開始時期Tvを検出し、回転変化開始時期Tvと燃料着火時期Tfとを対応させた図13に示すような燃料着火時期マップ(TvとTfの関係)に基づいて燃料着火時期Tfを求める。
【0082】
この図13の燃料着火時期マップは、予め作成してコントローラに記憶させておくものであり、燃料噴射時期Toを変化させた場合の気筒の筒内圧力から計算した熱発生率から求めた燃料着火時期Tf(横軸)と、図8〜図12に示すような偏差データΔRdnから求められる回転変化開始時期Tv(縦軸)との関係を示すものである。
【0083】
この図13から分かるように、燃料着火時期Tfと回転変化開始時期Tvとは、実質的に一次式の相関関係にあるので、この相関関係を考慮してこれらのデータから一次回帰で得られた回帰直線(Tf=ai×Tv+bi)のパラメータa1,b1,a2,b2をマップデータとして記憶しておき、このマップデータに基づいて、偏差データΔRdnから求められる回転変化開始時期のデータTvSをこの一次回帰直線にあてはめて、燃料着火時期TfS(=ai×TvS+bi)を算出する。この燃料着火時期TfSが実際に発生していると推定された燃料着火時期Tfである。
【0084】
〔上死点前に燃料の着火する場合の着火時期の推定〕
上死点前に燃料着火の場合には、図8に示すように、偏差データΔRdnに雑音が多いので、先ず、噴射発令時期Toの後とTtdc の前の範囲において、最小値ΔRdCを求め、その半分ΔRdD=ΔRdC/2を第1閾値ΔRC1とする。
【0085】
そして、噴射発令時期Toの後における、第1閾値ΔRC1より小さい偏差データΔRdnが発生する時期を回転変化開始時期TvSとし、この回転変化開始時期TvSの値から、燃料着火時期マップに基づいて燃料着火時期TfSを求める。
【0086】
上死点以後に燃料に着火する場合の着火時期の推定〕
上死点以後に燃料の着火する場合の燃料着火時期Tfの推定は、図6、図7、図10〜図12に示すように、特定の正の値を所定の判定値ΔRC2とし、これを偏差データΔRdnに対する第2閾値ΔRC2にして、この第2閾値ΔRC2を超える時期を回転変化開始時期TvSとして、この回転変化開始時期TvSの値から、燃料着火時期マップ(Tv−Tf)に基づいて燃料着火時期TfSを求め、燃料着火時期Tfとする。
【0087】
この第2閾値ΔRC2は固定値であり、上死点前に燃料着火がある場合の第1閾値ΔRC1にように変動しない。
【0088】
補正ステップS4〕
次に、図2の補正ステップS4について説明する。
【0089】
このステップS4は,各気筒毎に推定された実際の燃料着火時期Tfと各、エンジンの運転状態から目標として設定される燃料着火時期Tfoを比較し、この両者の差を、各気筒のインジェクタ毎に設定される燃料噴射発令時期Toに反映させて、実際の燃料着火時期Tfを目標として設定される燃料着火時期Tfoに近付けるためのものである。
【0090】
そして、この推定された実際の燃料着火時期Tfと目標として設定される燃料着火時期Tfoとの差ΔTf=Tf−Tfoを使用して、新たな燃料噴射発令時期ToNをToN=To+ΔTfとして補正する。
【0091】
〔制御ステップS5〕
そして、図2の制御ステップS5では、新たな燃料噴射発令時期ToNを噴射発令時期Toとして、各気筒のインジェクタの制御弁等を制御し、各気筒の燃焼状態を制御する。
【0092】
〔効果〕
以上のフローに従ったエンジンの燃焼制御方法によれば、燃焼制御すべき運転状態において、エンジンのクランク軸の実際の回転変動を回転センサによって検出し、燃料の着火時期Tfが上死点Ttdc の前後のいずれかの時期にあるかを問わずに、回転変動波形の測定データRmnと燃料の噴射発令時期(燃料の噴射命令を出すタイミング)Toとピストンが上死点を通過する上死点通過時期Ttdc の情報とから、測定データRmnを基に作成される数学理論モデル(F(θ))に基づいて基準データRsnを作成し、この基準データRsnと測定データRmnとの比較から、燃料着火時期Tfが上死点Ttdc の前後のいずれかにあるかを判別できる。
【0093】
そして、燃料着火時期Tfが上死点Ttdc 以前にある場合には、偏差データΔRdnから求まる第1閾値ΔRC1を使用し、また、燃料着火時期Tfが上死点Ttdc の後にある場合には、偏差データΔRdnとは関係なく事前に設定した固定値である第2閾値ΔRC2を使用して、偏差データΔRdnがこの所定の判定値である第1閾値ΔRC1又は第2閾値ΔRC2を超える回転変化開始時期TvSを検出して、この検出した時期TvSから予め作成された燃料着火時期マップ(Tv−Tf)に基づいて、燃料着火時期Tfを推定することができる。
【0094】
この燃料着火時期Tfと、エンジンの回転数や負荷等から決まるエンジンの運転状態における目標とする燃料着火時期Tfoとの差ΔTfをチェックして、現状の噴射発令時期Toを補正することができる。
【0095】
この補正した噴射発令時期ToNで各インジェクタの燃料噴射を制御することにより、各気筒における燃料着火時期Tfを,目標の燃料着火時期Tfoにフィードバック制御することができるので、各気筒における燃料着火時期Tfのバラツキを防止できる。
【0096】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るエンジンの燃焼制御方法とその装置によれば、次のような効果を奏することができる。
【0097】
エンジンのクランク軸の回転センサの出力から回転変動波形を検出し、この回転変動波形の測定データから、仮に燃料を着火しない又は燃料を噴射しないモーターリング運転を行った場合に出現する回転変動波形に相当すると考えられる基準データを算出する際に、上死点以前の測定データからサンプリングしたデータを基に数式で表現した数式モデルを作成し、この数式モデルから基準データを算出しているので、燃料着火時期が上死点前である場合も、また、上死点後である場合も、基準データを容易に作成することができる。
【0098】
そのため、基準データをモータリング運転から作成してそのデータを予めコントローラに入力しておく必要がなくなり、測定データとこの測定データから得られる基準データとから燃焼状態をきめ細かく推定できる。
【0099】
また、数式モデル作成において、数式モデルを作成する際に使用するデータを、通常の運転において着火が発生しない上死点前の所定のクランク角度範囲内からサンプリングしたデータと、上死点近傍の測定データから算出した代表値とで構成し、燃料の着火が発生する可能性がある上死点近傍では、測定データそのものの使用を避けて上死点近傍における代表値を使用するので、燃料の着火の影響を受けない基準データを得ることができる。そのため、従来技術では適用できなかった燃料着火が上死点前の場合でも燃焼状態を推定できる。
【0100】
そして、エンジンの燃焼状態の一つである燃料着火時期を推定する場合に、測定データと基準データとの差である偏差データが所定の閾値を超える回転変化開始時期を検出し、この回転変化開始時期から予め作成された燃料着火時期マップに基づいて燃料着火時期を推定するので、簡便に燃料着火時期を推定できる。
【0101】
エンジンの燃料着火時期を推定する場合に、燃料着火時期が上死点以前であるか、上死点以後であるかを判定して、偏差データから回転変動開始時期を検出する際に使用する所定の閾値を、上死点以前では偏差データから算出する変動値とし、上死点以後では予め設定した固定値とすることにより、より精度良く簡便に燃料着火時期を推定することができる。
【0102】
また、この精度良く推定した燃料着火時期から各気筒の燃料噴射発令時期を補正して、燃焼状態を制御できるので、各気筒における燃焼状態を、エンジンの運転状態から得られる目標とする最適な燃焼状態に近づけることができ、各気筒における燃焼状態のバラツキをより効率的に減少できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のエンジンの燃焼制御装置のシステム構成図である。
【図2】本発明の実施の形態のエンジンの燃焼制御方法の基本的なフローを示す図である。
【図3】図2の基準作成ステップの詳細なフローを示す図である。
【図4】図2の推定ステップの燃料の着火時期が上死点Ttdc の前後のどちらにあるかを判定するステップの詳細なフローを示す図である。
【図5】クランク軸の回転変動波形の例を示す図で、燃料着火が上死点前10度の場合の例である。
【図6】クランク軸の回転変動波形の例を示す図で、燃料着火が上死点の場合の例である。
【図7】クランク軸の回転変動波形の例を示す図で、燃料着火が上死点後10度の場合の例である。
【図8】クランク軸の回転変動波形の偏差データの例を示す図で、燃料着火が上死点前10度の場合の例である。
【図9】クランク軸の回転変動波形の偏差データの例を示す図で、燃料着火が上死点前5度の場合の例である。
【図10】クランク軸の回転変動波形の偏差データの例を示す図で、燃料着火が上死点の場合の例である。
【図11】クランク軸の回転変動波形の偏差データの例を示す図で、燃料着火が上死点後5度の場合の例である。
【図12】クランク軸の回転変動波形の偏差データの例を示す図で、燃料着火が上死点後10度の場合の例である。
【図13】回転変化開始時期と燃料着火時期との関係を示す燃料着火時期マップの例を示す図である。
【符号の説明】
1 エンジンの燃焼制御装置
10 回転変動検出手段
20 基準データ作成手段
22 数式モデル作成手段
30 燃焼状態推定手段
40 制御パラメータ補正手段
50 燃焼制御手段
S1 回転変動検出ステップ
S2 基準作成ステップ
S23 数式モデル作成ステップ
S3 推定ステップ
S4 補正ステップ
S5 制御ステップ
Rdk サンプリングしたデータ
Rdtdc 代表値
Rmn 測定データ
Rmmin 最低値
Rmtdc 上死点における測定データ
Rsn 基準データ
ΔRdn 偏差データ
ΔRC1 第1閾値(変動値)
ΔRC2 第2閾値(固定値)
Y=F(θ) 数式モデル
Tf,TfS 燃料着火時期
Tv,TvS 回転変動開始時期
To 燃料噴射発令時期

Claims (2)

  1. エンジンのクランク軸の回転変動波形を回転センサで検出して測定データを得る回転変動検出ステップと、回転変動波形データにおける該検出された測定データから基準データを算出する基準作成ステップと、該エンジンの各気筒の上死点近傍において前記測定データと前記基準データとを比較して各気筒毎の燃焼状態を推定する推定ステップと、該推定した各気筒の燃焼状態を基に該当する気筒の燃焼状態を制御する制御パラメータを補正する補正ステップと、該補正された制御パラメータにより各気筒の燃焼状態を制御する制御ステップとを有してなるエンジンの燃焼制御方法において、
    前記基準作成ステップが、各気筒におけるクランク角の上死点前と上死点近傍の測定データを基に、前記基準データを算出する数式モデルを作成する数式モデル作成ステップを含むと共に、
    前記推定ステップにおいて、前記エンジンの燃焼状態として燃料着火時期を推定するものであって、前記測定データと前記基準データとの差である偏差データが所定の閾値を超える時期を検出して回転変動開始時期とし、この回転変動開始時期から予め作成された燃料着火時期マップに基づいて燃料着火時期を推定すると共に、
    前記補正ステップにおいて、前記推定された燃料着火時期と燃料噴射発令時期とを比較して該燃料噴射発令時期を補正し、
    更に、前記推定ステップにおいて、燃料着火時期が上死点前であるか、上死点以後であるかを推定し、前記偏差データが所定の閾値を超える時期である回転変動開始時期を検出する際に、推定した前記燃料着火時期が上死点前で有る場合には前記偏差データから算出する変動値を前記所定の閾値として採用し、推定した前記燃料着火時期が上死点以後で有る場合には予め設定した固定値を前記所定の閾値として採用することを特徴とするエンジンの燃焼制御方法。
  2. エンジンのクランク軸の回転変動波形を回転センサで検出して測定データを得る回転変動検出手段と、回転変動波形データにおける該検出された測定データから基準データを算出する基準データ作成手段と、該エンジンの各気筒の上死点近傍において前記測定データと前記基準データとを比較して各気筒毎の燃焼状態を推定する燃焼状態推定手段と、該推定した各気筒の燃焼状態を基に該当する気筒の燃焼状態を制御する制御パラメータを補正する制御パラメータ補正手段と、該補正された制御パラメータにより各気筒の燃焼状態を制御する燃焼制御手段とを有してなるエンジンの燃焼制御装置であって、
    前記基準データ作成手段が、各気筒におけるクランク角の上死点前と上死点近傍の測定データを基に、前記基準データを算出する数式モデルを作成する数式モデル作成手段を含むと共に、
    前記燃焼状態推定手段は、前記エンジンの燃焼状態として燃料着火時期を推定するものであって、前記測定データと前記基準データとの差である偏差データが所定の閾値を超える時期を検出して回転変動開始時期とし、この回転変動開始時期から予め作成された燃料着火時期マップに基づいて燃料着火時期を推定すると共に、
    前記制御パラメータ補正手段において、前記推定された燃料着火時期と燃料噴射発令時期とを比較して該燃料噴射発令時期を補正し、
    更に、前記燃焼状態推定手段は、燃料着火時期が上死点前であるか、上死点以後であるかを推定し、前記偏差データが所定の閾値を超える時期である回転変動開始時期を検出する際に、推定した前記燃料着火時期が上死点前で有る場合には前記偏差データから算出する変動値を前記所定の閾値として採用し、推定した前記燃料着火時期が上死点以後で有る場合には予め設定した固定値を前記所定の閾値として採用することを特徴とするエンジンの燃焼制御装置。
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