JP4074815B2 - リニアシンクロナスモータ式車両のき電システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、地上一次リニアシンクロナスモータを採用するLSM式車両のき電システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、浮上式鉄道では、車両の駆動方式として車両側に超電導磁石を配置し、地上側に推進コイルを設置した地上一次リニアシンクロナスモータ(LSM)方式が採用されている。このLSM方式を採用した車両(LSM式車両)は、沿線に設置された変電所からき電線を介して推進コイルに電力が供給され、車両側の超電導電磁石と軌道側壁の推進コイルとの間に吸引力・反発力が発生させられることにより、その推進駆動力を得ている。その際、LSM式車両の速度は、推進コイルに与えられる電圧ないし電流の周波数によって決定される。この周波数調整は変電所のインバータ装置によって行われるので、沿線に設置された中央制御装置からインバータ装置の出力周波数を制御することによってLSM式車両の速度が制御される。
【0003】
このため、推進コイルやき電線等の沿線設備は軌道の全線を所定の長さに区分して設置され、その区分した区間にそれぞれ対応して変電所が設置されている。そして、LSM式車両への電力の供給は、LSM式車両が走行している区間に対応した変電所から行われる。この変電所には、一車両分に相当する数のインバータ装置が設けられ、沿線設備もそのように構成されるため、基本的に一区間には一車両しか走行することが許されない。
【0004】
かかるLSM式車両の駆動制御に際しては、「き電境界可変方式」と呼ばれるき電方法が採用されていた。すなわち、図5上段に示すように、例えばき電区間が境界区分開閉器(区間スイッチ)Pn,Pn+1,Pn+2・・・によって細分化され、各き電区間に対応して沿線に変電所SSn〜SSn+3・・・が設置される。これら変電所SSn〜SSn+3にはインバータ装置INVn〜INVn+3がそれぞれ設置されており、各々のインバータ装置INVn〜INVn+3からき電線に電力を供給又は供給停止するための電力供給開閉器In〜In+3,その供給電力を該当区分におけるLSM式車両の進行方面(F)又はその逆方面(B)に供給又は供給停止するための方面別開閉器(Bn,Fn)〜(Bn+3,Fn+3)が設けられている。同図においては、LSM式車両が区間nの進行方面側を走行しているため、インバータ装置INVnが動作し、電力供給開閉器In及び方面別開閉器Fnがオンされた様子が示されている。
【0005】
同図中段には、LSM式車両の同図上段に対応した走行位置と、供給電流及び走行速度との関係が示されており、横軸が走行位置を、縦軸が供給電流及び走行速度をそれぞれ示している。また、同図下段には、LSM式車両の走行状態(走行曲線)と各変電所SSn〜SSn+3からのき電状態との関係が示されており、横軸が走行位置を、縦軸が時間をそれぞれ示し、図中の斜線部が各変電所のインバータ装置による電力供給状態を示している。
【0006】
すなわち、原則として、区間nについてはインバータ装置INVnによりき電が行われ、区間n+1についてはインバータ装置INVn+1,区間n+2についてはインバータ装置INVn+2,区間n+3についてはインバータ装置INVn+3によりき電が行われる。そして、いずれかの区間のインバータ装置が故障した場合などに、近接した区分との接続点である境界区分開閉器がオンされ、延長き電が行われたりする。同図の例では、区間n+2と区間n+3との間に停車駅が設けられ、LSM式車両は変電所SSn+2を通過してから減速して当該駅にて停車し、再びスタートして変電所SSn+3の方面に向かって加速する。このため、駅の手前では制動のために逆方向の電流が供給され、駅からスタートしてからの加速中には大きな駆動負荷がかかるため、大きな電流が供給される。
【0007】
このように、電力供給開閉器及び方面別開閉器をオン・オフすることによって、変電所のインバータ装置から順次、LSM式車両が走行するき電区間に電力が供給される。またその際、各開閉器のオン・オフを適当に組合わせることによって、当該き電区間に給電するインバータ装置として予め設定されたものみならず、近接したその他のインバータ装置をも選ぶことができるため、LSM式車両のダイヤ調整に柔軟に対応することができ、またインバータ装置の故障時の影響も少なくすることができる。
【0008】
尚、本願発明は公然実施された技術に基づいてなされたものであり、出願人は先行技術文献情報を備えていない。このため、先行技術文献については特に開示しない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来のき電システムにおいては、駅からのスタート時,上り勾配区間,トンネル区間などでは、LSM式車両はとりわけ大きな駆動力が必要とされる一方、各変電所において同一容量のインバータ装置が統一的に設置されてきた。つまり、上記き電境界可変方式では、インバータ装置とき電区間との組合せを場合により可変できるようにする必要があるため、大きな駆動力が必要になる区間のインバータ装置の容量を基準にして他のインバータ装置の容量が設定される。このため、沿線の複数のインバータ装置に大きな容量を持たせていた。
【0010】
しかしながら、通常走行時においては、上記大きな駆動力を必要とする区間はほぼ該当する特定のインバータ装置が担当することになるので、それ以外のインバータ装置は設備故障時やダイヤ乱れ時のみ大容量を出力することになり、その結果、不必要に容量が大きくなってしまい、設備利用率の面から問題を有している。
【0011】
本発明はかかる課題に鑑みてなされたものであり、地上一次リニアシンクロナスモータを採用するLSM式車両のき電システムにおいて、LSM式車両の高速走行を実現するための十分な駆動力を保持しつつ、インバータ装置の総容量を低減してその設備利用率を向上させることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題に鑑み、請求項1に記載のき電システムは、LSM車両を、これに搭載された超電導磁石と軌道に沿って配置された推進コイルとの相互作用により推進させるべく、区間スイッチにより軌道に沿って区切られた区間内のき電線を介して、各区間毎に対応した変電所のインバータ装置から推進コイルに駆動用電力を供給する。
【0013】
そして特に、各区間毎に対応したインバータ装置が、夫々LSM式車両が通常のランカーブに沿って走行するのに必要な駆動負荷に基づいて、予めその容量を異ならせて設置される。
ここでいう「ランカーブ(運転曲線)」とは、周知のように、列車を運行する際の加減速制御等の指標として予め設定されるものであり、例えば横軸に駅間の距離を、縦軸に列車の速度をそれぞれ取ることで、駅間の列車速度を発車から停車まで連続的に記録したものである。この曲線は列車の加速度・減速度に依存するので、車両の性能がアップしたら変更されたりする。ここでいう「通常のランカーブ」とは、運行頻度が比較的多いLSM式車両の通常のダイヤ等に基づいて設計者側で適宜設定されたランカーブを意味する。従って、運行頻度の少ない特定の車両のランカーブについては含まれないことがあってもよい。この場合、例えば上述した駅からのスタート時,上り勾配区間,トンネル区間などでは大きくなり、平地での等速走行区間では中程度となり、下り勾配区間や制動時には小さくなる。このため、各インバータ装置としては、原則としてこの駆動負荷に応じた容量のものが設置されることになり、駆動負荷が大きい区間については大容量のものが設置され、駆動負荷が中程度の区間についてはそれに見合う程度の容量のものが設置され、駆動負荷が小さい区間については小容量のものが設置される。
【0014】
その際、例えばLSM式車両が走行する軌道の少なくともいずれかの傾斜区間において、LSM式車両の進行方向に対して下り傾斜となる側のインバータ装置の容量が、上り傾斜となる側のインバータ装置の容量よりも小さくなるように構成することもできる。
【0015】
ただし、各区間のインバータ装置の容量は、上記駆動負荷と完全に比例関係にあることまでは必要とされず、運行環境や設備上の問題(例えば該当する容量のインバータ装置があるか否か)等により適宜選択されることになる。
そして、き電制御手段が、いずれかの区間における駆動用電力が不足したと判断された場合に、当該区間のインバータ装置が給電すべき推進コイルに対し、他の近接する一又は複数のインバータ装置を用いて並列き電させる。
【0016】
ここで「駆動用電力が不足する」場合としては、例えば何らかの要因によりインバータ装置の分担が変更されて該当区間にない他のインバータ装置から給電したためにその電力が不足した場合や、該当区間のき電設備の故障や運行ダイヤの乱れにより、該当区間の所要電力が不足した場合等が該当する。尚、前者の発生原因としては、例えば前方のき電設備の故障等何らかの外的要因により、ある区間のインバータ装置から前方区間を走行するLSM式車両に対して給電したために、その区間を走行するLSM式車両への駆動用電力が不足する場合等が考えられる。そして、このような場合に、隣接する変電所のインバータ装置や隣接せずとも近くに設置された変電所のインバータ装置を用いて並列き電し、該当区間のLSM式車両の走行に必要な駆動用電力を供給させるように制御するのである。
【0017】
以上の構成によれば、各区間毎に対応した変電所のインバータ装置の容量が、各区間毎にLSM式車両の通常の運行を実現できる程度に個々に設定されるため、各インバータ装置の容量が不必要に大きくなるのを防止することができる。一方、何らかの要因により区間の駆動用電力が不足した場合には、近接するインバータ装置を用いた並列き電によってLSM式車両の走行に必要な電力を供給するように制御するため、LSM式車両の駆動力を十分に確保することができる。
【0018】
換言すれば、インバータ装置の容量を該当区間に見合った容量に抑えると共に、それにより発生が懸念される電力の不足を並列き電制御により解消することで、LSM式車両の走行を実現するための十分な駆動力を保持しつつ、沿線の全インバータ装置の総容量を従来より低減してその設備利用率を向上させることができるのである。
【0019】
ところで、上記構成においては、各区間のインバータ装置の容量が、夫々LSM式車両が予め設定された通常のランカーブに沿って走行するのに必要な駆動負荷に基づいて設定されるようにしたが、例えば運行回数が少ないながらも、通常のランカーブを上回る高速車両を走行させる場合も想定される。その場合、各区間毎のインバータ装置のみで給電すると、駆動電力が不足する場合も想定される。
【0020】
そこで、例えば請求項2に記載のように、上記き電制御手段が、予め定める特定のLSM式車両について、当該特定のLSM式車両の移動に応じて、その走行区間のインバータ装置とこれに近接するインバータ装置により順次継続して並列き電させるようにしてもよい。
【0021】
かかる構成においては、並列き電により十分な電力が供給されるため、上述した通常のランカーブに依存しない高速のLSM式車両を、十分な駆動力をもって走行させることができる。その場合、並列き電による給電区間が特定のLSM式車両の移動に合わせて順次シフトしていくことになるため、後続する通常のLSM式車両の走行に支障が生じることもない。かかる構成では、並列き電により、該当区間以外の区間に設置されたインバータ装置をも一時的に占有することになるが、特定の車両の運行頻度が少ない場合には特に問題にならないと考えられる。
【0022】
また、LSM式車両が停止状態からスタートする際には特に大きな駆動電力が必要とされることが予め分かっている。
そこで、請求項3に記載のように、上記き電制御手段が、少なくともLSM式車両が停止状態から走行状態に移行する際に、その走行区間のインバータ装置とこれに近接するインバータ装置により、定常的に並列き電を実行させるようにしてもよい。
【0023】
かかる構成においては、停車駅において定常的に並列き電されるため、当該停車駅が存在する区間のインバータ装置の負担を軽減することができ、インバータ装置の容量も該当区間のみでまかなう場合よりも小さくすることができる。特に停車頻度の少ない駅が存在する区間については、LSM式車両が再スタートする予め決まった特定の時間のみ定常的に並列き電すればよい。このため、インバータ装置を定常走行区間と同様の容量に設定し、LSM式車両の再スタート時にのみ便宜的に並列き電でまかなうようにすることもできる。
【0024】
さらに、LSM式車両の上りと下りの軌道間で並列き電するのもよい。すなわち、一般に各区間には上り方面側の軌道の推進コイルに前記駆動用電力を供給するインバータ装置と、下り方面側の軌道の推進コイルに前記駆動用電力を供給するインバータ装置とが夫々設けられている。そこで請求項4に記載のように、き電制御手段が、いずれかの区間における駆動用電力が不足したと判断された場合に、当該区間のインバータ装置が給電すべき推進コイルに対し、他の近接するインバータ装置から上下に並列き電させるのである。この場合、該当区間の上下で並列き電するのが、き電制御設備の構成上最も簡易かつ低コストに実現できる方法であると考えられるが、他の区間との間で上下に並列き電してもよい。
【0025】
かかる構成は、通常、上りと下りの一方のダイヤが乱れたり、き電設備が故障したりしても、他方への影響はほとんどない場合が多いこと、また、上りと下りの双方のLSM式車両が同一区間を走行する確率が低いことに着目したものである。かかる構成によれば、正常な側から十分な電力を並列き電することができ、本発明の有効性をより顕著に発揮することができると考えられる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を一層明確にするため、本発明の好適な実施例を図面に基づいて説明する。
[第1実施例]
図1は、本発明の第1実施例にかかるLSM式車両のき電システムの概略構成を示したものであり、図2は、本実施例のき電制御方法を表したものである。尚、当該き電システムにおけるき電設備等の基本構成は図5で説明したものとほぼ同様であるため、同一構成については同一符号(記号)を付す等してその説明を省略する。
【0027】
図1に示すように、本実施例のき電システムは、各変電所SSn〜SSn+3・・・において、電力系統から受電した三相交流電力を図示しないコンバータにて一旦直流電力に変換した後、この直流電力を各インバータ装置INVn〜INVn+3にてLSM式車両Rの駆動に必要な周波数及び大きさを有する三相交流電力に変換し、各き電線Ln〜Ln+3を介して各推進コイルに供給する。各区間のき電線には、上述したように、電力供給開閉器In〜In+3,方面別開閉器(Bn,Fn)〜(Bn+3,Fn+3)が設けられており、これら電力供給開閉器,方面別開閉器及び境界区分開閉器は、沿線に設置された中央制御装置10から通信線11を介して出力された制御信号に基づいてオン・オフし、駆動電力の供給区間が制御されるようになっている。尚、本実施例において、中央制御装置10が「き電制御手段」に該当する。
【0028】
そして、各区間n〜n+3毎に設けられた変電所SSn〜SSn+3のインバータ装置INVn〜INVn+3が、夫々LSM式車両Rが予め設定された通常のランカーブに沿って走行するのに必要な駆動負荷に基づいて、予めその容量を異ならせて設置されている。すなわち、通常のLSM式車両Rのランカーブにおいて、区間n,n+1は等速走行区間であり、区間n+2は等速走行区間と減速区間が並存する。このため、区間n+2は区間n,n+1よりも駆動負荷が小さくなる。一方、区間n+2と区間n+3との間には停車駅が設けられており、LSM式車両Rが再スタートして加速する区間n+3においては駆動負荷が特に大きくなる。このため、変電所SSn,SSn+1のインバータ装置INVn,INVn+1については中容量のものが設置され、変電所SSn+2のインバータ装置INVn+2については小容量のものが、変電所SSn+3のインバータ装置INVn+3については大容量のものが、夫々設置されている。従って、各き電設備が正常であり、かつLSM式車両Rが通常のランカーブに沿った運行を平常通り行う場合には、各インバータ装置から十分な駆動電力が供給されることになり、そのランカーブに沿った走行を実現することができる。
【0029】
本実施例では、このように各区間に設置されたインバータ装置の容量が通常のランカーブに沿って設定され、各区間において不必要に大容量なインバータ装置の設置を不要としているが、何らかの要因により、或る区間で該当インバータ装置の容量ではLSM式車両Rの駆動電力が不足しても、これを補える構成としている。その具体例として、例えばLSM式車両が停車駅のない区間で一時停車したような場合について、図2に基づいて説明する。
【0030】
同図の例では、LSM式車両Rが区間n+1においてその進行方面とは逆方面側を走行中に臨時停車し、再スタートする場合が示されている。この場合、インバータ装置INVn+1のみからの給電では所望の加速度が得られないため、中央制御装置10からの指令により、時間t1〜t2においてさらに電力供給開閉器In,方面別開閉器Fn及び境界区分開閉器Pnをオンにし、該当区間のインバータ装置INVn+1とその隣接区間のインバータ装置INVnとで並列き電を行うように制御している。そして、時間t2以降においては当該並列き電制御が解除され、通常のき電制御に移行している。その結果、通常のランカーブにのらない加速を要する事態が生じても、LSM式車両Rの駆動電力を十分に供給することができ、通常の運行ダイヤを回復することができる。
【0031】
或いは、このように該当区間n+1のLSM式車両の進行方向に対して後方の区間nのインバータ装置INVnではなく、図3に示すように、前方の区間n+2のインバータ装置INVn+2を用いて並列き電を行うようにしてもよい。同図の例では、中央制御装置10からの指令により、時間t1〜t2においてさらに電力供給開閉器In+2,方面別開閉器Bn+2及びFn+1及び境界区分開閉器Pn+1をオンにし、該当区間のインバータ装置INVn+1とその隣接区間のインバータ装置INVn+2とで並列き電を行うように制御している。そして、時間t2以降においては当該並列き電制御が解除され、通常のき電制御に移行している。このように前方の区間のインバータ装置を用いて並列き電し、後方の区間の電力供給を確保することにより、後続して走行するLSM式車両Rへの影響を少なくすることができる。
【0032】
ただし、図2及び図3のき電制御は、該当区間の前方又は後方の区間を走行中の別のLSM式車両が存在するか否かによりその適否が変わるため、中央制御装置10がその運行状況を監視して、適宜切り換えられるようにするのが好ましい。また、前方及び後方の区間を走行中のLSM式車両がない場合や、該当区間のインバータ装置が故障しているような場合には、前方及び後方の区間の双方のインバータ装置を用いて並列き電を行ってもよい。さらに、該当する区間に隣接する区間でなくとも、さらにその隣の区間等その他の近接する区間のインバータ装置を用いて並列き電を行うようにしてもよい。
【0033】
以上に説明したように、本実施例のき電システムにおいては、各区間毎に設けられた変電所のインバータ装置の容量が、各区間毎にLSM式車両Rの通常の運行を実現できる程度に個々に設定されるため、各インバータ装置の容量が不必要に大きくなるのを防止することができる。一方、何らかの要因により区間の駆動用電力が不足した場合には、近接するインバータ装置を用いた並列き電によってLSM式車両Rの走行に必要な電力を供給するように制御するため、LSM式車両Rの駆動力を十分に確保することができる。その結果、LSM式車両Rの走行を実現するための十分な駆動力を保持しつつ、沿線の全インバータ装置の総容量を従来より低減してその設備利用率を向上させることができる。
[第2実施例]
上記第1実施例では、片側路線(上り又は下り)の区間内で並列き電制御を行う例を示したが、本実施例のき電システムは、両側路線間(上下)において並列き電を可能としたものである。図4は本実施例のき電方法を表し、第1実施例で説明した図2,図3に対応するものである。尚、当該き電システムにおけるき電設備等の基本構成やき電方法の原理的なところは第1実施例とほぼ同様であるため、同一構成については同様の符号(記号)を付す等してその説明を省略する。
【0034】
本実施例のき電システムは、各区間n〜n+3・・・の変電所SSn〜SSn+3に、上り方面のき電線RLn〜RLn+3及び下り方面のき電線LLn〜LLn+3の夫々に電力を供給するためのインバータ装置(RINVn,LINVn)〜(RINVn+3,LINVn+3)を夫々備えており、同一区間の上下のき電線が上下接続開閉器Tn〜Tn+3・・・を介して夫々接続されている。これら上下接続開閉器Tn〜Tn+3は、上記中央制御装置10によってオン・オフ制御可能となっており、オンされることで、上下の各インバータ装置から他方のき電線に駆動電力を供給できるようになっている。
【0035】
尚、図4においては、上り側の各き電設備の符号の頭にRを付し、下り側の各き電設備の符号の頭にLを付して区別しているが、上記第1実施例において上下のき電設備がないというわけではなく、第1実施例では説明の便宜上省略したものである。また、説明の便宜上、各き電設備について区間n+2に対応したものまでを表している(区間n+3に対応したき電設備については省略している)。
【0036】
そして、各区間n〜n+3毎に設けられた変電所SSn〜SSn+3のインバータ装置(RINVn,LINVn)〜(RINVn+3,LINVn+3)が、夫々LSM式車両Rが予め設定された通常のランカーブに沿って走行するのに必要な駆動負荷に基づいて、予めその容量を異ならせて設置されている。このため、例えば傾斜区間においては、LSM式車両Rの進行方向に対して下り傾斜となる側のインバータ装置の容量が、上り傾斜となる側のインバータ装置の容量よりも小さくなるように構成されている。
【0037】
そして、同図の例では、LSM式車両Rが区間n+1の上り方面側においてその進行方面とは逆方面側を走行中に臨時停車し、再スタートする場合が示されている。この場合、インバータ装置RINVn+1のみからの給電では所望の加速度が得られないため、中央制御装置10からの指令により、時間t1〜t2においてさらに電力供給開閉器LIn+1,上下接続開閉器Tn+1をオンにし、該当区間の上り側のインバータ装置RINVn+1と該当区間の下り側インバータ装置LINVn+1とで並列き電を行うように制御している。そして、時間t2以降においては上下接続開閉器Tn+1がオフされて当該並列き電制御が解除され、通常のき電制御に移行している。尚、このように同一区間の下り側のインバータ装置LINVn+1ではなく、他の近接した区間の下り側のインバータ装置を用いて並列き電を行うようにしてもよい。
【0038】
以上のように、本実施例のき電システムにおいては、LSM式車両Rの上りと下りの軌道間で並列き電制御を実行する。このため、上りと下りの一方のダイヤが乱れたり、き電設備が故障したりしても、他方から十分な駆動電力を供給することができる。一般に、上下軌道へのき電は夫々独立して行われるため、互いに関連性が低く、一方の不具合による他方への影響はほとんどない場合が多いこと、また、上りと下りの双方のLSM式車両が同一区間を走行する確率が低いことにより、正常な側から電力を供給制御するという本発明のき電システムの有効性をより顕著に発揮することができる。
【0039】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明の実施の形態は、上記実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
例えば、上記第1実施例及び第2実施例で説明したき電方法を組み合わせ、上下軌道間及び単独の軌道内のいずれでもき電制御を行えるようにし、中央制御装置による運行管理により、そのき電制御形態を選択するかを適宜選択するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例にかかるき電システムの概略構成を表す説明図である。
【図2】 第1実施例のき電制御方法を表す説明図である。
【図3】 第1実施例のき電制御方法の他の例を表す説明図である。
【図4】 第2実施例のき電制御方法を表す説明図である。
【図5】 従来のき電システムの概略構成及びき電方法を表す説明図である。
【符号の説明】
10・・・中央制御装置、 11・・・通信線、
Bn〜Bn+3,Fn〜Fn+3・・・方面別開閉器、
In〜In+3・・・電力供給開閉器、 INVn〜INVn+3・・・インバータ装置、
Pn〜Pn+2・・・境界区分開閉器、 R・・・LSM式車両、
Tn〜Tn+2・・・上下接続開閉器、 Ln〜Ln+3・・・き電線
Claims (4)
- リニアシンクロナスモータ式車両(以下「LSM車両」という)を、これに搭載された超電導磁石と軌道に沿って配置された推進コイルとの相互作用により推進させるべく、区間スイッチにより軌道に沿って区切られた区間内のき電線を介して、各区間毎に対応した変電所のインバータ装置から前記推進コイルに駆動用電力を供給するき電システムにおいて、
前記各区間毎に対応したインバータ装置が、夫々前記LSM式車両が通常のランカーブに沿って走行するのに必要な駆動負荷に基づいて、予めその容量を異ならせて設置されると共に、
いずれかの区間における前記駆動用電力が不足したと判断された場合に、当該区間のインバータ装置が給電すべき推進コイルに対し、他の近接する一又は複数のインバータ装置を用いて並列き電させるき電制御手段を備えたことを特徴とするき電システム。 - 前記き電制御手段は、予め定める特定のLSM式車両について、該特定のLSM式車両の移動に応じて、その走行区間のインバータ装置とこれに近接するインバータ装置により順次継続して並列き電させることを特徴とする請求項1記載のき電システム。
- 前記き電制御手段は、少なくとも前記LSM式車両が停止状態から走行状態に移行する際に、その走行区間のインバータ装置とこれに近接するインバータ装置により、定常的に前記並列き電を実行させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のき電システム。
- 前記各区間には、上り方面側の軌道の推進コイルに前記駆動用電力を供給するインバータ装置と、下り方面側の軌道の推進コイルに前記駆動用電力を供給するインバータ装置とが夫々設けられており、
前記き電制御手段は、いずれかの区間における上下いずれかの推進コイルに供給する駆動用電力が不足したと判断された場合に、当該推進コイルに対し、他の近接するインバータ装置を用いて上下に並列き電させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のき電システム。
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