JP4074553B2 - 通信装置及びそれにおける検査方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のキャリア信号を用いて伝送対象信号を伝送する通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インターネット接続環境の普及に伴い、外出先でも無線通信によってインターネット上のサーバ等へアクセスしたいという要望が高まっている。こうした背景の下、種々の無線通信方式が検討され、開発されている。
【0003】
このような無線通信方式の一つとして、例えば時分割マルチキャリア伝送方式と呼ばれるものがある。この方式では、互いに異なる周波数f1からfnのn個の複数のキャリア信号のそれぞれを用い、図3に示すようなフレームの信号を送受信している。
【0004】
図3に示すように、この方式のフレームは、4つの略等しい時間領域(スロット)に区分され、第1スロットはさらに、3つの略等しい時間領域(サブスロット)に区分されている。そしてこの第1スロットの各サブスロットには、3つ分の上り(移動通信体から基地局への通信)信号R1,R2,R3がそれぞれ含められ、また、残りの第2から第4スロットのそれぞれには、3つ分の下り(基地局から移動通信体への通信)信号T1,T2,T3が含められている。
【0005】
従って、この時分割マルチキャリア方式では、各キャリア信号で搬送される信号が3チャネル分の時分割方式の信号となっており、かつ、上りのデータ通信容量よりも下りのデータ通信容量が大きい、いわゆる非対称型の通信となっている。また、全体で収容可能なチャネル数は、各キャリア信号で時分割的に搬送するチャネル数に、キャリア信号の数を乗じたものであり、ここでの例では、3n個のチャネルの信号を送受できる。
【0006】
さらに、この時分割マルチキャリア方式では、各タイムスロットに時分割されたデータのそれぞれに参照信号を挿入し、次のように複数のアンテナを用いた送受信を実現することもできる。図4は、複数のアンテナを用いた場合の、時分割マルチキャリア方式の通信装置の一例を表す構成ブロック図である。
【0007】
図4に示される通信装置は、複数のアンテナ1と、アンテナ1に対応して設けられた無線部2と、パス制御部3と、信号処理部4と、制御部5とを含む。また、無線部2は、無線信号処理部21と、ダウンコンバータ(DDC)22と、アップコンバータ(DUC)23とを含んで構成されている。
【0008】
ここで無線信号処理部21は、対応するアンテナ1に到来する信号を受信してダウンコンバータ22に出力する。また、この無線信号処理部22は、アップコンバータ23から入力される信号をアンテナ1に供給して送出させる。
【0009】
パス制御部3は、無線部2のそれぞれに対応する重み情報の入力を信号処理部4から受けて、各無線部2が出力する信号を、それぞれに対応する重み情報に基づく重みを乗じて合成し、受信信号として信号処理部4に出力する。また、このパス制御部3は、信号処理部4から入力される送信対象の信号を各無線部2に出力する。
【0010】
信号処理部4は、パス制御部3から入力される受信信号と、参照信号との相関を演算し、当該相関演算の結果に基づく重み情報をパス制御部3に出力する。この処理は、一般にアダプティブアレーアンテナの制御の処理として知られている処理と同様のものである。
【0011】
またこの信号処理部4は、各キャリア信号で搬送される信号を生成し、また、各キャリア信号で搬送されてきた受信信号から、伝送対象となっている複数のデータを取り出して制御部5に出力する。具体的に、この通信装置では、選択性フェージングの影響を緩和させるため、一つの伝送対象データを、互いに異なる周波数の2つ以上のキャリア信号を用いて搬送させるよう、複数のチャネルを用いて同一のデータを伝送する。
【0012】
また信号処理部4は、各キャリア信号で搬送される信号の強度等を参照して、無線伝送路の状態を検出し、その検出の結果に基づいて、信号の変調方式を適応的に変更している。この無線伝送路の状態を検出する処理については後に述べる。
【0013】
制御部5は、例えばCPUであり、伝送の対象となるデータを信号処理部4に出力する。また、この制御部5は、信号処理部4から入力される伝送対象のデータを外部の装置に出力する。
【0014】
この図4に示す通信装置は、例えば基地局として動作し、アンテナ1を介して複数の移動通信体から受信した信号から、それぞれのデータを取り出して、制御部5を介して、それぞれのデータの送出先に伝送する。またインターネット上の複数のサーバ等から受信されるデータを、それぞれのデータの配信先となっている移動通信体に送出する。
【0015】
ここで、信号処理部4によって行われる、無線伝送路の状態を検出する処理の内容について説明する。信号処理部4は、例えばDSP(ディジタルシグナルプロセッサ)であって、指定されたプログラムに従って動作する。この図4の通信装置の信号処理部4を実現するためのDSP用プログラムは、図5に示すようなものとなる。
【0016】
すなわち、このプログラムは、図5に機能的に示すように、ループバック・ゲイン・コントロール部41と、周波数オフセット推定部42と、タイミングオフセット推定部43と、受信信号補償部44と、送信パラメータ設定部45と、送信信号生成部46と、デコード部47と、エンコード部48とを含み、次のように動作する。受信信号の強度が、ループバック・ゲイン・コントロール部41で検出される。周波数オフセット推定部42は、本来のキャリア信号の周波数と受信した信号の周波数とのオフセット(伝送路状況の影響などで発生するオフセット)の量を推定して、当該周波数オフセット推定量を出力する。また、タイミングオフセット推定部43は、本来の受信信号のタイミングのオフセット(伝送路状況の影響などで発生するオフセット)の量を推定して当該タイミングオフセット推定量を出力する。
【0017】
受信信号補償部44は、受信信号の強度の情報と、周波数オフセット推定量と、タイミングオフセット推定量とを用いて受信信号を補償し、デコード部47に出力する。デコード部47は、この補償された受信信号に基づいて、各データの複号を行い、当該複号結果が制御部5に出力される。
【0018】
送信パラメータ設定部45は、受信信号の強度の情報と、周波数オフセット推定量と、タイミングオフセット推定量とを用いて、信号の送信のためのパラメータを決定する。送信信号生成部46は、エンコード部48から入力される符号化されたデータに基づき、各キャリア信号で搬送される送信信号を生成して出力する。エンコード部48は、制御部5から入力されたデータを、符号化して出力する。なお、制御部5との間で授受されるデータは論理データであるため、信号処理部4内部で利用される物理データとの間で変換するプログラムモジュールをさらに含んでもよい。
【0019】
【特許文献1】
特開2001−53661号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
このように、上記従来の通信装置は、複数の無線部を備えているため、各無線部の回路特性の差によって、例えば周囲温度の上昇に伴う応答特性が異なるものとなるにも関わらず、各無線部の特性をそれぞれ検出することは行われていなかった。
【0021】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、各無線部を含む個別的な動作部分の特性をそれぞれ検出し、送受信に関する所定処理に供することのできる通信装置を提供することをその目的の一つとする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、通信装置であって、複数のアンテナに各々対応して設けられた無線信号処理手段と、前記無線信号処理手段のうちのいずれか一つの割当を受けて、当該割当られた無線信号処理手段との間で信号の入出力を行う複数の信号処理手段と、検査の基準となる無線信号処理手段を検査基準無線信号処理手段として定め、前記信号処理手段のいずれかに、当該検査基準無線信号処理手段を割当て、それとは異なる前記信号処理手段のいずれかに、検査の対象となる無線信号処理手段を、検査対象無線信号処理手段として割当て、前記検査基準無線信号処理手段と、検査対象無線信号処理手段とを接続して、ループバック検査を実行させる検査実行手段と、を含み、当該ループバック検査により、検査対象無線信号処理手段に対応した検査結果を得て、当該検査結果として得られた、無線信号処理手段ごとの伝達特性に関する情報を用い、その逆関数に基づく逆特性パラメータを求め、当該逆特性パラメータに基づいて、各無線信号処理手段に対応するアンテナごとの信号の補償の処理が行われることを特徴としている。
【0023】
ここで前記信号処理手段は、信号処理精度を設定可能であり、少なくとも前記検査基準無線信号処理手段と検査対象無線信号処理手段との割当を受けた信号処理手段については、それらにおける信号処理精度を前記ループバック検査実行手段によりループバック検査が実行されるときと、ループバック検査が実行されないときとで、異ならせることとしてもよい。また、少なくとも前記検査基準無線信号処理手段と検査対象無線信号処理手段との割当を受けた信号処理手段については、それらにおける信号処理精度を、前記ループバック検査が実行されないときに比べ、ループバック検査実行手段によりループバック検査が実行されるときに、高く設定することとしてもよい。
【0025】
また、上記従来例の問題点を解決するための本発明は、通信装置の検査方法であって、複数のアンテナに各々対応して設けられた無線信号処理手段と、前記無線信号処理手段のうちのいずれか一つの割当を受けて、当該割当られた無線信号処理手段との間で信号の入出力を行う複数の信号処理手段と、を用い、検査の基準となる無線信号処理手段を検査基準無線信号処理手段として定め、前記信号処理手段のいずれかに、当該検査基準無線信号処理手段を割当て、それとは異なる前記信号処理手段のいずれかに、検査の対象となる無線信号処理手段を、検査対象無線信号処理手段として割当てる工程と、前記検査基準無線信号処理手段と、検査対象無線信号処理手段とを接続して、ループバック検査を実行させる検査実行工程と、を所定のタイミングで実行させ、当該ループバック検査により、検査対象無線信号処理手段に対応した検査結果を得て、当該検査結果として得られた、無線信号処理手段ごとの伝達特性に関する情報を用い、その逆関数に基づく逆特性パラメータを求め、当該逆特性パラメータに基づいて、各無線信号処理手段に対応するアンテナごとの信号の補償の処理を行うことを特徴としている。精度を検査時と検査しないときとで異ならせることとしてもよい。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本発明の実施の形態に係る通信装置は、時分割マルチキャリア伝送方式による通信を行うもので、具体的には、図1に示すように、複数のアンテナ1と、アンテナ1に対応して設けられた無線部2と、パス制御部3′と、キャリアの数と同数の信号処理部4a,4b,…,4nと、これら複数の信号処理部4に対してバスBUSを介して接続された制御部5とを含む。ここでアンテナ1と、無線部2とは、従来のものと同様であるので詳細な説明を省略する。
【0027】
パス制御部3′は、各信号処理部4a,4b,…4nから、それぞれ、各無線部2に対応する重み情報を含んだ重み情報セットWa,Wb,…Wnの入力を受けてこれを保持する。そして、i番目の重み情報セットWiから、各無線部2のそれぞれに対応する重み情報を取り出し、無線部2のそれぞれが出力する信号に、上記取り出した重み情報に基づく重みを乗じて合成し、このi番目の重み情報セットに対応する信号処理部4iに、受信信号として出力する。また、このパス制御部3′は、信号処理部4のそれぞれから入力される送信対象の信号を各無線部2に出力する。
【0028】
信号処理部4のそれぞれは、パス制御部3′から入力される受信信号と、参照信号との相関を演算し、当該相関演算の結果に基づく重み情報のセットをパス制御部3′に出力する。この処理は、一般にアダプティブアレーアンテナの制御の処理として知られている処理と同様のものである。
【0029】
またこれら信号処理部4は、複数のキャリアのうち、どのキャリアの信号を処理するかの割当を予め受けており、当該割り当てられたキャリア信号で搬送される信号を生成し、また、当該割り当てられたキャリア信号で搬送されてきた受信信号から、伝送対象となっている複数のデータを取り出す。
【0030】
さらに、これら信号処理部4の各々は、各キャリア信号で搬送される信号の強度等を参照して、無線伝送路の状態を検出し、その検出の結果に基づいて、信号の変調方式を適応的に変更している。この無線伝送路の状態を検出する処理など、信号処理部4の処理内容の詳細については後に述べる。
【0031】
制御部5は、例えばCPUであり、伝送の対象となる複数のデータを外部の装置から受けて、これら各データを、それぞれ、どのキャリア信号で伝送するかを決定し、当該決定に基づいて、各データを、信号処理部4のいずれか少なくとも一つに出力する。なお、ここでも選択性フェージングの影響を緩和させるため、一つの伝送対象データを、互いに異なる周波数の2つ以上のキャリア信号を用いて搬送させるように制御することがある。そのため、各データは、複数の信号処理部4に出力されることもある。ここで制御部5が、各データをどのキャリア信号で伝送するかを決定する処理(第1割当処理)については、後に詳しく述べる。
【0032】
また、この制御部5は、信号処理部4から、受信した伝送対象のデータの入力を受けて、外部の装置に出力する。
【0033】
この図1に示す通信装置は、例えば基地局として動作し、アンテナ1を介して複数の移動通信体から受信した信号から、それぞれのデータを取り出して、制御部5を介して、それぞれのデータの送出先に伝送する。またインターネット上の複数のサーバ等から受信されるデータを、それぞれのデータの配信先となっている移動通信体に送出するという処理を行っている。
【0034】
ここで、信号処理部4のそれぞれの処理のより詳しい内容について説明する。信号処理部4は、例えばDSP(ディジタルシグナルプロセッサ)であって、指定されたプログラムに従って動作している。この図1の通信装置の信号処理部4を実現するためのDSP用プログラムは、機能的には、図5に示したものと同様のものであるが、従来の信号処理部4が複数のキャリア信号を処理していたのに対して、本実施の形態の信号処理部4は、割当られた一つのキャリア信号を処理する点が異なっている。
【0035】
すなわち、このプログラムは、図5に示したように、ループバック・ゲイン・コントロール部41と、周波数オフセット推定部42と、タイミングオフセット推定部43と、受信信号補償部44と、送信パラメータ設定部45と、送信信号生成部46と、デコード部47と、エンコード部48とを含み、次のように動作する。まず、受信信号の強度が、ループバック・ゲイン・コントロール部41で検出される。周波数オフセット推定部42は、割り当てられたキャリア信号の本来の周波数と受信した信号の周波数とのオフセット(伝送路状況の影響などで発生するオフセット)の量を推定して、当該周波数オフセット推定量を出力する。また、タイミングオフセット推定部43は、本来の受信信号のタイミングのオフセット(伝送路状況の影響などで発生するオフセット)の量を推定して当該タイミングオフセット推定量を出力する。
【0036】
受信信号補償部44は、受信信号の強度の情報と、周波数オフセット推定量と、タイミングオフセット推定量とを用いて受信信号を補償し、デコード部47に出力する。デコード部47は、この補償された受信信号に基づいて、各データの復号を行い、当該復号結果がバスを介して制御部5に出力される。
【0037】
送信パラメータ設定部45は、受信信号の強度の情報と、周波数オフセット推定量と、タイミングオフセット推定量とを用いて、信号の送信のためのパラメータを決定する。送信信号生成部46は、エンコード部48から入力される符号化されたデータに基づき、割り当てられたキャリア信号で搬送される送信信号を生成して出力する。エンコード部48は、制御部5からバスを介して入力されたデータを、符号化して出力する。
【0038】
なお、制御部5との間でバスを介して授受されるデータは論理データであるため、信号処理部4内部で利用される物理データとの間で変換するプログラムモジュールをさらに含んでもよい。
【0039】
[第1割当処理]
次に、制御部5の第1割当処理について説明する。本実施の形態では、制御部5は、信号処理部4の周波数オフセット推定部42と、タイミングオフセット推定部43との少なくとも一方から、周波数オフセット推定量(すなわち周波数補償量)又はタイミングオフセット推定量(すなわち時間補償量)の少なくとも一方の入力を、伝送品質の情報として受けて、当該伝送品質の情報に基づき、各信号処理部4が処理するデータの割り当てを行う。
【0040】
具体的に、制御部5は、当初は所定の方法によって(例えばランダムに)伝送対象となっている信号のそれぞれを、いずれかの信号処理部4に割り当てておき、信号処理部4は、別途割り当てられているキャリア信号を用いて当該データに係る信号の処理を行う。本実施の形態では、時分割マルチキャリア方式を採用しているので、例えば図3に示した通り、各キャリア信号を介して最大3つのデータが伝送可能である。従って、各信号処理部4には、最大3つのデータの割り当てが行われる。
【0041】
信号処理部4は、割り当てられているキャリア信号を介して受信される受信信号から、当該キャリア信号によって搬送されている各データを抽出するとともに、そのキャリア信号に係る周波数オフセット推定量又はタイミングオフセット推定量の少なくとも一方を、伝送品質の情報として出力している。制御部5は、各信号処理部4に対して、それぞれ割り当てたデータを出力して送信のための処理を行わせ、伝送品質の情報に基づいて、各キャリア信号の伝送品質を判断し、次のフレームにおける、各データの各信号処理部4への割り当てを決定する。
【0042】
例えば第i番目のキャリア信号fiに係る伝送品質の情報が伝送品質が所定の閾値より劣化したことを表す値となっている場合に、当該キャリア信号fiに対応する信号処理部4に対して現在割り当てているデータを、第1割当処理の対象とする。そして、出力する伝送品質の情報が良好である順に、そのキャリア信号に空きチャネルがあるか否かを調べていき、空きチャネルが見いだされたときに、当該見いだされた空きチャネルを用いて第1割当処理の対象となったデータを伝送するよう制御する。つまり、当該見いだされた空きチャネルに係るキャリア信号に割り当てられている信号処理部4に対して、第1割当処理の対象となったデータを割り当てる。
【0043】
ここで、フレームの先頭部分である、受信信号によって伝送品質の情報を得ているにも関わらず、そのフレームを搬送するキャリア信号の伝送品質が劣化していても、次のフレームまでデータの割当を変更しないのは、フレーム単位で割当を決めているため、フレーム内でチャネル割当を変更してしまうと、データの送信先である端末側で、当該データを受信できなくなってしまうためである。
【0044】
[第2割当処理]
また、あるキャリア信号の伝送品質が劣化しており、他の伝送品質が比較的良好なキャリア信号に係る3つのチャネルがすべて空きとなっているとき、キャリア信号を交換することにより、各データの信号処理部4への割当を変更せずに、信号処理部4に割り当てられているキャリア信号を変更すれば処理負荷が容易である。そこで本実施の形態では、さらに制御部5は、伝送品質の情報に基づき、信号処理部4に対してキャリア信号を割り当てる処理(第2割当処理)を実行することとしてもよい。
【0045】
これによれば、例えば信号処理部4iに割り当てられている第i番目のキャリア信号fiに係る伝送品質の情報が伝送品質が所定の閾値より劣化したことを表す値となっており、信号処理部4jに割り当てられている第j番目のキャリア信号fjに係る伝送品質の情報が、伝送品質が比較的良好であることを表している場合であって、当該信号処理部4jに割り当てられたデータがない場合、つまり、キャリア信号fjの各チャネルがいずれも空きチャネルである場合に、制御部5は、信号処理部4iに第j番目のキャリア信号fjを割り当てて、信号処理部4jに他のキャリア信号(例えば第i番目のキャリア信号fi)を割り当てる。これにより、データの割当を変更することなく、伝送品質が比較的良好なキャリア信号fjを用いて、各データの伝送が可能となる。
【0046】
このように、DSP等の信号処理部4をキャリア信号に対応して設け、第1、第2割当処理によって、各信号処理部4に対するキャリア信号、及び伝送対象データの割当を行うことで、信号処理部の処理負荷を低減でき、また、キャリア信号の増設などの要請についても、信号処理部4の増設等によって容易に応えることができる。
【0047】
[ループバック検査]
また、本実施の形態においては、各無線部2に含まれるアンプやフィルタ等の回路素子の遅延特性や、振幅特性のばらつきにより、アンテナ1ごとに位相変動量や振幅変動量が異なって、アンテナ1ごとに送信・受信それぞれ特有の位相変動の影響を受けることになる場合がある。このため、上り回線の情報(ここでの受信信号)から、下り回線の信号(ここでの送信信号)の送出に必要となるアンテナ位相を決定することとしているが、アンテナ1ごとに位相特性等が著しく異なるときには、下り回線において、予定している特性の向上が得られない場合が生じ得る。
【0048】
そこで、従来行われてきたように、本実施の形態においても、各アンテナ1から送信した信号を合成器で合成し、DSP等によって、この各アンテナ1の下り位相差を算出し、また、所定の信号を送信して各アンテナ1で受信させ信号処理部4において、各アンテナ1の上り位相差を算出させる端末装置を用いることが考えられる。
【0049】
この端末装置を用いて得られた下り位相差の情報を信号処理部4にループバックし、信号処理部4で上り位相差と、下り位相差とに基づいて位相の補正を行うことで、受信信号から得られる重み情報をそのまま送信用として特性の向上を達成することもできる。なお、この補正は、予め定められた正弦波や既知の参照信号を含む信号を利用して行う。なお、正弦波を用いる場合は、正弦波の周波数で離散フーリエ変換(DFT)を行うことで、正弦波による上り位相差が算出できる。
【0050】
しかしながら、本実施の形態では、複数の信号処理部4を備えているので、これを利用して、図1に示したアンテナ1と、それに対応して設けられた無線部2との間に、切り替えスイッチを配置し、一対の無線部2を接続可能として、ループバック検査を行わせるようにしてもよい。この場合の通信装置は、図2に示すように、複数のアンテナ1と、アンテナ1に対応して設けられた無線部2と、パス制御部3′と、キャリアの数と同数の信号処理部4a,4b,…,4nと、これら複数の信号処理部4に対してバスBUSを介して接続された制御部5と、各無線部2に対応して設けられた切替スイッチ6とを含んで構成される。
【0051】
この切替スイッチ6は、無線部2とアンテナ1とを接続する第1モードと、一対の無線部2を接続する第2モードとの間を切り替える。具体的には、この図2に示した各切替スイッチ6の接点Qは、互いに共通の信号線で接続されているものとすればよい。
【0052】
制御部5は、信号処理部4のいずれかを検査の基準である検査基準とし、この検査基準となった信号処理部4に対して無線部2のいずれか一つを割り当てる。この割り当てられた無線部2を以下、検査基準無線部と呼ぶ。また、制御部5は、検査基準となったものとは異なる信号処理部4を選択し、これを検査対象用の信号処理部4として、この検査対象用の信号処理部4に対して、検査の対象となる無線部2を割り当てる。この検査の対象となる無線部2を以下、検査対象無線部と呼ぶ。
【0053】
次に制御部5は、検査対象無線部に対応して設けられた切替スイッチ6と、検査基準無線部に対応して設けられた切替スイッチ6とを第2モードに切り替え、検査対象無線部となった無線部2と、検査基準無線部となった無線部2とを接続する。そして制御部5は、これらの間でループバック検査を行わせる。すなわち、検査基準無線部から、検査対象無線部へと信号を送出して検査対象無線部の上り位相差を、検査対象用の信号処理部4に算出させる。また、検査対象無線部から、検査基準無線部へと信号を送出して、検査対象無線部の下り位相差を、検査基準となった信号処理部4に算出させる。
【0054】
また、制御部5は、このループバック検査の際、検査対象用となった信号処理部4と、検査基準となった信号処理部4とに、ループバック検査を行わない場合に比べて、その処理精度を高める(信号の分解能を細かくする)よう指示してもよい。このように、信号処理精度を、ループバック検査が実行されるときと、ループバック検査が実行されないときとで異ならせることで、通常の送受信での処理負荷を抑えながら、ループバック検査の精度を高めることができる。
【0055】
さらに、このようにして得られた位相差等、伝達特性に関する情報を用い、その逆関数を演算して逆特性パラメータを求め、この逆特性パラメータに基づき、データを送信する際などにおける補償パラメータ(送信又は受信の信号の補償処理のためのパラメータ)を決定する。これにより、通信品質を向上できる。
【0056】
また、ここまでの説明では、アンテナ1ごとに、それに対応する無線部2の検査を行う場合について説明したが、制御部5は、さらに検査対象無線部と、検査基準無線部との間で、複数のキャリア信号に係る信号を、送受信させ、アンテナ1ごと、かつキャリア信号ごとに、その上り位相差及び下り位相差などといった、その伝達特性を算出させるようにしてもよい。
【0057】
ここで示したループバック検査によると、従来行われてきたように、各アンテナ1からの出力信号を合成する場合と異なり、アンテナ1ごと(さらにはキャリア信号ごと)に、その伝達特性を検出でき、また不具合が発生したときに、当該不具合の発生した無線部2等の特定に資する情報を提供でき、各無線部を含む個別的な動作部分の特性をそれぞれ検出し、送受信に関する所定処理に供することができるようになる。
【0058】
なお、本実施の形態の通信装置は、ここで述べたような、時分割マルチキャリア方式の通信に限られるものではなく、複数のアンテナ、及びキャリア信号を用いる通信方式であれば、同様に適用できるものである。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、各無線部を含む個別的な動作部分の特性をそれぞれ検出し、送受信に関する所定処理に供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る通信装置の一例を表す構成ブロック図である。
【図2】 本発明の実施の形態に係る通信装置のもう一つの例を表す構成ブロック図である。
【図3】 時分割マルチキャリア方式の通信におけるフレーム構成の例を表す説明図である。
【図4】 従来の通信装置の例を表す構成ブロック図である。
【図5】 信号処理部4のプログラムの例を表す機能ブロック図である。
【符号の説明】
1 アンテナ、2 無線部、3,3′ パス制御部、4 信号処理部、5 制御部、6 切替スイッチ、21 無線信号処理部、22 ダウンコンバータ、23 アップコンバータ、41 ループバック・ゲイン・コントロール部、42 周波数オフセット推定部、43 タイミングオフセット推定部、44 受信信号補償部、45 送信パラメータ設定部、46 送信信号生成部、47 デコード部、48 エンコード部。
Claims (5)
- 複数のアンテナに各々対応して設けられた無線信号処理手段と、
前記無線信号処理手段のうちのいずれか一つの割当を受けて、当該割当られた無線信号処理手段との間で信号の入出力を行う複数の信号処理手段と、
検査の基準となる無線信号処理手段を検査基準無線信号処理手段として定め、前記信号処理手段のいずれかに、当該検査基準無線信号処理手段を割当て、それとは異なる前記信号処理手段のいずれかに、検査の対象となる無線信号処理手段を、検査対象無線信号処理手段として割当て、前記検査基準無線信号処理手段と、検査対象無線信号処理手段とを接続して、ループバック検査を実行させる検査実行手段と、
を含み、
当該ループバック検査により、検査対象無線信号処理手段に対応した検査結果を得て、当該検査結果として得られた、無線信号処理手段ごとの伝達特性に関する情報を用い、その逆関数に基づく逆特性パラメータを求め、当該逆特性パラメータに基づいて、各無線信号処理手段に対応するアンテナごとの信号の補償の処理が行われることを特徴とする通信装置。 - 請求項1に記載の通信装置において、
前記信号処理手段は、信号処理精度を設定可能であり、
少なくとも前記検査基準無線信号処理手段と検査対象無線信号処理手段との割当を受けた信号処理手段については、それらにおける信号処理精度を前記ループバック検査実行手段によりループバック検査が実行されるときと、ループバック検査が実行されないときとで、異ならせることを特徴とする通信装置。 - 請求項1又は2に記載の通信装置において、
前記信号処理手段は、信号処理精度を設定可能であり、
少なくとも前記検査基準無線信号処理手段と検査対象無線信号処理手段との割当を受けた信号処理手段については、それらにおける信号処理精度を、前記ループバック検査が実行されないときに比べ、ループバック検査実行手段によりループバック検査が実行されるときに、高く設定することを特徴とする通信装置。 - 複数のアンテナに各々対応して設けられた無線信号処理手段と、前記無線信号処理手段のうちのいずれか一つの割当を受けて、当該割当られた無線信号処理手段との間で信号の入出力を行う複数の信号処理手段と、を用い、
検査の基準となる無線信号処理手段を検査基準無線信号処理手段として定め、前記信号処理手段のいずれかに、当該検査基準無線信号処理手段を割当て、それとは異なる前記信号処理手段のいずれかに、検査の対象となる無線信号処理手段を、検査対象無線信号処理手段として割当てる工程と、
前記検査基準無線信号処理手段と、前記検査対象無線信号処理手段とを接続して、ループバック検査を実行させる検査実行工程と、
を所定のタイミングで実行させ、当該ループバック検査により、検査対象無線信号処理手段に対応した検査結果を得て、当該検査結果として得られた、無線信号処理手段ごとの伝達特性に関する情報を用い、その逆関数に基づく逆特性パラメータを求め、当該逆特性パラメータに基づいて、各無線信号処理手段に対応するアンテナごとの信号の補償の処理を行うことを特徴とする通信装置の検査方法。 - 請求項4に記載の通信装置の検査方法において、
前記信号処理手段は、信号処理精度を設定可能であり、
少なくとも前記検査基準無線信号処理手段と前記検査対象無線信号処理手段からの割当を受けた信号処理手段については、それらにおける信号処理精度を前記ループバック検査が実行されるときと、実行されないときとで、異ならせることを特徴とする通信装置の検査方法。
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