JP4086151B2 - 通信装置および通信方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のキャリア信号を用いて伝送対象信号を伝送する通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インターネット接続環境の普及に伴い、外出先でも無線通信によってインターネット上のサーバ等へアクセスしたいという要望が高まっている。こうした背景の下、種々の無線通信方式が検討され、開発されている。
【0003】
このような無線通信方式の一つとして、例えば時分割マルチキャリア伝送方式と呼ばれるものがある。この方式では、互いに異なる周波数f1からfnのn個の複数のキャリア信号のそれぞれを用い、図4に示すようなフレームの信号を送受信している。
【0004】
図4に示すように、この方式のフレームは、4つの略等しい時間領域(スロット)に区分され、第1スロットはさらに、3つの略等しい時間領域(サブスロット)に区分されている。そしてこの第1スロットの各サブスロットには、3つ分の上り(移動通信体から基地局への通信)信号R1,R2,R3がそれぞれ含められ、また、残りの第2から第4スロットのそれぞれには、3つ分の下り(基地局から移動通信体への通信)信号T1,T2,T3が含められている。
【0005】
従って、この時分割マルチキャリア方式では、各キャリア信号で搬送される信号が3チャネル分の時分割方式の信号となっており、かつ、上りのデータ通信容量よりも下りのデータ通信容量が大きい、いわゆる非対称型の通信となっている。また、全体で収容可能なチャネル数は、各キャリア信号で時分割的に搬送するチャネル数に、キャリア信号の数を乗じたものであり、ここでの例では、3n個のチャネルの信号を送受できる。
【0006】
さらに、この時分割マルチキャリア方式では、各タイムスロットに時分割されたデータのそれぞれに予め定められた参照用の信号(参照信号)を挿入し、次のように複数のアンテナを用いた送受信を実現することもできる。図5は、複数のアンテナを用いた場合の、時分割マルチキャリア方式の通信装置の一例を表す構成ブロック図である。
【0007】
図5に示される通信装置は、複数のアンテナ1と、アンテナ1に対応して設けられた無線部2と、パス制御部3と、信号処理部4と、制御部5とを含む。また、無線部2は、無線信号処理部(RF)21と、ダウンコンバータ(DDC)22と、アップコンバータ(DUC)23とを含んで構成されている。
【0008】
ここで無線信号処理部21は、対応するアンテナ1に到来する信号を受信してダウンコンバータ22に出力する。また、この無線信号処理部21は、アップコンバータ23から入力される信号をアンテナ1に供給して送出させる。
【0009】
パス制御部3は、信号処理部4から、各無線部2に対応する重み情報を含んだ重み情報セットの入力を受けて、各無線部2が出力する信号を、それぞれに対応する重み情報に基づく重みを乗じて合成し、受信信号として信号処理部4に出力する。また、このパス制御部3は、信号処理部4から入力される送信対象の信号を各無線部2に出力する。
【0010】
信号処理部4は、パス制御部3から入力される受信信号と、参照信号との相関を演算し、当該相関演算の結果に基づく重み情報をパス制御部3に出力する。この処理は、一般にアダプティブアレーアンテナの制御の処理として知られている処理と同様のものである(例えば特許文献1)。
【0011】
またこの信号処理部4は、各キャリア信号で搬送される信号を生成し、また、各キャリア信号で搬送されてきた受信信号から、伝送対象となっている複数のデータを取り出して制御部5に出力する。具体的に、この通信装置では、選択性フェージングの影響を緩和させるため、一つの伝送対象データを、互いに異なる周波数の2つ以上のキャリア信号を用いて搬送させるよう、複数のチャネルを用いて同一のデータを伝送する。
【0012】
また信号処理部4は、各キャリア信号で搬送される信号の強度等を参照して、無線伝送路の状態を検出し、その検出の結果に基づいて、信号の変調方式を適応的に変更している。この無線伝送路の状態を検出する処理については後に述べる。
【0013】
制御部5は、例えばCPUであり、伝送の対象となるデータを信号処理部4に出力する。また、この制御部5は、信号処理部4から入力される伝送対象のデータを外部の装置に出力する。
【0014】
この図5に示す通信装置は、例えば基地局として動作し、アンテナ1を介して複数の移動通信体から受信した信号から、それぞれのデータを取り出して、制御部5を介して、それぞれのデータの送出先に伝送する。またインターネット上の複数のサーバ等から受信されるデータを、それぞれのデータの配信先となっている移動通信体に送出する。
【0015】
ここで、信号処理部4によって行われる、無線伝送路の状態を検出する処理の内容について説明する。信号処理部4は、例えばDSP(ディジタルシグナルプロセッサ)であって、指定されたプログラムに従って動作する。この図5の通信装置の信号処理部4を実現するためのDSP用プログラムは、図6に示すようなものとなる。
【0016】
すなわち、このプログラムは、図6に機能的に示すように、フィードバック・ゲイン・コントロール部41と、周波数オフセット推定部42と、タイミングオフセット推定部43と、受信信号補償部44と、送信パラメータ設定部45と、送信信号生成部46と、デコード部47と、エンコード部48とを含み、次のように動作する。受信信号の強度が、フィードバック・ゲイン・コントロール部41で検出される。周波数オフセット推定部42は、本来のキャリア信号の周波数と受信した信号の周波数とのオフセット(伝送路状況の影響などで発生するオフセット)の量を推定して、当該周波数オフセット推定量を出力する。また、タイミングオフセット推定部43は、本来の受信信号のタイミングのオフセット(伝送路状況の影響などで発生するオフセット)の量を推定して当該タイミングオフセット推定量を出力する。
【0017】
受信信号補償部44は、受信信号の強度の情報と、周波数オフセット推定量と、タイミングオフセット推定量とを用いて受信信号を補償し、デコード部47に出力する。デコード部47は、この補償された受信信号に基づいて、各データの複号を行い、当該複号結果が制御部5に出力される。
【0018】
送信パラメータ設定部45は、受信信号の強度の情報と、周波数オフセット推定量と、タイミングオフセット推定量とを用いて、信号の送信のためのパラメータを決定する。送信信号生成部46は、エンコード部48から入力される符号化されたデータに基づき、各キャリア信号で搬送される送信信号を生成して出力する。エンコード部48は、制御部5から入力されたデータを、符号化して出力する。
【0019】
なお、制御部5との間で授受されるデータは論理データであるため、信号処理部4内部で利用される物理データとの間で変換するプログラムモジュールをさらに含んでもよい。
【0020】
【特許文献1】
特開2001−53661号公報
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
このように、上記従来の通信装置は、変調方式を適応的に変更しながら送受信を行う場合に、広いダイナミックレンジの中で、受信レベルを所望のレベルに調整するための利得制御が必要となり、フィードバック・ゲイン・コントロール部を設けて、その調整を行っていたのであるが、このフィードバック・ゲイン・コントロール部の演算処理は、負荷の高い演算処理であり、またフィードバック処理が行われるために、適応速度が遅い点が問題となっていた。
【0022】
本発明は、上記従来例の問題点に鑑みてなされたもので、変調方式を適応的に変更しながら送受信を行う場合の受信レベルの調整を簡易な構成で行い、処理負荷を低減でき、適応速度を十分なものとすることができる通信装置を提供することを、その目的の一つとする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、通信装置において、互いに異なるダイナミックレンジで、受信信号の信号強度をそれぞれ検出する複数のパワーモニタ手段と、前記複数のパワーモニタ手段のうちの一つを第1パワーモニタ手段として選択し、当該第1パワーモニタ手段により検出される信号強度に基づき、受信信号レベルの補償処理を行う手段と、前記複数のパワーモニタ手段のうちの一つであって、前記第1パワーモニタ手段よりもダイナミックレンジの狭いパワーモニタ手段を、第2パワーモニタ手段として選択し、当該第2パワーモニタ手段により検出される信号強度に基づき、受信信号の周波数オフセット補償と、タイミングオフセット補償との少なくとも一方の処理を行う手段と、を含むことを特徴としている。
【0024】
また、上記従来例の問題点を解決するための本発明は、通信方法であって、互いに異なるダイナミックレンジで、受信信号の信号強度をそれぞれ検出する複数のパワーモニタ手段を用い、前記複数のパワーモニタ手段のうちの一つを第1パワーモニタ手段として選択し、当該第1パワーモニタ手段により検出される信号強度に基づき、受信信号レベルの補償処理を行う工程と、前記複数のパワーモニタ手段のうちの一つであって、前記第1パワーモニタ手段よりもダイナミックレンジの狭いパワーモニタ手段を、第2パワーモニタ手段として選択し、当該第2パワーモニタ手段により検出される信号強度に基づき、受信信号の周波数オフセット補償と、タイミングオフセット補償との少なくとも一方の処理を行う工程と、を含むことを特徴としている。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図1及び図5を参照しながら説明する。本発明の実施の形態に係る通信装置は、図5に示した従来の通信装置と基本的に同様の構成を備えるものであるが、信号処理部4の機能的構成が若干異なっている。
【0026】
すなわち、本実施の形態における信号処理部4は、図示しないコンピュータ可読な記録媒体からプログラムを読み出して実行するDSP等によって実現され、そのプログラムの機能的構成は、図1に例示するように、多段に構成された複数のスケーラ51a,51b…51nと、周波数オフセット推定部42と、タイミングオフセット推定部43と、受信信号補償部44と、送信パラメータ設定部45と、送信信号生成部46と、デコード部47と、エンコード部48とを含んで構成されている。なお、図1では、簡単のため、スケーラ51が2段である場合を例示している。これら複数のスケーラ51がそれぞれ、本発明のパワーモニタ手段を実現している。
【0027】
スケーラ51は、多段に構成され、第1段目のスケーラ51aは、パス制御部3から入力される受信信号の電力レベルを演算して、受信信号補償部44に出力する。この第1段目のスケーラ51aは、受信信号の電力レベルを、第1のダイナミックレンジ内の値として、例えば16ビット値で表現して出力する。具体的に、電力レベルの第1のダイナミックレンジがWminからWmaxまでであるとすると、これらの間を16ビットの分解能、すなわち65535段階で表現した値が出力されることになる。
【0028】
また、この第1段目のスケーラ51aは、パス制御部3が出力する受信信号から、当該受信信号に基づいて演算した電力レベル分を減衰させて(アッテネートして)、受信信号から第1段目のスケーラ51aによって演算された電力レベル分の信号を差し引いた差し引き後の信号を生成して、後段のスケーラ51bに出力する。
【0029】
第2段目のスケーラ51bは、第1段目のスケーラ51aから入力される信号に対し、第1のダイナミックレンジとは異なる第2のダイナミックレンジで、第1段目のスケーラ51aが出力する電力レベルの値を補正する補正値を演算して出力する。具体的に、この第2のダイナミックレンジは、第1のダイナミックレンジと、第1段目のスケーラ51aの分解能との関係において設定され、例えば上述のような場合、第1段目のスケーラ51aが出力する値は、N×(Wmax−Wmin)/65535(ここで、Nは、0から65535までの整数)であって、出力され得る値の間には(Wmax−Wmin)/65535の幅(いわゆる量子化誤差)を有するのであるが、第2段目のスケーラ51bは、この幅をダイナミックレンジ(第2のダイナミックレンジ)として、16ビット値で表現して出力する。こうして、第1段目のスケーラ51aと、第2段目のスケーラ51bとにより、全体として32ビットの分解能を有する電力レベルの値が演算されることになる。つまり、第2のダイナミックレンジは、第1のダイナミックレンジより狭いものである。
【0030】
さらに第3段目以降のスケーラ51を設ける場合は、このようにダイナミックレンジを異ならせて、電力レベルを所望の分解能で得られるように構成し、最終段、又は所望の分解能での電力レベルを出力するいずれかのスケーラ51の出力を、周波数オフセット推定部42やタイミングオフセット推定部43で利用する。
【0031】
要するに、これら多段に構成されたスケーラ51の各々は、それぞれ異なるダイナミックレンジで、前段側のスケーラ51が出力する電力値の補正値を出力していくように構成されている。
【0032】
周波数オフセット推定部42は、第1段目のスケーラ51aと第2段目のスケーラ51bとから入力される電力レベルの値(32ビットの分解能を有する値)を評価関数として用いて、キャリア信号の本来の周波数と受信した信号の周波数とのオフセット(伝送路状況の影響などで発生するオフセット)の量を推定して、当該周波数オフセット推定量を出力する。また、タイミングオフセット推定部43も、これら第1段目のスケーラ51aと第2段目のスケーラ51bとから入力される電力レベルの値(32ビットの分解能を有する値)を評価関数として用いて、本来の受信信号のタイミングのオフセット(伝送路状況の影響などで発生するオフセット)の量を推定して当該タイミングオフセット推定量を出力する。
【0033】
受信信号補償部44は、第1段目のスケーラ51aから入力される、第1のダイナミックレンジ(最も広いダイナミックレンジ)での受信信号の電力レベルの値と、周波数オフセット推定量と、タイミングオフセット推定量とを用いて受信信号を補償し、デコード部47に出力する。具体的に、この受信信号補償部44は、受信信号に推定された重みを乗じ、所望の信号への位相、振幅同期をとるとともに、周波数オフセット推定部42により推定された周波数オフセット推定量と、タイミングオフセット推定部43により推定されたタイミングオフセット推定量とに基づき、周波数とタイミングとの補正も行う。なお、第2段目のスケーラ51bが出力する、より精度の高い電力レベルの値は、この受信信号補償部44のように、受信データそのものの補正を行う部分に対しては直接には、その影響を与えない。
【0034】
デコード部47は、この受信信号補償部44によって補償された受信信号に基づいて、各データの複号を行い、当該複号結果がバスを介して制御部5に出力される。
【0035】
送信パラメータ設定部45は、受信信号の電力レベルの値と、周波数オフセット推定量と、タイミングオフセット推定量とを用いて、信号の送信のためのパラメータを決定する。送信信号生成部46は、エンコード部48から入力される符号化されたデータに基づき、割り当てられたキャリア信号で搬送される送信信号を生成して出力する。エンコード部48は、制御部5からバスを介して入力されたデータを、符号化して出力する。
【0036】
なお、制御部5との間でバスを介して授受されるデータは論理データであるため、信号処理部4内部で利用される物理データとの間で変換するプログラムモジュールをさらに含んでもよい。
【0037】
本実施の形態の通信装置は、図1に示したとおり上述の構成を有し、図6におけるフィードバック・ゲイン・コントロール部41に代えて、互いに異なるダイナミックレンジで受信信号の電力レベルを演算する複数のスケーラ51a、51bを用いており、電力レベルの演算という簡易な方法によって、変調方式を適応的に変更しながら送受信を行う場合の受信レベルの調整を達成でき、その処理負荷を低減するとともに、フィードバック演算をなくしたことで、適応速度を十分なものとすることができる。
【0038】
また、本実施の形態の通信装置では、信号処理部4をキャリアの数と同数だけ設けて、それぞれ一つずつのキャリア信号の処理を行わせるようにしてもよい。すなわち、図2に示すように、複数のアンテナ1と、アンテナ1に対応して設けられた無線部2と、パス制御部3′と、キャリアの数と同数の信号処理部4a,4b,…,4nと、これら複数の信号処理部4に対してバスBUSを介して接続された制御部5とを含んでなるものとしてもよい。ここでアンテナ1と、無線部2とは、従来のものと同様であるので詳細な説明を省略する。
【0039】
パス制御部3′は、各信号処理部4a,4b,…4nから、それぞれ、各無線部2に対応する重み情報を含んだ重み情報セットWa,Wb,…Wnの入力を受けてこれを保持する。そして、i番目の重み情報セットWiから、各無線部2のそれぞれに対応する重み情報を取り出し、無線部2のそれぞれが出力する信号に、上記取り出した重み情報に基づく重みを乗じて合成し、このi番目の重み情報セットに対応する信号処理部4iに、受信信号として出力する。また、このパス制御部3′は、信号処理部4のそれぞれから入力される送信対象の信号を各無線部2に出力する。
【0040】
信号処理部4のそれぞれは、パス制御部3′から入力される受信信号と、予め定められた参照用の信号(参照信号)との相関を演算し、当該相関演算の結果に基づく重み情報のセットをパス制御部3′に出力する。この信号処理部4の機能的構成は、図1を用いて説明した通りである。
【0041】
またこれら信号処理部4は、複数のキャリアのうち、どのキャリアの信号を処理するかの割当を予め受けており、当該割り当てられたキャリア信号で搬送される信号を生成し、また、当該割り当てられたキャリア信号で搬送されてきた受信信号から、伝送対象となっている複数のデータを取り出す。
【0042】
さらに、これら信号処理部4の各々は、各キャリア信号で搬送される信号の強度等を参照して、無線伝送路の状態を検出し、その検出の結果に基づいて、信号の変調方式を適応的に変更している。
【0043】
制御部5は、例えばCPUであり、伝送の対象となる複数のデータを外部の装置から受けて、これら各データを、それぞれ、どのキャリア信号で伝送するかを決定し、当該決定に基づいて、各データを、信号処理部4のいずれか少なくとも一つに出力する。なお、ここでも選択性フェージングの影響を緩和させるため、一つの伝送対象データを、互いに異なる周波数の2つ以上のキャリア信号を用いて搬送させるように制御することがある。そのため、各データは、複数の信号処理部4に出力されることもある。ここで制御部5が、各データをどのキャリア信号で伝送するかを決定する処理(第1割当処理)については、後に詳しく述べる。
【0044】
また、この制御部5は、信号処理部4から、受信した伝送対象のデータの入力を受けて、外部の装置に出力する。
【0045】
この図2に示す通信装置は、例えば基地局として動作し、アンテナ1を介して複数の移動通信体から受信した信号から、それぞれのデータを取り出して、制御部5を介して、それぞれのデータの送出先に伝送する。またインターネット上の複数のサーバ等から受信されるデータを、それぞれのデータの配信先となっている移動通信体に送出するという処理を行っている。
【0046】
[第1割当処理]
次に、制御部5の第1割当処理について説明する。本実施の形態では、制御部5は、信号処理部4の周波数オフセット推定部42と、タイミングオフセット推定部43との少なくとも一方から、周波数オフセット推定量(すなわち周波数補償量)又はタイミングオフセット推定量(すなわち時間補償量)の少なくとも一方の入力を、伝送品質の情報として受けて、当該伝送品質の情報に基づき、各信号処理部4が処理するデータの割り当てを行う。
【0047】
具体的に、制御部5は、当初は所定の方法によって(例えばランダムに)伝送対象となっている信号のそれぞれを、いずれかの信号処理部4に割り当てておき、信号処理部4は、別途割り当てられているキャリア信号を用いて当該データに係る信号の処理を行う。本実施の形態では、時分割マルチキャリア方式を採用しているので、例えば図4に示した通り、各キャリア信号を介して最大3つのデータが伝送可能である。従って、各信号処理部4には、最大3つのデータの割り当てが行われる。
【0048】
信号処理部4は、割り当てられているキャリア信号を介して受信される受信信号から、当該キャリア信号によって搬送されている各データを抽出するとともに、そのキャリア信号に係る周波数オフセット推定量又はタイミングオフセット推定量の少なくとも一方を、伝送品質の情報として出力している。制御部5は、各信号処理部4に対して、それぞれ割り当てたデータを出力して送信のための処理を行わせ、伝送品質の情報に基づいて、各キャリア信号の伝送品質を判断し、次のフレームにおける、各データの各信号処理部4への割り当てを決定する。
【0049】
例えば第i番目のキャリア信号fiに係る伝送品質の情報が伝送品質が所定の閾値より劣化したことを表す値となっている場合に、当該キャリア信号fiに対応する信号処理部4に対して現在割り当てているデータを、第1割当処理の対象とする。そして、出力する伝送品質の情報が良好である順に、そのキャリア信号に空きチャネルがあるか否かを調べていき、空きチャネルが見いだされたときに、当該見いだされた空きチャネルを用いて第1割当処理の対象となったデータを伝送するよう制御する。つまり、当該見いだされた空きチャネルに係るキャリア信号に割り当てられている信号処理部4に対して、第1割当処理の対象となったデータを割り当てる。
【0050】
ここで、フレームの先頭部分である受信信号によって伝送品質の情報を得ているにも関わらず、そのフレームを搬送するキャリア信号の伝送品質が劣化していても、次のフレームまでデータの割当を変更しないのは、フレーム単位で割当を決めているため、フレーム内でチャネル割当を変更してしまうと、データの送信先である端末側で、当該データを受信できなくなってしまうためである。
【0051】
[第2割当処理]
また、あるキャリア信号の伝送品質が劣化しており、他の伝送品質が比較的良好なキャリア信号に係る3つのチャネルがすべて空きとなっているとき、キャリア信号を交換することにより、各データの信号処理部4への割当を変更せずに、信号処理部4に割り当てられているキャリア信号を変更すれば処理負荷が容易である。そこで本実施の形態では、さらに制御部5は、伝送品質の情報に基づき、信号処理部4に対してキャリア信号を割り当てる処理(第2割当処理)を実行することとしてもよい。
【0052】
これによれば、例えば信号処理部4iに割り当てられている第i番目のキャリア信号fiに係る伝送品質の情報が伝送品質が所定の閾値より劣化したことを表す値となっており、信号処理部4jに割り当てられている第j番目のキャリア信号fjに係る伝送品質の情報が、伝送品質が比較的良好であることを表している場合であって、当該信号処理部4jに割り当てられたデータがない場合、つまり、キャリア信号fjの各チャネルがいずれも空きチャネルである場合に、制御部5は、信号処理部4iに第j番目のキャリア信号fjを割り当てて、信号処理部4jに他のキャリア信号(例えば第i番目のキャリア信号fi)を割り当てる。これにより、データの割当を変更することなく、伝送品質が比較的良好なキャリア信号fjを用いて、各データの伝送が可能となる。
【0053】
このように、DSP等の信号処理部4をキャリア信号に対応して設け、第1、第2割当処理によって、各信号処理部4に対するキャリア信号、及び伝送対象データの割当を行うことで、信号処理部の処理負荷を低減でき、また、キャリア信号の増設などの要請についても、信号処理部4の増設等によって容易に応えることができる。
【0054】
また、本実施の形態においては、各無線部2に含まれるアンプやフィルタ等の回路素子の遅延特性や、振幅特性のばらつきにより、アンテナ1ごとに位相変動量や振幅変動量が異なって、アンテナ1ごとに送信・受信それぞれ特有の位相変動の影響を受けることになる場合がある。このため、上り回線の情報(ここでの受信信号)から、下り回線の信号(ここでの送信信号)の送出に必要となるアンテナ位相を決定することとしているが、アンテナ1ごとに位相特性等が著しく異なるときには、下り回線において、予定している特性の向上が得られない場合が生じ得る。
【0055】
そこで、従来行われてきたように、本実施の形態においても、各アンテナ1から送信した信号を合成器で合成し、DSP等によって、この各アンテナ1の下り位相差を算出し、また、所定の信号を送信して各アンテナ1で受信させ信号処理部4において、各アンテナ1の上り位相差を算出させる端末装置を用いることが考えられる。
【0056】
この端末装置を用いて得られた下り位相差の情報を信号処理部4にフィードバックし、信号処理部4で上り位相差と、下り位相差とに基づいて位相の補正を行うことで、受信信号から得られる重み情報をそのまま送信用として特性の向上を達成することもできる。なお、この補正は、予め定められた正弦波や予め定められた参照信号を含む信号を利用して行う。なお、正弦波を用いる場合は、正弦波の周波数で離散フーリエ変換(DFT)を行うことで、正弦波による上り位相差が算出できる。
【0057】
しかしながら、本実施の形態では、複数の信号処理部4を備えているので、これを利用して、図2に示したアンテナ1と、それに対応して設けられた無線部2との間に、切り替えスイッチを配置し、一対の無線部2を接続可能として、ループバック検査を行わせるようにしてもよい。この場合の通信装置は、図3に示すように、複数のアンテナ1と、アンテナ1に対応して設けられた無線部2と、パス制御部3′と、キャリアの数と同数の信号処理部4a,4b,…,4nと、これら複数の信号処理部4に対してバスBUSを介して接続された制御部5と、各無線部2に対応して設けられた切替スイッチ6とを含んで構成される。
【0058】
この切替スイッチ6は、無線部2とアンテナ1とを接続する第1モードと、一対の無線部2を接続する第2モードとの間を切り替える。具体的には、この図3に示した各切替スイッチ6の接点Qは、互いに共通の信号線で接続されているものとすればよい。
【0059】
制御部5は、信号処理部4のいずれかを検査の基準である検査基準とし、この検査基準となった信号処理部4に対して無線部2のいずれか一つを割り当てる。この割り当てられた無線部2を以下、検査基準無線部と呼ぶ。また、制御部5は、検査基準となったものとは異なる信号処理部4を選択し、これを検査対象用の信号処理部4として、この検査対象用の信号処理部4に対して、検査の対象となる無線部2を割り当てる。この検査の対象となる無線部2を以下、検査対象無線部と呼ぶ。
【0060】
次に制御部5は、検査対象無線部に対応して設けられた切替スイッチ6と、検査基準無線部に対応して設けられた切替スイッチ6とを第2モードに切り替え、検査対象無線部となった無線部2と、検査基準無線部となった無線部2とを接続する。そして制御部5は、これらの間でループバック検査を行わせる。すなわち、検査基準無線部から、検査対象無線部へと信号を送出して検査対象無線部の上り位相差を、検査対象用の信号処理部4に算出させる。また、検査対象無線部から、検査基準無線部へと信号を送出して、検査対象無線部の下り位相差を、検査基準となった信号処理部4に算出させる。
【0061】
また、制御部5は、このループバック検査の際、検査対象用となった信号処理部4と、検査基準となった信号処理部4とに、その処理精度を高める(信号の分解能を細かくする)よう指示してもよい。このように、信号処理精度を、ループバック検査が実行されるときと、ループバック検査が実行されないときとで異ならせることで、通常の送受信での処理負荷を抑えながら、ループバック検査の精度を高めることができる。
【0062】
さらに、このようにして得られた位相差等、伝達特性に関する情報を用い、その逆関数を演算して逆特性パラメータを求め、この逆特性パラメータに基づき、データを送信する際などにおける補償パラメータを決定する。これにより、通信品質を向上できる。
【0063】
また、ここまでの説明では、アンテナ1ごとに、それに対応する無線部2の検査を行う場合について説明したが、制御部5は、さらに検査対象無線部と、検査基準無線部との間で、複数のキャリア信号に係る信号を、送受信させ、アンテナ1ごと、かつキャリア信号ごとに、その上り位相差及び下り位相差などといった、その伝達特性を算出させるようにしてもよい。
【0064】
ここで示したループバック検査によると、従来行われてきたように、各アンテナ1からの出力信号を合成する場合と異なり、アンテナ1ごと(さらにはキャリア信号ごと)に、その伝達特性を検出でき、また不具合が発生したときに、当該不具合の発生した無線部2等の特定に資する情報を提供できる。
【0065】
なお、本実施の形態の通信装置は、ここで述べたような、時分割マルチキャリア方式の通信に限られるものではなく、複数のアンテナ、及びキャリア信号を用いる通信方式であれば、同様に適用できるものである。
【0066】
【発明の効果】
本発明によれば、変調方式を適応的に変更しながら送受信を行う場合の受信レベルの調整を簡易な構成で行い、処理負荷を低減でき、適応速度を十分なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る通信装置における、信号処理部4のプログラムの例を表す機能ブロック図である。
【図2】 本発明の実施の形態に係る通信装置の一例を表す構成ブロック図である。
【図3】 本発明の実施の形態に係る通信装置のもう一つの例を表す構成ブロック図である。
【図4】 時分割マルチキャリア方式の通信におけるフレーム構成の例を表す説明図である。
【図5】 従来の通信装置の例を表す構成ブロック図である。
【図6】 信号処理部4の処理の例を表す機能ブロック図である。
【符号の説明】
1 アンテナ、2 無線部、3,3′ パス制御部、4 信号処理部、5 制御部、6 切替スイッチ、21 無線信号処理部、22 ダウンコンバータ、23 アップコンバータ、41 フィードバック・ゲイン・コントロール部、42周波数オフセット推定部、43 タイミングオフセット推定部、44 受信信号補償部、45 送信パラメータ設定部、46 送信信号生成部、47 デコード部、48 エンコード部、51 スケーラ。

Claims (2)

  1. 互いに異なるダイナミックレンジで、受信信号の信号強度をそれぞれ検出する複数のパワーモニタ手段と、
    前記複数のパワーモニタ手段のうちの一つを第1パワーモニタ手段として選択し、当該第1パワーモニタ手段により検出される信号強度に基づき、受信信号レベルの補償処理を行う手段と、
    前記複数のパワーモニタ手段のうちの一つであって、前記第1パワーモニタ手段よりもダイナミックレンジの狭いパワーモニタ手段を、第2パワーモニタ手段として選択し、当該第2パワーモニタ手段により検出される信号強度に基づき、受信信号の周波数オフセット補償と、タイミングオフセット補償との少なくとも一方の処理を行う手段と、
    を含むことを特徴とする通信装置。
  2. 互いに異なるダイナミックレンジで、受信信号の信号強度をそれぞれ検出する複数のパワーモニタ手段を用い、
    前記複数のパワーモニタ手段のうちの一つを第1パワーモニタ手段として選択し、当該第1パワーモニタ手段により検出される信号強度に基づき、受信信号レベルの補償処理を行う工程と、
    前記複数のパワーモニタ手段のうちの一つであって、前記第1パワーモニタ手段よりもダイナミックレンジの狭いパワーモニタ手段を、第2パワーモニタ手段として選択し、当該第2パワーモニタ手段により検出される信号強度に基づき、受信信号の周波数オフセット補償と、タイミングオフセット補償との少なくとも一方の処理を行う工程と、
    を含むことを特徴とする通信方法。
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