JP4073707B2 - 単板積層材の製造方法およびその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベニヤドライヤによって乾燥されたベニヤ単板を仕組みコンベヤ上で任意枚数配列させて隣接する貼り合わせ位置で積層接着する単板積層材の製造方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ベニヤレースで切削されたベニヤ単板は、通常、一旦巻取られて巻玉状としてリーリングデッキ上で一旦貯留し、これを巻戻し位置まで移送して巻戻しながら、或いはそのまま、連続した状態でベニヤドライヤへ挿入され、ほぼ8〜12%の仕上がり含水率を目標として乾燥される。ベニヤドライヤによって乾燥されたベニヤ単板は、連続状のものにあっては、その繊維に交差する方向と繊維方向の長さの比を、ほぼ1:2となるように、切断機によって繊維方向とほぼ平行に定尺切断される。
【0003】
これら切断されたベニヤ単板は堆積され、合板工場内において複数個の堆積山として或時間養生されることになる。すなわち、ベニヤ単板は原木を切削して得られるのであるが、1本の原木においてもその表層から深層に至るまで、性状、含水率等が相違している。また、同種の原木であっても個々に、さらには原木の材種が相違すれば、含水率が多岐に渡ることになる。
【0004】
したがって、乾燥後のベニヤ単板であっても、各積層毎のベニヤ単板を堆積する堆積山によって仕上がり含水率が一定せず、含水率にバラツキがみられる。このように含水率にバラツキが発生していると、後工程のプレス工程において、接着不良の原因となる。また、単板積層材として製品化した後、含水率が表層に比べて裏層の方が高い場合、製品自体が下方に反るいわゆる下反り、逆に含水率が表層に比べて裏層の方が低い場合、製品自体が上方に反るいわゆる上反りの原因となる。これら不都合を解消するため、含水率のバラツキを是正して、少なくとも堆積山毎に含水率を平衡させるため、前記記載したように、合板工場内において複数個の堆積山として養生させることになる。
【0005】
合板工場の限られた設置面積内で、これら各板の種別毎の複数個の堆積山を、ほぼ野積み状態で或時間(平均1昼夜)養生管理することは、合板工場の機能上、限界があるものの各板の種別毎の堆積山を養生管理すれば、1つの堆積山内での含水率の均等化が図れ、平衡含水率は個別には或程度達成できる。
【0006】
また、本願出願人が提案したような、ベニヤドライヤによって乾燥されたベニヤ単板を仕組んで巻玉化し、予め、単板積層材とする各板間の平衡含水率化を図ることも可能である。本願発明者の実験による知見では、乾燥前のベニヤ単板、すなわち、原木から切削直後のベニヤ単板の巻取りに使用されている巻取りリール(φ165mm)を、乾燥後のベニヤ単板の巻取りにそのまま使用すると、その細い直径になじまず、繊維と平行する部分から割れ、巻取りリール自体に巻き付けることが不可能であった。特に、乾燥後に発生した、割れ目、切れ目等がベニヤ単板に存在すると、当該部分から列断することになる。したがって、好適には、巻取りリールの直径を300mm以上とすることにより、乾燥後のベニヤ単板の巻取りを良好としている。
【0007】
具体的には、乾燥後のベニヤ単板を表層と裏層となる2枚重ねの重合状態として仕組むコンベヤと、このコンベヤの下流位置に、回転可能に設置された大径の巻取りリールと、この巻取りリールの下面に位置して駆動を伝達する変速可能なドライブロールと、前記巻取りリールの長手方向へ任意間隔を置いて複数個設置された糸部材繰り入れ機構とを備えて、2枚重ねのベニヤ単板を一旦巻玉化することを可能としている。そして、この巻玉をリーリングデッキで或時間(平均1昼夜)養生管理して平衡含水率化している。
【0008】
そして、養生管理されたベニヤ単板は貼り合わせ位置へ供給されて所望の積層枚数の単板積層材が製造される。この単板積層材は、通常、ベニヤ単板の繊維方向を各層とも平行状態にして仕組まれるものである。仮に5層の単板積層材を積層接着させるには、その表層部から順に表板、中板、中芯板、中板、裏板、さらには9層単板積層材の場合には、その表層部から順に表板、中板、中芯板、中板、中芯板、中板、中芯板、中板、裏板によって構成される。この場合、中板の上下両面に接着剤を塗布して、貼り合わせ位置上で交互に積層されて接着される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、単板積層材の製品品目は多様化しており、その製品品目の変更は作業実態においてその都度行われるのであるが、積層枚数の変更において供給される中芯板の必要枚数を取り揃える必要がある。例えば、5層の単板積層材であれば、2枚重ねのベニヤ単板(表板と裏板)の他に中芯板が1枚必要となり、7層の単板積層材であれば、2枚重ねのベニヤ単板(表板と裏板)の他に中芯板が2枚必要となり、9層の単板積層材であれば、2枚重ねのベニヤ単板(表板と裏板)の他に中芯板が3枚必要となる。
【0010】
そこで、本発明は上記記載のような課題を解決すべく、ベニヤドライヤによって乾燥されたベニヤ単板を所望の単板積層材積層枚数となるように、仕組みコンベヤ上へベニヤ単板を任意枚数配列させることを目的としたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
このため、本発明の単板積層材の製造方法は、
仕組みコンベヤ上へ2枚重ねのベニヤ単板と1枚のベニヤ単板を積層すべき枚数に応じた配列で任意枚数搬送させ、仕組みコンベヤに隣接する貼り合わせ位置において、2枚重ねのベニヤ単板または1枚のベニヤ単板とその搬送方向と直交する方向からその上下両面に接着剤が塗布されたベニヤ単板を交互に供給させることを前提としている。
【0012】
また、前記仕組みコンベヤ上へ2枚重ねのベニヤ単板と1枚のベニヤ単板を搬入するため、好適には仕組みコンベヤの始端にそれぞれ各別に搬入する搬入コンベヤを連係している。そして、一方の搬入コンベヤには2枚重ねのベニヤ単板を搬送方向へ隣接した状態で順次載置し、他方の搬入コンベヤには1枚のベニヤ単板を搬送方向へ隣接した状態で順次載置する。これら各別の搬入コンベヤを間歇作動させることによって乾燥後のベニヤ単板を単板積層材積層枚数に応じた配列になるように仕組みコンベヤ上へ2枚重ねのベニヤ単板と1枚のベニヤ単板を搬入することになる。
【0013】
そして、各搬入コンベヤへ2枚重ねのベニヤ単板や1枚のベニヤ単板を供給するには、各種別毎の堆積山から人手によって或いは公知のベニヤ単板繰り出し機構によって載置させることも可能である。しかしながら、好適には、2枚重ねのベニヤ単板、或いは1枚のベニヤ単板を予めそれぞれ各別の大径の巻取りリールに糸部材と共に巻取った巻玉に対してその外周の一部に押し付け状態となった駆動案内帯によって巻き戻し、次いで折り返し案内部材によって折り返しながら前記搬入コンベヤ上へ搬入することによる。
【0014】
2枚重ねのベニヤ単板は単板積層材の表板と裏板であり、1枚のベニヤ単板は単板積層材の中芯板を構成しており、何れのベニヤ単板もその繊維方向は搬送方向と交差した状態となっている。そして、各搬入コンベヤは好適には巻玉からの巻き戻し作業に同期して回動し、また、いずれか一方の搬入コンベヤから仕組みコンベヤへ2枚重ねのベニヤ単板または1枚のベニヤ単板のいずれかが供給されるとき、他方の搬入コンベヤからのベニヤ単板の供給は停止されることになる。したがって、停止されている側の搬入コンベヤへは巻玉からベニヤ単板は巻き戻されない。
【0015】
そして、仕組みコンベヤ上へ供給される2枚重ねのベニヤ単板から次の2枚重ねのベニヤ単板を供給するまでに配列される1枚のベニヤ単板の隣接数によって単板積層材の積層数が決定される。すなわち、2枚重ねのベニヤ単板と1枚のベニヤ単板が交互に供給されれば5層の単板積層材、次の2枚重ねのベニヤ単板との間に1枚のベニヤ単板が隣接して2枚供給されれば7層の単板積層材となるように仕組まれる。すなわち、1枚のベニヤ単板の数が1枚増加する毎に9層、11層、…の単板積層材を得るように配列されることになる。
【0016】
また、仕組みコンベヤの終端には貼り合わせ位置が設定されている。そして、仕組みコンベヤ上を搬送されてきた2枚重ねのベニヤ単板または1枚のベニヤ単板をその配列順序にしたがってこの貼り合わせ位置に載置される。
【0017】
一方、仕組みコンベヤの搬送方向と直交する方向であって、この貼り合わせ位置に隣接して接着剤塗布装置を設置している。そして、貼り合わせ位置に仕組みコンベヤから2枚重ねのベニヤ単板または1枚のベニヤ単板が載置される毎に、その上にはその搬送方向と直交する方向から上下両面に接着剤を塗布したベニヤ単板が載置される。このとき、仕組みコンベヤ上を搬送されるベニヤ単板は繊維方向が搬送方向と交差する方向であり、一方、接着剤塗布装置へはその繊維方向を同一としてベニヤ単板が繰り出される。したがって、貼り合わせ位置で積層接着される上下面に接着剤が塗布されたベニヤ単板と、仕組みコンベヤから載置されるベニヤ単板の繊維方向は平行となっている。
【0023】
また、上記問題を解決するために本発明の単板積層材の製造装置は、
乾燥後の2枚重ねのベニヤ単板および/または1枚のベニヤ単板を搬送する仕組みコンベヤと、この仕組みコンベヤの始端位置に、2枚重ねのベニヤ単板を仕組みコンベヤ上へ搬入する搬入コンベヤの終端と、1枚のベニヤ単板を仕組みコンベヤ上へ搬入する搬入コンベヤの終端とをそれぞれ連係すると共に、前記仕組みコンベヤの終端位置に配置された2枚重ねのベニヤ単板または1枚のベニヤ単板と接着剤が塗布されたベニヤ単板とを交互に重合させる貼り合わせ位置と、前記仕組みコンベヤの搬送方向に直交する方向であって、前記貼り合わせ位置に隣接してベニヤ単板に接着剤を塗布する接着剤塗布装置とを備えたことを前提とする。
【0024】
前記搬入コンベヤの一方の始端側には、乾燥後の2枚重ねのベニヤ単板を搬入コンベヤ上へ繰り出す繰り出し機構が設置されている。これは乾燥後の2枚重ねのベニヤ単板をその堆積山から人手或いは公知の繰り出し機構によって搬入コンベヤへ繰り出すものである。しかしながら、好適には、乾燥後の2枚重ねのベニヤ単板が糸部材と共に巻取られた巻玉の外周の一部に押し付け状態とした駆動案内帯と、この駆動案内帯によって巻き戻された2枚重ねのベニヤ単板を折り返しながら搬送する巻き戻し案内部材とが少なくとも備えられた繰り出し機構を採用するのが好ましい。
【0025】
また同様に、前記搬入コンベヤの他方の始端側には、乾燥後の1枚のベニヤ単板を搬入コンベヤ上へ繰り出す繰り出し機構が設置されている。これは乾燥後のベニヤ単板をその堆積山から人手或いは公知の繰り出し機構によって搬入コンベヤへ繰り出すものである。しかしながら、好適には、乾燥後の1枚のベニヤ単板が糸部材と共に巻取られた巻玉の外周の一部に押し付け状態とした駆動案内帯と、この駆動案内帯によって巻き戻された1枚のベニヤ単板を折り返しながら搬送する巻き戻し案内部材とが少なくとも備えられた繰り出し機構を採用するのが好ましい。
【0026】
そして、搬入コンベヤの各原動機には一方を駆動させるとき他方を駆動停止させる切り換え駆動制御器と、各搬入コンベヤへ2枚重ねのベニヤ単板または1枚のベニヤ単板を巻き戻す各駆動案内帯を同調して駆動制御する同調制御器とを少なくとも備えている。したがって、各搬入コンベヤには2枚重ねのベニヤ単板または1枚のベニヤ単板が搬送方向へ隣接した状態で整然と配列することが可能となる。
【0027】
さらに、仕組みコンベヤ上を搬送される2枚重ねのベニヤ単板は表板と裏板として構成され、また、1枚のベニヤ単板は中芯板として構成されている。そして、2枚重ねのベニヤ単板と次の2枚重ねのベニヤ単板を供給するまでに配列される1枚のベニヤ単板の隣接数によって単板積層材の積層数を決定している単板積層材積層枚数設定器に前記切り換え駆動制御器を少なくとも連係させている。
【0028】
前記仕組みコンベヤの搬送方向と直交する方向であって、前記貼り合わせ位置に隣接してベニヤ単板の上下面に接着剤を塗布する接着剤塗布装置が少なくとも備えられ、前記仕組みコンベヤ上を搬送されるベニヤ単板の繊維方向と交差した繊維方向のベニヤ単板に接着剤を塗布している。そして、2枚重ねのベニヤ単板および/または1枚のベニヤ単板と接着剤が塗布されたベニヤ単板は交互に貼り合わせ位置に供給され、単板積層材に仕組まれることになる。
【0031】
前記接着剤塗布装置は、好適には、互いに逆方向に回転してベニヤ単板に接着剤を塗布しながら前方へ繰り出す上下一対の塗布ロールと、前記塗布ロールに接触する位置とその周面から離間した位置のいずれかに変位し、前記ベニヤ単板の挿入方向と交差する方向の長さを少なくとも有するブレードと、前記ブレードの先端部を前記塗布ロールの長手方向の周面に亘って接触する位置とその周面から離間した位置に変位させる変位機構とを少なくとも備えて構成される。
【0032】
このブレードは塗布ロールに対して接着剤の塗布量を規制するドクターロールがベニヤ単板の挿入側に位置していれば、上下一対の塗布ロールのいずれか一方のベニヤ単板挿入側に位置している。そして、その塗布ロールの周面に接触する位置に変位したときに、周面全域に亘ってベニヤ単板に塗布するために塗布ロールに転写された接着剤を除去する
【0033】
前記ブレードは、塗布ロールに対して接着剤の塗布量を規制するドクターロールがベニヤ単板の搬出側に位置していれば、前記上下一対の塗布ロールのいずれか一方のベニヤ単板搬出側に位置している。そして、その塗布ロールの周面に接触する位置に変位したときに、周面全域に亘ってベニヤ単板に塗布するために転写された接着剤を除去する。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
まず、乾燥後のベニヤ単板を一旦巻取って巻玉化したものを、巻戻しながら仕組む場合につき、図1ないし図2に基づいて説明する。
定尺状の乾燥後の1枚を単一(中芯板)としたベニヤ単板1が巻取られた巻玉2は、ベニヤ単板巻戻し位置3において、巻取りリール4の両端の軸受部分がリール受5に回転可能に支持されている。この巻玉3の下方には支持軸6が軸受けされており、この支持軸6の軸方向へ任意間隔を置いて大径の基端部プーリ7を複数個取り付けている。各基端部プーリ7の支持軸6上の両側には、一対の支持腕が各々回転可能に支持されており、この一対の支持腕の先端間隔内に小径の先端部プーリ8を各々回転可能に支持している。各大径の基端部プーリ7と各小径の先端部プーリ8間に駆動案内帯9を各々掛け渡し、支持軸6を支点として先端部プーリ8を巻玉2方向へ旋回させることによって、各駆動案内帯9を巻玉2の外周下部へ押し付けている。駆動案内帯9を図1中反時計方向へ回動させると、巻玉2と駆動案内帯9との摩擦力によってベニヤ単板1は巻戻される。巻戻されたベニヤ単板1は駆動案内帯9上に移乗された状態で折り返し案内部材10へ至り、搬送方向をZ字状に折り返され、搬入コンベヤ11上に至る。
【0035】
このとき、ベニヤ単板1は矩形状に1枚毎に切断されて巻取りリール4の軸芯方向とその繊維方向を平行に巻取られている。すなわち、巻取りリール4の軸芯方向には任意間隔を置いて複数列の糸部材(図示せず)をガイドとしてベニヤ単板1が巻取られており、上述のようにベニヤ単板1を巻き戻すに際しては、ガイドとして巻き付けられた糸部材を回収しながら、巻戻されることになる。
【0036】
ベニヤ単板1はその繊維方向を搬送方向と交差した状態で搬入コンベヤ11上を搬送され、搬入コンベヤ11と平行に設置された位置規制手段12によって搬送途上に位置規制されることになる。この位置規制手段12は、搬入コンベヤ11の搬送方向の一側に搬入コンベヤ11と平行に垂直状の第1規制ベルト13を設置し、他側に、搬送途上のベニヤ単板1の側部を押圧する押圧体を備えたものである。この押圧体は、ベニヤ単板1の搬送方向と交差する側部を押圧して第1規制ベルト13側へ寄せて位置規制をするものである。押圧手段としては、流体動によって搬送方向と交差する方向へ進退させたり、図示例のように、搬入コンベヤ11の搬送方向と平行に設置された垂直状の第2規制ベルト14の間隔内に偏心輪15を軸受し、偏心輪15を回転させることによる。偏心輪15の回転によって、第2規制ベルト14面は搬送方向と交差する方向へ移動し、ベニヤ単板1はその搬送方向の一側を第2規制ベルト14面へ押し当てられ、搬送方向と同方向で回動する第一規制ベルト13によって位置規制されることになる。
【0037】
一方、前記ベニヤ単板巻戻し位置3の上方または下方においては、定尺状の乾燥後の2枚重ね(表板と裏板)のベニヤ単板1を巻取った巻玉2が、上述した単一のベニヤ単板を巻取った巻玉2と同様に、巻取りリール4の両端の軸受部分がリール受5に回転可能に支持されている。なお、図示の形態ではこの2枚重ねのベニヤ単板1を巻取った巻玉2は下方に位置している。そして、上記記載と同様の搬入コンベヤ11、この搬入コンベヤ11と平行に設置された位置規制手段12を、上下2段となるように各々個別に設置することになる。
【0038】
前記各搬入コンベヤ11は終端部において仕組みコンベヤ19に接続されることになる。このとき、搬入コンベヤと仕組みコンベヤ19の始端と前記搬入コンベヤの終端は互いに入り組んだ状態に設置され、各々単独に回動可能に設定されている。そして、この仕組みコンベヤ19の始端には、上段の搬入コンベヤ11の終端よりベニヤ単板1(中芯板)を案内する案内コンベヤ20を設置している。この案内コンベヤ20は、搬送方向へ向かって下り勾配を有しており、その先端部は仕組みコンベヤ19の搬送面へ接近した状態に維持されている。
【0039】
そして、各搬入コンベヤ11は好適には巻玉2からの巻き戻し作業に同期して回動し、また、いずれか一方の搬入コンベヤ11から仕組みコンベヤ19へ2枚重ねのベニヤ単板または1枚のベニヤ単板のいずれかが供給されるとき、他方の搬入コンベヤ11からのベニヤ単板1の供給は停止されることになる。したがって、停止されている側の搬入コンベヤ11へは巻玉2からベニヤ単板1は巻き戻されない。また、この仕組みコンベヤ19の搬送方向に隣接してベニヤ単板1を貼り合わせる貼り合わせ位置21が設置されている。
【0040】
一方、仕組みコンベヤ19の搬送方向と直交する方向であって、この貼り合わせ位置21に隣接して接着剤塗布装置22を設置している。そして、貼り合わせ位置21に仕組みコンベヤ19から2枚重ねのベニヤ単板または1枚のベニヤ単板が載置される毎に、その上にはその搬送方向と直交する方向から上下両面に接着剤を塗布したベニヤ単板が載置される。このとき、仕組みコンベヤ19上を搬送されるベニヤ単板は繊維方向が搬送方向と交差する方向であり、一方、接着剤塗布装置22へはその繊維方向を同一としてベニヤ単板が繰り出される。したがって、貼り合わせ位置21で積層接着される上下面に接着剤が塗布されたベニヤ単板と、仕組みコンベヤ19から載置されるベニヤ単板の繊維方向は平行となっている。
【0041】
次に、この実施例における制御系統手段を図3に基づいて説明する。前記仕組みコンベヤ19の搬送方向の下流側の上方には2枚重ね(表板と裏板)または単一の1枚のベニヤ単板1の前端を検出するため、接触式、或いは透過型、反射型等の非接触式の第1検出器30が設置されている。また、前記上段の搬入コンベア11の搬送方向の下流側の上方には単一の1枚のベニヤ単板1の前端を検出するため、上記記載と同様の第2検出器31が設置されている。また、下段の搬入コンベヤ11の搬送方向の下流側の上方には2枚重ね(表板と裏板)のベニヤ単板1の前端を検出するため、上記記載と同様の非接触式の第3検出器32が設置されている。
【0042】
駆動制御器33には、前記仕組みコンベヤ19の距離Kを設定した距離設定器34が接続され、パルス発信器35からのパルス量読み込みによって、距離K分のパルス量として捉えている。また、駆動制御器33には単板積層材23の積層枚数を何層にするかを決定する単板積層材積層枚数設定器36が接続され、仕組みコンベヤ19上へ供給される2枚重ねの(表板と裏板)ベニヤ単板1から次の2枚重ねのベニヤ単板1を供給するまでに配列される単一の1枚のベニヤ単板1の隣接して供給される枚数が決定される。
【0043】
そして、前記案内コンベヤ20上を搬送される単一の1枚のベニヤ単板1、搬入コンベヤ11上を搬送される2枚重ねのベニヤ単板1(表板と裏板)の前端部分を前記第2、3検出器31,32がそれぞれ検出したとき、この検出指令を駆動制御器33へ発信する。駆動制御器33内には複数の記憶素子が内蔵され、その記憶素子の1つに上記検出指令が書き込まれる。また、仕組みコンベヤ19上に設置された第1検出器30は未だベニヤ単板1が検出されていないとき、まず、上段の巻き戻し制御器37へ巻き戻し禁止指令を発信して、上段の巻き戻し位置3の駆動案内帯9の原動機の駆動を停止させる。
【0044】
下段の巻き戻し位置3の駆動案内帯9は継続駆動されることによって2枚重ねのベニヤ単板1(表板と裏板)が引き続き巻き戻され、検出された2枚重ねのベニヤ単板1(表板と裏板)は搬入コンベヤ11から仕組みコンベヤ19上へ移乗される。この移乗時、第3検出器32が2枚重ねのベニヤ単板1(表板と裏板)の後端を検出して上段の巻き戻し制御器37への巻き戻し禁止指令を解除して、上段の巻き戻し位置3の駆動案内帯9の原動機の駆動を起動させる。これに同期して下段の巻き戻し制御器38へ巻き戻し禁止指令を発信して、下段の巻き戻し位置3の駆動案内帯9の原動機の駆動を停止させる。この下段の巻き戻し制御器38への巻き戻し禁止指令は、単板積層材積層枚数設定器36にて設定された積層数を構成するだけの中芯板、すなわち単一のベニヤ単板枚数が案内コンベヤ20から仕組みコンベヤ19へ移乗される間継続される。
【0045】
具体的には、5層単板積層材であれば2枚重ね(表板と裏板)と単一の1枚のベニヤ単板1は交互に隣接した状態で配列される。また、7層単板積層材であれば2枚重ね(表板と裏板)のベニヤ単板の次には単一の1枚のベニヤ単板1が2枚、さらに、9層単板積層材であれば2枚重ね(表板と裏板)のベニヤ単板の次には単一の1枚のベニヤ単板1が3枚隣接した状態で配列される。
【0046】
このため、単板積層材積層枚数設定器36から仮に9層単板積層材の構成枚数が設定されていれば、第2検出器が単一のベニヤ単板1の後端を3回検出したときに、下段の巻き戻し制御器38への巻き戻し禁止指令を解除して、下段の巻き戻し位置3の駆動案内帯9の原動機の駆動を起動させる。これに同期して上段の巻き戻し制御器37へ巻き戻し禁止指令を発信して、上段の巻き戻し位置3の駆動案内帯9の原動機の駆動を停止させる。
【0047】
そして、2枚重ねのベニヤ単板1(表板と裏板)が仕組みコンベヤ19上を距離K搬送され、これを当該記憶素子がパルス量のカウントアップによって検出するとき、当該記憶素子をリセットする。次いで、隣接する貼り合わせ位置21上へこの2枚重ねのベニヤ単板1(表板と裏板)が繰り出されるとき、その後端が前記第1検出器30によって検出される。この検出指令に伴って、この貼り合わせ位置21に隣接して配置された接着剤塗布装置22を作動させ、貼り合わせ位置21(図1参照)上へベニヤ単板(中板)の上下面へ接着剤を塗布させて供給させるものである。
【0048】
次に、好適なベニヤ単板1の貼り合わせの一形態を以下に詳述する。図4及び図5において、ベニヤ単板(中板)の上下両面に接着剤を塗布するロール式の接着剤塗布装置22は、互いに逆方向に回転する上下一対の塗布ロール53、54と、この上下一対の塗布ロール53、54に対して水平方向に進退してその塗布量を規制する上下一対のドクターロール55、56によって構成されている。ベニヤ単板(中板)がその繊維方向を平行として前記塗布ロール53、54間に挿入されると、その上下両面に塗布ロール53、54とドクターロール55、56によって形成された貯留部からの接着剤が塗布される。
【0049】
そして、前記貼り合わせ位置21にはベニヤ単板(中板)の貼り合わせ高さに応じてその上面高さが所定の高さに維持される昇降装置58と、ベニヤ単板(中板)の前後部の位置を規制するためにベニヤ単板(中板)の繰り出し方向の前後に設置された前縁部59と後縁部60とから構成されている。なお、この後縁部60の上部は繰り出されたベニヤ単板(中板)の後端を円滑に受け入れるため、好ましくは湾曲状に形成されている。
【0050】
前記貼り合わせ位置21の下流位置に隣接して左右一対の機枠61が設置され、この機枠61の前後部に回転可能に支持されたプーリ62、63間に各々タイミングベルト64が掛け渡されている。図6に示すように、この一対のタイミングベルト64は連結軸65によって同調されており、減速機付きモータ66の正逆動に伴って前後回動されると共に、この回動量はモータ66に内蔵されるパルス発信器によって制御されている。
【0051】
一対のタイミングベルト64の上下の軌道間隔内に搬送方向と平行に敷設されたリニヤウエイ67上に、前記タイミングベルト64に取り付けられたリニヤブロック68を各々載置している。各リニヤブロック68間に搬送方向と直交する方向に亘って走行体69を取り付け、この走行体69に移動方向と交差する方向の両側に移動梁70を一対突出させた状態で設置している。各移動梁70はその突出端において連結体71によって連結され、この連結体71の前端部に、ベニヤ単板(中板)の繰り出し方向と交差する方向に複数個の支持体72を取り付ける。
【0052】
この支持体72は、ベニヤ単板(中板)を支受けするための受け取り面が傾斜面又は湾曲面状に形成され、望ましくは、その移動方向と平行する断面形状を三角形状に形成されている。特に、移動梁70は片持ち状に突出した状態で移動する構造のため、先端に取り付けられた支持体72を三角形状の折曲げ加工として軽量化を図ることもある。ベニヤ単板(中板)が接着剤塗布装置22によって前方へ繰り出されるとき、前方への繰り出し量が多少相違しても繰り出し方向にある長さ形成された支持体72の傾斜面又は湾曲面に、ベニヤ単板(中板)の前端部が一旦受け止められ、そのまま支持されることになる。
【0053】
前記減速機付きモータ66を駆動させてタイミングベルト64を正転させると、リニヤブロック68はリニヤウエイ67上を摺動して前記貼り合わせ位置21方向へ移動を開始する。そして、リニヤブロック68に取り付けられている走行体69が前進限に至るとき、前記支持体72は貼り合わせ位置21の上方において待機位置に至る。この走行体69の移動量はモータ66に内蔵されるパルス発信器によってパルス量として捉えられている。
【0054】
なお、支持体72の移動は上記の形態の他、図7に示すように、前記機枠61の中間枠73に左右一対の流体シリンダ74を設置し、そのピストンロッド75の先端を前記連結体71に取り付けて流耐圧によって制御することも可能である。また、同様に、図8に示すように、前記機枠61の中間枠73に減速機付きモータ76を設置して、このモータ76に軸着したピニオン77を前記移動梁70の下面に刻設されたラックギヤ78に歯合させるとともに、補助ロール79と補助ピニオン80によって移動梁70を規制し、モータ76の正逆転動によって前記支持体72を移動制御することも可能である。
【0055】
また、各支持体72のいずれかの間隔内には、ベニヤ単板(中板)の前端部を停止させる停止体81が設置されている。この停止体81によって、貼り合わせ位置21上に至ったベニヤ単板(中板)の後端を前記後縁部60側へ当接させて、ベニヤ単板(中板)の位置決め堆積を可能としている。図9に示すように、前記連結体71の両側近傍位置には、前記支持体72の移動方向と平行に流体シリンダ82を設置し、そのピストンロッド83の前端に取り付けられた停止体81を、図9(c)に示すように、ピストンロッド83の伸長時に支持体72の前端より突出させた位置へ、また、図9(b)に示すように、ピストンロッド83の縮小時に支持体72の前端より引っ込ませた位置へ変位可能としている。
【0056】
ベニヤ単板(中板)はその前端のみを支持体72によって支持され、その中間域から後端にかけて一対の塗布ロール53、54によって支持されているが、ベニヤ単板(中板)が一対の塗布ロール53、54間から完全に繰り出されるとき、その後端は自由端となる。このとき、繰り出し時の慣性によって、ベニヤ単板(中板)は支持体72の移動速度に追随しようとするが、ベニヤ単板(中板)の自重により支持体72の移動速度に追従しない場合も発生する。この場合、一対の塗布ロール53、54と貼り合わせ位置21の間隔内に、ベニヤ単板の繰り出し方向と交差する方向に任意間隔を置いて、ベニヤ単板の後端を支持してベニヤ単板(中板)を貼り合わせ位置21上へ至らせることも可能である。
【0057】
具体的には、図4及び図5に示すように、一対の塗布ロール53、54のうち下方のロール54に近接して設置され、チエン、ベルトあるいはワイヤ等が巻掛けされた無端帯87をベニヤ単板の繰り出し方向と交差する方向に任意間隔を置いて多列に構成する。そして、支持体72にその前端が支持されて移動するベニヤ単板(中板)の後端をこれらの無端帯87に支持させ、これらの無端帯87をベニヤ単板の繰り出し速度とほぼ同速度で回動させることにより、ベニヤ単板(中板)を貼り合わせ位置21上へ至らせるものである。
【0058】
また、上記無端帯87に代替して、繰り出されるベニヤ単板(中板)の幅分に相当する噴射体88をベニヤ単板の繰り出し方向と交差して設置し、この噴射体88の上部にその長手方向に亘って任意間隔を置いて複数個のノズル89を形成した形態とすることも可能である。そして、この噴射体88の一端に導通されたエヤー源から圧縮空気を供給し、一対の塗布ロール53、54から繰り出されたベニヤ単板(中板)の後端を複数個のノズル89から噴出される圧縮空気によって支持することにより、ベニヤ単板(中板)を浮遊させながら貼り合わせ位置21上へ至らせるものである。
【0059】
貼り合わせ位置21上において、接着剤がその上下両面に塗布されたベニヤ単板(中板)上に単板積層材23を構成すべき2枚重ねのベニヤ単板(表板、裏板)、または単一の1枚のベニヤ単板(中芯板)を供給することになる。この場合、貼り合わせ位置21上まで仕組みコンベヤ19を往復動可能とする形態としても良い。
【0060】
具体的には、貼り合わせ位置21の左右の両外方に、適宜支持台を介してスライドレールあるいは図示例のようなリニヤウェイ等の移動部材91を各々傾斜状態で敷設し、各移動部材91上に前後に任意間隔を置いてリニヤブロック92を載架する。そして、各リニヤブロック92上には傾斜可動枠93をそれぞれ取り付け、また、一対の傾斜可動枠93の前部に前部可動プーリ94を突出して支承させる。一方この前部可動プーリ94の後方位置において、垂直方向へ移動可能とした後部可動プーリ95を回転自在に支承している。
【0061】
すなわち、垂直面内においても垂直線上にスライドレールあるいはリニヤウェイ等の移動部材96を垂直方向にそれぞれ敷設し、この移動部材96上に上下に任意間隔を置いてリニヤブロック97を載架する。そして、これらリニヤブロック97の上部と下部を、一対の補助固定プーリ98、99間隔内の垂直線上に位置するように、垂直可動枠100をそれぞれ取り付け、また、一対の垂直可動枠100の上部に後部可動プーリ95を突出して支承させる。
【0062】
これら前部可動プーリ94、固定プーリ101、一対の補助固定プーリ98、99、後部可動プーリ95間にはベルト102を無端状に、且つバランスウエイト、タイナープーリ等(図示せず)を介して緊張状態に掛け渡している。そして、無端状に掛け渡されたベルト102にモータ(図示せず)を接続して、ベルト102に駆動、減速、停止等の制御を付与し、傾斜可動枠93が図4及び図10の実線位置から二点鎖線位置まで傾斜上の距離L伸長するとき、垂直可動枠50を同図の実線位置から二点鎖線位置まで垂直上の距離L伸長させる。すなわち、この仕組み単板コンベヤの傾斜可動プーリ94伸長時に、ベルト102上に重合された表板と裏板とを貼り合わせ位置21上に供給し、また、傾斜可動プーリ93縮小時(垂直可動プーリ100縮小時)に、ベルト102上に2枚重ねのベニヤ単板(表板、裏板)、または単一の1枚のベニヤ単板(中芯板)を載置させるものである。
【0063】
次に、一対の塗布ロール53、54から繰り出されるベニヤ単板(中板)の堆積工程を図11を参照して時系列的に説明する。まず、S10において支持体72が貼り合わせ位置21上の所定の待機位置に待機しているか否かを判断し、肯定判断であればS20へ進んでベニヤ単板(中板)を一対の塗布ロール53、54間へ挿入し、否定判断であればS10へ戻る。S30において、一対の塗布ロール53、54間から繰り出され始めたベニヤ単板(中板)の先端が、待機する支持体72の近傍位置の上方に配置された第4検知器103(図4参照;例えば、光電管等よりなる非接触式の検出器)によって検知されたか否かを判断する。肯定判断であれば、S40において、支持体72を待機位置からベニヤ単板(中板)の繰り出し方向へその繰り出し速度とほぼ同速度で移動(後退)させる。また、否定判断であれば、S30へ戻り、第4検知器の出力の読み込みを継続する。
【0064】
続くS50において、一対の塗布ロール53、54間から完全に繰り出されたベニヤ単板(中板)の後端が、一対の塗布ロール53、54の近傍位置の上方に配置された第5検知器104(図4参照)によって検知されたか否かを判断する。肯定判断であれば、S60に進んで支持体72の移動(後退)速度を減速させ、また、否定判断であれば、S50へ戻り、第5検知器104の出力の読み込みを継続する。S70に進んで、繰り出されたベニヤ単板(中板)の後端が、貼り合わせ位置21の後縁部60上に至ったか否かを、後縁部60の近傍位置の上方に配置された第6検知器105(図4参照)によって判断する。肯定判断であれば、S80に進んで、支持体72の移動方向と平行に設置された流体シリンダ82のピストンロッド83を伸長させ、前端に取り付けられた停止体81を支持体72より突出させ、ベニヤ単板(中板)の前端に当接させてベニヤ単板(中板)を貼り合わせ位置21の前縁部59と後縁部60間に載置させる。
【0065】
なお、繰り出されたベニヤ単板(中板)の後端が貼り合わせ位置21の後縁部60上に至ったか否かは、前記第3検知器32によって検知する他、支持体72を移動制御している走行体69の移動量をパルス量として捉え、支持体72の移動量が所定のパルス量にいたるときとすることも可能である。
【0066】
また、単板積層材23を製造するに際しては上述の形態の他、下記の形態とすることも可能である。すなわち、単板積層材23を構成する各層の材質、材厚等を同一仕様としても良く、例えば表板と裏板と他の層材と峻別をする必然性がない場合には、仕組みコンベヤ19上へ搬送するベニヤ単板を1枚ずつ隣接供給すれば足りる。この制御系統は図12のように示される。
【0067】
前記仕組みコンベヤ19の搬送方向の下流側の上方には、単一の1枚のベニヤ単板1の前端を検出するため、上述と同様の非接触式の第1検出器30が設置されている。駆動制御器33には、単板積層材23の積層枚数を何層にするかを決定する単板積層材積層枚数設定器36が接続されている。そして、仕組みコンベヤ19上に設置された第1検出器30に未だベニヤ単板1が検出されていないとき、巻き戻し位置3の駆動案内帯9を継続駆動することによってベニヤ単板1が引き続き巻き戻され、搬入コンベヤ11から仕組みコンベヤ19上へ移乗される。次いで、仕組みコンベヤ19上から隣接する貼り合わせ位置21へ供給される単一の1枚のベニヤ単板1の前端を前記第1検出器30が検出したとき、この検出指令を駆動制御器33へ発信する。駆動制御器33内に内蔵された記憶素子に上記検出指令が書き込まれ、前記単板積層材積層枚数設定器36に設定された積層枚数に該当する中芯板枚数がカウントアップされたときにリセットされる。
【0068】
一方、貼り合わせ位置21に移乗されたベニヤ単板1上には、仕組みコンベヤ19の搬送方向と直交する延長線上に位置する接着剤塗布装置22からその上下面に接着剤が塗布されたベニヤ単板(中板)1が重合される。この重合作業中、例えば、第1検出器30がベニヤ単板1の後端を検出して遅延回路を経由させることにより任意時間だけ、若しくはベニヤ単板(中板)1が貼り合わせ位置21へ到達したことを上述と同様の検出器によって検出するまで、巻き戻し制御器39へ巻き戻し禁止指令を発信して、巻き戻し位置3の駆動案内帯9の原動機の駆動を停止させる。
【0069】
具体的には、単板積層材積層枚数設定器36に設定された積層枚数が奇数枚数、例えば5層であれば第1検出器30が仕組みコンベヤ19上を搬送されるベニヤ単板1を3枚カウントしたときに、接着剤塗布装置22によってベニヤ単板の上面にのみ接着剤を塗布させる。したがって、接着剤塗布装置22を通過する2枚までのベニヤ単板は、その2層目と4層目は中板として使用される。そして、次の5層の単板積層材の1層目(最下層)となるベニヤ単板は仕組みコンベヤ19上から搬送され、再び仕組みコンベヤ19上を搬送されるベニヤ単板1を3枚カウントしたときに、接着剤塗布装置22によってベニヤ単板の上面にのみ接着剤を塗布させる(図19参照)。このとき、仕組みコンベヤ19上を搬送されるベニヤ単板1と接着剤塗布装置22を通過させるベニヤ単板を交互に貼り合わせ位置21へ供給させるのであれば、図19の上部に示すように、最下層となるベニヤ単板の上面にのみ接着剤が塗布され、このベニヤ単板は表板或いは裏板に相当することになる。また、7層であれば第1検出器30が仕組みコンベヤ19上を搬送されるベニヤ単板1を4枚カウントしたときに、接着剤塗布装置22によってベニヤ単板の上面にのみ接着剤を塗布させる(図20参照)。したがって、接着剤塗布装置22を通過する3枚までのベニヤ単板は、その2層目と4層目と6層目は中板として使用される。このとき、仕組みコンベヤ19上を搬送されるベニヤ単板1と接着剤塗布装置22を通過させるベニヤ単板を交互に貼り合わせ位置21へ供給させるのであれば、図20の上部に示すように、最下層となるベニヤ単板の上面にのみ接着剤が塗布され、このベニヤ単板は表板或いは裏板に相当することになる。
【0070】
逆に、単板積層材積層枚数設定器36に設定された積層枚数が偶数枚数、例えば6層であれば、第1検出器30が仕組みコンベヤ19上を搬送されるベニヤ単板1を3枚カウントしたときに、接着剤塗布装置22によってベニヤ単板(中板)の下面にのみ接着剤を塗布させる(図21参照)。したがって、接着剤塗布装置22を通過する2枚までのベニヤ単板は、その2層目と4層目は中板として使用され、3番目の下面にのみ接着剤が塗布されるベニヤ単板は表板或いは裏板に相当することになる。また、8層であれば第1検出器30がベニヤ単板1を4枚カウントしたときに、接着剤塗布装置22によってベニヤ単板(中板)の下面にのみ接着剤を塗布させる(図22参照)。したがって、接着剤塗布装置22を通過する3枚までのベニヤ単板は、その2層目と4層目と6層目は中板として使用され、4番目の下面にのみ接着剤が塗布されるベニヤ単板は表板或いは裏板に相当することになる。このため、接着剤塗布装置22はベニヤ単板(中板)の上面および/または下面に接着剤を塗布させる機能を有するものが好適である。
【0071】
次に好適な形態の接着剤塗布装置22の一形態を以下に詳述する。図13及び図14において、ベニヤ単板1の上下両面に接着剤を塗布するロール式の接着剤塗布装置22は、図14に示す矢符方向へ互いに逆方向に回転する上下一対の塗布ロール203、204と、この上下一対の塗布ロール203、204に対して水平方向に進退可能な上下一対のドクターロール205、206によって構成されている。そして、塗布ロール203、204とドクターロール205、206によって形成された上部には、その長手方向の両端部を堰板によって囲われた貯留部207に接着剤が貯留されており、ドクターロール205、206の前進量によって規制された接着剤の塗布量208が塗布ロール203、204の長手方向の周面全域に亘って転写される。ベニヤ単板1がその繊維方向を平行として前記塗布ロール203、204間に挿入されると、塗布ロール203、204に一旦転写された塗布量208がベニヤ単板1の上下両面に塗布される。
【0072】
そして、前記塗布ロール203、204のいずれか一方(図14、図15の実施例においては下方の塗布ロール204)にはその先端部がこの塗布ロール204の長手方向の周面に接触する位置と、その周面から離間した位置のいずれかの位置に接触・離間可能に変位するブレード209が設置されている。このブレード209の長さはベニヤ単板1の挿入方向と交差する方向の長さを少なくとも有しており、前記接着剤の貯留部207からドクターロール206の前進量によって規制され、塗布ロール204に転写された塗布量208を塗布ロール204に接触することによって除去するものである。
【0073】
図示例では、このブレード209は下方の塗布ロール204側に設置されているが、これはブレード209によって掻き取られ、除去された接着剤が下方に位置する貯留部207へそのまま流下することになり、接着剤の貯留部207への回収に有利であることに起因している。しかしながら、ブレード209によって掻き取られた接着剤を回収する機構を設置すれば、上方の塗布ロール203側にブレード209を設置することも可能である。
【0074】
このブレード209は、図14に示すように、ベニヤ単板1の挿入側に位置しており、前記ドクターロール206の長手方向の両端部延長方向上に設置された一対の機枠210に支持体211をそれぞれ枢支状態に支持している。即ち、一対の支持体211の先端部には案内棒212の両端部を、また一対の支持体211の後端部には変位機構213を設置する。そして、前記案内棒212は前記塗布ロール204の軸方向とほぼ平行に支持体211に取り付けられ、この案内棒212に取り付けられた取付体214に前記塗布ロール204の軸方向とほぼ平行なブレード209を取り付ける。
【0075】
好適には、ブレード209はその先端が線状態から面状態に変形し得る弾性素材によって構成されていれば、仮に、両端部分が軸受された塗布ロール204に自重による撓みが発生していたり、塗布ロール204自体に構造上に多少の歪みがあったとしても、それらの撓みや歪みに倣ってブレード209の先端部が塗布ロール204の長手方向の周面に接触し得ることになる。
【0076】
また、塗布ロール204の上述した撓みや歪みに対応するため、ブレード209の先端に切り欠きを設けることによってブレード209の先端と塗布ロール204の長手方向の周面との良好な接触を図ることができる。この場合、例えば図16に示すように、ブレード209にその先端側から基端側に向けて任意幅のスリット状の切り欠き215を塗布ロール204の長手方向に亘って任意間隔を置いて複数個形成させるものである。このようにすれば、塗布ロール204の長手方向の周面にブレード209が接触するとき、先端部がスリット状の切り欠き215によってそれぞれ分断された状態であるので、塗布ロール204の撓み、歪みに対して個々単独に倣って接触することができることになる。
【0077】
また図17に示すように、ブレード209を塗布ロール204の長手方向に亘って複数個分割されて並んだ状態で設置し、塗布ロール204に別個独立に接触し得る構成としても、上述と同様にブレードの先端と塗布ロールの長手方向の周面との良好な接触を図ることができる。そして、ブレード209の先端部が塗布ロール204の長手方向の周面に接触するとき、塗布ロール204に転写された接着剤の塗布量208が塗布ロール204の周面から順次掻き取られて除去され、接着剤の貯留部へ戻される。
【0078】
一方、前記変位機構213は、前記ブレード209を支持する支持体211の後端に流体シリンダ216のピストンロッド217を取り付けている。そして、ピストンロッド217の伸長時に支持体211の支点部218を支点として、ブレード209の先端部を下方へ旋回させて塗布ロール204の周面に接触させ、ピストンロッド217の縮小時に塗布ロール204の周面からブレード209の先端を旋回させながら離間させる。
【0079】
また、前記ブレード209の塗布ロール204に対する設置位置としては、上述した態様であればベニヤ単板1の挿入側225に位置し、ドクターロール206によって転写された接着剤の塗布量208を除去すべく、接着剤の塗布量208転写後からベニヤ単板1を通過させる一対の塗布ロール203、204間に至るまでの任意位置としている。しかしながら、塗布ロール203、204に対して接着剤の塗布量208を規制するドクターロール205、206がベニヤ単板1の搬出側226に位置していれば、前記ブレード209の設置位置は前記上下一対の塗布ロール203、204のいずれか一方のベニヤ単板1の搬出側226に位置している。そして、その塗布ロール203、204の周面に接触する位置に変位したときに、周面全域に亘ってベニヤ単板1に塗布するために転写された接着剤を除去するものである。
【0080】
この場合、図18に示すように上方の塗布ロール203側にブレード209を設置する方が有利である。これはブレード209によって掻き取られ、除去された接着剤が下方に位置する貯留部207へそのまま流下することになり、接着剤の貯留部207への回収に有利であることに起因している。しかしながら、破線で示すようにブレード209によって掻き取られた接着剤を回収する受け樋227、前記貯留部207へ配送する配管228、配送させるポンプ229等の回収機構230を設置すれば、下方の塗布ロール204側にブレード209を設置することも可能である。
【0081】
上述したように、単板積層材積層枚数設定器36に設定された積層枚数が5層であれば、第1検出器30がベニヤ単板1を3枚カウントしたときに、接着剤塗布装置22によってベニヤ単板(表板)1の上面にのみ接着剤を塗布させる。具体的には、下方の塗布ロール204に対してブレード209を接触させて一旦下方の塗布ロール204に転写された接着剤の塗布量208を掻き取り、上下一対の塗布ロール203、204間に挿入されたベニヤ単板(中板)の上面にのみ接着剤を塗布させる。また、7層であれば第1検出器30がベニヤ単板1を4枚カウントしたときに、下方の塗布ロール204に対してブレード209を接触させて一旦下方の塗布ロール204に転写された接着剤の塗布量208を掻き取り、上下一対の塗布ロール203、204間に挿入されたベニヤ単板(表板)の上面にのみ接着剤を塗布させる。このとき、貼り合わせ位置21に重合されたベニヤ単板(表板)の下面には接着剤が塗布されていないので、今までに積層された5層の単板積層材23とは別個の単板積層材23を構成することになる。
【0082】
また、単板積層材積層枚数設定器36に設定された積層枚数が6層であれば、第1検出器30がベニヤ単板1を3枚カウントしたときに、接着剤塗布装置22によってベニヤ単板(表板)1の下面にのみ接着剤を塗布させる。具体的には、上方の塗布ロール203に対してブレード209を接触させて一旦上方の塗布ロール203に転写された接着剤の塗布量208を掻き取り、上下一対の塗布ロール203、204間に挿入されたベニヤ単板(中板)の下面にのみ接着剤を塗布させる。また、7層であれば第1検出器30がベニヤ単板1を4枚カウントしたときに、上方の塗布ロール203に対してブレード209を接触させて一旦上方の塗布ロール204に転写された接着剤の塗布量208を掻き取り、上下一対の塗布ロール203、204間に挿入されたベニヤ単板(表板)の下面にのみ接着剤を塗布させる。このとき、貼り合わせ位置21に重合されたベニヤ単板(表板)の上面には接着剤が塗布されていないので、続く仕組みコンベヤ19上から搬入されるベニヤ単板(裏板)とは別個の単板積層材23を構成することになる。
【0083】
その後、ブレード209は下方の塗布ロール204の周面から離間して、5層であれば第1検出器30が仕組みコンベヤ19上からのベニヤ単板1を2枚カウントする間、接着剤塗布装置22によってベニヤ単板(中板)の上下面に接着剤を塗布させる。また、7層であれば第1検出器30がベニヤ単板1を3枚カウントする間、接着剤塗布装置22によってベニヤ単板(中板)の上下面に接着剤を塗布させる。
【0084】
また、6層の単板積層材23であればブレード209は上方の塗布ロール203の周面から離間して、第1検出器30が仕組みコンベヤ19上からのベニヤ単板1を2枚カウントする間、接着剤塗布装置22によってベニヤ単板(中板)の上下面に接着剤を塗布させる。また、8層であれば第1検出器30がベニヤ単板1を3枚カウントする間、接着剤塗布装置22によってベニヤ単板(中板)の上下面に接着剤を塗布させる。
【0085】
なお、この単板積層材23の形態は各層の材質、材厚等を同一仕様としても良い場合に限定して説明したが、特に造作用に美麗な化粧表面としたいときには、次のように設定すれば足りる。すなわち、偶数枚数の単板積層材23において、偶数層目の表層となる表板用のベニヤ単板の堆積山を中板となるベニヤ単板の堆積山の近傍に備えるものである。例えば、図2の符号Fにて示す位置表板用のベニヤ単板の堆積山を備え、単板積層材積層枚数設定器36に設定された積層枚数の最終層に至るとき、この表板用のベニヤ単板の堆積山から1枚取り出して接着剤塗布装置22を通過させてその下面にのみ接着剤を塗布させる。或いは、予め中板となる堆積山にその積層順序に沿って中板と表板を仕組むものとする。例えば、6層でれば中板を2枚揃えて3枚目に表板を、8層であれば中板を3枚揃えて4枚目に表板となるように順に仕組むものである。
【0086】
本発明は、その根本的技術的思想を踏襲し、発明の効果を著しく損なわない限度において、前記の実施態様の一部を変更して実施でき、それらの変更態様も当然に本発明の技術的範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【図1】乾燥後のベニヤ単板を一旦巻取って巻玉化したものを、巻戻しながら仕組み巻玉とする実施例の側面図。
【図2】図1の平面図。
【図3】本発明の制御系統を説明するブロック線図。
【図4】好適な接着剤塗布装置の一実施例を示す一部切り欠き側面図。
【図5】図4の一部切り欠き平面図。
【図6】ベニヤ単板受け取り部材を示す一部切り欠き斜視図。
【図7】ベニヤ単板受け取り部材の他の形態を示す側面図。
【図8】ベニヤ単板受け取り部材の他の形態を示す側面図。
【図9】ベニヤ単板受け取り部材の一部切り欠き正面図(a)と、この正面図(a)のA−A矢視図(b)と、停止体の作動説明図(c)を示した図。
【図10】仕組み単板コンベヤの平面図。
【図11】ベニヤ単板堆積手順の一実施例を示すフローチャート。
【図12】本発明の他の形態の制御系統を説明するブロック線図。
【図13】好適な接着剤塗布装置の一実施例を示す概略平面図。
【図14】図13の側面図。
【図15】図14の作動説明図。
【図16】ブレードの他の形態を示す平面図。
【図17】ブレードの他の形態を示す平面図。
【図18】好適な接着剤塗布装置の他の実施例を示す側面図。
【図19】5層の単板積層材の模式的説明図。
【図20】7層の単板積層材の模式的説明図。
【図21】6層の単板積層材の模式的説明図。
【図22】8層の単板積層材の模式的説明図。
【符号の説明】
1 ベニヤ単板
11 搬入コンベヤ
19 仕組みコンベヤ
21 貼り合わせ位置
22 接着剤塗布装置
23 単板積層材
30 検出器
33 駆動制御器
36 単板積層枚数設定器
37 上段の巻き戻し制御器
38 下段の巻き戻し制御器
39 巻き戻し制御器
Claims (11)
- 仕組みコンベヤ上へ2枚重ねのベニヤ単板と1枚のベニヤ単板を積層すべき枚数に応じた配列で任意枚数搬送させ、仕組みコンベヤに隣接する貼り合わせ位置において、2枚重ねのベニヤ単板または1枚のベニヤ単板とその搬送方向と直交する方向からその上下両面に接着剤が塗布されたベニヤ単板を交互に供給させ、
前記仕組みコンベヤの始端には2枚重ねのベニヤ単板と1枚のベニヤ単板を各別に搬入する搬入コンベヤがそれぞれ連係されており、乾燥後のベニヤ単板を単板積層材積層枚数に応じた配列になるように前記各別の搬入コンベヤを間歇作動させて仕組みコンベヤ上へ2枚重ねのベニヤ単板と1枚のベニヤ単板を搬入するとともに、
前記2枚重ねのベニヤ単板および/または1枚のベニヤ単板は、それぞれ各別の大径の巻取りリールに糸部材と共に巻取られた巻玉の外周の一部に押し付け状態となった駆動案内帯によって巻き戻し、次いで折り返し案内部材によって折り返しながら前記搬入コンベヤ上へ搬入されることを特徴とする単板積層材の製造方法。 - 前記仕組みコンベヤ上からのベニヤ単板と、その搬送方向と直交する方向から上下両面に接着剤が塗布されたベニヤ単板とを、交互に供給させてベニヤ単板を積層接着させ、所望の偶数積層枚数となるときベニヤ単板の下面のみに接着剤を塗布して貼り合わせ位置へ供給する請求項1記載の単板積層材の製造方法。
- 前記仕組みコンベヤ上からのベニヤ単板と、その搬送方向と直交する方向から上下両面に接着剤が塗布されたベニヤ単板とを、交互に供給させてベニヤ単板を積層接着させ、所望の偶数積層枚数となるとき表板用となる専用のベニヤ単板の下面のみに接着剤を塗布して貼り合わせ位置へ供給する請求項1又は2に記載の単板積層材の製造方法。
- 乾燥後の2枚重ねのベニヤ単板および/または1枚のベニヤ単板を搬送する仕組みコンベヤと、この仕組みコンベヤの始端位置に、2枚重ねのベニヤ単板を仕組みコンベヤ上へ搬入する搬入コンベヤの終端と、1枚のベニヤ単板を仕組みコンベヤ上へ搬入する搬入コンベヤの終端とをそれぞれ連係すると共に、前記仕組みコンベヤの終端位置に配置された2枚重ねのベニヤ単板または1枚のベニヤ単板と接着剤が塗布されたベニヤ単板とを交互に重合させる貼り合わせ位置と、前記仕組みコンベヤの搬送方向に直交する方向であって、前記貼り合わせ位置に隣接してベニヤ単板に接着剤を塗布する接着剤塗布装置とを備え、
前記搬入コンベヤの一方の始端側には、乾燥後の2枚重ねのベニヤ単板が糸部材と共に巻取られた巻玉の外周の一部に押し付け状態とした駆動案内帯と、この駆動案内帯によって巻き戻された2枚重ねのベニヤ単板を折り返しながら搬送する巻き戻し案内部材とが少なくとも備えられたことを特徴とする単板積層材の製造装置。 - 前記搬入コンベヤの他方の始端側には、乾燥後の1枚のベニヤ単板が糸部材と共に巻取られた巻玉の外周の一部に押し付け状態とした駆動案内帯と、この駆動案内帯によって巻き戻された1枚のベニヤ単板を折り返しながら搬送する巻き戻し案内部材とが少なくとも備えられた請求項4記載の単板積層材の製造装置。
- 前記搬入コンベヤの各原動機には一方を駆動させるとき他方を駆動停止させる切り換え駆動制御器と、各搬入コンベヤへ2枚重ねのベニヤ単板または1枚のベニヤ単板を巻き戻す各駆動案内帯を同調して駆動制御する同調制御器とを少なくとも備えた請求項4又は5に記載の単板積層材の製造装置。
- 乾燥後の2枚重ねのベニヤ単板および/または1枚のベニヤ単板を搬送する仕組みコンベヤと、この仕組みコンベヤの始端位置に、2枚重ねのベニヤ単板を仕組みコンベヤ上へ搬入する搬入コンベヤの終端と、1枚のベニヤ単板を仕組みコンベヤ上へ搬入する搬入コンベヤの終端とをそれぞれ連係すると共に、前記仕組みコンベヤの終端位置に配置された2枚重ねのベニヤ単板または1枚のベニヤ単板と接着剤が塗布されたベニヤ単板とを交互に重合させる貼り合わせ位置と、前記仕組みコンベヤの搬送方向に直交する方向であって、前記貼り合わせ位置に隣接してベニヤ単板に接着剤を塗布する接着剤塗布装置とを備え、
前記搬入コンベヤの各原動機には一方を駆動させるとき他方を駆動停止させる切り換え駆動制御器と、各搬入コンベヤへ2枚重ねのベニヤ単板または1枚のベニヤ単板を巻き戻す各駆動案内帯を同調して駆動制御する同調制御器とを少なくとも備え、
前記2枚重ねのベニヤ単板を表板と裏板とし、1枚のベニヤ単板を中芯板とするとともに、次の2枚重ねのベニヤ単板を供給するまでに配列される1枚のベニヤ単板の隣接数によって単板積層材の積層数を決定している積層枚数設定器に前記切り換え駆動制御器を少なくとも連係させた単板積層材の製造装置。 - 乾燥後のベニヤ単板が糸部材と共に巻取られた巻玉の外周の一部に押し付け状態とした駆動案内帯と、この駆動案内帯によって巻き戻されたベニヤ単板を折り返しながら搬送する巻き戻し案内部材と、ベニヤ単板を搬送する仕組みコンベヤと、この仕組みコンベヤの終端位置に配置され、仕組みコンベヤ上からのベニヤ単板と接着剤が塗布されたベニヤ単板とを交互に重合させる貼り合わせ位置と、前記仕組みコンベヤの搬送方向に直交する方向であって、前記貼り合わせ位置に隣接してベニヤ単板の上面および/または下面に接着剤を塗布する接着剤塗布装置とを備え、
前記接着剤塗布装置は互いに逆方向に回転してベニヤ単板に接着剤を塗布しながら前方へ繰り出す上下一対の塗布ロールと、前記塗布ロールに接触する位置とその周面から離間した位置のいずれかに変位し、前記ベニヤ単板の挿入方向と交差する方向の長さを少なくとも有するブレードと、前記ブレードの先端部を前記塗布ロールの長手方向の周面に亘って接触する位置とその周面から離間した位置に変位させる変位機構とを少なくとも備えたことを特徴とする単板積層材の製造装置。 - 前記ブレードは、前記上下一対の塗布ロールのいずれか一方のベニヤ単板挿入側に位置し、その塗布ロールの周面に接触する位置に変位したときに、周面全域に亘ってベニヤ単板に塗布するために転写された接着剤を除去する請求項8記載の単板積層材の製造装置。
- 前記ブレードは、前記上下一対の塗布ロールのいずれか一方のベニヤ単板搬出側に位置し、その塗布ロールの周面に接触する位置に変位したときに、周面全域に亘ってベニヤ単板に塗布するために転写された接着剤を除去する請求項8記載の単板積層材の製造装置。
- 前記ブレードは前記上下一対の塗布ロールのいずれかの長手方向に亘って接触するとき、その先端が線状態から面状態に変形し得る弾性素材によって構成された請求項8ないし10のいずれか1項に記載の単板積層材の製造装置。
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