JP4072960B2 - コンクリート構造体の亀裂補修方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コンクリート構造体の亀裂補修方法に関し、さらに詳しくは、コンクリート構造体の表面に生じた亀裂、あるいは亀裂に起因する鋼材の腐食を効果的に防止することができるコンクリート構造体の亀裂補修方法に関する。
従来から、数多くの構造物や施設などにおいては、コンクリートが多用されている。
しかしながら、近年、コンクリートの乾燥に伴う収縮、環境温度の変化に伴う膨張や収縮、あるいはコンクリート中の鉄筋の発錆による膨張、アルカリ骨材反応などに起因して、コンクリート構造体の亀裂の発生が問題となっている。
例えば、海中、海浜、河川、湖等の場所に構築されたコンクリート構造物や、あるいは海水、淡水などを多量に使用する施設においては、一旦、コンクリート構造体に亀裂が発生すると、その亀裂から、内部に海水あるいは淡水が浸入して、内部に埋設された鋼材を腐食させ、結果として、コンクリート構造体の一部が剥離したり、崩壊したりするなどの問題が発生する場合がある。そのため、特に、水辺近くの構造物、施設などでは、コンクリートの亀裂を効率良く、補修することが必要とされている。
このようなコンクリート構造体に発生した亀裂の補修方法としては、従来から表面塗装法、充填法、注入法等が行われている。しかしながら、コンクリート構造体の内部にまで亀裂が生じている場合には、表面塗装法や充填法では、亀裂の内部に注入剤が充分入り込まず、亀裂からの腐食を効果的に防止することができるとは言い難かった。
一方、注入法は、注入剤がコンクリート構造体の亀裂の内部に直接注入されることから、亀裂が該構造体の内部にまで生じている場合に広く用いられている。
そのような注入法として、これまでに下記(1)〜(4)に示すような補修方法が提案されている。
(1)コンクリート構造体の補修箇所を水密に型枠で囲繞し、型枠内を排水減圧し、ついで、型枠内に流動性の良い樹脂を注入した直後、同型枠内にモルタルを圧入して同型枠内の前記樹脂と置換する補修方法(特許文献1:特開昭55−140680号公報)、
(2)特殊な注入器具を使用することにより、補修剤の亀裂内への注入圧力を、注入開始後、漸次増大させ、最大注入圧力を所定時間保持する補修方法(特許文献2:特開平2−240379号公報)、
(3)コンクリート構造体表面のひび割れをシール処理した後、ひび割れの内部にアルカリ性水溶液を注入してコンクリート内空隙内に充満させ、コンクリート構造物内部鉄筋の防錆を図り、さらに接着剤を注入する補強工法(特許文献3:特開平8−277637号公報)、
(4)コンクリート壁のクラック発生箇所を撥り出し、その撥り部の壁面を洗浄するとともに弾性樹脂モルタル用のプライマーを塗布し、前記撥り部の上部空間部を残して水密に密閉する本体と該本体に設けられた貫通孔に先端部が嵌着され後端部がコンクリート壁面から突出せしめられて前記上部空間部に充填材を注入できる全体棒状の注入管とを有してなる集水板を前記撥り部内の壁面に固着し、該集水板によって仕切られた撥り部の下部空間部に弾性樹脂モルタルを充填し、その硬化後に、前記注入管の後端部から水中硬化型注入用樹脂を前記上部空間部及びクラック内に充填し、該注入管の後端部を切断・撤去するコンクリート壁の補修方法(特許文献4:特開平9−189133号公報)など。
このような(1)〜(4)公報に記載の補修方法においては、コンクリート構造体の亀裂が、該構造体の内部、特に深い部分にまで生じている場合、注入剤が亀裂内部に充分に充填されないという問題もあった。
そのような課題を解決すべく、下記(5)(6)公報に示すようなコンクリート構造体の亀裂補修方法が提案されている。
(5)亀裂の生じたコンクリート構造物上面から垂直に補修穴を開ける工程と、該補修穴にエア抜き導管と注入導管を複数配設し合成樹脂注入体を挿入する工程と、該合成樹脂注入体の注入導管にプランジャーポンプを接続し、低粘度水中硬化型エポキシ樹脂を注入する工程とから成る補修方法(特許文献5:特開平9−3951号公報)、
(6)亀裂の生じたコンクリート製柱体の大きな亀裂面に沿って高さ位置を違えてドリルで穿孔する工程と、穿孔に注入管を挿入し接着剤で固定する工程と、柱体表面の大きな亀裂をV字状にカットして下処理する工程と、Vカットして下処理した部位にパテシールを行う工程と、前記パテシールの硬化養生を図る工程と、注入管にプランジャーポンプを接続し、低粘度水中硬化型エポキシ樹脂を注入する工程とから成る補修方法(特許文献6:特開平9−4238号公報)など。
これら(5)(6)公報に記載の補修方法は、コンクリート構造物に穴を開けたり、さらにポンプを用いて注入剤に圧力をかけて注入する必要がある。そのため、このような方法ではコンクリート構造物にさらに亀裂が生じる恐れがあった。また、これらの補修作業を水中で行う場合、注入剤が亀裂内部に充填されているか否かの確認が難しく、注意を怠って圧力をかけ過ぎると、亀裂を押し広げ、さらにはコンクリート構造物自体を破壊するなどの恐れもあった。
一方、前記公報(6)に記載の補修方法においては、コンクリート表面の亀裂をV字状にカットし、下処理した部位にパテシールを行う。しかしながら、このパテシールは、簡単に亀裂が入り耐久性が無いため、長期間亀裂部を封止し、海水・淡水等の浸入を防止できるものとは言い難かった。
そのような問題を解決するようなものとして、
(7)コンクリート面に生じた亀裂に沿って無溶剤塗料からなる厚膜層を、亀裂より幅広い領域を覆う状態で付着してあるコンクリート面の隙間被覆構造(特許文献7:特開2002−54149号公報)が提案されている。
しかしながら、前記公報(7)に記載の隙間被覆構造においては、環境温度変化等によりコンクリート構造物自体が膨張または収縮することによって亀裂の形状が変化すると、該被覆構造は該構造物から剥がれ易く、長期間亀裂部を封止することができるとは言い難かった。さらに、この隙間被覆構造は、注入剤によるコンクリート構造物の亀裂補修に用いることを目的としておらず、さらに、水中での該構造物の亀裂補修に用いることはできなかった。
特開昭55−140680号公報 特開平2−240379号公報 特開平8−277637号公報 特開平9−189133号公報 特開平9−3951号公報 特開平9−4238号公報 特開2002−54149号公報
本発明は、前記のような従来技術に伴う課題を解決しようとするものであって、大気中はもちろんのこと水中でのコンクリート構造体の補修が可能であり、該構造体に発生した亀裂深部への充填性に優れるコンクリート構造体の亀裂補修方法を提供することを目的としている。さらに、亀裂補修後においても、コンクリート自体の膨張等によって補修領域分が損傷を受けないため、亀裂に起因する鋼材の腐食を効果的に防止することができるコンクリート構造体の亀裂補修方法を提供することを目的としている。
本発明に係るコンクリート構造体の亀裂補修方法は、コンクリート構造体に生じた亀裂の内部に、注入剤を充填し補修するコンクリート構造体の亀裂補修方法であって、
前記コンクリート構造体の表面に形成された亀裂を周辺部と共に切除して、前記亀裂に沿った形状の溝を当該構造体の表面に形成し、
前記溝の上端部から溝内に注入管および注入確認管を挿入し、
さらに、前記注入管および注入確認管が挿入された溝内の表面にコンクリート用水中硬化型被覆剤を塗布して塗膜を形成し、
前記塗膜が形成された溝内に、該溝のコンクリート構造体表面側の開口部を閉栓する閉塞部材を埋設して補修領域を形成し、
次いで、前記補修領域により封止された亀裂の内部に、前記注入管を介してコンクリート用水中硬化型注入剤を注入し、さらに、前記注入確認管から注入剤が排出されてくるのを確認し、コンクリート構造物の亀裂内部に注入剤を充填することを特徴とする。
前記閉塞部材が、耐水性弾性ゴムであることが好ましい。
前記コンクリート用水中硬化型注入剤を、加圧せずに注入することが好ましい。
また、前記亀裂の内部にコンクリート用水中硬化型注入剤を充填した後、該注入剤により形成される硬化物から突出している注入管および注入確認管を切除することもできる。
さらに、前記注入管および注入確認管の突出部分を切除した後、さらにコンクリート構造物の表面および前記補修領域の表面を塗装することが望ましい。
また、前記閉塞部材表面が表面処理されていることが好ましい。
前記コンクリート用水中硬化型注入剤の粘度が、10000mPa・s/25℃以下であることが好ましい。
さらに、前記コンクリート構造体の表面が、水中または湿潤状態の雰囲気中にあっても良い。
本発明に係るコンクリート構造体の亀裂補修方法によれば、大気中および水中でのコンクリート構造物の補修が可能であり、該構造物に発生した亀裂細部への充填性に優れ、さらに亀裂補修後においても、コンクリート自体の伸縮等によって補修領域分が損傷を受けないため、亀裂からの腐食を効果的に防止することができる。
以下、本発明に係るコンクリート構造体の亀裂補修方法の実施態様について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1-1、図1-2(図1-1の続き)は本発明の一実施例によるコンクリート構造体の亀裂補修方法の概略工程を示している。
まず、コンクリート構造体10の表面10aに発生した亀裂12を特定し、その亀裂12の周辺部の付着物や、劣化した部分を取り除いてコンクリート構造体の表面10aの素地調整を行う。
素地調整を行った後、図1-1(A)に示すように、亀裂12と共に切除する部分にマーキングする。切除する部分は、例えば、亀裂12の上端部から下端部までの亀裂の全領域を含むことが好ましい。
次に、このマーク14に沿って、ダイヤモンドブレードやディスクグラインダーなどにより、亀裂12の周辺部を切除して、図1-1(B)に示すように、亀裂12に沿った形状の溝16を形成する。この溝16は、例えば、図1-1(B)のII−II線概略断面図として図2に示したように断面略U字状、あるいは断面略V字状や断面略半円状等であっても良く、特に限定されるものではない。さらに、この溝16の幅aおよび、深さbは、特に限定されず、後述するように、図1-2(D)に示した補修領域の形成の際に用いられる閉塞部材40の大きさや、作業条件などによって好ましい範囲に適宜設定される。
マーク14に沿って切除した後に、溝16内を水、エアー等により洗浄し、コンクリートの破片等を除去し、図1-1(C)に示すように、例えば、溝16の上端部16aから、ビニールパイプなどからなる注入管22ならびに注入確認管24を溝16内に挿入する。
注入管22は、溝16の上端部16aから亀裂12の全長の1/3程度の長さにまで挿入することが好ましい。一方、注入確認管24は、これよりも浅い位置、すなわち注入管22よりも上方にその下端開口部が配置されるように挿入することが好ましい。なお、コンクリート構造体の表面10aの中央部付近から亀裂が発生している場合は、亀裂が発生していない部分に形成された溝部分に、注入確認管24の下端開口部が配置されるように挿入することが好ましい。
本実施例で用いられるこれら一対の注入管22および注入確認管24は、可撓性の材質であれば特に限定されるものではない。しかしながら、外観は透明または半透明であることが好ましい。これにより管内部の様子を目視することができ、コンクリート構造体の亀裂補修作業を容易に行うことができる。
前記のように注入管22および注入確認管24を溝16内に挿入した後、この溝16の表面にコンクリート用水中硬化型被覆剤を塗布する。このとき、注入管22および注入確認管24の下端開口部がコンクリート用水中硬化型被覆剤によって閉塞されないように注意する必要がある。
コンクリート用水中硬化型被覆剤としては、粘度が3000〜100000mPa・s、
好ましくは10000〜50000mPa・sの水中硬化型被覆剤を用いるのが望ましい。
このような粘度であることにより、水中で行なう場合の作業を容易に行うことができる。
このようなコンクリート用水中硬化型被覆剤としては、エポキシ樹脂組成物、不飽和ポリエステル樹脂組成物等が挙げられ、エポキシ樹脂組成物を用いることが好ましい。
このエポキシ樹脂組成物としては、具体的には、コンテクトWE300下塗(中国塗料(株
)製)などを用いることができる。
また、コンクリート用水中硬化型被覆剤を塗布する方法は、特に限定されないが、はけ、へらなどを用いて、塗布量1.0〜2.5kg/m2程度で行う。
そして、溝16の表面に前記コンクリート用水中硬化型被覆剤を塗布した後、12時間程度放置し、下塗り塗膜32を形成する。
一方、本実施例では、コンクリートブロック10から切除された溝16の空所を埋設するために、図1-2(D)に示すように、弾性変形可能な閉塞部材40が予め用意される。この閉塞部材40は、例えば、耐水性弾性ゴムからなるもので、細長い棒状に形成されている。
そして、前記のように下塗り塗膜32を形成した後、この溝16の開口部を閉塞するように閉塞部材40を埋設して、コンクリート構造物表面10aと閉塞部材表面42がほぼ同一の高さに設定する。これにより、溝16の表面領域に、補修領域50が形成される。
ここで、図1-2(D)に示される閉塞部材40の長軸方向dの長さは、溝16の長さに合わせて調節することが好ましく、一方、ゴム40の幅cは、溝16の幅aよりも3〜5mm程度長いことが好ましい。このように特に、幅cを長くすることにより、水中での閉塞部材40の挿入が容易になり、またコンクリート自体の膨張あるいは伸縮によって仮に亀裂の幅が広がったとしても、閉塞部材40を追随させることができる。したがって、コンクリートの膨張あるいは伸縮により、補修領域50に新たな亀裂や剥がれが生じることを防止することができる。また、これに伴って、内部の鋼材の腐食を効果的に防止することができる。
前記閉塞部材40としては、耐水性弾性ゴムであれば特に限定されないが、例えば、スチレンゴム、クロロプレンゴム(ネオプレン)、天然ゴム、シリコーンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、フッ素ゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、フロロシリコーンゴムなどが挙げられる。本実施例に用いられる閉塞部材40は、これらの中から、コンクリート構造物10に要求される耐薬品性、耐熱性などの特性により、適宜選択して用いることができる。
また、前記閉塞部材40は、図1-2(D)に示すように、溝16内に埋入される少なくとも3側面が表面処理されて、ここに処理層44が形成されていることが好ましい。このように、閉塞部材40の表面が表面処理されることによって、閉塞部材40と下塗り塗膜32とが処理層44を介して強固に接着され、コンクリート自体の伸縮等によっても補修領域50の剥離が防止されるため、亀裂に起因する鋼材の腐食が防止される。
前記閉塞部材40の表面処理は、表面処理剤を塗布量40〜120g/m2で塗布した後、125℃で2〜168時間放置することにより行う。
この表面処理剤としては、ウレタン樹脂組成物を用いることが好ましい。ウレタン樹脂組成物としては、具体的には、ソフトップL-800(中国塗料(株)製)などを用いる
ことができる。
また、前記のように、下塗り塗膜32が形成された溝16に閉塞部材40を埋設した後、該ゴム40と、溝16の下端部16bとの間に隙間が生じている場合には、端部処理剤を用いて隙間を埋め、補修領域50を形成することが好ましい。このように下端部16bの隙間を埋めることにより、亀裂補修作業におけるコンクリート用水中硬化型注入剤の漏れを防止することができる。
この端部処理剤は、その粘度が100000〜400000mPa・sに調整されている
ことが好ましい。このような粘度が調節された処理剤を用いて下端部16bを処理することにより、水中での作業を容易に行うことができ、さらに、水中での亀裂補修作業において、コンクリート用水中硬化型注入剤の漏れを効果的に防止することができる。
そのような端部処理剤としては、特に限定されないが、前記コンクリート用水中硬化型被覆剤に増粘剤が添加された処理剤が挙げられる。この増粘剤としては、ウオラスナイト、セピオライト、チタン酸カリウムウィスカ、ケイ酸カルシウムウィスカ、アスベスト、植物繊維、合成繊維などが挙げられる。
またさらに、前記のように補修領域50を形成した後、溝16の幅aよりも数mm程度大きくなるように、補修領域50の表面とコンクリート構造物表面10aを被覆剤で塗布し、12時間程度放置して塗膜を形成させることも好ましい。
このように塗膜を形成させることにより、コンクリート表面の外観が補正され、また、コンクリート用水中硬化型注入剤の漏れがより確実に防止されるため、特に水中での補修作業を容易に行うことができる。
そのような被覆剤としては、特に限定されないが、前記コンクリート用水中硬化型被覆剤を用いることができる。
上述のようにして補修領域50、好ましい態様においては、さらに補修領域50の表面とコンクリート構造物表面10aに塗膜を形成し、亀裂内部を封止した後に、図1-2(E)に示すように、この亀裂内部にコンクリート用水中硬化型注入剤(以下、単に注入剤ともいう。)を充填する。
コンクリート構造物の亀裂内部に注入剤が充填される様子を、図3に示す。
図3は、図1-2(E)の注入剤の亀裂内部への充填工程における、III−III線方向の該略断面図である。図3に示すように、コンクリート構造物の亀裂内部は、塗膜32と表面処理層44と閉塞部材40とからなる補修領域50によって封止されており、亀裂内部と塗膜32との間には、注入管22が埋設されている。
前記注入剤を注入する前は、この亀裂内部には、空気、水、海水などが閉じ込められている。
注入管22の上端口から注入された注入剤は、下端開口から亀裂内部に放出され、亀裂内部は、この注入剤に徐々に置換され、注入剤が充填されていく。亀裂内部が注入剤に置換され、その量が多くなると、亀裂内部に閉じ込められていた空気、水、海水などは、図1-2に示した注入確認管24の上端口から放出されることになる。
注入確認管24から実質的に注入剤のみが排出されるまで注入作業を継続し、亀裂内部を注入剤で充填する。このように亀裂内部の注入剤による充填が確認されたら、注入管22および注入確認管24の上端開口部を折り曲げて固定し、異物が亀裂内部に混入しないようにする。
このような注入剤を充填する方法としては、ポンプ等による圧入法も可能であるが、本発明においては、注入剤を加圧せずに、注入剤自体の流動性および自重を利用した自然充填による方法が好ましい。具体的には、図1-2(E)に示すように、注入管22の上端開口に漏斗26を付け、漏斗26から亀裂の内部に、注入剤を注入すれば良い。
このような自然充填法においては、注入剤を注入する位置は特に限定されないが、例えば、注入剤を溝16の上端部16aから高さ1.5m程度の位置より注入する。また、注入剤を充填する速度は、注入剤の流動性や硬化速度によって一概に限定されないが、100〜500ml/min程度で行うことが好ましい。
本実施例に用いられるコンクリート用水中硬化型注入剤は、水中硬化性樹脂を含有する主剤成分と、硬化剤を含有する硬化剤成分との2液型として調製されてもよく、この場合使用前は、それぞれ別の容器に保管され、使用時に混合して用いられる。
なお、硬化剤として、水中硬化性樹脂と貯蔵中は反応しないように変性された硬化剤を用いる場合には、注入剤は1液型として調製されてもよい。
このような注入剤は、その粘度が、10000mPa・s/25℃以下、好ましくは100〜8000mPa・s/25℃、さらに好ましくは500〜6000mPa・s/25℃であることが望ましい。さらに、その比重は1以上、好ましくは1.2〜2.5、さらに好ましくは1.4〜2.0であることが望ましい。
このような注入剤は、充分な流動性を有するため、作業性がよく、さらに、自重を利用した自然落下(充填)によってコンクリート構造物の亀裂を補修することができる。したがって、コンクリート構造物を傷めることなく該構造物に生じた亀裂の細部にまで充填することができるため、亀裂に起因する鋼材の腐食を効果的に防止することができる。
本実施例に用いられるコンクリート用水中硬化型注入剤としては、前記粘度の範囲内、好ましい態様においては前記比重の範囲内にあり、さらに水中硬化性であれば特に限定されず用いることができる。そのようなコンクリート用水中硬化型注入剤としては、例えば、エポキシ樹脂組成物、不飽和ポリエステル樹脂組成物などを挙げることができ、本発明においてはエポキシ樹脂組成物を用いることが好ましい。
本実施例において好ましいコンクリート用水中硬化型注入剤の具体的組成は、後述する。
このようにしてコンクリート構造物の亀裂内部に注入剤を充填した後、2〜3日間程度放置し、注入剤を硬化させる。
注入剤が硬化した後、その硬化物の上面部から突出している注入管22および注入確認管24を切除し、さらに、前記コンクリート用水中硬化型被覆剤等により切除箇所を補修して、本発明のコンクリート構造物の亀裂補修は完了する。本発明の亀裂補修後のコンクリート構造体を図1-2(F)に示す。
このような本発明のコンクリート構造体の亀裂補修方法によれば、大気中および水中でのコンクリート構造物の補修が可能であり、該構造物に発生した亀裂細部への充填性に優れ、さらに亀裂補修後においても、コンクリート自体の伸縮等によって補修領域分が損傷を受けないため、亀裂からの腐食を効果的に防止することができる。
上述のようにコンクリート構造物の亀裂補修を行った後、コンクリート構造物表面10aおよび補修領域50の表面を通常の方法に従って塗装し、防食塗膜を形成することも好ましい。それにより、コンクリート構造物に生じた亀裂に起因する鋼材の腐食をさらに効果的に防止することができる。
このように、本実施例においては、コンクリート構造体の表面10aの上端から下方に亀裂12が発生している例によって示すが、表面10aの中央部付近から亀裂12が発生している場合でも、本発明のコンクリート構造体の亀裂補修方法を用いることができる。
なお、本発明の一実施例について説明したが、本発明は、前記実施例に限定されず、目的を逸脱しない範囲で適宜変更することもできる。
また、前記した本発明に用いられるコンクリート用水中硬化型注入剤の好ましい組成を以下に示す。
コンクリート用水中硬化型注入剤
本発明に用いられるコンクリート用水中硬化型注入剤(以下、単に硬化型注入剤ともいう。)の好ましい組成は、(A)粘度が800〜25000mPa・s/25℃の液状エポキシ樹脂、(B)アミン系硬化剤、(C)シランカップリング剤、(D)比重2〜3の顔料、および(E)(e-1)粘度が10〜5000mPa・s/25℃のエポキシ基含有反応性希釈剤および/または(e-2)液状炭化水素樹脂、を含有してなり、前記顔料(D)が、前記
組成物100容量%中に、10〜40容量%の量で含有されている。
また、本発明に用いられる硬化型注入剤は、前記液状エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量(a)(g/equiv)と、前記アミン系硬化剤(B)のアミノ基の活性水素当量(b)(g/eq
uiv)との当量比(b/a)が、1.0以下、好ましくは0.8以下、さらに好ましくは0.5〜0.8、特に好ましくは0.6〜0.8となるように該成分(A)と該成分(B)とを含有してなることが望ましい。
前記当量比であることにより、硬化型注入剤はその硬化速度が調節され、コンクリート構造物に生じた亀裂の細部にまで充填される。したがって、該硬化型注入剤が亀裂の細部で硬化し、耐水性に優れ、かつコンクリート構造物に発生した亀裂からの腐食を効果的に防止しうる硬化物を形成することができる。
さらに、硬化型注入剤は、その粘度(25℃)が、10000mPa・s以下、好ましくは100〜8000mPa・s、さらに好ましくは500〜6000mPa・sであることが望ましい。さらに、その比重は1以上、1.2〜2.5、さらに好ましくは1.4〜2.0であることが望ましい。
このような硬化型注入剤は、流動性に優れるため、作業性がよく、さらに、自重を利用した自然落下(充填)によってコンクリート基材の亀裂を補修することができる。したがって、コンクリート基材を傷めることなく該基材に生じた亀裂の細部にまで充填することができるため、亀裂からの腐食を効果的に防止することができる。
前記(A)〜(D)の各成分について、以下に説明する。
液状エポキシ樹脂(A)
前記液状エポキシ樹脂(A)は、常温(15〜25℃の温度)で液状であり、粘度が800〜25,000mPa・s/25℃の範囲であり、重量平均分子量が300〜750であるエポキシ樹脂であり、分子内に2個以上のエポキシ基を含むポリマーあるいはオリゴマー、およびそのエポキシ基の開環反応によって生成するポリマーあるいはオリゴマーが挙げられる。さらに、この液状エポキシ樹脂(A)は、エポキシ当量が、100〜2000(g/equiv)、好ましくは150〜1000(g/equiv)であることが望ましい。
本発明に用いられる液状エポキシ樹脂(A)からは、後述するエポキシ基含有反応性希釈剤(e-1)が除かれるものとする。
このような液状エポキシ樹脂(A)を含んでなる硬化型注入剤を用いると、塗布作業性に優れ、さらに基材との付着性、耐水性、防食性に優れた皮膜を形成することができるため好ましい。
このような液状エポキシ樹脂(a1)としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール型エポキシ樹脂、ダイマー酸変性エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、エポキシ化油系エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂などが挙げられる。中でも、ビスフェノール型エポキシ樹脂が好ましく、さらにはビスフェノールAタイプ、Fタイプのエポキシ樹脂が好ましく、特にビスフェノールAタイプのエポキシ樹脂が好ましく用いられる。
本発明においては、このような液状エポキシ樹脂(A)は、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。このように2種以上の液状エポキシ樹脂を組み合わせて用いる場合には、液状エポキシ樹脂(A)の分子量、エポキシ当量(g/equiv)は、何れもその
平均値で示す。
このような液状エポキシ樹脂(A)のうちでは、いわゆるビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量150〜1000(g/equiv))が好ましい。
アミン系硬化剤(B)
本発明で用いられるアミン系硬化剤(B)は、アミノ基の活性水素当量が、50〜150(g/equiv)、好ましくは70〜120(g/equiv)、さらに好ましくは80〜115(g/equ
iv)であることが望ましい。このようなアミン系硬化剤(B)と前記液状エポキシ樹脂(
A)を含んでなる硬化型注入剤を亀裂部に注入すると、耐水性に優れ、かつ該基材に発生した亀裂からの腐食を効果的に防止しうる硬化物を形成することができる。
このようなアミン系硬化剤(B)としては、通常エポキシ樹脂硬化剤として利用されているポリアミン化合物、たとえば脂肪族ポリアミン、変性脂肪族ポリアミン、脂環族ポリアミン、変性脂環族ポリアミン、芳香族ポリアミン、変性芳香族ポリアミン、ポリアミドアミンなどを用いることができる。これらのポリアミンは、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
このようなアミン系硬化剤(B)と液状エポキシ樹脂(A)との混合物は、本発明に用いられる硬化型注入剤100重量%中に、60〜90容量%、好ましくは70〜85容量%の量で含まれていることが望ましい。
アミン系硬化剤(B)と、前記液状エポキシ樹脂(A)とを前記の量で含有することにより、コンクリート基材への付着性、耐水性に優れ、かつ該基材の腐食を効果的に防止しうる硬化物を形成することができる。
シランカップリング剤(C)
前記シランカップリング剤(C)は、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、ビニル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、スチリル基、またはイソシアネート基などの反応性官能基を有してなり、好ましくはエポキシ基、アミノ基、メルカプト基、さらに好ましくはエポキシ基を有するシランカップリング剤であることが望ましい。
前記エポキシ基含有シランカップリング剤としては、(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランなどが挙げられる。
本発明においては、これら前記シランカップリング剤(C)を1種または2種以上含んでいてもよい。
本発明においては、前記シランカップリング剤(C)は、本発明に用いられる硬化型注入剤(100重量%)中に、0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%の量で添加されていることが望ましい。本発明に用いられる硬化型注入剤が、シランカップリング剤(C)を前記の量で含有することにより、該硬化型注入剤からなる硬化物とコンクリート構造物表面との接着性が向上し、長期間水中に浸漬しても該硬化物の剥離がほとんど無く、コンクリート構造物に発生した亀裂からの腐食を効果的に防止することができる。これらの効果は、エポキシ基を含有するシランカップリング剤を添加した場合に顕著に表れる。
顔料(D)
本発明で用いられる顔料(D)は、比重が2〜3、好ましくは2.4〜2.8であることが望ましい。さらに、顔料(D)は、比表面積が、4m2/g以下であることが好まし
い。
前記顔料(D)の比重、さらに比表面積が前記範囲にあることにより、上述のように低粘度でかつ比重が調整された硬化型注入剤を得ることができる。
このような顔料(D)は、得られる硬化型注入剤が、目的とする良好な注入性を得るために、該組成物(100重量%)に、10〜40容量%、好ましくは15〜35容量%の量で含有されていることが望ましい。それにより、水中においても自然降下性に優れた硬化型注入剤を得ることができ、さらに、該注入剤は流動性に優れ、コンクリート基材に生じた亀裂の細部にまで充分に充填されるため、該組成物から形成される硬化物は、亀裂からの腐食を効果的に防止することができる。
このような顔料(D)としては、体質顔料を挙げることができる。なお、着色顔料を前記体質顔料に代えて用いてもよく、また、体質顔料と着色顔料とを併用してもよい。
前記体質顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、カリ長石、カオリン、クレー、タルク、ベントナイト、炭酸マグネシウム、シリカ微粉末などが挙げられる。中でも、炭酸カルシウム、カリ長石、シリカ微粉末が好ましい。体質顔料は、1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
前記着色顔料としては、たとえばカーボンブラック、二酸化チタン、弁柄、酸化鉄、水酸化鉄、群青等の無機顔料、シアニンブルー、シアニングリーン等の有機顔料が挙げられる。着色顔料は、1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
(E)エポキシ基含有反応性希釈剤(e-1)および/または液状炭化水素樹脂(e-2)
本発明に用いられる硬化型注入剤は、エポキシ基含有反応性希釈剤(e-1)および/ま
たは液状炭化水素樹脂(e-2)を含有してなる。
硬化型注入剤の粘度が、上述の範囲に調節されれば特に限定されないが、前記(e-1)
成分が単独で用いられる場合には、該注入剤100重量%中には、該(e-1)成分が、1
〜50重量%、好ましくは5〜20重量%の量で含まれていることが望ましい。また、前記(e-2)成分が単独で用いられる場合には、硬化型注入剤100重量%中には、該(e-2
)成分が、1〜40重量%、好ましくは5〜20重量%の量で含まれていることが望ましい。またさらに、前記(e-1)と(e-2)成分とが用いられる場合には、硬化型注入剤100重量%中には、該(e-1)と(e-2)成分が、1〜40重量%、好ましくは5〜20重量%の量で含まれていることが望ましい。
このような量で前記(e-1)および/または(e-2)成分を含有してなる硬化型注入剤は、充分な流動性を有するため、作業性がよく、さらに、コンクリート基材に生じた亀裂の細部にまで充分に充填することができるため、亀裂からの腐食を効果的に防止することができる。
エポキシ基含有反応性希釈剤(e-1)
本発明で用いられるエポキシ基含有反応性希釈剤(e-1)は、粘度が10〜5000mPa
・s/25℃以下であることが好ましい。
本発明に用いられるエポキシ基含有反応性希釈剤(e-1)からは、前述の液状エポキシ樹
脂(A)が除かれるものとする。
このようなエポキシ基含有反応性希釈剤(e-1)としては、例えば、フェニルグリシジ
ルエーテル、アルキルグリシジルエーテル(アルキル基の炭素数1〜10、好ましくは1〜5、例:ブチルグリシジルエーテル)、バーサティック酸(Versatic acid)グリシジ
ルエステル[R123C−COO−Gly、R1+R2+R3=C8〜C10のアルキル基
、Gly:グリシジル基]、α-オレフィンエポキサイド(CH3-(CH2n-Gly、n
=11〜13、Gly:グリシジル基)、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(Gly-O-(CH26-O-Gly、Gly:同上)、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(Gly-O-CH2-C(CH32-CH2-O-Gly、Gly:同上)、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(CH3-CH2-C(CH2-O-Gly)3、Gly:同上)、アルキルフェノールグリシジルエーテル[アルキル基の炭素数1〜10、好ましくは1〜5、例:メチルフェノールグリシジルエーテル、エチルフェノールグリシジルエーテル、プロピルフェノールグリシジルエーテル]等が挙げられる。
これらのエポキシ基含有反応性希釈剤(e-1)のうちでは、前記アルキルフェノールグ
リシジルエーテルが低粘度であり、希釈効果を発揮できるため好ましい。
これらエポキシ基含有反応性希釈剤は、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
このようなエポキシ基含有反応性希釈剤(e-1)は、低温での硬化促進作用の向上にも
寄与でき、さらに、それ自体もアミン系硬化剤(B)と反応するため、より強固な硬化物を形成することができる。
液状炭化水素樹脂(e-2)
本発明に用いられる液状炭化水素樹脂(液状石油樹脂)(e-2)は、常温(15〜25
℃の温度)で液状であり、粘度が500〜400,000mPa・s/25℃の範囲である液状炭化水素樹脂であり、そのような液状炭化水素樹脂としては、具体的には、脂肪族炭化水素(C9系石油樹脂)、芳香族炭化水素(C5系石油樹脂)、クロマン樹脂、キシレン樹脂、トルエン樹脂やこれらの変性物などが挙げられる。
本発明においては、このような液状炭化水素樹脂は、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。このように2種以上の液状炭化水素樹脂を組み合わせて用いる場合には、液状炭化水素樹脂の分子量は、その平均値
で示す。
前記液状炭化水素樹脂のうちでは、エポキシ樹脂との相溶性が良好なものであることが必要であり、好ましくは、芳香族炭化水素(C5系石油樹脂)、キシレン樹脂、トルエン樹脂を用いることが望ましい。
このような液状炭化水素樹脂の平均分子量等は、得られる塗料の塗装硬化条件(例:常乾塗装あるいは焼付け塗装等)などにもより、一概に決定されないが、その数平均分子量が通常150〜720のものが用いられる。
このような硬化型注入剤には、前記成分の他に、さらに、通常用いられる成分を添加することもできる。
図1-1は、本発明の一実施例を示す概略工程図である。 図1-2は、図1-1の概略工程図の続きである。 図2は、図1-1(B)におけるII−II線方向の概略断面図である。 図3は、図1-2(E)の注入剤の亀裂内部への充填工程における、III−III線方向の該略断面図である。
符号の説明
10 ・・・ コンクリート構造物
10a ・・・ コンクリート構造物表面
12 ・・・ 亀裂
14 ・・・ マーク
16 ・・・ 溝
16a ・・・ 溝の上端部
16b ・・・ 溝の下端部
22 ・・・ 注入管
24 ・・・ 注入確認管
26 ・・・ 漏斗
32 ・・・ 下塗り塗膜
40 ・・・ 閉塞部材
42 ・・・ 閉塞部材表面
44 ・・・ 表面処理層
50 ・・・ 補修領域

Claims (8)

  1. コンクリート構造体に生じた亀裂の内部に、注入剤を充填し補修するコンクリート構造体の亀裂補修方法であって、
    前記コンクリート構造体の表面が水中または湿潤状態にある場合に、
    前記コンクリート構造体の表面に形成された亀裂を周辺部と共に切除して、前記亀裂に沿った形状の溝を当該構造体の表面に形成し、
    前記溝の上端部から溝内に注入管および注入確認管を挿入し、
    さらに、前記注入管および注入確認管が挿入された溝内の表面に、粘度が3000〜100000mPa・sであるコンクリート用水中硬化型被覆剤を塗布して塗膜を形成し、
    前記塗膜が形成された溝内に、該溝のコンクリート構造体表面側の開口部を閉栓する閉塞部材を埋設して補修領域を形成し、
    次いで、前記補修領域により封止された亀裂の内部に、前記注入管を介してコンクリート用水中硬化型注入剤を注入し、さらに、前記注入確認管から注入剤が排出されてくるのを確認し、コンクリート構造物の亀裂内部に注入剤を充填することを特徴とするコンクリート構造物における亀裂の補修方法。
  2. 前記閉塞部材が、耐水性弾性ゴムであることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート構造体の亀裂補修方法。
  3. 前記コンクリート用水中硬化型注入剤を、加圧せずに注入することを特徴とする請求項1または2に記載のコンクリート構造体の亀裂補修方法。
  4. 前記亀裂の内部にコンクリート用水中硬化型注入剤を充填した後、該注入剤により形成される硬化物から突出している注入管および注入確認管を切除することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のコンクリート構造体の亀裂補修方法。
  5. 前記注入管および注入確認管の突出部分を切除した後、さらにコンクリート構造物の表面および前記補修領域の表面を塗装することを特徴とする請求項4に記載のコンクリート構造体の亀裂補修方法。
  6. 前記閉塞部材表面が表面処理されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のコンクリート構造体の亀裂補修方法。
  7. 前記コンクリート用水中硬化型注入剤の粘度が、10000mPa・s/25℃以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のコンクリート構造体の亀裂補修方法。
  8. 前記コンクリート用水中硬化型注入剤が、(A)粘度が800〜25000mPa・s/25℃の液状エポキシ樹脂、(B)アミン系硬化剤、(C)シランカップリング剤、(D)比重2〜3の顔料、および(E)(e-1)粘度が10〜5000mPa・s/25℃のエポキシ基含有反応性希釈剤および/または(e-2)液状炭化水素樹脂、を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のコンクリート構造体の亀裂補修方法。
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