JP6230380B2 - 遮水構造体およびそれを形成する方法 - Google Patents

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Description

本発明は遮水構造体およびそれを形成する方法に関する。
例えば海洋護岸が老朽化すると、それに生じた亀裂等を通じて、陸から海へ地下水が流れ出る可能性がある。そこで、これを防止する必要性から、海洋護岸を建設する際にそれと陸との境界に遮水シートを設置する場合がある。このような遮水シートに関する技術として、従来、特許文献1〜3に記載のものが挙げられる。
特許文献1には、廃棄物最終処分場や貯水池において遮水することを目的として、被遮水地の下地の少なくとも一部に、ポリウレタン樹脂からなる遮水層を、下地接着層と緩衝層を介して形成するにあたって、前記下地接着層を塗布により形成し、その上に前記緩衝層を塗布により形成し、その上に前記遮水層を塗布により形成することを特徴とする遮水工法が提案されている。
特許文献2には、管理型産業廃棄物最終処分場において遮水することを目的として、最大粒径が5mm以下であり均等係数が5〜10である砂と、海水と、高膨潤性ベントナイトと、を混合してなる変形追随性遮水材を用いた方法が提案されている。
特許文献3には、廃棄物海面処分場を区画する管理型護岸を、矢板壁により構築する際に、鋼製矢板の継手部に隙間なく遮水材を充満させ得て、遮水性能を長期間に亘って維持可能な管理型護岸の遮水構造を、容易でしかも安価に施工可能な工法を提供することを目的とし、海岸に沿ってまたは任意の海の部分を区切るように遮水壁を構築し、前記遮水壁に囲まれた内部を廃棄物処分場として構成する管理型護岸において、前記遮水壁を鋼製矢板の端部を接続しながら列状に立設して、遮水壁を構築し、前記遮水壁における各矢板の接続部の内部空間に遮水材(アスファルト混合物など)を充満させて、遮水壁での遮水作用を確保するために、前記鋼製矢板の接続部の内部空間に遮水材を充満させるに際して、前記接続部の内部空間にある水や泥等の不純物が、注入される遮水材に混入しないようにする補助手段を用いて、遮水材(アスファルト混合物など)の注入を行うことを特徴とする遮水壁の構築法が提案されている。
特開2008−142703号公報 特開2008−43845号公報 特開2008−106459号公報
例えば海洋護岸を建設し、相当な時間が経過して老朽化した後に、これを補修する場合、海洋護岸との境界部分の陸地を掘り出し、海洋護岸の表面を露出させ、遮水シート等を設置すると、時間およびコストが膨大になり好ましくない。また、その構造によっては、適切に遮水シート等を設置できない場合もある。そこで、海洋護岸における海側の表面に遮水シート等を設置することが考えられるが、海側には当然海水が存在するため、特許文献1に記載の方法ではウレタンが発泡し、海洋護岸に対する密着性に優れる構造体(シート等)を形成することはできない。また、特許文献2や特許文献3に記載の方法の場合、海洋護岸に形成された亀裂へベントナイトやアスファルトが浸透し難いため、適切に遮水することができない。
本発明は上記のような課題を解決することを目的とする。すなわち、本発明は、海洋構造物のような既設構造物について、水が存在する環境下において施工しても、密着性が高く、かつ、ひび割れへも浸透して、高度に遮水することができる遮水構造体およびその遮水構造体を形成する方法を提供することを目的とする。
本発明者は鋭意検討し、上記課題を解決する方法を見出して本発明を完成させた。
本発明は次の(1)〜(9)である。
(1)表面に亀裂が形成されており、表面の少なくとも一部に水が存在する既設構造物の表面に設置する遮水構造体であって、
前記既設構造物の表面に密着し、その一部が前記亀裂の内部にまで浸透している水中硬化型エポキシ樹脂からなるエポキシ樹脂層と、
前記エポキシ樹脂層と密着する型枠Xと、
を有する遮水構造体。
(2)表面に亀裂が形成されており、表面の一部に水が存在する既設構造物の表面に設置する遮水構造体であって、
前記既設構造物の表面における水が存在していた部分に密着し、その一部が前記亀裂の内部にまで浸透している水中硬化型エポキシ樹脂からなるエポキシ樹脂層と、
前記エポキシ樹脂層と密着する型枠Xと、
を有し、さらに
前記既設構造物の表面における水が存在していない部分に密着するウレタン樹脂層と、
前記ウレタン樹脂層に密着するモルタル層と、
前記モルタル層に密着する型枠Yと、
を有する遮水構造体。
(3)前記水中硬化型エポキシ樹脂の密度が2g/cm3以上、粘度が4000mPa・s以下、可使時間が30分以上である、上記(1)または(2)に記載の遮水構造体。
(4)前記型枠Xおよび/または前記型枠Yの剛性が150kN/mm以上である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の遮水構造体。
(5)前記エポキシ樹脂層がグリッド材を含んでいる、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の遮水構造体。
(6)表面に亀裂が形成されており、表面の少なくとも一部に水が存在する既設構造物の表面に遮水構造体を形成する方法であって、
前記既設構造物の表面と間隔Laを保つように、スペーサーを介して、下部に注入口を有する型枠Xを設置する型枠設置工程[1]と、
前記既設構造物の表面と前記型枠Xとの間に形成された隙間αへ、前記注入口から水中硬化型エポキシ樹脂を充填する、エポキシ樹脂充填工程と、
を備える遮水構造体を形成する方法。
(7)表面に亀裂が形成されており、表面の一部に水が存在する既設構造物の表面に遮水構造体を形成する方法であって、
前記既設構造物の表面における水が存在していた部分と間隔Laを保つように、スペーサーを介して、下部に注入口を有する型枠Xを設置する型枠設置工程[1]と、
前記既設構造物の表面における水が存在していた部分と前記型枠Xとの間に形成された隙間αへ、前記注入口から水中硬化型エポキシ樹脂を充填する、エポキシ樹脂充填工程と、
を備え、さらに、
前記既設構造物の表面における水が存在していない部分にウレタン樹脂層を形成するウレタン樹脂層形成工程と、
前記ウレタン樹脂層と間隔Lbを保つように、スペーサーを介して型枠Yを設置する型枠設置工程[2]と、
前記隙間β内へモルタルを充填するモルタル充填工程と、
を備える遮水構造体を形成する方法。
(8)前記エポキシ樹脂充填工程において、前記隙間α内に水が残存しないように、電気抵抗測定装置を用いた管理を行う、上記(6)または(7)に記載の遮水構造体を形成する方法。
(9)前記既設構造物の表面にハツリ・ブラスト処理を施し、その後、その表面の修復処理を行わないで、前記型枠設置工程[1]と前記エポキシ樹脂充填工程とを行う、上記(6)〜(8)のいずれかに記載の遮水構造体を形成する方法。
本発明によれば、海洋構造物のような既設構造物について、水が存在する環境下において施工しても、密着性が高く、かつ、ひび割れへも浸透して、高度に遮水することができる遮水構造体およびその遮水構造体を形成する方法を提供することができる。
図1は、既設構造物に該当する海洋護岸およびその周辺部位の概略断面図である。 図2は、既設構造物に該当するトンネルおよびその周辺部位の概略断面図である。 図3は、型枠設置工程[1]を説明するための概略断面図である。 図4は、型枠設置工程[1]を説明するための概略図である。 図5は、エポキシ樹脂充填工程を説明するための概略断面図である。 図6は、好ましいエポキシ樹脂充填工程を説明するための概略断面図である。 図7は、本発明の方法の好ましい態様を説明するための概略断面図である。 図8は、本発明の方法の好ましい態様を説明するための別の概略断面図である。 図9は、ひび割れ追従試験を説明するための概略図である。 図10は、漏水試験を説明するための概略図である。 図11は、漏水試験を説明するための別の概略図である。 図12は、浸透性試験を説明するための別の概略図である。
本発明について説明する。
本発明は、表面に亀裂が形成されており、表面の少なくとも一部に水が存在する既設構造物の表面に設置する遮水構造体であって、前記既設構造物の表面に密着し、その一部が前記亀裂の内部にまで浸透している水中硬化型エポキシ樹脂からなるエポキシ樹脂層と、前記エポキシ樹脂層と密着する型枠Xと、を有する遮水構造体である。
このような遮水構造体を、以下では「本発明の構造体」ともいう。
また、本発明は、表面に亀裂が形成されており、表面の少なくとも一部に水が存在する既設構造物の表面に遮水構造体を形成する方法であって、前記既設構造物の表面と間隔Laを保つように、スペーサーを介して、下部に注入口を有する型枠Xを設置する型枠設置工程[1]と、前記既設構造物の表面と前記型枠Xとの間に形成された隙間αへ、前記注入口から水中硬化型エポキシ樹脂を充填する、エポキシ樹脂充填工程と、を備える遮水構造体を形成する方法である。
このような遮水構造体を形成する方法を、以下では「本発明の方法」ともいう。
本発明の構造体は、本発明の方法によって形成することができる。
以下において、単に「本発明」と記す場合、「本発明の構造体」および「本発明の方法」の両方を意味するものとする。
<既設構造物>
本発明における既設構造物について説明する。
本発明において既設構造物は、表面に亀裂が形成されており、表面の少なくとも一部に水が存在するものである。例えば海洋護岸やトンネルが既設構造物に該当する。
海洋護岸について図1を用いて説明する。図1は、陸3と海5との間に建設されている海洋護岸1の概略断面図である。建設後、相当の時間が経過し、海洋護岸1が老朽化すると、海洋護岸1の陸3側の表面9と海5側の表面11とを繋ぐ亀裂7が生じる場合がある。
このような海洋護岸1は、表面11に亀裂7が形成されており、表面11の表面の少なくとも一部に水(海水)が存在するものであり、本発明における既設構造物に該当する。
亀裂7が生じると、その亀裂7を通じて陸3から海5へ地下水が流れ出る可能性があるため、これを防止するための補修を行う必要がある。
ここで本発明の構造体は、水(海水)が存在する表面11に設置する。
また、本発明の方法では、水(海水)が存在する表面11に、本発明の構造体を形成する。
トンネルについて図2を用いて説明する。図2は、山等に形成されたトンネル13の概略断面図である。建設後、相当の時間が経過し、トンネル13が老朽化すると、トンネル13の土15側の表面17とトンネル内部側の表面19とを繋ぐ亀裂21が生じる場合がある。
このようなトンネル13は、表面19に亀裂21が形成されており、表面19の表面の少なくとも一部に、亀裂21からトンネル13の内部側へ流れ出た地下水23が存在するものであり、本発明における既設構造物に該当する。
図2に示すように、亀裂21を通じて地下水がトンネル内部側へ流れ出た場合(または流れ出る可能性がある場合)、これを補修する必要がある。
ここで本発明の構造体は、地下水23が存在する表面19に設置する。
また、本発明の方法では、地下水23が存在する表面19に、本発明の構造体を形成する。
<本発明の方法>
本発明の方法について説明する。本発明の方法は、上記のような既設構造物における、亀裂が形成されていて、少なくとも一部に水が存在する表面に、本発明の構造体を設置する方法である。
本発明は以下に詳細に説明する型枠設置工程[1]およびエポキシ樹脂充填工程を備える。
<型枠設置工程[1]>
本発明の方法が備える型枠設置工程[1]について、図3および図4を用いて説明する。図3は、既設構造物の表面にスペーサーおよび型枠Xを設置した状態を示す概略断面図であり、図4は、図3と同様の、既設構造物の表面にスペーサーおよび型枠Xを設置した状態を、型枠X側から見た概略図である。
型枠設置工程[1]では、図3に示すように、既設構造物31の表面33と間隔Laを保つように、スペーサー37を介して、型枠X39を設置する。
スペーサー37は表面33および型枠X39に密着して、型枠X39の主面が表面33と概ね平行となる位置に、型枠X39を固定する役割を果たす。また、スペーサー37は、後のエポキシ樹脂充填工程において隙間α41内へ水中硬化型エポキシ樹脂を充填した際に、水中硬化型エポキシ樹脂が不必要な部位に漏れ出さないようにシールする役割も合わせて果たす。よって、スペーサー37は、図3においては型枠X39の下部にのみ設置されているが、図4において点線で示すように、必要に応じて隙間αを囲うように配置する。
このような役割を果たすものであれば、スペーサー37の大きさ、形状、材質等は特に限定されない。
スペーサー37は、圧縮強度が5kPa以上(より好ましくは8kPa以上)の部材であることが好ましい。ここで圧縮強度はJIS K 7312(熱硬化性ポリウレタンエラストマー成形物の物理的試験法によって測定されるものである。
スペーサー37はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタンまたはポリスチレンからなる発泡体であることが好ましい。
既設構造物31の表面33と型枠Xの主面との間隔Laは小さくてもよく、例えば5mm程度であってもよい。例えば、従来、特許文献2や特許文献3において用いられているベントナイトやアスファルトの場合、この間隔Laが小さいと注入すること自体が困難であり、具体的には少なくとも20mm以上の間隔が注入のためには必要である。
間隔Laは5〜30mmであることが好ましく、10〜20mmであることがより好ましい。
なお、既設構造物31の表面33と型枠Xの主面とを厳密に平行することは困難である。よって、間隔Laは、既設構造物31の表面33と型枠Xの主面と間隔の平均値を意味するものとする。
型枠Xは、図3に示すように設置した場合の下部に注入口43を有する態様のものである。
型枠Xは板状であってその主面間を貫通する孔(注入口43)を形成したものであることが好ましい。
型枠Xの材質や厚さは特に限定されないが、剛性が150kN/mm以上の部材であることが好ましい。ここで剛性はヤング率×断面二次モーメントから求められる。
型枠Xは鋼材、FRP、モルタルボードであることが好ましい。
なお、後述するようにエポキシ樹脂層の中にグリッド材を含ませた場合、型枠Xの剛性は低くてもよい。グリッド材(炭素繊維等)は高いヤング率を保持し、且つコンクリートへの付着構成物であるため、剛性補強ができる。
なお、海洋護岸は法線(壁面の位置)が陸地との位置取りとして登録されていることから、既設の海洋護岸のコンクリートをハツリ後、漏水補修する際、既設の法線まで戻す必要が有る。したがって、ハツリ量を少なく、型枠の厚みや充填厚みが少ない方がより安価となる。また、型枠Xは鋼材が有利なるも、重量から取り扱い性が悪いとの作業性も考慮する必要が有る。
型枠設置工程[1]において、スペーサー37を設置する前または後に、既設構造物31の表面33に対してハツリ・ブラスト処理を施して、不要物を除去することが好ましい。ここで、ハツリ・ブラスト処理を施すと、既設構造物31における表面33は削られるが、これを修復処理しないで、次のエポキシ樹脂充填工程を行ってもよい。本発明の方法が備えるエポキシ樹脂充填工程によれば、修復処理を行わなくても、性能を発揮する遮水構造体を設置することができる。
<エポキシ樹脂充填工程>
本発明の方法が備えるエポキシ樹脂充填工程について、図5を用いて説明する。図5は、既設構造物およびその表面に設置した本発明の構造体の概略断面図である。図5は、図3に示した、既設構造物31の表面33にスペーサー37および型枠X39を設置した状態について、さらにエポシキ樹脂を充填した後の状態を示している。
エポキシ樹脂充填工程では、図3に示した状態について、注入口43から、隙間α41内へ、水中硬化型エポキシ樹脂45を充填する。下部の注入口43から隙間41へ充填されたエポキシ樹脂45は、海水中の一部の水分と反応しながら硬化し、徐々に上部へ移動していく。この過程で亀裂35の内部へも浸透する。
水中硬化型エポキシ樹脂45は、水と反応して硬化する態様のものである。隙間α41内には、海水や、亀裂35を通って流れ出た地下水が存在し得るが、水中硬化型エポキシ樹脂45は、これら海水等を反応して硬化するため、その存在が問題になり難い。海水等が多すぎた場合は反応に利用されない部分が生じるが、図3および図5に示すように下部に存在する注入口からエポキシ樹脂45を充填していくと、硬化したエポキシ樹脂45の上に、利用されなかった海水等が押し出されたように存在することになる。
このような隙間α41内に存在していた海水等の多くの部分は上へ押し出されるが、隙間α41内の端部分には、海水等が残存しやすい。そこで、隙間α41内へ水中硬化型エポキシ樹脂を充填しつつ、電気抵抗測定装置を用いた管理を行うことが好ましい。これについて図6を用いて説明する。
図6は、図4に示した、既設構造物の表面にスペーサーおよび型枠Xを設置した状態について、さらにエポシキ樹脂を充填した後の状態を型枠X側から見た概略図である。図6において端部分を47と記している。図6に示すように、電気抵抗測定装置49のプラス極およびマイナス極に電気的に繋いだ配線を隙間α41へ充填したエポキシ樹脂45内に挿入して、電極間の電気抵抗を測定すると、電極間にエポキシ樹脂が存在するか、水が存在するかを把握することができる。
水中硬化型エポキシ樹脂は、密度が2g/cm3以上、粘度が4000mPa・s以下、可使時間が30分以上のものであることが好ましい。このような性状である場合、幅が1mm程度の亀裂の内部へ浸透しやすいからである。また、間隔Laが小さく、隙間αが狭い場合であってもそこへ浸透し、また、さらに幅の狭いひび割れへも浸透し、加えてひび割れ構造が変動しても変形し難い。
ここで密度は3g/cm3以下であることが好ましい。充填時の水との置換とひび割れ充填性を課題としており、密度が高くなると樹脂成分が低く、充填顔料との分離、ひび割れ部への充填性が低下することから、3g/cm3以下が好ましい。密度が2g/cm3に近いと水置換性とひび割れ追従性(伸び)が良好になり好ましい。なお、密度はJIS K 6833に規定される方法で測定される値(条件:20℃)を意味するものとする。
また、粘度は2000mPa・s以下であることが好ましい。また、500mPa・s以上であることが好ましく、1000mPa・s以上であることがより好ましい。水置換性とひび割れ浸透性が良好となるからである。また、充填時の水との置換とひび割れ充填性を課題としており、粘度が低いと水との混合が発生し、粘度が高いとひび割れ充填性が落ちることから、粘度は2000mPa・s以下で且つ500mPa・s以上が好ましい。なお、粘度はJIS K 6833に規定される方法で測定される値(条件:20℃)を意味するものとする。
可使時間は60分以下であることが好ましい。上記粘度の場合、ひび割れ浸透性と下端シール性の兼ね合いより、30分程度であることが好ましい。なお、可使時間とは、温度上昇法(条件20℃、300g)によって測定される粘度が2倍なるまでの時間を意味する。
注入口43から、隙間α41内へ、水中硬化型エポキシ樹脂を充填した後、エポキシ樹脂が硬化する前に、その中へグリッド材を含ませることができる。この場合、型枠Xの剛性が低くてもよい。グリッド材(炭素繊維等)は高いヤング率を保持し、且つコンクリートへの付着構成物であるため、剛性補強ができるからである。
グリッド材とはFRP格子筋であることが好ましく、炭素繊維やFRPの棒状の材料を縦横に交差固定されたものであることが好ましい。
このような本発明の方法によれば、水が存在する環境下において施工しても、密着性が高く、かつ背面圧が加わっても剥がれ難く、その結果、遮水性が極めて高い遮水構造体を設置することができる。
このような本発明の方法によって、上記のような既設構造物における、亀裂が形成されていて、少なくとも一部に水が存在する表面に、本発明の構造体を設置することができる。
本発明の方法は、上記のような型枠設置工程[1]とエポキシ樹脂充填工程とを備え、表面に亀裂が形成されており、表面の少なくとも一部に水が存在する既設構造物の表面に遮水構造体を形成する方法である。したがって、例えば海洋護岸に遮水構造体を形成する場合、本発明の方法では、図7に示すように、海洋護岸1における表面であって、水(海水)が存在する部分51と合わせて、水(海水)が存在しない部分53にも、本発明の構造体55を形成することができる。
ここで、本発明の方法では水(海水)が存在しない部分53について、水(海水)が存在する部分51とは異なる構造体を形成してもよい。すなわち、水(海水)が存在する部分51については、上記のような型枠設置工程[1]とエポキシ樹脂充填工程とを施し、水(海水)が存在しない部分53については、後述するウレタン樹脂層形成工程と、型枠設置工程[2]と、モルタル充填工程とを施すことができる。
これらの工程について、以下に図8を用いて説明する。
<ウレタン樹脂層形成工程>
ウレタン樹脂層形成工程について説明する。
ウレタン樹脂層形成工程は、前記既設構造物の表面における水が存在していない部分にウレタン樹脂層を形成する工程である。
ウレタン樹脂層は、既設構造物61の表面における水が存在していない部分(例えば図7において53で示される部分)にポリウレタン系樹脂を吹き付け等して形成することができる。ポリウレタン系樹脂は、一液湿気硬化型を用いてもよいし、二液反応型を用いてもよい。具体的には、スプレーガンを用いた吹き付けによって形成することが好ましい。より具体的には、イソシアネート成分とポリオール成分を混合してなる硬化性混合物を吹きつけし、この混合物からなるウレタン樹脂層63を形成することができる。
ウレタン樹脂層63の厚さは、0.5mm以上、好ましくは1mm以上、さらに好ましくは2mm以上とすることができる。
<型枠設置工程[2]>
型枠設置工程[2]について説明する。型枠設置工程[2]は、ウレタン樹脂層63と間隔Lbを保つように、スペーサー65を介して型枠Y67を設置する工程である。
この工程は、前述の型枠設置工程[1]と同様であってよい。スペーサー65も同様であってよい。ただし、型枠Y67は、型枠Xが有するような注入口を有さなくてもよい。また、型枠Y67は注入口を有してもよいが、型枠Xのように下部に有する必要はなく、例えば上部に有していてもよい。
また、間隔Lbは、間隔Laよりも広いことが好ましい。具体的に、間隔Lbは30〜150mmであることが好ましく、50〜100mmであることがより好ましい。間隔Lbが小さすぎる場合、モルタル充填の際の充填圧が上がる場合があり、型枠強度やシール構造への影響が大きい場合があり、かつ隅への充填性に難ある可能性があるからである。また、間隔Lbが高すぎる場合、材料費が嵩み経済的ではない。
<モルタル充填工程>
モルタル充填工程について説明する。モルタル充填工程は、隙間β69内へモルタルを充填する工程である。
モルタルを隙間β69内へ充填する方法は特に限定されない。型枠Yが注入口を有するものであれば、その注入口からモルタルを充填してよい。型枠Yが注入口を有しないものであれば、図8に示すように、隙間β69の上部からホース等を用いて充填してもよい。
モルタルとして、例えば、ポリマーセメントモルタル、樹脂モルタル、セメントモルタルが使用できる。ポリマーセメントモルタルは、例えば、ポルトランドセメント、早強セメント、中庸熱ポルトランドセメントなどのセメントと、硅砂などの細骨材とを含み、これらを結合するバインダーとしてポリマーエマルジョンやラテックスエマルジョンを添加したものである。ポリマーエマルジョンとしては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂などの樹脂系エマルジョン、スチレン−ブタジエンゴム、アクリルゴムなどの合成ゴム系エマルジョン、天然ゴムエマルジョンなどが使用できる。
このような態様の本発明の方法によって、表面に亀裂が形成されており、表面の一部に水が存在する既設構造物の表面に設置する遮水構造体であって、前記既設構造物の表面における水が存在していた部分に密着し、その一部が前記亀裂の内部にまで浸透している水中硬化型エポキシ樹脂からなるエポキシ樹脂層と、前記エポキシ樹脂層と密着する型枠Xと、を有し、さらに前記既設構造物の表面における水が存在していない部分に密着するウレタン樹脂層と、前記ウレタン樹脂層に密着するモルタル層と、前記モルタル層に密着する型枠Yと、を有する遮水構造体を形成することができる。
本発明の実施例について説明する。本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<ひび割れ追従性試験>
夏場には直射日光を受けて約60℃となり、冬場には約0℃となる環境下において、コンクリート等に形成されたひび割れの幅は変動する可能性がある。このようなひび割れを有する躯体に本発明の水中硬化型エポキシ樹脂を塗布し、そのひび割れの中に本発明の水中硬化型エポシキ樹脂を浸透させた場合、それに不具合が生じないことが必要である。
そこで、ひび割れを模擬して形成した間隙を有する表面に、本発明の水中硬化型エポシキ樹脂を塗布してなる試験体を作成し、そのひび割れ追従性を試験した。
さらに、水中硬化型エポキシ樹脂の代わりにポリウレタン系樹脂を用いた同様の試験も行った。なお、ポリウレタン系樹脂を塗布する際はCVスプレー工法を適用した。CVスプレー工法は特開2008−142703号に記載されている工法である。
試験体について、図9を用いて説明する。
初めに、2つの鋼材72および木材74を用意した。鋼材72は、各々、角管である。そして、それら各々の端面を略平行に、かつ、それらの端面の間に約1mm幅の間隙76が存するように木材74の主面上に配置し、接着剤を用いて接着した。ここで約1mm幅の間隙76が、ひび割れを模擬している。
次に、この表面(木材74が存する面とは反対に存する主面)に、本発明の水中硬化型エポシキ樹脂(NTAC−SGR、日本シーカ社製)を塗布して試験体70を得た。ここで水中硬化型エポキシ樹脂からなる層(エポキシ樹脂層78)の厚さを15mmとなるようにした。このような試験体70を複数作成した。
そして、一部の試験体70については水中硬化型エポキシ樹脂が硬化する前に、ここへグリッドを埋め込んだ。グリッドはFORCAトウグリッド FTG−CR4 100×100(新日鉄住金マテリアルズ株式会社コンポジット社製)である。
その後、エポシキ樹脂層の中へグリッドを埋め込んだ試験体70およびグリッドを埋め込んでいない試験体70を常温常圧の室内に48時間放置し、水中硬化型エポシキ樹脂を硬化させた。
上記のようにして得られた試験体70を恒温装置の中に配置し、冷熱繰り返しサイクル試験を行った。この試験は試験体70が存する雰囲気の温度を0℃から60℃まで昇温し、その後、再度0℃まで降温するプロセスを1サイクルとし、これを30回繰り返す試験である。
なお、試験体の全長は1.5mであり、被塗物の鋼材の線膨張係数が11.7×10-6/℃なので、0〜60℃に温度変化すると全体では1mm変動する。当該変動代が隙間1mmに加わるひび割れ変動の試験である。
このような試験を行ったところ、エポシキ樹脂層の中へグリッドを埋め込んだ試験体70およびグリッドを埋め込んでいない試験体70のいずれにおいても、エポシキ樹脂層78は鋼材72に密着した状態を保ち、また、亀裂等は無く、何らの不具合も発生していないことが確認できた。
また、水中硬化型エポキシ樹脂の代わりにポリウレタン系樹脂を用いた同様の試験においても、ポリウレタン系樹脂は鋼材72に密着した状態を保ち、また、亀裂等は無く、何らの不具合も発生していないことが確認できた。
<漏水試験>
ひび割れから水が排出されている躯体の表面に本発明の水中硬化型エポキシ樹脂を塗布した場合、その水中硬化型エポキシ樹脂からなる層(エポキシ樹脂層)は躯体側から水圧を受けることになる。この水圧を受けた場合であってもエポキシ樹脂層は躯体に密着した状態を保持する必要がある。
そこで、これを確認するため、外水圧性能確認試験を行った。さらに、水中硬化型エポキシ樹脂の代わりにポリウレタン系樹脂を用いた同様の試験も行った。なお、ポリウレタン系樹脂を塗布する際はCVスプレー工法を適用した。
外水圧性能確認試験について説明する。
初めに、図10に示すフェンスブロック80を用意した。フェンスブロック80は、150mm×150mm×400mmの大きさの直方体のコンクリートからなる塊の内部に、円筒状の孔82を形成したものである。孔82の直径は65mmである。孔82は一方の端面84からフェンスブロック80の長手方向に形成されているが、他方の端面86までには到達していない。すなわち端面86に孔は形成されておらず、端面86の壁厚(端面86の表面と孔82との壁厚)は45〜74mmである。よって、フェンスブロック80を図10に示すように配置した場合、孔82には水を貯めることができる構造となっている。また、図10に示すように配置した場合の下面(他方の端面86)から約40〜約60mmの高さの付近に、直径5mmの孔88が形成されている。孔88は各面に3個ずつ、4面に形成されている。孔88を形成した箇所におけるフェンスブロック80の壁厚は45mmである。
そして、図6に示すように、フェンスブロック80に形成した孔88を塞ぐように本発明の水中硬化型エポキシ樹脂(NTAC−SGR、日本シーカ社製)を塗布して、それからなる層(エポキシ樹脂層90)を形成した。エポキシ樹脂層90は全ての孔88を塞ぐように4面に形成した。その大きさは100mm×100mmの正方形となるようにした。そして、図11に示すような試験体100を得た。
次に、このような試験体100における孔82へホースを介して水を押し込み、15日間、保持した。ここで孔88からエポキシ樹脂層90へ0.07MPaの圧力(背面圧)がかかるように調整した。
その結果、15日間経過後であっても、エポキシ樹脂層90はコンクリート製のフェンスブロック80へ密着した状態を保っており、試験体100の内部の水が、エポキシ樹脂層90とフェンスブロック80との間から漏水することはなかった。
また、水中硬化型エポキシ樹脂の代わりにポリウレタン系樹脂を用いた同様の試験においても同様の結果であった。すなわち、15日間経過後であっても、ポリウレタン系樹脂の層はコンクリート製のフェンスブロック80へ密着した状態を保っており、試験体100の内部の水が、ポリウレタン系樹脂の層とフェンスブロック80との間から漏水することはなかった。
<浸透性試験>
浸透性試験について、図12を用いて説明する。
屋外に15年暴露されたコンクリート角(100mm×100mm、長さ150mm)を2つ(102、104)用意し、これらを並べるように水平面上に配置した。ここで、コンクリート角の各々が有する長手方向の面(4面)のうちの1面が水平面に接するように配置した。また、各々の長手方向の1面が対向し、これらの面の間隔105が0.25mmとなるように配置した。水平面上において間隔105の部分を塞ぐようにシールした。
次に水平面上に配置した2つのコンクリート角の側面を覆うように、4つのアクリル板106(厚さ1.0mm)を配置した。ここでアクリル板の上部が30mm上側へ飛び出すように配置した。
さらに、1つのアクリル板106に注入口108を形成した。この注入口108は隙間105へ通じている。
そして、隙間105を水で湿らせた後、注入口108を通じて隙間108へ水中硬化型エポキシ樹脂(NTAC−SGR、日本シーカ社製)を充填して、コンクリート間隙への
充填性を確認した。
その結果、問題なく充填されることを確認した。
<密着性試験>
JIS A 6909に準拠する建研式密着力測定を行った。具体的には、コンクリート平板(200mm×200mm、厚さ50mm)を用い、これを水槽に水没させた状態で、この表面に水中硬化型エポキシ樹脂(NTAC−SGR、日本シーカ社製)の層を形成した。そして、48時間当該水槽中で養生後、水槽から取り出し、引張ジグ(4cm×4cm)を接着させ、且つ当該ジグの大きさにて水中硬化型エポキシ樹脂をコンクリートに到達するように縁切り加工を施した。そして、引張ジグを垂直に引き上げた状態にて水中硬化型エポキシ樹脂が剥離する加重を測定したところ、1.9〜3.7N/mm2の高値密着力が発現し、且つ剥離破壊形態は全てコンクリートの凝集破壊であった。
さらに、水中硬化型エポキシ樹脂の代わりにポリウレタン系樹脂を用いた同様の試験も行った。なお、ポリウレタン系樹脂を塗布する際はCVスプレー工法を適用した。その結果、水中硬化型エポキシ樹脂の場合と同様の結果であった。すなわち、引張ジグを垂直に引き上げた状態にてポリウレタン系樹脂が剥離する加重を測定したところ、1.9〜3.7N/mm2の高値密着力が発現し、且つ剥離破壊形態は全てコンクリートの凝集破壊であった。
上記のようなひび割れ追従性試験、漏水試験、浸透性試験および密着性試験によって、本発明の水中硬化型エポキシはひび割れへの浸透性に優れ、躯体への密着性にも優れていることが確認できた。また、本発明の水中硬化型エポキシと面剛性を備える型枠との備える本発明の構造体によれば、エポキシ樹脂層に背面圧がかかるような状況であっても漏水を防止でき、かつ、環境温度変化へも順応して漏水を防止できることを確認できた。
次に、図7に示したように、水(海水)が存在する部分51については型枠設置工程[1]とエポキシ樹脂充填工程とを施し、水(海水)が存在しない部分53については、ウレタン樹脂層形成工程と、型枠設置工程[2]と、モルタル充填工程とを施して、水(海水)が存在しない部分53について、水(海水)が存在する部分51とは異なる構造体を形成し、密着性や遮水性について試験を行った。
初めに、間隔Laを20mmとし、モルタル製の型枠Xおよびスペーサーを用いて水(海水)が存在する部分51に型枠を設置した後(型枠設置工程[1])、隙間αへ水中硬化型エポキシ樹脂(NTAC−SGR、日本シーカ社製)を充填した。次に、水(海水)が存在しない部分53にポリウレタン系樹脂をCVスプレー工法にて塗布した後、間隔Lbを50mmとし、モルタル製の型枠Yおよびスペーサーを用いて型枠を設置した後(型枠設置工程[2])、隙間βへモルタルを充填した。
その結果、3ヵ月経過後であっても、各層は密着性を保ち、遮水性も保持されていた。
次に、同様の試験であって、型枠X、そのスペーサー、型枠Yおよびそのスペーサーのいずれもを、モルタル製のものからSUS304製のものに変更した試験を行った。その結果、3ヵ月経過後であっても、各層は密着性を保ち、遮水性も保持されていた。
1 海洋護岸
3 陸
5 海
7 亀裂
9、11 表面
13 トンネル
15 土
17、19 表面
21 亀裂
23 地下水
31 既設構造物
33 表面
35 亀裂
37 スペーサー
39 型枠X
41 隙間α
43 注入口
45 水中硬化型エポキシ樹脂
47 端部分
49 電気抵抗測定装置
51、53 表面
61 既設構造物
63 ウレタン樹脂層
65 スペーサー
67 型枠Y
69 隙間β
70 試験体
72 鋼材
74 木材
76 間隙
78 エポキシ樹脂層
80 フェンスブロック
82 孔
84、86 端面
88 孔
90 エポキシ樹脂層
100 試験体
102 コンクリート角
104 コンクリート角
105 間隔
106 アクリル板
108 注入口

Claims (8)

  1. 表面に亀裂が形成されており、表面の一部に水が存在する既設構造物の表面に設置する遮水構造体であって、
    前記既設構造物の表面における水が存在していた部分に密着し、その一部が前記亀裂の内部にまで浸透している水中硬化型エポキシ樹脂からなるエポキシ樹脂層と、
    前記エポキシ樹脂層と密着する型枠Xと、
    を有し、さらに
    前記既設構造物の表面における水が存在していない部分に密着するウレタン樹脂層と、
    前記ウレタン樹脂層に密着するモルタル層と、
    前記モルタル層に密着する型枠Yと、
    を有する遮水構造体。
  2. 前記水中硬化型エポキシ樹脂の密度が2g/cm3以上、粘度が4000mPa・s以下、可使時間が30分以上である、請求項1に記載の遮水構造体。
  3. 前記型枠Xおよび/または前記型枠Yの剛性が150kN/mm以上である、請求項1または2に記載の遮水構造体。
  4. 前記エポキシ樹脂層がグリッド材を含んでいる、請求項1〜のいずれかに記載の遮水構造体。
  5. 表面に亀裂が形成されており、表面の少なくとも一部に水が存在する既設構造物の表面に遮水構造体を形成する方法であって、
    前記既設構造物の表面と間隔Laを保つように、スペーサーを介して、下部に注入口を有する型枠Xを設置する型枠設置工程[1]と、
    前記既設構造物の表面と前記型枠Xとの間に形成された隙間αへ、前記注入口から水中硬化型エポキシ樹脂を充填し、前記隙間α内に水が残存しないように、電気抵抗測定装置を用いた管理を行う、エポキシ樹脂充填工程と、
    を備える遮水構造体を形成する方法。
  6. 表面に亀裂が形成されており、表面の一部に水が存在する既設構造物の表面に遮水構造体を形成する方法であって、
    前記既設構造物の表面における水が存在していた部分と間隔Laを保つように、スペーサーを介して、下部に注入口を有する型枠Xを設置する型枠設置工程[1]と、
    前記既設構造物の表面における水が存在していた部分と前記型枠Xとの間に形成された隙間αへ、前記注入口から水中硬化型エポキシ樹脂を充填する、エポキシ樹脂充填工程と、
    を備え、さらに、
    前記既設構造物の表面における水が存在していない部分にウレタン樹脂層を形成するウレタン樹脂層形成工程と、
    前記ウレタン樹脂層と間隔Lbを保つように、スペーサーを介して型枠Yを設置する型枠設置工程[2]と、
    前記隙間β内へモルタルを充填するモルタル充填工程と、
    を備える遮水構造体を形成する方法。
  7. 前記エポキシ樹脂充填工程において、前記隙間α内に水が残存しないように、電気抵抗測定装置を用いた管理を行う、請求項6に記載の遮水構造体を形成する方法。
  8. 前記既設構造物の表面にハツリ・ブラスト処理を施し、その後、その表面の修復処理を行わないで、前記型枠設置工程[1]と前記エポキシ樹脂充填工程とを行う、請求項5〜7のいずれかに記載の遮水構造体を形成する方法。
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