JP4072398B2 - 水冷エンジンの冷却水ポンプの漏水排出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水冷エンジンの冷却水ポンプの漏水排出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の発明の従来技術として、例えば、特許文献1がある。この特許文献1に記載の従来技術では、冷却水ポンプのポンプ軸が、ボスに内嵌された軸受で軸受され、この軸受とポンプ室との間で、上記ボス内にシールが内嵌され、このボスに漏水排出通路が形成され、上記シールからの漏水が上記ボス外に排出されるように構成した水冷エンジンにおいて、以下のように構成したことを特徴としている。
【0003】
すなわち、ポンププーリ等の入力輪の内周に錐台形周面が設けられ、この錐台形周面に前記漏水排出通路の通路出口が臨み、この通路出口から落下した漏水が、回転する錐台形周面に付着して、遠心力で錐台形周面の径大側に移動し、錐台形周面の径大側に位置する入力輪の開口端縁から周囲に跳ね飛ばされるようにしている。
【0004】
一般に、水冷エンジンの冷却水ポンプでは、シールや軸受の潤滑を図る等のためにシールからの一定量の漏水を許容する一方、溜まった漏水を機外に排出する必要がある。
【0005】
この特許文献1に記載の発明の利点は、シールからの漏水が入力輪の回転により周囲に跳ね飛ばされ、同じ個所に付着しにくいため、ポンプケースやギヤケースの汚れが目立ちにくくなるというものである。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−297642号公報(第3−4頁、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特許文献1に記載の従来技術では、シールからの漏水が機壁の同じ個所には付着しにくいものの、入力輪の周囲に跳ね飛ばされるため、ポンプケースやギヤケースに付着しない保証はない。むしろ、広い範囲にわたって水滴が付着するおそれもある。また、予期しない個所に水滴が飛散する可能性もある。飛散した水滴はいずれ機壁を伝って落下するが、かかる軌跡がやがては汚れとなってエンジンの外観を悪くするという問題があった。
【0008】
本発明は、シールからの漏水を入力輪の周囲に跳ね飛ばさないようにして、漏水によるポンプケースやギヤケースの汚れを防止することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、図1と図2とに例示するように、以下のように構成したことを特徴とする。
すなわち、冷却水ポンプ(1)のポンプ軸(2)が、ボス(3)に内嵌された軸受(4)で軸受され、この軸受(4)とポンプ室(5)との間で、上記ボス(3)内にシール(6)が内嵌され、このボス(3)に漏水排出通路(7)が形成され、上記シール(6)からの漏水が上記ボス(3)外に排出されるように構成した、水冷エンジンの冷却水ポンプの漏水排出装置において、
上記漏水排出通路(7)を上記ボス(3)から下方に向けて導出するとともに、この導出端(7a)をポンプケース(8)と入力輪(9)との間に臨ませて、ポンプケース(8)と入力輪(9)との間を漏水が滴下するようにした、ことを特徴とする。
【0010】
更に、前記ボス(3)内部において軸受(4)とシール(6)との間に漏水収容空間(16)を設け、この漏水収容空間(16)に一定量の漏水が溜まるようにするとともに、この漏水収容空間(16)と外部空間とを前記漏水排出通路(7)によって連通した、ことを特徴とする。
【0011】
更に、前記漏水排出通路(7)を、ボス(3)下部の肉壁に圧入したパイプによって構成し、このパイプ(7)の漏水収容空間側端部(7b)を漏水収容空間(16)内で突出させた、ことを特徴とする。
更に、図2に例示するように、冷却水ポンプ ( 1 ) の縦断面図上、シール ( 6 ) 側を後、軸受 ( 4 ) 側を前とし、漏水収容空間 ( 16 ) の前半部にパイプ ( 7 ) の漏水収容空間側端部 ( 7b ) を上向きに突出させ、パイプ ( 7 ) のない漏水収容空間 ( 16 ) の後半部は、パイプ ( 7 ) の漏水収容空間側端部 ( 7b ) の上端縁 ( 7c ) よりも低い位置で、その底縁 ( 16a ) を水平方向に向けた、ことを特徴とする。
【0012】
【発明の作用効果】
1.漏水排出通路(7)を上記ボス(3)から下方に向けて導出するとともに、この導出端(7a)をポンプケース(8)と入力輪(9)との間に臨ませて、ポンプケース(8)と入力輪(9)との間を漏水が滴下するようにしたので、回転する入力輪(9)によって水滴が周囲に跳ね飛ばされることはなく、また、ポンプケース(8)を伝って水滴が落下することも防止できるため、ポンプケース(8)やギヤケースの汚れを防止できる。
【0013】
2.ボス(3)内部において軸受(4)とシール(6)との間に漏水収容空間(16)を設け、この漏水収容空間(16)内に一定量の漏水が溜まるようにしたので、エンジンの熱等によりこの漏水収容空間(16)内の漏水の気化が促進され、少なくとも一部の漏水は蒸気となって漏水排出通路(7)から排出される。このため、水滴のまま滴下する漏水量が減り、ポンプケース(8)やギヤケースが汚れることが一層少なくなる。
【0014】
3.漏水排出通路(7)を、ボス(3)下部の肉壁に圧入したパイプによって構成し、このパイプ(7)の漏水収容空間側端部(7b)を漏水収容空間(16)内で突出させたので、ポンプケース ( 8 ) と入力輪 ( 9 ) との間を漏水が滴下する構成をパイプ(7)の圧入によって実現できるだけでなく、漏水収容空間(16)内に一定量の漏水を溜めるという構成も容易に実現することができる。
4.漏水収容空間(16)内でのパイプ(7)の突出高さを変えることにより、漏水収容空間(16)内における漏水の貯留量を自由に調整することができる。これにより、例えば、漏水の貯留量を多めにする等して、漏水収容空間(16)内に溜まった漏水を軸受(4)等の潤滑に利用することも可能になる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本実施形態における水冷エンジンの冷却水ポンプの縦断面図、図2は図1の要部拡大図である。この冷却水ポンプ1は、図示しないエンジンのシリンダブロックに組み付けられたギヤケース(図示省略)に取り付けられる。
【0016】
図1に示すように、この冷却水ポンプ1は、ポンプケース8とポンプ軸2と軸受4とシール6とポンププーリ9とを備えている。ポンプケース8は、図示省略のギヤケースに組み付けられ、ポンプ室壁11とボス3とを備えている。ポンプ室壁11内にはポンプ室5が内設される。このポンプ室5内にインペラ12が収容される。
【0017】
ボス3はポンプ室壁11に突設される。ポンプ軸2はインペラ12に取り付けられ、ボス3を貫通している。軸受4はボス3に内嵌され、ポンプ軸2を軸受けしている。シール6は、軸受4とポンプ室5との間でボス3に内嵌される。このシール6はメカニカルシールから構成されている。このメカニカルシールの構成は公知であるため、説明は省略する。
【0018】
ポンププーリ9は、フランジ13を介して冷却ファン14とともにポンプ軸2の先端部に固定されている。ポンププーリ9は椀形に形成され、上記ボス3の周囲を覆うようにポンプ軸2の先端部に取り付けられるとともに、ポンププーリ9の開口端縁はポンプケース8から離間させてある。本実施形態では、このポンププーリ9が入力輪に相当する。このポンププーリ9は、ベルト15によってクランク軸(図示せず)の回転が伝達されるようになっている。
【0019】
ボス3内部のシール6と軸受4との間には漏水収容空間16が設けられる。この漏水収容空間16は、ボス3の肉壁に圧入されたパイプ7を介して外部空間と連通している。具体的には、このパイプ7は、その一端の漏水収容空間側端部7bがボス3下部の肉壁に圧入されるとともに、その他端の外部空間側端部7aがボス3の下方に向けてほぼ真っ直ぐに延びている。この外部空間側端部7aは、ポンプケース8とポンププーリ9との間に臨ませてある。このパイプ7によって漏水排出通路が形成される。
【0020】
図2に拡大して示すように、本実施形態では、このパイプ7は、漏水収容空間側端部7bが漏水収容空間16内で突出するようにボス3の肉壁に圧入してある。このため、シール6からの漏水の一定量が漏水収容空間16に溜まり、その間にエンジンの熱等により気化して、パイプ7から排出される。この結果、水滴のまま機外に排出される漏水の量を減らすことができ、水滴によるポンプケース8等の汚れを防止できる。
【0021】
この漏水収容空間16内でのパイプ7の突出高さは適宜変更することができる。このため、例えば、突出高さを高くして漏水収容空間16内に溜まる漏水の量を多めにし、漏水によって軸受4等を潤滑させることができる。
図2に示すように、冷却水ポンプ ( 1 ) の縦断面図上、シール ( 6 ) 側を後、軸受 ( 4 ) 側を前とし、漏水収容空間 ( 16 ) の前半部にパイプ ( 7 ) の漏水収容空間側端部 ( 7b ) を上向きに突出させ、パイプ ( 7 ) のない漏水収容空間 ( 16 ) の後半部は、パイプ ( 7 ) の漏水収容空間側端部 ( 7b ) の上端縁 ( 7c ) よりも低い位置で、その底縁 ( 16a ) を水平方向に向けている。
【0022】
本実施形態は、このように構成された結果、パイプ7から滴下した漏水がポンプケース8とポンププーリ9との間を落下するため、漏水によるポンプケース8やギヤケースの汚れを防止できる。また、ボス3内部において軸受4とシール6との間に漏水収容空間16を設け、この漏水収容空間16内に一定量の漏水が溜まるようにしたので、エンジンの熱等によりこの漏水収容空間16内の漏水の気化が促進され、少なくとも一部の漏水は蒸気となって漏水排出通路7から排出される。このため、水滴のまま滴下する漏水量が減り、ポンプケース8や図示しないギヤケースの汚れを一層防止できる。さらに、漏水排出通路7を、ボス3下部の肉壁に圧入したパイプによって構成し、このパイプ7の漏水収容空間側端部7bを漏水収容空間16内で突出させたので、パイプ7の漏水収容空間16内での突出高さを変えることにより、漏水収容空間16内における漏水の貯留量を自由に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態を示す縦断面図である。
【図2】 図1の要部拡大図である。
【符号の説明】
1…冷却水ポンプ、2…ポンプ軸、3…ボス、4…軸受、5…ポンプ室、6…シール、7…パイプ(漏水排出通路)、7a…パイプ7の外部空間側端部(導出端)、7b…パイプ7の漏水収容空間側端部、7c…上端縁、8…ポンプケース、9…ポンププーリ(入力輪)、16…漏水収容空間、 16 a…底縁。
Claims (1)
- 冷却水ポンプ(1)のポンプ軸(2)が、ボス(3)に内嵌された軸受(4)で軸受され、この軸受(4)とポンプ室(5)との間で、上記ボス(3)内にシール(6)が内嵌され、このボス(3)に漏水排出通路(7)が形成され、上記シール(6)からの漏水が上記ボス(3)外に排出されるように構成した、水冷エンジンの冷却水ポンプの漏水排出装置において、
上記漏水排出通路(7)を上記ボス(3)から下方に向けて導出するとともに、この導出端(7a)をポンプケース(8)と入力輪(9)との間に臨ませて、ポンプケース(8)と入力輪(9)との間を漏水が滴下するようにし、
前記ボス(3)内部において軸受(4)とシール(6)との間に漏水収容空間(16)を設け、この漏水収容空間(16)に一定量の漏水が溜まるようにするとともに、この漏水収容空間(16)と外部空間とを前記漏水排出通路(7)によって連通させ、
前記漏水排出通路(7)を、ボス(3)下部の肉壁に圧入したパイプによって構成し、このパイプ(7)の漏水収容空間側端部(7b)を漏水収容空間(16)内でさせ、
冷却水ポンプ ( 1 ) の縦断面図上、シール ( 6 ) 側を後、軸受 ( 4 ) 側を前とし、漏水収容空間 ( 16 ) の前半部にパイプ ( 7 ) の漏水収容空間側端部 ( 7b ) を上向きに突出させ、パイプ ( 7 ) のない漏水収容空間 ( 16 ) の後半部は、パイプ ( 7 ) の漏水収容空間側端部 ( 7b ) の上端縁 ( 7c ) よりも低い位置で、その底縁 ( 16a ) を水平方向に向けた、ことを特徴とする水冷エンジンの冷却水ポンプの漏水排出装置。
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JP2002253761A JP4072398B2 (ja) | 2002-08-30 | 2002-08-30 | 水冷エンジンの冷却水ポンプの漏水排出装置 |
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