JP4071663B2 - 光伝送装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、波長多重伝送システムなどに用いられ、装置内部でチャネル光がトランスペアレントに伝達される光伝送装置と、この光伝送装置で用いられる誤伝送防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年では通信需要が著しく増大している。これを受けてDWDM(Dense Wavelength Division Multiplex)技術などにより光基幹通信網の太束化が推し進められているが、光伝送装置のボトルネック化が次第に顕著になってきている。従来の光伝送装置は自装置内で各チャネルに対応する波長の光信号(以下、チャネル光と称する)を電気信号に変換し、電気信号でルーティング処理を行うからである。
【0003】
このような背景から、装置内部で光-電気-光変換(O-E-O変換)を行わず、チャネル光を光のままルーティングする全光伝送装置が実用化されようとしている。全光伝送装置は装置内部でO-E-O変換を実施しないことから、プロトコルフリーかつビットレートフリーな光ネットワークを構築できると期待されている。この種の装置には、OADM(Optical Add Drop Multiplexer)装置や光クロスコネクト(Optical Cross Connect)装置などがある。
【0004】
この種の装置は、チャネル光の経路を切り替えるための光スイッチや、チャネル光を増幅する光増幅器などの、種々の光学ユニットを備える。これらのユニットを健全な状態に保つためには、何らかの故障や、人為的に発生し得る誤接続、あるいはソフトウェアの不具合による誤接続などが生じた場合にこれを確実に検知する必要がある。しかしながらこの種の装置ではO-E-O変換を実施しないため、伝送信号のオーバヘッド情報などを手掛かりとして個々のチャネル光を区別することができない。
【0005】
そこで、全光伝送装置においても装置内の各チャネル光をそれぞれ一意に識別できるようにするための種々の試みがなされている。例えば個々のチャネル光にそれぞれ異なるパターンで強度変調をかけ、変調パターンを読み取ることで各チャネル光を識別するという手法が考えられている。このような手法によれば、装置内部において全てのチャネル光が同じ波長で伝達される場合でも、個々のチャネル光をトレースすることが可能になる。
【0006】
しかしながら現時点の装置では、各チャネル光を一意に識別できるにとどまり、その後の処理に関する技術が確立されていない。すなわち、チャネル光が装置内部で誤った経路に接続されたことが検知できたとしても、装置外部の誤った経路にチャネル光が接続され伝送情報が誤った経路に伝達されてしまうこと、いわゆるミスコネクション(misconnection)を防ぐすべがない。
【0007】
なお、下記の特許文献1および2に、関連する技術が開示されている。
特許文献1には、監視情報光信号を出力光信号に重畳して下流に転送する光増幅装置において、励起光パワーを監視情報で変調し、それに応じて光増幅器の利得を変調することで監視情報信号に与えられる帯域を広帯域化する技術が開示されている。
【0008】
特許文献2には、励起状態の蛍光寿命よりも短い周期を有する程度の高周波の変調信号により励起光を変調することで、励起光による情報伝送を可能とする技術が開示されている。
【0009】
【特許文献1】
特開平7−131421号公報(段落番号[0016]など)
【0010】
【特許文献2】
特開平8−331058号公報(段落番号[0016]〜[0023]など)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、全光伝送装置において各チャネル光を一意に識別できたとしても、ミスコネクションを防止できるようにした技術は、未だ知られていない。 本発明は上記事情によりなされたもので、その目的は、装置内誤接続が生じた場合にミスコネクションを防止し得る光伝送装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、それぞれ伝送情報を含む複数のチャネル光を、与えられるルーティング情報に基づき光のままルーティングする光学部品(例えば光スイッチなど)と、前記複数のチャネル光にそれぞれ固有の識別特性を前記光学部品への入射前に付加する特性付加手段(例えば光ファイバ増幅器202)と、前記光学部品から出射される各チャネル光をその前記識別特性をモニタして個別に識別する識別手段(例えばモニタ回路)と、この識別手段による識別の結果を前記ルーティング情報と照合して、前記光学部品における誤接続を各チャネルごとに判定する判定手段(例えばスイッチ判定回路)と、この判定手段により誤接続と判定されたチャネル光による前記伝送情報の伝送を抑止する抑止手段(例えば可変光減衰器)と、この抑止手段の後段に接続され、励起光が光結合される増幅用ファイバに各チャネル光が導入され各チャネル光をそれぞれ増幅する光ファイバ増幅器(例えば光ファイバ増幅器205)とを具備し、前記特性付加手段は、前記複数のチャネル光をそれぞれ固有の変調特性で変調して前記識別特性を付加し、前記抑止手段は、前記増幅用ファイバの反転分布の応答周波数に相当する変調周波数で前記誤接続と判定されたチャネル光を強度変調する変調手段を備えることを特徴とする
【0013】
このような手段を講じたことにより、特性付加手段により各チャネル光に固有の特性が付加され、これをもとに識別手段で各チャネル光が識別される。この識別の結果とルーティング情報とが整合していなければ、装置内誤接続が生じていることになり、その旨が判定手段で判定される。そして、誤接続と判定されたチャネル光による情報伝送は、抑止手段により例えば光を遮断したり、強い強度変調などをかけるなどして抑止される。これにより、装置内誤接続が生じた場合には、チャネル光が誤った宛先に届いたとしても伝送情報はすでに破壊されているか、あるいはチャネル光が誤った宛先に届かないなどで、伝送情報が誤った宛先に伝達されてしまうことが抑止される。従ってミスコネクションを防止することが可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明に係わる光伝送装置の構成を示す機能ブロック図である。この光伝送装置においては、伝送情報を含むチャネル光が装置内をトランスペアレントに伝達される。伝送情報のフォーマットには、例えばSDH(Synchronous Digital Hierarchy)フレームまたはSONET(Synchronous Optical Network)フレームなどの時分割多重形式が適用される。
【0015】
図1において、光ファイバWLを介して到達した波長多重光は、光分波器201によりそれぞれ異なる波長のチャネル光に分波される。各チャネル光はそれぞれ光ファイバ増幅器202を介して光スイッチなどの光学部品200に入射される。光ファイバ増幅器202は、隣接する他の光伝送装置や光中継器との間の光伝送路、あるいは光分波器101などで生じる光損失を、各チャネル光ごとに補償する。
【0016】
光学部品200は、外部から与えられるルーティング情報に基づき、各チャネル光を光のままルーティングする。ここで経路切替されたチャネル光は、光学部品200からそれぞれ光ファイバ増幅器205を介して光合波器207に入射され、波長多重されて光ファイバELに送出される。
【0017】
ところで、各光ファイバ増幅器202には、周波数(ID:identification)発生源208で発生される各チャネル光ごとの固有の変調周波数fが、変調側チャネル選択スイッチ209を介して与えられる。各光ファイバ増幅器202は、与えられる変調周波数fに応じてチャネル光を強度変調し、これにより各チャネル光には、識別可能な固有の変調特性が付加される。
【0018】
変調側チャネル選択スイッチ209は、ルーティング情報に基づくシーケンス制御回路212の制御により動作し、ルーティング情報に則した変調周波数fを光ファイバ増幅器202に切り替え出力する。これにより各チャネル光に付すべき識別特性が、光学部品200のルーティング設定に応じて切り替えられる。
【0019】
光学部品200における入方路および出方路には、各チャネル光ごとにモニタ回路203,204が設けられる。モニタ回路203,204は各チャネル光に付与された変調周波数を読み取り、その結果をモニタ側チャネル選択スイッチ210に与える。モニタ側チャネル選択スイッチ210は、シーケンス制御回路212から与えられる制御信号に応じて切替動作し、ルーティング情報に応じた入出力経路の組み合わせで、各モニタ回路203,204の出力を周波数識別回路211に与える。
【0020】
周波数識別回路211は、モニタ回路203,204で取得された変調周波数fを識別し、その結果をスイッチ判定回路214に与える。スイッチ判定回路214は、識別された変調周波数fをルーティング情報と照合し、光学部品200における誤接続を各チャネル光ごとに判定する。
【0021】
光学部品200から出力される波長光は、装置内誤接続の有無に拘わらず光ファイバ増幅器205に入射される。光ファイバ増幅器205はALC(自動レベル一定制御)駆動され、光学部品200から出力された各チャネル光をレベル補償するとともにその強度変調成分を除去する。その後各チャネル光は可変光減衰器206を介して光合波器207に入射され、波長多重されて光ファイバELに送出される。
【0022】
各可変光減衰器206には、入射されるチャネル光が装置内誤接続を生じたものである場合に、スイッチ判定回路214を介して発振器215からの周波数信号Fが駆動信号として与えられる。可変光減衰器206の減衰率は周波数信号Fに応じて可変され、これにより、誤接続の生じたチャネル光に周波数信号Fに応じた強度変調がかけられる。
【0023】
この強度変調の周波数、すなわち周波数信号Fの周波数は、希土類元素ドープ光ファイバの反転分布の応答周波数の程度とするのが好ましい。このようにすると、装置の後段にALC駆動光ファイバ増幅器などが接続される場合でも、強度変調成分が失われないようにできる。また、併せて強度変調の強度を、後段のALC駆動光ファイバ増幅器により強度変調成分が失われない程度に大きくするとさらに好ましい。
【0024】
このように本実施形態では、各チャネル光を固有の変調周波数fで予め個別に光ファイバ増幅器202で強度変調する。そして、各チャネル光の変調周波数をモニタ回路203,204で読み取り、その結果を周波数識別回路211に与えて各チャネル光を識別する。これをもとに光学部品200のルーティング情報との照合により誤接続の生じたチャネル光を判別する。誤接続と判定されたチャネル光には可変光減衰器206でさらに強度変調をかけ、宛先への情報伝達を抑止するようにしている。
【0025】
このように、誤接続の生じたチャネル光に変調周波数Fで再度強度変調をかけるようにしたので、チャネル光が含む伝送情報が破壊され、従ってチャネル光が誤った宛先に届いたとしても伝送情報の伝達を阻止できる。従ってミスコネクションを防止することが可能になる。また、変調周波数Fを誤接続標識情報として用いることができるので、後段に接続される装置に誤接続が生じたことを伝達することができ、システム保守に役立てることができる。また、強度変調により伝送情報を破壊するようにしているので、光信号自体はそのまま伝達される。これにより後段に接続される光増幅器(中継器)を始めとする、様々な装置やシステムへの動作影響を最小限にできる。
【0026】
また、変調周波数Fを希土類元素ドープ光ファイバの反転分布の応答周波数の程度とするか、あるいは再度の強度変調の強度を、後段のALC駆動光ファイバ増幅器により強度変調成分が失われない程度に大きくすると、装置の後段にALC駆動光ファイバ増幅器などが接続される場合でも、強度変調成分が失われず、より確実にミスコネクションを防止できる。
【0027】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。例えば図1の可変光減衰器206に代えて、変調周波数Fに応じて利得を制御される光増幅器を設けても良い。もちろん、可変光変調器や高速な光スイッチ素子を設けても同様の効果を得られる。また図1の光ファイバ増幅器205に変調周波数Fを与えて利得制御するようにすれば、構成をより簡易なものとできる。
【0028】
また上記実施形態では、周波数信号Fの周波数を希土類元素ドープ光ファイバの反転分布の応答周波数の程度とするのが好ましいが、必ずしもそうしなくとも良い。例えば、周波数信号Fの周波数を、誤接続チャネル光の波長を波長多重システムに属さない波長に変換できるようなレベルに設定しても良い。
【0029】
また本実施形態では光伝送装置の出力側で誤接続チャネル光に強度変調をかけ、伝送情報の可読性を抑圧するようにしたが、より直接的に、誤接続チャネル光を遮断するようにしても良い。このようにするには、図1の可変光減衰器206に代えて光スイッチを設け、誤接続チャネル光の経路を情報伝送経路から排除する方路へと切り替えるようにすると良い。または光遮断器を設けても同様の効果を得られる。さらに、誤接続チャネル光が入射される光ファイバ増幅器205をオフするようにすれば、より簡易にチャネル光を遮断できる。このほか、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施を行うことができる。
【0030】
【発明の効果】
以上詳しく述べたように本発明によれば、装置内誤接続が生じた場合にミスコネクションを防止し得る光伝送装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる光伝送装置の構成を示す機能ブロック図。
【符号の説明】
WL…光ファイバ
EL…光ファイバ
101…光分波器
200…光学部品
201…光分波器
202…光ファイバ増幅器
203,204…モニタ回路
205…光ファイバ増幅器
206…可変光減衰器
207…光合波器
208…周波数発生源
209…変調側チャネル選択スイッチ
210…モニタ側チャネル選択スイッチ
211…周波数識別回路
212…シーケンス制御回路
214…スイッチ判定回路
215…発振器

Claims (6)

  1. それぞれ伝送情報を含む複数のチャネル光を、与えられるルーティング情報に基づき光のままルーティングする光学部品と、
    前記複数のチャネル光にそれぞれ固有の識別特性を前記光学部品への入射前に付加する特性付加手段と、
    前記光学部品から出射される各チャネル光をその前記識別特性をモニタして個別に識別する識別手段と、
    この識別手段による識別の結果を前記ルーティング情報と照合して、前記光学部品における誤接続を各チャネルごとに判定する判定手段と、
    この判定手段により誤接続と判定されたチャネル光による前記伝送情報の伝送を抑止する抑止手段と、
    この抑止手段の後段に接続され、励起光が光結合される増幅用ファイバに各チャネル光が導入され各チャネル光をそれぞれ増幅する光ファイバ増幅器とを具備し、
    前記特性付加手段は、前記複数のチャネル光をそれぞれ固有の変調特性で変調して前記識別特性を付加し、
    前記抑止手段は、前記増幅用ファイバの反転分布の応答周波数に相当する変調周波数で前記誤接続と判定されたチャネル光を強度変調する変調手段を備えることを特徴とする光伝送装置。
  2. 前記変調手段は、前記変調周波数に応じた駆動信号で減衰率を制御される可変光減衰器であることを特徴とする請求項に記載の光伝送装置。
  3. 前記変調手段は、前記変調周波数に応じた駆動信号で利得を制御される光増幅器であることを特徴とする請求項に記載の光伝送装置。
  4. 前記変調手段は、前記誤接続と判定されたチャネル光に誤接続標識情報を重畳することを特徴とする請求項に記載の光伝送装置。
  5. 前記抑止手段は、前記誤接続と判定されたチャネル光の経路を情報伝送経路から排除する方路へと切り替えるスイッチ手段であることを特徴とする請求項1に記載の光伝送装置。
  6. 前記抑止手段は、前記誤接続と判定されたチャネル光を遮断する遮断手段であることを特徴とする請求項1に記載の光伝送装置。
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