JP4071588B2 - (R) -Hydroxynitrile lyase composition and stabilization method - Google Patents

(R) -Hydroxynitrile lyase composition and stabilization method Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼの安定化が図られた(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼ安定化組成物、脱脂工程を行わずに抽出された(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼを安定化できる(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼ安定化剤、(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼの安定化方法及び光学活性シアノヒドリンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光学活性シアノヒドリンは、ピレスロイド農薬製造や医薬合成の光学活性有機合成中間体として有用である。光学活性シアノヒドリンをシアン化水素(シアニドドナー)とカルボニル化合物とから直接合成する手段の一つとして、ヒドロキシニトリルリアーゼと呼ばれる酵素を使う合成方法が種々提唱されている。本酵素には、R-体のシアノヒドリンを生成する活性を有する、(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼと、S-体のシアノヒドリンを生成する活性を有する、(S)-ヒドロキシニトリルリアーゼとが知られている。前者の(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼとしては、たとえば、バラ科植物、具体的にはアーモンド(Prunus amygdalus)由来の(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼ(EC 4.1.2.10)、アマ(Linum usitatissimum)由来の(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼなどが知られている。後者のS-ヒドロキシニトリルリアーゼとしては、たとえば、トウダイグサ科に属する植物由来である、キャッサバ(Manihot esculenta)由来の(S)-ヒドロキシニトリルリアーゼ(EC 4.1.2.37)、パラゴムノキ(Hevea brasiliensis)由来の(S)-ヒドロキシニトリルリアーゼ(EC 4.1.2.39)、またはイネ科植物であるモロコシ(Sorghum bicolor)由来の(S)-ヒドロキシニトリルリアーゼ(EC 4.1.2.11)などが知られており、これらの酵素をコードする遺伝子配列も知られている。これらの酵素は、当該酵素を含む植物組織からの抽出をするか、あるいは当該酵素遺伝子を他の細胞に導入し、得られた遺伝子組換細胞中で当該酵素遺伝子を発現させることにより得ることができる。
【0003】
また、アーモンドから(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼを抽出、分離または精製する場合、通常、アーモンドの実を粉砕した後、酢酸エチル、ヘキサンやアセトン等の有機溶媒を使用してアーモンドの油分を除去し、その後、水性溶媒で抽出している(非特許文献1参照)。この方法は、工業的に行うには大量の有機溶媒の使用が必要であり、困難である。また、アーモンドに含まれる(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼの一部は、有機溶媒によって失活する場合もある。
【0004】
ところで、一般に酵素に関しては、当該酵素が本来存在する状態における安定性が最も優れていることが知られている。しかしながら、一旦、単離抽出された酵素に関して、酵素を本来存在する状態に近づけることは困難であり、様々な条件について詳細な検討を行う必要がある。また、抽出された酵素を、当該酵素が由来する植物等の抽出物と共存させたとしても、当該酵素が本来存在する状態に近づくとは言えない。すなわち、抽出された酵素を、当該酵素が由来する植物等の抽出物と共存させたとしても、当該酵素の安定化を図れるとは限らない。
【0005】
また、ヒドロキシニトリルリアーゼを安定化するために、ポリエチレンイミン(PEI)やポリエチレングリコール(PEG)、アルブミンを添加することは知られている(非特許文献2参照)。
【非特許文献1】
Recl.Trav.Chim.Pays-Bas、1991、110、p.209-215
【非特許文献2】
Biocatalysis and Biotransformation、2001、19、p.119-130
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、非特許文献2に記載された手法は、(S)-ヒドロキシニトリルリアーゼを安定化することを目的としており、酵素として分子構造が大きく異なる(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼの安定化に効果を期待できないばかりでなく、実際検討したところ(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼの安定化に十分な効果はなかった。
【0007】
また、(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼを用いて工業的に物質合成を実施する場合、酵素を繰り返し使用することが有利であり、特に、(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼを安定化することは重要であった。ところが、公知の技術では、(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼを十分に安定化させることはできず、安定な(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼを使用することは不可能であった。
【0008】
そこで、本発明は、(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼの安定化を達成できる(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼ安定化組成物、脱脂工程を行わずに抽出された(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼを安定化できる(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼ安定化剤、(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼの安定化方法及び光学活性シアノヒドリンの製造方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述した目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼを、タンパク質を含む安定化剤と共存させることによって、(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼを安定化できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の発明を包含する。
【0010】
(1)(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼと、タンパク質を含む安定化剤とを含み、(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼの比活性が30U/mg以下であることを特徴とする(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼ安定化組成物。
(2)上記安定化剤は、アーモンドから水性溶媒により抽出した抽出物を含むことを特徴とする(1)記載の(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼ安定化組成物。
【0011】
(3)(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼを含む水性溶液にタンパク質を共存させて、(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼの比活性を30U/mg以下に調製することにより、(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼを安定化させることを特徴とする(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼの安定化方法。
(4)アーモンドから脱脂工程なしに水性溶媒により抽出した抽出物を含むことを特徴とする(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼの安定化剤。
【0012】
(5)上記抽出物が、酸性条件下で析出させて得られる沈殿物を主成分とすることを特徴とする請求項4記載の(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼの安定化剤。(6)(1)又は(2)記載の(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼ安定化組成物を用いて、カルボニル化合物とシアニドドナーとを酵素反応させることを特徴とする光学活性シアノヒドリンの製造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼ安定化組成物(以下、単に「組成物」と呼ぶ)は、(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼと、タンパク質を含む安定化剤とを含むものである。
【0014】
(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼとは、シアニドドナーの存在下、カルボニル化合物からR体のシアノヒドリンを合成する活性を有するものを意味する。(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼとしては、アーモンド(Prunus amygdalus)などのバラ科植物由来の(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼ及びアマ科植物由来の(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼを例示できる。
【0015】
(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼは、生物組織からの抽出によって調製することができるが、(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼ遺伝子をクローニングし、当該遺伝子を組み込んで作製した遺伝子組換え生物によっても生産することもできる。また、天然型の(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼ遺伝子を改変し、酵素機能を改変した(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼについても、上記の活性を有するものであれば用いることができる。
【0016】
(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼを生物組織から抽出する方法としては、抽出溶媒として水性溶媒を用いて抽出する方法が挙げられる。具体的には、先ず、例えばアーモンドの粉砕物に水性溶媒を加え攪拌することによって抽出液を得る。次に、抽出液を酸性条件下とする。次に、酸性条件下とすることより生成した沈殿物を、遠心分離等の手法により除去する。そして、沈殿物を除去した後の上清に(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼを抽出することができる。また、沈殿物を除去した後の上清は、使用形態に応じて濃縮してもよい。なお、最終的に得られた溶液には、(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼ以外の成分が含まれていてもよい。
【0017】
(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼ抽出に使用できる水性溶媒としては、例えば、水、イオン交換水、蒸留水等を挙げることができる。また、水性溶媒には、pH調整に必要な緩衝液種(クエン酸、リン酸、酢酸等の成分)が含まれていてもよい。さらに、アーモンドの粉砕物に水性溶媒を加える際には、アーモンド粉砕物に対して重量で1〜20倍程度、好ましくは、2〜10倍程度の水性溶媒を加える。(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼ抽出の際のpHは3〜10、好ましくは2〜9である。
【0018】
上述した方法では、アーモンド等の生物組織に含まれる油分を除去するための脱脂工程を行わず、アーモンド等の生物組織から水性溶媒を用いて(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼを抽出している。脱脂工程では、一般にアセトンやヘキサン等の有機溶媒を用いているため、生物組織に含まれる(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼの一部を失活させることがある。しかしながら、上述した方法によれば、この脱脂工程を行わないため、(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼの失活を大幅に低減させることができる。言い換えると、上述した方法は、(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼの回収率に優れた方法である。
【0019】
組成物に含まれる安定化剤は、例えば、アーモンドから(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼを抽出する際に、アーモンドから水性溶媒により抽出した抽出物に含まれるタンパク質を主成分としている。当該抽出物に含まれるタンパク質は、当該抽出物を酸析や塩析、溶媒沈殿等の公知の方法で処理することによって沈殿物として分離することができる。なお、このように得られた沈殿物は、そのまま安定化剤として用いてもよいし、凍結乾燥処理を施した後に安定化剤として用いてもよい。
【0020】
抽出液を酸性条件下とするには、例えば、クエン酸、リン酸、酢酸等を抽出液に加える方法が挙げられる。酸性条件とは、抽出液のpHが2〜7、好ましくは3〜6であることを意味する。
【0021】
安定化剤に含まれるタンパク質としては、例えば、アルブミン、グロブリン、グルテリン、ヒストン及びプロタミン等の単純タンパク質を挙げることができる。また、安定化剤に含まれるタンパク質としては、例えば、核タンパク質、糖タンパク質、リポタンパク質、リンタンパク質、色素タンパク質及び金属タンパク質等の複合タンパク質を挙げることができる。さらに、安定化剤に含まれるタンパク質としては、例えば、ケラチン、コラーゲン及びフィブロイン等の繊維状タンパク質を挙げることができる。さらにまた、安定化剤に含まれるタンパク質としては、例えば、ゼラチン、カゼイン、チーズホエータンパク質、小麦タンパク質、大豆タンパク質、アーモンドタンパク質及び魚肉タンパク質等の動植物由来のタンパク質を挙げることができる。
【0022】
組成物は、(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼ、タンパク質を含む安定化剤及び水性溶媒以外に、例えば、アーモンドに含まれている炭水化物、脂質、核酸、無機塩、有機酸、微細組織等を含むものであってもよい。
【0023】
特に組成物は、(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼ比活性が30U/mg以下である。ここで、比活性とは、単位タンパク質量辺りの活性を意味し、タンパク質1mg辺りの酵素単位数(U:ユニット)でU/mgで表される。実際には、酵素の容量活性(U/ml)とタンパク質濃度(mg/ml)を測定し、これら容量活性(U/ml)とタンパク質濃度(mg/ml)を用いて比活性(U/mg)を算出する。
【0024】
上記組成物を製造する方法としては、特に限定しないが、例えば、(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼ、安定化剤及び水性溶媒を、(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼの比活性が30U/mg以下となるように混合する方法、水性溶媒に溶解した(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼ溶液に、(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼの比活性が30U/mg以下となるようにタンパク質を添加する方法が挙げられる。
【0025】
特に、上記組成物は、アーモンドの粉砕物に水を加え攪拌することによって得られた抽出液から、酸性条件下で生成した沈殿物を除去して得られた(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼ溶液に、上記沈殿物を(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼの比活性が30U/mg以下となるように添加することによって製造することができる。
【0026】
なお、(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼの比活性を30U/mg以下にするには、上記(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼ溶液の容量活性(U/ml)及びタンパク質濃度(mg/ml)を予め測定する。そして、当該(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼ溶液における比活性(U/mg)を容量活性(U/ml)及びタンパク質濃度(mg/ml)から算出する。次に、算出した(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼ溶液における比活性(U/mg)から、添加すべき沈殿物の量を算出する。
【0027】
以上のように構成された組成物は、粉末状酵素、緩衝液等に溶解した酵素液、適当な担体に固定化してなる固定化酵素として使用することができる。反応終了後の反応液からの酵素の回収及び再利用が容易となることから、組成物は固定化酵素として使用するのが好ましい。上述した組成物を固定化酵素として使用した場合には、再利用によって繰り返し使用された場合でも高い酵素活性を維持することができる。固定化酵素は、例えば、上述した組成物と多孔性シリカゲル等の固定化担体とを混合することによって調製できるがその限りではない。
【0028】
上述した組成物或いは組成物を用いた固定化酵素は、光学活性シアノヒドリンの製造に使用することができる。すなわち、上述した組成物或いは組成物を用いた固定化酵素は、(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼを含む反応溶媒中で基質であるカルボニル化合物とシアニドドナーとから光学活性シアノヒドリンを製造することができる。
【0029】
ここで、光学活性シアノヒドリンとは、一方の鏡像異性体(例えばR体)が他方の鏡像異性体(例えばS体)より多く含まれているシアノヒドリンのこと、又は、いずれか一方の鏡像異性体のみからなるシアノヒドリンのことをいう。なお、シアノヒドリンがいずれか一方の鏡像異性体のみからなる場合、光学純度100%という。
【0030】
カルボニル化合物とは、アルデヒド又はケトンをいい、具体的には、次式(I):
1−CO−R2 (I)
(式中、R1及びR2は、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数22以下の1価の炭化水素基を表し、前記炭化水素基中、−CH2−並びに−CH3のCH2はカルボニル基、スルホニル基、−O−又は−S−で置き換えられていてもよく、=CH2は=O又は=Sで置き換えられていてもよく、また−CH2−のC−H、−CH3のC−H、>CH−のC−H、=CH−のC−H並びに=CH2のC−Hは、N又はC−ハロゲンで置き換えられていてもよく、また、R1及びR2は、共同して2価の基を表してもよい。)
で示される。
【0031】
前記式(I)において、炭素数22以下の1価の炭化水素基とは、直鎖状又は分岐状の鎖状炭化水素基、側鎖のない又は側鎖のある単環式炭化水素基、側鎖のない又は側鎖のある多環式炭化水素基、側鎖のない又は側鎖のあるスピロ炭化水素基、側鎖のない又は側鎖のある環集合構造の炭化水素基、あるいは、前記の環式炭化水素基が置換した鎖状炭化水素基のいずれをも含む。また、飽和な炭化水素基並びに不飽和な炭化水素基のいずれをも含むが、不飽和な炭化水素基において、C=C=Cのアレン構造を含む基は除く。
【0032】
なお、以下においては、側鎖のない芳香族基、側鎖のある芳香族基、並びに、フェニルフェニル基又は側鎖のあるフェニルフェニル基などを併せて、アリール基といい、このアリール基で置換された直鎖状又は分岐状のアルキル基をアラルキル基という。他の環式炭化水素基に関しても、特に明記しない場合、環上に側鎖のないものとあるものを併せて指す場合には、単にシクロアルキル基等の名称を用いる。鎖状炭化水素基についても、直鎖状のものと分岐状のものを併せて指す場合には、単にアルキル基等の名称を用いる。
【0033】
前記炭化水素基中、−CH2−がカルボニル基、スルホニル基、−O−又は−S−で置き換えられると、それぞれケトン、スルホン、エーテル又はチオエーテルの構造が導入され、−CH3の−CH2−がカルボニル基、−O−又は−S−で置き換わると、それぞれホルミル基(アルデヒド)、水酸基又はメルカプト基に変わり、あるいは、末端の=CH2が=O又は=Sに置き換わると、ケトン、チオケトンの構造が導入されることを意味し、また、−CH2−のC−HがNに変わると、−NH−となり、>CH−のC−HがNに変わると、>N−となり、=CH−のC−HがNに変わると、=N−となり、末端の−CH3のC−HがNに変わると、−NH2が導入され、=CH2のC−HがNに変わると、=NHとなる。また、−CH3、−CH2−、=CH−、≡CH又は>CH−のC−HがC−ハロゲンで置き換えられると、当該炭素上へハロゲン原子を置換することになる。なお、炭素鎖中における−O−、−S−、Nへの置き換えは、当該炭化水素基に対する、それぞれオキサ置換、チア置換、アザ置換に当たり、例えば、炭化水素環の環の骨格炭素で起こると、炭化水素環のそれぞれ含酸素複素環、含硫黄複素環、含窒素複素環への変換となる。該炭化水素基中、CH2並びにC−Hにおける置き換えは、それぞれ独立に行われてよく、加えて、前記の置き換えを行った後、なお当該炭素上にCH2又はC−Hが残存する際には、更に置き換えがなされてもよい。更には、前記の置き換えにより、−CH2−CH3の−CO−O−H;カルボン酸構造への変換などもなされる。
【0034】
本明細書において、ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を指すが、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましい。
従って、前記炭化水素基としては、鎖状炭化水素基並びに環式炭化水素基など環構造を有する炭化水素基のいずれをも選択でき、例えば、飽和鎖状炭化水素基である直鎖状又は分岐状のアルキル基、不飽和鎖状炭化水素基である直鎖状又は分岐状のアルケニル基、直鎖状又は分岐状のアルキニル基、直鎖状又は分岐状のアルカジエニル基など、飽和な環式炭化水素基であるシクロアルキル基、不飽和な環式炭化水素基であるシクロアルケニル基、シクロアルキニル基、シクロアルカジエニル基など、芳香族炭化水素基であるアリール基、アラルキル基、アリールアルケニル基などが挙げられる。
【0035】
更に詳しくいえば、直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、1−メチルプロピル基、ペンチル基、1−メチルブチル基、ヘキシル基、1−メチルペンチル基、ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、1−エチルペンチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、2−メチルプロピル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、メチルヘキシル基、メチルヘプチル基、メチルオクチル基、メチルノニル基、1,1−ジメチルエチル基、1,1−ジメチルプロピル基、2,6−ジメチルヘプチル基、3,7−ジメチルオクチル基、2−エチルヘキシル基など、シクロアルキルアルキル基としては、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基など、シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、メチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基など、ビシクロアルキル基としては、ノルボルニル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、アダマンチル基などが挙げられる。直鎖状又は分岐状のアルケニル基としては、例えばビニル基、アリル基、クロチル基(2−ブテニル基)、イソプロペニル基(1−メチルビニル基)など、シクロアルケニル基又はシクロアルカジエニル基としては、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘキサンジエニル基などが挙げられる。直鎖状又は分岐状のアルキニル基としては、例えばエチニル基、プロピニル基、ブチニル基などが挙げられる。アリール基としては、例えばフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−フェニルフェニル基、3−フェニルフェニル基、4−フェニルフェニル基、9−アントリル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、エチルフェニル基、メチルエチルフェニル基、ジエチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基などが挙げられる。アラルキル基としては、例えばベンジル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、フェネチル基(2−フェニルエチル基)、1−フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル基、メチルベンジル基、メチルフェネチル基、ジメチルベンジル基、ジメチルフェネチル基、トリメチルベンジル基、エチルベンジル基、ジエチルベンジル基などが挙げられる。アリールアルケニル基としては、例えばスチリル基、メチルスチリル基、エチルスチリル基、ジメチルスチリル基、3−フェニル−2−プロペニル基などが挙げられる。
【0036】
前記炭化水素基中のCH2がカルボニル基、スルホニル基、O又はSで、又はC−HがN又はC−ハロゲンで置き換えられた基としては、ケトン、アルデヒド、カルボン酸、スルホン、エーテル、チオエーテル、アミン、アルコール、チオール、ハロゲン、複素環(例えば、含酸素複素環、含硫黄複素環、含窒素複素環)などの構造を一つ以上含む基が挙げられる。なお、含酸素複素環、含硫黄複素環、含窒素複素環とは、環式炭化水素基の環骨格の炭素がそれぞれ酸素、硫黄、窒素で置き換わるものを意味し、更には、これらヘテロ原子置換が二種以上ある複素環であってもよい。前記の置換を有する炭化水素基としては、例えば、ケトン構造のアセチルメチル基、アセチルフェニル基;スルホン構造のメタンスルホニルメチル基;エーテル構造のメトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、メトキシプロピル基、ブトキシエチル基、エトキシエトキシエチル基、メトキシフェニル基、ジメトキシフェニル基、フェノキシメチル基;チオエーテル構造のメチルチオメチル基、メチルチオフェニル基;アミン構造のアミノメチル基、2−アミノエチル基、2−アミノプロピル基、3−アミノプロピル基、2,3−ジアミノプロピル基、2−アミノブチル基、3−アミノブチル基、4−アミノブチル基、2,3−ジアミノブチル基、2,4−ジアミノブチル基、3,4−ジアミノブチル基、2,3,4−トリアミノブチル基、メチルアミノメチル基、ジメチルアミノメチル基、メチルアミノエチル基、プロピルアミノメチル基、シクロペンチルアミノメチル基、アミノフェニル基、ジアミノフェニル基、アミノメチルフェニル基;含酸素複素環のテトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、モルホリルエチル基;含酸素複素芳香環のフリル基、フルフリル基、ベンゾフリル基、ベンゾフルフリル基;含硫黄複素芳香環のチエニル基;含窒素複素芳香環のピロリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアジアゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピラジニル基、テトラジニル基、キノリル基、イソキノリル基、ピリジルメチル基;アルコール構造の2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基、2,3−ジヒドロキシブチル基、2,4−ジヒドロキシブチル基、3,4−ジヒドロキシブチル基、2,3,4−トリヒドロキシブチル基、ヒドロキシフェニル基、ジヒドロキシフェニル基、ヒドロキシメチルフェニル基、ヒドロキシエチルフェニル基;チオール構造の2−メルカプトエチル基、2−メルカプトプロピル基、3−メルカプトプロピル基、2,3−ジメルカプトプロピル基、2−メルカプトブチル基、3−メルカプトブチル基、4−メルカプトブチル基、メルカプトフェニル基;ハロゲン化炭化水素基である2−クロロエチル基、2−クロロプロピル基、3−クロロプロピル基、2−クロロブチル基、3−クロロブチル基、4−クロロブチル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、ジフルオロフェニル基、ジクロロフェニル基、ジブロモフェニル基、クロロフルオロフェニル基、トリフルオロフェニル基、トリクロロフェニル基、フルオロメチルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基;アミン構造とアルコール構造を有する2−アミノ−3−ヒドロキシプロピル基、3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル基、2−アミノ−3−ヒドロキシブチル基、3−アミノ−2−ヒドロキシブチル基、2−アミノ−4−ヒドロキシブチル基、4−アミノ−2−ヒドロキシブチル基、3−アミノ−4−ヒドロキシブチル基、4−アミノ−3−ヒドロキシブチル基、2,4−ジアミノ−3−ヒドロキシブチル基、3−アミノ−2,4−ジヒドロキシブチル基、2,3−ジアミノ−4−ヒドロキシブチル基、4−アミノ−2,3−ジヒドロキシブチル基、3,4−ジアミノ−2−ヒドロキシブチル基、2−アミノ−3,4−ジヒドロキシブチル基、アミノヒドロキシフェニル基;ハロゲンと水酸基で置換された炭化水素基であるフルオロヒドロキシフェニル基、クロロヒドロキシフェニル基;カルボン構造のカルボキシフェニル基などが挙げられる。
1及びR2で表される非対称の2価の基としては、特に制限はなく、例えば、ノルボルナン−2−イリデン、2−ノルボルネン−5−イリデンが挙げられる。
【0037】
前記式(I)で示されるカルボニル化合物としては、例えば、ベンズアルデヒド、m−フェノキシベンズアルデヒド、p−メチルベンズアルデヒド、o−クロロベンズアルデヒド、m−クロロベンズアルデヒド、p−クロロベンズアルデヒド、m−ニトロベンズアルデヒド、3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒド、2,3−メチレンジオキシベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、フルフラール等の芳香族アルデヒド;アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、シクロヘキサンアルデヒド等の脂肪族アルデヒド;エチルメチルケトン、ブチルメチルケトン、メチルプロピルケトン、イソプロピルメチルケトン、メチルペンチルケトン、メチル(2−メチルプロピル)ケトン、メチル(3−メチルブチル)ケトン等の飽和脂肪族ケトン;メチル(2−プロペニル)ケトン、(3−ブテニル)メチルケトン等の不飽和脂肪族ケトン;(3−クロロプロピル)メチルケトン等のアルキル(ハロアルキル)ケトン;2−(アルコキシカルボニルアミノ)−3−シクロヘキシルプロピオンアルデヒド等の2−(保護アミノ)アルデヒド;3−メチルチオプロピオンアルデヒド等のアルキルチオ脂肪族アルデヒドが挙げられる。
【0038】
一方、シアニドドナーとは、反応系へ添加することによって、シアニド、すなわちシアン化物イオン(CN-)を生じる物質を意味し、例えば、シアン化水素、青酸(シアン化水素酸)、シアン化ナトリウムやシアン化カリウムなどのシアン化水素の塩、又は、アセトンシアノヒドリン等のシアノヒドリン類が挙げられる。特に回収リサイクルが容易な青酸(シアン化水素酸)を用いるのが好ましい。
【0039】
反応溶媒は、上述したヒドロキシニトリルリアーゼと、ヒドロキシニトリルリアーゼを用いた酵素反応に通常用いられる溶媒とを含むものである。溶媒としては、反応原料の濃度を高め、生産性を高めるために、水と実質的に混和しない有機溶媒を用いることが好ましい。ここで、「水と実質的に混和しない有機溶媒」とは、水に任意の割合で溶解する溶媒を除く有機溶媒を意味する。有機溶媒としては、水と実質的に混和せず、基質及び生成物を充分に溶解し、酵素反応に悪影響を与えないものであれば特に制限なく用いることができる。このような有機溶媒は、原料のアルデヒド又はケトンの物性、生成物であるシアノヒドリンの物性に応じて適宜選択することができる。
【0040】
水と実質的に混和しない有機溶媒としては、具体的には、ハロゲン化されていてもよい炭化水素系溶媒(例えば、直鎖状、分岐状又は環状の飽和又は不飽和脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素)、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、塩化メチレン、クロロホルムなど;ハロゲン化されていてもよいアルコール系溶媒(例えば、直鎖状、分岐状又は環状の飽和又は不飽和脂肪族アルコール、アラルキルアルコール)、例えば、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、n−アミルアルコールなど;ハロゲン化されていてもよいエーテル系溶媒(例えば、直鎖状、分岐状又は環状の飽和又は不飽和脂肪族エーテル、芳香族エーテル)、例えば、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタンなど;ハロゲン化されていてもよいエステル系溶媒(例えば、直鎖状、分岐状又は環状の飽和又は不飽和脂肪族エステル、芳香族エステル)、例えば、ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等が挙げられ、これらを単独で用いてもまた2種以上を混合して用いてもよい。特に、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、t-ブチルメチルエーテル、酢酸エチルを用いるのが好ましい。
【0041】
前記有機溶媒は、水又は水性緩衝液で飽和されているのが好ましい。ここで水性緩衝液としては、特に制限はないが、酵素活性の最適pH(pH4〜7)の付近において緩衝能を発揮する緩衝液、例えば、リン酸、クエン酸、グルタル酸、リンゴ酸、マロン酸、o−フタル酸、コハク酸などの塩等によって構成される緩衝液等が好ましく用いられる。
【0042】
なお、反応溶媒に含まれる溶媒としては、水、或いは水と混和する有機溶媒であっても良い。また、反応溶媒には、カルボニル化合物又はシアニドドナーのいずれか一方を予め含んでいてもよい。この場合、本製造方法においては、反応溶媒に対して、カルボニル化合物及びシアニドドナーのうち反応溶媒に含まれていない他方を添加する。
【0043】
シアノヒドリンを合成する酵素反応の形態については制限しない。即ち、酵素反応が進行する反応溶液は、水系、水・有機溶媒混合系、有機溶媒系、有機溶媒水二相系、固定化酵素を使う反応系などのいずれであってもよい。
【0044】
なお、本製造方法において、ヒドロキシニトリルリアーゼ、カルボニル化合物及びシアニドドナーの使用量、反応温度は、用いる基質に応じて適宜決定される。通常、ヒドロキシニトリルリアーゼの使用量は基質であるカルボニル化合物50mmolに対して250〜100,000単位、好ましくは500〜50,000単位である。カルボニル化合物の濃度は通常0.1〜10mol/Lの範囲に設定し、シアニドドナーは用いるカルボニル化合物に対して0.5〜5倍モル、好ましくは0.8〜3倍モルの濃度とする。酵素反応はカルボニル濃度によって酵素活性及び反応速度が変化するので、用いるカルボニル化合物の種類に応じてその濃度を適宜決定する。反応時間は、カルボニル化合物の転換率が80%以上、好ましくは90%以上に達するまでの時間が適当であるが、これに限定されない。
【0045】
本製造方法をいわゆる回分式で行う場合には、撹拌などにより酵素が反応系内に分散するようにする。本製造方法を、カラムなどに充填した固定化酵素を用いて行う場合には、カルボニル化合物及び/又はシアニドドナーを含む溶液を、カラムに添加し、流出液を採取することで実施できる。回分式の場合には、反応が完結した時点で混合を止め、シアノヒドリンが溶解している有機相を常法により取り出すことで当該シアノヒドリンを回収できる。なお、いずれの方式であってもヒドロキシニトリルリアーゼは、再使用することができる。
【0046】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
【0047】
(調製例1)(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼ及び安定化剤の調製
(1)アーモンド種子粉砕物100gに水300gを混合し、3時間攪拌した後、遠心分離し、抽出液を回収した。回収した抽出液にクエン酸水溶液を加え、pHを4.5に調製した。抽出液pHを4.5に調製することによって、抽出液中に沈殿物が生じた。
次に、pHを4.5に調製した抽出液を遠心分離し、沈殿物と上清とに分離しそれぞれ回収した。次に、回収した上清を限外濾過によって10倍に濃縮した。濃縮して得られた上清を酵素溶液とした。また、回収した沈殿物を凍結乾燥することによって安定化剤とした。
【0048】
(2)前記(1)で調製した酵素溶液に含まれる(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼの酵素活性を測定した。(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼは、DL-マンデロニトリルを基質とする場合、酵素反応によりベンズアルデヒドを生成する。したがって、酵素活性は、DL-マンデロニトリルを基質として含む反応溶液における、ベンズアルデヒドの生成速度として算出した。なお、ベンズアルデヒドの生成速度は、波長249.6nmの吸光度変化で測定することができる。ここで、(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼ酵素活性の1単位(U;unit)は、1分間にベンズアルデヒド1μmolを生成する活性と定義した。
【0049】
前記(1)で得られた酵素溶液について、(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼの酵素活性(容量活性)を測定したところ、1500U/mlであり、40,000Uの(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼを回収できたことが判った。また、前記(1)で得られた安定化剤について、同様に(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼの酵素活性を測定したところ殆ど酵素活性を示さないことが判った。
【0050】
続いて、前記(1)で得られた酵素溶液について、タンパク質濃度を測定した。タンパク質濃度は、BCA Protein Assey Reagent Kit(PIERCE社製)を用いて測定した。前記(1)で得られた酵素溶液のタンパク質濃度は、37.5mg/mlであった。したがって、前記(1)で得られた酵素溶液の比活性は40U/mgと算出された。
【0051】
(調製例2)固定化酵素の調製
前記調製例1で調製した酵素溶液1mlに対して、前記調製例1で調製した安定化剤30mgを混合し、酵素組成物を調製した。得られた酵素組成物のタンパク質濃度を、調製例1と同様にして測定したところ60mg/mlであった。また、酵素組成物における(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼの酵素活性(容量活性)は1500U/mlであったため、比活性は25U/mgと算出された。
【0052】
次に、得られた酵素組成物1mlに対して1gの割合で固定化担体(多孔性シリカゲル、商品名MB-5D、富士シリシア化学社(Fuji Silisia Chemical Ltd)製)を混合した。これにより、酵素組成物が固定化された固定化酵素を調製することができた。
【0053】
(実施例1)光学活性シアノヒドリンの合成
先ず、0.2Mクエン酸緩衝液で飽和させたt-ブチルメチルエーテル2.6gと青酸0.3gとを混合した混合液に、調製例2で調製した固定化酵素(850単位)を添加し、次いで、2-クロロベンズアルデヒド1.4gを添加した。これを室温で攪拌することによって、(R)-2-クロロマンデロニトリルの合成を行った。3時間反応させた後、反応液を回収し、HPLCによってアルデヒドの転化率及び(R)-2-クロロマンデロニトリルの光学純度を測定した。更に、反応終了後の固定化酵素を回収し、前記と同じ条件で繰り返し反応を行った。
【0054】
(比較例1)
比較例1では、前記調製例2で調製した固定化酵素を用いず、前記調製例1で調製した酵素溶液を固定化した固定化酵素を用いた以外は実施例1と同様に(R)-2-クロロマンデロニトリルの合成を行った。すなわち、比較例1で使用した固定化酵素は、安定化剤を添加せずに調製したものである。
【0055】
(結果)
前記実施例1及び比較例1で測定したアルデヒドの転化率及び(R)-2-クロロマンデロニトリルの光学純度を測定した結果を、繰り返し回数(バッチ数)毎に図1及び表1に示した。
【0056】
【表1】

Figure 0004071588
【0057】
図1及び表1から判るように、比較例1では、繰り返し回数の増加に応じて転化率が低下し、また光学純度の低下していた。これに対して、実施例1では、繰り返し回数が増加しても、高い転化率及び高い光学活性を維持していることが明らかになった。これらの結果から、前記調製例1で調製した安定化剤は、(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼを安定化することができ、酵素反応を繰り返し行った場合でも酵素活性を高く維持することができることが判った。
【0058】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼの安定化が図られた(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼ組成物、脱脂工程を行わずに抽出された(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼを安定化できる(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼ安定化剤、(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼの安定化方法及び光学活性シアノヒドリンの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】安定化剤による(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼの安定化効果を示す特性図である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
INDUSTRIAL APPLICABILITY The present invention can stabilize (R) -hydroxynitrile lyase extracted without performing a degreasing step, and (R) -hydroxynitrile lyase stabilizing composition in which (R) -hydroxynitrile lyase is stabilized The present invention relates to a (R) -hydroxynitrile lyase stabilizer, a method for stabilizing (R) -hydroxynitrile lyase, and a method for producing an optically active cyanohydrin.
[0002]
[Prior art]
Optically active cyanohydrins are useful as optically active organic synthetic intermediates for pyrethroid pesticide production and pharmaceutical synthesis. As one means for directly synthesizing optically active cyanohydrin from hydrogen cyanide (cyanide donor) and a carbonyl compound, various synthetic methods using an enzyme called hydroxynitrile lyase have been proposed. This enzyme is known to be (R) -hydroxynitrile lyase, which has the activity of producing R-form cyanohydrin, and (S) -hydroxynitrile lyase, which has the activity of producing S-form cyanohydrin. Yes. Examples of the former (R) -hydroxynitrile lyase include rose family plants, specifically almonds (Prunus amygdalus) -Derived (R) -hydroxynitrile lyase (EC 4.1.2.10), flax (Linum usitatissimum) -Derived (R) -hydroxynitrile lyase is known. As the latter S-hydroxynitrile lyase, for example, cassava (derived from a plant belonging to Euphorbiaceae,Manihot esculenta) -Derived (S) -hydroxynitrile lyase (EC 4.1.2.37), para rubber tree (Hevea brasiliensis) -Derived (S) -hydroxynitrile lyase (EC 4.1.2.39) or sorghum (Poaceae)Sorghum bicolor) -Derived (S) -hydroxynitrile lyase (EC 4.1.2.11) is known, and the gene sequences encoding these enzymes are also known. These enzymes can be obtained by extracting from the plant tissue containing the enzyme or by introducing the enzyme gene into other cells and expressing the enzyme gene in the obtained genetically modified cells. it can.
[0003]
When (R) -hydroxynitrile lyase is extracted, separated or purified from almonds, the almond oil is usually removed after grinding the almond fruits using an organic solvent such as ethyl acetate, hexane or acetone. Thereafter, extraction with an aqueous solvent is performed (see Non-Patent Document 1). This method is difficult because it requires the use of a large amount of organic solvent for industrial use. In addition, a part of (R) -hydroxynitrile lyase contained in almonds may be deactivated by an organic solvent.
[0004]
By the way, it is generally known that an enzyme is most excellent in stability in a state where the enzyme originally exists. However, once an enzyme is isolated and extracted, it is difficult to bring the enzyme close to the state in which it originally exists, and it is necessary to conduct a detailed study on various conditions. Moreover, even if the extracted enzyme is allowed to coexist with an extract of a plant or the like from which the enzyme is derived, it cannot be said that the enzyme is in a state where it originally exists. That is, even if the extracted enzyme coexists with an extract of a plant or the like from which the enzyme is derived, the enzyme cannot always be stabilized.
[0005]
In addition, it is known to add polyethyleneimine (PEI), polyethylene glycol (PEG), and albumin to stabilize hydroxynitrile lyase (see Non-Patent Document 2).
[Non-Patent Document 1]
Recl.Trav.Chim.Pays-Bas, 1991, 110, p.209-215
[Non-Patent Document 2]
Biocatalysis and Biotransformation, 2001, 19, p.119-130
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, the technique described in Non-Patent Document 2 is aimed at stabilizing (S) -hydroxynitrile lyase, and is effective for stabilizing (R) -hydroxynitrile lyase having a molecular structure that differs greatly as an enzyme. Not only could not be expected, but when actually examined, it was not effective enough to stabilize (R) -hydroxynitrile lyase.
[0007]
In addition, when industrially synthesizing substances using (R) -hydroxynitrile lyase, it is advantageous to use the enzyme repeatedly. In particular, it is important to stabilize (R) -hydroxynitrile lyase. there were. However, with the known technique, (R) -hydroxynitrile lyase cannot be sufficiently stabilized, and it has been impossible to use stable (R) -hydroxynitrile lyase.
[0008]
Therefore, the present invention stabilizes (R) -hydroxynitrile lyase extracted without performing a degreasing step, (R) -hydroxynitrile lyase stabilizing composition that can achieve stabilization of (R) -hydroxynitrile lyase An object of the present invention is to provide a (R) -hydroxynitrile lyase stabilizer, a method for stabilizing (R) -hydroxynitrile lyase, and a method for producing optically active cyanohydrin.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to achieve the above-mentioned object, the present inventors have stabilized (R) -hydroxynitrile lyase by coexisting (R) -hydroxynitrile lyase with a stabilizer containing protein. As a result, the present invention has been completed.
That is, the present invention includes the following inventions.
[0010]
(1) (R) -hydroxynitrile lyase and a stabilizer containing protein, wherein (R) -hydroxynitrile lyase has a specific activity of 30 U / mg or less. A lyase stabilizing composition.
(2) The (R) -hydroxynitrile lyase stabilizing composition according to (1), wherein the stabilizer contains an extract extracted from almonds with an aqueous solvent.
[0011]
(3) (R) -hydroxynitrile lyase is prepared by co-existing protein in an aqueous solution containing (R) -hydroxynitrile lyase to adjust the specific activity of (R) -hydroxynitrile lyase to 30 U / mg or less. A method for stabilizing (R) -hydroxynitrile lyase, characterized by comprising stabilizing.
(4) A (R) -hydroxynitrile lyase stabilizer comprising an extract extracted from an almond with an aqueous solvent without a degreasing step.
[0012]
(5) The (R) -hydroxynitrile lyase stabilizer according to claim 4, wherein the extract is mainly composed of a precipitate obtained by precipitation under acidic conditions. (6) A method for producing an optically active cyanohydrin, which comprises subjecting a carbonyl compound and a cyanide donor to an enzymatic reaction using the (R) -hydroxynitrile lyase stabilizing composition according to (1) or (2).
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
The (R) -hydroxynitrile lyase stabilizing composition (hereinafter simply referred to as “composition”) according to the present invention comprises (R) -hydroxynitrile lyase and a stabilizer containing protein.
[0014]
(R) -Hydroxynitrile lyase means one having an activity of synthesizing an R form cyanohydrin from a carbonyl compound in the presence of a cyanide donor. (R) -Hydroxynitrile lyase includes almond (Prunus amygdalus(R) -hydroxynitrile lyase derived from a rose family plant such as) and (R) -hydroxynitrile lyase derived from a flax family plant.
[0015]
(R) -Hydroxynitrile lyase can be prepared by extraction from biological tissues, but it can also be produced by a recombinant organism produced by cloning the (R) -hydroxynitrile lyase gene and incorporating the gene. You can also. Further, (R) -hydroxynitrile lyase having a modified enzyme function by modifying the natural (R) -hydroxynitrile lyase gene can be used as long as it has the above activity.
[0016]
Examples of the method for extracting (R) -hydroxynitrile lyase from a biological tissue include a method using an aqueous solvent as an extraction solvent. Specifically, first, for example, an extract is obtained by adding an aqueous solvent to an almond pulverized product and stirring the mixture. Next, the extract is subjected to acidic conditions. Next, the precipitate produced | generated by making it into acidic conditions is removed by techniques, such as centrifugation. Then, (R) -hydroxynitrile lyase can be extracted from the supernatant after removing the precipitate. Moreover, you may concentrate the supernatant liquid after removing a deposit according to a usage form. The finally obtained solution may contain components other than (R) -hydroxynitrile lyase.
[0017]
Examples of aqueous solvents that can be used for (R) -hydroxynitrile lyase extraction include water, ion-exchanged water, and distilled water. In addition, the aqueous solvent may contain buffer solution species (components such as citric acid, phosphoric acid, and acetic acid) necessary for pH adjustment. Further, when an aqueous solvent is added to the almond pulverized product, the aqueous solvent is added in an amount of about 1 to 20 times, preferably about 2 to 10 times, by weight with respect to the almond pulverized product. The pH during (R) -hydroxynitrile lyase extraction is 3 to 10, preferably 2 to 9.
[0018]
In the method described above, (R) -hydroxynitrile lyase is extracted from a biological tissue such as almonds using an aqueous solvent without performing a degreasing step for removing oil contained in the biological tissue such as almonds. In the degreasing step, since an organic solvent such as acetone or hexane is generally used, a part of (R) -hydroxynitrile lyase contained in the biological tissue may be deactivated. However, according to the method described above, since this degreasing step is not performed, the deactivation of (R) -hydroxynitrile lyase can be greatly reduced. In other words, the above-described method is an excellent method for recovering (R) -hydroxynitrile lyase.
[0019]
The stabilizer contained in the composition is mainly composed of proteins contained in an extract extracted from almonds with an aqueous solvent when (R) -hydroxynitrile lyase is extracted from almonds, for example. The protein contained in the extract can be separated as a precipitate by treating the extract with a known method such as acid precipitation, salting out or solvent precipitation. In addition, the precipitate obtained in this way may be used as a stabilizer as it is, or may be used as a stabilizer after lyophilization treatment.
[0020]
In order to make an extract into acidic conditions, the method of adding a citric acid, phosphoric acid, an acetic acid etc. to an extract is mentioned, for example. The acidic condition means that the pH of the extract is 2 to 7, preferably 3 to 6.
[0021]
Examples of the protein contained in the stabilizer include simple proteins such as albumin, globulin, glutelin, histone and protamine. Examples of the protein contained in the stabilizer include complex proteins such as nucleoprotein, glycoprotein, lipoprotein, phosphoprotein, chromoprotein, and metal protein. Furthermore, examples of the protein contained in the stabilizer include fibrous proteins such as keratin, collagen, and fibroin. Furthermore, examples of proteins contained in the stabilizer include proteins derived from animals and plants such as gelatin, casein, cheese whey protein, wheat protein, soybean protein, almond protein, and fish meat protein.
[0022]
In addition to (R) -hydroxynitrile lyase, protein-containing stabilizers and aqueous solvents, the composition contains, for example, carbohydrates, lipids, nucleic acids, inorganic salts, organic acids, fine tissues, etc. contained in almonds. It may be.
[0023]
In particular, the composition has a (R) -hydroxynitrile lyase specific activity of 30 U / mg or less. Here, the specific activity means an activity per unit protein amount, and is expressed in U / mg by the number of enzyme units (U: unit) per 1 mg of protein. In practice, the volumetric activity (U / ml) and protein concentration (mg / ml) of an enzyme are measured, and the specific activity (U / mg) is determined using these volumetric activity (U / ml) and protein concentration (mg / ml). ) Is calculated.
[0024]
The method for producing the composition is not particularly limited. For example, when (R) -hydroxynitrile lyase, a stabilizer and an aqueous solvent are used, the specific activity of (R) -hydroxynitrile lyase is 30 U / mg or less. And a method of adding a protein to a (R) -hydroxynitrile lyase solution dissolved in an aqueous solvent so that the specific activity of (R) -hydroxynitrile lyase is 30 U / mg or less.
[0025]
In particular, the above composition is obtained from an extract obtained by adding water to an almond pulverized product and stirring, to a (R) -hydroxynitrile lyase solution obtained by removing a precipitate formed under acidic conditions. The precipitate can be added by adding (R) -hydroxynitrile lyase so that the specific activity is 30 U / mg or less.
[0026]
In order to reduce the specific activity of (R) -hydroxynitrile lyase to 30 U / mg or less, the volumetric activity (U / ml) and protein concentration (mg / ml) of the (R) -hydroxynitrile lyase solution are measured in advance. To do. Then, the specific activity (U / mg) in the (R) -hydroxynitrile lyase solution is calculated from the volume activity (U / ml) and the protein concentration (mg / ml). Next, the amount of precipitate to be added is calculated from the specific activity (U / mg) in the calculated (R) -hydroxynitrile lyase solution.
[0027]
The composition configured as described above can be used as a powdered enzyme, an enzyme solution dissolved in a buffer solution or the like, or an immobilized enzyme that is immobilized on an appropriate carrier. The composition is preferably used as an immobilized enzyme because the enzyme can be easily recovered and reused from the reaction solution after completion of the reaction. When the above-described composition is used as an immobilized enzyme, high enzyme activity can be maintained even when it is repeatedly used by reuse. The immobilized enzyme can be prepared, for example, by mixing the above-described composition and an immobilized carrier such as porous silica gel, but is not limited thereto.
[0028]
The above-described composition or the immobilized enzyme using the composition can be used for the production of optically active cyanohydrin. That is, the above-described composition or the immobilized enzyme using the composition can produce an optically active cyanohydrin from a carbonyl compound as a substrate and a cyanide donor in a reaction solvent containing (R) -hydroxynitrile lyase.
[0029]
Here, the optically active cyanohydrin is a cyanohydrin in which one enantiomer (eg, R-form) is contained more than the other enantiomer (eg, S-form), or only one of the enantiomers. The cyanohydrin which consists of. When cyanohydrin consists of only one of the enantiomers, the optical purity is 100%.
[0030]
A carbonyl compound refers to an aldehyde or a ketone, specifically, the following formula (I):
R1-CO-R2    (I)
(Wherein R1And R2May be the same as or different from each other, and each represents a hydrogen atom or a monovalent hydrocarbon group having 22 or less carbon atoms, and —CH2-And -CHThreeCH2May be replaced by a carbonyl group, a sulfonyl group, -O- or -S-2May be replaced by ═O or ═S, and —CH2-C-H, -CHThreeC—H,> CH—C—H, ═CH—C—H and ═CH2C—H may be replaced by N or C-halogen, and R1And R2May jointly represent a divalent group. )
Indicated by
[0031]
In the formula (I), the monovalent hydrocarbon group having 22 or less carbon atoms is a linear or branched chain hydrocarbon group, a monocyclic hydrocarbon group having no side chain or having a side chain, A polycyclic hydrocarbon group having no side chain or having a side chain, a spiro hydrocarbon group having no side chain or having a side chain, a hydrocarbon group having a ring assembly structure having no side chain or having a side chain, or Any of the chain hydrocarbon groups substituted by the cyclic hydrocarbon group is included. Further, it includes both a saturated hydrocarbon group and an unsaturated hydrocarbon group, but the unsaturated hydrocarbon group excludes a group containing an allene structure of C═C═C.
[0032]
In the following, an aromatic group having no side chain, an aromatic group having a side chain, and a phenylphenyl group or a phenylphenyl group having a side chain are collectively referred to as an aryl group. The linear or branched alkyl group thus formed is called an aralkyl group. As for other cyclic hydrocarbon groups, unless otherwise specified, when referring to those having no side chain on the ring, names such as cycloalkyl groups are simply used. As for the chain hydrocarbon group, when referring to a straight chain and a branched chain together, a name such as an alkyl group is simply used.
[0033]
In the hydrocarbon group, —CH2When-is replaced by a carbonyl group, a sulfonyl group, -O- or -S-, a ketone, sulfone, ether or thioether structure is introduced, respectively, and -CHThree-CH2When-is replaced by a carbonyl group, -O- or -S-, it changes to a formyl group (aldehyde), a hydroxyl group or a mercapto group, respectively, or the terminal = CH2Is replaced with ═O or ═S means that a structure of ketone or thioketone is introduced, and —CH2When -CH is changed to N, -NH- is obtained, and when CH of -CH- is changed to N,> N- is obtained, and when CH of -CH- is changed to N, = N- And the terminal —CHThreeWhen C—H of N is changed to N, —NH2Is introduced and = CH2When C—H is changed to N, ═NH. Also, -CHThree, -CH2When C—H of —, ═CH—, ≡CH or> CH— is replaced by C-halogen, a halogen atom is substituted on the carbon. In addition, when the substitution to —O—, —S—, or N in the carbon chain corresponds to oxa substitution, thia substitution, or aza substitution for the hydrocarbon group, respectively, for example, occurs at the skeleton carbon of the ring of the hydrocarbon ring. The hydrocarbon ring is converted into an oxygen-containing heterocycle, a sulfur-containing heterocycle and a nitrogen-containing heterocycle, respectively. In the hydrocarbon group, CH2In addition, the replacement in C—H may be performed independently, and in addition, after the above replacement, CH is still present on the carbon.2Alternatively, further replacement may be performed when C—H remains. Furthermore, by the above replacement,2-CHThree-CO-O-H; conversion into a carboxylic acid structure is also performed.
[0034]
In this specification, the halogen atom refers to a fluorine atom, a chlorine atom, a bromine atom, or an iodine atom, and a fluorine atom, a chlorine atom, or a bromine atom is preferable.
Accordingly, as the hydrocarbon group, any of a hydrocarbon group having a ring structure such as a chain hydrocarbon group and a cyclic hydrocarbon group can be selected. For example, the hydrocarbon group is a straight chain or branched chain which is a saturated chain hydrocarbon group. Saturated cyclic carbonization such as linear alkyl group, unsaturated chain hydrocarbon group linear or branched alkenyl group, linear or branched alkynyl group, linear or branched alkadienyl group, etc. Cycloalkenyl groups that are hydrogen groups, cycloalkenyl groups that are unsaturated cyclic hydrocarbon groups, cycloalkynyl groups, cycloalkadienyl groups, etc., aryl groups that are aromatic hydrocarbon groups, aralkyl groups, arylalkenyl groups, etc. Is mentioned.
[0035]
More specifically, examples of the linear or branched alkyl group include a methyl group, an ethyl group, a propyl group, an isopropyl group, a butyl group, a 1-methylpropyl group, a pentyl group, a 1-methylbutyl group, a hexyl group, 1-methylpentyl group, heptyl group, 1-methylhexyl group, 1-ethylpentyl group, octyl group, nonyl group, decyl group, undecyl group, dodecyl group, tridecyl group, tetradecyl group, 2-methylpropyl group, 2- Methylbutyl group, 3-methylbutyl group, 2-methylpentyl group, 3-methylpentyl group, 4-methylpentyl group, methylhexyl group, methylheptyl group, methyloctyl group, methylnonyl group, 1,1-dimethylethyl group, 1 , 1-dimethylpropyl group, 2,6-dimethylheptyl group, 3,7-dimethyloctyl group, 2-ethyl Examples of the cycloalkyl group such as a cyclohexyl group include a cyclopentylmethyl group and a cyclohexylmethyl group. Examples of the cycloalkyl group include a cyclopropyl group, a cyclobutyl group, a cyclopentyl group, a methylcyclopentyl group, a cyclohexyl group, a methylcyclohexyl group, and a cycloheptyl group. Examples of the bicycloalkyl group such as a cyclooctyl group include a norbornyl group, a bicyclo [2.2.2] octyl group, an adamantyl group, and the like. Examples of the linear or branched alkenyl group include a vinyl group, an allyl group, a crotyl group (2-butenyl group), an isopropenyl group (1-methylvinyl group), and the like as a cycloalkenyl group or a cycloalkadienyl group. Includes a cyclopentenyl group, a cyclopentadienyl group, a cyclohexenyl group, a cyclohexanedienyl group, and the like. Examples of the linear or branched alkynyl group include an ethynyl group, a propynyl group, and a butynyl group. Examples of the aryl group include a phenyl group, 1-naphthyl group, 2-naphthyl group, 2-phenylphenyl group, 3-phenylphenyl group, 4-phenylphenyl group, 9-anthryl group, methylphenyl group, dimethylphenyl group, Examples thereof include a trimethylphenyl group, an ethylphenyl group, a methylethylphenyl group, a diethylphenyl group, a propylphenyl group, and a butylphenyl group. Examples of aralkyl groups include benzyl, 1-naphthylmethyl, 2-naphthylmethyl, phenethyl (2-phenylethyl), 1-phenylethyl, phenylpropyl, phenylbutyl, phenylpentyl, phenyl Examples include hexyl group, methylbenzyl group, methylphenethyl group, dimethylbenzyl group, dimethylphenethyl group, trimethylbenzyl group, ethylbenzyl group, and diethylbenzyl group. Examples of the arylalkenyl group include a styryl group, a methyl styryl group, an ethyl styryl group, a dimethyl styryl group, and a 3-phenyl-2-propenyl group.
[0036]
CH in the hydrocarbon group2Is a carbonyl group, a sulfonyl group, O or S, or a group in which C—H is replaced by N or C-halogen includes ketone, aldehyde, carboxylic acid, sulfone, ether, thioether, amine, alcohol, thiol, halogen And a group containing at least one structure such as a heterocyclic ring (for example, an oxygen-containing heterocyclic ring, a sulfur-containing heterocyclic ring, or a nitrogen-containing heterocyclic ring). The oxygen-containing heterocycle, sulfur-containing heterocycle, and nitrogen-containing heterocycle mean those in which the carbon of the ring skeleton of the cyclic hydrocarbon group is replaced by oxygen, sulfur, or nitrogen, respectively. May be a heterocycle having two or more. Examples of the hydrocarbon group having the substitution include acetylmethyl group and acetylphenyl group having a ketone structure; methanesulfonylmethyl group having a sulfone structure; methoxymethyl group, methoxyethyl group, ethoxyethyl group, and methoxypropyl group having an ether structure. , Butoxyethyl group, ethoxyethoxyethyl group, methoxyphenyl group, dimethoxyphenyl group, phenoxymethyl group; thioether structure methylthiomethyl group, methylthiophenyl group; amine structure aminomethyl group, 2-aminoethyl group, 2-aminopropyl Group, 3-aminopropyl group, 2,3-diaminopropyl group, 2-aminobutyl group, 3-aminobutyl group, 4-aminobutyl group, 2,3-diaminobutyl group, 2,4-diaminobutyl group, 3,4-diaminobutyl group, 2,3,4-tria Nobutyl group, methylaminomethyl group, dimethylaminomethyl group, methylaminoethyl group, propylaminomethyl group, cyclopentylaminomethyl group, aminophenyl group, diaminophenyl group, aminomethylphenyl group; tetrahydrofuranyl group of oxygen-containing heterocycle, Tetrahydropyranyl group, morpholylethyl group; oxygen-containing heteroaromatic furyl group, furfuryl group, benzofuryl group, benzofurfuryl group; sulfur-containing heteroaromatic thienyl group; nitrogen-containing heteroaromatic pyrrolyl group, imidazolyl group, oxazolyl Group, thiadiazolyl group, pyridyl group, pyrimidinyl group, pyridazinyl group, pyrazinyl group, tetrazinyl group, quinolyl group, isoquinolyl group, pyridylmethyl group; 2-hydroxyethyl group, 2-hydroxypropyl group, 3-hydroxy group of alcohol structure Propyl group, 2,3-dihydroxypropyl group, 2-hydroxybutyl group, 3-hydroxybutyl group, 4-hydroxybutyl group, 2,3-dihydroxybutyl group, 2,4-dihydroxybutyl group, 3,4-dihydroxy Butyl group, 2,3,4-trihydroxybutyl group, hydroxyphenyl group, dihydroxyphenyl group, hydroxymethylphenyl group, hydroxyethylphenyl group; 2-mercaptoethyl group, 2-mercaptopropyl group, 3-mercapto of thiol structure Propyl group, 2,3-dimercaptopropyl group, 2-mercaptobutyl group, 3-mercaptobutyl group, 4-mercaptobutyl group, mercaptophenyl group; 2-chloroethyl group and 2-chloropropyl which are halogenated hydrocarbon groups Group, 3-chloropropyl group, 2-chlorobutyl Group, 3-chlorobutyl group, 4-chlorobutyl group, fluorophenyl group, chlorophenyl group, bromophenyl group, difluorophenyl group, dichlorophenyl group, dibromophenyl group, chlorofluorophenyl group, trifluorophenyl group, trichlorophenyl group, fluoromethyl Phenyl group, trifluoromethylphenyl group; 2-amino-3-hydroxypropyl group, 3-amino-2-hydroxypropyl group, 2-amino-3-hydroxybutyl group, 3-amino- having an amine structure and an alcohol structure 2-hydroxybutyl group, 2-amino-4-hydroxybutyl group, 4-amino-2-hydroxybutyl group, 3-amino-4-hydroxybutyl group, 4-amino-3-hydroxybutyl group, 2,4- Diamino-3-hydroxybutyl group, 3-amino -2,4-dihydroxybutyl group, 2,3-diamino-4-hydroxybutyl group, 4-amino-2,3-dihydroxybutyl group, 3,4-diamino-2-hydroxybutyl group, 2-amino-3 , 4-dihydroxybutyl group, aminohydroxyphenyl group; fluorohydroxyphenyl group, chlorohydroxyphenyl group, which is a hydrocarbon group substituted with a halogen and a hydroxyl group; carboxyphenyl group having a carboxylic structure.
R1And R2The asymmetric divalent group represented by the formula is not particularly limited, and examples thereof include norbornane-2-ylidene and 2-norbornene-5-ylidene.
[0037]
Examples of the carbonyl compound represented by the formula (I) include benzaldehyde, m-phenoxybenzaldehyde, p-methylbenzaldehyde, o-chlorobenzaldehyde, m-chlorobenzaldehyde, p-chlorobenzaldehyde, m-nitrobenzaldehyde, 3,4 -Aromatic aldehydes such as methylenedioxybenzaldehyde, 2,3-methylenedioxybenzaldehyde, phenylacetaldehyde, furfural; Aliphatic aldehydes such as acetaldehyde, butyraldehyde, isobutyraldehyde, valeraldehyde, cyclohexanealdehyde; ethyl methyl ketone, butyl methyl Ketone, methyl propyl ketone, isopropyl methyl ketone, methyl pentyl ketone, methyl (2-methylpropyl) ketone, methyl ( -Saturated aliphatic ketones such as methyl butyl) ketone; unsaturated aliphatic ketones such as methyl (2-propenyl) ketone and (3-butenyl) methyl ketone; alkyl (haloalkyl) ketones such as (3-chloropropyl) methyl ketone; (Alkoxycarbonylamino) -3- (protected amino) aldehyde such as cyclohexylpropionaldehyde; alkylthioaliphatic aldehyde such as 3-methylthiopropionaldehyde.
[0038]
On the other hand, a cyanide donor is a cyanide, that is, cyanide ion (CN) added to a reaction system.-For example, hydrogen cyanide, hydrocyanic acid (hydrogen cyanide), hydrogen cyanide salts such as sodium cyanide and potassium cyanide, and cyanohydrins such as acetone cyanohydrin. In particular, it is preferable to use hydrocyanic acid (hydrocyanic acid) which can be easily recovered and recycled.
[0039]
The reaction solvent includes the above-described hydroxynitrile lyase and a solvent usually used for an enzymatic reaction using the hydroxynitrile lyase. As the solvent, it is preferable to use an organic solvent that is substantially immiscible with water in order to increase the concentration of the reaction raw materials and increase the productivity. Here, the “organic solvent substantially immiscible with water” means an organic solvent excluding a solvent that dissolves in water at an arbitrary ratio. Any organic solvent can be used without particular limitation as long as it is substantially immiscible with water, sufficiently dissolves the substrate and product, and does not adversely affect the enzyme reaction. Such an organic solvent can be appropriately selected according to the physical properties of the raw material aldehyde or ketone and the physical properties of the product cyanohydrin.
[0040]
Specific examples of organic solvents that are substantially immiscible with water include hydrocarbon solvents that may be halogenated (eg, linear, branched or cyclic saturated or unsaturated aliphatic hydrocarbons, aromatics). Group hydrocarbons), for example, pentane, hexane, cyclohexane, benzene, toluene, xylene, methylene chloride, chloroform, etc .; alcohol solvents that may be halogenated (for example, linear, branched or cyclic saturated or unsaturated). Saturated aliphatic alcohols, aralkyl alcohols), such as n-butanol, isobutanol, t-butanol, hexanol, cyclohexanol, n-amyl alcohol, etc .; ether solvents that may be halogenated (eg, linear, Branched or cyclic saturated or unsaturated aliphatic ethers, aromatic ethers), for example diethyl Ethers, dipropyl ethers, diisopropyl ethers, dibutyl ethers, t-butyl methyl ethers, dimethoxyethanes, etc .; ester solvents which may be halogenated (eg linear, branched or cyclic saturated or unsaturated aliphatics) Ester, aromatic ester), for example, methyl formate, methyl acetate, ethyl acetate, butyl acetate, methyl propionate and the like. These may be used alone or in combination of two or more. In particular, diisopropyl ether, dibutyl ether, t-butyl methyl ether, and ethyl acetate are preferably used.
[0041]
The organic solvent is preferably saturated with water or an aqueous buffer. Here, the aqueous buffer solution is not particularly limited, but a buffer solution that exhibits a buffering ability near the optimum pH (pH 4 to 7) of the enzyme activity, such as phosphoric acid, citric acid, glutaric acid, malic acid, malon. A buffer solution composed of a salt of acid, o-phthalic acid, succinic acid, or the like is preferably used.
[0042]
The solvent contained in the reaction solvent may be water or an organic solvent miscible with water. In addition, the reaction solvent may contain either a carbonyl compound or a cyanide donor in advance. In this case, in this production method, the other of the carbonyl compound and cyanide donor that is not contained in the reaction solvent is added to the reaction solvent.
[0043]
There is no limitation on the form of the enzymatic reaction for synthesizing cyanohydrin. That is, the reaction solution in which the enzyme reaction proceeds may be any of an aqueous system, a water / organic solvent mixed system, an organic solvent system, an organic solvent aqueous two-phase system, a reaction system using an immobilized enzyme, and the like.
[0044]
In addition, in this manufacturing method, the usage-amount of hydroxy nitrile lyase, a carbonyl compound, and a cyanide donor, and reaction temperature are suitably determined according to the substrate to be used. Usually, the amount of hydroxynitrile lyase used is 250 to 100,000 units, preferably 500 to 50,000 units, per 50 mmol of the carbonyl compound as the substrate. The concentration of the carbonyl compound is usually set in the range of 0.1 to 10 mol / L, and the cyanide donor is 0.5 to 5 times mol, preferably 0.8 to 3 times mol of the carbonyl compound used. In the enzyme reaction, the enzyme activity and reaction rate vary depending on the carbonyl concentration, so the concentration is appropriately determined according to the type of carbonyl compound used. The reaction time is appropriately limited until the conversion rate of the carbonyl compound reaches 80% or more, preferably 90% or more, but is not limited thereto.
[0045]
When this production method is performed in a so-called batch system, the enzyme is dispersed in the reaction system by stirring or the like. When this production method is performed using an immobilized enzyme packed in a column or the like, it can be carried out by adding a solution containing a carbonyl compound and / or a cyanide donor to the column and collecting the effluent. In the case of a batch system, mixing is stopped when the reaction is completed, and the cyanohydrin can be recovered by removing the organic phase in which cyanohydrin is dissolved by a conventional method. In any system, hydroxynitrile lyase can be reused.
[0046]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be specifically described with reference to examples, but the scope of the present invention is not limited thereto.
[0047]
(Preparation Example 1) Preparation of (R) -hydroxynitrile lyase and stabilizer
(1) 300 g of water was mixed with 100 g of almond seed pulverized product, stirred for 3 hours, and then centrifuged to recover the extract. An aqueous citric acid solution was added to the collected extract to adjust the pH to 4.5. By adjusting the pH of the extract to 4.5, a precipitate was formed in the extract.
Next, the extract whose pH was adjusted to 4.5 was centrifuged, separated into a precipitate and a supernatant, and each recovered. Next, the collected supernatant was concentrated 10 times by ultrafiltration. The supernatant obtained by concentration was used as an enzyme solution. The recovered precipitate was freeze-dried to obtain a stabilizer.
[0048]
(2) The enzyme activity of (R) -hydroxynitrile lyase contained in the enzyme solution prepared in (1) was measured. (R) -Hydroxynitrile lyase produces benzaldehyde by an enzymatic reaction when DL-mandelonitrile is used as a substrate. Therefore, the enzyme activity was calculated as the production rate of benzaldehyde in the reaction solution containing DL-mandelonitrile as a substrate. The production rate of benzaldehyde can be measured by a change in absorbance at a wavelength of 249.6 nm. Here, one unit (U; unit) of the (R) -hydroxynitrile lyase enzyme activity was defined as the activity of producing 1 μmol of benzaldehyde in one minute.
[0049]
With respect to the enzyme solution obtained in (1) above, the enzyme activity (volume activity) of (R) -hydroxynitrile lyase was measured and found to be 1500 U / ml, and 40,000 U of (R) -hydroxynitrile lyase could be recovered. I found out. Further, when the enzyme activity of (R) -hydroxynitrile lyase was similarly measured for the stabilizer obtained in (1) above, it was found that the enzyme activity was hardly exhibited.
[0050]
Subsequently, the protein concentration of the enzyme solution obtained in (1) was measured. The protein concentration was measured using BCA Protein Assey Reagent Kit (PIERCE). The protein concentration of the enzyme solution obtained in the above (1) was 37.5 mg / ml. Therefore, the specific activity of the enzyme solution obtained in (1) was calculated to be 40 U / mg.
[0051]
(Preparation Example 2) Preparation of immobilized enzyme
To 1 ml of the enzyme solution prepared in Preparation Example 1, 30 mg of the stabilizer prepared in Preparation Example 1 was mixed to prepare an enzyme composition. The protein concentration of the obtained enzyme composition was measured in the same manner as in Preparation Example 1 and found to be 60 mg / ml. Further, since the enzyme activity (volumetric activity) of (R) -hydroxynitrile lyase in the enzyme composition was 1500 U / ml, the specific activity was calculated to be 25 U / mg.
[0052]
Next, an immobilization carrier (porous silica gel, trade name MB-5D, manufactured by Fuji Silisia Chemical Ltd) was mixed at a rate of 1 g per 1 ml of the obtained enzyme composition. Thereby, the immobilized enzyme in which the enzyme composition was immobilized could be prepared.
[0053]
Example 1 Synthesis of optically active cyanohydrin
First, the immobilized enzyme (850 units) prepared in Preparation Example 2 was added to a mixed solution obtained by mixing 2.6 g of t-butyl methyl ether saturated with 0.2 M citrate buffer and 0.3 g of hydrocyanic acid, 1.4 g of 2-chlorobenzaldehyde was added. This was stirred at room temperature to synthesize (R) -2-chloromandelonitrile. After reacting for 3 hours, the reaction solution was collected, and the conversion of aldehyde and the optical purity of (R) -2-chloromandelonitrile were measured by HPLC. Furthermore, the immobilized enzyme after completion of the reaction was collected and repeatedly reacted under the same conditions as described above.
[0054]
(Comparative Example 1)
In Comparative Example 1, (R) − was used in the same manner as in Example 1 except that the immobilized enzyme prepared in Preparation Example 2 was not used, but the immobilized enzyme prepared by immobilizing the enzyme solution prepared in Preparation Example 1 was used. 2-chloromandelonitrile was synthesized. That is, the immobilized enzyme used in Comparative Example 1 was prepared without adding a stabilizer.
[0055]
(result)
The results of measuring the conversion rate of aldehyde and the optical purity of (R) -2-chloromandelonitrile measured in Example 1 and Comparative Example 1 are shown in FIG. 1 and Table 1 for each number of repetitions (batch number). It was.
[0056]
[Table 1]
Figure 0004071588
[0057]
As can be seen from FIG. 1 and Table 1, in Comparative Example 1, the conversion rate decreased as the number of repetitions increased, and the optical purity decreased. On the other hand, in Example 1, it became clear that high conversion and high optical activity were maintained even if the number of repetitions was increased. From these results, the stabilizer prepared in Preparation Example 1 can stabilize (R) -hydroxynitrile lyase, and can maintain high enzyme activity even when the enzyme reaction is repeated. understood.
[0058]
【The invention's effect】
As described above in detail, according to the present invention, (R) -hydroxynitrile lyase composition in which (R) -hydroxynitrile lyase was stabilized, extracted without performing a degreasing step. (R) -Hydroxynitrile lyase stabilizer which can stabilize -hydroxynitrile lyase, (R) -hydroxynitrile lyase stabilization method and optically active cyanohydrin production method can be provided.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a characteristic diagram showing the stabilizing effect of (R) -hydroxynitrile lyase by a stabilizer.

Claims (4)

アーモンドから脱脂工程なしに水性溶媒により抽出した抽出物を、酸性条件下で析出させて得られる沈殿物を主成分とする、The main component is a precipitate obtained by precipitating an extract extracted from an almond with an aqueous solvent without a degreasing step under acidic conditions. (R)-(R)- ヒドロキシニトリルリアーゼの安定化剤。Hydroxynitrile lyase stabilizer. (R)-ヒドロキシニトリルリアーゼと、請求項1記載の安定化剤とを含み、(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼの比活性が30U/mg以下であることを特徴とする(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼ安定化組成物。(R) -hydroxynitrile lyase comprising (R) -hydroxynitrile lyase and the stabilizer according to claim 1 , wherein the specific activity of (R) -hydroxynitrile lyase is 30 U / mg or less. Stabilizing composition. (R)-ヒドロキシニトリルリアーゼを含む水性溶液に、請求項1記載の安定化剤を共存させて、(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼの比活性を30U/mg以下に調製することにより、(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼを安定化させることを特徴とする(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼの安定化方法。A specific activity of (R) -hydroxynitrile lyase is adjusted to 30 U / mg or less by coexisting the stabilizer according to claim 1 in an aqueous solution containing (R) -hydroxynitrile lyase. A method for stabilizing (R) -hydroxynitrile lyase, characterized by stabilizing hydroxynitrile lyase. 請求項2記載の(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼ安定化組成物を用いて、カルボニル化合物とシアニドドナーとを酵素反応させることを特徴とする光学活性シアノヒドリンの製造方法。 A method for producing an optically active cyanohydrin, which comprises subjecting a carbonyl compound and a cyanide donor to an enzymatic reaction using the (R) -hydroxynitrile lyase stabilizing composition according to claim 2 .
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