JP4069634B2 - 衛生洗浄装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、人体局部に向け洗浄水を噴出する衛生洗浄装置の制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の衛生洗浄装置を、図8、図9を用いて説明する。図8で示すように衛生洗浄装置は、使用者が着座する便座1と、瞬間的に少量の洗浄水を加熱する加熱手段5と、各機能の操作をする操作部2と、衛生洗浄装置を制御する制御手段3と、洗浄水を人体局部に噴出するスライド式の洗浄ノズル7と、局部洗浄時に 洗浄ノズル7を洗浄位置まで突出させるノズル駆動手段9で構成され、使用者が操作部2を操作することにより人体局部洗浄が開始し、加熱手段5によって加熱された洗浄水をノズル駆動手段9によって洗浄ノズル7を洗浄位置に突出させた後にノズル先端の噴出孔8から洗浄水を噴出するように構成されていた。
【0003】
図9は洗浄ノズル7への洗浄水の供給系を示す概略図であり、洗浄水の流量調整機能を持つ洗浄水量調整弁10、洗浄水を瞬間的に加熱する加熱手段5、洗浄ノズル7を洗浄位置まで突出させるノズル駆動手段9及び制御手段3を備え、加熱手段5と洗浄ノズル7との間には洗浄水量調整弁10を組み込んでいる。
【0004】
洗浄ノズル7は傾斜した中空体であり、そのノズル先端に複数の噴出孔8を開けたものである。このため、洗浄終了時に洗浄ノズル内部に残った洗浄水を自然落下によりノズル先端の噴出孔8から排出することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の構成では、瞬間的に加熱することにより洗浄を行う場合には少量の洗浄水で所望の洗浄力を得る必要があり、空気を強制的に混入したり、脈動により瞬間的な洗浄水の速度を上げるなど様々な工夫がなされていた。
【0006】
しかし、洗浄水量が少量であるため洗浄開始時に、洗浄ノズルを洗浄水の水圧にて洗浄位置まで突出させることができなかった。
【0007】
このため、モータなどを用いたノズル駆動手段を設け洗浄位置まで洗浄ノズルを突出させていた。一方、衛生洗浄装置内にノズル駆動手段を実装すると衛生洗浄装置が小型化できないという課題を有していた。
【0008】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、洗浄水に空気混入手段からの空気を混入させさせることにより、少流量の洗浄水でも確実に洗浄ノズルを突出させることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記従来の課題を解決するために、本発明の衛生洗浄装置は、流体の圧力より洗浄ノズルを突出させ人体局部に向け洗浄水を噴出するノズル手段と、洗浄水に空気を混入する空気混入手段と、浄水量を測定する洗浄水量測定手段と、前記空気混入手段の動作を制御する制御手段とを具備し、この制御手段は、洗浄開始時に前記洗浄水量測定手段により所定の水量が検出された後に、空気混入手段を動作させ洗浄ノズルを突出させるようにしたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の衛生洗浄装置は、流体の圧力より洗浄ノズルを突出させ人体局部に向け洗浄水を噴出するノズル手段と、洗浄水に空気を混入する空気混入手段と、浄水量を測定する洗浄水量測定手段と、前記空気混入手段の動作を制御する制御手段とを具備し、この制御手段は、洗浄開始時に前記洗浄水量測定手段により所定の水量が検出された後に、空気混入手段を動作させ洗浄ノズルを突出させるようにしたものである。
【0011】
したがって、洗浄開始時に低水量でも洗浄ノズルを突出させることができ、使用者に安定した局部洗浄を提供するものである。
【0012】
前記空気混入手段の空気量は洗浄水量測定手段の洗浄水量値に応じて調整するのが望ましく、また、洗浄水量測定手段による洗浄水量の累積値が所定の値に達した後に、空気混入手段を停止させる。
【0013】
さらに、流体の圧力より洗浄ノズルを突出させ人体局部に向け洗浄水を噴出するノズル手段と、洗浄水に空気を混入する空気混入手段と、洗浄時間を測定する洗浄時間測定手段と、前記空気混入手段の動作を制御する制御手段とを有し、この制御手段は、洗浄開始時に、前記洗浄時間測定手段により測定された洗浄開始からの時間が所定値経過した後に、空気混入手段を動作させ、洗浄ノズルを突出させるようにしたものである。
【0014】
そして、洗浄開始時の空気混入手段の空気量は洗浄時間測定手段からの経過時間に応じて調整するようにした。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図1〜図7を参照しながら説明する。
【0016】
(実施例1)
図1〜図3において、本実施例の衛生洗浄装置は、流体の圧力にて突出する洗浄ノズル7、洗浄水量を測定する洗浄水量測定手段4、洗浄水に空気を混入する空気混入手段6、瞬間的に洗浄水11を加熱する加熱手段5、洗浄水量測定手段4からの洗浄水量値から洗浄水11に空気を混入させる空気混入手段6の空気量を制御する空気量制御手段31、空気混入手段6を動作させるかどうかタイミングを判定する空気混入動作判定手段32、洗浄開始からの洗浄流量値を累積する洗浄水量累積手段33、空気量制御手段31や空気混入動作判定手段32や洗浄水量累積手段33など衛生洗浄装置全体を制御する制御手段3で構成されている。
【0017】
洗浄水量累積手段33は、図2に示すように洗浄開始からの洗浄水量を累積しており、その累積値が20ccになったとき空気混入動作判定手段32が空気混入手段6を動作させる。このとき空気量制御手段31は混入する空気量を600ccに設定し、すでに洗浄ノズル7の流れ込んでいる20ccの洗浄水11を押し出すように空気を混入させる。
【0018】
その後、空気量制御手段31は空気混入手段6によって混入する空気量を洗浄水量測定手段4が検出する洗浄水量値によって図3に示すように設定する。
【0019】
例えば、洗浄水量測定手段4の洗浄水量値が300cc/分の場合、空気量制御手段31が空気混入手段6により混入する空気量を350cc/分と設定し空気混入手段6を制御する。
【0020】
洗浄水量累積手段33の洗浄水量累積値が60ccになるまで、図3のに示す関係で空気量制御手段31は混入する空気量を制御する。
【0021】
そして、図2に示すように洗浄開始からの洗浄水量累積値が60ccになるまで空気混入手段6を動作させると洗浄ノズル7が洗浄位置に突出するので、洗浄水量累積値が60ccになったとき空気混入動作判定手段32が空気混入手段6を停止させる。
【0022】
以上のように、本実施例においては洗浄開始時の洗浄水量累積手段33の洗浄水量累積値を基に、空気混入動作判定手段32が空気混入手段6の動作を制御し、更に空気混入手段6が動作中においては、洗浄水量測定手段4の洗浄水量値を基に空気量制御手段31が混入する空気量を制御することにより、低水量でも洗浄ノズル7を洗浄位置まで突出させることにより、使用者に安定した局部洗浄を提供することができる。
【0023】
なお、本実施例では、空気混入開始のタイミングを、洗浄水量の累積値が20ccに達したとき、及び空気混入停止のタイミングを洗浄流量の累積値が60ccに達したときとしているが、この累積値は使用するノズルあるいは洗浄開始時の洗浄流量によりこの値は適宜選択できるものである。
【0024】
また、空気混入を停止しているが、強い洗浄力が必要な際には必要な量の空気混入を行うようにしてもよい。
【0025】
(実施例2)
図4は実施例2を示し、実施例1と異なる点は、洗浄開始からの洗浄時間を測定する洗浄時間測定手段34を設け、洗浄水量測定手段や洗浄水量累積手段を無くした点である。その他の構成要素については実施例1と同様であり、説明はその実施例1のものを援用する。
【0026】
洗浄時間測定手段34は、洗浄開始からの洗浄時間を測定するものである。図5は洗浄開始時に空気混入手段6が動作開始からの洗浄経過時間と空気混入手段6が洗浄水11に混入する空気量との関係を示すものである。
【0027】
次に、洗浄時間測定手段34の動作を説明する。図5のように洗浄開始から洗浄時間測定手段34は洗浄時間を測定しており、この洗浄経過時間が2秒を経過したとき空気混入動作判定手段32が空気混入手段6を動作させる。
【0028】
そのとき空気量制御手段31は混入するの空気量を600cc設定し、洗浄開始から2秒間洗浄ノズル7の流れ込んでいる洗浄水11を押し出すように空気を混入させる。
【0029】
その後洗浄時間測定手段34の経過時間に応じて空気量制御手段31は混入する空気量を600cc/分より少なく変化させる。洗浄時間測定手段34の洗浄経過時間が6秒経過まで空気混入手段6を動作させると洗浄ノズル7が洗浄位置に突出するので、洗浄時間測定手段34の洗浄経過時間が6秒経過したときに空気混入動作判定手段32が洗浄ノズル7を突出したと判断し、空気混入手段6を停止させる。
【0030】
以上のように、本実施例においては洗浄開始時の洗浄時間測定手段34の洗浄経過時間を基に、空気混入動作判定手段32が空気混入手段6の動作を、空気量制御手段31が混入する空気量を制御することにより、低水量でも洗浄ノズル7を洗浄位置まで突出させることにより、使用者に安定した局部洗浄を提供することができる。
【0031】
(実施例3)
図6は実施例3を示し、実施例2と異なる点は、洗浄停止からの経過時間を測定する洗浄停止時間測定手段35を設け、洗浄時間測定手段34が無い点である。その他の構成要素については実施例2と同様であり、説明はその実施例2のものを援用する。
【0032】
洗浄停止時間測定手段35は、洗浄停止中の時間を測定するものであり、洗浄停止状態になってからの経過時間を測定している。
【0033】
図7は洗浄停止時における空気混入手段6が動作開始からの停止経過時間と空気混入手段6が残った洗浄水11に混入する空気量との関係を示すものである。
【0034】
図7のように、洗浄停止時に空気混入動作判定手段32が洗浄ノズル7の残った洗浄水を排出するために空気を混入する必要があると判断し、空気混入手段6を動作させる。
【0035】
はじめの2秒間、空気量制御手段31は混入する空気量を少しずつ増やし、その後2秒から6秒までの間は300cc/分の空気を混入する。これにより洗浄ノズル7に残った洗浄水11は洗浄ノズル7から押し出され全て排出することになる。
【0036】
洗浄停止時間測定手段35の経過時間が6秒経過したとき、空気混入動作判定手段32は洗浄ノズル7に残った洗浄水11をが全て排出されたと判断し空気混入手段6を停止させる。
【0037】
このように洗浄停止時に空気混入手段6から洗浄水11を押し出すように空気を混入することで、洗浄ノズル7に残った洗浄水を全て排出することになり、使用者が次回衛生洗浄装置を使用するときに、洗浄ノズル7に残った洗浄水が局部に噴出されることがなく、快適な局部洗浄ができる。
【0038】
以上のように、本実施例においては洗浄停止時の空気混入手段6から洗浄ノズル7に残った洗浄水を押し出すように空気を混入することで洗浄水を全て排出することになり、使用者が次回衛生洗浄装置を使用するときも快適な局部洗浄を提供することができる。
【0039】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、洗浄ノズルを洗浄水と共に空気混入手段からの空気を混入させさせることにより、低水量の時でも洗浄ノズルを確実に突出させることができ、使用性のよい衛生洗浄装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1における衛生洗浄装置のブロック図
【図2】 本発明の実施例1における洗浄開始からの洗浄水量累積値と空気混入手段が洗浄水に混入する空気量との関係を示す特性図
【図3】 本発明の実施例1における局部洗浄時の洗浄水量と空気混入手段が洗浄水に混入する空気量との関係を示す特性図
【図4】 本発明の実施例2における衛生洗浄装置のブロック図
【図5】 本発明の実施例2における洗浄開始からの経過時間と空気混入手段が洗浄水に混入する空気量との関係を示す特性図
【図6】 本発明の実施例3における衛生洗浄装置のブロック図
【図7】 本発明の実施例3における洗浄停止からの経過時間と空気混入手段が残った洗浄水に混入する空気量との関係を示す特性図
【図8】 従来の衛生洗浄装置の概略図
【図9】 従来の衛生洗浄装置における洗浄ノズルへの洗浄水の供給系を示す概略図
【符号の説明】
3 制御手段
4 洗浄水量測定手段
6 空気混入手段
7 洗浄ノズル(ノズル手段)
11 洗浄水
34 洗浄時間測定手段
35 洗浄停止時間測定手段
Claims (5)
- 流体の圧力より洗浄ノズルを突出させ人体局部に向け洗浄水を噴出するノズル手段と、洗浄水に空気を混入する空気混入手段と、浄水量を測定する洗浄水量測定手段と、前記空気混入手段の動作を制御する制御手段とを具備し、この制御手段は、洗浄開始時に前記洗浄水量測定手段により所定の水量が検出された後に、空気混入手段を動作させ洗浄ノズルを突出させることを特徴とした衛生洗浄装置。
- 空気混入手段の空気量を洗浄水量測定手段の洗浄水量値に応じて調整した請求項1記載の衛生洗浄装置。
- 洗浄水量測定手段による洗浄水量の累積値が所定の値に達した後に、空気混入手段を停止させるようにした請求項1に記載の衛生洗浄装置。
- 流体の圧力より洗浄ノズルを突出させ人体局部に向け洗浄水を噴出するノズル手段と、洗浄水に空気を混入する空気混入手段と、洗浄時間を測定する洗浄時間測定手段と、前記空気混入手段の動作を制御する制御手段とを有し、この制御手段は、洗浄開始時に、前記洗浄時間測定手段により測定された洗浄開始からの時間が所定値経過した後に、空気混入手段を動作させ、洗浄ノズルを突出させることを特徴とした衛生洗浄装置。
- 洗浄開始時の空気混入手段の空気量を洗浄時間測定手段からの経過時間に応じて調整するようにした請求項4に記載の衛生洗浄装置。
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