JP4069567B2 - アキュムレータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍サイクルにおいて、圧縮機吸入側に配置されて冷媒の気液を分離し液冷媒を溜めるアキュムレータの小型化に関するもので、例えば、車両用空調装置に用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】
従来のアキュムレータは図52に示すように縦長のタンク本体10の内部に上下方向に延びる2つのパイプ状部材11、12を2重管式に配置し、そして、外側パイプ状部材12の上方開口部からガス冷媒を矢印aのように吸入し、このガス冷媒を外側パイプ状部材12の下端部にて矢印bのようにUターンさせて内側パイプ状部材11の内部を矢印cのように上昇させる。
【0003】
一方、タンク本体10内の底部には外側パイプ状部材12の下端部を閉塞し保持するキャップ部材13を配置し、このキャップ部材13に微小なオイル戻し穴14を設け、タンク本体10内の底部に溜まったオイルと液冷媒をオイル戻し穴14から外側パイプ状部材12の下端部に吸い込み、このオイルと液冷媒を上記ガス冷媒に混合して圧縮機に吸入させるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の従来構造では、オイル戻し穴14から液冷媒を吸い込むために、上記矢印a〜cのような冷媒のUターン流れを形成している。そのため、2つのパイプ状部材11、12を2重管式に配置する必要があり、この2重管構造の存在によりアキュムレータの外径が増大し、アキュムレータの体格の大型化を招いている。
【0005】
本発明は上記点に鑑みて、アキュムレータの体格の小型化を図ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
従来構造における2つのパイプ状部材の2重管構造が小型化を阻害するボトルネックになっている点に着目して、本発明では、この2重管構造を廃止することにより上記目的を達成するものである。
【0007】
すなわち、請求項1に記載の発明では、冷凍サイクルの蒸発器(5)出口からの冷媒をタンク本体部(81)内に流入させる冷媒流入部(82)と、
パイプ状に成形され、タンク本体部(81)内の上方部に開口し、この上方部の冷媒を吸入する冷媒吸入部(83)と、
タンク本体部(81)内の底部付近に開口するオイル吸入穴(86)を一端側に有し、他端部が冷媒吸入部(83)のパイプ状部分内に挿入され連通するオイル吸入管(84)と、
冷媒吸入部(83)のパイプ状部分内側であってオイル吸入管(84)の他端部に配置されオイルを溜めることが可能な網状体(92)とを備え、
オイル吸入管(84)は、タンク本体部(81)内と、冷媒吸入部(83)内のオイル吸入管(84)他端部付近の領域(A)との間に発生する圧力差により、タンク本体部(81)内底部付近のオイルをオイル吸入穴(86)から吸入して冷媒吸入部(83)内に吸い込むようになっていることを特徴としている。
【0008】
これによると、冷媒吸入部(83)での冷媒流れの圧力損失に基づいてオイル吸入管(84)の両端間に圧力差を作用させることができ、これにより、1本のオイル吸入管(84)を用いてストロー方式にてタンク本体部(81)底部付近のオイルを吸い込むことができる。従って、従来構造における2つのパイプ状部材の2重管構造を廃止することができ、アキュムレータの小型化を達成できる。
さらに、請求項1に記載の発明では、冷媒吸入部(83)のパイプ状部分内側であってオイル吸入管(84)の他端部に、オイルを溜めることが可能な網状体(92)を配置しているから、網状体(92)の通過冷媒によりオイルを微細化でき、しかも、オイルを冷媒吸入部(83)のパイプ状部分内側の冷媒流れに乗せることが容易になり、圧縮機(1)へのオイル戻りを一層改善できる。
【0009】
請求項2に記載の発明では、冷凍サイクルの蒸発器(5)出口からの冷媒をタンク本体部(81)内に流入させる冷媒流入部(82)と、
パイプ状に成形され、タンク本体部(81)内の上方部に開口し、この上方部の冷媒を吸入する冷媒吸入部(83)と、
タンク本体部(81)内の底部付近に開口するオイル吸入穴(86)を一端側に有し、他端部が冷媒吸入部(83)のパイプ状部分内に挿入され連通するオイル吸入管(84)と、
冷媒流入部(83)のパイプ状部分の径外方側に配置され、冷媒流入部(83)の入口開口の下方から冷媒流入部(83)のパイプ状部分の外側に沿って立ち上がる立ち上がり部(98i)を有し、オイル吸入管(84)の他端部から冷媒流入部(83)外へ垂れ下がるオイルを受け止めて溜めるカップ状のオイル溜め手段(98)とを備え、
オイル吸入管(84)は、タンク本体部(81)内と、冷媒吸入部(83)内のオイル吸入管(84)他端部付近の領域(A)との間に発生する圧力差により、タンク本体部(81)内底部付近のオイルをオイル吸入穴(86)から吸入して冷媒吸入部(83)内に吸い込むようになっていることを特徴としている。
これによると、請求項1に記載の発明と同様に、1本のオイル吸入管(84)を用いてストロー方式にてタンク本体部(81)底部付近のオイルを吸い込むことができる。従って、従来構造における2つのパイプ状部材の2重管構造を廃止することができ、アキュムレータの小型化を達成できる。
さらに、請求項2に記載の発明では、オイル吸入管(84)の他端部から垂れ下がるオイルを受け止めて溜めるオイル溜め手段(98)を備えているので、冷媒低速時にオイル吸入管(84)の両端間の圧力差が減少してオイル吸入管(84)の他端部からオイルが垂れ下がるという現象が起きても、この垂れ下がりオイルをオイル溜め手段(98)により溜めることができるとともに、この溜まったオイルが冷媒吸入部(83)の入口流路を狭めて上記圧力差を増大させる。そのため、この溜まったオイルを冷媒吸入部(83)内に吸い込ませることができる。
よって、冷媒低速時でもオイル吸入管(84)からのオイル吸い込み量にオイル溜め手段(98)からのオイル吸い込み量を加えることにより、圧縮機の必要オイル量を確保できる。
しかも、オイル溜め手段(98)を、冷媒吸入部(83)のパイプ状部分の径外方側に位置する立ち上がり部(98i)を有するカップ状に形成することにより、オイル吸入管(84)からの垂れ下がりオイルをオイル溜め手段(98)により確実に溜めることができるとともに、気液分離されたガス冷媒をオイル溜め手段(98)の内側を通過してスムースに冷媒吸入部(83)に吸入させることができる。
特に、請求項3に記載の発明では、請求項2に記載のアキュムレータにおいて、冷媒流入部(82)からタンク本体部(81)内に流入する冷媒に、タンク本体部(81)の内壁に沿う旋回流を形成し、前記旋回流により冷媒の気液を遠心分離するようになっており、
更に、タンク本体部(81)の内壁のうち、冷媒流入部(82)より下方部位であって、かつ、オイル溜め手段(98)の上方部位に、タンク本体部(81)の内壁を流下するオイルを塞ぎ止めるオイル塞ぎ止め手段(97)を配置し、
オイル塞ぎ止め手段(97)により塞ぎ止めたオイルを前記遠心分離により分離されたガス冷媒ととともに冷媒吸入部(83)に吸い込ませるようにしたことを特徴としている。
【0010】
これによると、旋回流による気液の遠心分離にてタンク本体部(81)の内壁を流下するオイルをオイル塞ぎ止め手段(97)により塞ぎ止めて冷媒吸入部(83)に吸い込ませることができる。そのため、冷媒低流量時のような冷媒低速時でもオイル吸入管(84)からのオイル吸い込み量にオイル塞ぎ止め手段(97)経由のオイル吸い込み量を加えることにより、圧縮機の必要オイル量を確保できる。
【0017】
請求項に記載の発明では、冷凍サイクルの蒸発器(5)出口からの冷媒をタンク本体部(81)内に流入させる冷媒流入部(82)と、
パイプ状に成形され、タンク本体部(81)内の上方部に開口し、この上方部の冷媒を吸入する冷媒吸入部(83)と、
タンク本体部(81)内の底部付近に開口するオイル吸入穴(86)を一端側に有し、他端部が冷媒吸入部(83)のパイプ状部分内に挿入され連通するオイル吸入管(84)と、
オイル吸入管(84)の他端部付近から冷媒流れ上流側にかけて、冷媒吸入部(83)の流路断面積を狭める絞り手段(88)とを備え、
絞り手段は、冷媒吸入部(83)のパイプ状部分内側に別体で配置された絞り板(88)で構成され、
絞り板(88)によりオイル吸入管(84)の他端部を冷媒吸入部(83)のパイプ状部分内側に支持固定し、
オイル吸入管(84)は、タンク本体部(81)内と、冷媒吸入部(83)内のオイル吸入管(84)の他端部付近の領域(A)との間に発生する圧力差により、タンク本体部(81)内底部付近のオイルをオイル吸入穴(86)から吸入して冷媒吸入部(83)内に吸い込むようになっていることを特徴としている。
これによると、請求項1、2に記載の発明と同様に、1本のオイル吸入管(84)を用いてストロー方式にてタンク本体部(81)底部付近のオイルを吸い込むことができる。従って、従来構造における2つのパイプ状部材の2重管構造を廃止することができ、アキュムレータの小型化を達成できる。
さらに、請求項に記載の発明では、オイル吸入管(84)の他端部付近から冷媒流れ上流側にかけて、冷媒吸入部(83)の流路断面積を狭める絞り手段(88)を備えているので、この絞り手段の絞り作用にて上記圧力差を増大して、オイル吸入管(84)によるオイル吸い込み量を増加できる。
しかも、上記絞り手段を構成する絞り板(88)自身にてオイル吸入管(84)の他端部を冷媒吸入部(83)のパイプ状部分内側に支持固定するから、上記絞り板(88)にオイル吸入管(84)の支持部材の役割を兼務させることができ、構成を簡素化できる
【0038】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0039】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1は第1実施形態のアキュムレータを適用する車両用空調装置の冷凍サイクルであり、圧縮機1は電磁クラッチ2を介して図示しない車両エンジンにより駆動される。圧縮機1から吐出された高圧のガス冷媒は凝縮器3に流入し、ここで、外気と熱交換して冷却され、凝縮される。
【0040】
そして、凝縮器3で凝縮した液冷媒は次に減圧装置4にて低圧に減圧されて霧状の気液2相状態となる。この減圧装置4はオリフィス、ノズルのような固定絞り、あるいは適宜の可変絞りからなる。減圧後の低圧冷媒は蒸発器5において、空調用送風機6の送風空気から吸熱して蒸発する。
【0041】
蒸発器5は空調ケース7内に配置され、蒸発器5で冷却された冷風は周知のごとく図示しないヒータコア部で温度調整された後に車室内へ吹き出す。蒸発器5を通過したガス冷媒はアキュムレータ8にて気液分離された後に圧縮機1に吸入される。
【0042】
アキュムレータ8は、蒸発器5出口からの冷媒の気液を分離し液冷媒を溜めてガス冷媒を圧縮機1に吸入させる役割と、タンク底部側に溜まる液冷媒中に溶け込んでいるオイルを圧縮機1に吸入させる役割とを果たす。
【0043】
図2は第1実施形態によるアキュムレータ8の具体的構造を例示するもので、タンク本体部81はアルミニュウム等の金属により縦長の円筒形状に成形されている。タンク本体部81の側面上方部にはパイプ状の冷媒流入部82が配置されている。この冷媒流入部82は蒸発器5出口からの冷媒をタンク本体部81内に流入させるものであって、より具体的にはタンク本体部81の円筒形状の接線方向に冷媒を流入させるように冷媒流入部82はタンク本体部81に配置されている。これにより、タンク本体部81内の冷媒流れに旋回流を与えて冷媒の気液を遠心分離できるようにしている。
【0044】
また、タンク本体部81の上面部の中央部にはパイプ状の冷媒吸入部83が配置されている。この冷媒吸入部83の上端側は圧縮機1吸入側に接続され、下端側は所定長さだけタンク本体部81内へ突出し開口している。冷媒吸入部83は、その下端開口部(入口)からタンク本体部81内の上方部のガス冷媒を吸入する。なお、冷媒流入部82および冷媒吸入部83はともにアルミニュウム等の金属によりパイプ状に成形され、溶接等の接合手段にてタンク本体部81の穴部に固定される。
【0045】
オイル吸入管84はタンク本体部81内の中心部を上下方向に延びるように配置され、タンク本体部81の底面部の中心部に成形された円形状の凹部85にオイル吸入管84の下端部(一端部)を圧入等の手段で固定している。そして、オイル吸入管84の下端側には、タンク本体部81内の底部付近に微小開度で開口するオイル吸入穴86が設けてある。
【0046】
このオイル吸入穴86はタンク本体部81内の下方側に溜まる液冷媒中に溶け込んでいるオイルをオイル吸入管84内に吸入するためのものである。一方、オイル吸入管84の上端部(他端部)は所定長さL1だけ冷媒吸入部83内に挿入され、冷媒吸入部83内に連通させてある。冷媒吸入部83内の流路において、この所定長さL1の部分では、オイル吸入管84の上端部の挿入により絞り通路87が形成される。
【0047】
次に、上記構成において第1実施形態の作動を説明する。図1の冷凍サイクルが運転されると、蒸発器5を通過した気液混合の冷媒が冷媒流入部82からタンク本体部81内に流入する。この際、タンク本体部81内への冷媒流れに旋回流を与えて冷媒の気液を遠心分離し、タンク本体部81内の外周側に液冷媒を集め、中心側にガス冷媒を集める。
【0048】
そして、タンク本体部81内中心部の上方側のガス冷媒を冷媒吸入部83の下端開口部(入口)へ吸入する。ここで、冷媒吸入部83の下端側流路には所定長さL1の絞り通路87が形成してあるので、この絞り通路87を吸入冷媒が通過するときの圧力損失により、絞り通路87下流のA領域の圧力Paがタンク内圧力Pbより低くなる(Pa<Pb)。
【0049】
この結果、オイル吸入管84の上端部(A領域)と、下端側のオイル吸入穴86との間に所定の圧力差ΔP(Pb−Pa)が作用して、タンク本体部81底部付近の液冷媒中に溶け込んでいるオイルをオイル吸入穴86からオイル吸入管84内に吸入することができる。
【0050】
このように第1実施形態によると、冷媒吸入部83での冷媒流れの圧力損失に基づいてオイル吸入管84の上下両端部間に圧力差ΔPを作用させることができ、これにより、1本のオイル吸入管84でストロー方式にてタンク本体部81底部付近のオイルを吸い込むことができる。従って、従来構造における2つのパイプ状部材の2重管構造を廃止することができ、アキュムレータ8の小型化を達成できる。
【0051】
(第2実施形態)
図3は第2実施形態であり、冷媒吸入部83の形状の工夫によりオイル吸い込み効果の向上を図るものである。すなわち、図3(a)〜(d)は冷媒吸入部83の流路断面積において、その下端の入口付近の断面積S2よりオイル吸入管84の上端部付近(A領域)の断面積S1が小さくなるようにしている。
【0052】
具体的には、図3(a)では、冷媒吸入部83を円筒拡大部83aとこれに続くテーパ部83bとの組み合わせ形状にしている。オイル吸入管84の上端部は断面積S1の流路中に突出している。
【0053】
また、図3(b)では、冷媒吸入部83の下端側をテーパ部83bのみからなる形状にしている。また、図3(c)では、冷媒吸入部83の下端側途中に小径円筒部83cを形成している。更に、図3(d)では、冷媒吸入部83の下端側を図3(b)のテーパ部83bとこれに続く図3(c)の小径円筒部83cとの組み合わせ形状にしている。
【0054】
第2実施形態によると、冷媒吸入部83の流路断面積において、その下端の入口部付近の断面積S2よりオイル吸入管84の上端部付近(A領域)の断面積S1を小さくすることにより、絞り通路87を通過する冷媒流速を高めることができ、これにより、前述の圧力差ΔPを増大できるので、オイル吸入管84によるオイル吸い込み量を増加できる。
【0055】
(第3実施形態)
図4、図5は第3実施形態であり、オイル吸入管84の支持構造を変更している。第3実施形態ではオイル吸入管84の上端部を絞り板88を介して冷媒吸入部83の下端開口部に支持固定している。
【0056】
絞り板88は、図5(a)の例では複数(4本)の放射状のアーム部を持ち、かつ、その中心部に円形穴部を持つ板形状にアルミニュウム等の金属により成形されている。そして、オイル吸入管84の上端部を絞り板88の中心穴部に嵌合した後、溶接等の接合手段にて絞り板88を介してオイル吸入管84の上端部を冷媒吸入部83の下端開口部に支持固定している。
【0057】
オイル吸入管84の下端部は側方に向けて斜めに曲げることにより、オイル吸入管84の下端開口部をそのままオイル吸入穴86として構成するようになっている。
【0058】
第3実施形態によると、オイル吸入管84の上端部を絞り板88により冷媒吸入部83の下端開口部に支持固定しているので、第1実施形態のようにタンク本体部81の底部に円形状の凹部85を形成する必要がなく、タンク本体部81の成形が簡単となる。
【0059】
しかも、絞り板88により絞り流路87を形成するので、冷媒が絞り板88を通過するときの絞り圧力損失の発生によって前述の圧力差ΔPを増大でき、それにより、オイル吸入管84のオイル吸い込み量を増加できる。
【0060】
なお、絞り板88の具体的形状は図5(a)に限定されるものではなく、例えば、図5(b)のごとく半円状でもよい。
【0061】
(第4実施形態)
図6は第4実施形態であり、冷媒吸入部83の下端開口部(入口)に内側へ環状に突出する絞り部89を一体成形して絞り流路87を形成している。この絞り流路87の形成により前述の圧力差ΔPを増大でき、それにより、オイル吸入管84のオイル吸い込み量を増加できる。
【0062】
(第5実施形態)
図7は第5実施形態であり、オイル吸入管84の上端側において、冷媒吸入部83の下端開口部付近に対向する途中部位に、上下方向に所定長さにわたって円筒状の径拡大部90を一体成形して絞り流路87を形成している。この絞り流路87の形成により圧力差ΔPを増加できる。
【0063】
(第6実施形態)
図8は第6実施形態であり、オイル吸入管84の上端部にテーパ状の径拡大部91を一体成形して絞り流路87を形成し、これにより、圧力差ΔPを増加させる。
【0064】
(第7実施形態)
図9は第7実施形態であり、オイル吸入管84の上端部に金網製の網状体92を固定したものである。この網状体92の網目はオイルを十分保持できる程度の細かさに設定してあるので、オイル吸入管84の上端部に到達したオイルを網状体92上に溜めることができる。
【0065】
その結果、網状体92の網目を通過するガス冷媒によりオイルを微細化して、ガス冷媒の流れにオイルをスムースに乗せることができるので、圧縮機1へのオイル戻りを良好に行うことができる。
【0066】
(第8実施形態)
図10は第8実施形態であり、オイル吸入管84の上端部を冷媒吸入部83の流路内壁面に接触させるようにしたものである。図10(a)の例では、オイル吸入管84の上端部に曲げ部93を形成し、この曲げ部93の先端を流路内壁面に接触させている。
【0067】
また、図10(b)の例では、オイル吸入管84のストレートな上端部をそのまま流路内壁面に接触させている。
【0068】
圧縮機1の低回転時のように、冷媒流速が小さいときには、前述の圧力差ΔPが減少するので、オイル吸入管84の上端部に到達したオイルが図11のB部のように冷媒流れ中に吸い込まれずに下方へ垂れることがある。
【0069】
しかるに、第8実施形態によると、図10(a)(b)のごとくオイル吸入管84の上端部を冷媒吸入部83の流路内壁面に接触させているので、オイル吸入管84の上端部のオイルが直ちに流路内壁面に付着する。そして、この付着オイルは表面張力により冷媒流れとともに流路内壁面を伝わることができる。その結果、冷媒流速が小さいときでも、オイル吸入管84の上端部のオイルを積極的に流路内壁面を伝わらせて、冷媒流れに容易に乗せることができる。
【0070】
(第9実施形態)
図12は第9実施形態であり、タンク本体部81の上方部において、冷媒吸入部83に一体に接続される圧縮機接続管94を水平方向に曲げ成形するとともに、オイル吸入管84の上端部に水平方向の曲げ部95を形成している。更に、圧縮機接続管94の水平部途中の下側に凹部(オイル溜め部)96を形成し、この凹部96の上方部位にオイル吸入管84の先端部を配置している。
【0071】
これによると、オイル吸入管84の曲げ部95の先端部からの落下オイル量が一時的に増加したときでも、落下オイルを一時的に凹部96に溜めておくことができるので、サイクル運転条件の変動にかかわらず、オイルを冷媒流れに良好に乗せることができる。
【0072】
(第10実施形態)
図13は第10実施形態であり、上記第9実施形態における凹部96を廃止して、その代わりに、オイル吸入管84の水平方向曲げ部95を圧縮機接続管94の水平部の下側内壁面に接触させている。
【0073】
第10実施形態によると、第8実施形態と同様にオイル吸入管84の先端部のオイルが直ちに圧縮機接続管94の水平方向の流路内壁面に付着するので、この水平方向の流路内壁面上にある程度のオイルを溜めることができる。そして、同時に、この水平方向の流路内壁面上のオイルを第8実施形態と同様に表面張力により冷媒流れとともに流路内壁面を伝わらせて、オイルを冷媒流れに良好に乗せることができる。
【0074】
(第11実施形態)
図14は第11実施形態であり、上記第10実施形態におけるオイル吸入管84の水平方向曲げ部95を廃止して、オイル吸入管84を上下方向に延びるストレート形状にしている。そして、オイル吸入管84の上端部を冷媒吸入部83と圧縮機接続管94との曲げコーナーの内側部に位置させ、流路内壁面に接触させるている。
【0075】
第11実施形態によると、曲げコーナーにおける冷媒の曲がり圧力損失を利用することで、圧力差ΔPをより一層増加できる。しかも、オイル吸入管84の上端部からオイルは直ぐに流路内壁面に付着するので、オイルを冷媒に乗せやすくすることができる。
【0076】
なお、図14の例では曲げコーナーを円弧状に形成しているが、図15のごとく曲げコーナーを直角状に形成して円弧部のない形状にすると、冷媒の曲がり圧力損失が増加し、圧力差ΔPが増加するので、オイル吸い込み効果を向上できる。
【0077】
(第12実施形態)
図16、図17は第12実施形態である。前述の第1実施形態等においては、圧縮機1の回転数低下等による冷媒低流量時には、冷媒吸入部83に吸い込まれる冷媒流速が低下して、冷媒吸入部83へのオイル吸入のための圧力差ΔPが減少するので、冷媒吸入部83へのオイル吸入量が減少する。そこで、第12実施形態はこの冷媒低速時におけるオイル吸入量の減少を防ぐようにしたものである。
【0078】
まず、本発明者は、遠心分離方式のアキュムレータ8における気液分離の挙動について詳細に実験、観察したところ、次のことが分かった。すなわち、遠心分離方式のアキュムレータ8では、冷媒流入部82からタンク本体部81内に図17の矢印Cのようにタンク本体部81の円筒形状の接線方向に流入させ、これにより、冷媒にタンク本体部81の内壁に沿う旋回流Dを形成して、冷媒の気液を遠心分離する。このため、ガス冷媒に比して密度の大きいオイルは液冷媒とともにタンク本体部81の内壁に付着し、オイル、液冷媒はタンク本体部81の内壁を流下する。
【0079】
第12実施形態は上記のように遠心分離方式ではタンク本体部81の内壁をオイルが流下するという現象に着目して、タンク本体部81の内壁のうち、冷媒流入部82より所定寸法だけ下方の部位に、タンク本体部81の内壁を流下するオイルを塞ぎ止めるオイル塞ぎ止め部材97を配置している。
【0080】
このオイル塞ぎ止め部材97は、図示の例では外径側から内径側へ斜め下方へ向かう斜面を持つリング状に形成され、その外径側部位でタンク本体部81の内壁に固定される。そして、オイル塞ぎ止め部材97の下方部位には所定間隔Eを開けてカップ状のオイル溜め部材98を配置している。この所定間隔Eによりオイル塞ぎ止め部材97の上側空間と下側空間とを連通させるリング状の連通部99が形成される。この連通部99は、矢印Fのようにオイルを含む液冷媒をタンク本体部81の底部側へ落下させることを可能にするためのものである。
【0081】
オイル溜め部材98はオイル塞ぎ止め部材97により塞ぎ止めたオイル(液冷媒)を冷媒吸入部83の入口付近に案内して、ここに溜めるオイル留め手段を構成するもので、オイル受け部98aとオイル溜め部98bとを一体に形成したものである。
【0082】
具体的には、オイル受け部98aはオイル塞ぎ止め部材97の内径より若干量だけ大きい外径を有するリング状であり、かつ、オイル受け部98aも外径側から内径側へ斜め下方へ向かう斜面を持つリング状に形成してある。また、オイル溜め部98bはリング状オイル受け部98aの内径部から下方へ垂下するカップ状(有底円筒状)に形成してある。オイル溜め部98bの立ち上がり部(円筒部)は冷媒吸入部83の径外方側に配置されている。
【0083】
そして、オイル溜め部98bの底部の中心部に吸入管84を貫通させて、オイル溜め部98bの底部を吸入管84により気密に保持固定するようになっている。
【0084】
第12実施形態の作動を説明すると、冷媒流入部82からの流入冷媒が旋回流Dを形成することにより冷媒の気液が遠心分離され、旋回流Dの中心側にガス冷媒が分離され、このガス冷媒は矢印Gのようにオイル塞ぎ止め部材97の中央開口部を通過してオイル溜め部材98の底部にて流れ方向を反転して冷媒吸入部83に吸い込まれる。
【0085】
ところで、圧縮機1の回転数低下等による冷媒低流量時には、冷媒吸入部83に吸い込まれる冷媒流速が低下して、A領域の圧力とタンク内圧力との圧力差ΔPが減少するので、オイル吸入管84を通して冷媒吸入部83に吸入されるオイル量が減少する。
【0086】
しかし、第12実施形態では、タンク本体部81の内壁に沿う旋回流Dにより遠心分離されたオイルが液冷媒とともにタンク本体部81の内壁に付着し、オイル(液冷媒)はタンク本体部81の内壁を流下した後にオイル塞ぎ止め部材97により塞ぎ止められる。そして、この部材97の斜面に沿って内径側にオイル(液冷媒)が移動し、部材97の斜面の内径端面から落下する。この落下オイル(液冷媒)はオイル溜め部材98のオイル受け部98aにより受け止められる。
【0087】
ここで、冷媒低流量時には旋回流Dの速度が低下し、旋回流Dによる遠心力が小さくなるので、部材97の内径端面から落下するオイル(液冷媒)の多くはオイル溜め部材98のオイル受け部98aにより受け止めることができる。
【0088】
次に、このオイル受け部98aの斜面をオイル(液冷媒)が下方へ移動してカップ状のオイル溜め部98bに流入し、このオイル溜め部98bの底部にオイル(液冷媒)が溜まる。このオイル溜め部98bの底部の真上には微小間隔で冷媒吸入部83の入口が対向配置されているので、オイル溜め部98bの底部のオイル(液冷媒)が矢印Gのガス冷媒とともに冷媒吸入部83内に吸入される。
【0089】
従って、冷媒低速時にオイル吸入管84からのオイル吸入量が減少しても、オイル溜め部98bからのオイルが冷媒吸入部83内に吸入されるので、圧縮機1の潤滑に必要なオイル量を確保できる。
【0090】
なお、オイル塞ぎ止め部材97からの落下オイル(液冷媒)の一部は遠心力により所定間隔Eによる連通部99を通って矢印Fのようにタンク本体部81の下方へ落下し、タンク本体部81の底部に溜まり、オイル吸入管84の下端部に吸入される。特に、冷媒高流量時には旋回流Dの速度が上昇し、旋回流Dによる遠心力が増大するので、遠心力により矢印Fのように連通部99を通ってタンク本体部81の下方へ落下するオイル(液冷媒)の割合が増大する。
【0091】
(第13実施形態)
図18、図19は第13実施形態であり、上記第12実施形態と同じ考え方で冷媒低速時におけるオイル吸入量の減少を防ぐようにしたものである。
【0092】
具体的には、オイル塞ぎ止め部材97の内径よりオイル溜め部材98のオイル受け部98aの外径を若干量小さくし、オイル塞ぎ止め部材97の内径部端面とオイル溜め部材98のオイル受け部98aの外径部端面との間を複数(図示の例は4本)のリブ97aにより一体に連結した構造である。
【0093】
複数のリブ97a相互間には、冷媒高流量(高速)時にオイル(液冷媒)を下方へ落下させる円弧状の窓部からなる連通部99が形成される。
【0094】
第13実施形態によると、タンク本体部81の内壁を流下したオイル(液冷媒)がオイル塞ぎ止め部材97により塞ぎ止められた後、このオイル(液冷媒)がリブ97aを伝わってオイル受け部98aに容易に流れ込むことができる。そのため、上記第12実施形態よりも確実にオイルをオイル溜め部98b内に溜めることができる。
【0095】
(第14実施形態)
図20〜図22は第14実施形態であり、上記第12、第13実施形態の変形であり、オイル塞ぎ止め部材97を螺旋状部材97bで構成し、この螺旋状部材97bの最大径部97cをタンク本体部81の内壁の全周に密着固定した後に、螺旋状部材97bの径を下方側へ行くにつれて縮小している。そして、螺旋状部材97bの最小径部97dをオイル受け部98aの内側に位置させている。螺旋状部材97bの旋回方向(回転方向)は冷媒の旋回流Dと同一方向である。
【0096】
第13実施形態によると、オイル塞ぎ止め部材97を構成する螺旋状部材97bの最大径部97cがオイルの塞ぎ止め作用を果たすと同時に、螺旋状部材97bの最大径部より下方の小径の螺旋部97bがオイル受け部98aへのオイル案内作用を果たすので、第13実施形態と同様に、オイルを確実にオイル溜め部98b内に溜めることができる。なお、第14実施形態では、螺旋状部材97b周囲の空間が上記第12、第13実施形態の連通部99の役割を果たすことになる。
【0097】
(第15実施形態)
図23〜図26は第15実施形態であり、上記第12〜第14実施形態に対してオイル塞ぎ止め部材97とオイル溜め部98bの配置および形成方法を変更している。
【0098】
すなわち、第15実施形態では図25、26に示す2重円筒部材100と円板部材101を用意し、そして、図24の2箇所の円弧状連通部99を作るため、図25のH部を円弧形状に打ち抜く。このとき、2重円筒部材100と円板部材101の双方において、その円弧形状の打ち抜き穴部、すなわち、連通部99の周縁部に打ち出し部(バーリング部)100a、101aを形成する。
【0099】
この両打ち出し部100a、101aの先端部同士をず23のごとく突き合わせて接合(溶接、接着等)することにより、2重円筒部材100の底部と円板部材101との間に所定間隔Lを設けることができる。
【0100】
また、円板部材101の中心部にも穴を開けてオイル吸入管84に密着固定する。円板部材101の外周縁部はその全周をタンク本体部81の内壁に密着固定することにより、円板部材101の外周縁部と2重円筒部材100の外側筒部100bとによりオイル塞ぎ止め部材97を構成できる。
【0101】
また、円板部材101の打ち出し部101aの内周側部分を、2重円筒部材100の打ち出し部100aの内周側部分と接合することにより、円板部材101の打ち出し部101aの内周側領域に2重円筒部材100の内側筒部100cにより囲まれたオイル溜め部98bを構成できる。
【0102】
更に、2重円筒部材100および円板部材101において、2箇所の円弧状連通部99の間には径方向に延びるリブ97aが形成され、2重円筒部材100側のリブ(上側リブ)97aと円板部材101側のリブ(下側リブ)97aとにより、オイル塞ぎ止め部材97の空間をオイル溜め部98bの空間に連通させるオイル案内通路97eを形成する。
【0103】
第15実施形態においても、オイル塞ぎ止め部材97により塞ぎ止めたオイル(液冷媒)を、オイル案内通路97eによりオイル溜め部98b内に確実に案内できるので、オイルを確実にオイル溜め部98bに溜めることができる。
【0104】
(第16実施形態)
図27〜図28は第16実施形態であり、前述の第13実施形態(図18、19)の変形である。第16実施形態では、オイル塞ぎ止め部材97に、タンク本体部81の内径より所定量だけ小径の円筒部97fを設けるとともに、この円筒部97fに複数(図示の例は4箇所)の溝部97gを設けてある。オイル塞ぎ止め部材97のうち円筒部97fよりも外周側部位の上面と溝部97gの底面は同一面ないしは溝部97gの底面の方を低くする。
【0105】
そして、各溝部97gの底面から径方向の内側へ延びるリブ97aを形成してある。このリブ97aは斜め下方に垂下して、リブ97aの内側端部はオイル溜め部98bの円筒形状の上端面に当接している。
【0106】
第16実施形態においても、オイル塞ぎ止め部材97により塞ぎ止めたオイル(液冷媒)を、溝部97g、リブ97aによりオイル溜め部98b内に確実に案内できるので、オイルを確実にオイル溜め部98bに溜めることができる。
【0107】
(第17実施形態)
上記第16実施形態ではリブ97aの内側端部をオイル溜め部98bの円筒形状の上端面に当接させているが、第17実施形態では図29〜図30に示すようにリブ97aの内側端部をオイル溜め部98bの円筒形状の上端面より上方で、かつ、オイル溜め部98bの円筒形状の内側へ突き出すように配置している。
【0108】
このような構成としても、上記第16実施形態と同様の作用効果を発揮できる。
【0109】
(第18実施形態)
図31、32は第18実施形態であり、上記した第12〜第16実施形態ではいずれもタンク本体部81の内壁を流下するオイルをオイル塞ぎ止め部材97により塞ぎ止めて、このオイルを冷媒吸入部83内に吸い込ませるようにしているが、第18実施形態ではこのようなオイル塞ぎ止め部材97を使用せずに、冷媒低速時における圧縮機1側へのオイル戻りを改善するものである。
【0110】
冷媒の気液分離を遠心分離で行う方式のアキュムレータ8では、タンク本体部81の内壁に沿う旋回流Dを形成するため、タンク本体部81の内壁から中心側へ向かうほど圧力が低下することが分かっている。
【0111】
そこで、この点に着目して第18実施形態では、旋回流Dの中心部での圧力低下を有効利用して、冷媒低速時における、冷媒吸入部83内のA領域とタンク内との圧力差ΔPを増大させ、これにより、圧縮機1側へのオイル戻りを改善するものである。
【0112】
第18実施形態を具体的に説明すると、冷媒吸入部83の入口付近具体的には入口の真下部位に螺旋状部材102を配置している。この部材102は円板状の保持板102aと螺旋部102bとを一体に構成したものである。この保持板102aの中心穴部にオイル吸入管84を貫通させて保持板102aの中心穴部をオイル吸入管84に密着固定している。
【0113】
また、保持板102aの外周面とタンク本体部81の内壁との間にリング状の隙間103を形成して、この隙間103を通過してオイルおよび液冷媒が下方へ落下できるようになっている。
【0114】
そして、螺旋部102bはタンク本体部81の内壁に沿う旋回流Dと同一方向(図32の例では反時計方向)の螺旋形状を構成するもので、その螺旋形状の最大径部102cの開口部102dから旋回流Dの冷媒を矢印Jのごとく受け入れる。そして、螺旋形状の最小径部102eは冷媒吸入部83の径と略一致させてある。
【0115】
このため、螺旋部102b内に流入した冷媒(気液分離されたガス冷媒)は、螺旋部102bの螺旋形状により旋回流を保持したまま、冷媒吸入部83内に流入することができる。
【0116】
これに反し、冷媒吸入部83の入口付近に螺旋状部材102を配置しない場合は、通常、タンク本体部81の中心部では圧縮機1の吸入作用により冷媒流れは旋回流Dから冷媒吸入部83へ向かう上昇流へと変わってしまう。このため、旋回流Dによる圧力低下の効果をオイル吸入管84先端部のA領域に作用させることができない。
【0117】
しかし、第18実施形態によると、螺旋状部材102の螺旋部102bの螺旋形状により冷媒の旋回流を保持したまま、冷媒吸入部83内に冷媒を流入させることができる。従って、旋回流Dによる圧力低下の効果をオイル吸入管84先端部のA領域に作用させて、冷媒低速時における圧力差ΔPを増大させ、これにより、圧縮機1側へのオイル戻りを改善できる。
【0118】
なお、保持板102aにより隙間103を適度の間隔に制限できるので、冷媒の旋回流Dがタンク本体部81内下方に溜まる液冷媒の液面に強く当たることを抑制できる。そのため、タンク本体部81内下方側の液冷媒の液面が上昇した際にも、この液冷媒の液面が冷媒の旋回流Dにより乱されて泡立つことを防止して、冷媒の気液分離性を向上できる。
【0119】
(第19実施形態)
図33、34は第19実施形態であり、上記第18実施形態の変形である。第18実施形態では冷媒吸入部83の入口付近(入口の真下部位)に螺旋状部材102を配置しているが、第19実施形態では冷媒吸入部83の先端側に螺旋部83dを一体に設けている。
【0120】
第19実施形態の具体的構成を説明すると、螺旋状部材102に対応する部材として円筒状部材104を有し、この円筒状部材104は上記保持板102aと同じ円板状の保持板104aに円筒部104bを一体に構成したものである。円筒部104bはタンク本体部81および冷媒吸入部83と同心状に配置され、かつ、図33に示すように冷媒吸入部83の先端側の螺旋部83dの外周側に所定間隔を開けて位置している。
【0121】
螺旋部83dは図34に示すようにタンク本体部81の内壁に沿う旋回流Dと同一方向(図34の例では反時計方向)の螺旋形状を冷媒吸入部83の先端側に一体に構成するものである。これにより、冷媒吸入部83の先端側に一層直接的に旋回流を形成、保持できる。
【0122】
(第20実施形態)
まず最初に第20実施形態の課題を説明すると、冷媒低流量時のように冷媒流速が低下すると、冷媒吸入部83内のA領域とタンク内との圧力差ΔPが減少するので、オイル吸入管84の上端部まで吸い上げられたオイルが前述の図11のB部に示すようにオイル吸入管84の上端部から下方へ垂れてしまい、圧縮機1側へ戻るオイルが減少する場合がある。
【0123】
そこで、第20実施形態では図35、図36に示すように、オイル吸入管84の上端部付近にオイル溜め部材98を配置し、固定している。このオイル溜め部材98は、上記第12〜第17実施形態のオイル溜め部98bに相当するカップ状(有底円筒状)の形状であり、オイル溜め部材98の底面部98hと冷媒吸入部83の入口部(下端部)との間に所定間隔を設定するとともに、オイル溜め部材98の立ち上がり部(円筒部)98iを冷媒吸入部83の径外方側に位置させて、この両者98i、83の間にも所定間隔を設定している。
【0124】
このため、第18実施形態によると、タンク本体部81の内壁に沿う旋回流Dにより遠心分離されたガス冷媒は、オイル溜め部材98の内側で矢印Gのように反転して冷媒吸入部83内に吸い込まれる。冷媒低流量時のように冷媒流速が低下すると、オイル吸入管84の上端部まで吸い上げられたオイルB(図37)がオイル吸入管84の上端部から下方へ垂れて、オイル溜め部材98の内側に徐々に溜まっていく。
【0125】
図37(a)はオイル溜め部材98内へのオイルBの溜まり量が少ない状態を示し、そして、図37(b)のようにオイルBの溜まり量が増加して、オイル液面が上昇すると、冷媒吸入部83の冷媒吸入流路を狭めるので、上記圧力差ΔPが増大する。
【0126】
この結果、図37(c)のように、オイル溜め部材98内のオイルBが一挙に急激に冷媒吸入部83内に吸い上げられ、圧縮機1側へオイルBを戻すことができる。冷媒流速の低い状態が長時間継続されるときは、オイル溜め部材98内からのオイル吸い上げが断続的に行われる。
【0127】
(第21〜第23実施形態)
第21〜第23実施形態は上記第20実施形態の変形であり、図38、図39は第21実施形態であり、上記第20実施形態のオイル溜め部材98の底面部98hに円板状の外周突出部(羽根部)98jを追加している。
【0128】
これにより、オイル溜め部材9の立ち上がり部98iとタンク本体部81の内壁との間隔を狭めるので、冷媒の旋回流Dがタンク本体部81内下方に溜まる液冷媒の液面に強く当たることを抑制できる。そのため、タンク本体部81内下方側の液冷媒の液面が上昇した際にも、この液冷媒の液面が冷媒の旋回流Dにより乱されて泡立つことを防止して、冷媒の気液分離性を向上できる。
【0129】
次に、図40、図41は第22実施形態であり、上記第20実施形態のオイル溜め部材98の立ち上がり部(円筒部)98iを上方側に延ばして、立ち上がり部98iの上端部をタンク本体部81の上面部に直接固定できるようにしたものである。これにより、オイル溜め部材98の固定をより確実に行うことができる。なお、立ち上がり部98iには遠心分離されたガス冷媒を冷媒吸入部83内に吸い込むための窓部98kが2箇所開けてある。
【0130】
次に、図42は第23実施形態であり、上記第20実施形態に対して傘状部材105を追加している。この傘状部材105はその円板部105aの中心穴部にて冷媒吸入部83に固定されるとともに、円板部105aの外周部から下方に垂下する円筒状の垂下部105bをオイル溜め部材9の立ち上がり部98iの径外方側に配置し、傘状部材105とオイル溜め部材98との間に上下方向で蛇行する冷媒流路を形成している。
【0131】
このため、第23実施形態を遠心分離方式とした場合には、遠心分離による気液分離作用に加えて、傘状部材105の外面に冷媒を衝突させて冷媒速度を低下させることで冷媒の気液を分離でき、冷媒の気液分離性を一層向上できる。
【0132】
また、第23実施形態によると、傘状部材105を有しているため、遠心分離による気液分離方式を採用しなくてもよい。すなわち、冷媒流入部82からの冷媒を傘状部材105の外面に衝突させて冷媒速度を低下させることで冷媒の気液を分離して、円筒状の垂下部105bに沿って冷媒流れを下方に向かわせる。その後に、液冷媒は重力の作用でタンク底部側へ落下するので、ガス冷媒のみを上記の蛇行冷媒流路へ導くことができ、冷媒の気液を分離できる。
【0133】
(第24実施形態)
図43〜図44は第24実施形態である。圧縮機1の回転数低下等による冷媒低流量時に、冷媒吸入部83に吸い込まれる冷媒流速が低下して冷媒吸入部83へのオイル吸入のための圧力差ΔPが減少し、その結果、冷媒吸入部83へのオイル吸入量が減少する。
【0134】
そこで、第24実施形態はこの冷媒低流量時におけるオイル吸入量の減少を防ぐために、冷媒低流量時に冷媒吸入部83の入口開口面積を冷媒流量に応じて可変するようにしたものである。
【0135】
このため、冷媒吸入部83の外周に円板状の仕切り板110を回転可能に遊嵌合配置し、この仕切り板110上に複数のブレード111を一体に設けている。本例では、平板状のブレード111を180°間隔で2枚設けている。この平板状のブレード111は冷媒流入部82からタンク本体部81内に流入する冷媒の動圧を受けるように配置されている。
【0136】
第24実施形態のアキュムレータ8は気液分離が遠心分離方式であるので、冷媒流入部82からの流入冷媒はタンク本体部81の内壁に沿って旋回流Dを形成し、この旋回流Dの動圧が平板状のブレード111に対して回転方向の力として作用する。
【0137】
そして、仕切り板110上に渦巻き状のバネ部材112を配置して、この渦巻き状バネ部材112の一端(内周端)を冷媒吸入部83の外周面に固定するとともに、渦巻き状バネ部材112の他端(外周端)を仕切り板110上の適宜の位置に固定して、渦巻き状バネ部材112のばね力が上記旋回流Dの動圧に対抗する力としてブレード111に作用するようにしてある。
【0138】
また、仕切り板110の下方部には円筒部113が一体に設けてあり、この円筒部113も冷媒吸入部83の外周に遊嵌合している。この円筒部113および冷媒吸入部83の円周面の双方に窓部114、115が開口している。ここで、窓部114、115は本例では矩形状にしてあり、円筒部113の窓部114が冷媒吸入部83の窓部115に重合することにより、仕切り板110の下方側のタンク内空間を冷媒吸入部83内に連通させる。
【0139】
なお、円筒部113は冷媒吸入部83の外周に微小隙間により遊嵌合しているので、タンク内空間は実質的に上記両窓部114、115の重合部のみを通して冷媒吸入部83内に連通する。
【0140】
ところで、仕切り板110のブレード111に、旋回流Dの動圧による回転方向の力とこれに対抗する渦巻き状バネ部材112のばね力とが作用するので、仕切り板110はこの両方の力のバランスした位置に移動することになる。このため、渦巻き状バネ部材112のばね力を適当に設定することにより、冷媒高流量時では動圧の上昇により両窓部114、115が図43(c)のようにほぼ全開状態で重合し、冷媒入口開口面積を増大できる。
【0141】
そして、冷媒低流量時では動圧の低下により両窓部114、115の重合面積を減少させて、冷媒入口開口面積を図43(a)のように減少させることができる。
【0142】
この結果、冷媒低流量時でも、オイル吸入管84の上端部付近の領域Aとタンク本体部81内との間の圧力差を拡大して圧縮機1へのオイル戻り量を確保できる。
【0143】
以上の説明から理解されるように、第24実施形態では、冷媒吸入部83の入口開口面積を冷媒流量に応じて可変する開口可変機構(請求項17)を、ブレード111、円筒部113等を持つ仕切り板110と、渦巻き状バネ部材112とにより構成している。
【0144】
(第25実施形態)
図45は第25実施形態であり、上記第24実施形態の変形である。すなわち、第25実施形態では仕切り板110の上方部に円筒部113を一体に設け、仕切り板110の上方側に、冷媒吸入用の窓部114、115を形成している。他の点および作動原理は上記第24実施形態と同じである。
【0145】
(第26実施形態)
図46は第26実施形態であり、前述の第23実施形態(図42)における傘状部材105と同様の傘状部材116を設け、この傘状部材116の外面に冷媒を衝突させて冷媒速度を低下させることで冷媒の気液を分離する方式としている。そして、傘状部材116の中心穴部117を冷媒吸入部83の外周面に上下動可能となるように遊嵌合させている。
【0146】
また、タンク本体部81の上面部には冷媒流入部82を冷媒吸入部83と平行(上下方向)に配置して、冷媒流入部82からの冷媒が傘状部材116の上面部に対して上方から下方へと衝突するようにしてある。これにより、流入冷媒の動圧が傘状部材116を押し下げる方向の力として作用する。
【0147】
一方、傘状部材116の上面部とタンク本体部81の上面部との間にコイル状バネ部材118を配置している。このコイル状バネ部材118は、上記流入冷媒の動圧による押し下げ力に対抗する力、すなわち、引き上げ力を傘状部材116に作用させる引っ張りバネである。このため、コイル状バネ部材118の下端部は傘状部材116の上面部に係止固定し、上端部はタンク本体部81の上面部に係止固定している。
【0148】
また、第26実施形態では、オイル吸入管84の下端部(図示せず)をタンク本体部81の底面部に上下動可能に支持するようになっている。そして、オイル吸入管84の上端部近傍に冷媒吸入部83の下端開口部(入口)83eに対向する弁部材119を一体に設けている。この弁部材119は冷媒吸入部83の下端開口部83eより径の大きい円板状のもので、冷媒吸入部83の下端開口部83eに対して上下動することにより冷媒入口開口面積を増減できる。
【0149】
弁部材119は連結片120により傘状部材116の内側面に一体に連結されているので、傘状部材116と弁部材119とオイル吸入管84がタンク本体部81内で一体に上下動する。なお、連結片120は例えば、冷媒吸入部83の外周側に複数個配置された板状部材で構成できる。
【0150】
第26実施形態によると、コイル状バネ部材118のばね力を適当に設定することにより、冷媒高流量時では動圧(押し下げ力)の上昇により傘状部材116と弁部材119とオイル吸入管84が一体になって下降し(図46(b)参照)、それにより、弁部材119と冷媒吸入部83の下端開口部83eとの間隔が大きくなって、冷媒入口開口面積を増大できる。
【0151】
これに対し、冷媒低流量時では動圧(押し下げ力)が低下するので、コイル状バネ部材118のばね力により傘状部材116と弁部材119とオイル吸入管84が一体になって上昇し(図46(a)参照)、弁部材119と冷媒吸入部83の下端開口部83eとの間隔が小さくなって、冷媒入口開口面積を減少できる。
【0152】
この結果、冷媒低流量時でも、オイル吸入管84の上端部付近の領域Aとタンク本体部81内との間の圧力差を拡大して圧縮機1へのオイル戻り量を確保できる。
【0153】
(第27実施形態)
図47は第27実施形態であり、上記第26実施形態の変形である。すなわち、第27実施形態ではオイル吸入管84の下端部(図示せず)をタンク本体部81の底面部に上下動不能に固定している。これに伴って、弁部材119をオイル吸入管84の外周に遊嵌合させて、弁部材119をオイル吸入管84から切り離して傘状部材116のみに連結片120により一体化させている。
【0154】
第27実施形態においても、流入冷媒の動圧変動に応じて傘状部材116と弁部材119を上下動させることにより、上記第26実施形態と同じ作用効果を発揮できる。
【0155】
(第28実施形態)
図48は第28実施形態である。上記第24〜27実施形態では、いずれも、冷媒吸入部83の入口開口面積を冷媒流入部82からの流入冷媒の動圧変化に応じて可変するようにしているが、第28実施形態では、冷媒吸入部83の入口開口面積を冷媒吸入部83内外の圧力差(すなわち、領域Aとタンク本体部81内との圧力差)に応じて可変するものである。
【0156】
このため、第28実施形態では、オイル吸入管84の下端部をタンク本体部81の底面部に上下動可能に支持するとともに、オイル吸入管84の上端部近傍に弁部材119を一体に設けている。一方、冷媒吸入部83の下端側の径を拡大して弁収容室121を形成するとともに、この弁収容室121内に弁部材119およびコイル状バネ部材118を収容している。
【0157】
弁部材119には冷媒吸入部83内外の圧力差により弁部材119を上方へ引き上げる方向の力が作用する。そこで、第28実施形態ではこの圧力差による上方への引き上げ力に対抗するために、コイル状バネ部材118として圧縮バネを用い、このバネ部材118により弁部材119に対して下方への押し下げ力を作用させる。
【0158】
第28実施形態によると、圧力差による上方への引き上げ力とコイル状バネ部材118による下方への押し下げ力とのバランスにより、弁部材119は冷媒吸入部83の下端開口部(入口)83eに対して上下動して、冷媒吸入部83の入口開口面積を可変する。
【0159】
図48(b)は冷媒高流量時の状態を示しており、高流量時では冷媒吸入部83内外の圧力差が増大するので、コイル状バネ部材118のバネ力に打つ勝って弁部材119が上昇し、弁部材119と冷媒吸入部83の下端開口部83eとの間隔が大きくなって、冷媒入口開口面積を増大できる。
【0160】
これに対し、図48(a)は冷媒低流量時の状態を示しており、冷媒低流量時では冷媒吸入部83内外の圧力差が減少するので、コイル状バネ部材118のばね力により弁部材119が下降して、弁部材119と冷媒吸入部83の下端開口部83eとの間隔が小さくなって、冷媒入口開口面積を減少できる。
【0161】
この結果、冷媒低流量時でも、オイル吸入管84の上端部付近の領域Aとタンク本体部81内との間の圧力差を拡大して圧縮機1へのオイル戻り量を確保できる。
【0162】
(第29実施形態)
図49は第29実施形態であり、上記第28実施形態の変形である。すなわち、第29実施形態ではオイル吸入管84の下端部をタンク本体部81の底面部に上下動不能に固定している。これに伴って、弁部材119をオイル吸入管84の外周に遊嵌合させて、弁部材119をオイル吸入管84から切り離している。
【0163】
第29実施形態においても、冷媒吸入部83内外の圧力差の変動に応じて弁部材119を上下動させることにより、上記第28実施形態と同じ作用効果を発揮できる。
【0164】
(第30実施形態)
図50は第30実施形態であり、上記第29実施形態の更に変形である。すなわち、第30実施形態では弁部材119自身を板バネにより構成して、弁部材119がそれ自身のバネ力により冷媒吸入部83内外の圧力差に対抗する方向に変位するようにしたものである。
【0165】
図50の具体例では、冷媒吸入部83の外周面に開口部(入口)83eを設け、この開口部(入口)83eの下端に弁部材119の下端部を固定し、弁部材119の上端部を変位可能な自由端としている。そして、冷媒高流量時には冷媒吸入部83内外の圧力差の増大により弁部材119が開口部(入口)83eの開口面積を増加する方向(図50(a)の左方向)に変位する。
【0166】
これに反し、冷媒低流量時には冷媒吸入部83内外の圧力差の減少により弁部材119が自身のバネ力により入口開口面積を減少する方向(図50(a)の右方向)に変位する。
【0167】
(第31実施形態)
図51は第31実施形態であり、上記第29、第30実施形態の更に変形である。すなわち、第31実施形態では、冷媒吸入部83の外周面に設けた開口部(入口)83eに弁部材119を対向配置するとともに、オイル吸入管84の上端部にバネ保持体122を設け、このバネ保持体122と弁部材119との間に圧縮バネからなるコイル状バネ部材118を配置する。
【0168】
そして、冷媒高流量時には冷媒吸入部83内外の圧力差の増大により弁部材119が開口部(入口)83eの開口面積を増加する方向(図51(a)の左方向)に変位する。
【0169】
これに反し、冷媒低流量時には冷媒吸入部83内外の圧力差の減少により弁部材119がコイル状バネ部材118のバネ力により入口開口面積を減少する方向(図51(a)の右方向)に変位する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のを適用する冷凍サイクルの構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態を示す縦断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態を示す要部断面図である。
【図4】本発明の第3実施形態を示す縦断面図である。
【図5】図4のX矢視による要部の平面図である。
【図6】本発明の第4実施形態を示す要部断面図である。
【図7】本発明の第5実施形態を示す要部断面図である。
【図8】本発明の第6実施形態を示す要部断面図である。
【図9】(a)は本発明の第7実施形態を示す要部断面図で、(b)は(a)のX矢視平面図ある。
【図10】本発明の第8実施形態を示す要部断面図である。
【図11】第8実施形態の比較例の要部断面図である。
【図12】本発明の第9実施形態を示す要部断面図である。
【図13】本発明の第10実施形態を示す要部断面図である。
【図14】本発明の第11実施形態を示す要部断面図である。
【図15】第11実施形態の変形例の要部断面図である。
【図16】本発明の第12実施形態を示す要部縦断面図である。
【図17】図16の横断面図である。
【図18】本発明の第13実施形態を示す要部縦断面図である。
【図19】図18の横断面図である。
【図20】本発明の第14実施形態を示す要部縦断面図である。
【図21】図20の横断面図である。
【図22】第14実施形態による螺旋状オイル塞ぎ止め部材を示す斜視図である。
【図23】本発明の第15実施形態を示す要部縦断面図である。
【図24】図23の横断面図である。
【図25】第15実施形態による主要部品の形成方法を説明する断面図である。
【図26】図25の斜視図である。
【図27】本発明の第16実施形態を示す要部縦断面図である。
【図28】図27の横断面図である。
【図29】本発明の第17実施形態を示す要部縦断面図である。
【図30】図29の横断面図である。
【図31】本発明の第18実施形態を示す要部縦断面図である。
【図32】図31の横断面図である。
【図33】本発明の第19実施形態を示す要部縦断面図である。
【図34】図33の横断面図である。
【図35】本発明の第20実施形態を示す要部縦断面図である。
【図36】図35の横断面図である。
【図37】第20実施形態の作動を説明する要部縦断面図である。
【図38】本発明の第21実施形態を示す要部縦断面図である。
【図39】図38の横断面図である。
【図40】本発明の第22実施形態を示す要部縦断面図である。
【図41】図40の横断面図である。
【図42】本発明の第23実施形態を示す要部縦断面図である。
【図43】本発明の第24実施形態を示す要部縦断面図である。
【図44】図43(a)のY−Y断面図である。
【図45】本発明の第25実施形態を示す要部縦断面図である。
【図46】本発明の第26実施形態を示す要部縦断面図である。
【図47】本発明の第27実施形態を示す要部縦断面図である。
【図48】本発明の第28実施形態を示す要部縦断面図である。
【図49】本発明の第29実施形態を示す要部縦断面図である。
【図50】本発明の第30実施形態を示す要部縦断面図である。
【図51】本発明の第31実施形態を示す要部縦断面図である。
【図52】従来のアキュムレータの縦断面図である。
【符号の説明】
1…圧縮機、5…蒸発器、8…アキュムレータ、81…タンク本体部、82…冷媒流入部、83…冷媒吸入部、84…オイル吸入管、86…オイル吸入穴。

Claims (4)

  1. 冷凍サイクルの圧縮機(1)吸入側に配置されて冷媒の気液を分離し液冷媒を溜めるアキュムレータ(8)であって、
    タンク本体部(81)と、
    前記冷凍サイクルの蒸発器(5)出口からの冷媒を前記タンク本体部(81)内に流入させる冷媒流入部(82)と、
    パイプ状に成形され、前記タンク本体部(81)内の上方部に開口し、この上方部の冷媒を吸入する冷媒吸入部(83)と、
    前記タンク本体部(81)内の底部付近に開口するオイル吸入穴(86)を一端側に有し、他端部が前記冷媒吸入部(83)のパイプ状部分内に挿入され連通するオイル吸入管(84)と、
    前記冷媒吸入部(83)のパイプ状部分内側であって前記オイル吸入管(84)の他端部に配置されオイルを溜めることが可能な網状体(92)とを備え、
    前記オイル吸入管(84)は、前記タンク本体部(81)内と、前記冷媒吸入部(83)内の前記オイル吸入管(84)の他端部付近の領域(A)との間に発生する圧力差により、前記タンク本体部(81)内底部付近のオイルを前記オイル吸入穴(86)から吸入して前記冷媒吸入部(83)内に吸い込むようになっていることを特徴とするアキュムレータ。
  2. 冷凍サイクルの圧縮機(1)吸入側に配置されて冷媒の気液を分離し液冷媒を溜めるアキュムレータ(8)であって、
    タンク本体部(81)と、
    前記冷凍サイクルの蒸発器(5)出口からの冷媒を前記タンク本体部(81)内に流入させる冷媒流入部(82)と、
    パイプ状に成形され、前記タンク本体部(81)内の上方部に開口し、この上方部の冷媒を吸入する冷媒吸入部(83)と、
    前記タンク本体部(81)内の底部付近に開口するオイル吸入穴(86)を一端側に有し、他端部が前記冷媒吸入部(83)のパイプ状部分内に挿入され連通するオイル吸入管(84)と、
    前記冷媒入部(83)のパイプ状部分の径外方側に配置され、前記冷媒入部(83)の入口開口の下方から前記冷媒入部(83)のパイプ状部分の外側に沿って立ち上がる立ち上がり部(98i)を有し、前記オイル吸入管(84)の他端部から前記冷媒入部(83)外へ垂れ下がるオイルを受け止めて溜めるカップ状のオイル溜め手段(98)とを備え、
    前記オイル吸入管(84)は、前記タンク本体部(81)内と、前記冷媒吸入部(83)内の前記オイル吸入管(84)の他端部付近の領域(A)との間に発生する圧力差により、前記タンク本体部(81)内底部付近のオイルを前記オイル吸入穴(86)から吸入して前記冷媒吸入部(83)内に吸い込むようになっていることを特徴とするアキュムレータ。
  3. 前記冷媒流入部(82)から前記タンク本体部(81)内に流入する冷媒に、前記タンク本体部(81)の内壁に沿う旋回流を形成し、前記旋回流により冷媒の気液を遠心分離するようになっており、
    更に、前記タンク本体部(81)の内壁のうち、前記冷媒流入部(82)より下方部位であって、かつ、前記オイル溜め手段(98)の上方部位に、前記タンク本体部(81)の内壁を流下するオイルを塞ぎ止めるオイル塞ぎ止め手段(97)を配置し、
    前記オイル塞ぎ止め手段(97)により塞ぎ止めたオイルを前記遠心分離により分離されたガス冷媒ととともに前記冷媒吸入部(83)に吸い込ませるようにしたことを特徴とする請求項に記載のアキュムレータ。
  4. 冷凍サイクルの圧縮機(1)吸入側に配置されて冷媒の気液を分離し液冷媒を溜めるアキュムレータ(8)であって、
    タンク本体部(81)と、
    前記冷凍サイクルの蒸発器(5)出口からの冷媒を前記タンク本体部(81)内に流入させる冷媒流入部(82)と、
    パイプ状に成形され、前記タンク本体部(81)内の上方部に開口し、この上方部の冷媒を吸入する冷媒吸入部(83)と、
    前記タンク本体部(81)内の底部付近に開口するオイル吸入穴(86)を一端側に有し、他端部が前記冷媒吸入部(83)のパイプ状部分内に挿入され連通するオイル吸入管(84)と、
    前記オイル吸入管(84)の他端部付近から冷媒流れ上流側にかけて、前記冷媒吸入部(83)の流路断面積を狭める絞り手段(88)とを備え、
    前記絞り手段は、前記冷媒吸入部(83)のパイプ状部分内側に別体で配置された絞り板(88)で構成され、
    前記絞り板(88)により前記オイル吸入管(84)の他端部を前記冷媒吸入部(83)のパイプ状部分内側に支持固定し、
    前記オイル吸入管(84)は、前記タンク本体部(81)内と、前記冷媒吸入部(83)内の前記オイル吸入管(84)の他端部付近の領域(A)との間に発生する圧力差により、前記タンク本体部(81)内底部付近のオイルを前記オイル吸入穴(86)から吸入して前記冷媒吸入部(83)内に吸い込むようになっていることを特徴とするアキュムレータ。
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