JP4069467B2 - 低沸点有機物を含む排水の処理方法及び装置 - Google Patents

低沸点有機物を含む排水の処理方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低沸点有機物含有排水の処理方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
溶剤やアルコールなど低沸点の有機物を含有する排水を処理する方法としては、例えば生物処理が行われている。この方法は、エネルギーの消費量が少ないという利点がある一方で、生物分解のための条件、例えば炭素/窒素比率を維持するための栄養源の投与、微生物の繁殖のための温度、溶剤の濃度、場合によっては生物の馴養、を調整する必要があり、その維持管理には専門的な知識が要求されるため常に安定した処理を行うことが難しいという問題がある。また、処理に要する設備が大きいため処理設備を設置するための面積が非常に大きいという問題もある。
【0003】
一方、低沸点有機物を燃焼処理する方法も知られている。排水を蒸発させ、蒸気を凝縮させて凝縮水を得、この凝縮水に酸化剤又は還元剤を添加して有機物を分解処理する方法が提案されている(特許文献1)。このような低沸点有機物の燃焼処理においては、蒸発器より発生する蒸気を圧縮することがある(特許文献2)。圧縮機における圧縮工程では断熱圧縮となり、蒸気に含まれるミスト中の水分がこの工程で過熱され、蒸発し、固形分(スケール)が圧縮機の羽に付着する。スケールが羽に付着すると羽の回転バランスが狂い、圧縮機の振動発生の原因となる。スケールの羽への付着を防止するために、従来は、圧縮機又は圧縮機に導入直前の蒸気に連続的に緩熱水を供給し、スケール分を溶解させていた。
【0004】
しかし、緩熱水の供給により圧縮機内の温度が低下するため、圧縮蒸気の温度も低下することとなる。圧縮蒸気の温度低下は、次の酸化工程における加熱エネルギーを増大させることとなる。従って、スケールの付着を防止し、かつ圧縮蒸気温度の低下を極力抑える方法の提供が待たれていた。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−309484号公報
【0006】
【特許文献2】
特開昭58−61882号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、スケールの付着を防止し、かつ圧縮蒸気温度の低下を抑制しつつ、溶剤やアルコールなどの低沸点有機物を含有する排水を処理する方法及び装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記のような問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、圧縮機において発生する過熱蒸気を抑制するため、圧縮機に導入直前の蒸気に冷却水を間欠的に供給することによって、スケールの付着が防止され、かつ圧縮蒸気温度の低下が抑制されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、下記の低沸点含有排水処理方法及び装置に係るものである。
項1.低沸点有機物を含有する排水を処理する方法であって、(1)当該排水の一部を熱交換器により蒸気にする工程、(2)当該蒸気を圧縮機にて圧縮蒸気とする工程、(3)当該圧縮蒸気に酸化剤を加える工程、(4)当該圧縮蒸気及び当該酸化剤を加熱された酸化触媒に接触させて低沸点有機物を酸化処理する工程、及び(5)前記酸化触媒を通過した圧縮蒸気を前記熱交換器にて熱交換することにより、低沸点有機物を蒸発分離すると共に凝縮水を製造する工程を有し、前記圧縮機に導入直前の蒸気に冷却水を間欠的に供給することを特徴とする低沸点有機物含有排水の処理方法。
項2.酸化剤が酸素であることを特徴とする項1に記載の低沸点有機物含有排水の処理方法。
項3.前記(1)工程から(5)工程が真空条件下であることを特徴とする項1又は2に記載の低沸点有機物含有排水の処理方法。
項4.冷却水を間欠的に供給するに際し、圧縮機より発生する圧縮蒸気温度に基づいて冷却水の供給を制御することを特徴とする項1〜3のいずれかに記載の低沸点有機物含有排水の処理方法。
項5.低沸点有機物を含有する排水の一部を蒸発させて蒸気にする熱交換器、当該蒸気を圧縮して圧縮蒸気とする圧縮機、前記圧縮蒸気に酸化剤を加えるための酸化剤供給手段、当該酸化剤の添加された圧縮蒸気を酸化触媒存在下で酸化処理するための反応器を備え、当該反応器で処理された酸化圧縮蒸気を前記熱交換器に供給する装置であって、前記圧縮機に導入直前の蒸気に冷却水を間欠的に供給する冷却水供給手段を備えていることを特徴とする低沸点有機物含有排水処理装置。
項6.前記水平管蒸発器、圧縮機及び反応器を真空にするための手段を備えたことを特徴とする項5に記載の低沸点有機物含有排水処理装置。
項7.前記圧縮機の出口付近の圧縮蒸気温度を測定するための温度センサーを備え、前記冷却水供給手段が当該温度センサーの温度情報に基づいて間欠制御されることを特徴とする項5又は6に記載の低沸点有機物含有排水処理装置。
【0010】
【発明の実施の形態】
1.低沸点有機物含有排水の処理方法
本発明の低沸点有機物含有排水の処理方法は、(1)当該排水の一部を熱交換器により蒸気にする工程、(2)当該蒸気を圧縮機にて圧縮蒸気とする工程、(3)当該圧縮蒸気に酸化剤を加える工程、(4)当該圧縮蒸気及び当該酸化剤を加熱された酸化触媒に接触させて低沸点有機物を酸化処理する工程、及び(5)前記酸化触媒を通過した圧縮蒸気を前記熱交換器にて熱交換することにより、低沸点有機物を蒸発分離すると共に凝縮水を製造する工程を有し、前記圧縮機に導入直前の蒸気に冷却水を間欠的に供給することを特徴とする。
【0011】
(1)低沸点有機物を含有する排水の一部を蒸気にする工程
本工程において、排水には、低沸点有機物が含有される。低沸点有機物は沸点が200℃以下、好ましくは50〜150℃の有機物である。低沸点有機物としては、例えばイソプロピルアルコール、エタノール、メタノール、エチレングリコールなどのアルコール類やその他の各種溶剤、好適にはイソプロピルアルコールを挙げることができる。また、排水中に含まれる有機物の含有量は、本発明処理方法によって処理できる限り特に制限されないが、TOC(総有機体炭素)で0.01〜10重量%、好適には0.01〜1重量%である。具体的には、沸点82.4℃のイソプロピルアルコールをTOCで1000ppm程度含んだ半導体製造工場の排水等が挙げられる。
【0012】
排水の一部を蒸気にし、排水から低沸点有機物を分離するためには、排水に含有される低沸点有機物の蒸発に適した温度に排水を加温する。例えばイソプロピルアルコール含有排水の場合、該排水を50〜90℃、好適には約70℃に加温する。この工程は、加熱される温度における飽和真空下で行うことにより、当該温度で排水は蒸発し、蒸発蒸気には水と共に蒸発した低沸点有機物が含まれる。得られた蒸気は次の工程で圧縮されて圧縮蒸気となる。
【0013】
また、低沸点有機物を含有する排水を予め60℃程度に加熱する工程を、本工程の前に設定することも可能である。
【0014】
(2)蒸気を圧縮して圧縮蒸気とする工程
本工程では、低沸点有機物を含む蒸気を圧縮する。圧縮された蒸気には次の工程で酸化剤が添加される。
【0015】
本工程において使用される圧縮機としては、ブロワー式圧縮機、ファン式圧縮機、メカニカルブースター式圧縮機等の圧縮機が例示される。好ましい圧縮機は、ブロワー式圧縮機である。ブロワー式圧縮機は、吐出圧が200〜1000mm水柱のものが特に適している。
【0016】
圧縮機に導入された蒸気を圧縮すると過熱蒸気となり、この過熱蒸気が乾燥しやすく、圧縮機にスケールが付着する原因となる。本発明では、過熱蒸気の発生を抑制すると共に圧縮された蒸気温度をなるべく低下させないために、圧縮機に導入直前の蒸気には冷却水が間欠的に供給される。圧縮機では供給手段としては、好ましくはスプレー等が例示される。冷却水の供給条件は、圧縮条件(圧縮機や圧縮蒸気の状態等)に応じて適宜選択されるが、20〜30分間に1回、40〜60L/時間の供給スピードで2〜4秒間供給することが好ましい。
【0017】
このようにして制御された圧縮蒸気温度(圧縮機出口付近の温度)は、130〜170℃、好ましくは140〜166℃、より好ましくは145〜155℃となり、同時に圧縮機にスケールが付着することを防止することが可能である。
【0018】
また、圧縮機によって圧縮された圧縮蒸気を、酸化剤を加える前又は後にヒーター等の加熱手段によって加熱しても良い。
【0019】
(3)圧縮蒸気に酸化剤を加える工程
本工程では、低沸点有機物を含む圧縮蒸気に酸化剤を加える。酸化剤としては、好適には酸素が用いられるが、空気等を使用することも可能である。酸化剤の添加量は特に制限されないが、TOC10000ppmの圧縮蒸気1kgに対し、50〜100NL使用される。
【0020】
酸化剤に空気を使用すると、酸化処理後の蒸気中に、窒素などの反応に使用されない物質が、非凝縮性ガスとして残る傾向がある。酸化剤として酸素を使用すると非凝縮性ガスの生成が抑制される。非凝縮性ガスは、後の工程で使用する熱交換器において伝熱阻害の原因となり、伝熱係数を低下させる。この傾向は特に水平管蒸発器において顕著である。このため、非凝縮性ガスの量が多いと、熱交換器における伝熱面積を多くする必要がある。したがって、酸化剤として酸素を使用すると、熱交換器、特に水平管蒸発器の伝熱面積を小さくできより有利である。
【0021】
(4)圧縮蒸気及び酸化剤を加熱された酸化触媒に接触させて低沸点有機物を酸化処理する工程
本工程では、酸化剤を加えられた、低沸点有機物を含む圧縮蒸気を酸化触媒と接触させて、低沸点有機物をCO2、H2O等に酸化分解する。酸化触媒としては、白金担持セラミックが好適に使用されるが、パラジウム、ロジウム又はこれらの混合体等を使用することも可能である。酸化処理の温度は、100〜300℃、好適には150〜200℃程度である。
【0022】
(5)酸化触媒を通過した圧縮蒸気を熱交換器にて熱交換することにより、低沸点有機物を蒸発分離すると共に凝縮水を製造する工程
本工程では、酸化処理を受けた高温の圧縮蒸気を熱交換器にて熱交換することにより、(i)圧縮蒸気に含まれる低沸点有機物を蒸発分離し、(ii)圧縮蒸気に含有される水を冷却して凝縮水を製造する。熱交換器としては水平管蒸発器が好適である。水平管蒸発器は、圧縮蒸気が水平管蒸発器の水平管内を通り、伝熱管内で蒸気が凝縮する伝熱形態であることから、蒸気側の圧力損失を小さくできる。このため、圧縮機のヘッド(揚程)を小さくでき、圧縮機を駆動する動力を低下することが可能となる。また、水平管蒸発器は、伝熱管外での蒸発により沸騰伝熱となるため、伝熱特性が極めて優れている。
【0023】
製造される凝縮水中の有機物含有量はTOCで0.5〜1ppm程度となり、排水基準値を十分にクリアしており、排出することが可能であることはもちろんのこと、高純度水として再利用が可能なレベルである。
【0024】
また、熱交換器にて処理された圧縮蒸気から発生する気体(CO2、O2等)は、外部へ排出される。
【0025】
なお、本発明の処理方法は真空下で行われることが好ましい。真空にすることによって、熱交換器において70℃程度で排水の蒸発を可能にし、また、被処理物が事故等により装置外に飛び出さないようにでき、安全に運転が可能である。また、当然ながら圧力容器に該当しないため維持管理が容易である。
2.低沸点有機物含有排水処理装置
本発明の低沸点有機物含有排水処理装置は、低沸点有機物を含有する排水の一部を蒸発させて蒸気にする熱交換器、当該蒸気を圧縮して圧縮蒸気とする圧縮機、前記圧縮蒸気に酸化剤を加えるための酸化剤供給手段、当該酸化剤の添加された圧縮蒸気を酸化触媒存在下で酸化処理するための反応器を備え、当該反応器で処理された酸化圧縮蒸気を前記熱交換器に供給する装置であって、前記圧縮機に導入直前の蒸気に冷却水を間欠的に供給する冷却水供給手段を備えていることを特徴とする。
【0026】
以下、本発明装置の好ましい実施態様について図1を参照しつつ説明する。なお、全図を通し、同様の構成部分には同様の符号を付した。
【0027】
図1に示された装置は、低沸点有機物を含む排水を蒸発させて蒸気にする水平管蒸発器1、発生した蒸気を圧縮するブロワー式圧縮機2、前記圧縮機に導入直前の蒸気を冷却する冷却水供給系8、圧縮蒸気を加熱するヒーター10、圧縮蒸気に酸化剤を供給する酸化剤供給系3、酸化剤の添加された圧縮蒸気を酸化処理する酸化触媒充填槽4、装置内を真空にし、酸化触媒充填槽4において発生した蒸気を水平管蒸発器1において冷却して生じる気体を系外に排出する真空ポンプ5、酸化触媒槽4において発生した蒸気を水平管蒸発器1において冷却して生じる凝縮水を系外に排出する凝縮水ポンプ6、水平管蒸発器1中の排水を水平管蒸発器1の水平管にスプレーするための循環ポンプ7、等で構成されている。
【0028】
排水は水平管蒸発器1に供給されて加熱され、排水中に含まれる低沸点有機物と共に、排水の一部が蒸発し、50〜90℃程度の蒸気となる。水平管蒸発器1で発生した蒸気は圧縮機2により圧縮される。圧縮機2としては、ブロワーの他に、ファン、メカニカルブースター等を使用でき、好適にはブロワーである。
【0029】
圧縮機2は、冷却水供給系8により間欠的に冷却水が供給され、圧縮蒸気の温度を高温に保つ。本装置では、水平管蒸発器1で発生する凝縮水を冷却水として使用しているが、系外から冷却水を供給することも可能である。
【0030】
また、圧縮機2の出口付近の圧縮蒸気温度を測定するための温度センサーを設け、温度センサーの温度情報に基づいて前記冷却水供給手段を間欠制御することが好ましい。
【0031】
本例では、圧縮機2によって圧縮された圧縮蒸気を加熱するため、酸化剤供給系3の前にヒーター10等の加熱手段を設けている。圧縮蒸気を加熱するためのヒーターは酸化剤供給系3の後に設けても良い。
【0032】
前記圧縮機2により圧縮された蒸気には酸化剤供給系3から酸素が添加される。酸化剤としては酸素が好適であるが、空気等も使用可能である。
【0033】
酸化剤が添加された圧縮蒸気は、酸化触媒を充填した酸化触媒槽4に供給される。酸化触媒槽4において、圧縮蒸気中の有機物は酸素と反応し、熱の発生を伴いながら炭酸ガスと水になる。酸化触媒槽4としては、通常、ハニカム構造の酸化触媒を充填した簡単な構造のものが使用される。酸化触媒としては白金担持セラミックが好適であるが、パラジウム、ロジウム又はこれらの混合体等も使用できる。酸化触媒槽4をはじめとする反応器は、酸化反応を生じさせるためにヒーター(図示せず)で100〜300℃、好適には150〜200℃程度に加熱される。
【0034】
酸化触媒槽4から出る蒸気は、水平管蒸発器1に供給されて冷却され、凝縮水が製造される。なお、前記したとおり、この凝縮水を圧縮機直前の蒸気の冷却水として使用することが可能である。また、酸化反応により生じた炭酸ガスや余剰の酸素は真空ポンプ5により水平管蒸発器外部へ排出される。水平管蒸発器とは、伝熱管内に蒸気を導入し、伝熱管外に液を散布させて、管内凝縮、管外沸騰の熱交換の形態をとるものをいう。本発明の装置では、前記真空ポンプ5により減圧状態が保たれているが、特に水平管蒸発器は伝熱管が水平に配置されているため非凝縮性ガスが滞留しにくく、蒸発器全体を均一な真空度に維持しやすいため好ましい。
【0035】
なお、前記蒸発器、反応器及び熱交換器を真空にするための手段としては、真空ポンプ、真空用エゼクター等が使用可能である。好ましくは真空ポンプである。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、圧縮機へのスケール付着を防止すると共に、圧縮蒸気の温度低下を抑制できる。このため、後の酸化工程における加熱エネルギーを最小限とすることが可能であり、低沸点有機物含有排水を効率的に処理することができる。また、本発明の装置で水平管蒸発器を利用する場合には、圧縮蒸気の通過抵抗が低下するため、処理効率が向上する。
【0037】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明の特徴を一層明確にする。但し、本発明の範囲は実施例の範囲に限定されるものではない。
【0038】
実施例1
図1に示す装置において以下の実験条件にて低沸点有機物含有排水の処理を行い、圧縮機に対するスケールの付着の観察と圧縮機出口における圧縮蒸気温度の測定を行った。
〔冷却水供給条件〕
冷却水供給条件1:
間欠供給:圧縮蒸気温度が150℃になった時点で、3秒間、約0.04L供給する。
冷却水供給条件2:
連続供給:冷却水を60分間に5L供給する。
冷却水供給条件3:
連続供給:0.02L/分で冷却水を連続的に供給し、圧縮蒸気温度が150℃になった時点で、圧縮蒸気温度が150℃未満になるまで冷却水の流量を0.04L/分に増加させる。
冷却水供給条件4:
連続供給:0.03L/分で冷却水を連続的に供給し、圧縮蒸気温度が140℃になった時点で、圧縮蒸気温度が140℃未満になるまで冷却水の流量を0.05L/分に増加させる。
〔その他の実験条件〕
Figure 0004069467
〔圧縮蒸気温度〕
冷却水供給条件1:
スケールの付着なし。圧縮蒸気温度140〜166℃
冷却水供給条件2:
スケールの付着なし。圧縮蒸気温度75〜76℃(排水の飽和蒸気温度)
冷却水供給条件3:
スケールの付着あり。圧縮蒸気温度125〜175℃
冷却水供給条件4:
スケールの付着なし。圧縮蒸気温度100〜150℃
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 水平管蒸発器
2 圧縮機
3 酸化剤供給系
4 酸化触媒充填槽
5 真空ポンプ
6 凝縮水ポンプ
7 循環ポンプ
8 冷却水供給系
10 ヒーター

Claims (7)

  1. 低沸点有機物及びスケール成分を含有する排水を処理する方法であって、(1)当該排水の一部を熱交換器により蒸気にする工程、(2)当該蒸気を圧縮機にて圧縮蒸気とする工程、(3)当該圧縮蒸気に酸化剤を加える工程、(4)当該圧縮蒸気及び当該酸化剤を加熱された酸化触媒に接触させて低沸点有機物を酸化処理する工程、及び(5)前記酸化触媒を通過した圧縮蒸気を前記熱交換器にて熱交換することにより、低沸点有機物を蒸発分離すると共に凝縮水を製造する工程を有し、前記圧縮機に導入直前の蒸気に冷却水を間欠的に供給することを特徴とする低沸点有機物含有排水の処理方法。
  2. 酸化剤が酸素であることを特徴とする請求項1に記載の低沸点有機物含有排水の処理方法。
  3. 前記(1)工程から(5)工程が真空条件下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の低沸点有機物含有排水の処理方法。
  4. 冷却水を間欠的に供給するに際し、圧縮機より発生する圧縮蒸気温度に基づいて冷却水の供給を制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の低沸点有機物含有排水の処理方法。
  5. 低沸点有機物及びスケール成分を含有する排水の一部を蒸発させて蒸気にする熱交換器、当該蒸気を圧縮して圧縮蒸気とする圧縮機、前記圧縮蒸気に酸化剤を加えるための酸化剤供給手段、当該酸化剤の添加された圧縮蒸気を酸化触媒存在下で酸化処理するための反応器を備え、当該反応器で処理された酸化圧縮蒸気を前記熱交換器に供給する装置であって、前記圧縮機に導入直前の蒸気に冷却水を間欠的に供給する冷却水供給手段を備えていることを特徴とする低沸点有機物含有排水処理装置。
  6. 前記水平管蒸発器、圧縮機及び反応器を真空にするための手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載の低沸点有機物含有排水処理装置。
  7. 前記圧縮機の出口付近の圧縮蒸気温度を測定するための温度センサーを備え、前記冷却水供給手段が当該温度センサーの温度情報に基づいて間欠制御されることを特徴とする請求項5又は6に記載の低沸点有機物含有排水処理装置。
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