JP4068549B2 - き裂進展特性評価方法およびシステム - Google Patents

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本発明は、材料のき裂進展特性の測定および評価に係わり、き裂進展支配パラメータである応力拡大係数値を制御することにより、き裂進展特性を適切に把握するためのき裂進展特性評価方法およびシステムに関する。
一般に、材料のき裂進展特性を評価する装置としては、油圧サーボ疲労試験機やモータ駆動による疲労試験機等の試験装置が使用されている。これらの試験装置では、試験片に負荷される荷重をサーボバルブの油圧あるいはモータの回転力によって制御している。
これらの試験装置に改良を加え、制御荷重に追加して、現在のき裂寸法と荷重とから応力拡大係数値を表示するようにした腐食環境き裂進展試験装置がある(例えば、特許文献1参照)。この試験装置は、き裂進展評価をするにあたり、き裂長さと試験荷重とから試験過程のある時点における応力拡大係数の値やその履歴を図示可能にしたものである。
特許文献1の試験装置は、高温純水を供給される圧力容器と、水質モニタと、容器内に設置したコンパクト型試験片と、試験片に荷重負荷するための治具の一端に圧力容器の外部に設けた荷重検出器を介して接続した油圧シリンダと、油圧シリンダに連通接続されたアキュムレータと、アキュムレータに連通接続された油圧ポンプとから構成されている。そして、試験片から電気的に接続された数組のリード線対と、リード線対に電気的に接続された圧力容器の外部に設けた直流電源および微小電位差計と、荷重検出器と微小電位差計からの検出情報から電位差の比を求めてから試験片のき裂長さを求め、荷重とき裂長さとから求めたき裂の応力拡大係数とき裂進展速度の関係を演算し表示する。
また、試験片の一部を任意環境に浸漬し、き裂開口変位を制御しながら材料の亀裂進展の試験を行うようにした亀裂進展特性評価装置がある(例えば、特許文献2参照)。この評価装置では、計算手段が所定のCT試験片の亀裂開口変位を制御手段に指示し、制御手段はこの指示された亀裂開口変位に基づいて計測手段の引張機構の引張荷重をフィードバック制御する点が特徴である。計測手段は、荷重計測手段と開口変位計測手段によって引張荷重と亀裂開口変位を検出し、所定のタイミングで計算手段に出力する。計算手段は、荷重計測手段と開口変位計測手段の引張荷重と亀裂開口変位を経時的集録する。また、CT試験片におけるき裂開口変位は、試験片の亀裂部分のみを水槽の溶液に浸水させ、開口変位計測手段を水槽の液面上に配置することによって、開口変位計測手段への浸水を防止し、電気的な短絡と制御系の暴走を防止している。
また、この他腐食環境中に荷重を負荷したき裂入り試験片を浸漬し、腐食環境の厳しさの程度を評価するようにした亀裂長さ測定装置がある(例えば、特許文献3参照)。この測定装置の特徴は、予めスリット状の切欠きを付与した試験片に対し、切欠き部に楔を入れて一定変位を付与して荷重を負荷し,これを腐食環境中に設置しておき,亀裂長さを測定して進展速度を求め、亀裂進展速度から腐食環境が評価する点を特徴としている。
特開平3−189538号公報(第1図、第2図) 特開平8−278241号公報(図4、図5) 特開平3−269236号公報(第1図)
ところが、これら従来のき裂進展を評価し試験する装置では、環境の違いはあるがいずれも試験片に負荷する荷重あるいは変位を制御することにより、き裂進展特性を把握するものであり、き裂進展速度を特徴付ける応力拡大係数が用いられていない。
すなわち、疲労き裂や応力腐食割れき裂のいずれの進展挙動についても、き裂進展速度を特徴付けるパラメータには応力拡大係数が用いられることが多く、き裂進展特性試験の段階においても応力拡大係数を制御して実施することが望ましい。また、荷重あるいは変位制御のみでは、応力拡大係数がき裂の進展に伴って変化していく場合を試験片上において、その条件を再現することが困難である。
本発明の目的は、き裂長さの計測結果あるいは応力拡大係数の計測結果をもとに応力拡大係数を制御しつつ、き裂進展特性試験を実施可能なき裂進展特性評価方法およびシステムを提供することである。
本発明のき裂進展特性評価方法は、所定の環境中において切欠きを有する試験片に試験荷重を付与して得た試験過程のある時点における応力拡大係数に対し、所定量のき裂進展後あるいは所定時間経過後の応力拡大係数がある値だけ増加あるいは減少となるように繰り返し試験荷重の制御を行いながらき裂進展特性を評価する場合に、応力拡大係数の現在値と目標値との差分のある割合分だけ応力拡大係数が増加あるいは減少となるように、増加あるいは減少させる応力拡大係数が制御系の伝達関数から予め求めた収束条件範囲内であるか否かを判定し、収束範囲内となる荷重制御量において試験荷重を制御することを特徴とする。
また、所定の環境中において切欠きを有する試験片に所定の周期的試験荷重を付与して得た試験過程のある時点における応力拡大係数の振幅および平均値に対し、所定量のき裂進展後あるいは所定時間経過後の応力拡大係数の振幅および平均値がある値だけ増加あるいは減少となるように周期的に与える試験荷重の振幅と平均値の制御を行いながらき裂進展特性を評価する場合に、応力拡大係数幅および平均値が現在値と目標値との差分のある割合分だけ増加あるいは減少となるように、増加あるいは減少させる応力拡大係数幅および平均値が制御系の伝達関数から予め求めた収束条件範囲内であるか否かを判定し、収束範囲内となる荷重制御量において試験荷重を制御することを特徴とする。
本発明のき裂進展特性評価システムは、試験片の周囲環境を所定の環境に設定する環境設定手段と、切欠きを有する試験片に試験荷重を付与する試験荷重付与手段と、試験過程のある時点における応力拡大係数を評価する応力拡大係数評価手段と、所定量のき裂進展後あるいは所定時間経過後の応力拡大係数がある値だけ増加あるいは減少となるように繰り返し試験荷重の制御を行い、応力拡大係数の現在値と目標値との差分のある割合分だけ応力拡大係数を増加あるいは減少させる制御手段とを有し、この制御手段は、応力拡大係数を増加あるいは減少させる制御量が制御系の伝達関数から予め求めた収束条件範囲内となるように制御量を出力することを特徴とする。
本発明によれば、疲労き裂や応力腐食割れき裂のいずれの進展挙動についても、進展特性試験過程において進展速度を特徴付けるパラメータである応力拡大係数を制御することが可能であり、応力拡大係数がき裂の進展に伴って変化していく場合についても試験片上において再現でき、き裂進展特性を的確に把握することができる。
また、増加あるいは減少させる応力拡大係数、あるいは応力拡大係数幅および平均値が制御系の伝達関数から予め求めた収束条件範囲内であるか否かを判定し、収束範囲内となる荷重制御量において荷重を制御するので、応力拡大係数がき裂の進展に伴って変化していく場合についても試験片上において再現でき、き裂進展特性を的確に把握することができる。
図1は本発明の実施の形態に係わるき裂進展特性評価システムの構成図である。切欠を有する試験片1は、周囲環境を所定の環境に設定できる環境設定手段である恒温槽11内に配置され、恒温槽11は試験台架台16に搭載されている。試験片1には試験荷重付与手段である油圧サーボ機構12により試験荷重が付与され、油圧サーボ機構12は油圧ポンプ121から供給される油により駆動される。この油圧サーボ機構12や油圧ポンプ121からなる荷重負荷系は、試験片1に適正な荷重が負荷できるように試験装置架台16に固定して使用される。また、恒温槽11には水質調整槽111から定量ポンプ112により試験水が供給される。
恒温槽11には試験片1の開口変位量を検出する耐環境性変位計131が設置されており、耐環境性変位計131で検出された試験片1の開口変位量は応力拡大係数評価手段である応力拡大係数計算装置13に入力される。応力拡大係数計算装置13は試験片1に荷重を付与している試験過程のある時点における応力拡大係数を演算し、試験過程のある時点における応力拡大係数を評価するものである。耐環境性変位計131は、例えば腐食環境に使用可能な耐水耐圧型ひずみセンサを用いた変位計である。
また、電位差計測装置132は、試験片1に試験荷重を付与している試験過程におけるき裂進展挙動計測や応力拡大係数評価に用いるデータを採取するものであり、計測のために試験片1に電流を印加するための電流印加装置および試験片1の切り欠き部(き裂)間の電位を計測する電位計を備えている。
制御手段である制御装置15は、所定量のき裂進展後あるいは所定時間経過後の応力拡大係数がある値だけ増加あるいは減少となるように繰り返し試験荷重の制御を行い、応力拡大係数の現在値と目標値との差分のある割合分だけ応力拡大係数を増加あるいは減少させる制御信号を試験荷重制御機構14に制御信号を出力するものであり、その際に、応力拡大係数計算装置13で計算された応力拡大係数の現在値と目標値との差分が収束条件範囲内であることを判定し試験荷重制御機構14に制御信号を出力する。試験荷重制御機構14は、その制御信号に基づいて、き裂進展後あるいは任意時間経過後の応力拡大係数がある値だけ増加あるいは減少となる試験荷重の制御量を油圧サーボ機構12に出力する。
図2は、本発明のき裂進展特性評価システムによる実施例1に係わるき裂進展特性評価方法の説明図である。予めき裂長さaあるいは試験時間Tと応力拡大係数Kとの関係を設定しておく(S1)。試験片1に周期的荷重を負荷する場合には、応力拡大係数Kの設定においては、試験荷重過程に対応する応力拡大係数の最大値、最小値、平均値が予め設定される。これらの設定値は、試験片1の試験過程において増加/減少様々なパターンを想定して設定される。この設定された応力拡大係数Kに対し、実施例1では、耐環境性変位計131として耐水耐圧ひずみセンサを用いてき裂の開口変位量Δaを計測し(S2)、き裂開口変位量Δaに基づいてき裂長さaを演算する(S3)。一方、試験荷重Wを測定し(S4)、その測定した試験荷重Wと併せて応力拡大係数値Kを演算する(S5)。演算結果は予め設定したき裂長さaあるいは試験時間Tと応力拡大係数Kとの関係から、現在の値との差分を求め制御量を決定する(S6)。この制御量について収束性を判定し(S7)、収束性が得られる範囲内で荷重の制御量を決定し制御信号を出力する(S8)。
ここで、実施例1では、耐環境性変位計131として腐食環境に使用可能な耐水耐圧型ひずみセンサを用いたクリップゲージ型変位計で試験片1の開口変位量Δaを計測する。そして、計測したき裂開口変位量Δaに基づいてき裂長さaを演算し、試験荷重測定値Wと併せて応力拡大係数値Kを演算する。すなわち、応力拡大係数Kは、試験片の開口変位量Δaおよび試験片の弾性係数からき裂長さaを求め、このき裂長さaと試験荷重Wの相関関係から求められる。つまり、試験荷重W、開口変位量Δaの計測結果を予め求めておいたき裂長さaと試験片寸法の比に対する試験片1の弾性定数と試験片幅と開口変位量Δaの積と荷重Wとの比の較正曲線に当てはめることによりき裂長さaを求め応力拡大係数Kを算出する。
また、開口変位量Δaからき裂長さaを演算する際に必要な試験片1の弾性係数は、試験片1を荷重ピンや冶具とのかみ合いが不十分な場合を避けるため、試験荷重Wに対しある割合以上の荷重が負荷された状態で、試験荷重Wと開口変位量Δaとの関係を計測し、弾性係数を演算して得ることとする。すなわち、試験片1の弾性定数は、所定の応力拡大係数となるのに必要な試験荷重と、この試験荷重以下でこの試験荷重に対しある割合以上の値を有する試験荷重との間において求めた試験片1の開口変位量Δaと荷重Wとの相関関係から求める。
求められた応力拡大係数Kは、予め設定したき裂長さaあるいは試験時間Tと応力拡大係数Kと比較され、その差分により制御量が決定される。そして、この制御量について収束性を判定し、収束性が得られる範囲内で荷重の制御量を決定し制御信号が出力される。
所定の環境中において切欠きを有する試験片1に試験荷重Wを付与して得た試験過程のある時点における応力拡大係数Kに対し、所定量のき裂進展後あるいは所定時間経過後の応力拡大係数Kがある値だけ増加あるいは減少となるように繰り返し試験荷重の制御を行いながらき裂進展特性を評価する場合には、増加あるいは減少させる応力拡大係数Kが制御系の伝達関数から予め求めた収束条件範囲内であるか否かを判定し、収束範囲内となる荷重制御量において荷重を制御する。
一方、所定の環境中において切欠きを有する試験片に所定の周期的試験荷重を付与して得た試験過程のある時点における応力拡大係数の振幅および平均値に対し、所定量のき裂進展後あるいは所定時間経過後の応力拡大係数の振幅および平均値がある値だけ増加あるいは減少となるように周期的に与える試験荷重の振幅と平均値の制御を行いながらき裂進展特性を評価する場合には、増加あるいは減少させる応力拡大係数幅および平均値が制御系の伝達関数から予め求めた収束条件範囲内であるか否かを判定し、収束範囲内となる荷重制御量において荷重を制御する。
実施例1によれば、き裂長さおよび試験荷重によって得た応力拡大係数値を基に、き裂進展量が見られた後あるいは任意時間経過後の応力拡大係数またはその振幅と平均値を増加あるいは減少させる制御を施すので、き裂進展過程における応力拡大係数またはその振幅や平均値を所定の値に設定することが可能となる。従って、応力拡大係数がき裂の進展に伴って変化していく場合についても試験片1上において再現でき、き裂進展特性を的確に把握することができる。
図3は、本発明のき裂進展特性評価システムによる実施例2に係わるき裂進展特性評価方法の説明図である。この実施例2は図2に示した実施例1に対し、開口変位量Δaに基づいてき裂長さを求めることに代えて、電位差計測装置132により計測した試験片1の切り欠き部(き裂)間の電位を基にき裂長さを演算し応力拡大係数値を演算するようにしたものである。
図3において、予めき裂長さaあるいは試験時間Tと応力拡大係数Kとの関係を設定しておく(S1)。試験片1に周期的荷重を負荷する場合には、応力拡大係数Kの設定においては、試験荷重過程に対応する応力拡大係数の最大値、最小値、平均値が予め設定される。これらの設定値は、試験片1の試験過程において増加/減少様々なパターンを想定して設定される。
この設定された応力拡大係数Kに対し、実施例2では、電位差計測装置132により試験片1の切り欠き部(き裂)間の電位を計測し(S21)、その電位を基にき裂長さを演算し(S22)、応力拡大係数値を演算する(S23)。演算結果は予め設定したき裂長さaあるいは試験時間Tと応力拡大係数Kとの関係から、現在の値との差分を求め制御量を決定する(S6)。この制御量について収束性を判定し(S7)、収束性が得られる範囲内で荷重の制御量を決定し制御信号を出力する(S8)。
応力拡大係数Kは、一定電流を印加した試験片1のき裂を跨いで電位差を計測し、この電位差と予め求めておいたき裂長さとの関係からき裂長さを求め、このき裂長さと試験荷重から求められる。具体的には、き裂形状・寸法を任意のアスペクト比を持つ三次元き裂を構造物内に仮想的に生成して、電位差法による計測時に構造物表面に現れるであろう電位差分布をその仮想的三次元き裂に基づいて計算し、一方、構造物表面で実際に電位差分布を計測して、それら2つの電位差分布を比較し、その誤差により仮想的三次元き裂の形状、傾きなどの状態を修正し、誤差が最小となる仮想的三次元き裂の状態を求めることによって評価する。
実施例2の場合も実施例1の場合と同様に、疲労き裂や応力腐食割れき裂のいずれの進展挙動についても、進展特性試験過程において進展速度を特徴付けるパラメータである応力拡大係数を制御することが可能であり、応力拡大係数がき裂の進展に伴って変化していく場合についても試験片上において再現でき、き裂進展特性を的確に把握することができる。
図4は、本発明のき裂進展特性評価システムによる実施例3に係わるき裂進展特性評価方法の説明図である。この実施例3は図3に示した実施例2に対し、電位差計測装置132により計測した試験片1の切り欠き部(き裂)間の電位を基にき裂長さを演算し応力拡大係数値を演算することに代えて、電位差計測装置132により計測した試験片1の切り欠き部(き裂)間の電位と予め定めておいた応力拡大係数との関係から直接的に応力拡大係数を算出するようにしたものである。
図4において、予めき裂長さaあるいは試験時間Tと応力拡大係数Kとの関係を設定しておく(S1)。試験片1に周期的荷重を負荷する場合には、応力拡大係数Kの設定においては、試験荷重過程に対応する応力拡大係数の最大値、最小値、平均値が予め設定される。これらの設定値は、試験片1の試験過程において増加/減少様々なパターンを想定して設定される。
この設定された応力拡大係数Kに対し、実施例3では、電位差計測装置132により試験片1の切り欠き部(き裂)間の電位を計測し(S31)、その電位と予め定めておいた応力拡大係数との関係から直接的に応力拡大係数を算出する(S32)。演算結果は予め設定したき裂長さaあるいは試験時間Tと応力拡大係数Kとの関係から、現在の値との差分を求め制御量を決定する(S6)。この制御量について収束性を判定し(S7)、収束性が得られる範囲内で荷重の制御量を決定し制御信号を出力する(S8)。
このように、応力拡大係数は一定電流を印加した試験片1のき裂を跨いで電位差を計測し、この電位差と予め定めておいた応力拡大係数との関係から算出する。具体的には、付加された複数の段階の荷重を付加した状態で、各段階の荷重ごとに交流定電流を付与した試験片表面において、き裂を跨いだ複数の二点間で電位差を計測し、この電位差データを電位差計測装置132で解析し、予め対象き裂の応力拡大係数と電位差との関係を特定しておき、得られた電位差とこの関係とを比較することによって表面き裂の応力拡大係数を評価する。
実施例3の場合も実施例2の場合と同様に、疲労き裂や応力腐食割れき裂のいずれの進展挙動についても、進展特性試験過程において進展速度を特徴付けるパラメータである応力拡大係数を制御することが可能であり、応力拡大係数がき裂の進展に伴って変化していく場合についても試験片上において再現でき、き裂進展特性を的確に把握することができる。
本発明の実施の形態に係わるき裂進展特性評価システムの構成図。 本発明のき裂進展特性評価システムによる実施例1に係わるき裂進展特性評価方法の説明図。 本発明のき裂進展特性評価システムによる実施例2に係わるき裂進展特性評価方法の説明図。 本発明のき裂進展特性評価システムによる実施例3に係わるき裂進展特性評価方法の説明図。
符号の説明
1…試験片、11…恒温槽、12…油圧サーボ機構、13…応力拡大係数計算装置、14…試験荷重制御機構、15…制御装置、16…試験装置架台、111…水質調整槽、112…定量ポンプ、121…油圧ポンプ、131…耐環境性変位計、132…電位差計測装置

Claims (8)

  1. 所定の環境中において切欠きを有する試験片に試験荷重を付与して得た試験過程のある時点における応力拡大係数に対し、所定量のき裂進展後あるいは所定時間経過後の応力拡大係数がある値だけ増加あるいは減少となるように繰り返し試験荷重の制御を行いながらき裂進展特性を評価するき裂進展特性評価方法において、前記応力拡大係数の現在値と目標値との差分のある割合分だけ応力拡大係数が増加あるいは減少となるように、増加あるいは減少させる応力拡大係数が制御系の伝達関数から予め求めた収束条件範囲内であるか否かを判定し、収束範囲内となる荷重制御量において試験荷重を制御することを特徴とするき裂進展特性評価方法。
  2. 所定の環境中において切欠きを有する試験片に所定の周期的試験荷重を付与して得た試験過程のある時点における応力拡大係数の振幅および平均値に対し、所定量のき裂進展後あるいは所定時間経過後の応力拡大係数の振幅および平均値がある値だけ増加あるいは減少となるように周期的に与える試験荷重の振幅と平均値の制御を行いながらき裂進展特性を評価するき裂進展特性評価方法において、応力拡大係数幅および平均値が現在値と目標値との差分のある割合分だけ増加あるいは減少となるように、増加あるいは減少させる応力拡大係数幅および平均値が制御系の伝達関数から予め求めた収束条件範囲内であるか否かを判定し、収束範囲内となる荷重制御量において試験荷重を制御することを特徴とするき裂進展特性評価方法。
  3. 前記応力拡大係数は、前記試験片の開口変位量および前記試験片の弾性係数からき裂長さを求め、このき裂長さと試験荷重から応力拡大係数を算出することを特徴とする請求項1または2記載のき裂進展特性評価方法。
  4. 前記試験片の開口変位量は、腐食環境に使用可能な耐水耐圧型ひずみセンサを用いた変位計で測定することを特徴とする請求項記載のき裂進展特性評価方法。
  5. 前記試験片の弾性定数は、所定の応力拡大係数となるのに必要な試験荷重と、この試験荷重以下でこの試験荷重に対しある割合以上の値を有する試験荷重との間において求めた試験片の開口変位量と荷重との相関関係から求めることを特徴とする請求項記載のき裂進展特性評価方法。
  6. 前記応力拡大係数は、一定電流を印加した試験片のき裂を跨いで電位差を計測し、この電位差と予め求めておいたき裂長さとの関係からき裂長さを求め、このき裂長さと試験荷重から応力拡大係数を算出することを特徴とする請求項1または2記載のき裂進展特性評価方法。
  7. 前記応力拡大係数は、一定電流を印加した試験片のき裂を跨いで電位差を計測し、この電位差と予め定めておいた応力拡大係数との関係から応力拡大係数を算出することを特徴とする請求項1または2記載のき裂進展特性評価方法。
  8. 試験片の周囲環境を所定の環境に設定する環境設定手段と、切欠きを有する試験片に試験荷重を付与する試験荷重付与手段と、試験過程のある時点における応力拡大係数を評価する応力拡大係数評価手段と、所定量のき裂進展後あるいは所定時間経過後の応力拡大係数がある値だけ増加あるいは減少となるように繰り返し試験荷重の制御を行い、応力拡大係数の現在値と目標値との差分のある割合分だけ応力拡大係数を増加あるいは減少させる制御手段とを有し、この制御手段は、応力拡大係数を増加あるいは減少させる制御量が制御系の伝達関数から予め求めた収束条件範囲内となるように制御量を出力することを特徴とするき裂進展特性評価システム。
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