JP4068132B2 - 定着装置,画像形成装置 - Google Patents
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Description
ここで,上記定着ローラとしては,従来より,ローラ内部にハロゲンランプ等の発熱体を配置し,該発熱体からの輻射熱等により上記ローラ表面を加熱するようにしたものが一般的であった。しかしながら,このような定着ローラには,ローラ表面が適温に達するまでに比較的長時間を要する,エネルギーロスが大きいなど幾つかの問題点があることから,これらの問題点を解決できるものとして誘導加熱方式(以下,IH方式という)の定着ローラが提案されている。
このIH方式の定着ローラは,金属導体からなるローラ内部に,例えば軸方向に螺旋状に巻かれたコイルが配置された構成となっており,上記コイルに高周波電流を流し,それによって生じた高周波磁界で上記ローラに誘導渦電流を発生させ,上記ローラ自体の表皮抵抗によってローラそのものをジュール発熱させるものである。このような構成により,ハロゲンランプなどからの間接加熱に比べて短時間で昇温させることができ,またローラ以外の部分の発熱や光漏れなどに相当するエネルギーロスを少なくすることが可能である。
また,温度ムラ等を解消してローラ長手方向に所望の温度分布配向を得るために,ローラの軸回りに巻いたコイルのピッチを場所によって変化させて巻き密度に疎密を設ける方法が知られているが,このようにピッチを変化させながらボビンにコイルを巻く作業は,機械巻きであっても手巻きであっても非常に難しく,実用的とは言えない。特にコイル線を疎に巻く部分については,コイル線のズレ等が生じるために,所望のピッチで正確にコイル線を巻き付けていくことは非常に困難である。
本発明は,上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,ローラの長手方向の温度ムラを解消して所望の温度分布配向を得ることが可能な誘導加熱方式の定着装置を提供することである。
このような構成により,コイル同士の対向部では極性が反発するため,ヒートローラへ進入する磁束を均一化することができ,ヒートローラの長手方向における温度ムラを軽減することができる。
この場合,前記リング状の磁性体は,上記複数に分割された各コイルそれぞれの端部に取り付けられていてもよい。
さらに,上記のように分割着脱可能なコイルを,その巻き密度や長さを変えて複数種類用意してモジュール化しておき,機種毎のローラ長さや温度配向に合わせて幾つかのコイルを組み合わせて使用するようにすれば,仕様の異なる機種毎に個別のコイルを用意する必要がなく,便利である。この場合,温度配向を調整するためには巻き密度の異なるコイルを接続することになるが,各コイル内では巻き密度が一定であるため,1つのコイルで巻き密度に疎密を設ける場合に比べて遙かに製造が容易である。
このような構成により,コイルで発生した磁束は上記リング状磁性体に案内されて上記ヒートローラに進入するため,ヒートローラへの磁束の進入ポイントが少なくともコイルの長さの範囲内においてほぼ均一化され,ヒートローラの長手方向における温度ムラを軽減することができる。また,上記リング状磁性体の外径を上記コイルの外径よりも大きくすれば,定着加圧時の上記ヒートローラの撓みによる上記コイルへの接触を防止する効果もある。
ここに,図1は実施の形態1に係る定着ローラZ1の概略構成図,図2は実施の形態2に係る定着ローラZ2の概略構成図,図3は実施の形態3に係る定着ローラZ3の概略構成図,図4は実施の形態4に係る定着ローラZ4の概略構成図,図5は実施の形態5に係る定着ローラZ5の概略構成図,図6はコイルを分割着脱可能とした構成の一例を示す図,図7は巻き密度を異ならせた2つのコイルの一例を示す図,図8は長さを異ならせた3つのコイルの一例を示す図,図9は参考例に係る定着ローラZ5の概略構成図である。
尚,ヒートローラ1の温度は,少なくともその画像領域において均一であればよいため,上記コイル11の長さは必ずしもヒートローラ1より長くする必要はなく,最小限ヒートローラ1の画像領域よりも長ければよい。
d1−d2≦a
を満たす程度にコイル外周をヒートローラ内周面に近接させることが望ましい。
これにより,コイル同士の対向部では極性が反発するため,ヒートローラ1へ進入する磁束を均一化することができ,ヒートローラ1の長手方向における温度ムラを軽減することができる。
一例として,上記実施の形態3,4を組み合わせた定着ローラZ5を図5に示す。定着ローラZ5は,円筒状のヒートローラ1の内部に,上記ヒートローラ1の軸回りに螺旋状に巻かれたコイル14が上記ヒートローラ1の軸方向に複数(図5では3つ)配列された構成となっている。また,それら各コイル14は,コイルの巻き方向をそれぞれ変えることにより,隣り合うコイルの磁性方向が互いに逆向きとなっている。更に,各コイル14の間,及び端部には,磁束を通し易い材質(フェライト等)で形成されたリング上のキャップ21(リング状の磁性体の一例)がとりつけられている。
これにより,キャップ21による磁束誘導効果と,複数に分割され互いに極性が反発するように並べられたコイル14との相乗効果により,ヒートローラ1へ進入する磁束をより効果的に均一化することができ,ヒートローラ1の長手方向における温度ムラを更に軽減することができる。
ここで,上記分割された各コイル(ここでは符号15を用いる)同士の接続は,例えばそれらコイル15が巻かれたボビン31の両端に形成したコネクタ31aを介して行うようにすればよい。
またこの場合,温度配向を調整するためには上記のように巻き密度の異なるコイルを接続することになるが,各コイル内では巻き密度が一定であるため,1つのコイルで巻き密度に疎密を設ける場合に比べて遙かに製造が容易である。
本発明の参考例に係るIH方式の定着ローラZ5は,図9に示す如く,鉄,ニッケルなどの導電性材料で形成された円筒状のヒートローラ1の内部に,上記ヒートローラ1の軸回りに螺旋状に巻かれたコイル16が配置されている。ここで,上記コイル16が巻かれたボビン32は,その中央部32aと両端部32bとが異なる径(ここでは,中央部32aの方が両端部32bよりも大径)に形成されている。従って,上記ボビン32に等ピッチで巻かれた上記コイル16も,その中央部が両端部よりも大径に形成されている。
ここで,コイル径が大きいほど強い磁界が得られるため,その部分のヒートローラの温度は相対的に高くなる。従って,図9に示す定着ローラZ5の場合には,ヒートローラ1の中央部が両端部よりも高温となるような温度分布配向が得られる。このとき,コイルの巻き密度は一定でよいため,コイルの巻き密度に疎密を設ける方法に比べてコイルの巻き作業は遙かに容易且つ確実である。
このように,コイルの径を軸方向に不均一とすることにより,ヒートローラの温度分布配向を容易に調整することが可能である。
11〜16…コイル
21…キャップ(リング状の磁性体の一例)
Claims (5)
- 導電性材料で形成される円筒状のヒートローラの内部に,上記ヒートローラの軸回りに巻かれたコイルが配設されてなる誘導加熱方式の定着装置であって,
上記コイルの両端部に,リング状の磁性体が取り付けられてなる定着装置において,
上記コイルが,上記ヒートローラの軸方向に複数に分割され,それぞれ隣り合うコイルの磁性方向が互いに逆向きとなるように配列されてなることを特徴とする定着装置。 - 前記リング状の磁性体が,上記複数に分割された各コイルそれぞれの端部に取り付けられてなる請求項1に記載の定着装置。
- 上記分割されたコイルが,軸方向に着脱可能である請求項1あるいは2のいずれかに記載の定着装置。
- 上記分割可能なコイルが,それぞれ長さと巻き密度のいずれか若しくは両方が異なるコイルを組み合わせて形成されてなる請求項2あるいは3のいずれかに記載の定着装置。
- 上記請求項1〜4のいずれかに記載の定着装置を搭載した画像形成装置。
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CN102438344A (zh) * | 2011-09-28 | 2012-05-02 | 河南理工大学 | 一种表面温度均匀的电磁感应加热圆辊 |
CN102438344B (zh) * | 2011-09-28 | 2013-08-07 | 河南理工大学 | 一种表面温度均匀的电磁感应加热圆辊 |
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