JP4067704B2 - 歪測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維強化樹脂製で且つ径が大きく胴長が小さな円筒部品に内圧を掛けて歪量を測定する歪測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図11は従来のブラシレスモータの分解斜視図を示す。
ブラシレスモータ100は、筒状のステータコア101に励磁用のコイルを配置し、ロータ102に永久磁石103・・・(・・・は複数個を示す)を取り付け、ロータ102を矢印の如くステータコア101内に配置するものである。
ロータ102は、ヨーク105の外周に永久磁石103・・・を取り付け、永久磁石103・・・の外側に円筒部品106を嵌め込み、円筒部品106で永久磁石103・・・を固定したものである。
【0003】
ところで、円筒部品106で永久磁石103・・・を固定するためには、円筒部品106の歪量を小さくする必要がある。このため、円筒部品106を繊維強化樹脂(以下、「FRP(fiber reinforced plastic)」という)で形成する。次図に、円筒部品106の歪量を測定する方法を説明する。
【0004】
図12(a)、(b)は従来の円筒部品の歪測定方法を示す原理図である。
(a)において、円筒部品106の上下端106a,106bを上下の支持部108,109で固定し、円筒部品106の外周面に歪検出器110のローラ110aを接触させる
(b)において、円筒部品106の内周面に内圧Pを均一にかけて円筒部品106を拡張する。このため、歪検出器110のローラ110aが矢印aの如く移動して円筒部品106の半径方向の拡張量を測定し、この測定値に基づいて円筒部品106の周方向の歪量δ(以下、単に「歪量」という)を求める。そして、求めた歪量δが規定値以下のとき、円筒部品106を良品と判定する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この測定方法では、円筒部品106の上下端106a,106bを固定しているので、円筒部品106の内周面に内圧Pをかけても、上下端106a,106bは拡張しないで中央部106cで最も大きく拡張する。
この結果、歪検出器110のローラ110aを接触させる位置(すなわち、測定箇所)が僅かにずれただけで円筒部品106の歪量が変るので、円筒部品106の歪量を正確に測定することは難しい。
【0006】
そこで、本発明の目的は、円筒部品の歪量を正確に測定することができる歪測定装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1は、繊維強化樹脂製で且つ径が大きく胴長が小さな円筒部品に内圧を掛けて歪量を測定する歪測定装置において、この歪測定装置は、円筒部品が軸方向には僅かに移動し、軸直角方向には大きく移動し得る大きさの供試材収納部を備えた測定治具本体と、内部の液圧に応じて膨らみ円筒部品の内周面を押圧するブラダと、円筒部品の外周面に貼り付けた歪センサとを備え、前記測定治具本体は、前記ブラダの一部を収納する凹部及び軸を垂直向きとしたときの前記円筒部品を支える受け面を備えた下部ホルダと、前記ブラダの一部を収納する凹部及び円筒部品の上縁をガイドするガイド面を備えた上部ホルダと、前記受け面から前記ガイド面までの間隔が前記円筒部品の胴長より僅かに大きくなるようにして、前記下部ホルダに前記上部ホルダを連結する連結部材とを備え、前記ブラダは、略縦長の楕円形に形成された袋状の中空体であって、上部が前記上部ホルダの凹部に収納されるとともに、下部が前記下部ホルダの凹部に収納され、前記上部に前記内部の液圧を発生させるオイルを供給する供給パイプが設けられ、前記供給パイプは前記上部ホルダの中央部に穿設した貫通孔に配設されていることを特徴とする。
【0008】
円筒部品を軸直角方向に大きく移動し得る構成にしたので、円筒部品に内圧を均一にかければ円筒部品が軸直角方向に移動する。このため、円筒部品を均等に増径させることができる。
また、ブラダの内部に油圧をかけて円筒部品の内周面を押圧する構成にしたので、円筒部品の内周面にオイルが付着することを防ぐことができる。
さらに、円筒部品の測定箇所に歪センサを直接貼り付ける構成にしたので、円筒部品を測定位置からずらしてセットしても、測定箇所の歪量を正確に検出することができる。
【0009】
また、前記測定治具本体は、ブラダの一部を収納する凹部及び軸を垂直向きとしたときの円筒部品を支える受け面を備えた下部ホルダと、ブラダの一部を収納する凹部及び円筒部品の上縁をガイドするガイド面を備えた上部ホルダと、前記受け面からガイド面までの間隔が円筒部品の胴長より僅かに大きくなるようにして、下部ホルダに上部ホルダを連結する連結部材とからなる。
【0010】
測定治具本体を下部ホルダ及び上部ホルダに分割し、下部ホルダ及び上部ホルダを連結部材で連結する構成にした。このため、測定治具本体を分割することにより円筒部品を測定位置に簡単にセットすることができる。
【0011】
請求項2において、前記連結部材は、円筒部分を囲うとともに円筒部品の胴長より僅かに長くしたスペーサリングと、このスペーサリング及び上・下部ホルダを貫通するボルトとからなる。
【0012】
受け面からガイド面までの間隔の決定をスペーサリングで実施し、上・下部ホルダの連結をボルトで実施する。
スペーサリングとボルトだけで連結部材を構成できるため、連結部材をごく簡単なものですませることができる。
加えて、スペーサリングで円筒部品を囲ったので、万一円筒部品の内周面に過剰内圧がかかって円筒部品が破損しても、円筒部品の破片を容易に回収することができる。
【0013】
請求項3は、前記円筒部品の内周面と受け面との交わる隅にOリングを置き、円筒部品の内周面とガイド面との交わる隅にOリングを置いたことを特徴とする。
【0014】
円筒部品と受け面との間の隙間をOリングで塞ぎ、円筒部品とガイド面との間の隙間をOリングで塞ぐ構成にした。このため、円筒部品と受け面との間の隙間や円筒部品とガイド面との間の隙間にブラダが侵入することを防ぐことができる。
【0015】
請求項4は、前記受け面と凹部との間のコーナ部を丸め、前記ガイド面と凹部との間のコーナ部を丸めたことを特徴とする。
【0016】
受け面と凹部との間のコーナ部を丸めて、ガイド面と凹部との間のコーナ部を丸める構成にした。このため、ブラダが膨らむ際にブラダに傷を付けないで円滑に膨らませることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る歪測定装置(第1実施の形態)の断面図である。
歪測定装置10は、円筒部品12を収納するための供試材収納部20aを備えた測定治具本体20と、円筒部品12の内周面13の上下端に接着剤で貼り付ける上下のOリング35,36と、内部の液圧(油圧)に応じて膨らみ円筒部品12の内周面13を押圧するブラダ40と、ブラダ40内にオイルを供給する流体供給手段50と、円筒部品12の外周面14に貼り付けた歪センサ60とからなる。
【0018】
供試材収納部20aは、円筒部品12が軸方向(上下方向)には僅かに移動し、軸直角方向(左右方向)には大きく移動し得る大きさの収納部である。このため、膨らませたブラダ40で円筒部品12の内周面13を押圧したとき、円筒部品12は全周面が均等に拡張する。
また、円筒部品12の外周面14に歪センサ60を貼り付けたので、円筒部品12を測定位置からずらしてセットしても、円筒部品12の歪量を正確に検出することができる。
【0019】
図2は本発明に係る歪測定装置(第1実施の形態)の分解斜視図である。
円筒部品12は、従来技術の円筒部品106(図11に示す)と同じFRPで形成した部材であって、直径Dを大きく胴長Lを小さくしてD/Lが3〜6になるように設定した部材である。
【0020】
測定治具本体20は、円筒部品12及びブラダ40を支える下部ホルダ21と、ブラダ40の上部42を支える上部ホルダ25と、下部ホルダ21に上部ホルダ25を連結する連結部材30とからなり、連結部材30で下部ホルダ21及び上部ホルダ25を一体に組み付けることにより供試材収納部20a(図1に示す)を形成するものである。
測定治具本体20を下部ホルダ21及び上部ホルダ25に分割したので、円筒部品12を簡単に測定位置にセットすることができる。
【0021】
図1に戻って、下部ホルダ21は、ブラダ40の一部(下部)41を収納する凹部22を形成し、軸を垂直向きとしたときの円筒部品12の下端15が接触して円筒部品12を支える受け面23を形成し、受け面23と凹部22との間のコーナ部23aを丸め、フランジ部24を形成したものである。
上部ホルダ25は、ブラダ40の一部(上部)42を収納する凹部26を形成し、円筒部品12の上縁(上端)16をガイドするガイド面27を形成し、ガイド面27と凹部26との間のコーナ部27aを丸め、フランジ部28を形成したものである。
【0022】
下部ホルダ21にフランジ24を形成したので受け面23を大きく形成することができる。また、上部ホルダ25にフランジ部28を形成したのでガイド面27を大きく形成することができる。従って、円筒部品12を簡単にセットすることができる。
また、受け面23と凹部22との間のコーナ部23aを丸めて、ガイド面27と凹部26との間のコーナ部27aを丸めたので、ブラダ40が膨らむ際にブラダ40に傷を付けないで円滑に膨らませることができる。この結果、ブラダ40の寿命を長くすることができる。
【0023】
連結部材30は、円筒部品12を囲うとともに円筒部品12の胴長Lより僅かに長くしたスペーサリング31(図2も参照)と、このスペーサリング31及び上・下部ホルダ25,21を貫通するボルト32,32と、ボルト32,32にねじ結合したナット33,33とからなる。
【0024】
連結部材30は、受け面23からガイド面27までの間隔Sが円筒部品12の胴長Lより僅かに大きくなるようにして、下部ホルダ21に上部ホルダ25を連結するものである。このため、円筒部品12に内圧を掛けると、円筒部品12の下端15を受け面23に沿って滑らせると共に、円筒部品12の上端16をガイド面27に沿って滑らせながら円筒部品12が拡張する。従って、円筒部品12を均等に増径させることができる。
スペーサリング31は、ボルト32,32を貫通するための貫通孔31a,31aを上端から下端まで貫通し、内周面から外周面に連通した大気開放孔31b(図2に示す)を開けたものである。
【0025】
受け面23からガイド面27までの間隔Sの決定をスペーサリング31で実施し、上・下部ホルダ21,25の連結をボルト32,32で実施する。スペーサリング31とボルト32だけで連結部材30を構成できるため、連結部材30をごく簡単なものですませることができる。
加えて、スペーサリング31で円筒部品12を囲ったので、万一円筒部品12に過剰内圧がかかって円筒部品12が破損した場合に、円筒部品12の破片を容易に回収することができる。
【0026】
また、スペーサリング31に大気開放孔31bを開けたので、スペーサリング31内側と外側とを連通してスペーサリング31の内側を大気圧に保つことができる。この結果、ブラダ40を一定の条件で膨らませて円筒部品12の歪量を正確に測定することができる。
【0027】
上Oリング35(図2も参照)は円筒部品12の内周面13とガイド面27との交わる隅に接着剤で貼り付けたもので、下Oリング36(図2も参照)は円筒部品12の内周面13と受け面23との交わる隅に接着剤で貼り付けたものである。
従って、円筒部品12の上端16とガイド面27との間の隙間を上Oリング35で塞ぐことができ、円筒部品12の下端15と受け面23との間の隙間を下Oリング36で塞ぐことができる。この結果、ブラダ40が、円筒部品12の下端15と受け面23との間の隙間や円筒部品12の上端16とガイド面27との間の隙間に噛み込まれて破損することはない。
【0028】
ブラダ40は、略だ円形に形成した膨張可能な袋で、上部42にオイルを供給するための供給パイプ43を取り付け、上部ホルダ25に収納する際に供給パイプ43を上部ホルダ25の貫通孔29から突出させたものである。
ブラダ40の内部に油圧を掛けてブラダ40を膨らませ、膨らませたブラダ40で円筒部品12の内周面13を押圧するので、円筒部品12の内周面13にオイルが付着することはない。
【0029】
流体供給手段50は、オイルタンク51に油圧ポンプ52をつなぎ、油圧ポンプ52に流路53を介してクイックジョイント54の雌部54aをつなぎ、この雌部54aに着脱自在に雄部54bを接続し、雄部54bにブラダ40の供給パイプ43につなぎ、油圧ポンプ52の油圧(すなわち、円筒部品12の内圧)を設定する油圧制御コントローラ55を備え、流路53とオイルタンク51とを戻り流路56でつなぎ、戻り流路56の途中にオンオフ弁57をつないだものである。
【0030】
従って、油圧制御コントローラ55を操作して油圧ポンプ52を駆動することにより、オイルタンク51からブラダ40の内部にオイルを供給してブラダ40を膨らませ、ブラダ40を円筒部品12の内周面13に接触させて円筒部品12に所定の内圧Pをかけることができる。
また、オンオフ弁57を開にすることにより、ブラダ40内のオイルを戻り流路56かオイルタンク51に戻すことができる。
【0031】
歪センサ60は、円筒部品12の外周面14に貼り付けて、円筒部品12の歪量を測定し、測定した歪量を電気信号として演算部62に伝えるものである。
演算部62は、歪センサ60の測定値に基づいて歪量を演算し、その演算値を判定部65に伝えるものである。
判定部65は、円筒部品12にかけた所定の内圧Pに対する適正な歪量δの関係を予めデータとして入力しておき、油圧制御コントローラ55から伝わった円筒部品12の内圧と、演算部62から伝わった歪量とを比較して円筒部品12の歪量が適性か否かを判定する。
【0032】
以上に述べた本発明に係る歪測定装置10の作用を説明する。
図3(a),(b)は本発明に係る歪測定装置(第1実施の形態)の第1作用説明図である。
(a)において、下部ホルダ21の凹部22にブラダ40の下部41を収納し、次に円筒部品12の内周面13の上下端に上下のOリング35,36を貼り付ける。次いで、円筒部品12をブラダ40に矢印▲1▼,▲1▼の如く嵌め込んで受け面23に載せる。
(b)において、円筒部品12の外側にスペーサリング31を矢印▲2▼,▲2▼の如く円筒部品12の外側に嵌め込んで下部ホルダ21の受け面23に載せる。
【0033】
図4は本発明に係る歪測定装置(第1実施の形態)の第2作用説明図である。
スペーサリング31に上部ホルダ25を載せてブラダ40の上部42を収納し、ボルト32,32をスペーサリング31の孔31a,31a及び下部ホルダ21の孔21a,21aに矢印▲3▼,▲3▼の如く差し込む。
次に、ボルト32,32にナット33,33をねじ結合して下部ホルダ21に上部ホルダ25を連結し、下部ホルダ21及び上部ホルダ25で円筒部品12を挟み込む(図1参照)。
【0034】
図5(a),(b)は本発明に係る歪測定装置(第1実施の形態)の第3作用説明図である。
(a)において、先ず、油圧制御コントローラ55で所定の油圧Pに設定し、油圧ポンプ52を駆動する。同時に、油圧制御コントローラ55から設定した油圧Pの値を判定手段65に伝える。
油圧ポンプ52を駆動することにより、オイルタンク51のオイルを矢印▲4▼の如くブラダ40の内部に供給する。これにより、ブラダ40が膨らんで円筒部品12の内周面13に接触して円筒部品12に内圧Pがかかる。
【0035】
(b)において、円筒部品12に内圧Pがかかることにより、円筒部品12の下端15が受け面23に沿って滑り、円筒部品12の上端16がガイド面27に沿って滑りながら円筒部品12の全周面が均一に拡張する。
【0036】
(a)に戻って、拡張した円筒部品12の歪量を歪センサ60で測定し、測定した歪量を矢印▲5▼の如く電気信号として演算部62に伝える。演算部62は、歪センサ60からの電気信号に基づいて歪量を求める。求めた値を矢印▲6▼の如く判定部65に伝え、判定部65は、油圧制御コントローラ55から伝わった円筒部品12の内圧P及び演算部62から伝わった歪量を、予め入力しておいたデータと比較して円筒部品12の歪量が適性か否かを判定する。
【0037】
次に、円筒部品12をラフにセットした場合を説明する。
図6(a),(b)は本発明に係る歪測定装置(第1実施の形態)の第4作用説明図である。
(a)において、円筒部品12をラフにセットしたために、ブラダ40の中心C1から円筒部品12の中心C2がΔ1だけ左側にずれる。
【0038】
(b)において、ブラダ40の内部に矢印の如く供給パイプ43からオイルを供給してブラダ40を膨らませる。円筒部品12の中心C2がブラダ40の中心C1からΔ1だけ左側にずれているので、ブラダ40は円筒部品12の左側内周面に当る前に右側内周面に接触する。
このため、右側内周面に内圧がかかり、円筒部品12が矢印▲7▼の如く右側に移動する。従って、図5に示すように円筒部品12を装置の中央(正規の測定位置)まで移動して円筒部品12の歪量を測定することができる。
【0039】
図6(a),(b)では、油圧で円筒部品12を装置の中央まで移動する例を説明したが、円筒部品12に内圧をかけても円筒部品12が装置の中央に移動しない場合も考えられる。以下、この例を図6(b)、図7に基づいて説明する。
図6(b)において、ブラダ40が円筒部品12の左側内周面に当る前に右側内周面に接触するので、円筒部品12の左側内周面とブラダ40との間にはまだ空間が存在する。このため、ブラダ40は円筒部品12の左側内周面に接触するまで膨張を続ける。
【0040】
図7は本発明に係る歪測定装置(第1実施の形態)の第5作用説明図である。
ブラダ40が円筒部品12の左側内周面にも接触することにより、ブラダ40が円筒部品12の全周面に接触する。このため、円筒部品12の全周面に均一な内圧Pがかかり、円筒部品12の全周面が均一に拡張する。従って、円筒部品12の歪量を歪センサ60(図1に示す)で正確に測定することができる。
【0041】
以下、第2実施の形態及び第3実施の形態を説明する。なお、第1実施の形態と同一部材については同一符号を付して説明を省略する。
図8は本発明に係る歪測定装置(第2実施の形態)の断面図である。
歪測定装置70は、下部ホルダ71をホルダ部72と底蓋73とに2分割して、ホルダ部72及び底蓋73をボルト74,74及びナット75,75で着脱自在に構成したものである。
ホルダ部72と底蓋73との間にスペーサを配置して、下部ホルダ71の凹部76の深さを調節することができる。
次図に下部ホルダ71の凹部76の深さを調節した例を示す。
【0042】
図9は本発明に係る歪測定装置(第2実施の形態)の作用説明図であり、円筒部品12(図1に示す)より胴長が小さな円筒部品77の歪量測定する例を示す。
ホルダ部72と底蓋73との間にスペーサ78を配置して下部ホルダ71の凹部76の深さを大きくすることにより、ブラダ40を略中央まで収納して胴長L1が短い円筒部品77の歪量を測定することができる。
このため、歪測定装置70のスペーサ78及びスペーサリング79を交換するだけで、多種の円筒部品に適用することができる。
【0043】
図10は本発明に係る歪測定装置(第3実施の形態)の断面図である。
歪測定装置80は、円筒部品12が軸方向(上下方向)には僅かに移動し、軸直角方向(左右方向)には大きく移動し得る大きさの供試材収納部81を備えた測定治具本体82と、内部の油圧(液圧)に応じて膨らみ円筒部品12の内周面13を押圧するブラダ85と、円筒部品12の外周面14に貼り付けた歪センサ60とを備える。
歪測定装置80は、第1実施の形態の歪測定装置10と比較して構成を簡素にすることができるので、設備費のコストアップを抑えることができる。
【0044】
歪測定装置80に円筒部品12をセットするときは、先ずブラダ85に円筒部品12を嵌め込み、次にブラダ85を折り畳むようにして開口81aから供試材収納部81に差し込む。そして、円筒部品12を供試材収納部81にセットする。
【0045】
なお、前記実施の形態では、ブラダ40の内部に油圧をかけた例を説明したが、その他にエア圧や水圧をかけても同様の効果を得ることができる。
また、連結部材30のボルト32を2本で説明したが、ボルト32の本数は2本に限らないで任意に設定することができる。
さらに、スペーサリング31の大気開放孔31bを1個開けた例を説明したが、大気開放孔31bの数は1個に限らないで任意に設定することができる。
【0046】
また、判定部65で円筒部品12の内圧と歪量とを比較して円筒部品12の歪量が適性か否かを判定したが、判定部65を備えないで歪センサ60のみで円筒部品12の歪量を検出するようにしてもよい。
さらに、ブラシレスモータの円筒部品の歪量を検出する例を説明したが、その他の円筒部品に適用することも可能である。
【0047】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、測定治具本体に円筒部品を軸直角方向に大きく移動し得る供試材収納部を備えた。このため、円筒部品に内圧をかけたとき円筒部品を軸直角方向に大きく移動して円筒部品の全周面が均等に拡張する。従って、円筒部品を均等に増径させることができ、歪センサの貼り付け位置がずれても歪量を正確に測定することができる。
この結果、歪センサの貼付け位置を比較的ラフに設定することができるので、円筒部品の歪量を簡単に検出することができる。
【0048】
また、ブラダの内部に油圧を掛けて円筒部品の内周面を押圧するので、円筒部品の内周面にオイルが付着しない。この結果、歪量を検出した後、円筒部品を洗浄してオイルの汚れを手間を省くことができるので、円筒部品のコストアップを抑えることができる。
【0049】
さらに、円筒部品の外周面に歪センサを貼り付けたので、円筒部品を測定位置からずらしてセットしても、測定箇所の歪量を正確に検出することができる。従って、円筒部品を比較的ラフにセットすることが可能になり、歪量検出時間を短くすることができる。この結果、円筒部品のコストアップを抑えることができる。
【0050】
加えて、測定治具本体を下部ホルダ及び上部ホルダに分割し、下部ホルダ及び上部ホルダを連結部材で連結する。このため、測定治具本体を下部ホルダ及び上部ホルダに分割して円筒部品を簡単に測定位置にセットすることができる。この結果、円筒部品の歪量測定時間を短くして円筒部品のコストアップを抑えることができる。
【0051】
請求項2は、受け面からガイド面までの間隔の決定をスペーサリングで実施し、上・下部ホルダの連結をボルトで実施する。スペーサリングとボルトだけで連結部材を構成できるため、連結部材をごく簡単なものですませることができるので、コストアップを抑えることができる。
加えて、スペーサリングで円筒部品を囲ったので、万一円筒部品の内周面に過剰内圧がかかって円筒部品が破損した場合に、円筒部品の破片を容易に回収することができる。この結果、歪測定時間を短くして生産性を高めることができる。
【0052】
請求項3は、円筒部品と受け面との間の隙間をOリングで塞ぎ、円筒部品とガイド面との間の隙間をOリングで塞いだ。このため、円筒部品と受け面との間の隙間や円筒部品とガイド面との間の隙間にブラダが侵入することを阻止することができる。この結果、これらの隙間にブラダが噛み込まれて破損することを防ぐことができる。
【0053】
請求項4は、受け面と凹部との間のコーナ部を丸めて、ガイド面と凹部との間のコーナ部を丸めたので、ブラダが膨らむ際にブラダに傷を付けないで円滑に膨らませることができる。この結果、ブラダの寿命を長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る歪測定装置(第1実施の形態)の断面図
【図2】本発明に係る歪測定装置(第1実施の形態)の分解斜視図
【図3】本発明に係る歪測定装置(第1実施の形態)の第1作用説明図
【図4】本発明に係る歪測定装置(第1実施の形態)の第2作用説明図
【図5】本発明に係る歪測定装置(第1実施の形態)の第3作用説明図
【図6】本発明に係る歪測定装置(第1実施の形態)の第4作用説明図
【図7】本発明に係る歪測定装置(第1実施の形態)の第5作用説明図
【図8】本発明に係る歪測定装置(第2実施の形態)の断面図
【図9】本発明に係る歪測定装置(第2実施の形態)の作用説明図
【図10】本発明に係る歪測定装置(第3実施の形態)の断面図
【図11】従来のブラシレスモータの分解斜視図
【図12】従来の円筒部品の歪測定方法を示す原理図
【符号の説明】
1,70,80…歪測定装置、12,77…円筒部品、13…内周面、14…外周面、15…下縁(下端)、16…上縁(上端)、20,82…測定治具本体、20a,81…供試材収納部、21,71…下部ホルダ、22,26…凹部、23…受け面、23a,27a…コーナ部、25…上部ホルダ、27…ガイド面、29…貫通孔、30…連結部材、31,79…スペーサリング、32…ボルト、35…Oリング(上Oリング)、36…Oリング(下Oリング)、40,85…ブラダ、41…一部(下部)、42…一部(上部)、43…供給パイプ、50…流体供給手段、55…油圧制御コントローラ、60…歪センサ、62…演算部、65…判定部、D…円筒部品の径、L…円筒部品の胴長、S…受け面からガイド面までの間隔。
Claims (4)
- 繊維強化樹脂製で且つ径が大きく胴長が小さな円筒部品に内圧を掛けて歪量を測定する歪測定装置において、
この歪測定装置は、円筒部品が軸方向には僅かに移動し、軸直角方向には大きく移動し得る大きさの供試材収納部を備えた測定治具本体と、
内部の液圧に応じて膨らみ円筒部品の内周面を押圧するブラダと、
円筒部品の外周面に貼り付けた歪センサとを備え、
前記測定治具本体は、
前記ブラダの一部を収納する凹部及び軸を垂直向きとしたときの前記円筒部品を支える受け面を備えた下部ホルダと、
前記ブラダの一部を収納する凹部及び円筒部品の上縁をガイドするガイド面を備えた上部ホルダと、
前記受け面から前記ガイド面までの間隔が前記円筒部品の胴長より僅かに大きくなるようにして、前記下部ホルダに前記上部ホルダを連結する連結部材とを備え、
前記ブラダは、
略縦長の楕円形に形成された袋状の中空体であって、上部が前記上部ホルダの凹部に収納されるとともに、下部が前記下部ホルダの凹部に収納され、前記上部に前記内部の液圧を発生させるオイルを供給する供給パイプが設けられ、
前記供給パイプは前記上部ホルダの中央部に穿設した貫通孔に配設されていることを特徴とする歪測定装置。 - 前記連結部材は、円筒部品を囲うとともに円筒部品の胴長より僅かに長くしたスペーサリングと、
このスペーサリング及び上・下部ホルダを貫通するボルトとからなる請求項1記載の歪測定装置。 - 前記円筒部品の内周面と受け面との交わる隅にOリングを置き、円筒部品の内周面とガイド面との交わる隅にOリングを置いたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の歪測定装置。
- 前記受け面と凹部との間のコーナ部を丸め、前記ガイド面と凹部との間のコーナ部を丸めたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の歪測定装置。
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