JP4067506B2 - ハイブリッド車両 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジン及びそのエンジンと一体回転するように設けられた永久磁石式の同期電動機を動力源として備えて走行装置を駆動するように構成され、且つ、車両各部の作動を制御する制御手段が備えられ、前記制御手段が、前記同期電動機の温度が上昇することを防止する昇温防止制御を実行するように構成されているハイブリッド車両に関する。
上記構成のハイブリッド車両は、前記エンジン及び前記同期電動機動を動力源として備えて、車両を発進させるときや加速させるときのように大きな走行駆動力が必要となる場合において、同期電動機を力行作動させてエンジンの動力を補助するようになっている。そして、同期電動機に対する電力は、車両に搭載されているバッテリーから供給されることになるが、発進した後に車両が定常走行を行っているときには、エンジンの駆動力により同期電動機を回生作動させて回生によって得られた電力をバッテリーに充電させるようにしたり、車速を減速させるときには、同期電動機を回生作動させることで制動力を生じさせて車速を減速させ、回生によって得られた電力をバッテリーに充電させるようにしている。
そして、同期電動機は、力行作動や回生作動を行うことにより、同期電動機の界磁用巻線に電流が流れることによって銅損が発生して同期電動機の温度が上昇するものであるが、力行作動や回生作動を長い時間にわたって連続して行うような場合には、同期電動機の温度が異常に高い温度にまで上昇してしまうことがあるので、同期電動機の温度が上昇することを防止する昇温防止制御を実行する構成となっている。
この昇温防止制御として、従来では、次のような処理を実行するようにしたものがあった。つまり、温度検出手段にて検出される同期電動機の温度が設定温度を越えているときは、同期電動機の力行作動又は回生作動を実行するときの目標トルクを設定温度を越えていないときに比べて減少側に変更させる処理を実行することにより、同期電動機における温度上昇を回避させるようにしたものがあった(例えば、特許文献1参照。)。
つまり、同期電動機の力行作動又は回生作動を実行するときの目標トルクを減少させることにより、力行作動及び回生作動において同期電動機の界磁用巻線に流れる電流を少なくして同期電動機の温度上昇を抑えるようにしたものである。
特開平11−27806号公報
しかし、永久磁石式の同期電動機を用いる構成では、上記従来構成のように、同期電動機の力行作動又は回生作動を実行するときの目標トルクを減少させるだけでは同期電動機の温度上昇を回避することができないことがある。
例えば、車両に搭載される変速装置が複数の変速段のうちの高速走行用の変速段に切り換わることを牽制するオーバードライブオフ状態に切り換えている状態で、車両を高速で走行させるような運転状況においては、同期電動機が高速で回転する状態が長い時間にわたって継続することがある。このような走行状態において、同期電動機の力行作動又は回生作動を実行するときの目標トルクを減少させて同期電動機の界磁用巻線に流れる電流を少なくさせても、同期電動機の温度が低下せずに前記設定温度を越えて更に高い温度にまで上昇することになる。
説明を加えると、永久磁石式の同期電動機の場合にはロータに永久磁石が備えられているので、ロータが回転すると、そのロータに備えられる永久磁石の回転に伴って、界磁巻線を支持するステータの内部で電磁誘導に起因して渦電流が発生して鉄損が発生することになる。そして、同期電動機のロータが高い回転速度で長い時間にわたって回転すると、上記したような鉄損に起因した温度上昇が大きくなる。この鉄損による温度上昇は、界磁巻線に流れる電流を低下させるだけでは抑制することができない。
その結果、例えば、上述したようなオーバードライブオフ状態に切り換えている状態で車両を高速で走行させる場合等のように、同期電動機のロータが高い回転速度で長い時間にわたって回転するようなことがあると、同期電動機の温度が前記設定温度よりも更に高い温度に上昇して永久磁石が劣化し、同期電動機として力行用トルクを充分に出力させることができず、同期電動機としての機能を充分に発揮できない状態になるおそれがある。
本発明の目的は、永久磁石式の同期電動機の温度が上昇して、同期電動機としての機能を充分に発揮できない状態になることを適切に回避させることが可能となるハイブリッド車両を提供する点にある。
本発明の第1特徴構成は、エンジン及びそのエンジンと一体回転するように設けられた永久磁石式の同期電動機を動力源として備えて走行装置を駆動するように構成され、且つ、車両各部の作動を制御する制御手段が備えられ、
前記制御手段が、前記同期電動機の温度が上昇することを防止する昇温防止制御を実行するように構成されているハイブリッド車両であって、
前記制御手段が、
前記昇温防止制御として、前記同期電動機の温度が昇温防止用の設定温度を越えると、前記同期電動機の力行作動を実行するときの力行用トルクを、前記昇温防止用の設定温度を越えていないときに比べて減少側に変更させるトルク低減処理、及び、
そのトルク低減処理を実行した後において、前記同期電動機の温度が前記昇温防止用の設定温度よりも高い温度に設定された回転速度抑制用の設定温度を越えると、前記同期電動機の回転速度が高回転域になることを減少させるように車両各部の作動を制御する、又は、前記同期電動機の回転速度が高回転域にならないように車両各部の作動を制御する過熱防止処理の夫々を実行するように構成されている点にある。
第1特徴構成によれば、温度検出手段にて検出される同期電動機の温度が昇温防止用の設定温度を越えると、力行作動又は回生作動を実行するときの目標トルクを昇温防止用の設定温度を越えていないときに比べて減少側に変更させるトルク低減処理を実行することによって、同期電動機における界磁用巻線に流れる電流を抑制して電流が流れることによって発生する銅損を少なくして、同期電動機における温度上昇を回避させることができる。
そして、そのトルク低減処理を実行した後において、同期電動機の温度が前記昇温防止用の設定温度よりも高い温度に設定された回転速度抑制用の設定温度を越えると、同期電動機の回転速度が高回転域になることを減少させるように車両各部の作動を制御する、又は、同期電動機の回転速度が高回転域にならないように車両各部の作動を制御する過熱防止処理を実行するのである。
つまり、同期電動機の回転速度が高回転域になることを減少させるように車両各部の作動を制御することにより、同期電動機の回転速度が高回転域になる状態が長い時間にわたって継続することを回避させることができ、同期電動機の温度が回転速度抑制用の設定温度を越えて更に高い温度になることを回避させやすいものにできる。又、同期電動機の回転速度が高回転域にならないように車両各部の作動を制御することにより、同期電動機の回転速度が高回転域になることを回避させることができ、同期電動機の温度が回転速度抑制用の設定温度を越えて更に高い温度になることを回避させることが可能となる。
このように、過熱防止処理を実行する構成とすることで、同期電動機の回転速度が高回転域になる状態が長い時間にわたって継続することを回避させる、又は、同期電動機の回転速度が高回転域になることを回避させることが可能となり、同期電動機が高回転域で回転することに起因して渦電流による鉄損が少ない状態にすることが可能となり、鉄損に起因した温度上昇を抑制することが可能となる。
従って、永久磁石式の同期電動機における界磁用巻線に流れる電流を抑制して、電流が流れることによって発生する銅損に起因した温度上昇を抑制するとともに、永久磁石が高回転状態で回転することにより発生する鉄損に起因した温度上昇も合わせて抑制することができ、同期電動機の温度が上昇して同期電動機としての機能を充分に発揮できない状態に陥ることを回避させることが可能となるハイブリッド車両を提供できるに至った。
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成に加えて、前記エンジン及び前記同期電動機の動力を複数の変速段に変速自在な変速装置が備えられ、
前記制御手段が、
人為操作式のオーバードライブ指令手段の指令情報に基づいて、前記複数の変速段のうちの高速走行用の変速段に切り換わることを許容するオーバードライブオン状態と、前記高速走行用の変速段に切り換わることを牽制するオーバードライブオフ状態とに切換自在な状態で前記変速装置を制御するように構成され、且つ、
前記過熱防止処理として、前記オーバードライブオン状態にて前記変速装置を制御するように構成されている点にある。
第2特徴構成によれば、前記制御手段は、人為操作式のオーバードライブ指令手段にてオーバードライブオン状態が指令されていると、複数の変速段のうちの高速走行用の変速段に切り換わることを許容する状態で変速装置を制御することになる。又、オーバードライブ指令手段にてオーバードライブオフ状態が指令されていると前記高速走行用の変速段に切り換わることを牽制する状態で変速装置を制御することになる。
説明を加えると、例えば、高速走行用の変速段に切り換わっている状態で車両が走行しているときに登り坂や下り坂が繰り返し現れると、登り坂では登坂抵抗によって走行負荷が増大して変速装置が低速側の変速段に切り換わり、下り坂で走行負荷が減少して変速装置が高速側の変速段に切り換わるといった変速段の切り換え処理が繰り返し行われるおそれがある。そこで、このような状況では、予め運転者の判断によってオーバードライブ指令手段にてオーバードライブオフ状態に切り換えて高速側の変速段に切り換わらないようにすることができるようにしたものである。又、上述したような変速段の切り換え操作が繰り返し行われるおそれの少ない状況では、運転者がオーバードライブ指令手段をオーバードライブオン状態に切り換えておくことで、高速側の変速段への切り換えが可能な状態となる。
このような構成を備えるものにおいては、運転者が、上述したような変速段の切り換え操作が繰り返し行われるおそれの少ない状況であっても、オーバードライブ指令手段をオーバードライブオフ状態に切り換えた状態で車両を高速走行させる場合がある。このようにオーバードライブオフ状態に切り換えて高速側の変速段に切り換わらない状態で長い時間にわたり高速走行させると、エンジンが高回転域で回転する状態が長い時間にわたって継続するおそれがある。エンジンが高回転域で回転するとそれと一体回転する同期電動機も同様に高回転域で回転する状態が長い時間にわたって継続することになる。
そこで、前記トルク低減処理を実行した後において、同期電動機の温度が前記回転速度抑制用の設定温度を越えると、前記過熱防止処理として、前記オーバードライブオン状態にて変速装置を制御するのである。すなわち、運転者が誤ってオーバードライブ指令手段をオーバードライブオフ状態に切り換えている状態であっても、同期電動機の温度が前記回転速度抑制用の設定温度を越えると、常に、オーバードライブオン状態にて変速装置を制御することにより、高速側の変速段に切り換わるべき走行状態が現出すると、変速装置は高速側の変速段に切り換わるように制御されることになる。
従って、同期電動機の回転速度が高回転域になることを減少させるように車両各部としての変速装置を制御することにより、同期電動機が高回転域で回転する状態が長い時間にわたって継続するといった不都合を回避させることができ、同期電動機の温度上昇を抑制することが可能となる。
本発明の第3特徴構成は、第1特徴構成に加えて、前記エンジン及び前記同期電動機の動力を複数の変速段に切り換え自在に変速装置が設けられ、
前記制御手段が、
前記過熱防止処理として、前記同期電動機の回転速度が設定回転速度以上になると、そのときの変速段よりも高速側の変速段に切り換えるように前記変速装置を制御するように構成されている点にある。
第3特徴構成によれば、前記制御手段は、前記トルク低減処理を実行した後において、同期電動機の温度が前記回転速度抑制用の設定温度を越えると、前記過熱防止処理として、同期電動機の回転速度が設定回転速度以上になると、そのときの変速段よりも高速側の変速段に切り換えるように前記変速装置を制御することになる。
説明を加えると、同期電動機の回転速度が設定回転速度以上になると、そのときの変速段よりも高速側の変速段に切り換えることになるが、そのとき、例えばアクセル操作量が変化しなければ車速は大きく低下することはなく略同じ車速を維持しながらそのときの変速段よりも高速側の変速段に切り換わることになるから、エンジン及び同期電動機の回転速度は、変速段が高速側の変速段に切り換えられる前の回転速度よりも低速側の回転速度に変更することになる。尚、そのとき運転者がアクセル操作量を増大させているときは、エンジン及び同期電動機の回転速度は、変速段が高速側の変速段に切り換えられる前の回転速度と同じか又はそれよりも高くなるおそれはあるが、高速側の変速段に切り換えられる制御が行われない場合に比べると、エンジン及び同期電動機の回転速度は高回転域になることを減少させるように変速装置が制御されることになる。
従って、同期電動機の回転速度が高回転域になることを減少させるように車両各部としての変速装置を制御することにより、同期電動機が高回転域で回転する状態が長い時間にわたって継続するといった不都合を回避させることができ、同期電動機の温度上昇を抑制することが可能となる。
本発明の第4特徴構成は、第1特徴構成に加えて、前記制御手段が、前記過熱防止処理として、前記同期電動機が力行作動及び回生作動のいずれも実行しない状態に切り換え、且つ、前記エンジンの回転速度が設定回転速度以下になるように前記エンジンの作動を制御するように構成されている点にある。
第4特徴構成によれば、前記制御手段は、前記過熱防止処理として、同期電動機が力行作動及び回生作動のいずれも実行しない状態に切り換え、且つ、前記エンジンの回転速度が設定回転速度以下になるように前記エンジンの作動を制御することによって、同期電動機の回転速度を強制的に低い状態にさせるのである。
すなわち、同期電動機が力行作動及び回生作動のいずれも実行しない状態に切り換えることで、同期電動機における界磁巻線に流れる電流を零又は略零にさせるのである。このように界磁巻線に電流が流れないようにすることによって銅損を発生させないようにして、銅損に起因した温度上昇を的確に回避させることができる。
一方、エンジンの回転速度が設定回転速度以下になるように前記エンジンの作動を制御する。例えば、エンジンの回転速度が設定回転速度を越えると、エンジンに対する燃料供給を停止させて強制的に回転速度を低下させるようにして、その後燃料供給を再開して、回転速度が設定回転速度以下の低い状態で回転を継続することで、車両が走行可能な状態を維持するといった制御を実行することによって、エンジンの回転速度が設定回転速度以下になるように制御するのである。このようにして、同期電動機の回転速度が強制的に設定回転速度以下に維持されることになり、温度上昇を適切に防止することができる。
従って、同期電動機の回転速度が高回転域にならないように車両各部としての同期電動機及びエンジンを制御することにより、同期電動機が高回転域で回転する状態が長い時間にわたって継続するといった不都合を回避させることができ、同期電動機の温度上昇を抑制することが可能となる。
本発明の第5特徴構成は、第1特徴構成に加えて、前記エンジン及び前記同期電動機の動力を複数の変速段に変速自在な変速装置が備えられ、
前記制御手段が、
人為操作式のオーバードライブ指令手段の指令情報に基づいて、前記複数の変速段のうちの高速走行用の変速段に切り換わることを許容するオーバードライブオン状態と、前記高速走行用の変速段に切り換わることを牽制するオーバードライブオフ状態とに切換自在な状態で前記変速装置を制御するように構成され、且つ、
前記過熱防止処理として、
前記回転速度抑制用の設定温度としての、回転速度抑制用の第1設定温度、その回転速度抑制用の第1設定温度よりも高い回転速度抑制用の第2設定温度、及び、その回転速度抑制用の第2設定温度よりも高い回転速度抑制用の第3設定温度の夫々が設定されて、
前記同期電動機の温度が前記回転速度抑制用の第1設定温度を越えると、前記オーバードライブオン状態にて前記変速装置を制御するオーバードライブオフ禁止処理、
前記同期電動機の温度が前記回転速度抑制用の第2設定温度を越えると、前記同期電動機の回転速度が設定回転速度以上になるに従って、そのときの変速段から高速側の変速段に切り換えるように前記変速装置を制御する変速段切換処理、及び、
前記同期電動機の温度が前記回転速度抑制用の第3設定温度を越えると、前記同期電動機を力行作動及び回生作動のいずれも実行しない状態に切り換えて前記エンジンの回転速度が設定回転速度以下になるように前記エンジンの作動を制御するエンジン回転抑制処理の夫々を実行するように構成されている点にある。
第5特徴構成によれば、前記制御手段は、人為操作式のオーバードライブ指令手段にてオーバードライブオン状態が指令されていると、複数の変速段のうちの高速走行用の変速段に切り換わることを許容する状態で変速装置を制御することになる。又、オーバードライブ指令手段にてオーバードライブオフ状態が指令されていると前記高速走行用の変速段に切り換わることを牽制する状態で変速装置を制御することになる。
説明を加えると、例えば、高速走行用の変速段に切り換わっている状態で車両が走行しているときに登り坂や下り坂が繰り返し現れると、登り坂では登坂抵抗によって走行負荷が増大して変速装置が低速側の変速段に切り換わり、下り坂で走行負荷が減少して変速装置が高速側の変速段に切り換わるといった変速段の切り換え処理が繰り返し行われるおそれがある。そこで、このような状況では、予め運転者の判断によってオーバードライブ指令手段にてオーバードライブオフ状態に切り換えて高速側の変速段に切り換わらないようにすることができるようにしたものである。又、上述したような変速段の切り換え操作が繰り返し行われるおそれの少ない状況では、運転者がオーバードライブ指令手段をオーバードライブオン状態に切り換えておくことで、高速側の変速段への切り換えが可能な状態となる。
このような構成を備えるものにおいては、運転者が、上述したような変速段の切り換え操作が繰り返し行われるおそれの少ない状況であっても、オーバードライブ指令手段をオーバードライブオフ状態に切り換えた状態で車両を高速走行させる場合がある。このようにオーバードライブオフ状態に切り換えて高速側の変速段に切り換わらない状態で長い時間にわたり高速走行させると、エンジンが高回転域で回転する状態が長い時間にわたって継続するおそれがある。エンジンが高回転域で回転するとそれと一体回転する同期電動機も同様に高回転域で回転する状態が長い時間にわたって継続することになる。そこで、制御手段は、前記過熱防止処理として、前記オーバードライブオン状態にて変速装置を制御するオーバードライブオフ禁止処理を実行するようにしている。
又、制御手段は、前記過熱防止処理として、前記オーバードライブオフ禁止処理に加えて、変速段切換処理、及び、エンジン回転抑制処理の夫々を実行するように構成されている。以下、前記各処理について説明するが、前記回転速度抑制用の設定温度としての、回転速度抑制用の第1設定温度、その回転速度抑制用の第1設定温度よりも高い回転速度抑制用の第2設定温度、及び、その回転速度抑制用の第2設定温度よりも高い回転速度抑制用の第3設定温度の夫々が設定されており、同期電動機の温度が前記各設定温度を越えるに従って段階的に前記各処理を実行するように構成されている。
先ず、前記オーバードライブオフ禁止処理について説明する。
前記同期電動機の温度が回転速度抑制用の第1設定温度を越えると、前記オーバードライブオン状態にて前記変速装置を制御するオーバードライブオフ禁止処理を実行する。
すなわち、運転者が誤ってオーバードライブ指令手段をオーバードライブオフ状態に切り換えている状態であっても、同期電動機の温度が前記回転速度抑制用の設定温度を越えると、常に、オーバードライブオン状態にて変速装置を制御することにより、高速側の変速段に切り換わるべき走行状態が現出すると、変速装置は高速側の変速段に切り換わるように制御される。つまり、同期電動機の回転速度が高回転域になることを減少させるように車両各部としての変速装置を制御することになる。
次に、前記変速段切換処理について説明する。
前記同期電動機の温度が前記回転速度抑制用の第2設定温度を越えると、前記同期電動機の回転速度が設定回転速度以上になるに従って、そのときの変速段から高速側の変速段に切り換えるように前記変速装置を制御する変速段切換処理を実行する。
説明を加えると、同期電動機の回転速度が設定回転速度以上になると、そのときの変速段よりも高速側の変速段に切り換えることになるが、そのとき、例えばアクセル操作量が変化しなければ車速は大きく低下することはなく略同じ車速を維持しながらそのときの変速段よりも高速側の変速段に切り換わることになるから、エンジン及び同期電動機の回転速度は、変速段が高速側の変速段に切り換えられる前の回転速度よりも低速側の回転速度に変更することになる。つまり、同期電動機の回転速度が高回転域になることを減少させるように車両各部としての変速装置を制御することになる。
尚、運転者がアクセル操作量を増大させているときは、エンジン及び同期電動機の回転速度は、変速段が高速側の変速段に切り換えられる前の回転速度と同じか又はそれよりも高くなるおそれはあるが、高速側の変速段に切り換えられる制御が行われない場合に比べると、エンジン及び同期電動機の回転速度は高回転域になることを減少させるように変速装置が制御されることになる。
次に、前記エンジン回転抑制処理について説明する。
前記同期電動機の温度が前記回転速度抑制用の第3設定温度を越えると、同期電動機を力行作動及び回生作動のいずれも実行しない状態に切り換えてエンジンの回転速度が設定回転速度以下になるようにエンジンの作動を制御するエンジン回転抑制処理を実行する。
すなわち、同期電動機が力行作動及び回生作動のいずれも実行しない状態に切り換えることで、同期電動機における界磁巻線に流れる電流を零又は略零にさせるのである。このように界磁巻線に電流が流れないようにすることによって銅損を発生させないようにして、銅損に起因した温度上昇を的確に回避させることができる。
一方、エンジンの回転速度が設定回転速度以下になるように前記エンジンの作動を制御する。例えば、エンジンの回転速度が設定回転速度を越えると、エンジンに対する燃料供給を停止させて強制的に回転速度を低下させるようにして、その後燃料供給を再開して、回転速度が設定回転速度以下の低い状態で回転を継続することで、車両が走行可能な状態を維持するといった制御を実行することによって、エンジンの回転速度が設定回転速度以下になるように制御するのである。このようにして、同期電動機の回転速度が強制的に設定回転速度以下に維持されることになり、温度上昇を適切に防止することができる。つまり、同期電動機の回転速度が高回転域にならないように車両各部としての同期電動機とエンジンの作動を制御することになる。
従って、上記したような複数の処理を実行することで、同期電動機が高回転域で回転する状態が長い時間にわたって継続するといった不都合を回避させることができ、同期電動機の温度上昇を抑制することが可能となる。又、同期電動機の温度上昇に伴って、運転特性への影響が少ないオーバードライブオフ禁止処理、そのオーバードライブオフ禁止処理よりも少し運転特性に影響を与えるおそれがある変速段切換処理、更に、変速段切換処理よりも運転特性に影響を与えるおそれが大であるエンジン回転抑制処理を順次、段階的に実行することにより、運転特性が急激に変化するおそれを回避しながらも、運転者に異常が発生していることを知らせることが可能となる。
〔第1実施形態〕
以下、本発明に係るハイブリッド車両の第1実施形態について図面に基づいて説明する。
図1に示すように、ハイブリッド車両は、走行駆動用のエンジン1と、走行駆動用の同期電動機2とが一体回転するように直結されている。つまり、走行駆動用のエンジン1の出力軸1aに直結される状態で走行駆動用の同期電動機2を備えて、これらの動力により走行装置としての左右の車輪3を駆動して走行するように駆動手段としての駆動ユニットKUが構成されている。前記同期電動機2は、エンジン1の出力軸1aにロータ2aが同一軸芯で一体回動するように連結され、そのロータ2aの外周部を囲うステータ2bが位置固定状態で図示しない車体支持部に支持される構成となっている。
そして、この同期電動機2は、エンジン1の作動が停止している状態においてその出力軸1aに対して駆動力を与えてエンジン1を始動させたり、エンジン1が始動した後に、出力軸1aに対してエンジン回転方向と同方向の駆動力を与えてアシストする力行状態と、前記出力軸1aから駆動力が与えられて発電する回生状態とに切り換え可能な構成となっている。つまり、同期電動機2がエンジン1にて回転駆動される出力軸1aに対してその回転方向と同一方向にトルクを出力させる力行状態に切り換えることで、所望の走行駆動力を出力しながらエンジン1が低燃費状態となるように、エンジン1の出力に対するアシストを行うことができる構成となっている。この作動状態が力行作動に対応する。又、走行速度を減速させているとき等において同期電動機2が回生状態となって、出力軸1aから駆動力が与えられて発電して得られた回生電力をバッテリー4に充電することができる構成となっている。この作動状態が回生作動に対応する。
前記駆動ユニットKUの動力は、トランスミッション6に伝えられ、このトランスミッション6内部のギア式の自動変速機6Aにより変速された後に差動機構7を介して左右の車輪3に伝えられる構成となっている。この自動変速機6Aは、詳述はしないが、複数の変速用クラッチを選択的に入り切り操作することで、複数の変速段としての前進第1速、前進第2速、前進第3速、前進第4速、及び、後進状態の各変速段に切り換え操作することが可能な構成となっている。
次に、このハイブリッド車両における制御構成について説明する。
図1及び図2に示すように、車両全体の動作を統括して管理する車両制御部8、この車両制御部8からの制御情報に基づいて同期電動機2の動作を制御する電動機制御部9、車両制御部8からの制御情報に基づいてエンジン1の出力、具体的には、電子スロットル弁10のスロットル開度及びインジェクタ11による燃料噴射量を自動調節するエンジン制御部12、車両制御部8からの制御情報に基づいて自動変速機6Aの変速段を切り換え制御する変速制御部20の夫々が備えられ、アクセル操作具13の操作量を検出するポテンショメータ式のアクセル操作量検出センサS1、ブレーキ操作具14が踏み込み操作されているか否かを検出するスイッチ式のブレーキ操作検出センサS2、同期電動機2の回転速度、言い換えると、エンジン1の出力軸1aの回転速度を検出する回転速度検出手段としての回転速度センサS3、車輪3の車軸の回転速度に基づいて、車両の走行状態としての車速を検出する走行状態検出手段としての車速センサS4、シフトポジションレバー17の位置を検出するシフトポジションセンサS5、バッテリー4の充電状態SOCを検出する充電状態検出部S6、同期電動機2の温度を検出する温度検出手段としての温度センサS7、前記自動変速機6Aが高速走行用の変速段としての前進第4速に切り換わることを許容するオーバードライブオン(ODオン)状態と、前記自動変速機6Aが前記前進第4速に切り換わることを牽制するオーバードライブオフ(ODオフ)状態とに切り換えるための指令を与える人為操作式のオーバードライブ指令手段としてのオーバードライブスイッチ(以下、ODスイッチと略称する)21等による各種の検出情報が車両制御部8に入力される構成となっている。
前記電動機制御部9は、図3に示すように、バッテリー4から供給される直流電力を三相交流電力に変換して同期電動機2に供給する駆動用電力を制御したり、回生作動により同期電動機2にて発生してバッテリー4に供給される回生電力を制御するインバータ28と、車両制御部8からの制御情報に基づいてパルス幅変調(PWM)されたパルス駆動信号をインバータ28における各スイッチングトランジスタの各ベース端子に供給するPWM制御回路29等を備えて構成され、同期電動機2に通流する電流の大きさや交流電流の周波数を変更させることによりトルクや回転速度を調整したり、前記バッテリー4に充電される回生電力を調整することができる構成となっている。
前記同期電動機2は永久磁石式同期電動機にて構成されている。詳述すると、この同期電動機2は、図4に示すように、中心部に回転軸24が一体的に固定された円柱状の鉄製のロータ2Aと、そのロータ2Aの外周部を被うようにステータ2Bが設けられて構成され、前記ロータ2Aには外周面よりも径方向内方側に入り込んだ位置に、周方向に等間隔をあけて4個の永久磁石25が分散配置される状態で埋め込み装着されている。各永久磁石25は、径方向外方側の磁極(N極又はS極)が周方向に交互に異なるように配置されている。又、ステータ2Bには、周方向に分散配置された複数の磁極片26の夫々に界磁用巻線27が巻回され、各界磁用巻線27に後述するように三相交流電流が供給されて径方向内部にて回転磁界を形成してロータ2Aを回転させる構成となっている。
前記ブレーキ操作具14により機械式制動手段KSを作動させて機械的な制動力を発生させるための構成について説明すると、運転者の足踏み操作にてブレーキ操作具14が操作されると、その足踏み操作力に対応させて制動用の油圧操作力を発生させる周知構成のマスターシリンダ15が備えられ、このマスターシリンダ15から作動油供給路15aを通して出力される油圧操作力にて前記車輪3の近傍に設けられた摩擦式の制動装置16を作動させて車体を制動させる構成となっている。このような機械式制動手段KSは、ブレーキ操作具14に対する運転者の操作力が大きくなるほど、その油圧操作力、すなわち、機械的な制動力が大となるように変更調節自在に構成されている。
前記シフトポジションレバー17の位置としては、「P」(駐車位置)、「R」(後進走行位置)、「N」(中立位置)、「D」(前進走行位置)があり、運転者により運転状況に応じて適宜切り換え操作されることになる。
前記車両制御部8は、シフトポジションセンサS5の検出情報、アクセル操作量検出センサS1の検出情報、車速センサS4の検出情報、オーバードライブスイッチ21の情報、及び、充電状態検出部S6にて検出されるバッテリー4の充電状態の情報等に基づいて、電動機制御部9、エンジン制御部12、及び、変速制御部20に制御情報を指令するように構成され、その指令情報に基づいて電動機制御部9、エンジン制御部12、変速制御部20が、同期電動機2、エンジン1、自動変速機6Aの夫々の作動を制御するように構成されている。従って、車両制御部8、電動機制御部9、エンジン制御部12、変速制御部20の夫々により、車両の運転状態を制御する制御手段Hが構成される。
次に、制御手段Hによる制御内容について説明する。
シフトポジションレバー17が「P」(駐車位置)や「N」(中立位置)にあるときは、基本的にはエンジン1を停止し同期電動機2による力行作動や回生作動は行わない。しかし、バッテリー4の充電状態が設定量以下にまで低下してバッテリー4を充電する必要があるような場合には、エンジン1を作動させてエンジン1の動力を同期電動機2の回生作動により発電した電力をバッテリー4に充電するように、エンジン1及び同期電動機2の作動を制御するように構成されている。
又、シフトポジションレバー17が「D」(前進走行位置)に操作されて、車体進行方向として前進方向が指令されている場合には、アクセル操作具13が踏み込み操作されて車体を発進させるときは、そのときエンジン1が停止していれば同期電動機2を回転させてエンジン1を始動させ、車体が前進走行すると、アクセル操作量に応じてエンジン1の出力を調整するとともに、後述するように同期電動機2が力行作動や回生作動を実行するように制御を実行するよう構成されている。シフトポジションレバー17が「D」(前進走行位置)に操作されていても、アクセル操作が行われていない状態で車両が走行を停止しており、しかも、バッテリー4の充電状態が設定値以上の高い状態であるときには、エンジン1を停止させるアイドルストップ制御を実行するように構成されている。このようにアイドルストップ制御を実行することでエンジン1の燃料消費をできるだけ少なくするようにしている。
そして、シフトポジションレバー17が「R」(後進走行位置)に操作されて、車体進行方向として後進方向が指令されている場合には、アクセル操作量に応じてエンジン1の出力を調整することになるが、同期電動機2については力行作動及び回生作動のいずれも行わないようになっている。
前記自動変速機6Aの変速段を切り換えるときの変速制御について説明すると、車両制御部8は、アクセル操作量検出センサS1の検出情報、車速センサS4の検出情報等に基づいて、予め設定されている変速用マップデータに従って自動変速機6の変速段を順次切り換えるように、複数の変速用クラッチを選択的に切り換え制御すべく、変速制御部20に対して自動変速機6Aに対する制御情報を指令するよう構成されている。
更に説明を加えると、前記オーバードライブスイッチ21がオン状態に切り換えられているときは、シフトポジションレバー17が「D」(前進走行位置)に操作されているとき、停止しているか又は車速が低速であれば自動変速機6の前進走行用の変速段のうち最も低速の変速段である前進第1速に切り換え、アクセル操作具13が踏み込み操作されると、前記マップデータに従って変速段を前進第2速、前進第3速、及び、前進第4速というように、順次、高速側に切り換えるように制御する。又、車体を高速で走行している状態から減速させているときは、変速段を高速走行用の変速段、例えば前進第4速から、前進第3速、前進第2速、及び、前進第1速というように、順次、低速側に切り換えるように制御する構成となっている。
そして、前記オーバードライブスイッチ21がオフ状態に切り換えられているときは、前記自動変速機6Aが前進第4速に切り換わることを牽制する状態で自動変速機6Aの作動を制御するように構成されている。つまり、この状態では、前進第1速、前進第2速、前進第3速の間でのみ変速状態が切り換わり、前進第4速に切り換わることはない。但し、後述するように、ODオフ禁止フラグがオンしていると、ODスイッチ21がODオフ状態に切り換えられていても、自動変速機6Aが前進第4速に切り換わることを許容する状態に切り換わることになる。
次に、制御手段Hによる同期電動機2の力行作動および回生作動について説明する。
同期電動機2の力行作動や回生作動は、後述するような各種の情報に基づいて目標トルクを求めて、その求めた目標トルクを発生させるように同期電動機2の作動を制御することにより行われる。説明を加えると、力行作動においては、エンジン1の回転方向と同じ方向に同期電動機2が力行用トルクの目標値を出力するように、その力行用トルクの目標値に対応する制御情報がPWM制御回路29に与えられ、PWM制御回路29からその力行用の目標トルクに対応するパルス信号がインバータ28の各スイッチングトランジスタのベース端子に印加され、同期電動機2が目標トルクにてエンジン1をアシストすることになる。又、回生作動においては、同期電動機2がエンジン1の回転方向とは反対方向に回生用トルクの目標値を出力するように、その回生用トルクの目標値に対応する制御情報がPWM制御回路29に与えられ、PWM制御回路29がその回生用の目標トルクに対応するパルス信号がインバータ28の各スイッチングトランジスタのベース端子に印加され、同期電動機2がエンジン1に対して逆向きのトルク、つまり、回生制動力を付与するように作用することになる。そうすると、同期電動機2がエンジン1の動力によって駆動されて発電機として作用して、インバータ28によって前記回生制動力に対応する回生電力に変更調整される状態でバッテリー4に充電されることになる。
前記制御手段Hは、アクセル操作量の検出情報に基づいて、アクセル操作量がエンジン1の回転速度に応じて設定される開始判定用閾値を上回ると前記力行作動を実行する状態に切り換わり、アクセル操作量が開始判定用閾値よりも小さい値に設定された停止判定用閾値を下回ると力行作動を実行しない状態に切り換わるように構成されている。
又、制御手段Hは、同期電動機2の温度が上昇することを防止する昇温防止制御を実行するように構成され、その昇温防止制御として、同期電動機2の温度が昇温防止用の設定温度Taを越えると、同期電動機2の力行作動を実行するときの目標トルクを、昇温防止用の設定温度Taを越えていないときに比べて減少側に変更させるトルク低減処理、及び、そのトルク低減処理を実行した後において、同期電動機2の温度が前記昇温防止用の設定温度Taよりも高い温度に設定された回転速度抑制用の設定温度を越えると、同期電動機2の回転速度が高回転域になることを減少させるように、且つ、同期電動機2の回転速度が高回転域にならないように車両各部の作動を制御する過熱防止処理の夫々を実行するように構成されている。
そして、前記過熱防止処理として、前記回転速度抑制用の設定温度としての、回転速度抑制用の第1設定温度Tb1、その回転速度抑制用の第1設定温度よりも高い回転速度抑制用の第2設定温度Tb2、及び、その回転速度抑制用の第2設定温度Tb2よりも高い回転速度抑制用の第3設定温度Tb3の夫々が設定されて、同期電動機2の温度が前記回転速度抑制用の第1設定温度Tb1を越えると、前記ODオン状態にて変速装置としての前記自動変速機6Aを制御するオーバードライブオフ禁止処理、同期電動機2の温度が前記回転速度抑制用の第2設定温度Tb2を越えると、同期電動機2の回転速度が設定回転速度以上になるに従って、そのときの変速段から高速側の変速段に切り換えるように自動変速機を制御する変速段切換処理、及び、同期電動機2の温度が前記回転速度抑制用の第3設定温度を越えると、同期電動機2を力行作動及び回生作動のいずれも実行しない状態に切り換えてエンジン1の回転速度が設定回転速度以下になるようにエンジン1の作動を制御するエンジン回転抑制処理の夫々を実行するように構成されている。
以下、制御フローチャートに基づいて、シフトポジションレバー17が「D」(前進走行位置)に操作されている状態における制御手段Hの制御動作について説明する。
図5に示すように、制御手段Hは、同期電動機2の温度検出結果に基づいて各部の制御状態を管理するための電動機温度管理制御を実行する(ステップ1)。そして、同期電動機2を制御する電動機制御、自動変速機6Aを制御する変速機制御、及び、エンジン1を制御するエンジン制御の各制御を実行するように構成されている(ステップ2〜4)。
以下、各制御の内容について具体的に説明する。
図5には前記電動機温度管理制御のフローチャートを示している。この電動機温度管理制御では、温度センサS7の検出情報により同期電動機2の温度Txを検出して(ステップ11)、同期電動機2の温度Txが昇温防止用の設定温度Taを越えるとトルク抑制フラグをオンする(ステップ12、13)。次に、前記同期電動機2の温度Txが、前記昇温防止用の設定温度Taよりも高い温度に設定された回転速度抑制用の第1設定温度Tb1を越えるとODオフ禁止フラグをオンする(ステップ14、15)。次に、同期電動機2の温度Txが、前記回転速度抑制用の第1設定温度Tb1よりも更に高い温度に設定された回転速度抑制用の第2設定温度Tb2を越えると変速状態切換フラグをオンする(ステップ16、17)。同期電動機2の温度Txが、回転速度抑制用の第2設定温度Tb2よりも更に高い温度に設定された回転速度抑制用の第3設定温度Tb3を越えると、シャットダウンフラグをオンするとともに、燃料カットフラグをオンする(ステップ18、19、20)。
ステップ2にて温度センサS7にて検出された同期電動機2の温度Txが、昇温防止用の設定温度Taよりも低い状態が検出されていると、上述したような各フラグはオフ状態に切り換わる(ステップ21)。
次に、図7の制御フローチャートに基づいて、制御手段Hによる同期電動機2の制御について説明する。
先ず、シャットダウンフラグがオンしているか否かが判断される(ステップ31)。シャットダウンフラグがオンしていなければ、同期電動機2により力行作動を行うか回生作動を行うかについての作動条件を判断する(ステップ32)。この作動条件の判断について説明を加えると、アクセル操作量検出センサS1にて検出されるアクセル操作量が、図10に示すように、そのときのエンジン回転速度に対して予めマップデータにて設定されている開始判定用閾値ACHを越えると力行作動を行う状態であると判別する構成となっている。そして、アクセル操作量検出センサS1にて検出されるアクセル操作量が、図10に示すように、エンジン1の回転速度に応じてエンジン1の回転速度が同じときの開始判定用閾値ACHよりも設定量だけ低い値として予めマップデータにて設定される解除判定用閾値ACLよりも低い状態になると、回生作動を行う状態であると判別する構成となっている。
前記力行作動を行う状態であると判別すると、そのとき回生作動が行われているときには回生用トルクの出力処理を停止して(ステップ33、34)、アクセル操作量の情報に基づいてトルク出力率Aを演算する(ステップ35)。このトルク出力率Aの求め方について説明すると、図11に示すように、アクセル操作量が変化した場合の力行用トルクの変化割合であるトルク出力率Aについての変化特性が予めマップデータにより設定されている。図11に示されるラインq1はバッテリー4の充電状態SOCが高い領域にある場合の変化特性であり、ラインq2はバッテリー4の充電状態SOCが中程度の領域にある場合の変化特性であり、ラインq3はバッテリー4の充電状態SOCが低い領域にある場合の変化特性である。アクセル操作量が零であればトルク出力率Aは略零であるが、アクセル操作量が増加するほどトルク出力率Aは大きな値が設定されることになる。そして、そのときのバッテリー4の充電状態がどのような充電状態になっているかに応じて、3本のラインq1、q2、q3の中のいずれかのラインが適用されることになる。
つまり、前記充電状態検出部S6にて検出されるバッテリー4の充電状態SOCの情報に基づいて、3本のラインq1、q2、q3のいずれか対応するラインを特定する。そして、そのラインとアクセル操作量検出センサS1にて検出されるアクセル操作量の情報からトルク出力率Aを求める。
次に、トルク抑制フラグがオンしているか否かを判断する(ステップ36)。トルク抑制フラグがオンしていなければ、予め初期設定されている初期設定マップデータに従って同期電動機2の回転速度に対応する同期電動機2の力行用トルクの最大値である最大トルクTmを求める(ステップ37)。そして、トルク抑制フラグがオンしていると判別したときには、初期設定マップデータよりも力行用トルクを小さい値に抑制する状態で設定されたトルク抑制マップデータに従って同期電動機2の回転速度に対応する同期電動機2の力行用トルクの最大値である最大トルクTmを求める(ステップ38)。
このような最大トルクTmは、トルク出力率が100%であるときの力行用トルクの値に対応するものであるが、図12の実線q4に示すように、同期電動機2の回転速度に対する前記最大トルクTmの変化特性について初期設定された初期設定マップデータが設定されている。ステップ37では、この変化特性と回転速度センサS3にて検出される回転速度の情報とから、そのときの同期電動機2の回転速度に対応する最大トルクTmを求める。又、図12の破線q5に示すように、初期設定マップデータよりも力行用トルクを小さい値に抑制する状態でトルク抑制マップデータが設定されている。ステップ38では、この変化特性と回転速度センサS3にて検出される回転速度の情報とから、そのときの同期電動機2の回転速度に対応する最大トルクTmを求める。
次に、上述したようにして求めたトルク出力率Aと最大トルクTmを掛け合わせて力行作動を実行するときの目標トルクとしての力行用トルクの目標値Tsを求めて(Ts=Tm×A)、同期電動機2がその求めた力行用トルクの目標値Tsを出力するように同期電動機2に対する出力処理を実行する(ステップ29、30)。つまり、力行用トルクの目標値Tsに対応する制御情報がPWM制御回路29に与えられ、PWM制御回路29からパルス信号がインバータ28の各スイッチングトランジスタのベース端子に印加され、同期電動機2が力行作動することになる。
尚、上述したような同期電動機2の力行用トルクを求めるために設定されるトルク出力率Aについての変化特性を示すマップデータ、及び、同期電動機2の回転速度に対する最大トルクの変化特性について初期設定された初期設定マップデータは、エンジン1が燃焼効率が高い状態を維持することができるように、エンジン1の回転速度(同期電動機2の回転速度と同じ)に応じて適切な力行用トルクを出力すべく予め実測データ等に基づいて設定されることになる。
又、ステップ33にて回生作動を実行する状態であると判別された場合には、力行用トルクの出力を停止して、回生用トルクの目標値を演算にて求めて、その回生用トルクの目標値を出力するように同期電動機2に対する出力処理を実行する(ステップ41、42、43)。この回生用トルクの目標値の求め方については、ここでは詳述しないが、バッテリー4の充電状態、車速、及び、アクセル操作量の夫々の情報に基づいて、そのときの車両の状況に適した回生トルクを得られるように同期電動機2の作動を制御することになる。
前記ステップ31にてシャットダウンフラグがオンしていると判断されたときには、同期電動機2をシャットダウンさせる(ステップ44)。具体的には、インバータ28の出力を停止させて同期電動機2を力行作動並びに回生作動のいずれも行わない非作動状態にさせる。説明を加えると、前記PWM制御回路29からインバータ28の各スイッチングトランジスタのベース端子に対して信号を与えないで各スイッチングトランジスタを遮断状態に維持するのである。このときは同期電動機2の各接続端子が開放状態に等しい状態となり、界磁用巻線27には電流が流れないので銅損による温度上昇を回避できる。つまり、同期電動機2の温度が異常判定用の設定温度を越える程度にまで高くなっているので、更に力行作動や回生作動を継続すると同期電動機2が劣化するおそれがあるので非作動状態にさせるようにしている。
次に、制御手段Hによる自動変速機6Aに対する変速制御について説明する。
図8の制御フローチャートに示すように、ODオフ禁止フラグがオンしていない状態で、且つ、変速状態切換フラグがオンしていない状態であれば(ステップ51、52)、前記ODスイッチ21の切り換え状態に従って自動変速機6Aを制御する。つまり、ODスイッチ21がオンしていれば、自動変速機6Aが前進第4速に切り換わることを許容するODオン状態に切り換えて、アクセル操作量検出センサS1の検出情報、車速センサS4の検出情報等に基づいて、予め設定されている通常変速用のマップデータに従って自動変速機6の変速段を順次切り換えるように自動変速機6を制御する(ステップ53、54)。
つまり、走行を停止しているか又は車速が低速であれば自動変速機6を前進第1速に切り換え、アクセル操作具13が踏み込み操作されると、予め設定されている通常制御用のマップデータに従って変速段を前進第2速、前進第3速、及び、前進第4速というように、順次、高速側に切り換えるように制御する。又、高速走行状態から減速させるときは、前進第4速から、前進第3速、前進第2速、前進第1速というように、順次、低速側に切り換えるように制御する。
前記ODスイッチ21がオフ状態に切り換えられているときは、前記自動変速機6Aが前進第4速に切り換わることを牽制するODオフ状態に切り換えて、アクセル操作量検出センサS1の検出情報、車速センサS4の検出情報等に基づいて、通常変速用のマップデータに従って、前進第1速、前進第2速、前進第3速の間でのみ変速状態が切り換わる状態で自動変速機6の変速段を順次切り換えるように自動変速機6を制御する(ステップ55)。
ステップ51にてODオフ禁止フラグがオンしていることが判別されると、ODオン状態での変速制御を実行する(ステップ51、54)。すなわち、ODスイッチ21がオフ状態に切り換えられていても、その指令情報を無視して、ODオン状態に切り換えて通常制御用のマップデータに従って変速段を前進第1速から前進第2速、前進第3速、及び、前進第4速というように、順次、高速側に切り換えるように制御する。この制御を実行することにより同期電動機2の温度の上昇を抑制することができる。
説明を加えると、例えば、ODオフ状態に切り換えているときに、高速走行中に前進第3速にて走行する状態、言い換えるとエンジン1(同期電動機2)が高速側の回転速度で回転する状態が長時間にわたり連続して継続すると、同期電動機2の温度が上昇するおそれがあるが、前進第4速に切り換えることができるようにして、このような状態になることを未然に回避できるようにしているのである。
又、ステップ52にて変速状態切換フラグがオンしていることが判別されると、そのことが判別されている状態において、回転速度センサS3にて検出される同期電動機2の回転速度Nxが設定回転速度N1以上になると、そのときの変速段から高速側の変速段に切り換わるように自動変速機6Aをシフトアップする(ステップ56、57)。尚、同期電動機2は、回転速度が前記設定回転速度N1を越えると、同期電動機2のロータ2aに備えられた永久磁石25が回転することによりステータ2bにて発生した渦電流にて同期電動機2の温度が上昇して過熱するおそれがある。
ところで、上記したようなエンジン1の回転速度が設定回転速度以上になると高速側の変速段に自動でシフトアップする処理を実行した後に、運転者がアクセル操作具を踏み込み操作してアクセル操作量が増大すると、エンジン1の回転速度は再度上昇することになり、高速側の変速段に自動でシフトアップする処理が再度行われることになる。尚、最も高速側の変速段にあればそれ以上のシフトアップはできないので、同期電動機2の温度が更に上昇するときはエンジン回転抑制処理を実行することになる。
次に、制御手段Hによるエンジン1に対する制御について説明する。
図9の制御フローチャートに示すように、燃料カットフラグがオンしていない状態であれば、アクセル操作量に応じてエンジン1の出力を調整する(ステップ61、62)。すなわち、アクセル操作量に対応した出力を得られるように電子スロットル弁10及びインジェクタ11を制御する。
ステップ61にて燃料カットフラグがオンしていると判別すると、前記エンジン1の回転速度Nx(同期電動機の回転速度と同じ)が前記設定回転速度N1以下になるようにエンジン1の作動を制御する。すなわち、回転速度センサS3にて検出されるエンジン1の回転速度Nxが設定回転速度N1(例えば、4000rpm)を越えると、エンジン1に対する燃料供給を停止する燃料供給停止処理を実行して強制的に回転速度を低下させる(ステップ63、64)。燃料供給停止処理を実行した後に、エンジン1の回転速度Nxが設定回転速度よりも低い値に設定された復帰用回転速度N2(例えば、3500rpm)を下回ると、燃料供給開始処理を実行してエンジン1に対する燃料供給を再開させる(ステップ65、66、67)。このようにして、エンジン1の回転速度Nxが設定回転速度N1以下になるようにエンジン1の作動を制御しながら車両の走行を継続するようにしている。
上記ステップ11〜13、36、38、39、40の各処理が前記トルク低減処理に対応し、上記ステップ11、14、15、51、54の各処理が前記オーバードライブオフ禁止処理に対応し、上記ステップ11、16、17、52、56の各処理が前記変速段切換処理に対応し、上記ステップ11、18、19、20、31、44、61、63〜67の各処理が前記エンジン回転抑制処理に対応する。
このように構成することによって、トルク抑制処理を実行することで同期電動機2における界磁用巻線に流れる電流を抑制して電流が流れることによって発生する銅損を少なくすることができ、そのようなトルク抑制処理を実行したにもかかわらず、温度が上昇している場合には、過熱防止処理としてのオーバードライブオフ禁止処理、変速段切換処理、エンジン回転抑制処理の夫々を実行するようにして、鉄損に起因した温度上昇も合わせて抑制することができる。
〔別実施形態〕
以下、別実施形態を列記する。
(1)上記実施形態では、前記昇温防止制御として、前記トルク低減処理、前記オーバードライブオフ禁止処理、前記変速段切換処理、及び、前記エンジン回転抑制処理の夫々を実行する構成としたが、このような構成に代えて、次のように構成するものでもよい。
図13に示すように、前記昇温防止制御として、前記トルク低減処理、及び、前記過熱防止処理の夫々を実行するものにおいて、前記過熱防止処理として第1実施形態における前記オーバードライブオフ禁止処理を実行する構成とし、第1実施形態における前記変速段切換処理と前記エンジン回転抑制処理とを実行しない構成としてもよい。
前記オーバードライブオフ禁止処理の内容は第1実施形態の場合と同様であるから説明は省略する。又、この構成では、同期電動機、自動変速機、エンジンの各制御については、ODオフ禁止フラグ以外の他のフラグがオフしている状態で制御が行われることになる。
図14に示すように、前記昇温防止制御として、前記トルク低減処理、及び、前記過熱防止処理の夫々を実行するものにおいて、前記過熱防止処理として第1実施形態における前記変速段切換処理を実行する構成とし、第1実施形態における前記オーバードライブオフ禁止処理と前記エンジン回転抑制処理とを実行しない構成としてもよい。
前記変速段切換処理の内容は第1実施形態の場合と同様であるから説明は省略する。又、この構成では、同期電動機、自動変速機、エンジンの各制御については、変速状態切換フラグ以外の他のフラグがオフしている状態で制御が行われることになる。
図15に示すように、前記昇温防止制御として、前記トルク低減処理、及び、前記過熱防止処理の夫々を実行するものにおいて、前記過熱防止処理として第1実施形態における前記エンジン回転抑制処理を実行する構成とし、第1実施形態における前記オーバードライブオフ禁止処理と前記変速段切換処理とを実行しない構成としてもよい。
前記エンジン回転抑制処理の内容は第1実施形態の場合と同様であるから説明は省略する。又、この構成では、同期電動機、自動変速機、エンジンの各制御については、シャットダウンフラグと燃料カットフラグ以外の他のフラグがオフしている状態で制御が行われることになる。
(2)上記各実施形態では、前記トルク低減処理として、同期電動機の力行用トルクの最大値である最大トルクを求めるときのマップデータとして、トルク低減処理を実行しないときに使用される初期設定マップデータよりも力行用トルクを小さい値に抑制したトルク抑制マップデータを用いる構成としたが、このような構成に代えて、例えば、最大トルクのマップデータを変更するのではなく、トルク出力率のマップデータを変更してもよく、又、マップデータを変更する代わりに初期設定マップデータにより求めた力行用トルクの目標値に対して所定の低減率を掛けて最終的な目標値を求めるようにする等、各種の構成で実施してもよい。
又、前記トルク低減処理としては、上記構成に代えて、前記同期電動機の温度が昇温防止用の設定温度を越えたときにおける力行用トルクの目標値よりも低い設定値を目標値として、力行用トルクがその設定値にて保持される状態で同期電動機の力行作動を実行するようにしてもよい。
更に、上記各実施形態では、前記トルク低減処理として、前記同期電動機の温度が昇温防止用の設定温度を越えると、前記同期電動機の力行作動を実行するときの目標トルクを昇温防止用の設定温度を越えていないときに比べて減少側に変更させる構成としたが、このような構成に代えて、同期電動機が回生作動を実行するときの目標トルクを昇温防止用の設定温度を越えていないときに比べて減少側に変更させる構成としてもよい。又、前記同期電動機の力行作動を実行するときの目標トルクと回生作動を実行するときの目標トルクの夫々を減少側に変更させる構成としてもよい。
(3)上記実施形態では、変速装置として、複数の変速用クラッチを入り切り操作して複数段の変速比に切り換わるギア式の自動変速機を例示したが、このような構成に限らず、変速比を無段階に変速可能な無段変速装置を用いる構成としてもよい。
(4)上記実施形態では、オーバードライブ指令手段として、オーバードライブオン状態とオーバードライブオフ状態とを切り換えるための専用の切換スイッチにて構成するものを例示したが、このような構成に限らず、例えば、シフトポジションレバーの操作位置の1つとしてオーバードライブオフ位置を設定するような構成としてもよい。
ハイブリッド車両の概略構成を示す図 制御ブロック図 同期電動機の制御構成を示す図 同期電動機の構成を示す図 制御動作を示すフローチャート 制御動作を示すフローチャート 制御動作を示すフローチャート 制御動作を示すフローチャート 制御動作を示すフローチャート 力行作動条件を判別するための説明図 アクセル操作量とモータトルク出力率との関係を示す図 回転速度と最大トルクとの関係を示す図 別実施形態の制御動作を示すフローチャート 別実施形態の制御動作を示すフローチャート 別実施形態の制御動作を示すフローチャート
符号の説明
1 エンジン
2 同期電動機
3 走行装置
4 バッテリー
6A 変速装置
21 オーバードライブ指令手段
H 制御手段

Claims (5)

  1. エンジン及びそのエンジンと一体回転するように設けられた永久磁石式の同期電動機を動力源として備えて走行装置を駆動するように構成され、且つ、車両各部の作動を制御する制御手段が備えられ、
    前記制御手段が、前記同期電動機の温度が上昇することを防止する昇温防止制御を実行するように構成されているハイブリッド車両であって、
    前記制御手段が、
    前記昇温防止制御として、
    前記同期電動機の温度が昇温防止用の設定温度を越えると、前記同期電動機の力行作動又は回生作動を実行するときの目標トルクを、前記昇温防止用の設定温度を越えていないときに比べて減少側に変更させるトルク低減処理、及び、
    そのトルク低減処理を実行した後において、前記同期電動機の温度が前記昇温防止用の設定温度よりも高い温度に設定された回転速度抑制用の設定温度を越えると、前記同期電動機の回転速度が高回転域になることを減少させるように車両各部の作動を制御する、又は、前記同期電動機の回転速度が高回転域にならないように車両各部の作動を制御する過熱防止処理の夫々を実行するように構成されているハイブリッド車両。
  2. 前記エンジン及び前記同期電動機の動力を複数の変速段に変速自在な変速装置が備えられ、
    前記制御手段が、
    人為操作式のオーバードライブ指令手段の指令情報に基づいて、前記複数の変速段のうちの高速走行用の変速段に切り換わることを許容するオーバードライブオン状態と、前記高速走行用の変速段に切り換わることを牽制するオーバードライブオフ状態とに切換自在な状態で前記変速装置を制御するように構成され、且つ、
    前記過熱防止処理として、前記オーバードライブオン状態にて前記変速装置を制御するように構成されている請求項1記載のハイブリッド車両。
  3. 前記エンジン及び前記同期電動機の動力を複数の変速段に切り換え自在に変速装置が設けられ、
    前記制御手段が、
    前記過熱防止処理として、前記同期電動機の回転速度が設定回転速度以上になると、そのときの変速段よりも高速側の変速段に切り換えるように前記変速装置を制御するように構成されている請求項1記載のハイブリッド車両。
  4. 前記制御手段が、
    前記過熱防止処理として、前記同期電動機が力行作動及び回生作動のいずれも実行しない状態に切り換え、且つ、前記エンジンの回転速度が設定回転速度以下になるように前記エンジンの作動を制御するように構成されている請求項1記載のハイブリッド車両。
  5. 前記エンジン及び前記同期電動機の動力を複数の変速段に変速自在な変速装置が備えられ、
    前記制御手段が、
    人為操作式のオーバードライブ指令手段の指令情報に基づいて、前記複数の変速段のうちの高速走行用の変速段に切り換わることを許容するオーバードライブオン状態と、前記高速走行用の変速段に切り換わることを牽制するオーバードライブオフ状態とに切換自在な状態で前記変速装置を制御するように構成され、且つ、
    前記過熱防止処理として、
    前記回転速度抑制用の設定温度としての、回転速度抑制用の第1設定温度、その回転速度抑制用の第1設定温度よりも高い回転速度抑制用の第2設定温度、及び、その回転速度抑制用の第2設定温度よりも高い回転速度抑制用の第3設定温度の夫々が設定されて、
    前記同期電動機の温度が前記回転速度抑制用の第1設定温度を越えると、前記オーバードライブオン状態にて前記変速装置を制御するオーバードライブオフ禁止処理、
    前記同期電動機の温度が前記回転速度抑制用の第2設定温度を越えると、前記同期電動機の回転速度が設定回転速度以上になるに従って、そのときの変速段から高速側の変速段に切り換えるように前記変速装置を制御する変速段切換処理、及び、
    前記同期電動機の温度が前記回転速度抑制用の第3設定温度を越えると、前記同期電動機を力行作動及び回生作動のいずれも実行しない状態に切り換えて前記エンジンの回転速度が設定回転速度以下になるように前記エンジンの作動を制御するエンジン回転抑制処理の夫々を実行するように構成されている請求項1記載のハイブリッド車両。
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