JP4067213B2 - 地下室増設方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、地下室増設方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、容積率基準の緩和などにより地下室付きの住宅を建てるケースが増えつつある。 従来、住宅の地下室は、現場施工型のコンクリート地下室が大半を占めている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のコンクリート地下室では、施工に長期間を要するため、既存の家屋に対して地下室を増設することが困難であった。
【0004】
そこで、本発明の目的は、上記の問題点を解消し、容易に地下室を増設し得るようにした地下室増設方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の地下室増設方法は、既設の建物を基礎を残してずらし、基礎の一部を壊してその部分に基礎と同じ高さだけ上部を地上に突出させて鋼製箱型地下ユニットを埋設し、建物を元の位置に戻すことにより、建物の地下に地下室を増設することを特徴としている。
【0010】
このように構成された本発明によれば、前記鋼製箱型地下ユニットを用いることにより、既設の建物に対して簡単に地下室を増設することができる。
【0011】
また、鋼製箱型地下ユニットは、そのまま建物の基礎として使用することができる。
【0012】
また、別の発明では、既設のユニット建物を基礎を残してずらし、基礎の一部を壊してその部分に基礎と同じ高さだけ上部を地上に突出させて箱型建物ユニットと同一モジュール寸法に形成された鋼製箱型地下ユニットを埋設し、ユニット建物を元の位置に戻して鋼製箱型地下ユニットと連結することにより、ユニット建物の地下に地下室を増設することを特徴としている。
【0013】
このような発明によれば、前記鋼製箱型地下ユニットを用いることにより、既設のユニット建物に対して簡単に地下室を増設することができる。
【0014】
また、鋼製箱型地下ユニットは、そのままユニット建物の基礎として使用することができる。しかも、建物がユニット建物である場合には、鋼製箱型地下ユニットとユニット建物との連結も容易である。
【0015】
以下、本発明の具体的な実施の形態2を説明にするにあたって、その前に説明すべき関連する構成について、下記実施の形態1で図示例と共に説明する。
【0016】
図1〜図3は、実施の形態1を示すものである。
【0017】
まず、構成を説明すると、この実施の形態1では、図1に示すように、母屋2に対し、母屋2から離れた敷地3部分に離れ4を増設設置し、母屋2と離れ4との間を屋根5付きの渡り廊下6で連結する。この際、離れ4の地下に地下室7を設置する。
【0018】
前記離れ4はユニット建物1の箱型建物ユニット10によって構成し、前記地下室7は前記箱型建物ユニット10と同一モジュール寸法に形成されて前記箱型建物ユニット10の下部に埋設および連結可能な鋼製箱型地下ユニット12によって構成する。
【0019】
前記離れ4を構成するユニット建物1は、図2に示すように、複数の箱型建物ユニット10…によって主に構成されている。これらの箱型建物ユニット10…は、所定のモジュール寸法に規格化されたものとして工場で生産され、これらの建物ユニット10…を建築現場へ搬送して組み合わせボルトで締結することにより、ユニット建物1の上部構造体11(離れ4)を短期間で構築し得るようになっている。
【0020】
この建物ユニット10は、金属製の一対の天井梁10a,10a及び一対の妻梁10b,10bで構成された略矩形形状の天井枠10cと、金属製の一対の床梁10d,10d及び一対の妻梁10e,10eで構成された略矩形形状の床枠10fとを、ジョイントピース10g…を介して、各々四本の中空の柱材10h…の上,下端部に接合してなる略箱型形状のラーメン構造体の周囲に、内,外壁面部材10iを貼設したものである。
【0021】
また、この上部構造体11(離れ4)の下方には、上部構造体11を構成する前記箱型建物ユニット10と略同一モジュール寸法の箱型鋼製地下ユニット12としての端部用の箱型鋼製地下ユニット12が一対埋設されることにより、地下構造体13(ユニット式の地下室7)が形成されている。
【0022】
この端部用の箱型鋼製地下ユニット12は、図3に示すように、上面部12bと、底面部12fと、対向する一対の妻側側面12cと、一方の桁側側面12dと、桁側側面12dに対向するユニット間連結用の開口部12aとを備えており、開口部12aどうしを当接させた状態でボルトで連結されている。上面部12b、底面部12f、妻側側面12c、桁側側面12dなどの壁面部分は、それぞれ、鋼板製外板部材14と、この鋼板製外板部材14に対し所定の間隙を有して平行に配置された内壁部材15と、これらの鋼板製外板部材14及び内壁部材15との間の空間に介在される複数のH字型鋼材16…、及びユニット間連結用の開口部12aの周縁に設けられるCチャネル型鋼材17と、上記空間に充填された遮音材18等とから主に構成されている。
【0023】
このうち、上面部12b(天井)、底面部12f(床)、妻側側面12c(両側壁)、桁側側面12dを構成する鋼板製外板部材14は、当接辺どうしを溶接することにより水密性を有する箱体とされ、十分な止水性能を得られるようにされている。また、鋼板製外板部材14の外面には、超厚膜型半永久防錆防食システム塗装などの表面処理が施されている。
【0024】
H字型鋼材16およびCチャネル型鋼材17は、各々、上面部12b(天井)、底面部12f(床)、妻側側面12c(両側壁)に対して周回状に配設され、側面視ロ字状を呈するように溶接などで接続されることによりロ字状鉄骨フレームを構成している。このロ字状鉄骨フレームと鋼板製外板部材14との間は溶接などにより固定されている。
【0025】
また、前記端部用の箱型鋼製地下ユニット12の上面部12bの四隅のコーナ部には、前記箱型建物ユニットを連結する四本の固定ボルト19…が溶接などにより立設されている。
【0026】
また、一方の端部用の箱型鋼製地下ユニット12は、上面部12bの所定位置に階段23の上部開口24が形成されている。
【0027】
図中、符号25は掘削穴の底面部、25a底面部25に形成された基礎、26は基礎25aから突設されたアンカーの固定ボルトである。
【0028】
次に、この実施の形態1の作用について説明する。
【0029】
母屋2から離れた敷地3部分に箱型建物ユニット10と同一モジュール寸法に形成された鋼製箱型地下ユニット12を埋設し、この鋼製箱型地下ユニット12の上部に箱型建物ユニット10を設置および連結して、地下室7付きの離れ4を構築する。
【0030】
そのために、先ず、図3中に示すように、建設現場において、地盤調査、及び整地が行われた後、土留め、根切り、山留めが行われる。掘削幅は、桁端面より400mm、妻端面より200mmである。
【0031】
掘削された掘削穴の底面部25には、砕石が敷き詰められて、充分転圧作業が行われ、捨てコンクリートが打たれる。捨てコンクリートは、厚さ50mm以上とし、Fc135kg/平方cm以上としている。
【0032】
この上に、配筋及びアンカーセットが行われて、固定ボルト26…の突設位置が決定される。そして、厚さ300〜500mm、Fc180kg/平方cm以上となるように生コンクリートが打たれた後、空練りモルタルが、厚さ25mmでレベル調整を行いながら敷き込まれ、基礎25aが形成される。
【0033】
次に、前記端部用の箱型鋼製地下ユニット12,12が、上面視で、前記上部構造体11の箱型建物ユニット10,10の投影面積内に入るように載置される。
【0034】
そして、前記底面部25の基礎25aから立設される固定ボルト26…を、前記箱型鋼製地下ユニット12の下面部に設けられたボルト挿通孔に挿通させて、ナット部材…によって固定させる。また、前記箱型鋼製地下ユニット12の開口部12aどうしをボルト部材およびナット部材を用いて連結する。この際、箱型鋼製地下ユニット12の上部を所要量(母屋2の基礎と同程度の高さとする。)だけ地面から突出させるようにすることにより、箱型鋼製地下ユニット12の上部を基礎として使用することが可能となる。そして、掘削穴の余掘部分をラップルコンクリートで埋め戻す。
【0035】
次に、図2に示すように、前記上部構造体11の一階部分の前記箱型建物ユニット10…が、前記地下室7を構成する前記端部用の箱型鋼製地下ユニット12の上面部12bの周囲に載置される。この際、箱型建物ユニット10の床枠10fの周囲を構成する床梁10d及び妻梁10eが、箱型鋼製地下ユニット12の上面部12bの周縁部分と上面視で一致するように載置される。
【0036】
そして、箱型鋼製地下ユニット12の上面部12bのコーナ部から立設された固定ボルト19に前記妻梁10eのボルト挿通孔を挿通させ、更に必要に応じ、レベル調整用亜鉛メッキ鋼板などのスペーサを介在させて、ナット部材によって締結する。
【0037】
このように、前記上部構造体11の下方には、上部構造体11を構成する箱型建物ユニット10と略同一モジュール寸法の端部用の箱型鋼製地下ユニット12が埋設されることにより、地下室35が形成される。
【0038】
この実施の形態1によれば、母屋2から離れた敷地3部分に箱型建物ユニット10と同一モジュール寸法に形成された鋼製箱型地下ユニット12を埋設し、この鋼製箱型地下ユニット12の上部に箱型建物ユニット10を設置および連結して、地下室7付きの離れ4を構築することにより、簡単に地下室7を増設することができ、しかも、地下室7により、遮音性および断熱性に優れた増築を行うことができる。
【0039】
【発明の実施の形態2】
図4は、この発明の実施の形態2を示すものである。なお、前記実施の形態1と同一ないし均等な部分については、同一の符号を付して説明する。
【0040】
この実施の形態2のものでは、図4(a)に示すような既設の建物31(特に、ユニット建物1であることが好ましい)を、図4(b)に示すように基礎32を残してずらせる(いわゆる引き屋)。なお、図中、符号33は仮基礎である。
【0041】
次に、図4(c)に示すように基礎32の一部を壊してその部分に基礎32と同じ高さだけ上部を地上に突出させて上記実施の形態1と同様に鋼製箱型地下ユニット12を埋設し、図4(d)に示すように建物31を元の位置に戻すことにより、建物31の地下に地下室7を増設する。
【0042】
このように、鋼製箱型地下ユニット12を用いることにより、既設の建物31(ユニット建物1)に対して簡単に地下室7を増設することができる。
【0043】
また、鋼製箱型地下ユニット12は、そのまま建物31(ユニット建物1)の基礎32として使用することができる。しかも、建物31がユニット建物1である場合には、鋼製箱型地下ユニット12とユニット建物1との連結も容易である。
【0044】
上記以外については、前記実施の形態1と同様の構成を備えており、同様の作用・効果を得ることができる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明してきたように、このように構成された本発明によれば、前記鋼製箱型地下ユニットを用いることにより、既設の建物に対して簡単に地下室を増設することができる。
【0048】
また、鋼製箱型地下ユニットは、そのまま建物の基礎として使用することができる。
【0049】
さらに、前記鋼製箱型地下ユニットを用いることにより、既設のユニット建物に対して簡単に地下室を増設することができる。
【0050】
また、鋼製箱型地下ユニットは、そのままユニット建物の基礎として使用することができる。しかも、建物がユニット建物である場合には、鋼製箱型地下ユニットとユニット建物との連結も容易である、という実用上有益な効果を発揮し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1の側面図である。
【図2】 図1の地下室付き離れの分解斜視図である。
【図3】 図2の地下室部分の分解斜視図である。
【図4】 (a)〜(d)は本発明の実施の形態2の地下室増設方法を示す図である。
【符号の説明】
1 ユニット建物
2 母屋
3 敷地
4 離れ
6 渡り廊下
7 地下室
10 箱型建物ユニット
12 鋼製箱型地下ユニット
31 既設の建物
32 基礎
Claims (2)
- 既設の建物を基礎を残してずらし、基礎の一部を壊してその部分に基礎と同じ高さだけ上部を地上に突出させて鋼製箱型地下ユニットを埋設し、建物を元の位置に戻すことにより、建物の地下に地下室を増設することを特徴とする地下室増設方法。
- 既設のユニット建物を基礎を残してずらし、基礎の一部を壊してその部分に基礎と同じ高さだけ上部を地上に突出させて箱型建物ユニットと同一モジュール寸法に形成された鋼製箱型地下ユニットを埋設し、ユニット建物を元の位置に戻して鋼製箱型地下ユニットと連結することにより、ユニット建物の地下に地下室を増設することを特徴とする地下室増設方法。
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JP04668199A JP4067213B2 (ja) | 1999-02-24 | 1999-02-24 | 地下室増設方法 |
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JP04668199A Expired - Lifetime JP4067213B2 (ja) | 1999-02-24 | 1999-02-24 | 地下室増設方法 |
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JP7475195B2 (ja) | 2020-05-13 | 2024-04-26 | 西日本高速道路株式会社 | 曳家用建物 |
-
1999
- 1999-02-24 JP JP04668199A patent/JP4067213B2/ja not_active Expired - Lifetime
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