JP4066148B2 - デジタルカメラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はデジタルカメラに係り、特に記録媒体に記録する画像データに対して電子透かし処理又は暗号化処理を施すことが可能なデジタルカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルカメラで撮影した画像はデジタルデータとして記録されるため、コンピュータによって容易に加工でき、また、ネットワークなどを介して容易に流通させることができるという利点がある。その一方で合成などの改ざんが容易であるため、撮影された画像の証拠としての信頼性が問題となる場合がある。また、複製・配布が容易なため、撮影した画像の著作権者の権利が充分に保護されないという問題もある。
【0003】
そこで、撮影されたデジタル画像の証拠能力を高め、著作権を保護するために、特開2001−144937号公報等には、撮影したデジタル画像に電子透かし処理を施すことが可能なデジタルカメラが提案されている。電子透かしは、デジタル画像中に人間に知覚されない別のデータを埋め込むもので、必要に応じて正当な資格や権利を有する者だけが埋め込んだデータを取り出せるようにしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開2001−144937号公報等に開示された電子透かし機能を備えたデジタルカメラは、電子透かし処理の要・不要をユーザが自らが設定しなければならず、手間がかかるという欠点がある。すなわち、実際の撮影では、必ずしも全ての画像に対して電子透かし処理を行なう必要はなく、必要な場合にだけ行なえばよいが、撮影のたびに電子透かし機能のON・OFFを切り替えなければならず、 操作が面倒になるという欠点がある。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、撮影状況に応じて自動で電子透かし処理又は暗号化処理を行なうことができるデジタルカメラを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、前記目的を達成するために、撮像素子で撮影した画像データを記録媒体に記録するデジタルカメラにおいて、前記記録媒体に記録する画像データの記録画素数又は圧縮率を設定する設定手段と、前記設定手段で設定された記録画素数又は圧縮率が、あらかじめ設定された規定記録画素数又は規定圧縮率である場合に前記記録媒体に記録する画像データに対して電子透かし処理又は暗号化処理を施す処理手段と、を備えたことを特徴とするデジタルカメラを提供する。
【0007】
また、請求項2に係る発明は、前記目的を達成するために、前記規定記録画素数又は前記規定圧縮率を設定する設定手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のデジタルカメラを提供する。
【0008】
また、請求項3に係る発明は、前記目的を達成するために、撮影モードを選択する選択手段を備え、前記処理手段は、前記設定手段で設定された記録画素数又は圧縮率が、あらかじめ設定された規定記録画素数又は規定圧縮率でない場合、前記選択手段で選択された撮影モードが、あらかじめ設定された規定撮影モードであるか否か判定し、あらかじめ設定された規定撮影モードである場合に前記記録媒体に記録する画像データに対して電子透かし処理又は暗号化処理を施すことを特徴とする請求項1又は2に記載のデジタルカメラを提供する。
また、請求項4に係る発明は、前記目的を達成するために、前記規定撮影モードを設定する設定手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載のデジタルカメラを提供する。
【0009】
本発明によれば、撮影した画像の記録画素数、圧縮率、撮影モードに応じて自動で電子透かし処理又は暗号化処理を行なうことができる。これにより、撮影のたびに設定する手間が省け、快適な撮影を行なうことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って本発明に係るデジタルカメラの好ましい実施の形態について詳説する。
【0011】
図1、図2は、それぞれ本発明に係るデジタルカメラの一実施形態を示す正面図と背面図である。同図に示すように、本実施の形態のデジタルカメラ10の正面には撮影レンズ12、ファインダ窓14、ストロボ16等が設けられており、上面にはシャッターボタン18が設けられている。また、背面にはファインダ20、電源ボタン22、モードレバー24、モードダイヤル26、十字ボタン28、メニュー/OKボタン30、キャンセルボタン32、液晶モニタ34等が設けられている。
【0012】
モードレバー24は、電源ボタン22を中心に回動自在に設けられており、このモードレバー24の位置を変えることにより、カメラの機能が変更される。すなわち、デジタルカメラ10は、このモードレバー24を回動操作することにより、静止画撮影を行なう撮影モードと、撮影した画像の再生を行なう再生モードと、機能設定を行なうセットアップモードとに切り替えられる。
【0013】
ここで、セットアップモードでは、ビープ音のON・OFF設定や日時設定等の基本設定の他、撮影画像についての電子透かし処理及び暗号化処理の要・不要について設定することができる。なお、この電子透かし処理及び暗号化処理の要・不要について設定については、のちに詳述する。
【0014】
モードダイヤル26は、回動自在に設けられており、このモードダイヤル26の位置を変えることにより、カメラの撮影モードが変更される。すなわち、デジタルカメラ10は、このモードダイヤル26を回動操作することにより、撮影モードをオートモード(AUTOモード)、プログラムオートモード(Pモード)、絞り優先AEモード(Aモード)、シャッター速度優先AEモード(Sモード)、マニュアルモード(Mモード)、シーンポジションモード(SPモード)に切り替えられる。なお、各撮影モードの内容については、 のちに詳述する。
【0015】
十字ボタン28は、それぞれ対応する4方向(上下左右)の指示を入力するボタンであり、たとえばメニュー画面が表示されている場合にメニュー画面からメニュー項目を選択したり、各メニューから各種設定項目の選択を指示するボタンとして機能する。また、撮影モード時にズームボタンとして機能したり、再生モード時にコマ送りボタンとして機能したりする。
【0016】
メニュー/OKボタン30は、メニュー画面の表示及び選択内容の確定、実行などに使用され、キャンセルボタン32は、メニューから選択した項目の取消や一つ前の操作状態に戻らせる時などに使用される。
【0017】
液晶モニタ34は、再生モード時に撮影した画像の再生用モニタとして使用されるとともに、メニューの表示画面として使用される。また、撮影モード時には、画角確認用の電子ビューファインダーとしても使用される。
【0018】
図3は、デジタルカメラ10の内部構成を示したブロック図である。同図に示すように、デジタルカメラ10は、CPU40、撮影回路42、画像処理回路44、圧縮・伸張回路46、記録回路48、表示回路50、スイッチ回路52、ROM54、RAM56、EEPROM58、透かしデータ埋め込み回路62、暗号化回路64等を備えている。
【0019】
CPU40は、他の回路を制御して撮影、画像データの記録、画像データの転送等の処理を司る。
【0020】
撮影回路42は、撮像素子(CCD)、A/D変換器等を備えており、撮影レンズ12を通して撮像素子の受光面上に結像された光学像を電気信号に変換し、画像信号として出力する。
【0021】
画像処理回路44は、撮影回路42から出力された画像信号に対して各種信号処理を施して画像データを生成する。
【0022】
圧縮・伸張回路46は、画像処理回路44で信号処理された画像データを圧縮するとともに、圧縮された画像データを伸張する。
【0023】
記録回路48は、圧縮・伸張回路46で圧縮された画像データをメモリカード66に記録するとともに、メモリカード66に記録された画像データの読み出しを行なう。
【0024】
表示回路50は、CPU40からの指令に基づき液晶モニタ34に画像を表示させるよう駆動し、また、スイッチ回路52は、シャッターボタン18、電源ボタン22、モードレバー24等の各種操作ボタン類が操作されたことを検出して、CPU40に伝達する。
【0025】
ROM54には、CPU40が処理するプログラム及び制御に必要な各種データ等が格納されており、RAM56は、画像処理領域の他、CPU40が各種の演算処理等を行うための作業用領域を有している。また、EEPROM(不揮発性メモリ)58には、ユーザが設定した各種設定情報等が格納される。
【0026】
透かしデータ埋め込み回路62は、CPU40からの指令に基づき画像データに電子透かしデータを埋め込む。また、暗号化回路64は、CPU40からの指令に基づき画像データを暗号化する。なお、電子透かし及び暗号化については、既存の手法を用いて行なうことができるので、ここでは具体的な処理の内容についての説明は省略する。
【0027】
上述したように本実施の形態のデジタルカメラ10では、撮影モードとして、オートモード(AUTOモード)、プログラムオートモード(Pモード)、絞り優先AEモード(Aモード)、シャッター速度優先AEモード(Sモード)、マニュアルモード(Mモード)、シーンポジションモード(SPモード)の3つのモードを選択することができる。
【0028】
オートモード(AUTOモード)は、露出設定をカメラ側が自動で設定するモードであり、被写体の明るさに応じて絞りとシャッタースピードの最適な組み合わせをカメラが自動的に決定する。
【0029】
プログラムオートモード(Pモード)は、ユーザが各種設定を組み合わせて撮影できるモードであり、たとば次の9項目について設定できるものとする。すなわち、▲1▼セルフタイマ、▲2▼ホワイトバランス、▲3▼感度、▲4▼マニュアルフォーカス、 ▲5▼シャープネス、▲6▼ストロボ光量、▲7▼露出補正、▲8▼多重露光、▲9▼測光について設定することができるものとする。
【0030】
ここで、▲1▼セルフタイマは、シャッターボタン18を押した後、所定時間経過後に撮影が行なわれる機能である。
【0031】
▲2▼ホワイトバランスは、ホワイトバランスが所定の環境下・照明光下に適合するように固定する機能であり、たとえば「晴れた屋外での撮影」、「日陰での撮影」、「昼光色蛍光灯下での撮影」、「昼白色蛍光灯下での撮影」、「電球・白熱灯下での撮影」というように、あらかじめ設定された撮影シーンから選択して設定できるものとする。
【0032】
▲3▼感度は、CCDの受光感度を設定する機能であり、たとえば、100、200、400というように、あらかじめ設定された感度から選択して設定できるものとする。
【0033】
▲4▼マニュアルフォーカスは、ピント調節を手動で行なう機能であり、撮影時は、たとえば十字ボタン28の左右のボタンを操作してピントを調節するものとする。
【0034】
▲5▼シャープネスは、撮影画像の輪郭をソフトにしたり強調したり、 撮影画質を調整する機能であり、たとえば、ハード(輪郭を強調する)、ソフト(輪郭をソフトにする)、ノーマル(通常処理)から選択して設定できるものとする。
【0035】
▲6▼ストロボ光量は、ストロボ16の光量を補正する機能であり、たとえば0. 3EVステップ、−0.6EV〜+0.6EVの範囲で補正できるものとする。
【0036】
▲7▼露出補正は、露出を補正する機能であり、たとえば0. 3EVステップ、−1.5EV〜+1.5EVの範囲で補正できるものとする。
【0037】
▲8▼多重露光は、画像を重ね合わせて撮影する機能であり、たとえば重ね合わせる回数(露光回数)を選択できるものとする。
【0038】
▲9▼測光は、測光方式を変更する機能であり、たとえばアベレージ(画面全体を平均して測光する)、スポット(画面中央部の露出が最適になるように測光する)、マルチ(自動で場面を判断し、露出が最適になるように測光する)の3方式の中から選択できるものとする。
【0039】
なお、各項目の設定は液晶モニタ34を利用して行なわれ、たとえばマニュアルモード下でメニュー/OKボタン30を押すことにより、液晶モニタ34上に設定画面が現われる。
【0040】
絞り優先AEモード(Aモード)は、ユーザが絞り値を設定して撮影するモードであり、ユーザが絞り値を設定すると、そのときの被写体の明るさに応じて適正な露出となるようにカメラ側が自動的にシャッタースピードを決定する。なお、絞り値の設定は、たとえば十字ボタン28の左右ボタンの操作で行ない、その設定値は液晶モニタ34上に表示されるものとする。
【0041】
シャッタースピード優先AEモード(Sモード)は、ユーザがシャッタースピードを設定して撮影するモードであり、ユーザがシャッタースピードを設定すると、そのときの被写体の明るさに応じて適正な露出となるようにカメラ側が自動的に絞り値を決定する。なお、シャッタースピードの設定は、たとえば十字ボタン28の左右ボタンの操作で行ない、その設定値は液晶モニタ34上に表示されるものとする。
【0042】
マニュアルモード(M)は、ユーザが絞り値・シャッタースピードを設定して撮影する機能であり、その設定はたとえば十字ボタン28の操作で行ない、その設定値は液晶モニタ34上に表示されるものとする。
【0043】
シーンポジションモード(SP)は、設定した撮影シーンに合わせてカメラ側が自動で最適な露出を設定するモードであり、たとえば、▲1▼人物撮影、▲2▼風景撮影、▲3▼夜景撮影、▲4▼スポーツ撮影、▲5▼モノクロ撮影を選択して設定できる。ここで、▲1▼人物撮影では人物を撮影するのに適した撮影制御が行なわれ、▲2▼風景撮影では昼間の風景撮影に適した撮影制御が行なわれる。また、▲3▼夜景撮影では、夕景や夜景の撮影に適した撮影制御が行なわれ、▲4▼スポーツ撮影では、動体を撮影するのに適した撮影制御が行なわれる。また、▲5▼モノクロ撮影では、撮影画像がモノクロとなるように処理される。
【0044】
なお、各撮影シーンの設定は、液晶モニタ34を利用して行なわれ、たとえばシーンポジションモード下でメニュー/OKボタン30を押すことにより、液晶モニタ34上に設定画面が現われる。ユーザは、液晶モニタ34に現われた項目を選択して設定する。
【0045】
また、本実施の形態のデジタルカメラ10は、メモリカード66に記録する画像データの画像サイズ(記録画素数)と圧縮率を設定でき、その設定はメニューから呼び出して行なわれる。
【0046】
画像サイズは、たとえば6M(2832×2128ピクセル)、3M(2048×1536ピクセル)、1M(1280×960ピクセル)、VGA(640×480ピクセル)の4つのサイズから選択できるものとし、液晶モニタ34を利用して設定する。すなわち、たとえば各撮影モード下でメニュー/OKボタン30を押すことにより、液晶モニタ34上に設定画面が現われ、ユーザは画面の指示に従って設定する。
【0047】
圧縮率、たとえばHI(非圧縮)、FINE(1/4)、NORMAL(1/8)、BASIC(1/16)の4つの中から選択して設定できるものとし、液晶モニタ34を利用して設定する。すなわち、たとえば各撮影モード下でメニュー/OKボタン30を押すことにより、液晶モニタ34上に設定画面が現われ、ユーザは画面の指示に従って設定する。
【0048】
また、上述したように本実施の形態のデジタルカメラ10では、電子透かし処理及び暗号化処理の要・不要について設定することができる。そして、この設定は、▲1▼画像サイズ(記録画素数)による設定、▲2▼圧縮率による設定、▲3▼撮影モードによる設定、▲4▼シーンポジションによる設定が可能とされ、たとえば次のように行なわれる。
【0049】
モードレバー24を操作してカメラをセットアップモードに設定すると、液晶モニタ34にセットアップ画面が表示される (不図示)。そして、その中から電子透かし処理・暗号化処理の設定を選択すると、図4(a)に示すように、液晶モニタ34上に電子透かし処理と暗号化処理の選択画面が表示される。ここでは、電子透かし処理と暗号化処理のいずれの処理の設定を行なうかを選択する。なお、選択は十字ボタン28の操作で行い、選択した項目が黒字に白抜き文字で表示される(図4(a)では、電子透かし処理を選択している。)。
【0050】
ここで、電子透かし処理の設定を選択すると、同図(b)に示すように、液晶モニタ34に電子透かし処理の設定画面が表示され、暗号化処理を選択すると、同図(c)に示すように、液晶モニタ34に暗号化処理の設定画面が表示される。電子透かし処理と暗号化処理は、それぞれ▲1▼画像サイズ、▲2▼圧縮率、▲3▼撮影モード、▲4▼シーンポジションの各項目ごとにON (要)/OFF(不要)を設定でき、この他、各項目ごとにカスタム設定が可能とされている。
【0051】
▲1▼画像サイズによる設定では、ONを選択すると、3Mと6Mで記録される画像に対して電子透かし処理及び暗号化処理が行なわれる。すなわち、ONが選択されると、規定画像サイズが3Mと6Mに設定され、3Mと6Mで画像が撮影されると、自動で電子透かし処理及び暗号化処理が行なわれる。これは画像サイズが小さいときは、電子透かしや暗号化の必要性は低いと考えられることに基づくものであり、OFFを選択すると、画像サイズによる電子透かし処理又は暗号化処理は行なわれない。
【0052】
また、CUSTOMを選択すると、同図(d)に示すように、画像サイズの選択画面が液晶モニタ34に表示され、ユーザは、この表示に従って各画像サイズごとに個別に電子透かし処理又は暗号化処理のON (要)/OFF(不要)を選択できるようにされている(規定画像サイズをユーザが個別に設定できるようにされている。)。
【0053】
なお、選択は十字ボタン28の操作で行い、選択した項目が黒字に白抜き文字で表示される(図4(c)において、画像サイズはCUSTOMを選択、図4(d)において、6MはON、3MはON、1MはOFF、VGAはOFFを選択している。)。
【0054】
▲2▼圧縮率による設定では、ONを選択すると、HIとFINEで記録される画像に対してのみ電子透かし処理及び暗号化処理が行なわれる。すなわち、ONを選択すると、規定圧縮率がHIとFINEに設定され、HIとFINEで画像が撮影されると、自動で電子透かし処理及び暗号化処理が行なわれる。これは圧縮率が高いときは、電子透かしや暗号化の必要性は低いと考えられることに基づくものであり、OFFを選択すると、圧縮率による電子透かし処理又は暗号化処理は行なわれない。
【0055】
また、CUSTOMを選択すると、同図(e)に示すように、圧縮率の選択画面が液晶モニタ34に表示され、ユーザは、この表示に従って各圧縮率ごとに個別に電子透かし処理又は暗号化処理のON (要)/OFF(不要)を選択できるようにされている(規定圧縮率をユーザが個別に設定できるようにされている。)。
【0056】
なお、選択は十字ボタン28の操作で行い、選択した項目が黒字に白抜き文字で表示される(図4(c)において、圧縮率はCUSTOMを選択し、図4(e)において、HIはON、FINEはON、NOMALはOFF、BASICはOFFを選択している。)。
【0057】
▲3▼撮影モードによる設定では、ONを選択すると、オートモード以外で撮影された画像に対して電子透かし処理及び暗号化処理が行なわれる。すなわち、ONが選択されると、規定撮影モードがプログラムオートモード、絞り優先AEモード、シャッター速度優先AEモード、 マニュアルモードに設定され、これらのモードで画像が撮影されると、自動で電子透かし処理及び暗号化処理が行なわれる。これはオート撮影時には、電子透かしや暗号化の必要性は低いと考えられることに基づくものであり、OFFを選択すると、撮影モードによる電子透かし処理又は暗号化処理は行なわれない。
【0058】
また、CUSTOMを選択すると、同図(f)に示すように、撮影モードの選択画面が液晶モニタ34に表示され、ユーザは、この表示に従って各撮影モードごとに個別に電子透かし処理又は暗号化処理のON(要)/OFF(不要)を選択できるようにされている(規定撮影モードをユーザが個別に設定できるようにされている。)。
【0059】
なお、選択は十字ボタン28の操作で行い、選択した項目が黒字に白抜き文字で表示される(図4(c)において、撮影モードはOFFを選択し、図4(f)において、オートモードはOFF、プログラムオートモードはOFF、絞り優先AEモードはON、シャッター速度優先AEモードはON、マニュアルモードはONを選択している。)。
【0060】
▲4▼シーンポジションによる設定では、ONを選択すると、人物撮影モードと風景撮影モードで撮影された画像に対して電子透かし処理及び暗号化処理が行なわれる。すなわち、ONが選択されると、規定シーンポジション(規定撮影モード)が、人物撮モード影と風景撮影モードに設定され、これらのモードで画像が撮影されると、自動で電子透かし処理又は暗号化処理が行なわれる。これは人物撮影や風景撮影は、電子透かしや暗号化の必要性が高いと考えられることに基づくものであり、OFFを選択すると、シーンポジションによる電子透かし処理又は暗号化処理は行なわれない。
【0061】
また、CUSTOMを選択すると、同図(g)に示すように、シーンポジションの選択画面が液晶モニタ34に表示され、ユーザは、この表示に従って各シーンポジションごとに個別に電子透かし処理又は暗号化処理のON(要)/OFF(不要)を選択できるようにされている(規定シーンポジション(規定撮影モード)をユーザが個別に設定できるようにされている。)。
【0062】
なお、選択は十字ボタン28の操作で行い、選択した項目が黒字に白抜き文字で表示される(図4(c)において、シーンポジションはOFFを選択し、図4(g)において、人物撮影はON、風景撮影はOFF、スポーツ撮影はON、夜景撮影はON、モノクロ撮影はOFFを選択している。)。
【0063】
次に前記のごとく構成された本実施の形態のデジタルカメラ10による撮影画像の記録処理手順について説明する。
【0064】
図5は、撮影画像の記録処理の流れを示すフローチャートである。同図に示すように、撮影が実行されると(ステップS10)、初めに電子透かし処理についての要否が判定される。
【0065】
すなわち、まず、撮影された画像が電子透かし処理を行なうとされている規定画像サイズで撮影されたものであるか否かが判定される(ステップS12)。この判定の結果、規定画像サイズで撮影されたものである場合は、透かしデータ埋め込み回路62にて画像データに透かしデータが埋め込まれ、電子透かし処理が施される(ステップS14)。
【0066】
一方、規定画像サイズで撮影されたものでない場合は、次に、電子透かし処理を行なうとされている規定圧縮率で撮影されたものであるか否かが判定される(ステップS16)。この判定の結果、規定圧縮率で撮影されたものである場合は、前記同様に透かしデータ埋め込み回路62にて電子透かし処理が施される(ステップS14)。
【0067】
また、規定圧縮率で撮影されたものでない場合は、次に、電子透かし処理を行なうとされている規定撮影モードで撮影されたものであるか否かが判定される(ステップS18)。この判定の結果、規定撮影モードで撮影されたものである場合は、前記同様に透かしデータ埋め込み回路62にて電子透かし処理が施される(ステップS14)。
【0068】
また、規定撮影モードで撮影されたものでない場合は、次に、電子透かし処理を行なうとされている規定シーンポジションで撮影されたものであるか否かが判定される(ステップS20)。この判定の結果、規定シーンポジションで撮影されたものである場合は、前記同様に透かしデータ埋め込み回路62にて電子透かし処理が施される(ステップS14)。
【0069】
また、規定シーンポジションで撮影されたものでない場合は、電子透かし処理は行なわず、そのまま次の暗号化処理についての要否が判定される。また、電子透かし処理を施した画像についても、電子透かし処理後、暗号化処理についての要否が判定される。
【0070】
まず、撮影された画像が暗号化処理を行なうとされている規定画像サイズで撮影されたものであるか否かが判定される(ステップS22)。この判定の結果、規定画像サイズで撮影されたものである場合は、暗号化回路64にて暗号化処理が施される(ステップS24)。
【0071】
一方、規定画像サイズで撮影されたものでない場合は、次に、暗号化処理を行なうとされている規定圧縮率で撮影されたものであるか否かが判定される(ステップS26)。この判定の結果、規定圧縮率で撮影されたものである場合は、前記同様に暗号化回路64にて暗号化処理が施され(ステップS24)、その後、記録回路48を介してメモリカード66に記録される(ステップS32)。
【0072】
また、規定圧縮率で撮影されたものでない場合は、次に、暗号化処理を行なうとされている規定撮影モードで撮影されたものであるか否かが判定される(ステップS28)。この判定の結果、規定撮影モードで撮影されたものである場合は、前記同様に暗号化回路64にて暗号化処理が施され(ステップS24)、その後、記録回路48を介してメモリカード66に記録される(ステップS32)。
【0073】
また、規定撮影モードで撮影されたものでない場合は、次に、暗号化処理を行なうとされている規定シーンポジションで撮影されたものであるか否かが判定される(ステップS30)。この判定の結果、規定シーンポジションで撮影されたものである場合は、前記同様に暗号化回路64にて暗号化処理が施され(ステップS24)、その後、記録回路48を介してメモリカード66に記録される(ステップS32)。
【0074】
一方、規定シーンポジションで撮影されたものでない場合は、暗号化処理は行なわず、そのままメモリカード66に記録される(ステップS32)。
【0075】
このように、本実施の形態のデジタルカメラ10では、撮影する画像の画像サイズや圧縮率に応じて電子透かし処理と暗号化処理の要否をあらかじめ設定しておくことにより、その設定で撮影した場合には自動で電子透かし処理又は暗号化処理が施される。これにより、撮影のたびに電子透かし処理や暗号化処理の要否を設定する煩わしさがなくなり、快適な撮影を行なうことができる。
【0076】
また、本実施の形態のデジタルカメラ10では、電子透かし処理又は暗号化処理を必要とする画像サイズや圧縮率をユーザが自由に設定することができるので(カスタム設定)、さまざまな撮影条件に臨機応変に対応することができる。
【0077】
なお、本実施の形態のデジタルカメラ10では、電子透かし処理と暗号化処理の両方の機能を備えたデジタルカメラを例に説明したが、電子透かし処理又は暗号化処理のいずれか一方の機能のみを備えたデジタルカメラにも本発明は適用することができる。
【0078】
また、本実施の形態のデジタルカメラ10では、電子透かし処理と暗号化処理の要・不要を▲1▼画像サイズ、▲2▼圧縮率、▲3▼撮影モード、▲4▼シーンポジションの各項目ごとに設定できることとしているが、画像サイズに応じてのみ、あるいは圧縮率に応じてのみ設定できるようにしてもよい。同様に撮影モードやシーンポジションに応じてのみ設定できるようにしてもよく、これらのうちいくつかに付いてのみ設定できるようにしてもよい。
【0079】
また、ユーザによる設定機能をなくし、メーカで設定された規定の画像サイズ、規定の圧縮率、規定の撮影モード、規定のシーンポジションで撮影された場合は自動的に電子透かし処理又は暗号化処理が施されるようにしてもよい。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、撮影した画像の記録画素数、圧縮率、撮影モードに応じて自動で電子透かし処理又は暗号化処理を行なうことができるので、撮影のたびに設定する手間が省け、快適な撮影を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るデジタルカメラの一実施形態を示す正面図
【図2】本発明に係るデジタルカメラの一実施形態を示す背面図
【図3】デジタルカメラの内部構成を示したブロック図
【図4】電子透かし処理・暗号化処理の設定画面を説明する説明図
【図5】撮影画像の記録処理の流れを示すフローチャート
【符号の説明】
10…デジタルカメラ、12…撮影レンズ、14…ファインダ窓、16…ストロボ、18…シャッターボタン、20…ファインダ、22…電源ボタン、24…モードレバー、26…モードダイヤル、28…十字ボタン、30…メニュー/OKボタン、32…キャンセルボタン、34…液晶モニタ、40…CPU、42…撮影回路、44…画像処理回路、46…圧縮・伸張回路、48…記録回路、50…表示回路、52…スイッチ回路、54…ROM、56…RAM、58…EEPROM、62…透かしデータ埋め込み回路、64…暗号化回路、66…メモリカード
Claims (4)
- 撮像素子で撮影した画像データを記録媒体に記録するデジタルカメラにおいて、
前記記録媒体に記録する画像データの記録画素数又は圧縮率を設定する設定手段と、
前記設定手段で設定された記録画素数又は圧縮率が、あらかじめ設定された規定記録画素数又は規定圧縮率である場合に前記記録媒体に記録する画像データに対して電子透かし処理又は暗号化処理を施す処理手段と、
を備えたことを特徴とするデジタルカメラ。 - 前記規定記録画素数又は前記規定圧縮率を設定する設定手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のデジタルカメラ。
- 撮影モードを選択する選択手段を備え、前記処理手段は、前記設定手段で設定された記録画素数又は圧縮率が、あらかじめ設定された規定記録画素数又は規定圧縮率でない場合、前記選択手段で選択された撮影モードが、あらかじめ設定された規定撮影モードであるか否か判定し、あらかじめ設定された規定撮影モードである場合に前記記録媒体に記録する画像データに対して電子透かし処理又は暗号化処理を施すことを特徴とする請求項1又は2に記載のデジタルカメラ。
- 前記規定撮影モードを設定する設定手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載のデジタルカメラ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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