JP4065325B2 - 結合された細断繊維で不織ウェブを形成するための細断繊維のストランドの収集及び堆積 - Google Patents
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Description
本発明は、一般的には、細断繊維材料の収集に関し、更に詳細には、細断繊維をそのような繊維の供給源から収集し、且つ細断繊維を、通常細断ストランドマットと称される結合された細断繊維の不織ウエブに加工すべく収集面に堆積させるための装置に関する。本発明は、一般的には、無機及び有機繊維材料を含む広範な種類の繊維材料に適用できるけれども、ここでは、本発明が特に適用でき且つ発明を最初に適用するガラス繊維を参照して本発明を説明する。
発明の背景
ガラスフィラメントのような繊維材料の連続ストランドが、例えば断熱材として使用されるそのような材料のマットを作るために反コアンダ効果面を使用して収集され分配されてきた。そのような設備の例が、米国特許第4,300,931号、同第4,466,819号及び同第4,496,384号に開示されている。そのような連続ストランドは、典形的には、コアンダ効果面に通される前にストランドにスプレーされ、或いは他の方法で付けられるバインダー又はサイジングで被覆されるので、湿式で取り扱われる。
これらの連続繊維と違って、細断繊維は乾燥しているので、繊維の処理中に静電気がかなり発生することがある。従って、細断繊維を取り扱うとき、静電気を抑制し又は分散させるための設備が、通常、設けられる。不幸にも、静電気抑制設備は乾燥した細断繊維を取り扱う設備に費用を追加し、メンテナンスに関してそれ自体の問題を引き起こすことがある。
そうだとしても、結合された細断ガラスの不織ウエブ、即ち細断ストランドマットは多年製造されてきた。その製造の最初の段階が細断ガラスを収集し、それを移動収集面の上に堆積させることであり、できた細断ガラスマットは処理されて、細断ストランドマットを生産する。細断機が収集面を囲む形成フードの上に位置決めされ、細断機は細断ガラスをフードの頂部の開口から形成フードに供給して、細断ガラス流を収集面に向って差し向ける。ガラス流を分散させる試みとして空気ノズルをガラス流の中へ斜めに向ける。
細断器の各々に供給されるガラスストランドの量は調節され、細断ガラスを収集面に均等に分配させる試みとしてノズルが曲げられる。収集面は孔明きであり、細断ガラスの均等な分配を助けるために空気を収集面から吸う。不幸にも、収集面の均一な繊維分配を達成するためのこれらの努力は、いつも、成功しない。
かくして、そのような繊維源から細断繊維を収集し、且つ細断繊維を均等に分配し、それにより、細断繊維を細断ストランドマットにより良好に処理することができるように細断繊維を収集面に堆積させる改良装置の要望がある。好ましくは、そのような装置は、既存の細断繊維の取扱いに関連する形成フード内の空気乱流及び静電気の問題に打ち勝つ。
発明の概要
この要望は、入口コーン、空気増幅器及び出口コーンを互いに関連させて、細断繊維を受入れ且つそれを出口コーンの出口端を越えて移動する収集面又はウエブ上に強勢的に堆積させる空気キャノンを形成する本発明の方法及び装置によって満たされる。バインダーをできた細断繊維マットに付け、バインダーを熱のようなエネルギーを加えることによって活性化させるのが良く、できた処理済みマットは圧縮され、冷却され、巻上げられて、細断ストランドマットのパッケージを形成する。幅広いマットについては、各々が少なくとも1つ又は好ましくは複数の空気キャノンで作られた1又は2以上の列が移動収集ウエブを横切って延びる。複数の空気キャノンを含む列の空気キャノンは、好ましくは、ウエブの上流及び下流に一つおきに差し向けられて、空気キャノン間の干渉を減少させ、空気キャノンを個々に調節して、ウエブを横切る空気キャノンの照準方向を変えることもできる。空気キャノンは細断繊維をウエブに強勢的に差し向け、それにより、形成フード内の空気乱流及び静電気による力に打ち勝つ。
本発明の1つの側面によれば、細断繊維材料を収集し且つ受入れた細断繊維を移動収集面に堆積させるための空気キャノンは、その中を通る通路を構成する空気増幅器を有し、空気増幅器は入口及び出口を有する。空気増幅器は、空気オリフィスから空気増幅器の通路に入る圧縮空気によって駆動される。入口コーンの出口端は空気増幅器の入口に隣接して位置決めされ、入口コーンの入口端は細断繊維を受入れ且つそれらを空気増幅器に差し向ける。出口コーンの入口端は空気増幅器の出口に隣接して位置決めされ、出口コーンの出口端は細断繊維を移動収集面に差し向ける。本発明の実施形態では、入口コーン及び出口コーンは円錐台形として形成され、入口コーンの入口端は入口コーンの出口端よりも大きく、出口コーンの出口端は出口コーンの入口端よりも大きい。
空気増幅器は最小内径を有し、入口コーンの出口端は、好ましくは、最小内径の約0.75倍乃至約1.25倍に寸法決めされる。入口コーンの出口端は又、好ましくは、約1/32インチ(0.8mm)乃至約1/2インチ(12.7mm)の範囲の距離だけ空気オリフィスから間隔を隔てられる。空気増幅器の出口端は最小外径を有し、出口コーンの入口端は最小外径の約1.00倍乃至約1.25倍に寸法決めされる。空気増幅器、入口コーン及び出口コーンの対称軸線Aは互いに実質上整合し、好ましくは、空気増幅器、入口コーン及び出口コーンの対称軸線Aは約0.125インチ(3.2mm)内で互いに整合する。繊維が細断繊維の供給源から放出されるとき、空気キャノンによる細断繊維の適確な受入れのために、入口コーン、空気増幅器及び出口コーンの実質上整合した対称軸線Aは細断繊維の速度ベクトルから45°内にある。
本発明の他の側面によれば、細断繊維材料を収集し且つ受入れた細断繊維を移動収集面に堆積させるための装置は、移動収集面を横切って取付けられた少なくとも1つの列の空気キャノンを有する。列は少なくとも1つの又は好ましくは複数の空気キャノンを有し、複数の空気キャノンはそれらの間の干渉を減少させるように互いに関して位置決めされる。本発明の実施形態では、複数の空気キャノンの隣接した空気キャノン間の干渉を減少させるために、装置は複数の空気キャノンを取付けるための複数のほぼL形のロッドを更に有する。L形ロッドは、一つおきの空気キャノンを移動収集面の運動に関して上流及び下流に差し向けるように形成される。L形ロッドは支持フレームに取付けられたほぼ水平な脚と、空気キャノンを固定するほぼ垂直な脚とを有する。空気キャノンの一つおきの上流/下流方向づけを成し遂げるために、L形ロッドは、そのほぼ水平な脚とほぼ垂直な脚との間に一つおきの鋭角及び鈍角を有する。
取付けロッドのほぼ水平な脚は、空気キャノンが移動収集面の交差方向に移動できるように支持フレームに回転可能に取付けられる。調節アームが、L形ロッドのほぼ水平な脚、従ってほぼ垂直な脚及びそれに固定されている空気キャノンの回転方向位置を調節するためにほぼ水平な脚に固定される。係止装置が調節アーム、従ってほぼ水平な脚を好ましい回転方向位置に係止するように調節アームと関連する。実施形態では、係止装置は調節アームの長円形孔の中を通るアイボルトと、アイボルトに枢動可能に取付けられたカムレバーとを有する。カムレバーを、長円形孔及びアイボルトによって定められた限度内で、調節アームが移動できるように調節アームを解放する1つの位置に移動させる。係止位置では、カムレバーは、取付けロッドの調節及びそれによる空気キャノンの交差方向位置決めを維持するために調節アームを支持フレームに固定する。
本発明の更に他の側面によれば、細断ストランドマットを形成するための方法は、繊維材料のストランドを細断する段階、細断ストランドを少なくとも1つの空気キャノンの中に通してこれを分散させ、細断ストランドを移動収集面に押しつける段階、バインダーを細断ストランドに付ける段階、エネルギーを加えてバインダーを活性化させる段階、活性化したバインダーと細断ストランドの組合せを圧縮する段階、及び活性化したバインダーと細断繊維の組合せを冷却して連続細断ストランドマットを形成する段階を有する。この方法は、連続細断ストランドマットを巻上げてパッケージを形成する段階を更に有しても良い。細断ストランドを少なくとも1つの空気キャノンの中に通して細断ストランドを移動収集面に押しつける段階は、細断ストランドを少なくとも2つの空気キャノンの中に通す段階を有するのが良く、この方法は少なくとも2つの空気キャノンの一つおきの空気キャノンを移動収集面に関して上流及び下流に向ける段階を更に有する。細断繊維を収集面にもっと均等に分配させるために、この方法は、少なくとも2つの空気キャノンを移動可能に取付けて、その各々を移動収集面を横切る範囲内で選択的に差し向ける段階を更に有するのが良い。
本発明の更に他の側面によれば、細断繊維材料を収集し且つ受入れた細断繊維を移動収集面に堆積させるための方法は、細断繊維を、それを受入れるための入口端と、出口端と、を有する入口コーン内に収集する段階、収集した細断繊維を入口コーンの出口端から空気増幅器の入口端に差し向ける段階、及び繊維を空気増幅器の出口から入口コーンに通して移動収集面に分散させる段階を更に有する。
かくして、本発明の方法及び装置の目的は、できた細断繊維マットを細断ストランドマットに処理するために移動収集面上に細断繊維の改善した堆積を行わせること、入口コーン、空気増幅器及び出口コーンを含む空気キャノンによって移動収集面上に細断繊維の改善した堆積を行わせること、面を横切って取付けられた少なくとも1つの列の空気キャノンを使用して移動収集面上に細断繊維の改善した堆積を行わせること、及び空気キャノンの少なくとも1つの列の中の一つおきの空気キャノンを上流及び下流に差し向けて、交差方向に調節可能な空気キャノン間の干渉を減少させるように面を横切って取付けられた少なくとも1つの列の空気キャノンを使用して、移動収集面上に細断繊維の改善した堆積を行わせることにある。
本発明のその他の目的及び利益は以下の説明、添付図面及び請求の範囲から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明による作動可能な空気キャノンの斜視図である。
図2は図1の空気キャノンの立面図である。
図2Aは図1及び図2の空気増幅器の横断面図である。
図3、図4、図5はそれぞれ、図1及び図2に示したような空気キャノンの列を含む装置の正面図、上面図、側面図である。
図6は、図3乃至図5に示した空気キャノンの列の上流に差し向けられた空気キャノンの切断線6−6における横断面図である。
図7は、図3乃至図5に示した空気キャノンの列の下流に差し向けられた空気キャノンの切断線7−7における横断面図である。
図8は、図3乃至図5に示した空気キャノンのマット交差方向の位置決めを調節するための調節アームを示す。
図9は、本発明による細断ストランドマットの製造機械の図式的な側面図である。
発明の詳細な説明及び好ましい実施形態
今、図面を参照すれば、図1及び図2は空気キャノン100を示し、空気キャノン100は細断ガラス繊維のような細断繊維材料を単独で又は空気キャノン100の列で収集し、受入れた細断繊維を図3乃至図5及び図9に示すように移動収集面102に堆積させる。空気キャノン100は、その中を通る通路106を構成する空気動力式空気増幅器104を有し、空気増幅器104は入口108と出口110とを有する。空気増幅器104は、圧縮空気源113から空気流入口112に注入される圧縮空気によって駆動され(図5参照)、圧縮空気は入口112から環状室112aの中へ通り、空気オリフィス114から高速度で空気増幅器104の通路106の中へ通る(図2A参照)。
圧縮空気は、空気増幅器104の内面104aの部分によって構成された環状コアンダ輪郭112cにくっつく第1空気流れ112bを形成する。周囲空気の高容積流量を空気増幅器104の中へ誘導する一次流れ112bによって低圧領域104bが形成される。空気増幅器104として使用することができる空気増幅器が多数の出所から商業的に入手できる。本適用例の発明の実施形態については、オハイオ州、シンシナティーのエグゼア(Exair)社から購入し、型番号6034で特定される空気増幅器を、20PSIG(138kPa)乃至100PSIG(689kPa)に調節された圧縮空気供給源によって作動した。
図1及び図2を再び参照すれば、空気キャノン100は入口コーン116を含み、入口コーン116は空気増幅器104の入口108に隣接して位置決めされた出口端118とそれよりも大きい入口端120とを有する。入口コーン116の入口端120は細断繊維を受入れ、それらを空気増幅器104に差し向ける。ディフューザ即ち出口コーン124の入口端122が空気増幅器104の出口110に隣接して位置決めされ、出口コーン124の出口端126が細断繊維を移動収集面102の上に差し向ける。入口コーン116及び出口コーン124は、好ましくは、その寿命を延ばすために窒化ステンレススチールで円錐台形として作られる。明らかなように、その他の幾何学的形状のコーンを本発明に使用することができる。
図1、図2、図6及び図7に示すように、好ましくは、入口コーン116は空気増幅器104に直接取付けられず、空気増幅器104の通路106での細断繊維の衝撃を減少させることによって、空気増幅器104の内面104a(図2A参照)の摩耗を減少させるために、受入れられた細断繊維を空気増幅器104の入口領域に案内するように寸法決めされ且つ位置決めされる。空気増幅器104の入口108は最小内径MIDを有し、入口コーン116の出口端118は、好ましくは、空気増幅器104の最小内径MIDの0.75倍乃至1.25倍に寸法決めされる。入口コーン116の側壁の角度を入口コーン116の軸線Aに対して約0°乃至約45°に変化させることができる。又、入口コーン116の出口端118は、好ましくは、約1/32インチ(0.8mm)から約1/2インチ(12.7mm)までの範囲の距離だけ空気オリフィス114から間隔を隔てられる。
空気増幅器104の出口110は最小外径MODを有し、出口コーン124の入口端122は、好ましくは、空気増幅器104の最小外径MODの約1倍乃至約1.25倍に寸法決めされる。図示するように、出口コーン124は、出口110を構成する空気増幅器104の端の少なくとも一部分に嵌る延長部128を含む。しかしながら、その他の取付け構成が可能であり、例えば、出口コーン124を、その入口122が空気増幅器104の出口110から約1.5インチ(3.81cm)まで間隔を隔てるように取付けることができる。出口コーン124の側壁の角度を出口コーン116の軸線Aに対して約0°乃至10°の間で変化させることができる。
空気増幅器104、入口コーン116及び出口コーン124の対称軸線Aは互いに実質上整合する。図2に示すように、対称軸線Aは完全に整合している。そのような整合が好ましいけれども、入口コーン116及び出口コーン124の対称軸線Aが空気増幅器の対称軸線Aから約0.125インチ(3.2mm)内で整合していれば、空気キャノン100は適正に作動する。繊維が繊維細断機のような細断繊維源から放出され、且つ入口コーン116の入口端120が繊維細断機からの放出部から約18インチ(45.7cm)内に配置されるとき、空気増幅器104、入口コーン116及び出口コーン124の実質上整合した対称軸線Aが細断繊維の速度ベクトルV(図1参照)から約45°内にあるならば、空気キャノン100の適正な作動が本発明の実施形態において観察されている。
圧縮空気が空気増幅器104に供給されるとき、細断繊維と周囲空気は入口コーン116に吸い込まれる。入口コーン116は周囲空気と繊維を空気増幅器104のスロートに案内して、空気増幅器104に衝撃を与える繊維の数を実質的に減少させ、空気増幅器104の摩耗を減少させ且つその使用寿命を延ばす。空気増幅器104は推進力を生じさせて、空気と細断繊維を空気キャノン100から搬送する。出口コーン124は、空気増幅器104から流れる空気と細断繊維の減速及び拡散を調節する。出口コーン124の出口端126は移動収集面102に向けられて、細断繊維を面102に差し向ける。空気乱流及び静電気力は空気キャノン100を使用することによって打ち負かされ、その結果、細断繊維は収集面102に均等に堆積され、静電気抑制装置を必要としない。
細断繊維を面102のような幅広い移動収集面に亘って堆積させるために、図3及び図4に示すように、少なくとも1つの列130の空気キャノン100が面102を横切って取付けられる。空気キャノン100の1又は2以上の追加の列130を、面102に堆積される細断繊維のマットの厚さを増すために設けることができ、2列の空気キャノン130を図9に図式的に示す機械に示す。1つの列が単一の空気キャノンを有し、一連の列を面102に亘って階段状に並べ又は千鳥に配列することができるけれども、好ましくは、列130は複数の空気キャノン100を有し、複数の空気キャノン100は面102を横切って直線に取付けられ、空気キャノン100間の干渉を減少させるように互いに関して位置決めされる。図3及び図4に示すように、7つの空気キャノン100が列130に含まれるが、もちろん、7つより多い又はそれより少ない空気キャノンを面102及び空気キャノンの大きさに応じて1つの列に使用することができる。
面102への細断繊維の堆積を幾分助け、もっと重要なことには、空気キャノン100から受入れた空気を運び去るために、移動収集面102は孔明きであり、空気は、例えばブロワ131(図9参照)によって、面102から吸われる。面102は、矢印132(図4及び図5参照)で指示したように、列130の上流から下流に移動する。図3及び図4に示す7つの空気キャノン100の列130については、空気キャノン100からの空気及び細断繊維の流れ間の干渉を減少させるために、4つの空気キャノン100A、100C、100E、100Gが上流に向けられ、3つの空気キャノン100B、100D、100Fが下流に向けられる。図5及び図9に示すように、繊維Fが在来の仕方で繊維細断機134に送られ、1つの繊維細断機134が各空気キャノン100に設けられる(図3及び図4参照)。
今、図5乃至図7を参照すれば、空気キャノン100の上流向け及び下流向けは、空気キャノン100を、スチールで作られたほぼL形のロッド136に取付けることによって達成され、ロッド136は支持フレーム138に枢動可能に取付けられたたほぼ水平な脚136Hと、ほぼ垂直な脚136Vとを有し、空気キャノン100はほぼ垂直な脚136Vに固定される。L形ロッド136は、一つおきの空気キャノン100を上流及び下流に差し向けるために、水平脚と垂直脚との間に鋭角と鈍角とを一つおきに有する。図6に示すように、L形ロッド136Uが水平脚136Hと垂直脚136Vとの間に鋭角を含むので、L形ロッド136Uに取付けられた空気キャノン100は上流に差し向けられる(図3乃至図5参照)。図7は水平脚136Hと垂直脚136Vとの間に鈍角を含むL形ロッド136Dを示し、L形ロッド136Dに取付けられた空気キャノン100は下流に差し向けられる(図3乃至図5参照)。
空気増幅器104からの入口コーン116の分離を図6及び図7に明瞭に示し、図6及び図7では、空気キャノン100の入口コーン116が、L形ロッド136のほぼ垂直な脚136Vと入口コーン116との間に延びるブラケット144によって脚136Vから直接支持される。空気増幅器104及びそれに固定されている出口コーン124は、同様に、ブラケット146によってL形ロッド136のほぼ垂直な脚136Vから直接支持される。空気キャノン100の入口コーン116の入口端120を入口コーン116のそれぞれの対称軸線Aに対して直角に形成することができ、又はそれをほぼ水平方向に向かせるように軸線Aに対して斜めに向けることができる。その上、入口端120を傾斜させ又は外方に横回転させることができる。空気キャノン100用入口端120を入口コーン116の対称軸線Aに対して直角にし且つ外方に横回転させるのが、現在、好ましい。
空気キャノン100の上流及び下流への互い違いに加えて、空気キャノン100の各々を、図3及び図4に示すように、交差方向又は横方向に移動させることができる。空気キャノン100のこの横方向又はマット交差方向の移動は、ほぼ水平な脚136Hを、ほぼL形のロッド136の支持フレーム138との枢軸取付けを行うベアリング148で回転させることによって実行される。この目的のために、調節アーム150の第1端がほぼ水平な脚136Hの各々の端に固定され、好ましくはキー止めされる(図8参照)。各調節アーム150の第2の端は調節板152で終わり、調節板152は調節アーム150に形成された長円形スロット154を含む。
一端にアイ156Aを有し且つ他端にねじ156Bを有するアイボルト156がスロット154の中に通され、好ましくは、支持フレーム138に配置されたねじ穴にねじ込まれる(図6参照)。カムレバー158(図3及び図5乃至図7参照)がアイボルト156のアイ156Aに枢動可能に取付けられる。カムレバー158を持ち上げるとき、調節アーム150を軸線159を中心に上方及び下方に移動させることができ、その移動はアイボルト156に係合するスロット154の端によって制限される。調節アーム150の上方移動については、ほぼ垂直な脚136Vは矢印160で指示するように右に移動し、調節アーム150の下方移動については、ほぼ垂直な脚136Vは矢印162(図8参照)で指示するように左に移動する。空気キャノン100を望むように向けて調節アーム150を位置決めしたら、カムレバー158を下げて、調節アーム150を支持フレーム138に係止する。かくして、明らかなように、ほぼ垂直な脚136V、従って空気キャノン100を、両矢印164(図8参照)で指示したように、ほぼ円弧状運動で面102に関して前後に調節することができる。
今、本発明による細断ストランドマットの製造機械166を図式的に示す図9を参照する。ステーション168は繊維細断機134によって表されている2列130の空気キャノン100を含み、繊維細断機134は、上述のように、繊維Fを受入れて細断して、細断繊維を空気キャノン100に通す。空気キャノン100は示されていないが、ステーション168の形成フード170内に位置決めされる。
移動収集面102に堆積された如きような細断繊維のマット172はバインダー付着器174に通され、その中で、バインダーが細断繊維のマット172に付けられる。例えば、粉末マットについては、バインダーは約95°F(35℃)乃至約160°F(71℃)、好ましくは約105°F(41℃)乃至約120°F(49℃)のガラス転移点を有し、マット172に付けられる粉末の不飽和ポリエステルであるのが良く、エマルジョンマットについては、バインダーはマット172にスプレーされる液体ポリ酢酸ビニルエマルジョンであるのが良い。
できたバインダー処理済みマット176はエネルギー、例えば図9に示すようなオーブン178、180によって加えられる熱、を加えるための装置の中に通され、バインダーを活性化し、即ち、粉末熱可塑性バインダーを液化して、水性バインダーから水を蒸発させ、又は熱可塑性バインダーの硬化を行わせる。水性バインダーを使用するマットの製造については、マットは空気乾燥されていることもあるので、熱のようなエネルギーの付加は要求されないことが注目されるけれども、より速い乾燥のためには、エネルギーの付加は好ましい。できた細断ストランドマット182は、次いで、圧縮/冷却ローラ184に通され、その後、冷却ファン186によって更に冷却される。
細断ストランドマットは、次いで、細断ストランドマットを所望の幅に切断するスリッター188、送りローラ190及び切断機192に通され、切断機192は連続マットを適当なパッケージ長さに切断する。最後に、細断ストランドマットは巻上げられ、ロールパッケージ194を形成する。当業者に良く知られた、細断ストランドマット等の製造に関するこれらの望む追加の詳細を、1983年、エルスバイヤ(Elsevier)によって出版されたK.L.ローベンシユタイン(Loewenstein)による「連続ガラス繊維の製造技術」第2版を参照して決定することができ、これをここに援用する。ステーション168によって製造されたマット172から細断ストランドマットを形成するために、任意種類の適当な方法をステーション168の下流に採用することができることが注目される。
本適用例から本発明を詳細に且つその好ましい実施形態を参照してこのように説明したけれども、請求の範囲で定められる本発明の範囲から逸脱することなしに変更及び変形が可能であることが明らかである。
Claims (23)
- 細断繊維材料を収集し且つ受入れた細断繊維を移動収集面(102)に堆積させるための空気キャノン(100)であって、
通路(106)を構成し、且つ入口(108)と出口(110)とを有する空気増幅器(104)を有し、
空気増幅器(104)の入口(108)に隣接して位置決めされた出口端(118)と、細断繊維を受入れ且つそれらを空気増幅器(104)に差し向けるための入口端(120)とを有する入口コーンと、
空気増幅器(104)の出口(110)に隣接して位置決めされた入口端(122)と、細断繊維を移動収集面(102)に差し向けるための出口端(126)とを有する出口コーンと、を有し、
前記空気増幅器(104)は空気オリフィス(114)から空気増幅器(104)の通路(106)に入る圧縮空気によって駆動され、周囲空気と共に前記入口コーンに受入れられた細断繊維は、空気の乱流及び静電気力に打勝つように、前記空気増幅器によって前記出口コーンから前記移動収集面に強制的に差し向けられ、細断繊維が前記移動収集面上に均等に堆積される空気キャノン(100)。 - 入口コーン(116)の入口端(120)は入口コーン(116)の出口端(118)よりも大きく、出口コーン(124)の出口端(126)は出口コーン(124)の入口端(122)よりも大きい、請求の範囲第1項に記載の空気キャノン(100)。
- 入口コーン(116)及び出口コーン(124)は円錐台形として成形される、請求の範囲第1項に記載の空気キャノン(100)。
- 空気増幅器(104)の入口(108)は最小内径(MID)を有し、入口コーン(116)の出口端(118)は最小内径の0.75倍乃至1.25倍に寸法決めされる、請求の範囲第3項に記載の空気キャノン(100)。
- 空気増幅器(104)の出口(110)は最小外径を有し、出口コーン(124)の入口端(122)は最小外径の1.00倍乃至1.25倍に寸法決めされる、請求の範囲第3項に記載の空気キャノン(100)。
- 入口コーン(116)の出口端(118)は空気オリフィス(114)から1/32インチ(0.8mm)乃至1/2インチ(12.7mm)の範囲の距離だけ間隔を隔てられる、請求の範囲第1項に記載の空気キャノン(100)。
- 空気増幅器(104)、入口コーン(116)及び出口コーン(124)の対称軸線(A)は互いに実質的に整合する、請求の範囲第6項に記載の空気キャノン(100)。
- 空気増幅器(104)、入口コーン(116)及び出口コーン(124)の対称軸線(A)は0.125インチ(3.2mm)内で整合する、請求の範囲第7項に記載の空気キャノン(100)。
- 実質的に整合した対称軸線(A)は、繊維が細断繊維の供給源(134)から放出されるとき、細断繊維の速度ベクトル(V)から45°内にある、請求の範囲第8項に記載の空気キャノン(100)。
- 細断繊維材料を収集し且つ受入れた細断繊維を移動収集面(102)に堆積させるための装置(130)であって、
少なくとも1つの列の空気キャノン(100)を有し、各空気キャノンは、入口コーン(116)と、通路(106)を構成する空気増幅器(104)と、出口コーン(124)とを有し、
前記空気増幅器(104)は空気オリフィス(114)から空気増幅器(104)の通路(106)に入る圧縮空気によって駆動され、周囲空気と共に前記入口コーンに受入れられた細断繊維は、空気の乱流及び静電気力に打勝つように、前記空気増幅器によって前記出口コーンから前記移動収集面に強制的に差し向けられ、細断繊維が前記移動収集面上に均等に堆積される装置(130)。 - 移動収集面(102)を横切って取付けられた前記少なくとも1つの列(130)の空気キャノン(100)を有し、少なくとも1つの列(130)は複数の空気キャノン(100)を有し、複数の空気キャノン(100)はその間の干渉を減少させるように互いに関して位置決めされる、請求の範囲第10項に記載の装置(130)。
- 一つおきの空気キャノン(100)を移動収集面に関して上流及び下流に差し向け、それにより、複数の空気キャノン(100)間の干渉を減少させるために、複数の空気キャノン(100)を取付けるための複数のほぼL形のロッド(136)を更に有し、L形ロッド(136)は支持フレーム(138)に取付けられるほぼ水平な脚(136H)と、空気キャノン(100)を取付けるほぼ垂直な脚(136V)とを有し、L形ロッド(136)は一つおきの空気キャノン(100)を上流及び下流に差し向けるように、L形ロッド(136)のほぼ水平な脚(136H)とほぼ垂直な脚(136V)との間に一つおきの鋭角及び鈍角を有する、請求の範囲第11項に記載の装置(130)。
- 取付けロッド(136)のほぼ水平な脚(136H)は、空気キャノン(100)が移動収集面(102)の交差方向に移動できるように支持フレーム(138)に回転可能に取付けられ、L形ロッド(136)のほぼ水平な脚(136H)の回転方向位置を調節するためにほぼ水平な脚(135H)に固定された調節アーム(150)を更に有する、請求の範囲第12項に記載の装置(130)。
- 調節アーム(150)、従ってほぼ水平な脚(136H)を好ましい回転方向位置に係止するために調節アーム(150)と関連した係止装置を更に有する、請求の範囲第13項に記載の装置(130)。
- 前記係止装置は、調節アーム(150)の長円形孔(154)の中を通るアイボルト(156)と、アイボルト(156)に枢動可能に取付けられたカムレバー(158)とを有し、カムレバー(158)は、1つの位置では、調節アーム(150)が長円形孔(154)およびアイボルト(156)によって定められる限度内で移動できるように調節アーム(150)を解放し、他の位置では、調節アーム(150)を、取付けロッド(136)の調節、それにより、空気キャノン(100)の交差方向位置決めを維持するように支持フレーム(138)に固定する、請求の範囲第14項に記載の装置(130)。
- 前記空気増幅器(104)は、入口(108)及び出口(110)を有し、前記入口コーン(116)は、空気増幅器(104)の入口(108)に隣接して位置決めされる出口端(118)と、細断繊維を受入れ且つそれらを空気増幅器(104)に差し向けるために出口端(118)より大きい入口端(120)とを有し、
前記出口コーン(124)は、空気増幅器(104)の出口(110)に隣接して位置決めされた入口端(126)と、細断繊維を移動収集面(102)に差し向けるために出口コーン(124)の入口端(122)よりも大きい出口端(126)とを有する請求の範囲第15項に記載の装置(130)。 - 出口コーン(124)は空気増幅器(104)に固定され、入口コーン(116)は、L形ロッド(136)の1つの垂直な脚(136V)に固定され、垂直な脚(136V)はそれぞれの空気キャノン(100)を、入口コーン(116)と空気増幅器(104)とが互いに直接接触しないように支持する、請求の範囲第16項に記載の装置(130)。
- 移動収集面(102)を横切って取付けられる2つの列(130)の空気キャノン(100)を有する、請求の範囲第17項に記載の装置(130)。
- 細断ストランドマット(182)の形成方法であって、
繊維材料(F)のストランドを細断し、
細断ストランドを少なくとも1つの空気キャノン(100)の中に通して、細断ストランドを分散させ且つそれを移動収集面(102)に向って押しつけ、前記空気キャノンは、入口コーン(116)と、通路(106)を構成する空気増幅器(104)と、出口コーン(124)とを有し、
前記空気増幅器(104)は空気オリフィス(114)から空気増幅器(104)の通路(106)に入る圧縮空気によって駆動され、周囲空気と共に前記入口コーンに受入れられた細断繊維は、空気の乱流及び静電気力に打勝つように、前記空気増幅器によって前記出口コーンから前記移動収集面に強制的に差し向けられ、細断繊維が前記移動収集面上に均等に堆積され、
バインダー(174)を細断ストランドに付け、
エネルギー(178,180)を加えて、バインダーを活性化させ、
活性化したバインダーと細断ストランドの組合せを圧縮し、
活性化したバインダーと細断繊維の組合せを冷却して、連続細断ストランドマットを形成する、段階からなる前記方法。 - 細断ストランドマットをパッケージ(194)を形成するように巻き上げる段階を更に有する、請求の範囲第19項に記載の細断ストランドマット(182)の形成方法。
- 細断ストランドを少なくとも1つの空気キャノン(100)の中に通して、細断ストランドを分散させ且つそれを移動収集面(102)に向って押しつける段階は、細断ストランドを少なくとも2つの空気キャノン(100)の中に通す段階を有し、少なくとも2つの空気キャノン(100)の一つおきの空気キャノン(100)を移動収集面(102)に関して上流及び下流に向ける段階を更に有する、請求の範囲第20項に記載の細断ストランドマット(182)の形成方法。
- 少なくとも2つの空気キャノン(100)を移動収集面(102)を横切る範囲内で選択的に差し向け、それにより、細断ストランドを移動収集面(102)に向って均等に分配するように、少なくとも2つの空気キャノン(100)を移動可能に取付ける段階から更になる、請求の範囲第21項に記載の細断ストランドマット(182)の形成方法。
- 細断繊維材料を収集し且つ受入れた細断繊維を移動収集面(102)に堆積させるための方法であって、
入口コーン(116)と、通路(106)を構成する空気増幅器(104)と、出口コーン(124)とを有する空気キャノンを準備し、前記空気増幅器(104)を、空気オリフィス(114)から空気増幅器(104)の通路(106)に入る圧縮空気によって駆動させ、
細断繊維を、それを受入れるための入口端(120)と、出口端(118)とを有する入口コーン(116)に周囲空気と共に収集し、
収集した細断繊維を入口コーン(116)の出口端(118)から空気増幅器(104)の入口(108)に差し向け、
細断繊維を、空気の乱流及び静電気力に打勝つように、空気増幅器(104)の出口端(110)から出口コーン(124)の中を通して移動収集面(102)に空気増幅器(104)によって強制的に差し向け、分散させ、細断繊維を前記移動収集面上に均等に堆積させる、前記方法。
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