JP4063683B2 - ヒータ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乾電池や充電池を電源とするヒータ装置に関し、雨や雪に濡れた靴を乾燥するために用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
外出時に雨や雪に降られて靴の中まで水が染み込むと、帰宅後一晩中干してもなかなか乾燥させることができないため、短時間で乾燥させることができるように電熱ヒータを内蔵した靴が提案されている(特許文献1、2参照)。
【0003】
この靴は、靴底にシート状の電熱ヒータが設けられると共に、踵にその電源となる電池を収納する電池収納部が形成され、靴を履いたときに靴底に設けたスイッチがオンされて、または、靴の横に設けたスイッチをオンすることにより電熱ヒータに通電され、靴が加熱乾燥されるようになっている。
【0004】
【特許文献1】
実用新案登録第3061750号
【特許文献2】
実用新案登録第3050268号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、そのように乾燥することができる靴は、電熱ヒータを内蔵したその靴のみであり、それ以外の普通の靴を乾燥することはできない。
また、靴の踵に形成される電池収納部には、電池交換用の蓋を設けたり、充電池を使用する場合には充電回路を設けたりしなければならないため構造が複雑になり、製造コストが嵩み、靴自体が重くなって歩き難いという問題がある。
さらに、靴の踵は減り易く、頻繁に交換修理を必要とするところであるため、電池収納部やこれに付随する電気回路が壊れやすいと言う問題を生ずる。
【0006】
このため、雨や雪の日に外出したり、屋外で長時間警備したり、屋外作業をしたり、スキー場などに遊びに行ったりして靴が濡れた場合に、家庭でも外出先でも靴を簡単に乾燥させることのできる小型のヒータ装置が望まれており、また、そのような小型のヒータ装置があれば寒い日にズボンのポケットに入れて腰や手を温めることもでき、その用途も広い。
【0007】
そこで本発明は、どこでも簡単に靴を乾燥させたり、指先や腰を温めたりすることができ、小型安価で、且つ、使い勝手の良いヒータ装置を提供することを技術的課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明に係るヒータ装置は、二つの電熱ヒータが、各々に電源電力を供給する電気コードを介して互いに繋ぎ合わされると共に、その電気コードに、電源となる電池を接続する接続端子具が設けられており、前記両電熱ヒータが、各々電熱体とこれを収容するケース体とで構成され、双方のケース体が、互いに脱着自在に合体して前記電気コードを巻き付けるスプール型のコードリールを成す形状に形成されたことを特徴としている。
【0009】
本発明によれば、接続端子具に例えば請求項2のように9V角型電池を接続すると、その電池から電気コードを介して各々の電熱ヒータに電源電力が供給されて、双方の電熱ヒータが発熱するので、二カ所を同時に加熱することができる。
ここで、請求項3のように、双方の電熱ヒータを靴の中に入る大きさに形成しておけば、靴が濡れたときに夫々を一足の靴の中に入れて発熱させることにより、靴を乾燥させることができる。
また、双方の電熱ヒータをズボンの腰のポケットに入れておけば、腰を温めることができ、そのポケットに手を入れれば指先の暖を取ることができる。
そして、二つの電熱ヒータは、電気コードを介して互いに繋ぎ合わされているので片方を無くす心配もない。
【0010】
た、両電熱ヒータの各々が電熱体とこれを収容するケース体とで構成され、双方のケース体を合体させたときに、電気コードを巻き付けるスプール型のコードリールとなる形状に形成されているので、使用時は電熱ヒータを別々にして一足の靴の夫々に入れることができ、使用後はこれを合体させて電気コードを巻取ることができるので、極めてコンパクトになり電気コードが邪魔になることもなく携帯にも便利である。
【0011】
さらにまた、請求項4のように、ケース体に脱臭材を設ければ、靴乾燥時に臭気成分が生じても吸着され、いやな匂いが気になることもない。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1は本発明に係るヒータ装置の一例を示す説明図、図2はその断面図、図3はケース体同士の係合状態を示す説明図、図4は収納状態を示す説明図、図5は使用状態を示す説明図、図6及び図7は他の実施形態を示すケース体の断面図である。
【0013】
図1及び図2に示すヒータ装置1は、二つの電熱ヒータ2R、2Lが、各々に電源電力を供給する電気コード3を介して互いに繋ぎ合わされると共に、その電気コード3に、電源となる電池4を接続する接続端子具5が設けられている
【0014】
各電熱ヒータ2R、2Lは、各々靴6(図5参照)の中に挿入可能な大きさ及び形状に形成されると共に、各々電熱体7とこれを収容するケース体8R、8Lとで構成されている。
前記電気コード3は、各々の電熱ヒータ2R、2Lを左右の靴にそれぞれ入れたときに電池を接続した接続端子具5を靴の外に出しておける長さに選定され、電極端子具5から各々の電熱ヒータ2R、2Lまでの長さが、通常の靴では男性・女性とも片側20〜30cm程度、ブーツ用は80cm程度の長さに選定されている。
また、接続端子具5は、9V角型電池4の陽極と陰極を嵌合させる陽極プラグ5aと陰極プラグ5bを備えている。
【0015】
電熱体7としては、9V角型電池4を電源としたときに発熱上限温度が80℃になるように設計されたシート状のセラミックヒータや、温度が80℃に維持される自己温度制御機能付きのヒータが用いられている。
なお、この温度条件は、靴6の接着剤が溶融しない温度であり、これより高くなると接着剤が溶けて乾燥時に靴が型崩れするおそれがある。
したがって、この温度条件が満たされれば、夫々の電熱ヒータ2R、2Lの各電熱体7が電池4に対して直列に接続されていても並列に接続されていてもよく、電源電池の電圧も9Vに限定されるものではない。
また、電気コード3は、各ケース体8R、8Lにプラグ3R、3Lを介して抜差可能に形成しても、予めハンダなどにより抜差不能に接続されていても良い。
【0016】
ケース体8R、8Lは、互いに脱着自在に合体して前記電気コード3を巻き付けるスプール型のコードリール10を成す形状に形成されている。
具体的には、ケース体8R、8Lは、直径約5cm程度の偏平円形状に形成されると共に、ケース体8R、8L同士を脱着自在に合体させる係合部9が形成されている。
また、ケース体8R、8Lは、雌雄二種類の型を製造する手間がないように係合部9などを含めて全く同型に形成されている。
【0017】
具体的には、係合部9は、中心角110°程度の大径の環状突起からなる外嵌部11Aと、これに内接する中心角110°程度の小径の環状突起からなる内嵌部11Bが対向して形成されている。
そして、一方のケース体8R(8L)の外嵌部11Aの内周面に形成された突起12Aが、他方のケース体8L(8R)の内嵌部11Bの外周面に形成された係合溝12Bと係合するようになっている。
【0018】
ケース体8R、8Lの周面には、夫々の突起12Aと係合溝12Bを嵌め合わせるときの位置決めガイドとなる指標13R、13Lが描かれており、指標13R、13Lを合わせた状態で各ケース体8R、8Lの係合部9を向き合わせて近づけると、図3(a)に示すように、夫々の突起12Aが係合溝12Bに入って行くようになっている。
次いで、各ケース体8R、8Lを反対方向に回転させると、係合溝12Bは徐々に浅くなっているので、図3(b)に示すように、突起12Aが係合溝12Bとしっかり係合することとなる。
【0019】
このようにしてケース体8R、8L同士を係合させると、係合部9はケース体8R、8Lより小径に形成されているので、図4(a)に示すようにケース体8R、8Lがフランジとなり、係合部9がコアとなるスプール型のコードリール10となる。
【0020】
したがって、図4(b)に示すように、コードリール10のコアとなる係合部9に電気コード3を巻き付ければ、収納時に電気コード3が絡んだり邪魔になったりすることもない。
また、ケース体8R、8L同士を係合させた状態で、図3(b)及び図4(a)に示すように、コードリール10にコアとなる係合部9の内外を貫通する開口部15が形成されるように、夫々のケース体8R、8Lの外嵌部11A、内嵌部11Bに隙間を形成しておけば、巻き付けた電気コード3の終端となる接続端子具5を前記開口部15から内部に挿し込むことができ、巻き取った電気コード3が解けないようになっている。
さらに、係合部9を下向きにしてケース体8R、8Lを被加熱物の上に置くと、電熱ヒータ2R、2Lと被加熱物の間に空気を流通させる隙間が形成されるようになっている。
【0021】
以上が本発明の一例構成であって、次にその作用を説明する。
まず、濡れた靴を乾燥する場合は、図4(b)のように収納状態にあるヒータ装置1の接続端子具5を抜き出して電気コード3を解き、図5に示すように、ケース体8R、8Lを係合部9を下向きにして左右の靴6の爪先側に夫々入れて、9V角型電池4を接続端子具5に接続する。
これにより、電池4から電源電力が供給されて各電熱ヒータ2R、2Lが発熱し、靴6のソール6aが約80℃に加熱される。80℃程度であれば靴の接着剤が溶けて型崩れすることもない。
【0022】
このとき、係合部9が脚となって電熱ヒータ2R、2Lをソール6aから浮かした状態に支持し、その間に空気が流れ易くなるので、湿った空気がこもらず乾燥効果が高くなる。
【0023】
そして、乾燥・加熱終了したときは、係合部9を向かい合わせてケース体8R、8L同士を合体させればよい。
このようにしてケース体8R、8L同士を係合させると、係合部9はケース体8R、8Lより小径に形成されているので、そのケース体8R、8Lがフランジとなり係合部9がコアとなるスプール状のコードリール10が形成され、ここに電気コード3を巻きつければ、収納時にコード3が絡んだり邪魔になったりすることもない。
【0024】
図6及び図7は本発明の他の実施形態を示し、図1及び図2と共通する部分は同一符号を付して詳細説明を省略する。
図6に示すヒータ装置21は、ケース体8R、8Lの上面に電熱ヒータ2R、2Lにより加熱される金属プレート22と、これを覆う断熱蓋23が設けられている。
この断熱蓋23を外してケース体8R、8Lを靴6の爪先側に入れ、電熱ヒータ2R、2Lに通電すれば、ケース体8R、8Lの上面に設けられた金属プレート22も加熱されて盛んに放熱するので、靴6の濡れ易い爪先部分のソール6aと甲皮6bを同時に加熱することができる。
【0025】
なお、このヒータ装置21は、金属プレート22が加熱されるので、この金属プレート22に芳香液を直接滴下したり芳香液を染み込ませたマットを置くことによりアロマテラピーの熱源などとして使用することも可能である。また、この場合に、金属プレート22を覆う断熱蓋23を下に敷けば、電熱ヒータ2R、2Lからこれを置いた机や棚板への放熱を遮断でできる。
【0026】
さらに、図7に示すヒータ装置31は、ケース体8R、8Lの内部に活性炭などの脱臭材32が充填され、その上面がパンチングメタル等の通気板33で覆われている。
このようにすれば、靴6を加熱したときに臭気成分が生じても、通気板32を通って脱臭材33に吸着されるので、匂いが気になることもない。
また、80℃の雰囲気で吸着された臭気成分は、それ以上の温度にならなければ発散されないので、通常の使用時にその臭気成分が漏れ出すことはない。
この脱臭材33は、ケース体8R、8Lの内部に充填する場合に限らず、例えば、脱臭成分を含有したシート状の脱臭材をケース体8R、8Lの上面に貼って設けても良い。
【0027】
なお、ケース体8R、8Lは円形に限らず、楕円型、靴底型など任意の形状に形成できるが、携帯の便と、爪先部分のみが濡れやすいことを考えると、爪先側に入る程度の大きさで十分である。
また、靴6を乾燥させる場合に限らず、各電熱ヒータ2R,2Lをズボンの左右の腰ポケットに入れて、指や腰を温める携帯カイロとして使用することもできる。この場合は、電熱体7の上限温度を低温火傷が生じない程度の温度に設計したり、電熱ヒータ2R,2Lを布袋に入れて放熱温度を低くおさえるようにすれば良い。
【0028】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、電池を接続端子具に接続するだけで一対の電熱ヒータが加熱されるので、これを濡れた靴の中に入れれば家庭でも外出先でも靴を加熱して乾燥させたり、ズボンの左右の腰ポケットにいれれば腰を温めることができ、そのポケットに手を入れて手を温めたりすることができるという大変優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るヒータ装置の一例を示す説明図。
【図2】電熱ヒータの断面図。
【図3】電熱ヒータを合体させるときの係合部を示す説明図。
【図4】合体した電熱ヒータを示す外観図。
【図5】使用状態を示す説明図。
【図6】他の実施形態を示す電熱ヒータの断面図。
【図7】他の実施形態を示す電熱ヒータの断面図。
【符号の説明】
1………ヒータ装置
2R、2L………電熱ヒータ
3………電気コード
4………電池
5………接続端子具
5a……陽極プラグ
5b……陰極プラグ
6………靴
7………電熱体
8R、8L………ケース体
9………係合部
10………コードリール

Claims (4)

  1. 二つの電熱ヒータが、各々に電源電力を供給する電気コードを介して互いに繋ぎ合わされると共に、その電気コードに、電源となる電池を接続する接続端子具が設けられており、前記両電熱ヒータが、各々電熱体とこれを収容するケース体とで構成され、双方のケース体が、互いに脱着自在に合体して前記電気コードを巻き付けるスプール型のコードリールを成す形状に形成されたことを特徴とするヒータ装置。
  2. 前記接続端子具が、9V角型電池の陽極と陰極を嵌合させる陽極プラグと陰極プラグを備えた請求項1記載のヒータ装置。
  3. 前記電熱ヒータが、各々靴の中に挿入可能な大きさ及び形状に形成された請求項1又は2記載のヒータ装置。
  4. 前記両電熱ヒータ、各々電熱体とこれを収容するケース体とで構成され、双方のケース体に脱臭材が設けられた請求項1記載のヒータ装置。
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