JP4063674B2 - 室内領域でディジタルのデータサブストリームを並列して無線伝送する無線伝送方法および移動無線伝送システム - Google Patents

室内領域でディジタルのデータサブストリームを並列して無線伝送する無線伝送方法および移動無線伝送システム Download PDF

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Description

説明
本発明は、室内領域でディジタルのデータサブストリームを並行して無線伝送する無線伝送方法に関し、ここでこれらのディジタルのデータサブストリームは、空間時間符号化により、選択したデータ変調形式に依存してn個のデータサブ信号に形成され、上記の無線伝送は、n個の送信路と、室内領域の別の個所に配置されたm個(m≧n)の受信路との間で、周波数が制限されたマルチパスの伝送チャネルにて行われ、ここでは、この伝送チャネルの空間時間特性を推定するために複素数値のチャネルマトリクスの要素を測定し、この複素数値のチャネルマトリクスから導き出される重み付けマトリクスを求めて受信路において空間時間信号処理し、これによって複数のデータサブ信号が同時に復元される。このデータサブ信号は、空間時間復号化部において再び上記のディジタルのデータサブストリームに形成される。本発明はまた移動無線伝送システムに関する。
無線の伝送チャネルはエラーフリーではない。受信器における信号エコーにより、重畳および干渉が発生し、これらは、データで変調された搬送波の利用可能な帯域幅ないしはチャネル幅を、個々の提供者に認可されている周波数領域以下の値に制限してしまうのである。このチャネルの制限を克服することは、無線ネットワークにおいて伝送容量を高めるための第1ステップである。これに対して今日行われている手法は、マルチキャリア変調であり、ここでは基本的に伝送容量は、許容される周波数領域だけでしか制限されないのである。しかしながら無線ネットワークは将来、ビジネスおよび産業の分野の多くのユーザに、有線のネットワークから公知であるような100Mbit/sのデータレートを利用可能にすべきである。しかしながらこのためには認可された周波数領域は十分ではない。送信信号を空間的および時間的に処理し、ひいては高いスペクトル効率を有する無線伝送方法が、無線ネットワークの容量をさらに増大させるための最善の可能性を提供すると思われる。
従来の受信器は全方向性のアンテナを利用しており、このアンテナにより、直接的な送信信号(見通し"line of sight" LOS)に加えて一連のエコーが受信される。受信位置に依存して、この重畳された信号は、種々異なる振幅および位相を有しているため、全体信号において大きな空間的変動が発生する。これは「フェージング」と称されている。フェージングは無線伝送における典型的な問題であり、これまで様々な、いわゆる「ダイバシティ受信」によって解決することが試みられてきた。最近では「拡散周波数法」も使用されており、これは、フェージングが周波数選択的であり、狭帯域の現象であるという事実を利用するものである。広帯域の信号は、少なくとも部分的に空間的な信号変化を調整することが可能である。今日の伝送システムでは、搬送波はディジタル信号によって変調される。ここで直接の信号およびそのエコーは、相異なる遅延で受信器に到達する。この際に連続するデータビットの重大なクロストーク(Uebersprechen)は、ビット区間(Bitdauer)が遅延時間のばらつきτdelay(Laufzeitstreuung)の領域になる場合にはつねに確認され、ここでこれはチャネルパルス応答における統計的な2次のモーメントとして定義され、チャネル帯域幅Bに逆比例し、つぎように計算される。
Figure 0004063674
変調に利用可能な帯域幅はほぼチャネル帯域幅Bに制限される。通常の室内においてこれに対する値はわずか数メガヘルツになることがあり、殊に直接の信号がない際にはそうである。したがってただ1つの搬送波での極めて高速なデータ伝送は、スペクトル効率の高い変調方式によってのみ実現可能である。しかしながらこの場合、受信感度は低減される。
チャネル境界を越える場合には複数の搬送周波数を使用することにより、伝送容量を増大させることができる。直交周波数分割多重(OFDM)は、複数の搬送波を変調するのにしばしば使用される方式である。ここでは個々に伝送されるシンボルは、高い線形性を有する高価な広帯域増幅器によらなければ伝送できない極端なピーク値を有することがある。しかしながらスペクトル境界は、OFDMであってもつねに到達されるとは限らない。例えば、現在のETSI HIPERLAN/2標準により、64個のOFDM副搬送波が20MHzの帯域幅内で使用される。個々のユーザに対して200MHzないしは255MHzの全スペクトルは、下側および上側の5GHz−ISM周波数帯域に相応して利用できない。それは通常は、19個の公称の搬送周波数のうちの1つだけが伝送に利用されるからである。チャネル品質に依存してデータレートは、OFDM副搬送波のスペクトル効率の変化により、6Mbit/s〜54Mbit/sの値に調整される[1]。しかしながら例えば、ビジネス環境において19人以上のユーザが1つの基地局に接続されている場合、1ユーザ当たりの利用可能な時間窓ひいてはデータレートは、この値のわずか数分の1にしか過ぎない。この場合に行い得る補助手段は、カバーレンジを低減した基地局の数を増すことである。したがってまとめると室内領域に対する伝達比の包括的な最適化は、高いインフラストラクチャコストを前提とするのである。
システム容量に対する新たな自由度は、空間ダイバシティによって達成される。例えば、追従して無線接続を行う場合、利用者の位置は、指向性ビームを送信することによって追跡される。複数の基地局と、様々な位置にいる移動する利用者との多元接続は、同じ周波数を同時に使用することによって行うことができる。指向性ビームにより、不所望の接続、エコーおよび別の干渉信号の数が低減される。すなわち指向性アンテナの利点は、接続品質が向上されることである。見通し接続(Sichtverbindung)による配置構成では、ベースバンド処理もOFDMの場合よりも簡単である。信号エコーの数が低減されるため、見通し接続により、許容されるスペクトルの全帯域幅が、ただ1つの搬送波の変調に利用可能である。しかしながらこの場合に見通し接続により、別のすべての信号よりも格段に高い出力が放射される必要がある。ライス係数("Rice Faktor")K(すべてのエコーの信号の和に対する見通し接続の信号の出力比)を、遅延時間のばらつき(Laufzeitstreuung)が急激に低減される15dBにおける急峻な閾値よりも大きくするためには、通例、10°以下のビーム幅が必要である[2]。
指向性ビームは、例えば基地局に配向されるホーンアンテナによって提供することで可能ではある。しかしながら移動する利用者は、ネットワーク接続に必要な配向プロシージャ(トラッキング)を容易には受け入れない。例えば基地局において自動的に位置決定しかつ配向するシステムがはるかに有望と思われる。したがって各エレメントの複素数値の振幅が測定されるアンテナアレイによるアプローチがある。ここから固有の信号処理アルゴリズムにより、見通し接続の到来する平面波の方向が計算される。つぎの各アンテナ信号が複素数の重み付けによって乗算されてすべて信号が加算される。アンテナ信号のこのような線形結合は、所望の方向にある目標に配向される1ビームの配向(ビーム形成)と物理的に等価である [3]。
このような解決手段の提案は、室内における無線ネットワークには実践的でないように思われる。2次元的に10°のビーム幅を達成するためには、数多くのアンテナエレメント(10×10)が必要であり、位置決定および位置追跡する信号プロセッサに対する要求が極めて高くなってしまう。所要のアンテナエレメントの数分の1ですでにディジタル信号プロセッサによる試行が失敗しており、高いデータレートがカバーされていない。今日行い得るプロセッサの実現では、8つのアンテナエレメントで1.5Mbit/sのデータレートしか可能でない[4]。これらの結果を考慮すると、純粋なディジタル信号プロセッサ技術による、10×10のアンテナエレメントを介する100Mbit/sのデータレートはしばらくの間、達成できないように思われる。
したがって高いデータレートに対して、部分的なハードウェア実装によってデータ処理をすることが考慮される。あらかじめ形成された複数の信号ビームを利用して信号処理を容易にするアプローチは、アンテナアレイの前に設けられたButlerによるハードウェア構成のマトリクスにより実現される。これにより、切り換え可能な信号ビームを有するアンテナアレイを実現することができる。この場合に受信方向は、最良の信号を求めてButlerマトリクスの全出力側を走査することによって得られ、つぎにこの信号が受信器に導通されるのである。しかしながらButlerマトリクスの複雑さは、出力側の数と共に急速に増大する。各アンテナ信号は、出力側に到達する前に個々に遅延され、つぎに別のすべての信号と加算される。したがって10×10の出力側を有するButlerマトリクスであれば、10000個の遅延分岐が必要になってしまうことになる。しかしながらこのような回路網は実際には実現できないと思われる。さらに3cm(λ/2)のアンテナ間隔で30×30cmの面積になる5GHz用の10×10アンテナアレイは、移動局には大きすぎるため、ここに記載した技術は、静止した基地局用であるか、mm波長に制限されてしまうのである。
本発明の基礎にある従来技術は、Foschini等による伝送方法および伝送システムを出発点とし、これらはEP−A20951091および論文[5],[6]に記載されている。ここから公知の、室内領域における無線伝送方式(以下では分かりやすく区別するため省略して"BLAST"方式という)は、送信側および受信側に複数のアンテナを有する伝送システム(マルチエレメントアンテナ、多重入力/多重出力MIMO(multple-input/multiple-output))に対する時間−空間的信号処理に基づいている。しかしながらこのBLAST方式では、伝送チャネルの帯域幅は拡大されず、1Hzの帯域幅内で伝送可能であるデータレートに対する尺度としてのスペクトル効率が増大されるのである。この際にスペクトル的な効率および伝送容量は、並列の伝送路の数と共に線形に増大する。MIMOデータ伝送の原理は、全体でn×mの並列の伝送路を有するn個の送信アンテナおよびm個の受信アンテナに対する図1からわかる。送信側では空間時間符号化ユニットにおいて、入力されたデータストリームが、送信アンテナの数に相応する数のデータサブストリームに分割される。これらはデータサブ信号として、時間的および空間的に並列に同じ搬送周波数で無線伝送される。受信側には室内領域の様々な個所において、存在する送信アンテナの数よりも大きいかまたはそれと等しい(m≧n)数の受信アンテナにより、互いに重畳されたデータサブ信号が捉えられる。ここでこの室内は近接伝送領域(Nahuebertragungsbereich)として、移動する対象物による妨害、大きな減衰および異常な重畳のない通常の伝送特性を有する。それにもかかわらず多くのエコー信号が伝送信号に影響を及ぼす。したがって受信される信号は、アンテナ間隔が十分であれば、統計的に互いに依存せず、ランダムに分布している(見通し接続が与えられない場合、RiceまたはRaleighによる見通し接続における分布)ことを前提にすることができる。
本発明の基礎にあるBLAST方式の基本的な理解に有益な以下の実施例では、送信された信号を、成分Sを有する送信ベクトルSによって示す。無線伝送の後、受信ベクトルEの成分Eは、つぎのように計算され、
Figure 0004063674
ここで、Hijは複素数値のチャネルマトリクス[H]の要素であり、またNはi番目の受信路におけるノイズ寄与である。このチャネルマトリクスにより、室内における実数の伝送特性がマルチパスの伝送チャネルとして推定される。BLAST方式では周期的にトレーニングベクトルが伝送され、これによってチャネルマトリクスが求められる。自然の環境では相関性のない送信信号が発生することが極めて多いため、ほとんどの場合、少なくとも送信アンテナの数に相応する数の、互いに依存しない1次方程式が得られる。これにより、チャネルマトリクスは、受信側において受信したデータ信号から送信信号を再構成するのに必要なすべての情報を含む。公知の無線伝送方式ではこれは、特異固有値分解(SVC=singulaer Eigenwertzerlegung)と、引き続く反復の干渉除去(Interferenzaufloeschung)とによって行われる。
BLAST方式は固有の物理的なモデルに基づいている。この方式は、非周波数選択性の、いわゆる「偽のフェージング」(falsche Fading)をうまく利用して、システム容量を改善している。室内は、部分的に反射性を有する表面を備えるマイクロウェーブ共振器を表す。この共振器の複数の固有振動(モード)は、空間的なフィールド分布においても、その中央周波数においても異なっている。1つの搬送波周波数から通常、約10000モードが励起される(個々のモードは、チャネル帯域幅Bに相応するスペクトル線幅を有する)。モードフィールド分布に起因して、各送信器により、モードの様々な線形結合が励起され、これらは受信器のある空間の様々な個所において、種々異なる振幅および位相で付加的に重畳され、したがって線形に独立している。BLAST方式は、受信信号の合成における、空間によって決まるこのような相違を利用して、元信号を再構成するのである。
このBLAST方式は、高いSN比において、8つの送信アンテナおよび12の受信アンテナで、また選択されたデータ変調形式として16QAM伝送(QAM:Quadratur-Amplituden-Modulation)で動作する。これにより、レポートによれば、1Hz当たり約40bit/sまでのスペクトル効率が1%の範囲のビット誤り率で達成可能である。しかしながらこの公知の方式では、チャネルマトリクス測定およびデータ伝送に交互に代わる時間周期を利用しているため、達成可能な効率の約20%が損なわれてしまう。さらに空間時間処理はディジタル信号プロセッサでリアルタイムに実行されるため、データスループットは1Mbit/s以下に制限されてしまう。室内に並列の8つの伝送チャネルがあれば、総データスループットは、数10Mbit/s〜100Mbit/s以上が達成され得ると思われるが、このようなデータレートは、近い将来において、公知のBLAST方式のようにディジタル信号プロセッサに基づくデータ評価によって達成できないように思われる。しかしながら高いデータレートは、殊にマルチメディアアプリケーション(ビデオ、コンピュータ通信など)にとって特に高い関心があるか、または適用可能性の基本的な前提である。移動通信システムは、割り当てられた周波数資源を節約して扱わなければならない。しかしながら同時に、すでに述べたようにマルチメディアアプリケーションに対して高いデータレートが所望され、殊にいわゆる「室内領域」において所望されるのである。このために高いスペクトル効率が必要であり、ここでこれは性能のよい伝送技術と対にされなければならない。通例、室内におけるチャネル帯域幅は、無線波の多重反射に起因して約5MHzに制限される。したがって指向された見通し接続に対するよりもすでに少ないアンテナアレイしか必要としない、本発明の上位概念に記載された方法としての公知のBLAST方式から出発すると、本発明の方法の課題は、このような「自然」の帯域幅内で、100MBit/sの範囲の極めて高い伝送レートでデータを伝送できるようにすることである。このためには20Bit/s/Hzのスペクトル効率を達成しなければならない。この方法を実施する有利な伝送システムは、相応に性能が高く、またこのシステムにより、信号処理の際に極めて高い速度が可能にならなけれぱならない。
したがってこの課題に対する解決手段として上に述べた形式の無線伝送方法において、各送信路を、既知の構造、符号化および良好な相関特性の一義的に識別可能なパイロット信号によってマーキングし、このパイロット信号を、それぞれ伝送すべきデータサブ信号に、マーキングを行うパイロット列の形態で少ない妨害で重畳し、かつこの重畳したものを送信信号として伝送し、複素数値のチャネルマトリクスの要素の測定を、送信信号の並列伝送と同時に実行し、前記パイロット列に基づいて、その伝送される構造を各受信路にて測定して既知の構造と相関させ、各データサブ信号をその復元のためにすべての受信信号のアナログで重み付けされた線形結合として表し、ここでこれらのアナログの重み付き信号は、重み付けマトリクスの要素であり、これらの要素を、幾何学的な投影技術を用いて、純粋に代数的な構造により、複素数値のチャネルマトリクスから求める。
本発明の無線伝送方法では、チャネル推定と、データ伝送とは、2つの過程を同時に実行することによって互いに分離される。元々のデータサブ信号を再構成するチャネルマトリクスは、その伝送と同時に精確に測定される。これによって、利用可能なすべてのスペクトル効率がデータ伝送に利用可能にされる。例えば、公知のBLAST方式において、チャネルマトリクスの測定のため、交互に実行されるトレーニング列の送信により発生した、データ伝送における時間的なギャップは発生しない。本発明の伝送方法では、マルチパスの伝送チャネル全体が、中断なしにデータ伝送に利用可能であり、データサブ信号は連続して伝送される。チャネルマトリクスの測定は、所要の精度に適合された周期で時間的にこれに並列して行われる。チャネルマトリクスに対する精確な測定方法は、データサブ信号に比して弱い同じ周波数の付加信号を挿入することに基づいており、ここでこの付加信号は、送信アンテナ毎の特徴的なパイロット信号によって変調される。個々の伝送路における各データサブ信号には、固有に符号化されかつ良好に識別される弱いパイロット信号が重畳される。ここで注意しておきたいのは、同時に送信することにより、スペクトル効率において最大の利得が達成されることである。しかしながら個々のケースではつぎのようにすることが有利なこともある。すなわち、上記のパイロット信号を、実質的な効率損失なしに時間的にズラして交互に送信するか、またはこのために設けられたタイムスロットにおいて送信することが有利なこともある。ここでの利点は、データサブ信号に対してパイロット信号をやや大きな出力で形成できることである。
上記の全過程は、本発明の伝送方法においてアナログの領域で行われ、重み付けの値だけがチャネルマトリクスからディジタルで計算され、これによって同時に公知のアルゴリズムにより数値的に妨害が抑制される。しかしながら再帰的な妨害抑圧を省略することによって信号処理を公知のBLAST方式によるよりもはるかに簡単に設計することができる。元信号を再構成するための重要な道具としての受信アンテナ信号の線形結合は、データスループットを大きく増大させるため完全にアナログに実行される。この純粋に代数的な構造に起因して、本発明の伝送方法はリアルタイムで可能である。信号のディジタル処理は、線形結合における重み付け値の設定によってのみ行われ、時間的に制限になる、データ路における直接的なディジタル走査はもはや行われない。
本発明の方法の有利な発展形態、例えば、ビット誤り率を低減しかつパイロット信号出力を増大できるようにする(k→1)ためのパイロット信号の重畳、受信側におけるアナログの信号の復元、送信側の信号データ変調、重み付けマトリクスの形式、および信号復元の際のパイロット信号の抽出に対する発展形態は、従属請求項に記載されている。これらについては繰り返しを避けるため、相応する図に関連して個々の発展形態に詳細に触れた固有の記述部分を参照されたい。
本発明はさらに、個々の送信路と受信路との間の周波数制限されたマルチパスの伝送チャネルにおいて、ディジタルサブストリームを並列に無線伝送する室内領域用の移動無線伝送システムに関し、ここでこの移動無線伝送システムは、送信器および受信器を有しており、この送信器は、位置に依存する、並列のn個の送信路に対するマルチエレメントアンテナと、送信側の信号処理装置における空間時間符号化ユニットとを含んでおり、上記の受信器は、位置に依存する、並列のm個(m≧n)の受信路に対するマルチエレメントアンテナと、ディジタル信号プロセッサを有する、複素数値のチャネルマトリクスを測定する装置と、受信側の信号処理装置における空間時間復号化ユニットとを含んでいる。
基礎にある従来技術は、本発明の伝送方法に対して評価した従来技術と同じである。方法とうものは、つねにその方法を実施する装置と密接に結び付いているため、高い信号処理速度を有する高性能のシステムを得るための問題は、すでに高いデータレートを達成するための上位の課題に関連して表されている。さらなる課題の要素は、基本的にこの伝送システムの機能に即した有利な構造およびコストに関係する。
したがって上記の形式の移動無線伝送システムでは、本発明の無線伝送方法を実施するため、送信器は各送信路にパイロット信号発生器および供給部を含んでおり、ここでこのパイロット信号発生器により、送信路をマーキングする一義的に識別可能なパイロット列が形成され、また供給部により、マーキングを行うパイロット列から生成されたパイロット信号と、それぞれ伝送すべきデータサブ信号とが送信路において重畳され、受信器は、各受信路において分岐個所を有しており、またすべての受信路にわたるアナログの1信号結合ユニットを有しており、ここで上記の分岐個所を介して各受信信号が、モニタ信号として、存在する送信路毎に設けられた重み付けユニットに供給され、これによってアナログの重み付け信号が求められ、上記の信号結合ユニットには上記のアナログの重み付け信号が供給され、各重み付けユニットは、存在する送信路の数に相応する数の相関回路と、すべての重み付けユニットに共通なディジタル信号プロセッサと、アナログの複素数値変調器とを有しており、ここで上記の相関回路は、1つずつのパイロット信号発生器を有しており、これによってそれぞれ受信したパイロット信号の構造が測定され、上記の信号プロセッサにより、複素数値のチャネルマトリクスと、このチャネルマトリクスから得られる重み付けマトリクスとが求められ、上記の複素数値変調器により、アナログの重み付け信号が各受信信号に重畳される。
信号処理の重要な部分は、この移動無線伝送システムにおいてハードウェアで実施され、これによってスペクトル効率の他に高い伝送速度も可能になる。ディジタルプロセッサを用いて数値的に重み付けされる処理回路網は、完全に回路技術的に実現される。移動伝送システムの有利な実施形態によれば、シフトレジスタを有する簡単な信号発生器を使用することによって、極めて妨害に強く、コスト的に有利なチャネルマトリクスを測定するための回路構造が可能になり、ここでこの回路構造は高精度の信号復元部を有する。移動伝送システムに関しても固有の記述部分を示して繰り返しを回避する。
本発明の実施形態を以下、概略図面に基づいて詳しく説明する。ここで、
図1は、MIMOシステムの構造を示しており、
図2は、本発明の伝送方法および伝送システムの原理回路図を示しており、
図3は、本発明の伝送方法および伝送システムの送信側を示しており、
図4は、PN列を形成する発生器を示しており、
図5は、本発明の伝送方法および伝送システムの受信側を示しており、
図6は、重み付けユニットを示しており、
図7は、幾何学的な投影技術の図を示している。
図1は、多重入力/多重出力システムMIMOの構造を示しており、これは従来技術からも公知である。ここでは送信側の送信器Txと、受信側の受信器Rxとが、室内領域のマルチパスの伝送チャネルを介して関係している。
図2には本発明の伝送方法および伝送システムTSの原理回路図が示されており、これについて以下、詳しく説明する。
・パイロット列の重畳
以下では、本発明の無線伝送方法の重要な構成部分としてチャネルマトリクス測定部の新しい考え方を説明する。基本的には各送信路に、変調された、弱い副チャネル搬送波(Nebenkanaltraeger)が付加される。すなわち各データ信号はパイロット信号と重畳され、ここでこのパイロット信号は各送信路に特徴的な信号である。つぎに各受信路では、各送信路に所属する副チャネル搬送波の振幅および位相が別個に測定される。例えば、副チャネル搬送波の周波数は、データ伝送用搬送波の周波数と同じである(同一のチャネル動作Gleichkanalbetrieb)。図3の2つの送信路ないしは送信アンテナS,S(S,i = 1…n,n = 2)を有する送信器Tの例で考え方を示す。ここで送信器Tは、送信信号を、データ変調形式としての2相の位相変調(Binary Phase Shift Keying BPSK)によって符号化する。まず到来したデータストリームdata-inは空間時間符号化器STEで分割されて、2つの並列なデータサブ信号D(t),D(t)が得られる。これらは各送信路S,Sにおいて中央に調整されているとする。すなわち、数多くのシンボルについて平均化された振幅はゼロに等しいのである。付加的に仮定するのは、データサブ信号D(t),D(t)の時間的な順序は、統計的に真にランダムに分散されていることである。これはいわゆる「スクランブリング(Scrambling)」によって達成可能である。各データサブ信号D(t),D(t)にはそれぞれ別個のパイロット信号P(t),P(t)が付加され、それらのパイロット列PN,PN(擬似ノイズpseudonoise PN)は、バイナリのキャラクタ列(Pseudo Random Binary Sequece PRBS)に対して割り当てられた擬似乱数発生器(generator)によって形成され、データサブ信号D(t),D(t)に対する搬送波としての中間周波数IFに混合変調される。ここでパイロット信号P(t),P(t)は極めて弱いため、これらの信号によってデータサブ信号D(t),D(t)が妨害されることはない。重畳される信号間の振幅比を表すファクタkは、1よりも格段に小さい(k≪1)。重畳された信号はつぎに局部周波数発生器LOによって伝送帯域に引き上げられ、帯域通過フィルタFIおよび増幅器Aを通して導かれ、時間に依存する送信信号S(t),S(t)として室内領域に送信される。
送信器Rxの別個の送信路Sのマーキングを行うパイロット列PNを一義的に区別するために重要であるのは、良好な相互相関特性を有するバイナリのキャラクタ列PRBSを使用することである。さらに比較的長い符号列(長さL => 214-1 = 16383)が必要であり、これによって弱いパイロット信号P(t)と、比較的強く送信されるデータ信号D(t)とが相関回路において区別できるようにする。このような長いバイナリのキャラクタ列PRBSは、複数回帰還結合されるシフトレジスタによって形成可能である。実際の帰還結合の割合は、よく知られた既約なバイナリの多項式のテーブルから導き出すことができる[7]。同じ最大長Lの相異なるシーケンス列を形成する多くの帰還結合の割合が存在し得るが、これらのシーケンスの任意の1対の相互相関は通例、最適ではない。
Gold[8]から原理的に2重のシフトレジスタSRが公知であり、これは有利な列の対を使用する。Gold列発生器より、良好な自己および相互相関特性を有する列の対の族全体が得られる。有利な対を求めるためのアプローチが[9]に示されている。L = 16383で求める。有利な2つの多項式f(x) = x14+x10+x+1およびf65(x) = x14+x13+x11+x10+x+x+x+x+x+x+1はテーブル[7]から得ることができる。多項式の指数部はシフトレジスタSRにおける取り出し個所(tap)を表しており、これらはモジュロ2で合計され、つぎにレジスタ入力側に帰還結合される。注意すべきであるのは、シフトレジスタの開始値が異なっても同じ列が形成されるが、遅延が生じることである。「モジュロ」とは、2つの整数の商の整数の余りがつねに求められる演算規則のことである。「モジュロ2」とは、任意の実数が切り捨てまたは切り上げられ、2で除算され、その余りが、結果として「1」または「0」の形で出力されることである。実践的にはこの演算はバイナリのXORゲートを用いて実現される。
このように構想されたGold列発生器が図4に示されている。下側のシフトレジスタSRの出力側は数チップサイクルT(チップ=ビット区間)だけ遅延され、つぎにモジュロ2で上側のシフトレジスタSRの出力側に加算される。取り出し個所Tapはここでは1,6,10および14である。下側のシフトレジスタSR2の取り出し個所Tapは1,2,3,6,8,9,10,11,13および14である。これらの有利な列の間で遅延を変更することによって、n<L+2の別個のGold列(「Gold符号」)を得ることができる。コンピュータシミュレーションによってチェックされたのは、図3に示した装置により、以下の周期的な自己相関関数(PACF[i])および相互相関関数(PCCF[i])を満たすGold列が得られることである。すなわち、
Figure 0004063674
である。
データサブ信号D(t),D(t)におけるのと(ないしは到来するデータストリームdata-inにおけるのと)同じシンボルレートと、殊に類似のスペクトル出力分布を有する変調形式とを有するパイロット信号P(t)を使用することは、つぎに対して有利な手法である。すなわち伝送帯域幅が増す際に、極めて大きく周波数に依存することの多い、チャネルにおける減衰(「周波数選択的なフェージング」(frequency-selective fading))を考慮できるようにするのに対して有利な手法である。簡単であることに起因してBPS技術法はチャネル推定に好んで使用される。ここで注意すべきであるのは、同じシンボルレートで動作する場合、より高度な数多くの変調技術(QPSK,8−PSK,16−QAM,32−QAM,…)は、BPSK技術と同じスペクトル出力分布を有することである。したがってBPSKベースのパイロット信号変調を、例えば、16−QAMベースのデータ変調と組み合わせることも可能である。
列でマーキングされたパイロット信号P(t)により、一種の擬似ランダムノイズが形成され、これがデータサブ信号D(t)に付加される。これにより、伝送出力がやや低減されるが、パイロット信号P(t)の出力がデータサブ信号D(t)のわずかに1%〜10%にしかならない場合は、データ伝送に対する影響は無視できるほど小さい。しかしながら、パイロット信号P(t)が、再構成された送信信号S(t)から再度減算される場合、妨害の影響をさらに低く保持することができる(図2を参照されたい)。
・チャネルマトリクスの測定
図5には受信器Rxが示されている。左側の領域には信号路とモニタ路とに分割するための分離ユニットSEUが、中央の領域にはアナログの信号結合ユニットASUが、また右側の領域にはデータ復元ユニットDRUが示されている。ここでは3つの受信路ないしは受信アンテナE,E,E(E,j = 1…m,m = 3,)を有する受信器Rxが実施例として示されている。内部の発振器LOによる帯域引き下げの後、各受信信号E(t),E(t),E(t)は分岐個所SP,SP,SPにおいて信号路signal,signal,signalと、monitor,monitor,monitorとに分けられる。相応するモニタ信号M(t),M(t),M(t)は、チャネルマトリクス[H]の測定(推定)のために必要であり、これに対して実際の受信信号E(t),E(t),E(t)は、アナログの信号結合ユニットASUでさらに処理される。
図6には重み付けユニットWUの詳細が、分離ユニットSEUと信号結合ユニットASUとの間の接続素子として示されており、この接続素子によってチャネルマトリクス [H]が推定される。各受信路E,E,Eでは、モニタ信号M(t),M(t),M(t)は、伝送システムTSにおける送信アンテナS1,S2の数(3つの受信アンテナに対して例として2つの送信アンテナ)に等しい数の相関回路correlator,correlatorに分けられる(図6の上側を参照されたい)。すべての相関回路correlatorijの数は、n個の送信路と、m個の受信路とを乗算することによって得られる(それぞれインデックスiないしはjを有する)。図6の下側には第1送信アンテナSをマーキングするパイロット列PNに所属する相関回路correlatorが例示的に示されている。受信したデータ信号E(t)におけるパイロット信号PNのバイナリのキャラクタ列PRBSと同期して、受信器RxのPRBS発生器(generator)により、同じキャラクタ列PRBSが形成され、送信側と同じパイロット信号PN1が生成される。つぎに内部のIF1発生器の同相(0°)の出力側および90°位相がシフトされた出力側が、それぞれ上記のパイロット列PN1によって変調され、得られた2つの信号はそれぞれモニタ信号M(t)と乗算される。ここで注意すべきであるのは、モニタ信号M(t)が分岐個所SPの前ですでに副搬送波周波数IF1に混合されて引き下げられているため、乗算の後、複素数値のベースバンド信号が得られることである。重畳された双方の信号は、キャラクタ例PRBS(16383チップクロックサイクル)の完全な1周期τにわたって積分される。データ伝送時にシンボルレート(チップレート)が例えば2.5MHzである場合、6.5msの周期がチャネルマトリクス[H]の新たな測定毎に必要である。この際に関連して前提とされるのは、室内のマルチパス伝送チャネルに対する諸条件が大きく変化しないこと、5GHzではこの周期時間中に1m/s以下の速度を有する対象物の運動によって大きく変化しないことである。
以下ではパイロット信号の抽出を詳しく説明する。受信信号E(t)と等しい、相関回路correlatorに到来するモニタ信号M(t)は、互いに依存しない2つのデータサブ信号D(t)と2つのパイロット信号P(t)との線形結合
Figure 0004063674
である。
この実施例では、これは同じ搬送波周波数ωのBPSK符号化された4つの信号の総和
Figure 0004063674
であり、ここでx(t)は、データ信号またはパイロット信号の単極{0;1}表現であり、j>2に対してH1j = H1(j−2)であり、またc.c.は複素共役信号の略記である。式(6)による総和はj=1〜4で行われる。それはここで説明する計算は、データ信号およびパイロット信号に対して同じだからである。ここで仮定するのは、すべての伝送路に対して同一のコヒーレントな周波数搬送波が使用されることである。積分器の後で測定される2つの信号はつぎように表すことができ、ここでI信号はアナログの測定電圧の実数部として、またQ信号は虚数部として解釈することができる。
Figure 0004063674
第1送信路Sの同相のI信号は、式(6)を(7)に代入することによって得ることができる。
Figure 0004063674
類似の式がQ信号に対して得られる。式(9)の高周波成分(左側のかっこ)は無視することができる。それは積分はローパスフィルタのように作用するからである。チャネル特性が周期τの間に変化しない場合(Hij = 定数)、つぎの形の積分
Figure 0004063674
が得られ、ここでこれは信号が、測定されたI値およびQ値に影響を及ぼすか否かを示す。x(t)が、パイロット信号Pj(t)を時間的に拡散させるのに使用されるPRBS列のうちの1つである場合、Cは、周期的な自己相関関数(PACF(0),j=1)に等しいか、または相互相関関数(PCCF(0),j≠1)に等しいかのいずれかである。しかしながら前提は、n次元のベクトル空間を張るパイロット列は、精確に直交し、互い同期していることである(C = τδ1j。ここでδijマトリクスを表すすべての自然数の組ijのクロネッカーの記号であり、i=j対して値1であり、i≠jに対して値0である)。この要求は、ここで選択したGold列について、極めて良好な近似で満たされる。
(t)がランダムに調整されたデータ列である場合、列の無限の周期において積分C=0を得る。したがって以下では、ランダムなデータの影響は無視する。この場合、I信号およびQ信号は、
Figure 0004063674
のように簡単になる。
パイロット信号が送信器において同じ振幅を有する場合、図6の相関回路によってチャネルマトリクス[H]の要素H11の振幅
Figure 0004063674
と、位相
Figure 0004063674
とが測定される。他のマトリクス要素もこれと全く同様に決定される。
しかしながら有限の列により、測定されるI値およびQ値に対してデータ信号が与える影響も十分に抑圧することもできる。それはこれらがパイロット列と相関していないからである。この場合、ランダムなデータ信号は、パイロット信号に重畳された大きなノイズとしてみなすことができる。以下の例では、データサブ信号のエネルギーの1%〜10%を有するパイロット信号を前提とする。データサブ信号はランダムであり、また互いに相関していないため、エネルギーはパイロット信号の23dB上方にある。相関により、パイロット信号は、パイロット信号は拡散利得により、10log(16383) = 42dBだけ増幅されて、これはいまやI信号およびQ信号に対して、19dBだけ多いエネルギーで影響を及ぼし、データ信号に比較して(または9倍の振幅で)影響を及ぼす。注意すべきであるのは、データサブ信号と、パイロット信号との間のエネルギーの比を、チャネル測定の際の小さなクロストークおよび高い精度に対して注意して調整しなければならないことである(Riceファクタk≪1を定める)。最適な比はビット誤り測定によって求めることができ、または全体システムをシミュレーションすることによって求めることもできる。すでに上で述べたように、パイロット信号を交互に送出する際には、スペクトル的な効率は確かにさらにやや低減されるが、このためにパイロット信号の振幅が増大することがある(k→1)。
図5および6に示したのと同じような回路が、チャネルマトリクスの全要素Hijの別々の測定に使用される。図6の積分器の後段ではアナログ値がディジタル信号プロセッサDSPに読み込まれ、この信号プロセッサにより、アナログの信号結合ユニットASUに対する重み付けが計算される。
・重み付けの計算
以下では、測定したチャネルマトリクス[H]により、信号結合ユニットASUに対して適切な重み付けマトリクス[H]を得る方法を示す。数式(2)のベクトルの式に左から重み付けマトリクス[I]を乗算すると、S′=[I][H]S+[]N=S+[I]Nが得られる。ノイズがない場合(N=0)に明らかであるのは、重み付けマトリクス[I]が、チャネルマトリクス[H]の擬似逆行列であることであり、ここでこれは、
Figure 0004063674
によって定まる。
式(14)により、n×nの方程式が重み付けマトリクス[I]のm×nの要素に対して得られ、重み付けマトリクス[I]の計算において(m−n)×nの自由度があることに注意されたい。したがってノイズを考慮すると、式(14)を満たす任意の重み付けマトリクス[I]の選択することによって、信号復元の際に重大なエラーが発生し得るのである。このことは、S′=S+[I]Nの付加的なノイズの項によって明らかになり、ここでこれは重み付けマトリクス[I]における自由なパラメタの目下の設定に依存する。したがって最適なデータ伝送のためには、ノイズの項[I]Nの影響を最小化しなければならない。この課題は、例えば、いわゆるMoore-Penrose擬似逆行列を固有に選択することによって解決される。
以下では、この逆行列の固有の選択のもたらす影響を分かりやすく示す。ここで注意すべきであるのは、式(2)が、n次元の送信−ベクトル空間Σ(n)とm次元の受信−ベクトル空間Ψ(m)との間の変換を表すことである。したがってノイズがない場合、受信ベクトルEは、受信−ベクトル空間Ψ(m)におけるn次元の超平面にあり、ここでこの超平面はチャネルマトリクス[H] = [c,…c]の列ベクトルcによって張られる(図7を参照されたい)。ノイズがある場合、受信ベクトルEは,通例この平面の外にある。
Figure 0004063674
高度の線形代数から既知であるのは、複素数値のチャネルマトリクスの特異値分解によって得ることのできるMoore-Penrose擬似逆行列により、まさに求めた上記の投影が行われることである。ノイズによって発生する元信号からの偏差は、相応に定められ、平面内にあるノイズの逆変換(14)として解釈することができる。したがって、ノイズ特性に対して情報が得られない場合、受信空間Ψ(m)におけるノイズを最小化するこの手法は、送信ベクトルSを復元するのに最適である。
しかしながら通例、受信器におけるノイズの挙動は既知あるため、送信−ベクトル空間Σ(n)におけるエラーは、相応する手法によりさらに低減することができる。偏差の2乗の平均を最小化すること(Minimum Mean Square Estimation MMSE)により、式(14)には小さな影響しか及ぼされないが、データ復元の際の残りのエラー(クロストーク)をノイズ分に対して考慮することができる。これによって、より良好の性能を代数的なアプローチにより達成することができ、これはMoore-Penrose擬似逆行列との乗算よりも困難ではない。
これに対して公知のBLAST方式に使用される解決手段は、Moore-Penrose擬似逆行列との乗算に続いて再帰的な干渉消去(Interferenzausloeschung)を使用する。後からのこの「除去」は式(14)により、基本的につぎの場合にのみ必要である。すなわち、チャネルマトリクスの測定がエラーを含んでいる場合にのみ必要であり、公知のBLAST方式ではここから出発する。結果的に発生した測定エラーにより、ここではエラーを含む擬似逆行列が計算され、この擬似逆行列により信号を再構成する際に個々のデータ路間のクロストークが発生してしまうのである。より改善されチャネル推定はBLAST方式においてより長い時間を必要とすることになり、これによってスペクトル効率がさらに低下されることになってしまう。BLAST方式における再帰的な妨害抑制により、少なくとも部分的に上記の不所望のクロストークが除去され、ひいてはエラーを含むチャネル測定の列が生じる。したがってチャネル測定を格段に改善することにより、ハードウェアに実装することの困難な、再帰的なエラー訂正を省略することができる。したがってEP−A20951091に記載された、極めて簡単な測定方法に比べ、本発明の伝送方法では直交のPN列(Gold例)をチャネルマトリクスの測定に対して使用することにより、格段に高い精度を達成することができ、コストのかかる妨害抑制を省略することができる。ここまでは、部分送信信号の再構成が、チャネルマトリクスに対する改善された測定方法により極めて単純化された。これにより、実施例に示した純粋にアナログな信号再構成がはじめて実行可能になる。
式(19)に必要な代数的なマトリクス計算は、チャネルマトリクス[H]の時間平均測定に基づく。したがってデータ処理は、データ伝送には依存しないでディジタル信号プロセッサDSPで行うことができる。図6に示したディジタル信号プロセッサDSPには、前置接続ないしは後置接続された所要のアナログからディジタルへの変換部およびその逆の変換部(A/DないしはD/A)の他に、測定量IおよびQからチャネルマトリクス[H]の個々の要素Hijを求めるための所要の計算ステップが示されている。つぎにこれらから擬似逆行列が計算され、この擬似逆行列そのものは、アナログ量IおよびQを介してI−Q変調器IQmodijに転送される。アナログの信号結合ユニットASUでは、ハードウェアベクトル信号復元の最後のステップを実行するのにこの計算結果を利用することができ、例えば、I−Q変調器IQmodijによってアナログで作成された重み付けIijとの乗算に対して、またすべての送信アンテナの種々異なる影響の加算に対して利用可能である。必要なI−Q変調器IQmodijの数は、チャネルマトリクス[H]の要素Hijの数に等しい。
・ 信号結合ユニット
図5の中央部のアナログの信号結合ユニットASUは、チャネルマトリクスを測定する相関回路と並んで、マルチアンテナ受信器Rx側における、本発明の伝送システムの主要構成部材である。データ路に影響を及ぼす演算はすべてハードウェアで実現されるため、スループットは、ディジタル信号プロセッサDSPの性能に制限されない。ここで注意したいのは、このようなハードウェアによる実現は、本発の伝送方法とは別の方法にも当然使用することができ、しかも線形結合ユニット(linear Verknuepungswerk)からのデータ信号が、これまでもっぱらディジタル信号プロセッサで処理されていたケースではつねに使用することができる。このようなものとして例えばいわゆる「インテリジェントアンテナアレイ」(スマートアンテナ)あり、これらは例えば、個々の加入者を空間的に分離するため、将来の移動無線システムの基地局に広く使用される。
信号結合ユニットASUでは、実践的な例において、別個の発振器によって形成される中間周波数IFの位相および振幅が、求められた各重み付けIijにしたがいディジタル信号プロセッサDSPにより、慣用のI−Q変調器IQmodijを使用して適合化される(図5の右側および図4のASUを参照されたい。ここでは表記「Iij@IF」によって示されている)。このような変調器は、それ自体公知であり、通例、ディジタルラジオにおいてディジタルの情報を搬送波に混合変調するために使用される。着目すべきであるのは、このような簡単なI−Q変調器を利用することが、アンテナの重み付けを行う新たな形であり、ここでは信号プロセッサがデータ路に不要になる。データ路の信号プロセッサは、公知のBLAST方式がそうであるようにインテリジェントなアンテナシステムに必須である。
中間周波数IFで受信した信号は、個別に中間周波数IF = IF − IFに引き下げられ、これによって中間周波数搬送波IFの複素数の重み付けIijの準静的な振幅情報と位相情報とが、受信した信号に伝送される。中間周波数IF2の重み付けされた信号は、つぎに個別に帯域通過フィルタFIで濾波され、所属のデータ分岐路で加算される。最後に復元のためのデータが、空間時間復号器STDに供給される。
・ より一層高い性能に対するシステムの設計
上に示した例では2相位相シフトキーイング(BPSK)の元のスペクトル効率と、2つの送信アンテナの数とを乗算した。送信器において片側帯域通過フィルタ(Einseitenbandfilter)を仮定し、またベースバンドにおいてデータを高い信頼性で識別するためにデータレートの0.8倍の帯域幅が必要であると具体的に考慮すると、スペクトル効率は、BPSKにおいて1.25bit/s/Hzである。したがってこの例では、2.5bit/s/Hzの効率が実現される。分割されたデータサブストリームにおいてより多くの送信アンテナまたは別のより高度の変調方式では、全体の効率ηtotalはηtotal = n×ηmodに増大し、ここでnはデータサブストリームの数、ηmodはこのデータサブストリームの各変調のスペクトル効率である。n=8およびηmod=5(例えば16−QAM変調時)では、40bit/s/Hzのスペクトル効率ηtotalを達成可能である。上記の例のように2MHzのそのままのチャネル帯域幅を仮定すると、2.5MHzのチップレートで100Mbit/sのデータレートを伝送可能である。冒頭にすでに述べたようにこのように高いデータレートが無線LANから期待されているはずである。54Mbit/sおよび20MHz = 2.7bit/s/Hzの最大のスペクトル効率を利用する既存のHIPERLAN/2標準から見ると、本発明の伝送方法と、相応して実施された伝送システムにより、同じスペクトル限界内でネットワーク容量をほぼ15倍に増大させることが可能である。
文献一覧
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[9] J.S. Lee and L.E. Miller, CDMA Systems Engineering Handbook, Artech House, Boston, London (1998), pp.656-663
MIMOシステムの構造を示す図である 本発明の伝送方法および伝送システムの原理回路図である 本発明の伝送方法および伝送システムの送信側を示す図である PN列を形成する発生器を示す図である 本発明の伝送方法および伝送システムの受信側を示す図である 重み付けユニットを示す図である 幾何学的な投影技術の図である。
符号の説明
A 増幅器
ASU アナログ信号結合ユニット
correlatorij 相関回路
data-in 到来するデータストリーム
data-out 出力されるデータストリーム
DRU データ復元ユニット
DSP ディジタル信号プロセッサ
(t) 時間に依存するデータサブ信号
E 受信ベクトル
受信路ないしは受信アンテナ
(t) 時間に依存する受信信号
FI 帯域通過フィルタ
generator 擬似乱数発生器
IF, IF, IF 中間周波数
[H] 複素数値チャネルマトリクス
ij チャネルマトリクスの要素
i 送信側のインデックス(i = 1…n)
I 測定電圧の実数部
ij 重み付けマトリクスの要素
ij(t) アナログの重み付け信号
[I] 重み付けマトリクス
IQ modij I−Q−変調器
j 受信側のインデックス(j = 1…m)
LO 局部周波数発生器
m 並列の受信路の数
MIMO 多重入力/多重出力システム
monitor モニタ路
(t) 時間依存のモニタ信号
N ノイズベクトル
n 並列の送信路の数
PN パイロット列
PRBS 擬似乱数バイナリ列
(t) 時間依存のパイロット信号
Q 測定電圧の虚数部
QAM 直交振幅変調
Rx 受信器
SEU 分離ユニット
signal 信号路
(t) 間依存の送信信号
受信した送信ベクトルの成分
SP 分岐個所
SR シフトレジスタ
STD 空間時間復号器
STE 空間時間符号化器
送信路ないしは送信アンテナ
T チップサイクル
tap 取り出し個所
Tx 送信器
TS 伝送システム
WU 重み付けユニット
XOR 排他論理和ゲート

Claims (10)

  1. 室内領域でディジタルのデータサブストリームを並行して無線伝送する無線伝送方法であって、
    前記ディジタルのデータサブストリームは、空間時間符号化により、選択したデータ変調形式に依存してn個のデータサブ信号に形成され、
    前記無線伝送は、n個の送信路と、前記室内領域の別の個所に配置されたm個(m≧n)の受信路との間で、周波数が制限されたマルチパスの伝送チャネルにて行われ、
    ここでは該伝送チャネルの空間時間特性を推定するために複素数値のチャネルマトリクスの要素を測定し、
    当該の複素数値のチャネルマトリクスから導き出される重み付けマトリクスを求めて受信路にて空間時間信号処理し、これによって複数のデータサブ信号を同時に復元し、
    該データサブ信号を空間時間復号化部にて再び前記のディジタルのデータサブストリームに形成する形式の無線伝送方法において、
    既知の構造、符号化および良好な相関特性の一義的に識別可能なパイロット信号(Pi(t))によって各送信路(S i ,i=1…n)をマーキングし、
    マーキングを行うパイロット列(PN i )の形態で、それぞれ伝送すべきデータサブ信号(D i ( ) )に当該パイロット信号を少ない妨害で重畳し、かつ重畳したものを送信信号(S i ( ) )として伝送し、
    前記の複素数値のチャネルマトリクス([H])の要素(Hij)の測定を、送信路(S i ,i=1…n)の送信信号(Si(t))の並列伝送と同時に実行し、
    前記パイロット列(PNi)に基づいて、その伝送される構造を各受信路(E j =1…m)にて測定して既知の構造と相関付け、
    前記の送信路(S i ,i=1…n)の送信信号は送信ベクトルSを成し、また各受信路(E j ,i=1…m)の受信信号E j ( ) は受信ベクトルEを成し、
    各データサブ信号(Di(t))を、その復元のために受信ベクトルEのすべての受信信号(Ej(t))のアナログに重み付けされた線形結合として表し、
    ここでアナログの重み付き信号(Iij(t))は、重み付けマトリクス([I])の要素であり、
    前記の複素数値のチャネルマトリクス( [ ] )によって変換される送信ベクトル(S)の空間にて、当該のチャネルマトリクス( [ ] )の列ベクトルによって張られる平面に、前記の受信ベクトルEを投影すると同時に当該受信ベクトルEのノイズの項(N )を取り除く行列として前記の重み付けマトリクス( [ ] )を求めることを特徴とする、
    室内領域における無線伝送方法。
  2. 前記パイロット列(PN)は、シンボルレートと、選択した変調形式から得られる出力密度スペクトルとが、前記データサブ信号(D(t))の基礎にあるデータサブストリームに類似している、
    請求項1に記載の無線伝送方法。
  3. 前記パイロット列(PN)は、見かけ上ランダムな十分に直交するバイナリ列(PRBS)として、Gold 符号、または2 14 −1ビットと等しいかまたはそれより大きな列長を有するバイナリ列として構成されている、
    請求項1または2に記載の無線伝送方法。
  4. 前記パイロット信号(P(t))の出力は、前記データサブ信号(D(t))の出力の1〜10%の範囲にある、
    請求項3に記載の無線伝送方法。
  5. 前記の受信信号(E(t))から得られるパイロット信号(P(t))を、再構成された送信信号S(t)から再び減算する、
    請求項1から4までのいずれか1項に記載の無線伝送方法。
  6. 前記のデータサブ信号(D(t))を再構成するための幾何学的投影技術では、重み付けマトリクス([I])として前記チャネルマトリクス([H])のMoore-Penrose擬似逆行列またはここから導き出されるマトリクスを利用する、
    請求項1から5までのいずれか1項に記載の無線伝送方法。
  7. 前記チャネルマトリクス([H])の要素(Hij)を測定する相関によって、複素数値の電圧の実数部および虚数部(I,Q)に相応して、前記伝送チャネルについての振幅情報および位相情報を含む2つの測定値を形成する、
    請求項1から6までのいずれか1項に記載の無線伝送方法。
  8. 前記データサブ信号に対する変調形式として、2相位相変調、M相位相変調または直交振幅変調を利用し、
    これに対して前記パイロット信号に対して2相位相変調を利用する、
    請求項1から7までのいずれか1項に記載の無線伝送方法。
  9. 個々の送信路と受信路との間の周波数が制限されたマルチパスの伝送チャネルにてディジタルサブストリームを並列に無線伝送する室内領域用の移動無線伝送システムであって、
    該移動無線伝送システムは、送信器および受信器を有しており、
    該送信器は、位置に依存する、並列のn個の送信路に対するマルチエレメントアンテナと、送信側の信号処理装置における空間時間符号化ユニットとを含んでおり、
    前記受信器は、位置に依存する、並列のm個(m≧n)の受信路に対するマルチエレメントアンテナと、ディジタル信号プロセッサを有する、複素数値のチャネルマトリクスを測定する装置と、受信側の信号処理装置における空間時間復号化ユニットとを含んでいる形式の、室内領域用の移動無線伝送システムにおいて、
    請求項1から8までのいずれか1項に記載された無線伝送方法を実施するため、
    前記送信器(Tx)は、各送信路(S,i=1…n)にパイロット信号発生器(PN generator)および供給部を含んでおり、
    該パイロット信号発生器により、送信路(S)をマーキングする一義的に識別可能なパイロット列(PN)が形成され、
    前記供給部により、マーキングを行うパイロット列(PN)から生成されたパイロット信号と、それぞれ伝送すべきデータサブ信号(D(t))とが送信路(S)にて重畳され、
    前記受信器(Rx)は、各受信路(E,i=1…m)にて分岐個所(SP)を有しており、またすべての受信路(E)にわたるアナログの信号結合ユニット(ASU)を有しており、
    前記分岐個所を介して各受信信号(E(t))が、モニタ信号(M(t))として、重み付けユニット(WU)に供給されてアナログの重み付け信号(Iij)が求められ、
    前記信号結合ユニットに該重み付け信号(Iij)が供給され、
    前記の各重み付けユニット(WU)は、存在する送信路(S)の数に相応する数の相関回路(correlatorij)と、すべての重み付けユニット(WU)に共通なディジタル信号プロセッサ(DSP)と、アナログの複素数値変調器(I−Qmodij)とを有しており、
    前記相関回路は、1つずつのパイロット信号発生器(PN generator)を有しており、これによってそれぞれ受信したパイロット信号(P(t))の構造が測定され、
    前記ディジタル信号プロセッサにより、複素数値のチャネルマトリクス([H])と、このチャネルマトリクスから得られる重み付けマトリクス(I)とが求められ、
    前記複素数値変調器により、アナログの重み付け信号(Iij)が各受信信号(E(t))に重畳されることを特徴とする、
    室内領域用の移動無線伝送システム。
  10. 前記のパイロット信号を形成する信号発生器(PN generator)は、多重に帰還結合されるシフトレジスタ(SR,SR)を有する擬似ランダムなバイナリ列発生器(PRBS)として構成されている、
    請求項9に記載の移動無線伝送システム。
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