JP4063593B2 - デバイス情報を管理可能なバスアナライザ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パーソナルコンピュータとその周辺デバイスとを接続するユニバーサルシリアルバス(以下USBと称する)を転送するデータをトレースし、バス動作の解析に利用されるツールである、バスアナライザに関し、特に、USBに接続されるUSBデバイスのデータを容易にトレースでき、トレースしたデータをオペレータが理解容易な形態で出力することができるバスアナライザに関する。
【0002】
【従来の技術】
USBは、パーソナルコンピュータと複数の周辺デバイスとの接続の汎用性及び拡張性を高めたバスインターフェースである。キーボード、マウスなどの入力装置や、モデムなどの通信装置、またはカメラやプリンタなどのUSB対応周辺デバイス(以下USBデバイス)に対して、USBケーブルを共通化し、それに伴いプロトコルを規格化することで、USBの汎用性と拡張性を高めている。
【0003】
また、パーソナルコンピュータのUSBポート数に限りがあっても、USBハブを利用することにより、多くの(最大で127個)周辺デバイスを接続することができる。そして、外付けのハードディスク内の画像データをプリンタに出力したり、モデム経由で送信したりするときに、このUSBを経由してデータ転送が繰り返される。このデータ転送には、例えばコントロール転送、バルク転送、インタラプト転送、アイソクロナス転送などの転送方式がある。
【0004】
USBは、複数のUSBデバイスが接続される場合でも、ホストコンピュータのクライアントソフトウエア(デバイスのドライバ)とUSBデバイスとが1対1で通信を行う。従って、複数のUSBデバイスが接続されている場合は、ホストコンピュータと特定のUSBデバイスのデータ転送が行われている間は、そのUSBをそのUSBデバイスが占有し、そのデータ転送が終了後に、別のUSBデバイスとのデータ転送が行われる。即ち、時分割のデータ転送である。
【0005】
新たにUSBデバイスを開発する場合、USB接続状態でデバイスの動作を確認する必要がある。即ち、ホストコンピュータとUSBデバイス間での転送データを監視することにより、正常に動作しているか否か、どのような時に誤動作が発生しているかなどを解析することができる。
【0006】
このようなUSB上の転送データをトレースして解析するツールとして、USBプロトコルアナライザが提案されている。このUSBプロトコルアナライザは、ホストコンピュータとUSBデバイスとを接続するUSBケーブルの途中に接続され、USBケーブル上を流れる転送データを抽出して記録し、表示画面などに出力する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
USBプロトコルアナライザを利用してUSBの解析を行う場合、USBを介して接続される多数のUSBデバイスのうち、どのデバイスがホストコンピュータと通信しているかを確認できなくなる場合がある。ホストコンピュータは、USBデバイスに対してユニークなアドレスを割り当て、転送されるデータにはそのアドレスが付与される。従って、USBプロトコルアナライザは、どのアドレスのデータが転送されているかを検出することはできるが、どのUSBデバイスのデータかを検出できない。特に、USBデバイスが多数になると、解析工程において、どのUSBデバイスがデータ転送を行っているかの確認が困難になる。
【0008】
USBデバイスが接続された時に、ホストコンピュータは、その新たに接続されたUSBデバイスにアドレスを割り当てて、USBデバイスの情報を取得し、その後アドレスに対応付けてUSBデバイス情報を監視する。この接続時のデバイス情報の取得は、初期化動作またはバスエニュメレーション動作であり、USBデバイスが接続された時やホストコンピュータの起動時に行われる。従って、ホストコンピュータは割り当てたアドレスによって、USBデバイスを区別することができるが、USBプロトコルアナライザは、アドレスとデバイスとの対応関係や、デバイス情報を取得できずに、転送データに対応するUSBデバイスを確認できない場合がある。
【0009】
また、USBでは、転送データの仕様がデバイス毎に異なり、転送データのみをトレースして出力表示するだけでは、そのトレースしたデータの解析が困難であり、バス解析を有効に行うことができない。
【0010】
そこで、本発明の目的は、USBデバイスを確認可能なバスアナライザを提供することにある。
【0011】
更に、転送データをより上位の言語の形態で出力可能なバスアナライザを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の一つの側面は、ホストコンピュータと周辺デバイスとを接続するバス上に流れるデータのトレースを行うバスアナライザにおいて、周辺デバイス接続時の初期化時に周辺デバイスがホストコンピュータに転送するデバイス情報を、当該周辺デバイスに割り当てられたアドレスに対応付けて記録する初期化情報メモリと、バス上を転送されるデータを前記アドレスに対応付けて記録するトレースデータメモリとを有することを特徴とする。
【0013】
上記の発明によれば、バスアナライザは、取得したデバイス情報を周辺デバイスに割り当てられたアドレスに対応付けて初期化情報メモリに記録することができる。従って、通常のデータ転送時において、記録したデバイス情報を参照することで、転送中のデータがどの周辺デバイスに対応するものかを常に確認することができ、更に、転送されているデータを、オペレータが理解可能なデータ種別情報に変換して出力することができる。従って、利便性の高いバスアナライザを提供することができる。
【0014】
上記の発明の側面において、より好ましい実施例は、更に、周辺デバイスとホストコンピュータとの接続状態を一旦解除後再度接続するバス接続解除手段を有する。このバス接続解除手段により周辺デバイスがホストコンピュータに新たに接続された状態を再現することができ、両者をして接続時の初期化動作を行わせることができ、初期化動作時に周辺デバイスからホストコンピュータに転送されるデバイス情報をバスから取得することができる。従って、バスアナライザは、接続されている複数の周辺デバイスのデバイス情報を容易に取得することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態例を説明する。しかしながら、本発明の保護範囲は、以下の実施の形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物にまで及ぶものである。
【0016】
図1は、本実施の形態におけるUSBプロトコルアナライザとホストコンピュータ及びUSBデバイスとの関係を示す図である。ホストコンピュータ10には、ハブ26,28,30を利用することにより、最大で127個のUSBデバイス12〜24を接続することができる。そして、ホストコンピュータとUSBデバイスとは、ホストコンピュータ内のドライバプログラムとUSBデバイスとの1対1の通信によりデータ転送を行う。
【0017】
図1のような階層型スタートポロジの接続状態では、全てのUSBデバイスとホストコンピュータ間の転送データをトレースして解析するために、USBプロトコルアナライザ100がホストコンピュータ10と最上位のハブ26間のUSBケーブルに接続される。これにより、USBプロトコルアナライザ100は、全てのUSBデバイスに対して、USBケーブル上を流れるデータを監視し、所望の条件に合致する転送データを抽出して格納することができる。
【0018】
USBプロトコルアナライザ100を利用してUSBの分析を行う際、分析対象のUSBデバイスが、任意のタイミングで任意のハブに接続、切断、再接続などが行われる。USBデバイスが接続されるたびに、ホストコンピュータと新たに接続されたUSBデバイスとの間で初期化動作(バスエニュメレーション動作)が行われ、USBデバイスに対してアドレスが割り当てられて、USBデバイスのデバイス情報がホストコンピュータにより取得され、割り当てたアドレスに対応付けて管理される。その後は、この割り当てたアドレスがデータ転送のトランズアクションに添付され、ホストコンピュータはどのUSBデバイスとのデータ転送であるかを認識することができる。
【0019】
更に、ホストコンピュータは、上記の初期化動作時のデバイス情報を参照することで、転送されるデータの形式情報を取得することができ、従って、ホストコンピュータは、そのデバイス情報を参照して当該データの形式情報にしたがってUSBデバイスに送信するデータを生成する。
【0020】
図2は、本実施の形態におけるUSBプロトコルアナライザの構成図である。USBプロトコルアナライザ100は、ホストコンピュータ10とUSBデバイス12とを接続するUSBケーブルの途中に挿入される。また、アナライザ100は、アナライザインターフェースコンピュータ200とも接続され、それに、オペレータへの出力手段であるモニタ202と、図示しないマウスやキーボードなどの入力手段とが接続される。
【0021】
USBプロトコルアナライザ100は、ホストコンピュータ10とUSBデバイス12間の接続を一旦解除(切断)しその後再度接続するバス接続解除手段として、デタッチ制御部40を有する。更に、アナライザ100は、USBデバイスがホストコンピュータに接続された時に行われる初期化動作時のデバイス情報を、USB上の転送データから抽出して取得するセットアップキャッシュ管理部42と、そのデバイス情報をUSBデバイスに割り当てられたアドレスに対応付けて記録するセットアップキャッシュメモリ44とを有する。即ち、セットアップキャッシュ管理部42が初期化情報管理部に該当し、セットアップキャッシュメモリ44が、初期化時のデバイス情報を記録する初期化情報メモリに該当する。デバイス情報については、後で詳述する。
【0022】
このデタッチ制御部40は、アナライザインターフェースコンピュータ200から制御可能であり、オペレータなどからの任意のタイミングで、ホストコンピュータ10とUSBデバイス12との間の接続を、一旦切断し、その後再接続させることができる。これにより、ホストコンピュータ10とUSBデバイス12との間で初期化動作を強制的に実施させ、初期化動作時のデバイス情報をバス上に転送させることができる。従って、デタッチ制御部は、バス接続解除手段に該当する。このデタッチ制御部40は、アナライザインターフェースコンピュータ200からの指令に応答して接続解除・再接続を行っても良く、また、図示しないハードウエアスイッチに応答して接続解除・再接続を行っても良い。
【0023】
USBプロトコルアナライザ100は、更に、トレース条件メモリ50に設定されたトレース条件に応じて、USB上を転送されるデータを抽出し取得して、トレースデータメモリ48内に記録するトレース制御部46を有する。トレースデータメモリ48は、大量の転送データを格納できるように、大容量のメモリで構成される。トレース条件メモリ50には、転送データをトレースするトリガをかける時のトリガ条件や、記録するデータを特定するフィルタ条件などが、トレース条件として格納され、このトレース条件は、アナライザインターフェースコンピュータ200で設定される。
【0024】
図3は、本実施の形態のUSBプロトコルアナライザの動作フローチャート図である。最初に解析したいUSBデバイスとホストコンピュータとの間のUSBに、USBプロトコルアナライザを接続する。そして、デタッチ制御部40を制御して、解析対象のUSBデバイスがホストコンピュータに新たに接続される状態を再現する(S1)。このバス接続解除・再接続に応答して、ホストコンピュータとUSBデバイスとは、バスエニュメレーション動作を開始する。
【0025】
ホストコンピュータ10は、複数のUSBデバイスに対して、ハブのポートの順にバスエニュメレーション動作を行う。図1の例では、USBデバイス12から24までを順番に指定して、それぞれの初期化動作を行う。
【0026】
図4は、そのバスエニュメレーション動作(初期化動作)を示す図である。ホストコンピュータ10は、新たにUSBデバイス12が接続されると、そのUSB内の電圧変化を検出して新たなUSBデバイスの接続を検知する(S10)。それに応答して、ホストコンピュータ10は、USBデバイスに接続されたか否かの確認信号を送信する(S11)。接続されている複数のUSBデバイスのうち、新たに接続されたUSBデバイスは、接続応答を返信し(S12)、それに応答して、ホストコンピュータ10は、そのUSBデバイスに対してユニークなアドレスを割り当てて、通知する(S13)。
【0027】
このアドレス情報は、ホストコンピュータ10が発行するリクエスト信号に含まれる特定の数バイトデータに続いて当該リクエスト信号に含まれる。従って、バスアナライザ100のセットアップキャッシュ制御部42は、上記の特定の数バイトデータを検出して、割り当てられたアドレスを取得することができる。
【0028】
次に、ホストコンピュータ10は、USBデバイス12に対して、デバイス情報を要求する(S14)。このデバイス要求には、そのUSBデバイスに割り当てられたアドレスが含まれる。従って、そのアドレスに対応するUSBデバイス12は、要求に応答して、USBインターフェースに必要なデバイス情報を返信する(S15)。このデバイス情報の要求と返信とは、所定回数繰り返され、その結果、ホストコンピュータ10は、デバイス情報をアドレスに関連付けて管理することができるようになる。
【0029】
図5は、USBにおけるトランズアクションのパケット例を示す図である。USBでのデータ転送は、このトランズアクションに対応する。一つのトランズアクションは、トークンフェーズとデータフェーズとハンドシィクフェーズの3つのフェーズからなり、それぞれのフェーズはパケット60,62,64で構成される。また、各パケットは、パケットの開始を示す同期化用データSyncと、そのパケットの終了を示すデータEOP(End of packet)を有し、同期化用データSyncに続いてトークン種別データ(図5ではセットアップ602や、データ622や、アクノリッジ642)と、アドレス603,エンドポイント604(デバイスのサブアドレス)、データ623などのパケットのボディとなるデータとが含まれる。
【0030】
図5に示した3つのパケットからなるトランズアクションは、例えば図4でのデバイス情報返信のトランズアクションに対応する。即ち、USBデバイス12は、トークンフェーズのパケット60で、そのトランズアクションがセットアップデータ(初期化時のデバイスデータ)を返信することと、どのアドレスのデバイスからのセットアップデータであるかを示し、更に、続いて、データフェーズのパケット6で、デバイス情報がデータ523として送信される。そして、最後にアクノリッジを示すパケット64が送信される。
【0031】
従って、これらのトランズアクションのパケットを監視することで、アナライザのセットアップキャッシュ管理部42は、USB上のセットアップトランズアクションを検出することができる。図3に戻り、セットアップトランズアクションであることを検出すると、セットアップキャッシュ管理部42は、そのトランズアクションのパケットを取得し、パケットに含まれるデバイス情報を、同パケットに含まれるアドレスに対応付けて、セットアップキャッシュメモリ44内に格納する。
【0032】
セットアップトランズアクションには、ホストコンピュータからのデバイス情報要求信号とそれに対する応答信号とが含まれる。この要求信号と応答信号とは、データフェーズに存在し、データフェーズのパケット内のデータを解析することにより、要求信号と応答信号とを区別することができる。
【0033】
図6は、セットアップキャッシュメモリ内のデータ例を示す図である。このメモリ44内には、アドレス「0x00」「0x01」「0x0N」に対応して、デバイス情報であるディスクリプタがそれぞれ格納される。デバイス情報は、デバイスディスクリプタ、コンフィギュレーションディスクリプタ、インターフェースディスクリプタ、エンドポイントディスクリプタとで構成される。デバイスディスクリプタとコンフィギュレーションディスクリプタとは、ホストコンピュータからの要求信号を解析することにより、それに応答するレスポンスデータがどちらのディスクリプタかを判別することができる。また、インターフェースディスクリプタとエンドポイントディスクリプタとは、コンフィギュレーションディスクリプタに付加されて返信される。
【0034】
図7は、デバイス情報のディスクリプタを示す図である。これは、USBで規格化されたディスクリプタの構成であり、デバイスディスクリプタ401は、18のデータフィールドを有し、その中にデバイスクラス(デバイスの種類)やベンダー、製品名などのデバイスの種別情報が含まれる。これらの種別情報から、割り当てられたアドレスとデバイスの種別(例えばプリンタやマウスなど)とを対応つけることができる。
【0035】
コンフィギュレーションディスクリプタ402や、インターフェースディスクリプタ403は、デバイスが動作上必要な制御情報とそのデータ形式情報を含み、更に、エンドポイントディスクリプタ404は、デバイスのサブアドレスを含む。これらのディスクリプタを参照することにより、USB上を転送するデータの形式からデータの種別情報を得ることができる。つまり、転送データを取得して、このディスクリプタを参照することで、取得したデータの種別情報を得ることができる。
【0036】
図4に戻り、バスエニュメレーション動作が終了すると、ホストコンピュータ10は、USBデバイス情報をアドレスに対応付けて管理することができる(S16)。同時に、USBプロトコルアナライザ100は、セットアップキャッシュメモリ44内に、図6に示したような、ディスクリプタからなるデバイス情報をアドレスに対応付けて格納する。
【0037】
このような初期化動作が終了した後は、ホストコンピュータ10とUSBデバイス12とは、割り当てたアドレスに従って、通常のトランズアクションを行う(S17)。このトランズアクションは、図5に示した通り、トークンフェーズ、データフェーズ、ハンドシェイクフェーズで構成される。通常のトランズアクションでのパケットデータがトレース制御部48により取得され、トレースデータメモリ48に格納される。そして、セットアップキャッシュメモリ内のデバイス情報とアドレスの対応関係を参照することで、取得したデータがどのUSBデバイスまたはどのデバイス種別に対応するものかを確認することができ、更に、その取得したデータの種別情報も判別することもできる。
【0038】
図3に戻ると、USBプロトコルアナライザ100は、セットアップトランズアクションを検出して、その時にホストコンピュータから割り当てられるアドレス情報と、USBデバイスから送信されるデバイス情報(ディスクリプタ)とを取得し、そのデバイス情報をアドレスに対応付けてセットアップキャッシュメモリ44内に格納する(S3)。
【0039】
次に、アナライザインターフェースコンピュータ200から、トレース条件が設定され、そのトレース条件がトレース条件メモリ50に格納される。トレース条件とは、トレース制御部46がUSBから転送データを取得する条件であり、ホストコンピュータとUSBデバイスの所定の動作状況時に転送データの取得を開始するかを示すトリガ条件や、どのUSBデバイスの転送データを取得するかのフィルタ条件などが含まれる。従って、トレース条件には、デバイスに割り当てられたアドレスではなく、USBデバイスの種別情報にしたがう条件を設定することができる。
【0040】
トレース制御部46は、このトレース条件メモリ50内に設定されたトレース条件とセットアップキャッシュメモリ44内のデバイス情報とを参照することで、USB上を流れるパケットのうち、どの状況でどのデバイスの転送データを取得すべきかを判断することができる。そして、トレース条件に合致したことを検出して(S5)、トランズアクション内のバス解析に必要なトレースデータを取得して、トレースデータメモリ48に格納する(S6)。トレース条件に合致するか否かの判断は、例えば、トレース条件に含まれるデバイス種別情報に対応するアドレスと、USB上を転送する転送データに含まれるアドレスとが一致するか否かにより行われる。デバイス種別情報とアドレスとの対応関係は、セットアップキャッシュメモリに格納されているデバイス情報のデバイス種別情報を参照することにより、確認することができる。
【0041】
アナライザインターフェースコンピュータ200は、このトレースデータメモリ48に格納された転送データをモニタ202に出力する(S7)。従って、アナライザインターフェースコンピュータ200は、データ出力手段に対応する。この場合、インターフェースコンピュータ200は、セットアップメモリ44内のデバイス情報を参照して、メモリ48に格納された転送データを、人間が理解可能なデータ種別情報にデコードし、モニタ202に表示する。
【0042】
一例を上げると、所定のアドレスのUSBデバイスがプリンタ(デバイス種別情報の一例)であることがデバイス情報から確認されている。そして、デバイス情報であるディスクリプタには、印字データを何ビットのデータ列で構成されているといった転送データの形式情報も記述されている。従って、そのデバイス情報のデータ形式情報を参照することで、トレースデータメモリ48内の転送データが印字データか否かを検出することができ、プリンタに対して印字データが転送されていることを、モニタ202に出力することができる。従って、オペレータは、プリンタというデバイス種別情報と、印字データというデータ種別情報とを取得することができ、バス動作の解析を容易に行うことができる。
【0043】
上記の実施の形態では、USBプロトコルアナライザ100内にバス接続解除手段としてデタッチ制御部40を設けている。しかしながら、バス解析を、USBプロトコルアナライザ100を接続した後に新たに接続されるUSBデバイスについてのみ行うようにする場合は、かかるデタッチ制御部40は必要ない。即ち、USBプロトコルアナライザにより解析したいバス動作の中に、必ず解析対象のUSBデバイスに対するエニュメレーション動作が含まれる場合は、デタッチ制御部40は必要ない。但し、その場合でも、初期化動作により転送されるデバイス情報が、セットアップキャッシュメモリ44内にアドレスに対応付けて格納されているので、データトレースと取得したデータ出力を容易に行うことができる。
【0044】
以上、実施の形態例をまとめると以下の付記の通りである。
【0045】
(付記1)ホストコンピュータと周辺デバイスとを接続するバス上に流れるデータのトレースを行うバスアナライザにおいて、
前記周辺デバイス接続時の初期化時に当該周辺デバイスが前記ホストコンピュータに転送するデバイス情報を、当該周辺デバイスに割り当てられたアドレスに対応付けて記録する初期化情報メモリと、
前記バス上を転送されるデータを前記アドレスに対応付けて記録するトレースデータメモリとを有することを特徴とするバスアナライザ。
【0046】
(付記2)付記1において、
更に、前記周辺デバイスとホストコンピュータとの接続状態を一旦解除後再度接続するバス接続解除手段を有することを特徴とするバスアナライザ。
【0047】
(付記3)付記1において、
更に、前記バス上を転送されるデータを監視し、前記初期化時にバス上で転送される前記アドレスとそれに対応するデバイス情報とを取得する初期化情報管理部を有することを特徴とするバスアナライザ。
【0048】
(付記4)付記1において、
更に、前記バス上を転送されるデータを監視し、予め設定されたトレース条件に合致する転送データか否かを前記初期化情報メモリ内のデバイス情報を参照して判別し、前記トレース条件に合致する周辺デバイスの転送データを取得して、前記トレースデータメモリに格納するトレース制御部を有することを特徴とするバスアナライザ。
【0049】
(付記5)付記4において、
前記トレース制御部は、転送データに含まれるアドレスに対応する前記周辺デバイスと、前記トレース条件に含まれる周辺デバイスとを照合して、当該アドレスに対応付けて、当該周辺デバイスに関する転送データを前記トレースデータメモリに格納することを特徴とするバスアナライザ。
【0050】
(付記6)付記1において、
更に、前記トレースデータメモリ内に記録されたデータを、前記初期化情報メモリ内のデバイス情報を参照して、当該データの種別情報と共に出力するデータ出力手段を有することを特徴とするバスアナライザ。
【0051】
(付記7)付記1において、
前記バスは、ユニバーサルシリアルバスを含み、前記デバイス情報は、当該デバイスの種別情報と、当該デバイスに関して転送されるデータの形式情報とを含むことを特徴とするバスアナライザ。
【0052】
(付記8)付記7において、
更に、前記バス上を転送されるデータを監視し、予め設定されたトレース条件に合致する転送データか否かを前記初期化情報メモリ内のデバイス情報を参照して判別し、前記トレース条件に合致する周辺デバイスの転送データを取得して、前記トレースデータメモリに格納するトレース制御部を有し、
前記トレース制御部は、前記トレース条件に含まれるデバイスの種別情報に対応する周辺デバイスのアドレスに従って、トレースすべき転送データを取得することを特徴とするバスアナライザ。
【0053】
(付記9)付記7において、
更に、前記トレースデータメモリ内に記録されたデータを、前記初期化情報メモリ内のデバイス情報を参照して、当該データの種別情報と共に出力するデータ出力手段を有し、
当該データ出力手段は、前記記録されたデータが前記デバイス情報内のデータ形式情報に対応する時に、当該記録されたデータを前記対応したデータ形式情報と共に出力することを特徴とするバスアナライザ。
【0054】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、バス動作を解析するとき、バスに接続される周辺デバイスとバス上の転送データとの関係を常に把握することができ、更に、オペレータに理解容易な形態で転送データを出力するバスアナライザを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態におけるUSBプロトコルアナライザとホストコンピュータ及びUSBデバイスとの関係を示す図である。
【図2】本実施の形態におけるUSBプロトコルアナライザの構成図である。
【図3】本実施の形態のUSBプロトコルアナライザの動作フローチャート図である。
【図4】バスエニュメレーション動作(初期化動作)を示す図である。
【図5】USBにおけるトランズアクションのパケット例を示す図である。
【図6】セットアップキャッシュメモリ内のデータ例を示す図である。
【図7】デバイス情報のディスクリプタを示す図である。
【符号の説明】
10 ホストコンピュータ
12〜24 周辺デバイス
100 バスアナライザ、USBプロトコルアナライザ
40 バス接続解除手段、デタッチ制御部
42 初期化情報管理部、セットアップキャッシュ管理部
44 初期化情報メモリ、セットアップキャッシュメモリ
46 トレース制御部
48 トレースデータメモリ
200 アナライザインターフェースコンピュータ

Claims (7)

  1. ホストコンピュータと周辺デバイスとを接続するバス上に流れるデータのトレースを行うバスアナライザにおいて、
    前記周辺デバイス接続時の初期化時に当該周辺デバイスが前記ホストコンピュータに転送するデバイス情報を、当該周辺デバイスに割り当てられたアドレスに対応付けて記録する初期化情報メモリと、
    前記バス上を転送されるデータを前記アドレスに対応付けて記録するトレースデータメモリとを有することを特徴とするバスアナライザ。
  2. 請求項1において、
    更に、前記周辺デバイスとホストコンピュータとの接続状態を一旦解除後再度接続するバス接続解除手段を有することを特徴とするバスアナライザ。
  3. 請求項1において、
    更に、前記バス上を転送されるデータを監視し、前記初期化時にバス上で転送される前記アドレスとそれに対応するデバイス情報とを取得する初期化情報管理部を有することを特徴とするバスアナライザ。
  4. 請求項1において、
    更に、前記バス上を転送されるデータを監視し、予め設定されたトレース条件に合致する転送データか否かを前記初期化情報メモリ内のデバイス情報を参照して判別し、前記トレース条件に合致する周辺デバイスの転送データを取得して、前記トレースデータメモリに格納するトレース制御部を有することを特徴とするバスアナライザ。
  5. 請求項4において、
    前記トレース制御部は、転送データに含まれるアドレスに対応する前記周辺デバイスと、前記トレース条件に含まれる周辺デバイスとを照合して、当該アドレスに対応付けて、当該周辺デバイスに関する転送データを前記トレースデータメモリに格納することを特徴とするバスアナライザ。
  6. 請求項1において、
    更に、前記トレースデータメモリ内に記録されたデータを、前記初期化情報メモリ内のデバイス情報を参照して、当該データの種別情報と共に出力するデータ出力手段を有することを特徴とするバスアナライザ。
  7. 請求項1において、
    前記バスは、ユニバーサルシリアルバスを含み、前記デバイス情報は、当該デバイスの種別情報と、当該デバイスに関して転送されるデータの形式情報とを含むことを特徴とするバスアナライザ。
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