JP4063589B2 - 気泡除去装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、気泡除去装置に係り、例えば油圧回路内に設けられて作動油中の気泡(気体)を除去する気泡除去装置に関する。
【0002】
【背景技術】
従来より、建設機械では、作業機の一部であるシリンダ等を作動油で駆動することが一般的である。従って、建設機械はシリンダを駆動する油圧回路を備えているのであるが、この油圧回路には作動油タンクや、作動用タンクから作動油を圧送するポンプ、作動油を冷却するオイルクーラ、コントロールバルブの他、油圧回路内で発生した作動油中の気泡を除去するために、気泡除去装置を設ける場合がある。作動油中に気泡が存在すると、ポンプ内でキャビテーションを起こし、ポンプを破損させるおそれがあるため、シリンダ等からの作動油を作動油タンクに戻す途中で、作動油に混じった気泡を気泡除去装置によって除去し、気泡が除去された作動油を作動油タンクに戻して再びポンプで圧送している。
【0003】
気泡除去装置としては種々の構造のものが知られており、中でも作動油に旋回流(渦)を生じさせ、その際の遠心力によって比重の軽い気泡を中央側に寄せ、ここから気泡を分離して排出するサイクロン型が多用されている。このサイクロン型の気泡除去装置によれば、サイクロン室内で作動油の旋回流が生じている状態では、サイクロン室内の圧力が気泡の排出先である例えば大気中よりも高くなり、気泡が排出口から外部に確実に排出される。
【0004】
ところで、シリンダを駆動している場合で、特にピストンがストロークエンドに達したときには、シリンダから戻されて気泡除去装置に入り込む作動油が瞬間的になくなるとともに、その一方で、それまで気泡除去装置のサイクロン室内にあった作動油は、旋回しながら勢いよく流出口から作動油タンクに流れ出す。このため、サイクロン室内は、作動油が流出するにつれて負圧(気泡の排出先よりも低い圧力のこと)になり、気泡の排出先にある気体(通常は空気)が排出口を通して逆にサイクロン室内に吸い込まれるといった現象が生じる。
【0005】
そして、吸い込まれた気体は、その量が多いと、サイクロン室から流出する作動油に気泡として混じることになり、気泡を除去するはずの気泡除去装置でかえって気泡を混在させるといった問題を引き起こす。そこで従来では、サイクロン室の作動油用の流出口側に絞りを設け、その際に生じる背圧によってサイクロン室内を常時高い圧力に維持し、気体の逆流を抑えて吸込現象を防いでいた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、サイクロン室の流出口に絞りを設けることは、サイクロン室内の圧力だけではなく、油圧回路の系内全体の圧力を上昇させることになるため、圧力損失が増加したり、耐圧を考慮した堅固なオイルクーラ等が必要になるなど、システム全体では、システムを稼働させるうえでの燃費が増えたり、製造コストが上がるという問題がある。この問題は、省エネルギー化や低コスト化が要望されている建設機械にとっては深刻であり、その解決が望まれている。
【0007】
本発明の目的は、油圧等を用いたシステム全体の燃費を向上させることができ、かつ製造コストを削減できる気泡除去装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段と作用効果】
本発明の請求項1は、液体中に含まれる気泡を除去する気泡除去装置において、気泡が混じった液体に旋回流を生じさせるサイクロン室と、気泡除去後の液体をサイクロン室から流出させる流出口と、除去した気泡をサイクロン室から排出する排出口とを備え、この排出口側に、当該排出口から前記サイクロン室内への気体の逆流を防止する逆流抑制手段が設けられ、この逆流抑制手段は、液体タンク内の液体中に開口させた前記排出口自身であり、前記排出口は、除去される気泡が集まる前記サイクロン室(321)の上部よりも下方に位置し、かつ前記流出口(322)および前記排出口(333)は、変動する液面レベルの中で最低の液面レベル(L)よりも下方に位置し、前記サイクロン室の上部と前記排出口とが排出流路で連通していることを特徴とする。
【0009】
このような気泡除去装置によれば、液体の流出口ではなく、気泡の排出口に逆流抑制手段を設け、これによってサイクロン室への気体の逆流を抑制するので、液体は流出口からスムーズに流出するようになり、サイクロン室内に高い背圧が生じることはない。このため、本発明の気泡除去装置を含む液圧システムは、系内圧力がさほど高くならず、圧力損失が抑制されたり、小型のポンプやオイルクーラ等で構成されるようになって、液圧システム全体の燃費が向上し、また、製造コストが削減される。以上により、本発明の目的が達成される。
【0010】
加えて以下の作用効果がある。
すなわち、気泡の排出口を液体中に開口させることで、当該排出口を本発明に係る逆流抑制手段として機能させるから、大がかりな装置が不要となり、サイクロン室周りや液体タンク等の小型化が促進され、液圧システムの専用スペースの狭小化が図られる。
また、このような逆流抑制手段では、サイクロン室から気泡の排出口までの流路を短くすることにより、サイクロン室が負圧になった際には、この流路内に存在する気体(気泡)が逆流するだけであるから、逆流する気体の量が確実に軽減され、液体に気泡が再度混入するといった心配がなくなる。特に気泡除去装置を液体タンク内に設ける場合には、サイクロン室から排出口までの長さが極めて短くなるので、流路内の気体の量も少なくなり、より効果的である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る気泡除去装置30を備えた作動油タンク(液体タンク)1を断面して示す正面図、図2は、気泡除去装置30の要部を一部断面して示す斜視図である。
【0015】
作動油タンク1は、例えば建設機械に取り付けられ、作業機を作動させるための作動油(液体)を収容するために用いられる。従って、この作動油タンク1には、図3ないし図6に示すポンプ2の他、図示しないコントロールバルブ、作業機を構成するシリンダ、およびオイルクーラ等が作動油流路を介して連結されており、これらで油圧回路および油圧システムが構築されている。
【0016】
このような作動油タンク1は、タンク本体10と、タンク本体10内に収容されたフィルタ20と、同じくタンク本体10内に収容された前記気泡除去装置30とを含んで構成され、フィルタ20および気泡除去装置30がいわゆる宙吊り状態でタンク本体10内に収容されている。
【0017】
具体的にタンク本体10は、円筒状の筒体11の下部側に溶接等で油受部材12を固定するとともに、上部側に内フランジ13を溶接等で固定し、かつ内フランジ13の上方から蓋部材14をボルト(図示略)で着脱自在に取り付けた構造である。
【0018】
これらの構成部材のうち、油受部材12の外フランジ121には、作動油タンク1全体を建設機械の車両部分等にボルト止めするためのボルト挿通孔122が設けられている。油受部材12の側部には、横方向に開口した送出口123が設けられ、この送出口123には、外部流路との接続を行うジョイント部材124がシール材(不図示)を介してボルト止めされている。ジョイント部材124には、サクションストレーナ(以下、単にストレーナと称す)125が一体に取り付けられており、このストレーナ125が油受部材12内に収容されている。
【0019】
また、油受部材12の内部には、前記ストレーナ125が収容された送出空間126と、油圧モータなどの油圧機器からのドレイン流路(不図示)が接続されるドレイン空間127とが設けられており、各空間126,127の間が仕切部(ガイド部)128で仕切られている。この仕切部128により、主に送出空間126内の作動油がストレーナ125を通して油圧回路に送出され、ドレイン流路から戻った作動油がそのまま送出されることはない。
【0020】
一方、蓋部材14には、新たな作動油を給油する給油口141と、作業機のシリンダ等から作動油が戻る戻り口142とが設けられている。蓋部材14の下面には、円筒状の収容管143が溶接等で固定され、収容管143の内部と戻り口142とが連通している。収容管143内の上部側には、フィルタ20が収容され、収容管143の下部側には、気泡除去装置30が一部収容された状態で取り付けられている。
【0021】
フィルタ20は、戻り口142からの作動油が流入する筒状のコア部材21と、コア部材21の丸孔211から流出した作動油を濾過するエレメント22とで構成されている。
【0022】
コア部材21の上端は戻り口142の流出側の開口部分にねじ込まれている。コア部材21の下端には、リリーフバルブ212が設けられており、例えば低温時や流量が多くなった場合には、コア部材21の流入側の圧力が高くなり、作動油が丸孔211からではなく、リリーフバルブ212から流出し、エレメント22を通らずに下方に流れる。
【0023】
エレメント22は、円筒状とされ、コア部材21を囲むように配置されている。エレメント22の下端側は、直下に配置された気泡除去装置30の上端で支持されており、この上端とコア部材21の上端付近に設けられたL字形のブラケット21Aとの間に挟持されている。
【0024】
気泡除去装置30は、フィルタ20を通過した作動油の流れを案内する案内部材31と、案内部材31の下端にねじ込まれたカップ状部材32とを含んで構成されている。また、この気泡除去装置30は、ストレーナ125の直上に位置しているとともに、フィルタ20の直下に取り付けられており、従って、これらのフィルタ20、気泡除去装置30、およびストレーナ125は、上方から順に略一直線上に配置されていることになる。
【0025】
案内部材31の中央部分は、上部側に突出した断面略円錐台状の中実コア部311となっている。中実コア部311の上端は、フィルタ20を構成するコア部材21の下端にねじ込まれており、この上端により、前述したように、フィルタ20のエレメント22が支持されている。さらに、この上端部分には、前記リリーフバルブ212が収容される収容部311Aが設けられ、リリーフバルブ212に流出した作動油は、収容部311Aから貫通孔311Bを通って中実コア部311の外側に流れ出す。
【0026】
案内部材31の下部側には、図2にも拡大して示すように、中実コア部311の外周を囲うように筒状部312が設けられている。筒状部312の内周面は、上方に向かって拡開したテーパ面となっており、中実コア部311がコア部材21にねじ込まれると同時に、このテーパ面の上端縁部分が収容管143の下端側の外縁部分に密着するようになっている。
【0027】
この筒状部312の内側の上半分は、中実コア部311との間に形成された隙間313となっており、フィルタ20を通過した作動油がこの隙間313に流れ込む。流れ込んだ作動油は、筒状部312と収容管143との前述した密着構造により、外部に漏れ出すことはない。これに対して下半分は、基本的に中実コア部311との間も埋まっているのであるが、ここには一対の導入流路314が径方向に対向して設けられている。
【0028】
この導入流路314は、隙間313内で開口した上部開口315と、中実コア部311の下端側の凹状部316内に開口した下部開口317とを連通させる流路であり、上部開口315から入り込んだ作動油が、下方に向かいながら中実コア部311の外周に沿って略1/4周し、徐々に絞られて下部開口317から凹状部316内に入り込むようになっている。
【0029】
カップ状部材32の内部には、上方の前記凹状部316と共にサイクロン室321が形成されている。カップ状部材32の下部側は、油受部材12の送出空間126内に収容されており、その周面には、周方向に沿って複数の流出口322が設けられている。なお、これらの流出口322は、周面に設けられる他、無底筒状のカップ部材を用いた場合など、下方の開口部分を流出口としてもよい。
【0030】
そして、下部開口317から凹状部316に対して接線方向に流入した作動油は、サイクロン室321内で旋回流を生じながら下方に向かい、流出口322から送出空間126内に流出する(実線矢印参照)。この作動油は、サイクロン室321に対して接線方向に勢いよく流出するが、直下にストレーナ125が配置されていることと、仕切部128によって作動油の広がりが抑制されて、ストレーナ125側に導かれることにより、スムーズにストレーナ125に吸い込まれ、再送出される。
【0031】
この際、フィルタ20を通過した作動油に気泡が含まれていると、旋回流が生じているサイクロン室321では、作動油に比べて格段に比重の小さい気泡が中央の上部側に寄せ集まり、サイクロン室321内の内部圧力によって排出流路33から排出される(点線矢印参照)。
【0032】
ここで、排出流路33は、凹状部316と油受部材12のドレイン空間127とを連通させるように設けられており、凹状部316の上部から筒状部312にかけて横方向に設けられた内部流路331と、内部流路331に挿入されたチューブ等からなる外部流路332とで形成されている。外部流路332は下方に向かって折曲されているとともに、その先端が再度上向に折曲している。そして、この先端は、ドレイン空間127内にもとから存在する作動油中で上向きに開口した排出口333となっている。
【0033】
つまり、気泡除去装置30では、気泡除去後の作動油が流出する流出口322とは別に、気泡排出用の排出口333が個別に設けられている。また、排出口333が作動油中で開口していることにより、サイクロン室321内が負圧になったときに、作動油の液面よりも上部に存在する気体が排出口333から逆流することがない。このため本実施形態では、作動油中に開口したこの排出口333自身が、気体の逆流を抑制する逆流抑制手段になっている。
【0034】
以上の構成の作動油タンク1において、図1で示した作動油の液面レベルAは、作業機のシリンダ等が停止している場合を示している。液面レベルLは、最低レベルであって、シリンダのピストンがヘッド側に移動し、作動油タンク1からシリンダのボトム側に大量の作動油が送られた場合を示している。液面レベルHは、最高レベルであって、シリンダのピストンがボトム側に移動し、シリンダのボトム側から作動油タンク1に大量の作動油が戻った場合を示している。
【0035】
また、図1から明らかなように、気泡除去装置30の流出口322、および排出流路33の排出口333は、最低の液面レベルLよりも下方に位置しており、常時作動油中に開口した状態を維持できるようになっている。
【0036】
以下、作動油タンク1を用いた場合の作動油の流れを再度まとめて説明すると、先ず、ポンプ2を駆動することにより、作動油タンク1内の作動油は、送出空間126からストレーナ125を通って送出され、シリンダを備えた作業機等を含む油圧回路内を廻って上部の戻り口142に戻る。ここでの作動油は、シリンダ等で混入した多くの気泡を含む場合がある。
【0037】
この後、気泡を含んだ作動油は、フィルタ20を通過して下方に流れ、気泡除去装置30の案内部材31に流れ込む。この案内部材31に流れ込んだ作動油は、サイクロン室321に接線方向から流入し、サイクロン室321内で旋回流を引き起こす。この旋回流により、気泡が上部の中央側に寄り、ここから排出流路33を通って除去され、ドレイン空間127に溜まっている作動油中に排出される。さらに、排出された気泡は、上方の液面に向かって浮上し、作動油タンク1内の気体に混じる。一方、気泡が除去された作動油は、流出口322から送出空間126に流出し、直下のストレーナ125から再度送出される。
【0038】
ところで、シリンダのピストンがヘッド側に移動して大量の作動油が必要となり、気泡除去装置30から流出した作動油を再度送り込むだけでは足りない場合には、作動油タンク1内にもともとある作動油も送り出される。このときに、例えば液面が液面レベルLまで下がることになる。これに対して、ピストンがボトム側に移動して少量の作動油のみが作動油タンク1から送られる場合には、気泡除去装置30から流出した作動油の全てが再度送り出されるわけではなく、一旦作動油タンク1内に収容される。このときに、例えば液面が液面レベルHに達するようになる。
【0039】
また、このような作動油タンク1では、フィルタ20のエレメント22を交換する場合には、蓋部材14を外して取り出した後、気泡除去装置30を回転させてフィルタ20のコア部材21と蓋部材14との螺合を外し、このフィルタ20ごと気泡除去装置30を収容管143から取り外す。次いで、気泡除去装置30を再び回転させてコア部材21から気泡除去装置30を外し、フィルタ20をコア部材21から抜き取って交換する。交換後に組み立てる場合には、この逆の順序で組み立てればよい。
【0040】
なお、蓋部材14からフィルタ20ごと気泡除去装置30を外す場合には、気泡除去装置30を回転させることにより、コア部材21が蓋部材14からは外れるが、これよりも先に、気泡除去装置30がコア部材21から外れないようになっている。
【0041】
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1) 作動油タンク1の気泡除去装置30では、作動油の流出口322側に逆流抑制手段が設けられているのではなく、気泡の排出流路33側に設けられた排出口333が逆流抑制手段として機能し、これによってサイクロン室321への気体の逆流を抑制するので、作動油を流出口322から絞り等を介さずにスムーズに流出させることができ、サイクロン室321内に高い背圧が生じるのを防止できる。このため、液圧システムとしては、系内圧力がさほど高くならずに圧力損失を抑制できるうえ、小型のポンプやオイルクーラ等を使用できるとともに、システム稼働時の燃費の向上、および製造コストの削減を実現でき、よって建設機械の省エネルギー化や低コスト化を促進できる。
【0042】
(2) また、気泡の排出口333を作動油中に開口させることで、当該排出口333自身を逆流抑制手段として機能させるから、逆流抑制手段としては大がかりな装置を不要にでき、サイクロン室321周りや作動油タンク1等の小型化をより促進でき、液圧システムの専用スペースのさらなる狭小化を図ることができる。
【0043】
(3) そして、サイクロン室321が負圧になった際には、排出流路33内に存在する気体(気泡)が逆流するだけであるから、逆流する気体の量を確実に軽減でき、作動油に気泡が再度混入するのを有効に防止できる。
【0044】
(4) 特に気泡除去装置30が作動油をタンク1内に設けられている本実施形態では、サイクロン室321から排出口333までの排出流路33の長さを極めて短くできるため、排出流路33内の気体の量も僅かにでき、より効果的である。
【0045】
(5) さらに、作動油タンク1では、その内部に気泡除去装置30が設けられているので、作動油タンク1の設置スペースの他に気泡除去装置30用の設置スペースを別途確保する必要がなく、その分油圧システムの専有スペースをさらに小さくできる。
【0046】
(6) また、気泡除去装置30を予め作動油タンク1内に取り付けておくことで、作動油流路用の配管途中に個別に設置する必要がなく、設置作業を迅速に行える。
【0047】
(7) そして、気泡除去装置30では、気泡除去後の作動油を流出させる流出口322と、気泡を排出する排出口333とが個別に設けられているため、排出口333を送出空間126ではなく、別のドレイン空間127まで導いて開口させることができる。このため、例えば建設機械の傾きによって作動油タンク1が大きく揺れても、流出直後の作動油と気泡とが混じり合う心配がなく、気泡を確実に除去できる。
この際、排出口333は上向きに開口しているので、気泡の排出性を良好にでき、気泡を液面までスムーズに浮上させることができる。
【0048】
(8) さらに、気泡除去装置30は、作動油に旋回流を生じさせるサイクロン室321を備えた構造であるから、渦巻き状の流路内に作動油を流して気泡を除去する気泡除去装置よりも、より小径化を図ることができ、この点でも専有スペースの狭小化を促進できる。
【0049】
(9) 油受部材12の仕切部128は、送出空間126とドレイン空間127とを仕切だけでなく、サイクロン室321から流出した気泡除去後の液体を、排出した気泡と混じり合うことなしに、ストレーナ125に向かって流す案内機能をも有しているため、常時送出口123からは、気泡を含まない上質の作動油をスムーズに、かつ確実に送り出すことができる。
【0050】
(10) 気泡除去装置30はストレーナ125の近傍(好ましくは直上)に設けられているので、この点でも、サイクロン室321から流出した気泡除去後の作動油を、ストレーナ125に向かってスムーズに流すことができる。
【0051】
(11) 作動油タンク1内では、フィルタ20、気泡除去装置30、およびストレーナ125が上下に略直線上に配置されているため、これらを収容した作動油タンク1の小型化を確実に実現できる。
【0052】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
ただし、図3に示す第1の変形例は、本願発明を理解するうえでの参考となる変形例であり、本発明には含まれない。図3において、気体中に開口した排出口333にチェックバルブ334を設け、このチェックバルブ334で逆流抑制手段を構成してある。
【0053】
このような構成では、排出口333からはサイクロン室321に向けて気体が全く逆流せず、作動油への気泡の再混合をより確実に防止できる。
また、排出口333にチェックバルブ334を設けることにより、排出口333が気体中に開口していても、また、作動油中に開口していても、逆流抑制効果に何ら悪影響を及ぼさない。このため、作動油タンク1の揺れや、シリンダのピストンの動きによって液面のレベルが大きく変化し、排出口333が気体中に出たり、作動油中に沈んでも、何ら問題を生じない。
【0054】
前記実施形態では、排出口333を作動油中に開口させた場合において、油受部材12に仕切部128を設けることにより、作動油を作動油タンク1の下部側でのみ送出空間126とドレイン空間127とに分け、送出空間126に流出した気泡除去後の作動油に、ドレイン空間127に排出された気泡が混じるのを抑制していた。これに対し、図4ないし図6に模式的に示すように、油圧回路をセミクローズド回路とすることにより、気泡を一層確実に混ざらないようにしてもよい。
【0055】
すなわち、図4(第2の変形例)には、気泡除去装置のサイクロン室CとストレーナSとを筒状の連通部40で連通させ、サイクロン室Cから流出した気泡除去後の上質な作動油をそのままストレーナSに吸い込ませる構造が示されている。そして、シリンダのピストンの動きによる作動油の送出量および戻り量の変動に対しては、連通部40に設けられた出入口41を介して作動油を流出入させることで対応している。このような構造では、排出口333から排出された気泡は、連通部40によって阻まれ、混入することがない。しかも、出入口41を排出口333に対して反対側の向きに開口させることで、気泡が排出された付近の作動油が出入口41から連通部40内に入り込む心配もない。
【0056】
図5(第3の変形例)には、サイクロン室Cと送出口123とを連通部40で連通させ、サイクロン室Cから流出した気泡除去後の上質な作動油を直下の送出口123にそのまま吸い込ませる構造が示されている。そして、作動油の変動に対しては、ストレーナS側を通して作動油を送出することや、気泡除去装置に設けられた図示しないリリーフバルブから、作動油をサイクロン室Cの外部側に直接戻すこと等で対応可能である。なお、この構造では、気泡が連通部40内に入り込む心配が全くないうえ、ストレーナSを排出口333から離れた位置に設けることで、気泡がストレーナSに入り込むことをも確実に防いでいる。
【0057】
図6(第4の変形例)には、図5に示した構造の変形例が示されている。つまり、図6に示した構造では、ストレーナSが環状とされ、連通部40の周囲に貫挿されている。
この構造では、ストレーナSの吸込部分の面積を変えずに、径方向の肉厚(片側肉厚)を小さくできるため、ストレーナSの配置スペースを小さくでき、作動油タンクの小径化を図ることができる。
【0058】
その他、タンク本体10、フィルタ20、および気泡除去装置30等の具体的な形状や構造などは、前記実施形態に限定されるものではなく、その実施に際して、本発明の目的を達成できる範囲で任意に変更可能である。
【0059】
例えば、前記実施形態では、フィルタ20および気泡除去装置30が作動油タンク1内に収容されていたが、フィルタ20を作動油タンク1の外部に設置した場合でも、本発明に含まれる。
【0060】
前記実施形態でのストレーナ125は、必要に応じて設けられればよく、作動油タンクの構造によっては省略可能である。ただし、ストレーナ125が設けられない場合には、送出口123の近傍、より好ましくは直上に気泡除去装置30を設けることが望ましい。反対に、ストレーナ125を設けた場合では、このストレーナ125の近傍、より好ましくは直上に気泡除去装置30を設けることが望ましく、この際の送出口123の位置は任意であってよい。
すなわち、気泡除去装置30は、送出口123やストレーナ125の直上に位置していることが、作動油の流れの観点からはより好ましいのであるが、送出口123やストレーナ125に対して直上ではなく、若干ずれた近傍位置に配置された場合でも、作動油の流れが妨げられない程度であれば、前述の(10)の効果を略同様に得ることができる。
【0061】
また、前記実施形態では、仕切部128が案内機能を有しており、気泡除去装置30から流出した作動油をストレーナ125側に案内していたが、このような仕切部128と同様な案内機能を有する部材を、流出口322周りを囲うように気泡除去装置30に別途取り付けてもよい。
【0062】
前記実施形態では、フィルタ20のエレメント22を交換する場合には、気泡除去装置30をも外す必要があったが、例えば収容管143を蓋部材14から分離してタンク本体10側に支持させる等の構造を採用するとともに、他の細部の形状や構造を工夫することにより、蓋部材14を開けるだけで上方からエレメント22のみを交換できるようにしてもよい。
【0063】
前記実施形態としては、本発明に係る液体が建設機械の油圧システムに用いられる作動油であったが、本発明の気泡除去装置で扱う液体としてはこれに限定されず、水やその他の任意の液体を適用できる。勿論、気泡除去装置が用いられるシステムについても、油圧等の液圧システムの他、廃液貯蔵システム、廃液浄化システム、燃料噴射システム等、任意のシステムに本発明の気泡除去装置を適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る気泡除去装置を備えた作動油タンクを断面して示す正面図である。
【図2】前記気泡除去装置の要部を一部断面して示す斜視図である。
【図3】本発明の第1の変形例を示す模式図である。
【図4】本発明の第2の変形例を示す模式図である。
【図5】本発明の第3の変形例を示す模式図である。
【図6】本発明の第4の変形例を示す模式図である。
【符号の説明】
1…液体タンクである作動油タンク、30…気泡除去装置、321,C…サイクロン室、322…流出口、333…排出口、334…逆流抑制手段であるチェックバルブ。

Claims (1)

  1. 作業機の作動状況に応じて液面レベルが変動する液体用の液体タンク内に収容されるとともに、前記液体中に含まれる気泡を除去する気泡除去装置(30)において、
    気泡が混じった液体に旋回流を生じさせるサイクロン室(321)と、
    気泡除去後の液体をサイクロン室(321)から流出させる流出口(322)と、
    除去した気泡をサイクロン室(321)から排出する排出口(333)とを備え、
    この排出口(333)側に、当該排出口(333)から前記サイクロン室(321)内への気体の逆流を防止する逆流抑制手段が設けられ、
    この逆流抑制手段は、液体タンク(1)内の液体中に開口させた前記排出口(333)自身であり、
    前記排出口(333)は、除去される気泡が集まる前記サイクロン室(321)と連通した排出流路(33)の先端に設けられ、
    この排出流路(33)は、前記サイクロン室(321)の上部を起点とし、水平方向に延びる内部流路(331)と、屈曲部により前記内部流路(331)と連通し、かつ下方に向かって延びる外部流路(322)とを備え、
    かつ前記流出口(322)および前記排出口(333)は、変動する液面レベルの中で最低の液面レベル(L)よりも下方に位置し、
    前記サイクロン室(321)の上部と前記排出口(333)とが排出流路(33)で連通している
    ことを特徴とする気泡除去装置(30)。
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