JP4063414B2 - 弾性表面波フィルタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電体或いは強誘電体の基板に電極が形成された1端子対弾性表面波(以下、SAWという)共振子を多段の梯型に接続したSAWフィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、SAW共振子を用いたSAWフィルタに関する技術としては、例えば次のような文献に記載されたものがある。
文献1;電子情報通信学会論文誌A、J76-A [2](1993−2)、佐藤 他著
“SAW共振器を用いた低損失帯域フィルタ”P.245-252
文献2;電子情報通信学会論文誌A、J76-A [2](1993−2)、疋田 他著
“移動無線通信機用SAWフィルタの実験”P.233-244
【0003】
図2(a),(b)は、従来のSAW共振子の構造及び等価回路を示す図である。
このSAW共振子は、基板1上に形成され、SAWを送受するためのすだれ状電極(以下、IDTという)2を有している。IDT2の両側には、金属ストリップで形成されたグレーティング反射器3が必要に応じて配置されている。基板1は、例えば結晶方位が36°Y−XのLiTaO3単結晶基板等で構成され、IDT2及び反射器3は該基板1に蒸着されたAl薄膜等で構成されている。SAW共振子の等価回路は、例えば図2(b)のように、1対の端子間に直列に接続されたインダクタ4及びキャパシタ5と、これらと並列に接続されたキャパシタ6とで表すことができる。
【0004】
図3(a),(b)は、前記文献1に記載された従来の1段定K型SAWフィルタの原理を示す説明図である。
多段梯型SAWフィルタの基本構成は、図3(a)の1段定K型SAWフィルタ10である。この1段定K型SAWフィルタ10は、図2(a),(b)のSAW共振子を直列腕共振子11及び並列腕共振子12として梯型に接続したフィルタである。定K型フィルタの理論により、図3(b)のように、直列腕共振子11の共振周波数と並列腕共振子12の反共振周波数を一致させることにより、通過域とそれを挟む減衰域とを持つような周波数特性が得られ、帯域フィルタが形成できる。
以上のような1段定K型SAWフィルタ10では、十分な減衰量が得難いので、通常、次の図4のように、図3のSAWフィルタ10を多段に接続して用いる。
【0005】
図4は、従来の多段定K型SAWフィルタの例を示す接続図である。
この多段定K型SAWフィルタは、図3(a)の一段定K型SAWフィルタ10を多段の例えば4段に縦続接続したものであり、各段の直列腕共振子11及び並列腕共振子12の共振周波数は共に同じにそれぞれ設定されている。但し、小型化のため、隣接する直列腕共振子同士、及び隣接する並列腕共振子同士を回路網的に合成し、同一の共振周波数であるが異なる共振子に置換する場合もある。
図5(a)〜(e)は、図4のSAWフィルタの製造工程を示す図である。
図4のSAWフィルタは、例えば図5(a)〜(e)の工程を経て形成される。
まず、図5(a)の工程では、結晶方位が36°Y−XのLiTaO3 単結晶基板1を用意し、該基板1のパターン形成予定面にレジスト13をスピンコートで塗布する。図5(b)の工程において、レジスト13が塗布された基板1に対して光学マスク14を設定し、光15で露光することにより、レジスト13にSAWフィルタのパターンを転写する。図5(c)の工程において、現像で不要なレジスト13を選択的に除去する。図5(d)の工程において、不要なレジスト13が除去された基板1の上全面に、SAW共振子の電極となるAl薄膜16を蒸着する。図5(e)の工程において、有機溶剤を用いて、Al薄膜16の不要な部分をレジスト13と共に除去する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の図4のSAWフィルタには、次のような課題があった。
図6は、図4の課題の周波数特性を示す図である。
従来の図4の多段定K型のSAWフィルタでは、各段の直列腕共振子がすべて同じ共振周波数を持ち、かつ、各段の並列腕共振子12もすべて同じ共振周波数を持つ構成なので、同一周波数で減衰極が重なり、図6のように、狭い周波数範囲では十分な減衰量が得られるが、広範囲で十分な減衰量を確保することが難しい。これを解決して広い帯域に渡って十分な減衰量を得るためには、図3(a)の1段梯型SAWフィルタ10をさらに多くの段数に縦続接続しなければならなかった。ところが、縦続接続する段数を増加させることは、素子数が増加するばかりでなく、通過域での損失を増加させることになり、技術的に満足できるものが得られなかった。
また、縦続接続する段数を増加させず、広い周波数に渡って十分な減衰量を得るために、直列腕共振子11の制動容量を減じるか、並列腕共振子12の制動容量を増やして共振子のQを下げる方法も考えらるが、通過域での損失も増加する。
【0007】
図7は、多段定K型SAWフィルタの他の例を示す接続図であり、図8は、図7の周波数特性を示す図である。
このSAWフィルタは、図4のSAWフィルタの直列腕共振子11の端部に新たなSAW共振子17を接続したフィルタである。共振周波数が各直列腕共振子11とは異なるSAW共振子17を接続することにより、減衰域が通過域より高い周波数に設定されている場合、図8のように、周波数の異なる減衰極が追加され、減衰域における減衰量を稼ぐことができるが、通過域における挿入損失が増加するという問題がある。また、この場合にも、素子数が増加するということになり、チップサイズが増加することになる。
【0008】
一方、前記文献2には、次の図9のように、複数の直列SAW共振子が接続された帯域阻止型フィルタが記載されている。
図9は、従来の帯域阻止型フィルタを示す接続図であり、図10は、図9の周波数特性を示す図である。
図9のフィルタでは、複数のSAW共振子111 ,112 ,…,115 が直列腕として接続され、該各直列腕SAW共振子111 〜115 の共振周波数f01,f02,f03,f04,f05は、それぞれ異なっている。この直列腕のSAW共振子111 〜115 が接続された帯域阻止型フィルタの周波数特性では、各SAW共振子111 〜115 による減衰極がすべて異なり、広帯域の減衰域にできるが、通過域でこれらのSAW共振子111 〜115 の制動容量が直列に接続されることにより、全体の制動容量が小さくなる。よって、直列腕のSAW共振子111 〜115 の対数、及び各電極の交差長を非常に大きくしないと、通過域での挿入損失が増加する。即ち、チップサイズが大きくなるか、通過域の低域での挿入損失が増加するという課題があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明のうちの第1の発明は、圧電体或いは強誘電体単結晶基板上に電極となる金属或いは合金が蒸着されて形成された1端子対SAW共振子でそれぞれ構成される複数の直列腕SAW共振子及び並列腕SAW共振子を多段の梯型に接続して構成したフィルタであって、周波数の所定の位置に通過帯域と減衰帯域を持つSAWフィルタにおいて、次のような構成にしている。
即ち、前記複数の直列腕SAW共振子の電極上には、適宜に膜厚が異なる絶縁膜がそれぞれ堆積され、該各直列腕SAW共振子における共振周波数は、該絶縁膜の膜厚によって前記梯型の各段ごとにずれている。
第2の発明では、第1の発明のSAWフィルタにおいて、次のような構成にしている。
即ち、前記金属或いは合金は、Al及びAl合金で構成し、複数の直列腕SAW共振子のうちの前記梯型の1段目から最終段の1つ手前の段までの共振子の電極上に、膜厚が異なり比重が2以上3以下で熱膨脹率が20以下の前記絶縁膜を堆積している。
【0010】
第3の発明では、第1または第2の発明のSAWフィルタにおいて、前記直列腕SAW共振子の電極上に堆積する前記絶縁膜の膜厚は、前記梯型の第1段目から後段にいくに従って減少する構成にしている。
第4の発明では、第3の発明のSAWフィルタにおいて、前記最終段の直列腕SAW波共振子の電極上には、共振周波数をずらすための前記絶縁膜が堆積されていない。
第5の発明では、第1〜第4のいずれか1つの発明のSAWフィルタにおいて、前記圧電体或は強誘電体単結晶基板は、LiNbO 3 単結晶基板またはLiTaO 3 単結晶基板で構成している。
【0011】
第6の発明では、第5の発明のSAWフィルタにおいて、前記LiTaO3単結晶基板の結晶方位は36°Y−XまたはX−112°Yにしている。
第7の発明は、第5の発明のSAWフィルタにおいて、前記LiNbO3単結晶基板の結晶方位は41°Y−X、64°Y−Xまたは128°Y−Xにしている。
第8の発明では、第1〜第7のいずれか1つの発明のSAWフィルタにおいて、前記複数の直列腕SAW共振子の電極上への前記絶縁膜の堆積は、該各直列腕SAW共振子ごとに行うようにしている。
第1〜第8の発明によれば、以上のようにSAWフィルタを構成したので、複数の直列腕SAW共振子の共振周波数は、電極上に適宜堆積された絶縁膜の膜厚によって、各段ごとにそれぞれずらされる。よって、これらの各SAW共振子における音速が変化し、減衰極がずれる。そのため、通過域の高域側に広い減衰域を持つSAWフィルタを構成でき、前記課題を解決できるのである。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態を示す多段梯型SAWフィルタの接続図である。
この多段梯型SAWフィルタは、1段梯型SAWフィルタを第14段の4段に縦続接続したものであり、多段梯型の直列腕となる直列腕SAW共振子211,212,213,214と、梯型の並列腕となる並列腕SAW共振子221,222,223,224とで構成されている。
各直列腕SAW共振子211〜214は、図5のように、基板に電極となる金属が蒸着されてそれぞれ形成されているが、各並列腕SAW共振子221〜224と、直列腕SAW共振子211〜213の電極上には、絶縁膜のSi02がそれぞれ堆積されている。さらに、各直列腕SAW共振子211〜213の電極上の絶縁膜Si02の膜厚は、それぞれ異なっている。直列腕SAW共振子214の上には、絶縁膜Si02が堆積されていない。
【0013】
図11(a)〜(i)は、図1のSAWフィルタの製造工程の概要を示す断面図である。
図1のSAWフィルタは、図11(a)〜(e)に示される工程を行い、さらに、図11(f)〜(i)の工程を繰り返すことで形成される。
まず、図11(a)の工程において、結晶方位が例えば36°Y−XのLiTaO3 単結晶基板31を用意し、該基板31のパターン形成予定面にレジスト32をスピンコートで塗布する。図11(b)の工程において、レジスト32が塗布された基板31に対して光学マスク33を設定し、光34で露光することにより、レジスト32にSAWフィルタのパターンを転写する。
図11(c)の工程において、現像で不要なレジスト32を選択的に除去する。図11(d)の工程において、不要なレジスト32が除去された基板31の上の直列腕SAW共振子211 〜214 の形成予定領域と、並列腕のSAW共振子221 〜224 の形成予定領域に、電極となる例えばAlの薄膜35を蒸着する。図11(e)の工程において、有機溶剤を用いて、薄膜35の不要な部分をレジスト32と共に除去する。以上の工程によって、直列腕SAW共振子211 〜214 の電極と並列腕SAW共振子221 〜224 の電極とが形成される。
【0014】
図11(f)の工程において、電極が形成された基板31上に、レジスト36をスピンコートで塗布し、光学マスクを用いて絶縁膜SiO2のパターンをレジスト36上に転写する。図11(g)の工程において、現像によって不要なレジスト36を除去する。図11(h)の工程において、SiO 2 の絶縁膜37を、1段目の直列腕SAW共振子211の電極上にスパッタ等で蒸着する。図11(i)の工程において、有機溶剤を用いて不要な絶縁膜37を、レジスト36と共に除去する。以降、SiO2の絶縁膜37の膜厚を薄くしながら、図11(f)〜(i)の工程を繰り返し、SAW共振子212,213の電極上に、絶縁膜37を堆積する。
このような構成の図1の多段SAWフィルタは、各直列腕SAW共振子211〜214及び並列腕SAW共振子221〜224によって設定された周波数特性を持ち、バンドパスフィルタとして動作する。
【0015】
図12は、図1のSAWフィルタの周波数特性を示す図である。この図12を参照しつつ、図1の帯域を説明する。
直列腕SAW共振子211 〜214 の共振周波数をそれぞれfrs1 〜frs4 とすると共に反共振周波数をそれぞれfas1 〜fas4 とし、並列腕SAW共振子221 〜224 の共振周波数をそれぞれfrp1 〜frp4 とすると共に反共振周波数をそれぞれfap1 〜fap4 とすると、これらの関係は、次のようになる。
frs1 =fap1
frs2 >fap2
frs3 >fap3
frs4 >fap4
frs4 >frs3 >frs2 >frs1
frp4 =frp3 =frp2 =frp1
fap4 =fap3 =fap2 =fap1
つまり、梯型の1段目の直列腕SAW共振子211 の共振周波数と1段目の並列腕SAW共振子221 の反共振周波数とが等しく、後段にいくにつれて直列腕SAW共振子の共振周波数が並列腕SAW共振子の反共振周波数よりも高くなる。よって、1段目は定K型構成であるが、2段目以降は定K型構成よりも高周波側に広い帯域を持つ1段梯型フィルタとなる。
【0016】
ここで、図1のSAWフィルタ全体は、1段目〜4段目までの1段梯型フィルタを縦続接続したものなので、各直列腕SAW共振子211 〜214 の異なる共振周波数で決まる減衰極が合成されることになり、段数を増加させなくても、図12のように高域側の減衰域が広がる。なお、frs2 ≠fap2 、frs3 ≠fap3 、及びfrs4 ≠fap4 になって定K型フィルタの条件から外れることにより、通過域における挿入損失が若干増えるが、各段の周波数シフトが小さいので、段数を増加させることよりも、挿入損失による劣化は少ない。
即ち、SAW共振子の電極上に絶縁膜37を堆積することにより、SAW共振子における音速が下がり、共振周波数が低い方にシフトし、減衰域も低い方の周波数にシフトする。図1のように、絶縁膜37の膜厚を変化させることにより、各直列腕SAW共振子211 〜214 の共振周波数が異なり、これらSAW共振子211 〜214 で設定される減衰極の周波数が異なるので、フィルタ全体としての減衰域が広がる。
【0017】
例えば結晶方位が36°Y−XのLiTaO3 単結晶基板31に、4段構成で比帯域が2.84%の減衰域を得る場合、2〜4段目の直列腕SAW共振子212 〜214 のそれぞれの比帯域を0.57%シフトすると所望の帯域幅の減衰域が得られる。
SiO2 を、h/λ(hは膜厚、λは波長)=0.01075堆積すると比帯域が0.57%シフトするので、直列腕SAW共振子21s1 にh/λ=0.03226、SAW共振子21s2 にh/λ=0.02150、SAW共振子21s3 にh/λ=0.01075をそれぞれ堆積し、SAW共振子21s4 の電極上には、絶縁膜37を堆積しないようにすると、最も特性に優れたSAWフィルタとなる。これは、各SAW共振子211 〜213 の電極上に堆積するSiO2 の絶縁膜37を、次の(1)式で表す分だけ変化させたことに相当する。
(α±γ)×(減衰帯域(MHz)×β)/(段数−1) [Å]
・・・・(1)
但し、α及びβは、Alの比重を2.69、絶縁膜37をSiO2 とした場合の係数であり、具体的には、αは27.3であり、βは0.6である。なお、許容誤差として5程度のγを、αに対して加算または減算するようして(1)式を適用するのが実用的である。
【0018】
以上のように、本実施形態では、直列腕SAW共振子211〜214及び並列腕SAW共振子221〜224を梯型に接続した多段梯型SAWフィルタにおいて、SAW共振子214以外の共振子の電極の上に、膜厚の異なる絶縁膜37を堆積し、各直列腕SAW共振子211〜213上の絶縁膜37の膜厚を順に変化させたので、共振子の音速が異なって低下し、各直列腕SAW共振子211〜214の減衰極が異なる周波数にシフトし、高域側における減衰域が広くなる。よって、次のような利点が得られる。
(i) 1段梯型フィルタの縦続接続数が少くても、所望幅の減衰域が得られるので、結果として低損失のフィルタを実現できる。
(ii) 減衰域が広帯域化されるので、直列腕の最後尾に別途減衰極を形成するためのSAW共振子を設ける必要がなくなり、チップサイズを小さくできる。
(iii) 直列腕SAW共振子211〜214の絶縁膜37の膜厚を変化させたので、各共振子の対数が同じで、同じ交差長の共振子であっても、不要な他の振動モードや縦或は横モード等のスプリアスモードの周波数が、各直列腕SAW共振子211〜214毎に異なり、通過域や減衰域への影響が小さい。
(iv) 図9のような帯域阻止型フィルタの場合に比較して、共振子の対数、交差長を大きくする必要がないので、チップサイズが小さくてすむ。
【0019】
(v) 図9のような帯域阻止型フィルタの場合に比較して、通過域低域側での挿入損失の増加を防止できる。
(vi) 直列腕SAW共振子211 〜213 ごとに、絶縁膜37の膜厚を変更するだけで実現でき、特別に複雑な工程を必要としないので、従来の製造設備をそのまま利用できる。
(vii) 直列腕SAW共振子211 〜213 及び並列腕SAW共振子221 〜224 の電極がSiO2 の絶縁膜37で保護されるので、歩留まりが向上すると共に、各SAW共振子211 〜213 ,221 〜224 のストレスマイグレーションが抑えられ、耐電力が改善できる。
(viii) 直列腕SAW共振子211 〜213 のパターンのばらつきによる周波数のばらつきが、絶縁膜37の膜厚で調整することで抑えることができる。
【0020】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されず種々の変形が可能である。その変形例としては、例えば次のようなものがある。
(1) SAWフィルタのパターニングをするに際し、リフトオフの替りに、エッチングを利用してもよい。
(2) 基板31は、結晶方位が41°Y−X、64°Y−Xまたは128°Y−XのLiNbO3 単結晶基板や、X−112°YのLiTaO3 単結晶基板を用いてもよい。
(3) SAW共振子211 〜214 ,221 〜224 の電極は、Alでなくてもよい。適宜、Cu、Ti、Sn、Ni、Auに選択を替えてもよい。
(4) 異なった膜厚の絶縁膜37を堆積する場合に、リフトオフの代わりに、エッチングを用いてもよい。
(5) 絶縁膜37として、比重が2.4程度で熱膨脹率が15のSiO2 を用いたが、比重が2以上3以下で、熱膨脹率が20以下の他の材料を用いた場合でも、上記実施形態と同様に、広い減衰域を有しかつ絶縁膜にクラックの入らないSAWフィルタを実現できる。
【0021】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、第1〜第8の発明は、複数の直列腕SAW共振子の共振周波数を、該各電極上に堆積した絶縁膜の膜厚の違いによって各段ごとにずらした構成にしたので、該各SAW共振子における音速が変化し、減衰極がずれる。そのため、挿入損失を犠牲にすることや、素子数を増加させることなく、該通過域の高域側に設定される減衰域の周波数帯域を広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す多段梯型SAWフィルタの接続図である。
【図2】従来のSAW共振子の構造及び等価回路を示す図である。
【図3】従来の1段定K型SAWフィルタの原理を示す説明図である。
【図4】従来の多段定K型SAWフィルタを示す接続図である。
【図5】図4のSAWフィルタの製造工程を示す図である。
【図6】図4のSAWフィルタの課題の周波数特性を示す図である。
【図7】多段定K型SAWフィルタの他の例を示す接続図である。
【図8】図7の周波数特性を示す図である。
【図9】従来の帯域阻止型フィルタを示す接続図である。
【図10】図9の周波数特性を示す図である。
【図11】図1のSAWフィルタの製造工程の概要を示す断面図である。
【図12】図1のSAWフィルタの周波数特性を示す図である。
【符号の説明】
211 〜214 直列腕SAW共振子
221 〜224 並列腕SAW共振子
31 基板
35 電極
37 絶縁膜

Claims (8)

  1. 圧電体或いは強誘電体単結晶基板上に電極となる金属或いは合金が蒸着されて形成された1端子対弾性表面波共振子でそれぞれ構成された複数の直列腕弾性表面波共振子及び並列腕弾性表面波共振子を多段の梯型に接続したフィルタであって、周波数の所定の位置に通過帯域と減衰帯域とを持つ弾性表面波フィルタにおいて、
    前記複数の直列腕弾性表面波共振子の電極上には、適宜に膜厚が異なる絶縁膜がそれぞれ堆積され、該各直列腕弾性表面波共振子における共振周波数は、該絶縁膜の膜厚によって前記梯型の各段ごとにずれていることを特徴とする弾性表面波フィルタ。
  2. 前記金属或いは合金は、Al或いはAl合金で構成し、
    前記複数の直列腕弾性表面波共振子のうちの前記梯型の1段目から最終段の1つ手前の段までの共振子の電極上に、膜厚が異なり比重が2以上3以下で熱膨脹率が20以下の前記絶縁膜を堆積したことを特徴とする請求項1記載の弾性表面波フィルタ。
  3. 前記直列腕弾性表面波共振子の電極上に堆積する前記絶縁膜の膜厚は、前記梯型の第1段目から後段にいくに従って減少する構成にしたことを特徴とする請求項1または2記載の弾性表面波フィルタ。
  4. 前記最終段の直列腕弾性表面波共振子の電極上には、前記絶縁膜が堆積されていないことを特徴とする請求項3記載の弾性表面波フィルタ。
  5. 前記圧電体或は強誘電体単結晶基板は、LiNbO 3 単結晶基板またはLiTaO 3 単結晶基板で構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の弾性表面波フィルタ。
  6. 前記LiTaO 3 単結晶基板は、結晶方位が36°Y−XまたはX−112°Yであることを特徴とする請求項5記載の弾性表面波フィルタ。
  7. 前記LiNbO 3 単結晶基板は、結晶方位が41°Y−X、64°Y−Xまたは128°Y−Xであることを特徴とする請求項5記載の弾性表面波フィルタ。
  8. 前記複数の直列腕弾性表面波共振子の電極上には、該各直列腕弾性表面波共振子ごとに前記絶縁膜が堆積されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の弾性表面波フィルタ。
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