JP4061928B2 - スピーカ用振動板とその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は各種音響機器や通信機器等に使用されるスピーカ用振動板とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術を図6、図7により説明する。図6はスピーカの断面図であり、図7はスピーカ用振動板の製造工程を示す断面図である。
【0003】
磁性材料からなるヨーク10の底面中央にマグネット11、この上にプレート12がそれぞれ設けられており、フレーム13は前記ヨーク10を樹脂により一体成形したものである。スピーカ用振動板14はポリエーテルニトリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルイミド等の熱可塑性樹脂からなり、この振動板14の周囲には外周保持リング15、この振動板14の裏面にはボイスコイル16の上端がそれぞれ接着結合されている。前記ボイスコイル16は前記プレート12と前記ヨーク10間の磁気ギャップに嵌め込まれている。そして小孔を有するプロテクタ17がこの振動板14を覆うように設けられている。
【0004】
スピーカ用振動板14の製造方法としては、まず上記熱可塑性樹脂のシート(図示せず)を図7に示す雄雌成形金型21,22により加熱加圧成形してスピーカ用振動板14を個片として形成し、次にボイスコイル16および外周保持リング15を接着結合して振動系のユニットを形成し、その後前記プレート12、前記ヨーク10、前記マグネット11で形成される磁気回路を一体化したフレーム13に接着固着してスピーカが製造される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この製造方法によれば、スピーカ用振動板14を形成する際上記熱可塑性樹脂を延伸する力が振動板中心部18および振動板接着部19に加わりやすいため前記部位の振動板の厚みが薄くなる。特に、剛性が必要な振動板接着部19の厚みが薄い場合ボイスコイルとの接着強度が低下し、その結果、ボイスコイルが剥がれ易いという問題があった。
【0006】
そこで本発明は、ボイスコイルが剥がれにくいスピーカ用振動板を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明の請求項1に記載の発明は、特に、振動板の厚みのうちで、円環状凹嵌部の振動板厚みが振動板の他の部位より厚いことを特徴とする電着により形成されたスピーカ用振動板であり、ボイスコイルを接合する円環状凹嵌部の振動板の厚みを電着により厚く形成したことによりボイスコイルとの接合強度を向上させることができ、その結果、ボイスコイルが剥がれにくくなるという作用効果を奏するものである。
【0011】
請求項2に記載の発明は、導電性の電着用の金属型の表面に剥離剤層を形成する剥離剤形成工程と、電着にて前記剥離剤層の表面に電着樹脂膜を形成する電着工程と、前記電着樹脂膜を剥離する剥離工程を有する請求項1に記載のスピーカ用振動板の製造方法であり、特に、導電性の金属型を用いて電着にて前記剥離剤層の表面に電着樹脂膜を形成する対向電極との関係において、振動板となる前記電着樹脂膜が形成される前記電着用金属型と対向電極の間に形成された隙間の内で円環状凹嵌部を形成する部分の隙間を他の隙間より狭くして、前記円環状凹嵌部に相当する電着樹脂膜の形成膜厚を他の隙間部分の電着樹脂膜の形成膜厚より厚くし、ボイスコイルとの接合強度を向上したスピーカ用振動板を得ることができるものである。
【0013】
請求項3に記載の発明は、電着工程の後プライマリー処理にて振動板の外周部に外周保持リング、振動板の円環状凹嵌部にボイスコイルをそれぞれ接着する接着工程を有する請求項2に記載のスピーカ用振動板の製造方法であり、請求項2と同様の作用を有するものである。
【0015】
請求項4に記載の発明は、接着工程の後電着樹脂膜の表面にさらに電着被覆膜を形成する再電着工程を有する請求項3に記載のスピーカ用振動板の製造方法であり、特に、ボイスコイルおよびこのリード線を覆うように上記被覆膜を設けることによりボイスコイルとの接合強度を向上させることができ、その結果、ボイスコイルが剥がれにくくなるという作用効果を奏するものである。
【0016】
加えて、上記リード線に上記被覆膜を設けることによりリード線が電着樹脂膜に固定され、その結果、異音の発生や断線を抑制することができるという作用効果も奏するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のスピーカ用振動板とその製造方法について一実施の形態および図面を用いて説明する。なお、従来技術と同一部分には同一番号を付して説明を省略する。
【0019】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1および図1〜図4を用いて請求項1、請求項4〜6に記載の発明を説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施の形態1におけるスピーカ用振動板の断面図である。
【0021】
スピーカ用振動板4は電着にて形成されたエポキシ樹脂等からなるものであり、この振動板4の円環状凹嵌部4aにボイスコイル16、外周部4cに外周保持リング15が設けられている。そして、上記円環状凹嵌部4aの振動板4の厚みが他の部位よりも厚くなっており、これによりボイスコイル16との接着強度を高めている。ボイスコイル16のリード線16aは外周保持リング15を介して外部端子(図示せず)へ導出されている。
【0022】
この振動板4の製造方法としては、まず図2に示すように電着用金属型6の下面に剥離剤を塗布して剥離剤層5を形成する。
【0023】
次に図3でこの電着用金属型6を用いて電着を行い電着樹脂膜4を形成する。電着用金属型6の下面は振動板4の成形形状になっており、その相対する位置に対向電極7(陰極)を配置する。ここで、円環状凹嵌部4aを振動板4の他の部位より厚くするために電着用金属型6および対向電極7の構造は以下のようにする。
【0024】
すなわち、振動板4の円環状凹嵌部4aを形成する電着用金属型6と対向電極7の隙間(図3D)を他の隙間より狭くする。このようにすることにより円環状凹嵌部4aに電流が流れやすくなり、その結果、円環状凹嵌部4aを厚く形成することができるものである。
【0025】
その後、この電着樹脂膜4を剥離して振動板4を得ることができる。
【0026】
また、電着を行った後電着樹脂膜4に外周保持リング15およびボイスコイル16を接着してもよい。その場合以下のように行う。
【0027】
すなわち、外周保持リング15およびボイスコイル16を接着する電着樹脂膜4の部位を改質するためにプライマー処理を行い、次に、図4に示すように外周保持リング15およびボイスコイル16を押圧して接着し、その後剥離することにより振動板4を得ることができる。なお、この外周保持リング15は、ボイスコイル16を磁気回路の磁気ギャップに嵌め込む時の位置決め基準ともなるものであり、スピーカ用振動板4を剥離する前に接合されるので位置決め精度を極めて高くすることができるものである。
【0028】
以上の製造方法によればボイスコイルが剥がれにくいスピーカ用振動板を提供することができる。
【0029】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2および図5を用いて請求項2,3,7,8に記載の発明を説明する。
【0030】
本実施の形態2が実施の形態1と異なる点は、図5に示すように少なくともボイスコイル16およびこのリード線16aを覆うように電着にて被覆膜8を設ける点であり、これによりボイスコイル16と電着樹脂膜4との接合強度が向上するものである。加えて、上記リード線16aに上記被覆膜8を設けることによりリード線16aが電着樹脂膜4に固定され、その結果、異音の発生や断線を抑制することができるという作用効果も奏するものである。
【0031】
この製造方法としては、例えば実施の形態1で示したように外周保持リング15およびボイスコイル16を電着樹脂膜4に接着した後再度電着により被覆膜8を形成する方法が挙げられる。
【0032】
ここで被覆膜8の材料としては、電着樹脂膜4と同じ材料、例えばエポキシ樹脂を用いても良いし、異なる材料、例えばウレタン系樹脂を用いてもよい。異なる材料を用いた場合は重畳する範囲や厚みを適宜選択することで剛性や内部損失等の特性の異なるスピーカ用振動板4を得ることができるものである。
【0033】
以上の製造方法および材料等以外は実施の形態1と同様の工法によりボイスコイルが剥がれにくいスピーカ用振動板を提供することができる。
【0034】
【発明の効果】
以上のように本発明は、特に、電着により円環状凹嵌部の振動板厚みを他の部位の厚みより厚くしたことを特徴とするスピーカ用振動板であり、ボイスコイルを接合する円環状凹嵌部の振動板の厚みを厚くすることによりボイスコイルとの接合強度を向上させることができ、その結果、ボイスコイルが剥がれにくくなるという作用効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるスピーカ用振動板の断面図
【図2】同製造工程の断面図
【図3】同断面図
【図4】同断面図
【図5】同断面図
【図6】従来のスピーカ用振動板の断面図
【図7】従来の製造工程の断面図
【符号の説明】
4 スピーカ用振動板
4a 円環状凹嵌部
4c 外周部
5 剥離剤層
6 電着用金属型
7 対向電極
8 被覆膜
15 外周保持リング
16 ボイスコイル
16a リード線
Claims (4)
- 振動板の厚みのうちで円環状凹嵌部の厚みが振動板の他の部分の厚みより厚くなるように電着により形成した振動板と、この振動板の裏面の前記円環状凹嵌部に設けたボイスコイルと、前記振動板の外周部に設けた外周保持リングからなるスピーカ用振動板。
- 導電性の電着用金属型の表面に剥離剤層を形成する剥離剤形成工程と、電着にて前記剥離剤層の表面に電着樹脂膜を形成する電着工程と、前記電着樹脂膜を剥離する剥離工程を有し、振動板となる前記電着樹脂膜が形成される前記電着用金属型と対向電極の間に形成された隙間の内で振動板の円環状凹嵌部を形成する部分の隙間を他の隙間より狭くして、前記円環状凹嵌部に相当する電着樹脂膜の形成膜厚を他の隙間部分の電着樹脂膜の形成膜厚より厚くした請求項1に記載のスピーカ用振動板の製造方法。
- 電着工程の後プライマリー処理にて振動板の外周部に外周保持リング、振動板の円環状凹嵌部にボイスコイルをそれぞれ接着する接着工程を有する請求項2に記載のスピーカ用振動板の製造方法。
- 接着工程の後電着樹脂膜の表面にさらに電着被覆膜を形成する再電着工程を有する請求項3に記載のスピーカ用振動板の製造方法。
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