JP4061360B2 - 難燃性の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物 - Google Patents

難燃性の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物 Download PDF

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Description

【発明の属する技術分野】
【0001】
本発明は、難燃性を有し、接着性と貯蔵安定性にも優れた室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
室温硬化型ポリオルガノシロキサン組成物のなかでも、水分と接触して、硬化反応が生起するタイプのものは、縮合反応型の室温硬化性液状シリコーンゴム(RTVシリコーンゴム)として既知である。RTVシリコーンゴムは、接着性に優れるというその特性を生かして、建築・土木工業、電気・電子工業、自動車工業などの分野で、シーリング材、ポッティング材、コーティング材などに広範に用いられている。
【0003】
近年、製品の安全性が重要視されるため、使用する材料の安全性、例えば難燃性および耐熱性を向上させることが求められている。RTVシリコーンゴムに難燃性を付与するための難燃化剤としては、下記のものが見出されている。
【0004】
難燃性付与剤として、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、二酸化ケイ素、酸化チタン、トリアゾール、白金化合物、カルボン酸アミド、塩化アンモニウム塩、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、またはそれらの組み合わせが用いられている。
【0005】
なかでも経済性を考慮し、難燃性へ寄与する度合いを考えると、特開昭52−37965号公報に開示されている炭酸亜鉛が有用な添加物であるが、貯蔵安定性に問題を有している。
【0006】
市販されている炭酸亜鉛の代表的な組成は、例えば下記式:
2ZnCO3・3Zn(OH)2・H2
で示される。そのため、これを水分硬化型の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物に配合すると、含有する水酸基の影響により該組成物の貯蔵安定性を低下させる。焼成して水和物の脱水処理を行っても、水酸基は除去できないため、貯蔵安定性に充分な効果は見られない。そのため、優れた難燃性を有し、かつ貯蔵安定性にも優れたRTVシリコーンゴム組成物が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、難燃性を有し、かつ接着性および貯蔵安定性に優れたポリオルガノシロキサン組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、(A)分子中にケイ素原子に結合した加水分解性基または水酸基を2個以上有するケイ素官能性ポリオルガノシロキサン;
(B)硬化触媒;および
(C)(C1)白金、パラジウムおよびロジウム元素、その化合物およびその錯体から選ばれる白金族触媒の存在下、(C2)塩基性炭酸亜鉛と、(C3)一般式(II):
SiO{4−(r+s)}/2 ・・・・・・・ (II)
(式中、Rは、非置換またはハロゲン原子もしくはシアノ基で置換されている、C1−12のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアラルキル基であり;rは、0〜2であり;sは、1または2であり;r+sは、1〜3である)で示される単位を有するシロキサンであって、分子内に少なくとも1個のSi−H結合を有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンとを反応させて得られる成分
を含む室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の(A)成分は、一般式(1):
【化1】
Figure 0004061360
〔式中、
1は、独立して、互いに同一または異なっていてもよい、非置換または置換の1価の炭化水素基であり;
2は、−ZSiR3 3-ppであり;
(ここで、
3は、独立して、互いに同一または異なっていてもよい、非置換または置換の1価の炭化水素基であり;
Zは、酸素および/または2価の炭化水素基であり;
Xは、加水分解性基または水酸基であり;
pは、1〜3である);そして
nは、(A)成分の粘度を所望の値とする数である〕
で示されるケイ素官能性ポリジオルガノシロキサンである。
【0010】
1としては、C1-12のアルキル基;シクロヘキシルのようなシクロアルキル基;ビニル、アリルのようなアルケニル基;フェニル、トリル、キシリルのようなアリール基;2−フェニルエチル、2−フェニルプロピルのようなアラルキル基を挙げることができる。さらに、これらの基は、ハロゲン原子、シアノ基などで置換されていてもよく、クロロメチル、3−クロロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピルのようなハロゲン化アルキル基;3−シアノプロピルのようなシアノアルキル基などの置換炭化水素基が挙げられる。
【0011】
全有機基の85%以上がメチルであることが好ましく、実質的にすべての有機基がメチルであることがより好ましい。
【0012】
一方、耐熱性、耐放射線性または耐寒性を付与する場合、フェニル基;耐油性、耐溶剤性を付与する場合、3,3,3−トリフルオロプロピル基または3−シアノプロピル基;そして、塗装適性を有する表面を付与する場合、長鎖アルキル基またはアラルキル基を、それぞれ、目的に応じ任意に用いてもよい。これらの基を、メチル基と併用することができる。
【0013】
末端基R2のケイ素原子に結合しているR3は、独立して、互いに同一または異なっていてもよい、非置換または置換の1価の炭化水素基であり、R1と同様のものが挙げられる。R3は、メチル基またはビニル基が好ましい。
【0014】
Zは、酸素原子;非置換アルキレン基;非置換または置換アリーレン基;ならびに窒素原子、硫黄原子、酸素原子、チアジアゾリル基、エステル結合、アミド結合およびウレイド結合を分子鎖中に含有してもよいアルキレン基が好ましく、特にエチレン、トリメチレンのような非置換アルキレン基およびフェニレンのようなアリーレン基が好ましい。
【0015】
Xは、ケイ素官能基、すなわち、加水分解性基または水酸基であり、末端基R2中に少なくとも1個存在する。Xとして、C1-4のアルコキシ基;例えば2−メトキシエトキシ、2−エトキシエトキシのような置換アルコキシ基;イソプロペノキシのようなエノキシ基;アセトキシのようなアシルオキシ基;ジメチルケトキシマト、メチルエチルケトキシマト、ジエチルケトキシマト、メチルブチルケトキシマト、エチルブチルケトキシマトのようなケトキシマト基;ジエチルアミノキシのような置換アミノキシ基;N−メチルアセトアミノのような置換カルボニルアミノ基;ブチルアミノ、シクロヘキシルアミノのような置換アミノ基などの加水分解性基が挙げられ、それぞれ独立して、同一または異なっていてもよい。Xは、アルコキシ基、アシルオキシ基およびメチルエチルケトキシマト基が好ましく、特にメトキシ基が好ましい。
【0016】
末端基R2におけるケイ素官能基Xの数pは1〜3である。Xが加水分解性基のものは、例えば、末端に水酸基を有するポリオルガノシロキサンと、任意の加水分解性基を2個以上有するシランとを縮合させて合成することができる。縮合反応中にこのシランに含まれる加水分解性基が1個消費されるため、合成したポリオルガノシロキサンの末端基R2におけるpは、用いた加水分解性基含有シランのそれよりも1個少ない。
【0017】
nは、組成物の作業性および硬化物特性のバランスから、25℃でのベースポリマーの粘度が20〜1,000,000cP、好ましくは500〜200,000cPの範囲になるように選択する。具体的には、ポリジメチルシロキサンの場合、nは13〜2,000である。
【0018】
架橋剤は、下記の一般式(2):
4 4-qSiXq (2)
(式中、
4は、独立して、互いに同一または異なっていてもよく、非置換もしくは置換されていてもよい1価の炭化水素基であり;
Xは、前記と同義であり;
qの平均は、2〜4である)
で示される化合物および/またはその部分加水分解縮合物を用いることができる。
【0019】
架橋剤は、(A)成分中のXと反応させ、組成物を硬化させるための加水分解性基を有するケイ素化合物を用いる。分子中にケイ素官能基を2個以上有する(A)成分の場合、架橋剤の非存在下でも架橋反応により硬化するが、架橋剤を併用してもよい。
【0020】
4は、R1として例示した基と同様のものが挙げられ、メチル基またはビニル基が好ましい。また、置換もしくは非置換のアミノ基、エポキシ基含有基、イソシアナト基、(メタ)アクリロキシ基、メルカプト基、またはハロゲン原子で置換されたアルキル基もしくはフェニル基、置換アルキル基としては、置換メチル基、3−置換プロピル基、4−置換ブチル基が挙げられ、3−置換プロピル基が好ましい。
【0021】
架橋剤の例として、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシランおよびそれらの部分加水分解縮合物のようなアルコキシ基含有化合物;テトラキス(2−エトキシエトキシ)シラン、メチルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニル(2−エトキシエトキシ)シラン、フェニルトリス(2−メトキシエトキシ)シランおよびそれらの部分加水分解縮合物のような置換アルコキシ基含有化合物;メチルトリイソプロペノキシシラン、ビニルトリイソプロペノキシシラン、フェニルトリイソプロペノキシシラン、ジメチルジイソプロペノキシシラン、メチルビニルジイソプロペノキシシランおよびそれらの部分加水分解縮合物のようなエノキシ基含有化合物が挙げられる。
【0022】
さらに、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、3−アミノプロピルトリアセトアミドシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ジメチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランのような置換または非置換のアミノ基含有シラン;3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシランのようなエポキシ基含有シラン;3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシランのようなイソシアナト基含有シラン;3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランのような(メタ)アクリロキシ基含有シラン;3−メルカプトプロピルトリメトキシシランのようなメルカプト基含有シラン;および3−クロロプロピルトリメトキシシランのようなハロゲン原子含有シランなどの炭素官能性シラン、およびそれらの部分加水分解縮合物が挙げられる。
【0023】
架橋剤は、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシランおよびそれらの部分加水分解縮合物、ならびに置換または非置換のアミノアルキル基含有シランを用いることが好ましい。
【0024】
架橋剤の配合量は、架橋が充分に行われ、貯蔵安定性が良好な配合量としては、(A)成分100重量部にあたり、0.1〜25重量部であり、好ましくは0.3〜10重量部である。
【0025】
本発明において、上記の非置換の炭化水素基を含有するケイ素官能性化合物の代わりに/とともに、上記のアミノ基または置換炭化水素基を含有する炭素官能性化合物を、架橋剤の1部または全部として用いてもよい。
【0026】
炭素官能性シランの配合量は、接着性の向上効果を考慮すると、上記の架橋剤の一部または全部であり、(A)成分100重量部にあたり、0.05〜25重量部、好ましくは0.1〜10重量部である。
【0027】
本明細書中、「炭素官能性シラン」とは、炭素官能性基を有するケイ素官能性化合物をいう。
【0028】
本発明の(B)成分は、水分の存在下に(A)成分の加水分解性基X同士および/または(A)成分と架橋剤のとを反応させて架橋構造を形成させる硬化触媒である。このような成分(B)として、オクタン酸マンガン、オクタン酸鉄、オクタン酸亜鉛、オクタン酸スズ、ナフテン酸スズ、オレイン酸スズのようなカルボン酸金属塩;ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクトエート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジオレート、ジブチルスズジメトキシド、ジフェニルスズジアセテート、ジブチルビス(トリエトキシシロキシ)スズ、ジオクチルスズジラウレートのような有機スズ化合物;テトラエトキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、1,3−プロパンジオキシチタンビス(エチルアセチルアセテート)のようなアルコキシチタン類;アルミニウムトリスアセチルアセトネート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート、トリエトキシアルミニウムなどの有機アルミニウム;ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム、トリブトキシジルコニウムアセチルアセトネート、ステアリン酸トリブトキシジルコニウムなどの有機ジルコニウム化合物が挙げられる。微量で大きな触媒能を有する有機スズ化合物およびアルコキシチタン類が好ましい。
【0029】
(B)成分の配合量は、硬化触媒としての効果と配合量のバランスから、(A)成分100重量部あたり、0.05〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部である。
【0030】
本発明によれば、(C)成分は、(C1)白金、パラジウムおよびロジウム元素、その化合物およびその錯体から選ばれる白金族触媒の存在下、(C2)炭酸亜鉛と、(C3)分子内に少なくとも1個のSi−H結合を有する有機ケイ素化合物とを反応させて得られる。
【0031】
反応は用いられる白金族触媒〔(C1)成分〕の種類によっては常温でも進行するが、通常、25〜120℃、好ましくは50〜110℃で行うことができる。
【0032】
(C)成分の配合量は、(A)成分100重量部あたり5〜50重量部、好ましくは5〜40重量部である。
【0033】
本発明によれば、炭酸亜鉛は、平均粒径0.01〜10μmが好ましく、特に0.02〜10μmが好ましい。
炭酸亜鉛は、一般的に上市されている塩基性炭酸亜鉛を用いてもよい。平均粒径は、得られる硬化物の外観(外表面)を大きく左右する。例えば、硬化物をシーリング材として用いる場合は、平均粒径が小さいことが好ましい。
【0034】
分子内に少なくとも1個のSi−H結合を有する有機ケイ素化合物〔(C3)成分〕は、一般式:
5 rsSiO{4-(r+s)}/2 ……………(II)
(式中、
5は、非置換または置換された1価の炭化水素基、
rは、0〜2であり;
sは、1または2であり;
r+sは、1〜3である)
で示される単位を有し、さらに分子内に少なくとも1個のSi−H結合を有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンである。
【0035】
5、およびその他のシロキサン単位のケイ素原子に結合した置換または非置換の1価の炭化水素基としては、前述の(A)成分における一般式(I)中のR1と同様のものが例示される。メチル基が最も好ましい。
【0036】
シロキサン骨格は、直鎖状、分岐状および環状のいずれであってもよい。また、これらの混合物を用いてもよい。
【0037】
(C3)成分の配合量は、炭酸亜鉛〔(C2)成分〕1モルあたり、Si−Hが4〜50個になる量が好ましく、特に8〜30個になる量が好ましい。
【0038】
本発明によれば、白金族触媒〔(C1)成分〕は、白金、パラジウムおよびロジウム元素、その化合物およびその錯体から選ばれる触媒である。白金系触媒としては、塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ケトン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体;白金−ニトリル錯体、白金−亜リン酸トリフェニル錯体、アルミナまたはシリカなどの担体に白金を担持したものが挙げられる。また、パラジウム系触媒としては、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、パラジウム−トリフェニルホスフィン混合物が挙げられる。ロジウム系触媒としては、ロジウム−トリフェニルホスフィン錯体、ロジウム−スルフィド錯体が挙げられる。これらは、有機溶媒、例えばアルコール、ケトン、エーテル、炭化水素溶媒などに溶解して用いることが好ましい。触媒に用いる担体は比表面積の大きな微粒子が好ましい。(C1)成分は触媒量以上であってもよく、(C3)成分の20重量%以上であることが好ましい。
【0039】
本発明の組成物は、シーリング材、接着剤、現場成形ガスケットなどとして用いることができる。このような用途において要求される機械的強度を高くするために、上記の成分に加えて下記のような充填剤を、所望する物性に応じて選択することができる。すなわち、充填剤としては、煙霧質シリカ、焼成シリカ、沈殿シリカ、煙霧質酸化チタン、およびこれらの表面をオルガノクロロシラン類、ポリオルガノシロキサン類、ヘキサメチルジシラザンなどにより疎水化されたものなどのような補強性充填剤;ならびにけいそう土、粉砕シリカ、アルミノケイ酸塩、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、有機酸表面処理炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、タルク、酸化第二鉄などのような非補強性充填剤が挙げられる。
【0040】
充填剤の添加量は、(A)成分100重量部にあたり、1〜200重量部、好ましくは5〜100重量部の範囲である。
【0041】
本発明の組成物に、さらに、顔料、チキソトロピー性付与剤、押出し作業性を改良するための粘度調整剤、紫外線吸収剤、防カビ剤、耐熱向上剤など、各種の添加剤を加えてもよい。また、本発明の(C)成分以外の難燃化剤、例えば二酸化チタンなどを添加してもよい。
【0042】
本発明の組成物は、
(A)分子中にケイ素官能基を2個以上有するケイ素官能性ポリオルガノシロキサン100重量部;
(B)硬化触媒0.05〜10重量部;および
(C)白金、パラジウムおよびロジウム元素、その化合物およびその錯体から選ばれる白金族触媒の存在下、炭酸亜鉛と、分子内に少なくとも1個のSi−H結合を有する有機ケイ素化合物とを反応させて得られる成分0.5〜20重量部を含む組成物が好ましい。
【0043】
本発明の組成物は、さらに架橋剤0.1〜25重量部を含む組成物が好ましい。また、さらに(C)成分以外の充填剤1〜200重量部を含む組成物が好ましい。
【0044】
本発明の組成物は、上記の全成分ならびに各種の添加剤を、湿気を遮断した状態で混合することにより得られる。得られた組成物は、密閉容器中でそのまま貯蔵し、使用時に空気中の水分にさらすことによって始めて硬化する、いわゆる1包装型室温硬化性組成物として使用することができる。また、本発明の組成物は、例えば、架橋剤と硬化触媒に分けた組成物として調製し、適宜2〜3の別々の容器に分けて貯蔵し、使用時にこれらを混合する、いわゆる多包装型室温硬化性組成物として用いることもできる。
【0045】
【実施例】
実施例中で、本発明をより具体的に説明するが、いかなる意味においても本発明を限定するものではない。なお、実施例中では、特に断らない限り、部とあるのはいずれも重量部を表し、粘度などの物性値の測定条件および放置状態の環境はすべて25℃、相対湿度(RH)60%である。
【0046】
下記の実施例および比較例により組成物を調製して、密封貯蔵した組成物を(a)〜(d)について評価を行った。
【0047】
(a)指触乾燥時間:組成物を20℃、60%RHの雰囲気中に押出して、表面を指で接触し、乾燥状態にあることを確認できるまでの時間を測定した。
【0048】
(b)物理特性:組成物を厚さ2mmのシート状になるように調製し、168時間放置し、空気中の湿気により硬化させて、その物理的性質をJIS K 6301により測定した。
【0049】
(c)貯蔵安定性:湿気を遮断した容器に組成物を入れ、70℃で5日間加熱した後、指触乾燥時間を測定した。その後、厚さ2mmのシート状になるように調製し、168時間放置し、空気中の湿気により硬化させて、その物理的性質をJIS K 6301により測定した。
【0050】
(d)難燃性試験;UL94V−0に準拠した方法により評価を行った。
【0051】
実施例1
塩基性炭酸亜鉛(境化学製:透明性亜鉛白)30部、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン0.1部および白金−ベンゾニトリル錯体0.08部を添加し、100℃で3時間加熱しながら撹拌して、反応させた。粘度20,000cPのα,ω−ビス(メチルジメトキシシロキシ)ポリジメチルシロキサン100部に、上記の反応生成物の全量と、石英粉末20部を添加し、均一に混合した。次に、メチルトリメトキシシラン2.0部、N−メチル−3―アミノプロピルトリメトキシシラン2.5部およびジブチルビス(トリエトキシシロキシ)スズ0.5部を添加し、湿気遮断下に均一に混合して、組成物1を得た。
【0052】
実施例2
塩基性炭酸亜鉛30部、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン0.15部、白金−亜リン酸トリフェニル錯体0.1部を添加し、100℃で3時間加熱しながら撹拌して、反応させた。粘度20,000cPのα,ω−ビス(トリメトキシシロキシ)ポリジメチルシロキサン100部に、上記の反応生成物の全量、酸化チタン10部および石英粉末15部を添加し、均一に混合した。次に、メチルトリメトキシシラン2.0部、 N−メチル−3―アミノプロピルトリメトキシシラン2.5部およびジブチルビス(トリエトキシシロキシ)スズ0.5部を添加し、湿気遮断下に均一に混合して、組成物2を得た。
【0053】
実施例3
塩基性炭酸亜鉛30部、末端基がトリメチルシロキシ単位であり、メチルハイドロジェンシロキシ単位が50mol%である粘度15cSt直鎖状ポリオルガノハイドロジェンシロキサン0.2部およびベンゾニトリル−白金錯体0.1部を100℃で3時間加熱しながら撹拌して、反応させた。粘度20,000cPのα,ω−ビス(メチルジメトキシシロキシ)ポリジメチルシロキサン100部に、上記の反応生成物の全量と、石英粉末20部を添加し、均一に混合した。次に、メチルトリメトキシシラン2.0部およびチタンテトラブトキシド1.5部を添加し、湿気遮断下に均一に混合して、組成物3を得た。
【0054】
比較例1
(C3)成分および(C2)成分による反応を行わずに塩基性炭酸亜鉛30部を用いた以外は、実施例1と同様にして比較組成物を調製した。
【0055】
【表1】
Figure 0004061360
【0056】
表1から、本発明の組成物は、塩基性炭酸亜鉛中に含まれる水酸基を有機ケイ素化合物で処理しているため、貯蔵安定性に優れ、そして難燃性および接着性が低下しないことが分かる。なお、表中の測定不能とは、組成物の硬化状態が試験を行うには不十分であったことを意味する。
【0057】
【発明の効果】
本発明は、湿気の存在しない密封条件下では安定であり、空気中の水分と接触することにより、室温で硬化してゴム状弾性体を生じるポリオルガノシロキサン組成物に関し、特に、難燃性に優れ、かつ接着性および貯蔵安定性に優れたポリオルガノシロキサン組成物を提供する。

Claims (3)

  1. (A)分子中にケイ素原子に結合した加水分解性基または水酸基を2個以上有するケイ素官能性ポリオルガノシロキサン;
    (B)硬化触媒;および
    (C)(C1)白金、パラジウムおよびロジウム元素、その化合物およびその錯体から選ばれる白金族触媒の存在下、(C2)塩基性炭酸亜鉛と、(C3)一般式(II):
    SiO{4−(r+s)}/2 ・・・・・・・ (II)
    (式中、Rは、非置換またはハロゲン原子もしくはシアノ基で置換されている、C1−12のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアラルキル基であり;rは、0〜2であり;sは、1または2であり;r+sは、1〜3である)で示される単位を有するシロキサンであって、分子内に少なくとも1個のSi−H結合を有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンとを反応させて得られる成分
    を含む室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。
  2. 一般式(II)におけるRが、C1−12のアルキル基である、請求項1記載の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。
  3. さらに、架橋剤を含む、請求項1または2記載の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。
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