JP4061186B2 - フィルタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、同軸共振器を多段に接続したフィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
移動通信における基地局装置等においては、雑音除去やアンテナを共用して使用する際に通過帯域が広く減衰特性が急峻な帯域通過型フィルタが必要とされる。このような帯域通過型フィルタとして同軸共振器を多段に接続したフィルタが、従来から用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
同軸共振器を多段に接続した帯域通過型フィルタにおいては、その電気的特性が通過帯域が広く減衰特性が急峻な特性とされるため、所望の電気的特性を得るためにフィルタの製造時に調整を行う必要があった。この調整は、同軸共振器における各段の共振周波数の調整や、段間の結合量の調整とされている。そして、段間の結合量の調整を行う際には、帯域通過型フィルタのケースから蓋を取り外して、段間の結合量を変更し、次いで、ケースに蓋を取り付けて所望の電気的特性が得られるかを検証するようにしている。このような作業を繰り返し行うことにより、所望の電気的特性を得るようにしているが、蓋の取り外しおよび取り付けは、それらを固着しているネジ数が多いことから繁雑な作業になるという問題点があった。
【0004】
ここで、帯域通過型フィルタにおいて、段間の結合量を可変する従来の構成の一例を図7に示す。ただし、図7は帯域通過型フィルタのケースの前面および上部を省略して示している。
図7において、帯域通過型フィルタ100を構成している1段目の同軸共振器は中心導体104aを備え、2段目の同軸共振器は中心導体104bを備えている。1段目の同軸共振器と2段目の同軸共振器との間の壁部にスリット103が形成されている。このスリット103による漏れの電磁界により1段目の同軸共振器と2段目の同軸共振器とが電気的に結合されるようになる。1段目の同軸共振器と2段目の同軸共振器との結合量は、スリット103内に金属製の調整棒102を出し入れすることにより調整することができる。これにより、帯域通過型フィルタ100の電気的特性を調整することができる。しかしながら、この調整構造では可変結合容量が少ないことのほか、調整棒102の長さが長くなると調整棒102の影響で高域に目的外の2次共振点が発生するようになり、伝送特性が劣化すると共に挿入損失が増加するという問題点があった。
【0005】
次に、帯域通過型フィルタにおいて、段間の結合量を可変する従来の構成の他の例を図8に示す。ただし、図8は帯域通過型フィルタのケースの前面および上部を省略して示している。
図8において、帯域通過型フィルタ110を構成している1段目の同軸共振器は中心導体114aを備え、2段目の同軸共振器は中心導体114bを備えている。1段目の同軸共振器と2段目の同軸共振器との間の壁部に窓113が形成されている。この窓113による漏れの電磁界により1段目の同軸共振器と2段目の同軸共振器とが電気的に結合されるようになる。1段目の同軸共振器と2段目の同軸共振器との結合量は、窓113の一部を金属製の調整板112で塞いで窓113のサイズを変えることにより調整することができる。これにより、帯域通過型フィルタ110の電気的特性を調整することができる。しかしながら、この調整構造では調整板112の位置を外部から調整することができないため、調整する毎にケース111から蓋を取り外して調整する必要があった。このため、調整作業が繁雑で長時間を要すると共に微調整が困難になると云う問題点があった。
【0006】
次に、帯域通過型フィルタにおいて、段間の結合量を可変する従来の構成のさらに他の例を図9に示す。ただし、図9は帯域通過型フィルタのケースの前面および上部を省略して示している。
図9において、帯域通過型フィルタ120を構成している1段目の同軸共振器は中心導体124aを備え、2段目の同軸共振器は中心導体124bを備えている。1段目の同軸共振器と2段目の同軸共振器との間の壁部に窓123が形成されている。この窓123による漏れの電磁界により1段目の同軸共振器と2段目の同軸共振器とが電気的に結合されるようになる。1段目の同軸共振器と2段目の同軸共振器との結合量は、窓123の一部を金属製の調整板112で塞いで窓123のサイズを変えることにより調整することができる。この場合、調整板122は一対の保持部材125で挟持されており、窓123が形成されている壁部に沿ってスライドできるようになる。これにより、帯域通過型フィルタ120の電気的特性を調整することができる。しかしながら、この調整構造では調整板122の位置を外部から調整することができるものの、調整板122をスライドさせるためにケース121に設けた切欠に隙間が生じ、この隙間から電磁界が漏洩して不要輻射が生じたり異物が混入するという問題点があった。また、調整板122のケース121内に位置する端部とケース121の壁部との接触状態が不安定であり、その接触抵抗が安定しがたいことから、特性劣化を招きやすいという問題点があった。
【0007】
次に、帯域通過型フィルタにおいて、段間の結合量を可変する従来の構成のさらに他の例を図10に示す。ただし、図10は帯域通過型フィルタのケース131の前面および上部を省略して示している。
図10において、帯域通過型フィルタ130を構成している1段目の同軸共振器は中心導体134aを備え、2段目の同軸共振器は中心導体134bを備えている。1段目の同軸共振器と2段目の同軸共振器との間に結合ループ132が設けられている。この場合、1段目の同軸共振器と2段目の同軸共振器との間の壁部に貫通孔133が形成されており、この貫通孔133内に結合ループ132が挿通されている。中心導体134aと結合ループ132とは磁界結合されるようになり、これにより結合ループ132に起電流が流れ、この起電流により2段目の同軸共振器内において磁界が発生することにより1段目の同軸共振器と2段目の同軸共振器とが結合ループ132により電気的に結合されるようになる。1段目の同軸共振器と2段目の同軸共振器との結合量は、結合ループ132のサイズを替えることにより調整することができる。しかしながら、この調整構造では結合ループ132のサイズを外部から調整することができないため、調整する毎にケース131から蓋を取り外して調整する必要があった。このため、調整作業が繁雑で長時間を要すると共に微調整が困難になると云う問題点があった。
【0008】
次に、帯域通過型フィルタにおいて、段間の結合量を可変する従来の構成のさらに他の例を図11に示す。ただし、図11は帯域通過型フィルタのケース141の前面および上部を省略して示している。
図11に示す帯域通過型フィルタ140は、図10に示す調整構造を変形した調整構造を有しており、結合ループのサイズ変更を結合ループのアース点を変更することにより達成している。すなわち、帯域通過型フィルタ140を構成している1段目の同軸共振器は中心導体144aを備え、2段目の同軸共振器は中心導体144bを備えている。1段目の同軸共振器と2段目の同軸共振器との間に結合ループ142が設けられている。この場合、1段目の同軸共振器と2段目の同軸共振器との間の壁部に貫通孔143が形成されており、この貫通孔143内に結合ループ142が挿通されている。1段目の同軸共振器と2段目の同軸共振器とが結合ループ142により電気的に結合される原理は、上述した通りである。1段目の同軸共振器と2段目の同軸共振器との結合量は、結合ループ142の貫通孔143と同一平面上のアース点を変えることにより調整することができる。しかしながら、この調整構造では結合ループ142のアース点を外部から調整することができないため、調整する毎にケース141から蓋を取り外して調整する必要があった。このため、調整作業が繁雑で長時間を要すると共に微調整が困難になると云う問題点があった。
【0009】
このような図11に示す調整構造を有する帯域通過型フィルタ140の調整後の電気的特性の一例を図13に示す。
図13には、帯域通過型フィルタ140の使用周波数帯域におけるVSWR(電圧定在波比)と減衰量の周波数特性が示されている。図13を参照すると、使用周波数帯域内において、VSWRは約1.15の値が得られており、減衰量はわずかな減衰量とされている。しかしながら、調整する毎にケース141から蓋を取り外して調整する必要があることから、調整時間には数時間を要するようになる。
【0010】
次に、帯域通過型フィルタにおいて、段間の結合量を可変する従来の構成のさらに他の例を図12に示す。ただし、図12は帯域通過型フィルタのケースの前面および上面を解放して示している。
図12に示す帯域通過型フィルタ150は、図10に示す調整構造を変形した調整構造を有しており、結合ループのアース点を外部から変更可能としている。すなわち、帯域通過型フィルタ150を構成している1段目の同軸共振器は中心導体154aを備え、2段目の同軸共振器は中心導体154bを備えている。1段目の同軸共振器と2段目の同軸共振器との間にアース点がケース151の底面に設けられている結合ループ152が設けられている。この場合、1段目の同軸共振器と2段目の同軸共振器との間の壁部に貫通孔153が形成されており、この貫通孔153内に結合ループ152が挿通されている。1段目の同軸共振器と2段目の同軸共振器とが結合ループ152により電気的に結合される原理は、上述した通りである。1段目の同軸共振器と2段目の同軸共振器との結合量は、結合ループ152の両端部に設けられている支持部材155をケース151の底面をスライドさせることにより調整することができる。しかしながら、この調整構造では結合ループ152のアース点を外部から調整することができるものの、結合ループ152をスライドさせるために設けた孔によりケース151に隙間が生じ、この隙間から電磁界が漏洩して不要輻射が生じたり異物が混入するという問題点があった。また、結合ループ152を変形させることにより結合量を調整していることから、その可変範囲が狭くなると共に結合ループ152に機械的ストレスがかかってしまうと云う問題点があった。
【0011】
そこで、本発明は帯域通過型フィルタの従来の調整構造の問題点を解消することのできる調整構造を備えるフィルタを提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のフィルタは、同軸共振器を多段に接続して構成され、金属製のケースを備えるフィルタであって、前記同軸共振器間にそれぞれ配置され、前記同軸共振器間の結合量を可変可能に結合することのできるコ字状に形成されている段間結合ループと、前記ケースに設けられており、軸方向に形成されている摺動孔内に前記段間結合ループの開放端が挿通されることにより、前記開放端がそれぞれ前記ケースに対して摺動可能に保持されると共に、前記ケースに前記段間結合ループが電気的に接続される摺動保持部とを具備し、前記段間結合ループにおける開放端を前記摺動保持部に対して前記ケースの外部から摺動させて、前記段間結合ループの前記ケース内における前記開放端の長さを変化させることにより、前記同軸共振器間の結合量を調整可能としている。
【0013】
また、上記本発明のフィルタにおいて、前記摺動孔が形成されている前記摺動保持部の一端に略軸方向にスリットが形成されて、該一端が弾性的に前記段間結合ループの前記開放端を保持しており、これにより前記段間結合ループの前記開放端が摺動可能に前記摺動保持部に保持されているようにしてもよい。
さらに、上記本発明のフィルタにおいて、前記段間結合ループが摺動自在に保持されている一対の前記摺動保持部が固着された金属製の基板を、さらに備え、
前記ケースに形成されている切欠に、前記摺動保持部に保持されている前記段間結合ループを挿通させて前記基板を外側から前記ケースに固着することにより、前記切欠が閉塞されて前記基板が前記ケースに固着されるようにしてもよい。
さらにまた、上記本発明のフィルタにおいて、前記同軸共振器間に配置されている前記摺動保持部の間隔を、前記同軸共振器間毎に異ならせるようにしてもよい。
【0014】
このような本発明によれば、段間結合ループの開放端を摺動保持部に対して摺動させて、段間結合ループのケース内における長さを変化させることにより、同軸共振器間の結合量を調整可能としている。これにより、隣接する同軸共振器間の結合量を外部から調整することができ、所望の電気的特性を短時間の調整により得ることができるようになる。この場合、摺動保持部の一端にスリットを形成することにより、段間結合ループのアース点の抵抗を安定化することができる。また、ケースに形成されている切欠は、金属製の基板により完全に閉塞されることから、切欠から電磁界が漏洩して不要輻射が生じたり異物が混入することを防止することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態の帯域通過型フィルタの構造を図1に断面図で、その外観を図2に示す。
これらの図に示すように、本発明にかかる帯域通過型フィルタ1は、同軸共振器を5段従属接続して構成されている。5段の同軸共振器のケース10は、銅等の電気的特性の良好な金属板を加工して形成されている。1段目の同軸共振器は、略中央に中心導体13aが配置されており、中心導体13aの下端はケース10の底面に固着されていると共にその上部が絶縁性のスペーサ14aにより略中央に位置するように保持されている。中心導体13aの先端には円板状の対向する一対の調整板15aの一方が備えられており、調整板15aの他方にはネジ部16aが設けられており、このネジ部16aがケース10の上板に螺合している。このため、ネジ部16aを回転することにより、調整板15a間の間隔が調整されて同軸共振器の共振周波数を調整することができる。以上の構成は、2段目ないし5段目の同軸共振器においても同様の構成とされている。
【0016】
1段目の同軸共振器における中心導体13aに近接して一端がケース10にアースされている結合ループ12が配置され、この磁界結合用の結合ループ12の他端が入力端子11に接続されている。これにより、入力端子11から入力される信号が結合ループ12を介して1段目の同軸共振器に供給される。また、5段目の同軸共振器における中心導体13eに近接して一端がケース10にアースされている結合ループ18が配置され、この磁界結合用の結合ループ18の他端が出力端子19に接続されている。これにより、結合ループ18を介して帯域通過型フィルタ1の出力信号が出力端子19から出力される。
【0017】
帯域通過型フィルタ1の各段間の壁部にはスリットが形成されている。例えば、1段目の同軸共振器と2段目の同軸共振器との間の壁部には縦長のスリット20aが形成されており、4段目の同軸共振器と5段目の同軸共振器との間の壁部には縦長のスリット20dが形成されている。各段間の壁部に形成されているスリット20a〜20d内にコ字状に形成されている段間結合ループ17a〜17dの折曲部が挿通されている。これにより、中心導体13aと段間結合ループ17aとは磁界結合されて、これにより段間結合ループ17aに起電流が流れ、この起電流により2段目の同軸共振器内において磁界が発生することにより1段目の同軸共振器と2段目の同軸共振器とが段間結合ループ17aにより電気的に結合されるようになる。他の段間においても同様に段間結合ループ17b〜17dにより電気的に結合される。1段目の同軸共振器と2段目の同軸共振器との結合量は、図2に示すように段間結合ループ17aを外部からスリット20a内に出し入れすることにより調整することができる。他の段間においても同様に段間結合ループ17b〜17dを外部からスリット20b〜20d内に出し入れすることにより調整することができる。これらの段間結合ループ17b〜17dのアース点はケース10の底板とされて、中心導体13a〜13eのアース点と同一の平面上とされている。
【0018】
次に、図3に段間結合ループ17をケース10に取り付ける構成を示し、図4に段間結合ループ17をケース10に取り付けた構成を示す。ただし、図3,4においては5段の帯域通過型フィルタの内の2段の同軸共振器の構成を、前面および上部を省略して示す斜視図とされている。
図3,4に示すように、1段目の同軸共振器と2段目の同軸共振器との間の壁部には縦長のスリット20aが形成されており、ケース10の底板には縦長の切欠21が形成されている。また、コ字状の段間結合ループ17aの開放端は、基板30に固着されている1対の摺動保持部31a、31bに、それぞれ摺動自在に保持されている。
【0019】
ここで、摺動保持部31の詳細構成を図5に示す。ただし、図5は摺動保持部31の構成を示す半断面図とされている。
図5に示すように、摺動保持部31には、その軸に沿って貫通する摺動孔36が形成されている。摺動孔36の上部には複数のスリット32が形成されて、複数の保持片33を有する構成とされている。複数の保持片33は、図示されていないが保持片33の上端がすぼまるように絞り加工されている。これにより、摺動孔36に挿通された段間結合ループ17a〜17dは摺動保持部31に安定して電気的に接続されると共に、摺動自在に確実に固着されるようになる。また、摺動保持部31のほぼ中央部には鍔部34が形成されており、鍔部34の下部にはネジ部35が形成されている。
【0020】
摺動保持部31は金属製とされているが、材質はベリリウム銅に代表されるバネ性の金属材料を用いるのが好適とされている。そして、摺動保持部31の表面には金・銀・銅等の電気良導性のメッキ材によるメッキを施すのが好適である。ここで、摺動保持部31におけるネジ部35を基板30に形成されている取付孔内に挿入すると、基板30の上面に鍔部34が当接するようになる。この状態において、基板30の下面から突出しているネジ部35にナットを螺着することにより、摺動保持部31は基板30に固着される。
【0021】
図3,4に戻り、矩形状の基板30に固着された一対の摺動保持部31a,31bに段間結合ループ17の開放端をそれぞれ挿入し、その基板30に固着されている段間結合ループ17をケース10の底面に形成されている切欠21内に挿入し、基板30をケース10の底面に外側から固着する。この状態が図4に示す状態となり、スリット20内に段間結合ループ17が位置されるようになる。この段間結合ループ17はケース10の底板から下に突出している部分を手や工具で保持することにより、外部から段間結合ループ17を帯域通過型フィルタ1のケース10内に出し入れすることができるようになる。これにより、隣接する同軸共振器間の結合量を外部から調整することができ、所望の電気的特性を短時間の調整により得ることができるようになる。
【0022】
この場合、段間結合ループ17は摺動保持部31a,31bに電気的に安定して接続されてケース10の底板にアースされることから、接触抵抗が安定し長期間にわたり電気特性を安定とすることができる。また、ケース10の底板には切欠21が形成されているが、この切欠21は金属製の基板30が固着された際に完全に閉塞されることから、切欠21から電磁界が漏洩して不要輻射が生じたり異物が混入することを防止することができる。また、スリット20は細長く形成されて段間結合ループ17をケース10に出し入れする機械的可変範囲が大きくされていることから、同軸共振器間の結合量の調整範囲を大きくすることができる。これにより、帯域通過型フィルタ1において段間結合ループ17a〜17dを調整することにより、所望の電気的特性を得ることができるようになる。そして、調整後においては、摺動保持部31の金具と段間結合ループ17の境界点をハンダ付けして固定し、余った段間結合ループ17を切断することにより調整後の電気的特性を維持することができるようになる。
【0023】
ここで、図1,2に示す本発明にかかる帯域通過型フィルタ1の調整後の電気的特性の一例を図6に示す。
図6には、帯域通過型フィルタ1の使用周波数帯域におけるVSWR(電圧定在波比)と減衰量の周波数特性が示されている。図6を参照すると、使用周波数帯域内において、VSWRは約1.03の良好な値が得られており、減衰量はわずかな減衰量とされて良好な特性が得られている。そして、調整する毎にケース10から蓋を取り外して調整する必要がなく、段間結合ループ17a〜17dにおけるアース点の接触抵抗が摺動保持部31a,31bにより安定な接触抵抗となることから、数分ないし10数分のわずかな調整時間により調整が完了するようになる。
【0024】
なお、一対の摺動保持部31a,31bの間隔を広くするほど、段間結合ループ17と中心導体13との距離が狭まるため、同軸共振器間の結合量が大きくなり、一対の摺動保持部31a,31bの間隔を狭くするほど結合量が小さくなる。そして、段間結合ループ17を摺動自在に装着した一対の摺動保持部31a,31bが固着されている基板30は、外部より容易に交換することが可能なので、一対の摺動保持部31の間隔が異なる数種類の基板30を用意して必要に応じて交換することにより、同軸共振器間の結合量をさらに広範囲に調整することができるようになる。また、段間結合ループ17はコ字状に折曲して構成したが、これに限るものではなくU字状としたり多角形に折曲して構成するようにしてもよい。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、段間結合ループの開放端を摺動保持部に対して摺動させて、段間結合ループのケース内における長さを変化させることにより、同軸共振器間の結合量を調整可能としている。これにより、隣接する同軸共振器間の結合量を外部から調整することができ、所望の電気的特性を短時間の調整により得ることができるようになる。この場合、摺動保持部の一端にスリットを形成することにより、段間結合ループのアース点の抵抗を安定化することができる。また、ケースに形成されている切欠は、金属製の基板により完全に閉塞されることから、切欠から電磁界が漏洩して不要輻射が生じたり異物が混入することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の帯域通過型フィルタの構造を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態の帯域通過型フィルタの構成を示す外観図である。
【図3】本発明の実施の形態の帯域通過型フィルタにおいて、段間結合ループをケースに取り付ける構成を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態の帯域通過型フィルタにおいて、段間結合ループをケースに取り付けた構成を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態の帯域通過型フィルタにおける摺動保持部の構成を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態の帯域通過型フィルタにおける電気的特性の一例を示す図である。
【図7】従来の帯域通過型フィルタにおける構成の一例を示す斜視図である。
【図8】従来の帯域通過型フィルタにおける構成の他の一例を示す斜視図である。
【図9】従来の帯域通過型フィルタにおける構成の他の一例を示す斜視図である。
【図10】従来の帯域通過型フィルタにおける構成の他の一例を示す斜視図である。
【図11】従来の帯域通過型フィルタにおける構成の他の一例を示す斜視図である。
【図12】従来の帯域通過型フィルタにおける構成の他の一例を示す斜視図である。
【図13】従来の帯域通過型フィルタにおける電気的特性の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 帯域通過型フィルタ、10 ケース、11 入力端子、12 結合ループ、13a 中心導体、13e 中心導体、14a スペーサ、15a 調整板、16a ネジ部、17 段間結合ループ、17a 段間結合ループ、17b 段間結合ループ、18 結合ループ、19 出力端子、20 スリット、20a スリット、20d スリット、21 切欠、30 基板、31 摺動保持部、31a,31b 摺動保持部、32 スリット、33 保持片、34 鍔部、35 ネジ部、36 摺動孔、100 帯域通過型フィルタ、102 調整棒、103スリット、104a 中心導体、104b 中心導体、110 帯域通過型フィルタ、111 ケース、112 調整板、113 窓、114a 中心導体、114b 中心導体、120 帯域通過型フィルタ、121 ケース、122 調整板、123 窓、124a 中心導体、124b 中心導体、125 保持部材、130 帯域通過型フィルタ、131 ケース、132 結合ループ、133 貫通孔、134a 中心導体、134b 中心導体、140 帯域通過型フィルタ、141 ケース、142 結合ループ、143 貫通孔、144a 中心導体、144b 中心導体、150 帯域通過型フィルタ、151 ケース、152 結合ループ、153 貫通孔、154a 中心導体、154b 中心導体、155 支持部材

Claims (4)

  1. 同軸共振器を多段に接続して構成され、金属製のケースを備えるフィルタであって、
    前記同軸共振器間にそれぞれ配置され、前記同軸共振器間の結合量を可変可能に結合することのできるコ字状に形成されている段間結合ループと、
    前記ケースに設けられており、軸方向に形成されている摺動孔内に前記段間結合ループの開放端が挿通されることにより、前記開放端がそれぞれ前記ケースに対して摺動可能に保持されると共に、前記ケースに前記段間結合ループが電気的に接続される摺動保持部とを具備し、
    前記段間結合ループにおける開放端を前記摺動保持部に対して前記ケースの外部から摺動させて、前記段間結合ループの前記ケース内における前記開放端の長さを変化させることにより、前記同軸共振器間の結合量を調整可能としていることを特徴とするフィルタ。
  2. 前記摺動孔が形成されている前記摺動保持部の一端に略軸方向にスリットが形成されて、該一端が弾性的に前記段間結合ループの前記開放端を保持しており、これにより前記段間結合ループの前記開放端が摺動可能に前記摺動保持部に保持されていることを特徴とする請求項1記載のフィルタ。
  3. 前記段間結合ループが摺動自在に保持されている一対の前記摺動保持部が固着された金属製の基板を、さらに備え、
    前記ケースに形成されている切欠に、前記摺動保持部に保持されている前記段間結合ループを挿通させて前記基板を外側から前記ケースに固着することにより、前記切欠が閉塞されて前記基板が前記ケースに固着されるようにしたことを特徴とする請求項2記載のフィルタ。
  4. 前記同軸共振器間に配置されている前記摺動保持部の間隔を、前記同軸共振器間毎に異ならせることが可能とされていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のフィルタ。
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