JP3570417B2 - 誘電体ノッチフィルタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として自動車電話や携帯電話などの移動体通信システムの基地局などにおいて、所望の周波数の高周波信号を選択的に濾波する誘電体フィルタ、とくに誘電体ノッチフィルタに関するものである。また、本発明は、これら誘電体フィルタを構成する誘電体共振器に関連するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車電話などの移動体通信システムの発達につれて、誘電体共振器を用いた誘電体ノッチフィルタおよび誘電体フィルタの需要が伸びている。
【0003】
以下に図面を参照しながら、従来の誘電体ノッチフィルタの一例について説明する。図24は従来の誘電体ノッチフィルタの外観図である。図24において、2401は円柱形の金属製キャビティ、2402はベース部材、2403は周波数調整部材、2404は入出力端子であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。ここでは5段の誘電体ノッチフィルタを示している。ベース部材2402の中には伝送線路が構成されており、各誘電体共振器と電磁界結合してノッチフィルタを構成している。図25は図24に示す従来の誘電体ノッチフィルタに用いられている誘電体共振器の内部を簡略的に示したものである。2501は誘電体ブロック、2502は電磁界結合のための結合ループである。図26は従来の誘電体共振器における、電磁界結合度の調整機構を示す図であり、調整機構の断面図である。図26において、2は誘電体ブロック2501を支持する支持台、4aは結合ループ2502のループ部、4bは結合ループ2502の接地部、4cは結合ループ2502全体を回転させるためのハンドル、5は結合ループ2502のポールで中心導体5aおよび絶縁体5bからなっている。また、ベース部材2402は中心導体である伝送線路7および外部導体8で構成されている。また、9は伝送線路7を支える絶縁体の支持部材である。また、通常誘電体ブロック2501は支持台2と低融点ガラスを用いて一体化され、保持されている。
【0004】
以上のような構成の従来の誘電体共振器の動作原理は、以下の通りである。金属製キャビティ2401の中に誘電体ブロック2501と結合ループ2502を保持し伝送線路7と接続すると、金属製キャビティ2401内に電磁界が発生し、共振モードに対応した共振周波数で共振させることができる。誘電体共振器の電磁界結合度は、誘電体共振器の電気的な特性を決定する重要なパラメータである。この電磁界結合度は、ここでは結合ループ2502の断面を横切る磁力線の本数で決まる。すなわち、従来の技術では、ハンドル4cを用いて機械的に結合ループ2502を回転して有効断面積を変化させ、結合ループ2502内を横切る磁力線の数を調整していた。
【0005】
また、誘電体共振器のインピーダンスを整合させるために、結合ループ2502の電気長は、正確に4分の1波長に調整されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来技術においては、以下の欠点があった。
【0007】
(1)結合ループを機械的に回転させる複雑な機構が必要であり、そのために必要とされる部品点数が多い。
【0008】
(2)インピーダンス整合をとる手段が限られており、低い周波数では極端に結合ループが大きくなる。いっぽう高い周波数では結合ループが小さいために、大きな結合度を得ることができない。
【0009】
(3)原理的に、インピーダンス整合ができる周波数範囲が狭い。
【0010】
(4)ガラスを溶解させるため誘電体支持に熱処理が必要で、接着強度が弱く信頼性が低い。
【0011】
その結果、以下の問題点があった。
【0012】
(a)振動や衝撃により、容易に結合ループが回転して、電磁界結合度が変化する。
【0013】
(b)製造工程が複雑になる。
【0014】
(c)コストが高くなる。
【0015】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、従来の誘電体ノッチフィルタに比べ、結合度調整機構が簡単で、かつ容易に電磁界結合度を調整できる誘電体ノッチフィルタを提供することにある。
【0016】
本発明の他の目的は、製造容易、低損失で堅牢な誘電体ブロックの支持方法を提供すること、小型で高性能なキャビティを提供すること、小部品点数で構成される周波数調整機構を提供すること、および急峻なノッチフィルタ特性を得る手法を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明による誘電体ノッチフィルタは、高周波信号を伝送する伝送線路と、伝送線路の両端に設けられた入力端子および出力端子と、接地電位を供給する接地導体と、接地導体及び伝送線路に接続された誘電体共振器とを備えており、さらに、接地導体及び伝送線路に誘電体共振器と並列に接続されたインピーダンス手段を備えており、誘電体共振器は、接地導体に接続されたキャビティと、キャビティ内に設けられた誘電体ブロックと、キャビティ内に形成される電磁界に結合された結合素子と、結合素子を伝送路に接続し、かつ、電磁界結合の程度を調整する結合調整線路とを有しており、そのことにより上記目的が達成される。
【0018】
ある実施の形態では、前記電磁界結合の程度は、前記結合調整線路の電気長により調整されていてもよい。
【0019】
ある実施の形態では、前記結合調整線路の電気長に応じて、前記インピーダンス整合素子のインピーダンス値が調整されていてもよい。
【0020】
ある実施の形態では、前記結合調整線路はTEMモード伝送線路から形成され、前記電磁界結合の程度は、TEMモード伝送線路と前記接地導体との間に挿入された誘電体により調整されていてもよい。
【0021】
ある実施の形態では、前記インピーダンス整合素子が、インダクタであってもよい。
【0022】
ある実施の形態では、前記インダクタが、空芯コイルであってもよい。
【0023】
ある実施の形態では、前記インピーダンス整合素子が、キャパシタであってもよい。
【0024】
ある実施の形態では、前記インピーダンス整合素子が、スタブであってもよい。
【0025】
ある実施の形態では、前記インピーダンス整合素子が、誘電体基板に設けられた導体パターンにより形成されていてもよい。
【0026】
本発明による誘電体ノッチフィルタは、高周波信号を伝送する伝送線路と、伝送線路の両端に設けられた入力端子および出力端子と、接地電位を供給する接地導体と、接地導体及び伝送線路に接続された複数の誘電体共振器とを備えており、さらに、接地導体及び伝送線路に複数の誘電体共振器と並列に接続された複数のインピーダンス手段を備えており、複数の誘電体共振器のそれぞれは、接地導体に接続されたキャビティと、キャビティ内に設けられた誘電体ブロックと、キャビティ内に形成される電磁界に結合された結合素子と、結合素子を伝送路に接続し、かつ、電磁界結合の程度を調整する結合調整線路とを有しており、複数の誘電体共振器のそれぞれの共振周波数は、フィルタ中心周波数に関して対称に分布していることにより、上記目的が達成される。
【0027】
ある実施の形態では、前記複数の誘電体共振器が、第1から第5の誘電体共振器から構成され、前記入力端子から前記出力端子への向きに、第1から第5の誘電体共振器が配列されており、第1から第5の誘電体共振器半導体、それぞれ、F1からF5の共振周波数を有しており、前記フィルタ中心周波数がfoであるとき、F4=fo+df2、F2=fo+df1、F1=fo、F5=fo−df1、F3=fo−df2(ただし0<df1<df2)なる関係を満たしていてもよい。
【0028】
ある実施の形態では、前記第1および前記第2の誘電体共振器の間と、前記第4および前記第5の誘電体共振器の間とが、電気長がλ/4×(2×m−1)より長くλ/4×(2×m−1)+λ/8より短い(λは波長、mは自然数)伝送線路でそれぞれ接続され、前記第2と前記第3の誘電体共振器の間および前記第3と前記第4の誘電体共振器の間とが、電気長がλ/4×(2×m−1)−λ/8より長くλ/4×(2×m−1)より短い(λは波長、mは自然数)伝送線路でそれぞれ接続されていてもよい。
【0029】
本発明の誘電体共振器は、キャビティと、キャビティ内に固定された誘電体ブロックと、キャビティ内に形成される電磁界に結合される結合素子とを備えた誘電体共振器であって、誘電体ブロックには貫通孔が形成され、
貫通穴には誘電体から形成された固定軸が通され、固定軸の一端は押さえ具でキャビティに留められていることにより、上記目的を達成する。
【0030】
ある実施の形態では、前記誘電体ブロックはTEモードで共振し、前記貫通孔が伝搬軸方向と平行に設けられていてもよい。
【0031】
ある実施の形態では、前記固定軸にねじが切られ、前記押さえ具が樹脂製ナットであってもよい。
【0032】
ある実施の形態では、前記樹脂製ナットに、前記貫通孔と嵌合する凸部が設けられていてもよい。
【0033】
ある実施の形態では、前記樹脂製ナットと前記誘電体ブロックとの間に、前記貫通孔と嵌合する凸部が設けられた樹脂製ワッシャが挟まれていてもよい。
【0034】
ある実施の形態では、前記貫通孔の直径が前記固定軸の直径より大きく、前記誘電体ブロックと固定軸との間に隙間が設けられていてもよい。
【0035】
ある実施の形態では、前記固定軸に、貫通孔が設けられた支持台が通され、前記誘電体ブロックが支持台により支持されていてもよい。
【0036】
本発明の誘電体共振器によれば、誘電体で形成されたボルトと、貫通孔を有するボルト押さえ板と、貫通孔を有する支持台と、貫通孔を有する誘電体ブロックと、キャビティを具備し、ボルトに該ボルト押さえ板と支持台と誘電体ブロックとが順番に通しナットで留められて共振器ユニットが構成されると共に、共振器ユニットがキャビティに固定されていることにより、上記目的を達成する。
【0037】
ある実施の形態では、前記共振器ユニットが取り付けられる前記キャビティの部分の厚さが、前記ボルトの頭部より厚く、ボルトの頭部を通す開口部が設けられ、前記ボルト押さえ板で開口部が塞がれていてもよい。
【0038】
本発明の誘電体共振器によれば、直径d、高さhの円柱形または円筒形の誘電体ブロックと、幅W、奥行きD、高さHの直方体形の金属製キャビティを具備し、誘電体ブロックは金属製キャビティの中央部近傍に保持され、奥行きDの直径dに対する比が1.3以上2.0以下、幅Wの直径dに対する比が2.0以上4.0以下、幅Wの奥行きDに対する比が1.2以上2.5以下であることにより、上記目的を達成する。
【0039】
ある実施の形態では、前記金属製キャビティの内部において前記幅Wと前記高さHで規定される前記金属製キャビティの2つの面のいずれか、または各々の面と前記誘電体ブロックとの間に少なくとも一つの結合ループまたは結合プローブが設けられ、誘電体ブロックと電磁界結合されていてもよい。
【0040】
ある実施の形態では、前記金属製キャビティの内部において前記奥行きDと前記高さHで規定される前記金属製キャビティの2つの面のいずれか、または各々の面と前記誘電体ブロックとの間に少なくとも一つの結合ループまたは結合プローブが設けられ、誘電体ブロックと電磁界結合されていてもよい。
【0041】
ある実施の形態では、前記誘電体ブロックの円周方向が金属帯によって上下に長方形の開口部をもつように取り囲まれ、金属帯の両端が溶接、半田鑞付け、銀鑞付けまたは噛み合わせによって接合され、前記金属製キャビティが構成されていてもよい。
【0042】
本発明の誘電体フィルタによれば、前記誘電体共振器が、奥行きD方向に並べて固定されており、誘電体共振器の間が電気的に接続されていることにより、上記目的を達成する。
【0043】
本発明の誘電体フィルタによれば、直径d、高さhの円柱形または円筒形のN個(Nは2以上の整数)の誘電体ブロックと、幅W、奥行きN×D、高さHの1個の直方体形の金属製ケースと、(N−1)個の幅W、高さHの金属製仕切板とを具備し、金属製仕切板で金属ケースが長さ方向について実質的に等間隔に仕切られることで幅W、奥行きD、高さHの直方体形のキャビティが構成され、前記誘電体ブロックは前記キャビティの中央部近傍に保持され、奥行きDの直径dに対する比が1.3以上2.0以下、前記幅Wの前記直径dに対する比が2.0以上4.0以下、前記幅Wの前記奥行きDに対する比が1.2以上2.5以下であることにより、上記目的を達成する。
【0044】
本発明の誘電体共振器によれば、キャビティと誘電体ブロックと結合電極と周波数調整部材とロックナットと固定ネジとを具備し、キャビティは周波数調整部材のネジと螺合する第1のネジ孔を有し、ロックナットは周波数調整部材のネジと螺合する第2のネジ孔と固定ネジと螺合する第3のネジ孔とを有し、キャビティの中央部近傍に誘電体ブロックが保持され、誘電体ブロックと結合電極とは電磁界結合され、第1のネジ孔に周波数調整部材を通して周波数調整部材がキャビティに取り付けられ、ロックナットの第2のネジ孔をキャビティの外側から周波数調整部材に通し、固定ネジが第3のネジ孔を通して締められ、周波数調整部材がキャビティに固定されていることにより、上記目的が達成される。
【0045】
ある実施の形態では、前記キャビティが、さらに前記固定ネジと螺合する第4のネジ孔を有し、固定ネジが第4のネジ孔を通して締め付けられ、前記周波数調整部材が前記キャビティに固定されていてもよい。
【0046】
本発明によれば、第1の構成の誘電体ノッチフィルタは、誘電体ノッチフィルタの誘電体共振器と伝送線路の結合度調整を電気的な手法でおこなっている。具体的には、金属製キャビティと一端が電気的に接地された結合ループと前記金属製キャビティの中央部に保持された誘電体ブロックとを具備した1つ以上の誘電体共振器を、両端に入出力端子を有する伝送線路に引き出し線路となる結合度調整線路(coupling adjusting line;c.a.l.)を介して接続している。前記c.a.l.の電気長を変化させることによって、誘電体共振器の電磁界結合度が調整される。
【0047】
また、本発明の第2の構成によれば、インピーダンス整合のために、前記伝送線路と前記c.a.l.とが接続されている点から、前記誘電体共振器と並列にインダクタンス素子もしくはキャパシタンス素子のいずれかを接続している。
【0048】
また、本発明の第3の構成によれば、誘電体ノッチフィルタの誘電体ブロックの保持構造が、絶縁体で形成されたボルトと、貫通孔を有するボルト押さえ板と、貫通孔を有する支持台と、貫通孔を有する誘電体ブロックと、キャビティを具備している。前記ボルトに前記ボルト押さえ板と前記支持台と前記誘電体ブロックとを順番に通しナットで留めて共振器ユニットを構成すると共に、前記共振器ユニットを前記キャビティに固定している。
【0049】
また、本発明の第4の構成によれば、誘電体ノッチフィルタの金属製キャビティは、直径d、高さhの円柱形もしくは円筒形の誘電体ブロックと、幅W、奥行きD、高さHの直方体形の金属製キャビティを具備している。前記誘電体ブロックは前記金属製キャビティの概中央部に保持し、前記奥行きDの前記直径dに対する比を1.3以上2.0以下、前記幅Wの前記直径dに対する比を2.0以上4.0以下、前記幅Wの前記奥行きDに対する比を1.2以上2.5以下としている。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0051】
図1は、本発明による誘電体ノッチフィルタの実施の形態の外観図である。本実施の形態の誘電体ノッチフィルタは、5つの誘電体共振器を有し、各誘電体共振器は、箱型の金属製キャビティ101a〜e、共振周波数を調整するためのチューニングスクリュー104a〜e、誘電体ブロック105a〜e、結合ループ107a〜e、支持部材109a〜eを有する。102は内部に伝送線路の内導体を保持する伝送線路ハウジングであり、103は入出力ポートである。金属製キャビティ101a〜eは、その内部に、誘電体ブロック105a〜e、結合ループ107a〜eを有している。
【0052】
図2は、金属製キャビティ101a〜eの蓋部を取り除くことにより、図1に示された本実施の形態のノッチフィルタの内部構造を示すとともに、伝送線路ハウジング102の内部の電気的な接続をも示している。金属キャビティ101a〜eの内部には、それぞれ支持部材109a〜eによって支持された誘電体ブロック105a〜eおよび結合ループ107a〜eがある。また、伝送線路108には、それぞれEc1〜5の長さをもつc.a.l.106a〜eの端部が接続されている。各c.a.l.106a〜eの接続点の間は、それぞれ長さE1〜4をもつ伝送線路108a〜dとなっている。c.a.l.106a〜eのもう一方の端部は、それぞれ金属製キャビティ101a〜eの内部において、結合ループ107a〜eと接続されている。さらに、c.a.l.106a〜eが伝送線路108に接続されている各点において、リアクタンス素子110a〜eが、各c.a.l.106a〜eおよび各誘電体共振器と並列に接続されている。リアクタンス素子110a〜eは、各誘電体共振器のインピーダンスを整合させるために接続されている。以上の構成により、伝送線路108と誘電体ブロック105a〜eとが、結合ループ107による電磁界結合を介して互いに接続されている。
【0053】
図3に、本ノッチフィルタの等価回路を示す。上述の誘電体共振器は、それぞれ図3に示される直列共振回路で表現され、本発明の誘電体フィルタは、特定の周波数の信号を除去する帯域阻止フィルタ(ノッチフィルタ)となる。また、結合ループ107a〜eによる電磁界結合度を変化させることにより、図3における共振回路を構成する等価回路パラメータ(Ln、Cn、Rn、ただしn=1、…、5)を変化させることができる。また、等価回路パラメータおよび長さE1〜4を適当な値に設定することにより、所望のノッチフィルタ特性が得られる。
【0054】
本発明の特徴は、誘電体共振器の電磁界結合度を調整する方法として、c.a.l.106a〜eを採用することにより、その長さEc1〜5と、リアクタンス素子110a〜eの値とを変化させる方法を用いたことにある。c.a.l.106a〜eの長さEc1〜5およびリアクタンス素子110a〜eの値によって、等価回路パラメータを調整できることを以下に図面および実験データを用いて説明する。
【0055】
まず、リアクタンス素子110a〜eの役割について説明する。リアクタンス素子110a〜eは、誘電体共振器のインピーダンス整合をとるための素子である。理想的な共振器は、共振点からじゅうぶん離れた周波数において、リアクタンス成分をもたない。言い換えると、誘電体共振器を理想的な共振器として動作させるには、共振点からじゅうぶん離れた周波数において、リアクタンス成分がキャンセルされる必要があり、リアクタンス素子110a〜eはこのためのものである。
【0056】
図4は、直列共振回路に並列にリアクタンス素子401を接続した回路を示している。図5(a)〜(c)は、図4の回路において、リアクタンス素子401のリアクタンス値を変化させて、回路全体のインピーダンスを誘導性(インダクティブ)から容量性(キャパシティブ)へと変化させたときの反射特性(以下S11という)および伝達特性(以下S21という)を示している。図5(a)は誘電体共振器が誘導性である場合、図5(b)は誘電体共振器が誘導性でも容量性でもない場合、すなわちインピーダンスが整合された場合、図5(c)は誘電体共振器が容量性である場合を示す。図5(a)および(c)に示されるように、誘電体共振器のインピーダンスの整合がとれていないと、共振周波数に対して、S11もS21も非対称であり、誘電体共振器は、理想的な共振器として動作しない。そこで、誘電体共振器のインピーダンスが誘導性または容量性である場合(図5(a)または(c))には、誘電体共振器と並列にリアクタンス素子110を接続することによって、誘電体共振器のもつ誘導性または容量性をキャンセルし、インピーダンスが整合された状態(図5(b))が実現できる。誘電体共振器のインピーダンスを整合させるためには、誘電体共振器が誘導性のときにはリアクタンス素子110は容量性とし、また誘電体共振器が容量性のときにはリアクタンス素子110は誘導性とする。
【0057】
次に、伝送線路の先につながれた直列共振回路にリアクタンス素子を並列に接続したときのインピーダンスについて説明する。例えば図6(a)に示すように、長さゼロ(電気長ゼロ)の伝送線路の先に直列共振回路を接続する。このときの直列共振回路のスミスチャート上の周波数軌跡は図7中の点線で示したものとなる。このときの直列共振回路の回路パラメータと図7中の軌跡の関係を以下に説明する。図7において、f0は誘電体共振器の共振周波数、f1およびf2は誘電体共振器のリアクタンス成分の絶対値が外部負荷と等しくなる周波数である。
【0058】
このとき、誘電体共振器の外部Q値(External Q)Qextは、数式1で得られる。
【0059】
Qext=f0/(f1−f2) ・・・(数式1)
さらに、Qextと図6(a)に示す等価共振回路定数の関係は、数式2で得られる。
【0060】
Lr=Qext×ZL/2πf0
Cr=1/(2πf0)2/Lr
Rr=2πf0Lr/Qu
ただし、ZLは負荷インピーダンス
Quは誘電体共振器の無負荷Q値
Lr、Cr、Rrは図6(a)に示した直列共振回路定数・・・(数式2)
誘電体共振器の結合度を大きくすると(f1−f2)の値が大きくなり(つまり帯域が広くなり)、Qextの値は小さくなる。
【0061】
さらに、図6(b)のように線路長Leの伝送線路を接続すると、図7のスミスチャート上で、点線から4πLe/λ(λは波長)ラジアンだけ回転した一点破線に移動する。さらにインピーダンス整合をとるために図6(c)のように、直列共振回路に並列にリアクタンス素子、ここではインダクタLsを接続すると、図7のスミスチャート上では等コンダクタンス上を(1/ωLs)だけ動いて実線に移動する。このときの共振特性は、図6(c)中に示したようにL,C,Rの直列共振特性となる。
【0062】
このときのQext’は、
Qext’=f0’/(f3−f4) ・・・(数式3)
ここで、f0’は共振周波数、f3およびf4は図7の実線で示した共振特性において、リアクタンス成分の絶対値と外部負荷値が等しくなった周波数である。図7からわかるように、(f1−f2)に比べて(f3−f4)のほうが大きくなっている。言い換えれば、図6(a)の場合に比べ、図6(c)のほうが帯域が広い。このように共振回路のインピーダンスを変化させることができる。つまり、共振回路を誘電体共振器で構成すれば、上述の操作で電磁界結合度を調整することができる。
【0063】
以上のことを実験的に確認したので、図8、図9および図10を参照して、説明する。図8は、実験に用いた誘電体共振器の回路を示している。この回路は、前述した5段の帯域阻止フィルタで用いた誘電体共振器の1段分に相当し、任意長の伝送線路108および入出力ポート103が接続された1段の帯域阻止フィルタである。また、誘電体共振器のインピーダンスを整合させるために、c.a.l.106と伝送線路108との接続点から、誘電体共振器と並列にリアクタンス素子110が接続されている。図9は、図8に示す誘電体共振器の等価回路を示す。ここで用いたc.a.l.106の長さEcは66、68、70および72mmである。また、実験に用いたキャビティ101は、内寸108W×140D×110H(mm)であり、側面部は銅メッキされた鉄、天井部および底面部はアルミでできている。誘電体ブロック105は外径62mm、高さ40mm、比誘電率34である。誘電体ブロックは、外径35mm、高さ30mmの96%アルミナ製支持台109によって支持されている。結合ループ107は、650mm2の断面をもち、キャビティ101の幅(W)方向側面部の中央に水平に取り付られている。
【0064】
図10は、誘電体共振器の等価回路パラメータのインダクタンス値Lとc.a.l.の長さEcとの関係を実験で調べた結果である。縦軸はLの値、横軸はEcである。ここで、縦軸は誘電体共振器の電磁界結合度に対応しており、Lの値が小さいほど電磁界結合度は大きい。図10に示すように、伝送線路長が66mmから72mmまで変化すると、Lの値は10.3×10−6(H)から6.7×10−6(H)まで変化することがわかった。Lの値は、c.a.l.106の長さEc(mm)に対してほぼ直線的に変化するが、さらに厳密に2次式で近似すると数式4のようになる。
【0065】
L=78.097−1.4266Ec+6.0531×10−3Ec2 (×10−6(H)) ・・・(数式4)
以上、結合ループの有効断面積を機械的に変化させなくても、c.a.l.106の長さEcを変えることにより、電気的に共振回路の回路パラメータを変化できることを実験でも確認した。特に、図2に示す本実施の形態の構成において、必ずc.a.l.106は必要であり、これを誘電体共振器のインピーダンス変換(電磁界結合度調整)に積極的に利用したことが、本発明の最大の特徴である。数式3で示したLとEcの関係は、あくまで上記の寸法のキャビティや結合ループ、誘電体ブロックを用いた場合の一例である。しかし、異なる形状のキャビティや結合ループ、誘電体ブロックを用いても、誘電体共振器の回路パラメータをc.a.l.の長さで変化させることが可能である。
【0066】
また、本実施の形態において、c.a.l.106a〜eの長さEc1〜5の調整方法として、以下に示す方法がある。第1の方法として、図11および図12に示すパターンを印刷した基板を用いてc.a.l.として用いることができる。図11のパターンの一部を削り取ることにより、電流の流れる経路が変化し、電気長が変化する。図12においては、長いパターンと短いパターンとが並列に接続されている。
【0067】
したがって、パターンを削り取らない状態では、電流は主に短いパターンを流れる。短いパターンを切断すれば、電流は長いパターンを流れるようになるので、電気長が変化する。これらの方法は、機械的信頼性も高く、極めて簡便に長さを変化させることができる。基板としては、アルミナ基板、ポリテトラフルオロエチレン基板、ガラスエポキシ基板などが用いられ、その大きさは、例えば縦30〜50mm、横20〜30mmのものが用いられる。パターンの材料としては、銅などが用いられ、パターンの幅は例えば5mmである。
【0068】
また、基板上にはc.a.l.106a〜eの電極パターンだけではなく、インピーダンス整合素子110a〜eも同時に構成することができ、部品の少数化を図ることができる。
【0069】
第2の方法として、図13に示すように、c.a.l.106の導体の周りに誘電体を近づけたり、もしくは周りの誘電体を交換する方法がある。この場合には、線路の電気長Eceは線路周りの誘電体の実効誘電率εを用いて数式5で与えられる。
【0070】
Ece=Ec×ε1/2 (数式5)
すなわち、伝送線周りの誘電体に誘電体を近づけたり、誘電体を交換したりすることによって伝送線の電気長Eceを変化させることができる。この方法によれば、不要な削り屑を発生させることなく、また正確に電気長を調整することができる。
【0071】
特記すべきことは、リアクタンス素子の接続位置である。本実施の形態のように2段以上の多段ノッチフィルタを構成する場合、リアクタンス素子110は、伝送線路108とc.a.l.106とが接続されている点で接続されることが好ましい。なぜなら、伝送線路108からみると、c.a.l.106から誘電体ブロック側、すなわち伝送線路108とc.a.l.106の接続点より誘電体ブロック側が、誘電体共振器とみなされるからである。また、リアクタンス素子110は、その誘電体共振器のインピーダンスを整合させるためのものである。仮にc.a.l.106の接続点ではない点においてリアクタンス素子110を接続することによってインピーダンスを整合させたとしても、等価的には伝送線路108に整合のとれた誘電体共振器が「点」で接続されていないことになる。多段の誘電体共振器を用いてノッチフィルタを構成するときは、それぞれの誘電体共振器が接続されている間の伝送線路の長さ(例えば図3におけるE1、E2、E3、E4)は、インピーダンスインバータの役割をはたし、この値は、ノッチフィルタ設計において重要なパラメータである。よってリアクタンス素子110を、c.a.l.106と伝送線路108との接続点に接続することによって、所望のインピーダンスインバータをc.a.l.106それぞれの接続点の間の電気長として実現できる。その結果、設計通りのノッチフィルタ特性を得ることができる。
【0072】
なお、リアクタンス素子110としては、例えば空芯コイル、平行平板キャパシタ、伝送線スタブなどが用いられる。リアクタンス素子110として空芯コイルを用いるときは、空芯コイルを変形させることにより、誘電体共振器のインピーダンス特性を容易に調整することができる。
【0073】
本実施の形態において、結合ループ107の長さを、4分の1波長もしくは4分の1波長の奇数倍の長さよりも8分の1波長以下の長さだけ長く設定することができる。その結果、結合ループ107の開放端側にインダクタを並列に接続して、誘電体共振器のインピーダンスを整合させることができ、その方法がきわめて容易となる。
【0074】
本実施の形態における誘電体ブロック105を金属製キャビティ101に保持する方法について図面を参照しながら説明する。図14は、誘電体ブロック105を金属製キャビティに保持する方法を示した図であり、誘電体ブロック105の中心部を通る断面を描いたものである。図14において、105は円筒形で、支持台109が入る凹部1405を有する誘電体ブロック、109は円筒形の支持台、1401、1402および1403は、それぞれ樹脂製のボルト、ナットおよびワッシャである。1404は中央にボルトを通す穴の開いた押さえ板、1406は押さえ板を取り付けるための固定用のビスである。ボルト1401は、押さえ板1404、支持台109、誘電体ブロック105、ワッシャ1403、ナット1402の順に通されて、これらを一体化する。ワッシャ1403は、誘電体ブロック105の位置決めのために、誘電体ブロック105の貫通孔に合致する凹部1405を有している。また、金属製キャビティ101には、ボルト1401の頭が納まる穴と押さえ板1404を留めるビス1406の通る穴とが設けられている。
【0075】
以上の構成により、誘電体ブロック105と支持台109とを一体化でき、金属キャビティ101への固定が容易になる。また、本実施の形態による誘電体ブロックの保持方法によれば、金属製キャビティ101内に発生する電磁界において磁界密度が低い誘電体ブロック105の中心部を、ボルト1401を通して固定している。その結果、共振回路のQ値を高くできる。また、ボルト1401、ナット1402およびワッシャ1403の材料としては、誘電率の小さい材料を用いることが、Q値を高くするためには、好ましい。具体的には、Qの値と、機械的強度とを考慮すると、ポリカーボネイト、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレンもしくはこれらのガラス混合材を用いることが好ましい。
【0076】
また、支持台109の材料として、比較的誘電率の小さい材料を用いれば、金属製キャビティ101の底面付近における磁束密度を小さくできるので、よりQの高い誘電体共振器が実現できる。支持台109の材料としては、誘電体ブロック105の誘電率(30から45)の3分の1以下の誘電率の材料、たとえばアルミナ、マグネシアもしくはフォルステライト(誘電率約10)などを用いることができる。また、金属製キャビティ101にボルト1401の頭の納まる穴を設け、さらに取付位置の肉厚をボルト1401の頭の厚みより厚くすることにより、金属キャビティ101表面からの突起部をなくすことができる。それにより、フィルタ本体の移動の際に、応力がボルトに直接加わることが防げる。その結果、誘電体ブロックの位置ずれや、ボルトの物理的破損を防ぐことができる。
【0077】
また、誘電体ブロック105の下部にザグリを入れ、かつ、ワッシャ1403の中央部に凸部を設けることにより、キャビティ101に対する誘電体ブロック105の位置決めが容易かつ正確になる。その結果、共振周波数や結合度のばらつきを防ぐことができる。
【0078】
なお、TEモードの電磁界共振モードを用いたときには、誘電体ブロック105に設けてある、伝搬軸方向と平行な貫通孔にボルト1401を通しワッシャ1403およびナット1402で留めることにより、誘電体ブロック105を金属製キャビティ101に固定することができる。そうすることにより、ボルト、ワッシャおよびナットによるQの劣化を最小にすることができる。
【0079】
本実施の形態において用いることができる金属製キャビティ101について、図15を参照しながら説明する。図15は本実施の形態における金属製キャビティ101および誘電体ブロック105の形状を示している。金属製キャビティ101は、幅(W)×奥行き(D)×高さ(H)の直方体である。1501は蓋である。
【0080】
無負荷時のQの値Quに関して、従来の円柱形キャビティと、本発明の実施の形態における箱型のキャビティとの比較を行う。本発明の実施の形態に対応する箱型のキャビティを用いた誘電体ノッチフィルタと従来の円柱形のキャビティを用いた誘電体ノッチフィルタとを比較するために、同一の誘電体ブロックを用いてQuを実測した結果を(表1)に示す。
【0081】
【表1】
Figure 0003570417
【0082】
(表1)において、Aは120×160×110mm、Bは100×160×110mm、Cは120×120×110mm、Dは100×120×110mmの箱型キャビティを用いたときの本発明の誘電体ノッチフィルタであり、Eは140φ×105mm、Fは120φ×72mmの従来の円柱形キャビティ用いたときの誘電体ノッチフィルタである。また、誘電体ブロックは、比誘電率33.4、高さh30mm、外径d60mmφ、誘電素体Q値53000のものである。(表1)の結果からわかるように、Eのキャビティを用いたときのQu値(39000)よりも、本発明の実施の形態のキャビティすなわち、A、B、CおよびDのキャビティを用いたときのすべての場合におけるQu値の方が優れていることがわかる。また体積比の点でも、本発明の実施の形態のノッチフィルタの方が小さく優れている。
【0083】
これまで、誘電体共振器のQは、誘電体ブロックと最短距離となる金属製キャビティの壁が支配的であり、言い替えると、同じ誘電体ブロックを用いたときには誘電体ブロックと金属製キャビティとの最短距離によってQが決定されると考えられていた。ところが、本発明の実施の形態で示したように、キャビティを直方体型にすることにより、キャビティ内に発生する電磁界がキャビティの長手方向に変位した状態となる結果、誘電体ブロックとキャビティとの距離が短くなっても、電磁界が長手方向に逃げるので、Qの低下が抑えられることがわかった。
【0084】
上記のように、本実施の形態のノッチフィルタに用いるキャビティは従来より小型化を実現しながら、Quの劣化を抑制するということができる。
【0085】
(表1)に示したキャビティの形状は、実験に用いたキャビティの形状を示したものである。本発明のキャビティにおいては、電磁界を閉じ込める直方体のキャビティの形状が、ある特定の寸法関係をもつときにのみ前述の効果が得られる。多くの同様な実験の結果、幅W、奥行きD、高さHの直方体形の金属製キャビティおよび直径d、高さhの円柱形もしくは円筒形の誘電体ブロックを用いた場合、キャビティの奥行きDの誘電体ブロックの直径dに対する比を1.3以上2.0以下、キャビティの幅Wの誘電体ブロックの直径dに対する比を2.0以上4.0以下、キャビティの幅Wのキャビティの奥行きDに対する比を1.2以上2.5以下とすることにより、キャビティを直方体にする効果が顕著となることがわかった。
【0086】
本実施の形態においては結合ループ107を用いて誘電体ブロック105と電磁界結合させている。他の結合方法として、図16(a)および(c)に示す結合プローブ1601を用いた結合も使用できる。さらに、図16(a)に示すように、結合ループ107または結合プローブ1601を金属製キャビティ101の幅方向(Wの方向)に取り付けることにより、キャビティ内の磁力線の分布が比較的高密度の領域で結合されるので、密に結合させることができる。いっぽう、図16(b)および図16(c)に示すように、結合ループ107または結合プローブ1601を金属製キャビティ101の奥行き方向(Dの方向)に取り付けることにより、キャビティ内の磁力線の分布が比較的低密度の領域で結合されるので、結合度の微調整が容易となる。また、結合ループ107は、厚さ0.3〜1mm、幅3〜8mm程度の金属製の線を用い、金属製キャビティ101にネジ止めすると、電気的にも機械的にもしっかりした固定ができる。
【0087】
図17は、本実施の形態の直方体状の金属製キャビティ101の構成方法の一例を示している。金属製キャビティ101は、誘電体ブロック105の円周方向に沿って、上下に長方形の開口部を有するように金属板を折り曲げることで本体部材1702が構成され、その本体部材1702の開口部が蓋部材1701および底部材1703で塞がれている。ただし、必ずしも図17に描かれているように金属製キャビティ101の構成部材を分ける必要はない。しかし、例えばTE01δモードを用いるときには、誘電体ブロック105の円周方向に交流電界が発生するので、金属製キャビティ101のQをより高くするには、キャビティ内を円周方向に流れる交流電流を妨げない構成が好ましい。図17に示した構成は、誘電体ブロック105の円周方向が本体部材1702により一体構成されている。また、本体部材1702を構成する際、板金で曲げた後の端部1706の処理は、簡単な方法としてネジ止めでもよい。また、溶接、半田鑞付け、銀鑞付けまたは噛み合わせで処理することによって、端部1706における接触抵抗をより小さくでき、それによってよりQの高い共振器が実現できる。その他、図17においては蓋部材1701、本体部材1702および底部材1703をそれぞれ別の部材として構成したが、工程の簡略化を考慮して一体化して構成しても良い。なお、本実施の形態において、金属製キャビティ101は例えば板金でつくることができ、板金であれば従来のへら絞り法等にくらべて容易にかつ安価に作製することができる。
【0088】
図18は本実施の形態における誘電体ノッチフィルタの構造を分解展開図として示している。図18において、1801および1802は金属製キャビティの底部材および天板部材、1803は伝送線路108のハウジング構成部材、1804は入出力コネクタ103の支持材となるコネクタスタンド、1805は金属製キャビティ101に設けられた孔で、結合ループ107を引き出すためのものである。金属製キャビティ101では、その内部に結合ループ107を有し、結合ループ107の一端は金属製キャビティ101に接地されており、他端は孔1805から取り出されている。また、金属製キャビティ101は、上下面にアスペクト比が1.0〜2.0の長方形の開口部を有している。天板部材1802には、各誘電体共振器のチューニングスクリュー104を具備している。このような構成をもつ金属製キャビティ101を同一の方向に並べ、金属製キャビティ101とその上下の開口部を塞ぐように底部材1801および天板部材1802とが一体化されている。ハウジング構成部材1803は、伝送線路108の上下から挟み込むことによってトリプレート型の高周波伝送線路の遮蔽金属を構成しており、その内部には伝送線路108、c.a.l.106およびリアクタンス素子110が構成されている。ここでは一例として、リアクタンス素子110として一端を接地した空芯コイルを用いた場合を記載している。
【0089】
以上のような構成とすることにより、最低限の部品数で以下の効果を得ることができる。
【0090】
1、前述した理由で高Qな金属製キャビティ101を構成することができる。
【0091】
2、低損失な伝送線路を実現することができる。
【0092】
3、c.a.l.106を接続するポイントを変更することによって、共振器間のインバータを容易に調整することができる。
【0093】
4、機械的に極めて堅牢である誘電体ノッチフィルタを構成することができる。
【0094】
また、図18に示した金属製キャビティ101構成方法の代わりに、図19に示すように、個数分の容量をもつ金属製本体部材1901に金属製の仕切板1902を入れたのち、蓋部材1903で封止する構成を用いることもできる。
【0095】
以上、本発明の実施の形態は、帯域阻止フィルタについての説明であるが、本発明の金属製キャビティ101の構造は、帯域通過フィルタなどにも適用可能である。
【0096】
図20は、帯域通過フィルタの構成の一例として、その構成の概略を示している。ここでは、結合ループ107と結合窓2001を用いて構成している。上記したように、結合ループ107の電磁界結合度調整法、インピーダンス整合法および金属製キャビティ101の構成法を用いることができ、同様な効果を得ることができる。なお、本実施の形態において、金属製キャビティ101に周波数調整機構を設けることもできる。
【0097】
本実施の形態における周波数調整部材について図21および図22を参照しながら説明する。図21および図22は本実施の形態における周波数調整部材の構造を示している。図21および図22において、2101は円板状の金属板で周波数調整部材2102と一体化されている。2103および2201は中央にネジが切られたロックナット、2104はビスである。ここで、ロックナット2103には、ビス2104を通す貫通孔が開けてあり、いっぽうロックナット2201については、ビス2104と螺合するネジが切られている。
【0098】
図21に示した周波数調整機構の構造について説明する。本実施の形態においては、天板部材1802に、ロックナット2103に開けられた貫通孔と一致する位置にネジを切ってある。また、誘電体共振器の共振周波数は、金属板2101を上下させることによって調整することができる。本実施の形態では、周波数調整部材2102に切られたネジと螺合するネジを、天板部材1802に切ることによって、周波数調整部材2102を回転して金属板2101を上下に動かすことを可能にする。前述の方法で周波数を調整した後、ロックナット2103を用いて周波数調整部材2102をロックする。このとき、ロックナット2103と天板部材1802の間に僅かな隙間(0.1mm以上1.0mm以下)を開けた状態で、ロックナット2103の貫通孔と天板部材1802の位置を合わせて、ロックナット2103の上部からビス2104を取り付ける。ビス2104をねじ込むことによって、ロックナット2103が押さえられる力がはたらき、周波数調整部材2102を確実にロックすることができる。
【0099】
図22に示したもう一つの周波数調整機構の構造について説明する。もう一つの周波数調整機構は図21で説明したものと基本的に同一である。しかし、本調整機構においては、ロックナット2201にビス2104と螺合するネジが切ってあり、周波数を調整した後、ロックナット2201に切ってあるネジにビス2104を通して締め付けることにより、ロックナット2201に上向きに力が加わり、周波数調整部材2102を確実にロックすることができる。
【0100】
本発明の実施の形態における誘電体ノッチフィルタについて、図1、図2および図3を参照しながら回路中のパラメータの設定の方法について説明する。各誘電体ノッチフィルタの共振周波数を、図2および図3において左から、それぞれF1〜5として、F1〜5および伝送線路108a〜dの値をそれぞれ数式7のように設定する。
【0101】
F1=fo
F2=fo+df1
F3=fo−df2
F4=fo+df2
F5=fo−df1
ただし、0<df1<df2 ・・・(数式7)
また、伝送線路108a〜dは、インピーダンスインバータとして動作するが、インバータとして動作を決定するのは、それぞれの電気長である。より急峻な選択特性を得るために、伝送線路108a〜dの電気長E1〜4をそれぞれ数式8のように設定する。
【0102】
E1=λ/4×(2×m−1)+de1
E2=λ/4×(2×m−1)−de2
E3=λ/4×(2×m−1)−de3
E4=λ/4×(2×m−1)+de4
ただし、λは中心周波数の波長、mは自然数、de1〜4はλ/8以下の実数・・・(数式8)
このように共振周波数を中心周波数に対して対称、かつ、インバータとなる伝送線路108a〜dの電気長を90度(λ/4)からシフトさせて構成する。上記のように帯域阻止フィルタを構成すると、通過特性において帯域内に等リップルの特性が得られ、さらに反射特性において帯域近傍に極を発生させることができる。その結果、急峻なフィルタ特性を得ることができる。
【0103】
すなわち、5段の共振器を用いた場合、急峻なノッチフィルタ特性を得る方法は、数式7および数式8に示す通りであり、言い換えると以下のようになる。1段目の共振器の共振周波数をフィルタ帯域の中心周波数に、2段目の共振器の共振周波数を中心周波数よりdf1だけ高く、4段目の共振周波数をdf2だけ高く設定し、5段目の共振器の共振周波数を中心周波数よりdf1だけ低く、3段目の共振器の共振周波数をdf2だけ低く設定する。1段目と2段目の間および4段目と5段目の間の伝送線路の電気長をλ/4の奇数倍より最大λ/8長くし、2段目と3段目の間および3段目と4段目の間の伝送線路の電気長をλ/4の奇数倍より最大λ/8短くする。
【0104】
一例として、減衰中心周波数845.75MHz、減衰帯域1.1MHz、減衰量21dBの帯域阻止フィルタを設計した場合を数式9に示す。
【0105】
F1=845.75MHz=fo
F2=846.16MHz=fo+df1
F3=845.20MHz=fo−df2
F4=846.31MHz=fo+df2
F5=845.36MHz=fo−df1
ただし、df1=0.40±0.02MHz
df2=0.55±0.02MHz
Qext1=1263
Qext2=1235
Qext3=1752
Qext4=3493
Qext5=2046
E1=117度=λ/4+3/40λ
E2= 75度=λ/4−λ/24
E3= 83度=λ/4−7/360λ
E4=130度=λ/4+λ/9
ただし、λは中心周波数の波長・・・(数式9)
ここで、Qext1〜5は図2および図3中に示している誘電体共振器の外部Qであり、同図中、左の誘電体共振器から順にQext1、Qext2、Qext3、Qext4、Qext5としている。以上の構成のときのノッチフィルタ特性の実測値として伝達特性(S21)および反射特性(S11)をそれぞれ図23(a)および(b)に示す。以上のように、ノッチフィルタを構成すると、通過特性において帯域内に等リップルの特性が得られ、さらに反射特性において帯域近傍に極(図23(b)中のマーカ1と2との中間およびマーカ3と4との間に存在するディップ)、を発生させることができる。その結果、急峻なノッチフィルタ特性を得ることができる。
【0106】
すなわち、5段の共振器を用いた場合、数式3および数式4に示すように、1段目の共振器の共振周波数をフィルタ帯域の中心周波数に、2段目の共振器の共振周波数を中心周波数より高く、4段目の共振周波数をさらに高く設定し、5段目の共振器の共振周波数を中心周波数より低く、3段目の共振器の共振周波数をさらに低く設定すること、および1段目と2段目の間および4段目と5段目の間の伝送線路の電気長をλ/4の奇数倍より最大λ/8長くし、2段目と3段目の間および3段目と4段目の間の伝送線路の電気長をλ/4の奇数倍より最大λ/8短くすることが、急峻なノッチフィルタ特性を得る方法である。
【0107】
本実施の形態によれば、フィルタを構成する伝送線路108のうち、電気長の短いインバータを構成する部位(E2、E3)と電気長の長いインバータを構成する部位(E1、E4)が、左右対称的に配置される。つまり、伝送線路108が構造的にフィルタ本体中央に対し、ほぼ対称に位置する。片側だけが極端に長くなったり短くなったりしないので、c.a.l.106の標準的な長さ(約60mm)で、伝送線路108と結合ループとを接続し、さらに結合度を調整するのに都合がよい。もし、インバータを構成する伝送線路108のうち、長いものがフィルタ本体の中央に対して片寄ると、c.a.l.106の標準的な長さでは、物理的に結合ループ107と伝送線路108との接続が不可能となったり、c.a.l.106の長さを調節して結合度を変えることが困難となったりする。本発明の実施の形態において、結合ループの代わりに結合プローブを用いても良く、その場合でも同様な効果を得ることができる。
【0108】
【発明の効果】
本発明によれば、部品点数が少なく機械的信頼性の優れた誘電体共振器の電磁界結合度調整法を提供することができる。
【0109】
また、簡単な構造で理想的なインピーダンス特性をもつ誘電体共振器を実現することができ、誘電体ノッチフィルタの設計および構成が容易となる。
【0110】
また、少ない部品点数で機械的電気的に優れた誘電体ブロックの支持方法を得ることができる。
【0111】
また、小型でかつQの高い金属製キャビティを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における誘電体ノッチフィルタの外観図
【図2】本発明の実施の形態における誘電体ノッチフィルタの内部構造図
【図3】本発明の実施の形態における誘電体ノッチフィルタの等価回路図
【図4】直列共振回路に並列にリアクタンス素子を接続した等価回路図
【図5】図4の回路において、リアクタンス素子のリアクタンス値を変化させたときの、反射特性および伝達特性を示す図
【図6】伝送線路に直列共振回路が接続されたときの等価回路図
【図7】誘電体共振器のインピーダンスの周波数特性をスミスチャート(Smith Chart)上に示した図であり、同時に共振周波数および外部Q値Qextを求めるための周波数を示した図
【図8】実験に用いた誘電体共振器の回路を示す図
【図9】実験に用いた誘電体共振器の等価回路を示す図
【図10】誘電体共振器の等価回路パラメータのインダクタンス値Lとc.a.l.の長さEcとの関係を説明する図
【図11】本発明の実施の形態におけるc.a.l.106の構成法の一例を示す図
【図12】本発明の実施の形態におけるc.a.l.106の構成法の一例を示す図
【図13】本発明の実施の形態におけるc.a.l.106の構成法の一例を示す図
【図14】本発明の実施の形態における誘電体ブロックの保持方法の断面図
【図15】本発明の実施の形態における金属製キャビティおよび誘電体ブロックの形状を示す図
【図16】本発明の実施の形態における結合ループおよび結合プローブの構成位置の一例を示す図
【図17】本発明の実施の形態における金属製キャビティの構成方法の一例を示す図
【図18】本発明の実施の形態における誘電体ノッチフィルタの構造の一例を示す図
【図19】本発明の実施の形態における誘電体ノッチフィルタの構造の一例を示す図
【図20】本発明の実施の形態における帯域通過フィルタの構成の一例を示す図
【図21】本発明の実施の形態における周波数調整機構の構造の一例を示す図
【図22】本発明の実施の形態における周波数調整機構の構造の一例を示す図
【図23】本発明の実施の形態における誘電体ノッチフィルタのフィルタ特性図
【図24】(a)は、従来の誘電体ノッチフィルタの上面図
(b)は、従来の誘電体ノッチフィルタの側面図
【図25】従来の誘電体ノッチフィルタの内部構成図
【図26】従来の誘電体共振器の電磁界結合機構の詳細図
【符号の説明】
101a〜e 金属キャビティ
102 伝送線路のハウジング
103 入出力ポート
104a〜e チューニングスクリュー
105a〜e 誘電体ブロック
106a〜e 結合調整線路(c.a.l.)
107a〜e 結合ループ
108a〜e 伝送線路
109a〜e 支持部材
110a〜e リアクタンス素子

Claims (3)

  1. 高周波信号を伝送する伝送線路と、前記伝送線路の両端に設けられた入力端子および出力端子と、接地電位を供給する接地導体と、前記接地導体及び前記伝送線路に接続された複数の誘電体共振器とを備えた誘電体ノッチフィルタであって、さらに、前記接地導体及び前記伝送線路に前記複数の誘電体共振器と並列に接続された複数のインピーダンス手段を備えており、前記複数の誘電体共振器のそれぞれは、前記接地導体に接続されたキャビティと、前記キャビティ内に設けられた誘電体ブロックと、前記キャビティ内に形成される電磁界に結合された結合素子と、前記結合素子を前記伝送路に接続し、かつ、電磁界結合の程度を調整する結合調整線路とを有しており、前記複数の誘電体共振器のそれぞれの共振周波数は、フィルタ中心周波数に関して対称に分布している誘電体ノッチフィルタ。
  2. 複数の誘電体共振器が、第1から第5の誘電体共振器から構成され、入力端子から出力端子への向きに、第1から第5の誘電体共振器が配列されており、前記第1から第5の誘電体共振器は、それぞれ、F1からF5の共振周波数を有しており、前記フィルタ中心周波数がfoであるとき、F4=fo+df2、F2=fo+df1、F1=fo、F5=fo−df1、F3=fo−df2(ただし0<df1<df2)なる関係を満たすことを特徴とする請求項1記載の誘電体ノッチフィルタ。
  3. 第1および第2の誘電体共振器の間と、第4および第5の誘電体共振器の間とが、電気長がλ/4×(2×m−1)より長く、λ/4×(2×m−1)+λ/8より短い(λは波長、mは自然数)伝送線路でそれぞれ接続され、前記第2と第3の誘電体共振器の間および前記第3と前記第4の誘電体共振器の間とが、電気長がλ/4×(2×m−1)−λ/8より長く、λ/4×(2×m−1)より短い(λは波長、mは自然数)伝送線路でそれぞれ接続されたことを特徴とする請求項2記載の誘電体ノッチフィルタ。
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