JP4061129B2 - 加熱定着装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙、フィルムなどの被加熱体を加熱する加熱定着装置に関し、特に複写機、プリンタ、FAX等の電子写真式画像形成装置において転写紙上のトナー像を定着するために用いられる加熱定着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複写機、プリンタ、FAX等の画像形成装置は、普通紙やOHP等の記録媒体上に画像を形成するための画像形成部を有する。従来から様々な画像形成方式が実現されているが、そのなかでも高速性、画像品質、コスト等の利点を有することから、電子写真方式が最も広く採用されている。
電子写真方式では、紙やOHP等の記録媒体上に感光体上の未定着トナー像を転写形成してから、この未定着トナー像を熱と圧力とによって記録媒体上に固定する定着工程が実施される。定着方式としては、高速性、安全性等の面からヒートローラ方式が現在最も多く採用されている。
ヒートローラ方式は、内蔵したハロゲンヒータなどの発熱部材によって表層を加熱される中空円筒状の加熱ローラと、この加熱ローラの周面に圧接配置される加圧ローラと、を用い、両ローラを圧接したニップ部(相互圧接部)にシート状記録媒体を通過させて加熱しながら加圧することにより記録媒体上にトナー像を定着させる方式である。
ところで、複写機等の電子写真式画像形成装置にあっては、使用者がプリントを行わない待機時においても、加熱ローラの発熱部材に電力を供給して温度を使用可能温度よりやや低い予熱温度に保ち、使用時にはすぐに使用可能温度まで立ち上がるようにしている。この結果、装置を使用しようとしたときに定着ローラが使用可能温度に昇温するまで待機する必要がなくなるが、機器を使用していないときにも画像形成には不必要な、余分なエネルギーが待機時に消費されることとなり無駄であった。なお、この待機時消費エネルギーは機器の全消費エネルギーの約7〜8割に相当するという調査結果もある。
近年、環境保護意識の高まりから各国で省エネ規制に係わる法律が制定されているが、省電力化を図る上では割合の大きい待機時消費エネルギーを削減すると省エネ効果が大きいため、未使用時には電力供給をゼロにすることが望ましい。
【0003】
図7は、従来例に係る加熱定着装置の原理を示す図である。
一般に、電子写真式の画像形成装置では、像担持体上にトナー像を形成し、このトナー像を用紙等の記録媒体に転写する。そして、トナー像が転写された記録媒体を加熱定着装置へ導き、トナー像を記録媒体に定着させて永久画像とする。このような加熱定着装置としては、例えば図7(a)の断面図に示すように、中空円筒状の芯金109の内部にヒーター111を備え、外周面に耐熱性樹脂皮膜層110が形成された加熱ローラ101と、この加熱ローラ101の外周面に圧接配置され、円筒状芯金112の外周面に耐熱弾性体層113が形成された加圧ローラ102とを有するものが一般に用いられている。この加熱定着装置では、加熱ローラ101を両端で支持して軸芯を中心として回転駆動させ、トナー像108が転写された記録媒体107を加熱ローラ101と加圧ローラ102とが圧接されるニップ部に挟み込んで搬送する。トナー像108が転写された記録媒体107は、ニップ部を通過する間に加熱・加圧され、熱により溶融したトナーが記録媒体107に圧着される。このような加熱定着装置は、熱風若しくはオーブン方式の加熱定着装置と比べて熱効率が高いため、低電力で高速の定着を行うことができる。しかも紙詰まりによる火災等の危険性も少ないことから現在最も広く利用されている。
しかし、従来の加熱定着装置では、加熱ローラ101の表面温度を室温から所定の設定温度まで上昇させるのに必要な時間(ウォームアップタイム)が、1〜10分という長い時間となる。従って、上記従来構成の加熱定着装置において待機時の電力をゼロにすると、再使用時には加熱ローラ101のウォームアップタイムが長くなって待ち時間が長くなり、使用者の使い勝手が悪化してしまう。このため、ウォームアップタイムを短縮することのできる構成が必要とされている。このウォームアップタイムは、単純には加熱ローラを構成する筒状部材の熱容量と投入電力との関係で決定される。つまり、加熱ローラの熱容量が小さくて投入電力が大きければウォームアップタイムを短縮できるが、加熱ローラの熱容量は加熱ローラの剛性により、また投入電力は機械の消費電力からの制約により限界が存在する。加熱ローラの熱容量を小さくした場合には、その剛性が低下し定着安定性が低下する一方で、加熱ローラの剛性を高めるとその熱容量が大きくなって投入電力を大きくする必要が生じる。
【0004】
一般に、加熱専用に投入可能な電力は300W〜1000Wであり、この範囲でウォームアップタイムを短縮するにはローラの熱容量を小さくするのが効果的である。ところが、加熱ローラ101の熱容量を小さくするために加熱ローラの外径や芯金の肉厚を減少していくと、これと同時に加熱ローラの剛性も小さくなってしまう。加熱ローラの熱容量は加熱ローラ径の2乗に比例するのに対し、加熱ローラの剛性は加熱ローラ径の4乗に比例する。このため、加熱ローラ径がある値以下になると急激に加熱ローラの剛性が小さくなり、このような加熱ローラ101と加圧ローラ102とを両端部で支持して圧接すると、各ローラの中心軸が図7(b)に示すように互いに逆方向に撓んでしまう。このため両ローラ101、102のニップ部は、図7(c)に示すようにローラ両端部では広く、ローラ中央部では狭い、不均一な形状となる。このような不均一な形状のニップ部にトナー像が未定着の用紙を通過させると、紙しわが発生したり、或いは用紙中央部での圧着強度が弱くてオフセットが発生し、次のコピー用紙を汚したり、画像が欠落することがある。
上記のようにウォームアップタイムを短縮するために加熱ローラの熱容量を小さくすると、剛性の低下により必要な圧接力を導入したときのローラの撓み量が増大し、図7(c)に示した如きニップ幅の不均一性が増加してしまう。したがって、ニップ幅の不均一化を回避するためには、ローラの撓みをある程度以下に抑えるように、剛性を維持するか、ローラの圧接力の分布を補正することが必要となる。
特開平11−133776号公報においては、弾性層を含む加熱ローラと加圧ベルトと加圧部材との組み合わせで高画質化、高速化、省エネルギー化、長寿命化を満足する定着装置を提供している。しかし、ベルトを使用しているため、さらなる高速化を図る際には、ベルトの偏位の問題も発生し、不利である。
【0005】
特許第3218941号においては、加熱ローラと、加圧回転体と、加圧回転体内部に配置されて中心部が太い和太鼓状の加圧部材と、該加圧回転体の横ぶれ防止のサイドガイド部材と、を備え、従来の加圧ロ−ラよりも熱容量を低減した定着装置を提供している。
図8は、特許第3218941号を説明する図である。この加熱定着装置は、図7に示す加熱定着装置の加圧ローラに代えて、軸線方向に均等な周長を有する筒状体からなる加圧回転体122と、この加圧回転体122の内側に挿通されて該加圧回転体を加熱ローラ121に押圧する圧接部材123とを有している。さらに、加圧回転体122の周面と当接する位置には、該加圧回転体の回転を安定化させる揺動規制部材126を備えている。加圧回転体122は、金属製コア132の外周面に、シリコーンゴム層133を被覆した筒状体である。
圧接部材123は、図8(b)に示すように、両端部よりも中央部付近で径が拡大されたローラからなり、両端の軸受部136で加圧回転体122を加熱ローラ121に押圧するように支持される。この圧接部材123は金属製コア134の外周面に、両端部の肉厚より中央部の肉厚が厚くなるようにシリコーンゴム135を被覆したものである。この圧接部材123には、両端の軸受部136に設けたバネ137から圧接力が加えられている。また、圧接部材123の両端部には、加圧回転体122の軸方向端部のエッジと当接して該加圧回転体の軸線方向への移動を規制するサイドガイド部材124が設けられている。また、加熱ローラ21は、図7に示す加熱ローラとほぼ同様の構成であり、鉄製コア129に離型層130が約30μmの厚さに被覆されたものである。なお、この加熱定着装置の他の部分の構成は図7に示す定着装置と同じである。
このような加熱定着装置では、圧接部材123によって加圧回転体122が加熱ローラ121に押圧されており、加熱ローラ121に撓みが生じる。このとき、圧接部材123の表面形状を加熱ローラ121の撓み量と加圧回転体122の剛性とを考慮して中央で径が拡大されたものとすることによって、加圧回転体122が加熱ローラ121の撓み曲線に追従して撓み、ほぼ均一のニップ幅を得ることができる。
このような加熱定着装置を用いて記録媒体上の未定着トナー像を定着させると、ニップ幅が均一であるため、十分な定着性が得られるとともに、紙しわの発生もなくすることができる。また、揺動規制部材126によって加圧回転体122の回転が安定化されるため、加熱ローラ121との圧接力がより均一になり、定着不良の発生をより確実に防止することができる。さらに、サイドガイド部材124によって加圧回転体122の軸線方向への移動が規制されるため、安定したニップ幅、及び用紙の搬送方向を維持することができる。したがって、この加熱定着装置では、加熱ローラ、圧接部材の剛性を大きくすることなく、ニップ部を軸線方向にほぼ均一にすることができ、従来の加熱定着装置と比較してウォームアップタイムを短縮化することが可能となる。さらに、加熱定着装置の小型化や、質量およびコストの低減ができるという利点がある。
【0006】
しかし、特許第3218941号においては、加圧回転体122は加圧時に撓んで逆U字型に変形しているが、ジャム紙の除去時に加圧を解除すると、加圧回転体122が原形に復帰して撓みが無くなり、加圧回転体122の軸方向端部は加圧時よりも上方に持ち上がることになる(図9の実線で示す位置)。加圧が解除されると、加熱定着ローラとの密着性も無くなるので、サイドガイド部材124の高さによっては、加圧回転体の軸方向端部がサイドガイド部材124に乗り上げる可能性がある。このように乗り上げを起こしたことを知らずにそのまま再度加圧すると、加圧回転体122が永久変形を生じて動作不良を起こす虞があり、加圧解除後の処理に注意を要することとなり不便である。
一方、省エネルギー化の要請から、再生紙の使用が推奨されるようになってきているが、一般的に、再生紙はバージンパルプ紙より紙繊維が短く、紙粉が発生し易い。加圧回転体122と圧接部材123との間に紙粉、オイル、ワックスなどの異物が進入すると、圧接部材周面に異物が付着した部分の圧力が高くなる一方で周辺が低くなるため、均一な定着が行えない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、中空円筒状の加熱ローラと加圧回転体とを圧接させると共に、加圧回転体内部に設けた圧接部材によって加圧回転体を所要形状に変形させながら加熱ローラに圧接させ、更に圧接部材の軸方向端部に設けたサイドガイド部材により加圧回転体の軸方向変位を規制するようにした加熱定着装置において、加圧回転体の加熱ローラに対する圧力解除時に加圧回転体がサイドガイド部材に乗り上げるなどの不具合が生じないようにした加熱定着装置、この加熱定着装置を用いた画像形成装置を提供することを課題とする。また、本発明は、低熱容量の加圧回転体で押圧幅を均一にし、さらに長期使用に渡っても均一な定着(加熱)品質を確保できるメンテナンスの容易な加熱定着装置、及び画像形成装置を提供するものである。
また、本発明は、加圧回転体と加圧部材との間に紙粉、オイル、ワックスなどの異物が進入したときに異物の付着の有無に起因した圧力のバラツキによって、均一な定着が行えなくなる不具合を解消し、耐久性、画像安定性を向上するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、軸芯を中心として回転駆動され且つヒータにより表層を加熱される中空円筒状の加熱ローラと、前記加熱ローラの表面と接して回転する中空円筒状の加圧回転体と、この加圧回転体の内部に挿通され軸方向両端部を回転自在に支持されて前記加圧回転体を前記加熱ローラに圧接させる圧接部材と、前記加圧回転体の軸方向端部と接触して前記加圧回転体の軸線方向への移動を規制するサイドガイド部材とを備え、前記圧接部材は、前記加圧回転体と前記加熱ローラとの圧接力が軸線方向にほぼ均等となるように、中央部径が両端部径よりも拡大された構成を備え、被加熱体を前記加熱ローラと加圧回転体との間で挟持搬送しながら該被加熱体を加熱する加熱定着装置において、前記サイドガイド部材は回転方向に固定されており、且つ加熱ローラ側端部からその反対側端部へ向けてその肉厚が漸増するように構成されていることを特徴とする。
サイドガイド部材は回転方向に固定されており(回転せず)、上部と下部で幅(肉厚)が異なっている(テーパーが付いている)ので、加圧回転体の変形時の端部形状に対応したガイド面とすることができ、安定してガイドすることができる。また、長期使用においても、加圧回転体と圧接部材との間に紙粉、オイル、ワックスなどのゴミが侵入することを防止し、耐久性・画像安定性を向上することができる。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1において、前記サイドガイド部材は、前記加圧回転体側の面に弾性層を有することを特徴とする。
このサイドガイド部材は、加圧回転体側に弾性層を有するので、長期使用においても、加圧回転体と圧接部材との間に紙粉、オイル、ワックスなどのゴミが侵入することを防止し、耐久性・画像安定性を向上する。サイドガイド部材と加圧回転体の接触性を良くすることができる。また、圧力解除時に加圧回転体の撓みが無くなった時でも、余計な応力を生じなくすることができる。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記サイドガイド部材は、前記加圧回転体端部との接触面に低摩擦部材層を備えていることを特徴とする。
サイドガイド部材の加圧回転体との接触面に低摩擦部材を配置したので、サイドガイド部材と加圧回転体との摩擦を低減し、耐久性を向上することができる。
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れか一項において、前記圧接部材に接して付着した異物を除去、或いは除去回収するクリーニング手段を備えたことを特徴とする。
圧接部材に紙粉、オイル、ワックスなどのゴミが付着してもクリーニング手段により取り除き、耐久性・画像安定性を向上することができる。
請求項5の発明は、請求項4において、前記クリーニング手段は、クリーニングブレードであることを特徴とする。
これによれば、クリーニング手段を簡単な構成とし、且つ熱容量を小さくすることができる。
請求項6の発明は、請求項4において、前記クリーニング手段は、クリーニングパッドであることを特徴とする。
これによれば、クリーニング力を高めることができる。
【0011】
請求項7の発明は、像担持体と、帯電装置と、露光手段と、現像手段と、請求項1乃至6の何れか一項に記載の加熱定着装置と、を備えた画像形成装置であって、前記加熱定着装置は、記録媒体上の画像を加熱する手段であることを特徴とする。
これによれば、長期使用においても、耐久性・画像安定性を向上する画像形成装置を提供することができる。
請求項8の発明は、像担持体と、帯電装置と、露光手段と、現像手段と、請求項1乃至6の何れか一項に記載の加熱定着装置と、を備えた画像形成装置であって、前記加熱定着装置は、記録媒体上の未定着画像を定着する手段であることを特徴とする。
これによれば、長期使用においても、耐久性・画像安定性を向上する画像形成装置を提供することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
図1(a)及び(b)は本発明の一実施形態に係る加熱定着装置の要部構成を示す縦断面図、及び側面図である。
この加熱定着装置は、中空円筒状の芯金29の内部にヒーター31を備え、外周面にシリコンゴム層(耐熱性樹脂皮膜層)30が形成された加熱ローラ21と、この加熱ローラ21の外周面に圧接配置され、中空円筒状の金属製コア(円筒状芯金)32の外周面にシリコンゴム層(耐熱弾性体層)33が形成された軸線方向に均等な周長を有する加圧回転体22と、この加圧回転体22の内側に挿通されて加圧回転体を加熱ローラ21に押圧する圧接部材23とを有している。さらに、加圧回転体22の周面と当接する位置には、該加圧回転体の回転を安定化させるためのローラである揺動規制部材26を備えている。
圧接部材23は、図1(b)に示すように、両端部よりも中央部付近の径が拡大された和太鼓形状のローラからなり、圧接部材23の軸方向両端から突出する軸部23aを軸受部36により回転自在に軸支することにより、加圧回転体22を加熱ローラ21に押圧させる。この圧接部材23は金属製コア34の外周面に、両端部の肉厚より、中央部の肉厚が厚くなるようにシリコーンゴム35を被覆したものである。この圧接部材23には、両端の軸受部36に設けたバネ36aから加熱ローラ側へ向かう圧接力が加えられている。また、圧接部材23の軸方向両端部には、加圧回転体22の軸方向端部のエッジと当接して該加圧回転体の軸線方向への移動を規制するサイドガイド部材24が設けられている。
このような加熱定着装置では、圧接部材23によって加圧回転体22が加熱ローラ21に押圧されており、加熱ローラ21に撓みが生じる。圧接部材23の表面形状を、加熱ローラ21の撓み量と加圧回転体22の剛性とを考慮して中央で径が拡大されたものとすることによって、加圧回転体22が加熱ローラ21の撓み曲線に追従して撓み、ほぼ均一のニップ幅を得ることができる。
このような加熱定着装置を用いて記録媒体上の未定着トナー像を定着させると、ニップ幅が均一であるため、十分な定着性が得られるとともに、紙しわの発生もなくすることができる。また、揺動規制部材26によって加圧回転体22の回転が安定化されるため、加熱ローラ21との圧接力がより均一になり、定着不良の発生をより確実に防止することができる。さらに、サイドガイド部材24によって加圧回転体22の軸線方向への移動が規制されるため、安定したニップ幅、及び用紙の搬送方向を維持することができる。したがって、この加熱定着装置では、加熱ローラ、圧接部材の剛性を大きくすることなく、ニップ部を軸線方向にほぼ均一にすることができ、従来の加熱定着装置と比較してウォームアップタイムを短縮化することが可能となる。さらに、加熱定着装置の小型化や、質量およびコストの低減ができるという利点がある。
【0013】
図2は本発明の加熱定着装置の要部構成を示す図であり、この実施形態では、圧接部材23の軸方向両端部位置に配置されるサイドガイド部材24の上端部を、加圧解除された状態での加圧回転体22(実線位置)の軸方向端部よりも更に上方(外径方向加熱ローラ側)に突出させるようにした点が特徴的である。サイドガイド部材24の上端部が加圧解除時の加圧回転体よりも上方に突出する量の下限は、最低限加圧回転体の端部の内径位置程度であればよいが、加圧回転体の端部の外径位置以上である方がより好ましい。また、サイドガイド部材24の上端部が上方に突出する上限位置は、加熱ローラの支持軸に触れるなど、動作に影響を及ぼさない位置である。
この実施形態では、サイドガイド部材24は、図示しない側板に固定されるとともに、サイドガイド部材の適所に設けた挿通孔内に圧接部材の軸23aを遊嵌させるようにしてもよいし、サイドガイド部材を圧接部材23の端部に固定して一体回転するようにしてもよい。サイドガイド部材24の側面形状は円形とする。
【0014】
次に、図3は本発明の他の実施形態に係るサイドガイド部材の構成を示す図であり、サイドガイド部材24は各回転体の軸受を保持している側板40に固定され、圧接部材23の軸23aが遊嵌される穴を有している。また、サイドガイド部材24の下端部の幅(肉厚)Aと、上端部の幅(肉厚)Bは異なっており、A>B、即ち下端部の幅Aの方が広くなうように設定されている。つまり、加熱ローラ側端部からその反対側端部まで肉厚が漸増するように構成されている。これは、加圧回転体22が逆U字状に撓んだ時に軸方向端部が点線のように下向きに斜めに向くからであり、その際に加圧回転体22の軸方向端面に沿ってこれをガイドし得るような形状にするためである。このようにサイドガイド部材24の形状を設定することで、サイドガイド部材と加圧回転体22の端面との間の隙間が無くなり、紙粉やトナーなどのごみが加圧回転体内に入ることが防止される。
なお、サイドガイド部材24を側板40に固定させる理由は、圧接部材23と一緒に回転してしまうと回転周期の違い等により、加圧回転体の端部形状に対し沿わなくなってしまう場合があるからである。つまり、加圧回転体22とサイドガイド部材24とを同期回転させても良いが、加圧回転体の回転軸と同じ軸で回転させなければならないなど、短所が多くなるからである。
【0015】
次に、図4(a)(b)及び(c)は本発明の他の実施の形態に係るサイドガイドの正面縦断面図である。各サイドガイドの側面形状は、例えば加圧回転体22の端部を支持するに十分な面積を有した円形とする。
前述したように、加圧力を解除した時は加圧回転体の撓みが無くなり、図3中に示したように、その端部が点線から実線のように形状変化する。この加圧解除時の変形によるサイドガイド部材24への応力を緩和させる目的で、図4(a)(b)(c)に示した例では、サイドガイド部材24の基体50の内側面(加圧回転体側面)に弾性層51を設ける。サイドガイド部材24は元々、加圧回転体22の軸方向への移動を規制する手段であるため、基体50は耐熱性で剛性の高い物質が良く、さらには低熱伝導性であること(側板への熱の逃げを防止する)が好ましい。基体50の材質としては、例えば、エンジニアリングプラスチックなど耐熱性樹脂やセラミックなどが挙げられる。弾性層51の部材、厚さ、弾性率などは、加圧回転体22の撓み量変化や、サイドガイド部材24にかかる応力に対応して決定される。また、弾性層51は加圧回転体側の全面に形成する必要はなく、必要な部分にのみ形成しても良い。
更に、サイドガイド部材24は側板40に固定されているので、加圧回転体22の端部との間で摺動摩擦を受けることになる。従って、図4(c)に示した例のように、弾性層51の最表面を例えば、耐熱性、低摩擦性の樹脂であるフッ素樹脂、シリコーン樹脂等の低摩耗層52とすることが好ましい。低摩耗層52としては、その耐久性を考慮すると、特にフッ素樹脂が好ましく、PFA(パーフルオロアルキルビニールエーテル共重合樹脂)、PTFE(ポリテトラフフルオロエチレン)、FEP(四フッ化エチレン六フッ化プロピレン共重合樹脂) 等のフッ素樹脂が使用できる。
加圧回転体22の内周と圧接部材23の外周との間に紙粉等の異物が侵入して画像品質を低下させる不具合を防止するには、上述のように異物の侵入を防ぐ構成を採用する他に、侵入してしまった異物を除去(クリーニング)して堆積するのを防止することが必要である。
【0016】
図5(a)(b)及び(c)に示した実施形態は、加圧回転体内のクリーニング手段の構成例を示す側部縦断面図、及び正面縦断面図である。
まず、図5(a)に示すように、加圧回転体22内部において、圧接部材23の周面に接するようにクリーニング手段60を配置して圧接部材23の周面に付着する異物を除去する。
例えば、図5(a)のクリーニング手段60としてクリーニングブレード61を用いた場合の断面図を図5(b)に示す。クリーニングブレード61は圧接部材23の外周形状に合わせた形状とし、ブレード先端を圧接部材の周面に接触させ、ゴミなどの付着物を掻き取る作用をする。図5(b)においては、ブレード61が掻き取った付着物が加圧回転体22の下部内壁に再付着しないように、掻き取った付着物を保持する部分61aを設けている。クリーニングブレード61は、耐熱性の樹脂、セラミックなどの板、あるいは金属板を用いて構成することが可能であるため、構成が簡単であり、低コスト化できる。
また、図5(a)のクリーニング手段60としてクリーニングパッド62を用いた場合の断面図を図5(c)に示す。クリーニングパッド62はブレード61よりもソフトにゴミなどの付着物を圧接部材23から取り除くことができ、面積も広く接触させることができるので、圧接部材23の耐久性を向上させ、安定したクリーニングが可能となる。
次に、加熱定着装置においては、オフセットトナーなどの付着物による紙の裏汚れを防止する目的で、加圧回転体22の周面にクリーニング手段を設けることがある。このクリーニング手段は、例えば、円筒状の金属棒から成るクリーニングローラであり、このクリーニングローラを加圧回転体の周面に接触させ連れまわり回転させることで、オフセットトナーを加圧回転体からクリーニングローラへ転写させて異物を除去する。図1(a)に加圧回転体22の揺動規制部材26が記載されているが、前記クリーニングローラの他にさらに揺動規制部材26を設けた場合、加圧手段全体(圧接部材、加圧回転体、クリーニングローラ、揺動規制部材を含む)としての熱容量が増加することになり、省エネルギーの観点から好ましくない。また、部品点数も増加するため、コストアップにも繋がる。従って、揺動規制部材26がクリーニング手段を兼ねることが望ましい。つまり、揺動規制部材26の周面を、異物を除去し得る構成とすることが好ましい。
次に、本発明の加熱定着装置は転写紙上にトナー像を定着させるための加熱定着装置としてばかりでなく、その他の用途、例えば、画像を担持した転写紙を加熱して表面性(つや等)を改質する装置、仮定着する装置、シート状物を給紙して乾燥処理・ラミネート処理する装置等の加熱定着装置としても広く使用できる。
【0017】
次に、図6は本発明の加熱定着装置を電子写真式画像形成装置に適用した場合の画像形成装置の要部構成図である。
符号71は回転体からなる像担持体の一例であってドラム形状の感光体を示している。この感光体71のまわりには、矢印で示す向きの回転方向順に、帯電ローラからなる帯電装置72、露光手段の一部を構成するミラー73、現像ローラ74aを備えた現像手段74、記録媒体Pとしての転写紙に現像画像を転写する転写装置78、感光体71の周面に摺接するブレード76aを具備したクリーニング手段76などが配置されている。感光体71上には帯電装置72と現像ローラ74aとの間に位置するミラー73を介して、露光光Lbが走査されるようになっている。この露光光Lbの照射位置を露光部80と呼ぶ。
転写装置78は、感光体71の下面と対向している。この対向している部位が転写部77であり、この転写部77には転写装置78が設けられている。
転写部77のさらに上流側の位置には一対のレジストローラ79が設けられている。このレジストローラ79に向けて、図示しない搬送ガイドに案内されて図示しない給紙トレイに収納された記録媒体P が給紙コロ81から送り出されるようになっている。転写部77のさらに下流の位置には、本発明の加熱定着装置85が配置されている。
【0018】
この画像形成装置において、画像形成は次のようにして行われる。感光体71が回転を始め、この回転中に感光体71が暗中において帯電装置72により均一に帯電され、露光光Lbが露光部80に照射、走査されて作成すべき画像に対応した潜像が形成される。この潜像は感光体71の回転により現像装置74に移動してきて、ここでトナーにより可視像化されてトナー像が形成される。
一方、給紙コロ81により給紙トレイ上の記録媒体Pの送給が開始され、破線で示す搬送経路を経て一対のレジストローラ79の位置で一旦停止し、感光体71上のトナー像と転写部77で合致するように送り出しのタイミングを待つ。かかる好適なタイミングが到来するとレジストローラ79に停止していた記録媒体Pはレジストローラ79から送り出され、転写部77に向けて搬送される。
感光体71上のトナー像と記録媒体Pとは、転写部77で合致し、転写部材78による電界によりトナー像は記録媒体P上に転写される。
こうして感光体71まわりの画像形成部でトナー像を担持した記録媒体Pは定着装置85へ向けて送り出される。記録媒体P上のトナー像は定着装置85を通過する間に当該記録媒体Pに定着されて図示省略の排紙部に排紙される。
一方、転写部77で転写されずに感光体71上に残った残留トナーは感光体71の回転と共にクリーニング装置76に至り、該クリーニング装置76を通過する間に清掃されて次の画像形成に備えられる。
加熱定着装置85は、加熱部としての加熱ローラ21を有する。加熱ローラ21は、例えば、内側から芯金/弾性層/離型層の3層、あるいは芯金/離型層の2層で構成される。
加熱ローラ21は発熱体31を有しておりハロゲンヒータが用いられるが、特に発熱体はハロゲンヒータに限られず、その他抵抗発熱体でもかまわない。また、発熱体はローラ内部、外部、あるいはローラ自体に設けられても良い。さらに、電磁誘導加熱を用いる物でも良い。
【0019】
芯金29としては、加熱ローラ内部に発熱体を有する場合、鉄、アルミニウム、ステンレスなどの熱伝導性の高い金属を用いることができる。発熱体がローラ外部に設けられている場合には、熱伝導性は低くても良く、耐熱性が有り、形状を保てる物(撓みや歪みは許容範囲であれば構わない)であれば良い。
弾性層30としては、耐熱性の高い弾性体であればよく、シリコーンゴム、フッ素ゴム等を挙げることができる。この中でも特に、耐熱性と耐久性の点からシリコーンゴムが好ましい。弾性層の厚みとしては、用いる材料のゴム硬度にもよるが0.1〜1mm程度が好ましい。これ以上薄い場合、トナーや紙の凹凸を吸収しきれず、光沢ムラなどの画像不良を生じる。また、厚過ぎると熱容量が大きくなり、立ち上がり時の時間が長く必要になるので好ましく無い。
離型層としては、耐熱性の良好な樹脂が用いられ、例えば、フッ素樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。離型性や耐久性を考慮すると、特にフッ素樹脂が好ましく、PFA(パーフルオロアルキルビニールエーテル共重合樹脂)、PTFE(ポリテトラフフルオロエチレン)、FEP(四フッ化エチレン六フッ化プロピレン共重合樹脂) 等のフッ素樹脂が使用できる。離型層の厚みとしては、好ましくは5〜30μmである。離型層の厚みが5μm未満であると耐久性が低く、30μmを超えると離型層が硬くなり、光沢ムラ等の画質不良が現れる可能性があり、共に好ましくない。離型層は必ずしも必要では無いが、離型層がある場合、トナーと定着ローラの分離性が向上するので、備えることが好ましい。
加圧回転体22は、軸方向に均等な周長を有する筒状体であり、剛性体のコア層32とその外周に被覆された弾性層33からなる。剛性体コア層32は、それ自体で加圧力に耐える必要が無く、例えば、鉄で0.2mmと薄くすることが可能である。また、弾性層33は、耐熱性の高い弾性体であればよく、シリコーンゴム、フッ素ゴム等を挙げることができる。この中でも特に、耐熱性と耐久性の点からシリコーンゴムが好ましい。弾性層の厚さとしては、加圧力、弾性体の弾性率、加圧回転体の外径、加熱ローラ温度、回転速度等を考慮し、加熱・定着に必要なニップ幅を形成できる厚さが必要である。
圧接部材23は、例えば、金属製コア34に、両端部の肉厚より中央部の肉厚が厚くなるようにシリコーンゴム35を被覆したものであり、中央部と両端部との肉厚の差は、加圧力、各ローラ径、各弾性層の厚さや弾性率等により決まる加熱ローラ21の撓み量を考慮して、ニップ幅が軸方向に略均一になるように設定する。また、コア34の外径を、両端部より中央部が太くなるようにし、均一な肉厚の弾性層を設けて、同様にニップ幅が軸方向に略均一になるようにしても良い。
【0020】
【実施例】
実施例1
図1に示した加熱定着装置の構成において、サイドガイド部材24を図2に示すような構成とし、これを図6に示す画像形成装置の加熱定着装置85として用いた。
加熱ローラ21は外径30mm、長さ320mm、厚さ0.3mmの鉄製の中空円筒芯金29に、表面の離型性を高めるために厚さ30μmのPFA層30を設け、内部に100V、1000Wのハロゲンヒータ31を固定した構成とした。また、加熱ローラ21と近接する位置には温度センサー25が設けられ、加熱ローラ21の温度を検知してヒーター31のON/OFFが制御されるようになっている。これにより、加熱ローラ21の表面温度が約150℃に制御される。また、この加熱ローラ21のウォームアップタイムは約10秒となる。
加圧回転体22は外径が30mmであり、長さ310mm、厚さ0.2mmの鉄製芯金32の外周に厚さ2mmのシリコーンゴム弾性層33を設けた。
圧接部材23は外径20mm、長さ322mmのSUS製コア34に、両端部の肉厚が1.0mmで、中央部が1.6mmとなるようシリコーンゴム層35を設けた。この圧接部材23の軸23aに軸受部材36を介し、バネ36aで加熱ローラに対し圧接力を加えた。
また、サイドガイド部材24は、その上端部が、図2に示すように圧接力を解除した状態で、加圧回転体22の端部よりも1.5mm上部に突出するようにし、圧接部材の軸23aに固定され、圧接体と一体的に回転する。
さらに、揺動規制部材兼クリーニングローラ26として、外径12mmの鉄製コアを用いた。
この加熱定着装置85を複写用普通紙Type6200(商品名:リコー製)に適用して稼働させたところ、シワ、画像定着ムラ、用紙の裏汚れなどの不具合無く、長期に用紙上に画像を形成することが出来た。また、これとは別に、意図的に加熱定着装置の定着ニップ部に紙が挿入されている状態で装置を止め、定着ニップ部の加圧力を解除し、用紙を引き抜く操作を繰り返したが、サイドガイド部材24に加圧回転体22の端部が乗り上げることなく、注意せずとも再度加圧力を加え、動作確認を容易に行うことが出来た。
比較例1
実施例1において、サイドガイド部材24の上端突出部を無くし、加圧状態でサイドガイド部材の上部が圧接部材22の芯金端部の上端と同じ高さになるように設定したところ、画像形成・定着動作時はサイドガイド部材としての役目を為し、加圧回転体の軸方向の移動は規制された。しかし、意図的に定着ニップ部に紙が挿入されている状態で装置を止め、定着ニップ部の加圧力を解除し、用紙を引き抜く操作を繰り返したところ、加圧解除時に加圧回転体の端部内径がサイドガイド部材の上部より高くなり、サイドガイド部材の上に加圧回転体が乗り上げたことに気付かず、そのまま再度加圧し加圧回転体の端部を破損してしまった。
【0021】
実施例2
実施例1において、サイドガイド部材24は図3に示すようにサイドガイド部材の上下幅が異なるようにし、側板40に固定した。サイドガイド部材24のテーパー量は加圧回転体22の撓み量に合わせ、加圧時に加圧回転体の端部全周がサイドガイド部材の内側面に接触するようにした。ここで、サイドガイド部材24は、図4(c)に示すように、基材50を耐熱性樹脂であるポリイミドを用い、弾性部材51としてシリコーンゴム、低摩擦部材としてテフロン(登録商標)を用いた。
この構成で100%再生紙を連続通紙しても、紙粉が加圧回転体内部に入り込むことはなく、長期に安定した画像形成が可能であった。また、圧力解除時に加圧回転体22の撓みが無くなっても、加圧回転体端部の変化量を弾性部材51で吸収することができ、加圧回転体、サイドガイド部材の両者に高い集中応力が働くことは無かった。
比較例2
実施例2において、サイドガイド部材24を比較例1のように、テーパー形状とせず、しかも上端突出部をなくして、加圧時に加圧回転体22の端部全周がサイドガイド部材24の内側面に接触しない状態にしたところ、100%再生紙を連続通紙すると紙粉が発生し、加圧回転体内部に堆積してしまい、その部分で局所的に定着ムラが発生した。
【0022】
実施例3
実施例1において、加圧回転体22の内部に圧接部材23のクリーニング手段60として、図5(b)に示すクリーニングブレード61を用いて、100%再生紙を連続通紙したところ、紙粉が発生し、加圧回転体内部に進入したが、クリーニングブレード61で掻き落とされ、長期間使用しても定着動作に不具合は生じなかった。
実施例4
実施例3において、クリーニング手段60を図5(c)に示すようなクリーニングパッド基体スポンジゴム62とし、周囲を耐熱性のポリイミド樹脂で被覆した物を用いた。クリーニングパッド62は、クリーニングブレード61よりも接触面積を広くでき、ソフトに当接させても安定して付着物を取り除くことができた。従って、圧接部材23の摩耗も無く、長期に渡って安定した画像が得られた。
【0023】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、加熱ローラに圧接する加圧回転体内部に設けた圧接部材によって加圧回転体を所要形状に変形させながら加熱ローラに圧接させ、更に圧接部材の軸方向端部に設けたサイドガイド部材により加圧回転体の軸方向変位を規制するようにした加熱定着装置において、加圧回転体の加熱ローラに対する圧力解除時に加圧回転体がサイドガイド部材に乗り上げるなどの不具合が生じないようにすることができる。また、低熱容量の加圧回転体で押圧幅を均一にし、さらに長期使用に渡っても均一な定着(加熱)品質を確保できるメンテナンスの容易な加熱定着装置、及び画像形成装置を提供する。また、加圧回転体と加圧部材との間に紙粉、オイル、ワックスなどの異物が進入したときに異物の付着の有無に起因した圧力のバラツキによって、均一な定着が行えなくなる不具合を解消し、耐久性、画像安定性を向上することができる。
請求項1の発明によれば、サイドガイド部材は回転せず、上部と下部で幅(肉厚)が異なっている(テーパーが付いている)ので、加圧回転体の変形時の端部形状に対応したガイド面とすることができ、安定してガイドすることができる。
請求項2の発明は、サイドガイド部材は、加圧回転体側の面に弾性層を有するので、長期使用においても、加圧回転体と圧接部材との間に紙粉、オイル、ワックスなどのゴミが侵入することを防止し、耐久性・画像安定性を向上する。圧力解除時に加圧回転体の撓みが無くなった時でも、余計な応力を生じなくすることができる。
【0024】
請求項3の発明は、サイドガイド部材の加圧回転体との接触面に低摩擦部材を配置したので、サイドガイド部材と加圧回転体との摩擦を低減し、耐久性を向上することができる。
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れか一項において、前記圧接部材に接して付着した異物を除去、或いは除去回収するクリーニング手段を備えたので、圧接部材に紙粉、オイル、ワックスなどのゴミが付着してもクリーニング手段により取り除き、耐久性・画像安定性を向上することができる。
請求項5の発明は、クリーニング手段は、クリーニングブレードであるようにしたので、クリーニング手段を簡単な構成とし、且つ熱容量を小さくすることができる。
請求項6の発明は、クリーニング手段は、クリーニングパッドであるので、クリーニング力を高めることができる。
請求項7の発明は、像担持体と、帯電装置と、露光手段と、現像手段と、請求項1乃至6の何れか一項に記載の加熱定着装置と、を備えた画像形成装置であって、前記加熱定着装置は、記録媒体上の画像を加熱する手段であるので、長期使用においても、耐久性・画像安定性を向上する画像形成装置を提供することができる。
請求項8の発明は、像担持体と、帯電装置と、露光手段と、現像手段と、請求項1乃至6の何れか一項に記載の加熱定着装置と、を備えた画像形成装置であって、前記加熱定着装置は、記録媒体上の未定着画像を定着する手段であるので、長期使用においても、耐久性・画像安定性を向上する画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は本発明の一実施形態に係る加熱定着装置の要部構成を示す正面縦断面図及び側面図。
【図2】本発明の他の実施形態に係る加熱定着装置の要部構成図。
【図3】本発明の他の実施形態に係る加熱定着装置の要部構成図。
【図4】(a)(b)及び(c)は本発明の他の実施形態に係る加熱定着装置の要部(サイドガイド部材)構成図。
【図5】本発明の他の実施形態に係る加熱定着装置の要部構成図であり、(a)は加圧回転体の側部断面図、(b)及び(c)は夫々異なった実施形態に係るクリーニング手段の構成を示す正面断面図。
【図6】本発明を適用する画像形成装置の要部構成図。
【図7】(a)(b)及び(c)は従来の加熱定着装置の構成説明図。
【図8】(a)及び(b)は他の従来例に係る加熱定着装置の構成説明図。
【図9】従来例の欠点を説明する図。
【符号の説明】
21 加熱ローラ、22 加圧回転体、23 圧接部材、23a 軸部、24サイドガイド部材、26 揺動規制部材、29 芯金、30 シリコンゴム層(耐熱性樹脂皮膜層)、31 ヒーター、32 金属製コア(円筒状芯金)、33シリコンゴム層(耐熱弾性体層)、34 金属製コア、35 シリコーンゴム、36 軸受部、40 側板、50 基体、51 弾性層、52 低摩耗層、60 クリーニング手段、61 クリーニングブレード、62 クリーニングパッド、71 感光体、72 帯電装置、73 ミラー、74 現像手段、78 転写装置、85 加熱定着装置。
Claims (8)
- 軸芯を中心として回転駆動され且つヒータにより表層を加熱される中空円筒状の加熱ローラと、前記加熱ローラの表面と接して回転する中空円筒状の加圧回転体と、この加圧回転体の内部に挿通され軸方向両端部を回転自在に支持されて前記加圧回転体を前記加熱ローラに圧接させる圧接部材と、前記加圧回転体の軸方向端部と接触して前記加圧回転体の軸線方向への移動を規制するサイドガイド部材とを備え、
前記圧接部材は、前記加圧回転体と前記加熱ローラとの圧接力が軸線方向にほぼ均等となるように、中央部径が両端部径よりも拡大された構成を備え、
被加熱体を前記加熱ローラと加圧回転体との間で挟持搬送しながら該被加熱体を加熱する加熱定着装置において、
前記サイドガイド部材は回転方向に固定されており、且つ加熱ローラ側端部からその反対側端部へ向けてその肉厚が漸増するように構成されていることを特徴とする加熱定着装置。 - 前記サイドガイド部材は、前記加圧回転体側の面に弾性層を有することを特徴とする請求項1に記載の加熱定着装置。
- 前記サイドガイド部材は、前記加圧回転体端部との接触面に低摩擦部材層を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱定着装置。
- 前記圧接部材に接して付着した異物を除去、或いは除去回収するクリーニング手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の加熱定着装置。
- 前記クリーニング手段は、クリーニングブレードであることを特徴とする請求項4に記載の加熱定着装置。
- 前記クリーニング手段は、クリーニングパッドであることを特徴とする請求項4に記載の加熱定着装置。
- 像担持体と、帯電装置と、露光手段と、現像手段と、請求項1乃至6の何れか一項に記載の加熱定着装置と、を備えた画像形成装置であって、
前記加熱定着装置は、記録媒体上の画像を加熱する手段であることを特徴とする画像形成装置。 - 像担持体と、帯電装置と、露光手段と、現像手段と、請求項1乃至6の何れか一項に記載の加熱定着装置と、を備えた画像形成装置であって、
前記加熱定着装置は、記録媒体上の未定着画像を定着する手段であることを特徴とする画像形成装置。
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